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JP3407644B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置

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Publication number
JP3407644B2
JP3407644B2 JP07295198A JP7295198A JP3407644B2 JP 3407644 B2 JP3407644 B2 JP 3407644B2 JP 07295198 A JP07295198 A JP 07295198A JP 7295198 A JP7295198 A JP 7295198A JP 3407644 B2 JP3407644 B2 JP 3407644B2
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JP
Japan
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fuel
ignition
valve
control means
fuel injection
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JP07295198A
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修 深沢
直行 神谷
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Denso Corp
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Denso Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気筒内に燃料を直
接噴射する筒内噴射式の内燃機関において、始動時の制
御方式を改良した内燃機関の始動制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、低燃費、低排気エミッション、高
出力の特長を兼ね備えた筒内噴射エンジンの需要が急増
している。この筒内噴射エンジンは、各気筒に燃料噴射
弁を配置して、この燃料噴射弁から燃料を燃焼室内に直
接噴射し、吸気ポートから導入される吸入空気と混合し
て混合気を形成し、この混合気を点火プラグにより着火
して燃焼させるようにしている。
【0003】しかし、筒内噴射エンジンは、吸気管内に
燃料を噴射する吸気管噴射エンジンに比べて、燃料が噴
射されてから点火位置に到達するまでの時間が短いた
め、低温始動時には、噴射燃料の霧化が不十分となりや
すく、始動性が悪くなる欠点がある。しかも、燃料の霧
化が不十分な状態で点火が行われると、たまたま1回〜
数回だけ着火したり、一部の気筒だけで着火することが
あり、その結果、エンジン回転数が一時的に始動完了判
定回転数を越えると、始動完了と判定されて、始動時の
燃料増量補正が解除されてしまい、それ以降、始動完了
に必要なリッチな空燃比が得られず、燃焼状態が悪くな
ってしまう。
【0004】これらの対策として、高圧ポンプによって
燃料噴射弁から高圧で燃料を噴射することで、燃料を微
粒化させて霧化を促進させたり、或は、特許第2605
070号公報に示すように、筒内噴射用の燃料噴射弁の
他に、吸気管にも燃料噴射弁を取り付け、低温始動時に
は、吸気管側の燃料噴射弁から燃料を噴射して燃料の霧
化を確保するようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合、
高圧ポンプはエンジンの動力を駆動源とするものが多い
が、始動時には、エンジンから十分な駆動力を得られな
いため、モータ等を設けて高圧ポンプを駆動する必要が
ある。また、後者の場合、各気筒毎の燃料噴射弁に加
え、吸気管にも新たに燃料噴射弁を設ける必要があり、
いずれの場合も、部品点数が増加し、コストアップする
という欠点がある。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、部品点数の増加を招
くことなく、始動時に噴射燃料が十分に霧化した混合気
に着火することができ、始動性向上と低コスト化とを両
立させることができる内燃機関の始動制御装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1では、筒内噴射式の内燃機関にお
いて、スロットル弁の開度を制御するスロットル制御手
段、気筒内のスワール流強度を制御するスワール制御手
段、吸気系への排気還流量を制御する排気還流制御手段
のうちの少なくとも1つの手段を備え、始動制御手段
は、始動初期の点火カット期間に点火をカットして燃料
噴射のみを実行し、該点火カット期間経過後に引き続き
燃料噴射を実行しながら点火を開始すると共に、前記点
火カット期間に前記少なくとも1つの手段を排気流量が
少なくなる位置に制御する。この場合、始動初期の点火
カット期間に噴射された燃料は、その後、排気行程を経
ても、ある程度の割合の燃料が排出されずに気筒内に残
留する。その結果、点火カット期間経過後に最初の点火
が開始されるまでの間に、始動初期に噴射された燃料が
霧化する時間を十分に確保できて、燃料を十分に霧化さ
せてから点火することができ、始動時に混合気を確実に
着火、燃焼させることができて、始動性を向上できる。
しかも、従来のように、高圧ポンプを駆動するためのモ
ータや、吸気管噴射用の燃料噴射弁を追加する必要がな
く、部品点数削減、低コスト化の要求も満たすことがで
きる。更に、請求項1では、点火カット期間に、スロッ
トル制御手段、スワール制御手段、排気還流制御手段の
うちの少なくとも1つの手段を排気流量が少なくなる位
置に制御するので、始動初期の点火カット期間内に噴射
した燃料の残留割合を多くすることができて、点火カッ
ト期間経過後の最初の点火時の混合気をよりリッチにす
ることができ、始動性を更に向上できると共に、始動時
の未燃HCの排出量を少なくすることができる。
【0008】この場合、請求項2のように、始動初期の
点火カット期間内では、燃料噴射を吸気行程の初期に開
始すると良い。このように、燃料噴射時期の通常の設定
範囲である吸気行程から圧縮行程のうち吸気行程初期と
いう最も早い時期に燃料噴射を開始すれば、燃料噴射か
ら点火までの時間、ひいては噴射燃料を霧化させる時間
をより長くすることができる。
【0009】
【0010】また、請求項のように、排気弁の開弁時
間を制御する排気弁制御手段を備えたシステムにおいて
は、始動初期の点火カット期間に排気弁の開弁時間を短
く又は最小(0も含む)としても良い。このようにして
も、点火カット期間内の排気流量が少なくなるため、上
述した請求項と同じく、始動初期の点火カット期間内
に噴射した燃料の残留割合を多くすることができる。
【0011】ところで、噴射燃料は、冷却水温が低いほ
ど、また、燃料の圧力が低くなるほど、霧化しにくくな
る。この点を考慮して、請求項のように、始動初期の
点火カット期間を冷却水温と燃料圧力の少なくとも一方
に基づいて設定するようにしても良い。このようにすれ
ば、冷却水温や燃料圧力によって燃料霧化に必要な時間
が変化するのに対応して、点火カット期間の長さを最適
化できる。
【0012】また、請求項のように、始動初期の点火
カット期間を始動開始からの噴射回数、経過時間、サイ
クル数のいずれかで決定するようにしても良い。いずれ
の場合も、点火カット期間の経過状況をカウンタでカウ
ントすることができ、処理が容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】[実施形態(1)]以下、本発明
の実施形態(1)を図1乃至図8に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御系システム全体の概
略構成を説明する。筒内噴射式の内燃機関である筒内噴
射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアク
リーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側
には、スロットル制御手段であるステップモータ14に
よって開度調節されるスロットル弁15が設けられてい
る。ステップモータ14がエンジン電子制御回路(以下
「ECU」と表記する)16からの出力信号に基づいて
駆動されることで、スロットル弁15の開度(スロット
ル開度)が制御され、そのスロットル開度に応じて各気
筒ヘの吸入空気量が調節される。スロットル弁15の近
傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ1
7が設けられている。
【0014】このスロットル弁15の下流側には、サー
ジタンク19が設けられ、このサージタンク19に、エ
ンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド
20が接続されている。各気筒の吸気マニホールド20
内には、それぞれ第1吸気路21と第2吸気路22が仕
切り形成され、これら第1吸気路21と第2吸気路22
が、エンジン11の各気筒に形成された2つの吸気ポー
ト23にそれぞれ連結されている。各吸気ポート23に
は、それぞれ吸気弁43(図2参照)が設けられてい
る。
【0015】また、各気筒の第2吸気路22内には、ス
ワール制御弁24(スワール制御手段)が配置されてい
る。各気筒のスワール制御弁24は、共通のシャフト2
5を介してステップモータ26に連結されている。この
ステップモータ26がECU16からの出力信号に基づ
いて駆動されることで、スワール制御弁24の開度が制
御され、その開度に応じて各気筒内のスワール流強度が
調節される。ステップモータ26には、スワール制御弁
24の開度を検出するスワール制御弁センサ27が取り
付けられている。
【0016】エンジン11の各気筒の上部には、図2に
示すように、燃料を気筒内に直接噴射する燃料噴射弁2
8が取り付けられ、この燃料噴射弁28からピストン4
2の上面に形成された凹部42aに向かって燃料が噴射
される。図1に示すように、燃料タンク(図示せず)か
ら燃料配管45を通して燃料デリバリパイプ29に送ら
れてくる燃料は、各気筒の燃料噴射弁28から燃焼室内
に噴射され、吸気ポート23から導入される吸入空気と
混合して混合気が形成される。燃料デリバリパイプ29
には、燃料圧力(燃圧)PRを検出する燃圧検出手段と
して燃圧センサ30が取り付けられている。
【0017】更に、エンジン11のシリンダヘッドに
は、各気筒毎に点火プラグ31(図2参照)が取り付け
られ、各点火プラグ31の火花放電によって燃焼室内の
混合気に点火される。また、気筒判別センサ32は、特
定気筒(例えば第1気筒)が吸気上死点に達したときに
出力パルスを発生し、クランク角センサ33は、エンジ
ン11のクランクシャフトが一定クランク角(例えば3
0℃A)回転する毎に出力パルスを発生する。これらの
出力パルスによって、クランク角やエンジン回転数NE
が検出され、気筒判別が行われる。また、エンジン11
には、冷却水温THWを検出する冷却水温検出手段とし
て水温センサ34が取り付けられている。
【0018】一方、エンジン11の排気ポート35に
は、それぞれ排気弁44(図2参照)が設けられ、各排
気ポート35から排出される排気が排気マニホールド3
6を介して1本の排気管37に合流する。この排気管3
7とサージタンク19との間には、排気の一部を吸気系
へ還流させるEGR配管38が接続され、このEGR配
管38の途中にEGR弁39(排気還流制御手段)が設
けられている。ECU16からの出力信号に基づいてE
GR弁39の開度が制御され、その開度に応じてEGR
量(排気還流量)が調節される。また、アクセルペダル
18には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ40
が設けられている。
【0019】上述した各種センサの出力信号は、ECU
16に入力される。このECU16は、マイクロコンピ
ュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶
媒体)に記憶された制御プログラムに従い、各種センサ
出力に基づき、前述したステップモータ14,26、E
GR弁39、燃料噴射弁28、点火プラグ31の動作を
制御する。
【0020】ECU16は、エンジン11の始動時に図
3に示す始動時燃料噴射量算出ルーチンを実行すること
で、始動時の燃料噴射量を算出し、更に、図5及び図6
に示す各ルーチンを実行することで、始動初期に所定噴
射回数となるまで点火をカットして燃料噴射のみを実行
し、該点火カット期間経過後に引き続き燃料噴射を実行
しながら点火を開始する始動制御手段として機能する。
以下、各ルーチンの処理内容について説明する。
【0021】図3に示す始動時燃料噴射量算出ルーチン
は、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所
定時間毎又は所定クランク角毎に繰り返し実行される。
本ルーチンが起動されると、まずステップ100で、ク
ランク角センサ33で検出されたエンジン回転数NEを
始動完了判定値と比較して始動完了前か否かを判定す
る。この際、始動完了判定にヒステリシスを持たせるた
めに、図4に示すように始動完了の前後で始動完了判定
値を切り換え、始動完了前であれば、エンジン回転数N
Eが例えば400rpmを越えるまで始動完了前と判定
され、一旦、400rpmを越えて始動完了と判定され
ると、エンジン回転数NEが例えば200rpm未満に
低下するまで始動完了と判定される。
【0022】もし、ステップ100で、始動完了と判定
されれば、本ルーチンを終了して始動後燃料噴射量算出
ルーチン(図示せず)を実行し、始動完了後の燃料噴射
量を算出する。
【0023】一方、上記ステップ100で、始動完了前
と判定されれば、ステップ101に進んで、水温センサ
34で検出された冷却水温THWを読み込み、次のステ
ップ102で、冷却水温THWをパラメータとする始動
時基本燃料噴射量q1 のマップを検索し、現在の冷却水
温THWに応じた始動時基本燃料噴射量q1 を求める。
この始動時基本燃料噴射量のマップは、予め、実験デー
タや理論式によって設定され、ECU16のROMに記
憶されている。また、燃料噴射弁28の燃料噴射量は、
例えばバッテリ電圧の変化によって変動するため、ステ
ップ103で、バッテリ電圧に基づいて補正量q2 を算
出し、次のステップ104で、この補正量q2 を始動時
基本燃料噴射量q1 に加算して始動時全燃料噴射量qを
算出し(q=q1 +q2 )、本ルーチンを終了する。
【0024】図5に示す始動時噴射・点火制御ルーチン
は、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所
定時間毎又は所定クランク角毎に次のように実行され
る。まず、ステップ200で、前記図3のステップ10
0と同じく、始動完了前か否かを判定し、始動完了と判
定された場合には、本ルーチンを終了し、始動完了前で
あれば、ステップ201に進み、クランキング開始後、
燃料噴射が実行されたか否か(噴射実行フラグXFIN
J=ONか否か)を判定し、燃料噴射を実行する毎に、
ステップ202に進み、クランキング開始からの噴射回
数をカウントする噴射回数カウンタを1ずつカウントア
ップし、次のステップ203で、噴射実行フラグXFI
NJを「OFF」にリセットして、ステップ204に進
む。一方、上記ステップステップ201で、XFINJ
=OFFと判定された場合には、噴射回数カウンタをカ
ウントアップせずに、ステップ204に進む。
【0025】このステップ204では、始動初期の点火
カット期間を越えたか否かを判定するために、噴射回数
カウンタのカウント値(クランキング開始からの噴射回
数)が所定噴射回数N以上か否かを判定する。ここで、
所定噴射回数Nは、例えば、第1回目に噴射された燃料
が霧化して着火しやすい混合気が形成されるまでに要す
る時間が経過するのに必要な噴射回数であり、図7に示
す冷却水温THWをパラメータとするマップを検索し
て、始動時の冷却水温THWに応じた噴射回数Nが設定
される。一般に、冷却水温THWが低くなるほど、噴射
燃料が霧化するのに要する時間が長くなるため、図7の
所定噴射回数Nのマップの特性は、冷却水温THWが低
くなるほど、所定噴射回数Nが多くなるように設定され
ている。この所定噴射回数Nのマップは、予め、実験デ
ータや理論式によって設定され、ECU16のROMに
記憶されている。尚、所定噴射回数Nは、予め設定した
固定値としても良い。
【0026】上記ステップ204で、クランキング開始
からの噴射回数が所定噴射回数N未満と判定されれば、
まだ燃料の霧化が不十分と思われるので、ステップ20
5に進み、点火をカットすると共に、燃料噴射量及び燃
料噴射時期をセットする。ここで、燃料噴射量は、図3
のステップ104で算出した始動時全燃料噴射量qにセ
ットされ、燃料噴射時期は、吸気行程の初期で燃料噴射
を開始するようにセットされる。これにより、図2に示
すように、ピストン42が吸気行程の上死点付近に位置
するタイミングで燃料の噴射が開始されるようにセット
される。
【0027】この後、ステップ205に進み、後述する
図6の燃料噴射・点火実行ルーチンを実行する。これに
より、始動初期の点火カット期間中は、点火をカットし
て燃料噴射のみを吸気行程の初期に実行する。このよう
にして、点火カット期間に噴射された燃料は、その後、
排気行程を経ても、ある程度の割合の燃料が排出されず
に気筒内に残留するため、点火カット期間経過後に最初
の点火が開始されるまでの間に、始動初期に噴射された
燃料が霧化する時間が十分に確保される。
【0028】その後、本ルーチンを起動した時に、上記
ステップ204で、クランキング開始からの噴射回数が
所定噴射回数N以上と判定されれば、ステップ206に
進み、点火カットを解除して(点火カット期間を終了し
て)、点火時期をセットすると共に、燃料噴射量及び燃
料噴射時期をセットする。この後、ステップ207に進
み、後述する図6の燃料噴射・点火実行ルーチンを実行
する。これにより、始動初期の点火カット期間経過後
は、上記ステップ206でセットされた噴射・点火条件
で、燃料噴射弁28から燃料を噴射すると共に、点火プ
ラグ31による点火を開始して、混合気を着火、燃焼さ
せる。
【0029】上記ステップ207で実行される図6の燃
料噴射・点火実行ルーチンでは、まずステップ300
で、上記ステップ205又は206でセットされた燃料
噴射時期になったか否かを判定する。この判定は、上記
ステップ205又は206の処理と同時に計時動作を開
始するタイマカウンタのカウント値に基づいて行う。こ
のステップ300で、燃料噴射時期と判定されれば、ス
テップ301に進み、燃料噴射を実行し、噴射実行フラ
グXFINJを「ON」にセットする。この後、ステッ
プ302で、上記ステップ205又は206でセットさ
れた点火時期になったか否かを、上記タイマカウンタの
カウント値から判定し、点火時期になれば、ステップ3
03に進み、点火を実行する。
【0030】以上説明した実施形態(1)によれば、始
動初期に燃料噴射回数が所定噴射回数N未満の期間(点
火カット期間)は、点火プラグ31の点火をカットして
燃料噴射のみを実行するようにしたので、点火カット期
間経過後に最初の点火が開始されるまでの間に、始動初
期に気筒内に噴射された燃料が霧化する時間を十分に確
保できる。これにより、始動初期に噴射された燃料を十
分に霧化させて着火に適した混合気が形成されてから点
火することができ、始動時に混合気を確実に着火、燃焼
させることができて、始動性を向上できる。しかも、従
来のように、燃圧昇圧用の高圧ポンプ(図示せず)を駆
動するためのモータや、吸気管噴射用の燃料噴射弁を追
加する必要がなく、部品点数削減、コンパクト化、低コ
スト化の要求も満たすことができる。
【0031】また、上記実施形態(1)では、始動初期
の点火カット期間期間中は、燃料噴射可能な範囲内で最
も早い時期である吸気行程初期に燃料噴射を開始するの
で、燃料噴射から点火までの時間、ひいては、噴射燃料
を霧化させる時間をより長く確保することができ、燃料
の霧化を更に確実にすることができる。しかしながら、
点火カット期間中の燃料噴射開始時期は、吸気行程初期
に限定されず、吸気行程中期以降であっても良い。
【0032】また、上記実施形態(1)では、点火カッ
ト期間を決める所定噴射回数Nは、冷却水温THWをパ
ラメータとするマップから求めるようにしたが、噴射燃
料が霧化するのに要する時間は、燃圧PRによっても変
化するため、図8に示すように、燃圧PRをパラメータ
とする所定噴射回数Nのマップを実験データや理論式に
よって作成しておき、このマップから所定噴射回数Nを
求めるようにしても良い。この場合、燃圧PRが低くな
るほど、噴射燃料が霧化するのに要する時間が長くなる
ため、図8の所定噴射回数Nのマップの特性は、燃圧P
Rが低くなるほど、所定噴射回数Nが多くなるように設
定されている。尚、所定噴射回数Nを、冷却水温THW
と燃圧PRとの双方を考慮して二次元マップ等から総合
的に決定するようにしても良い。
【0033】[実施形態(2)]ところで、点火カット
期間中に噴射された燃料は、点火されずに排気行程を迎
えるため、排気行程で排出される混合気の排出割合が多
くなると、点火カット期間内に噴射した燃料の残留割合
が少なくなる。
【0034】そこで、本発明の実施形態(2)では、図
9に示す始動時噴射・点火制御ルーチンを実行すること
で、点火カット期間中に空気系制御弁(スロットル弁1
5、スワール制御弁24及びEGR弁39)を排気流量
が少なくなる位置に制御して点火カット期間内に噴射し
た燃料の残留割合を多くする。
【0035】図9に示す始動時噴射・点火制御ルーチン
において、前記実施形態(1)の図5と異なる点は、ス
テップ204とステップ205の間にステップ205a
の処理が加えられていることと、ステップ204とステ
ップ206の間にステップ206aの処理が加えられて
いることである。
【0036】本ルーチンにおいて、ステップ204で、
クランキング開始からの噴射回数が所定噴射回数N未満
(点火カット期間内)と判定された場合には、ステップ
205aに進み、スロットル開度TAとスワール制御弁
開度SCVを共に全開KTA,KSCVにセットし、E
GR弁開度EGRを全閉KEGRにセットする。これに
より、スロットル弁15を全開すると、排気行程初期の
吸気弁43が開いている期間に混合気が吸気系へ逆流し
やすくなり、排気流量を減少させる効果が得られる。ま
た、スワール制御弁27を全開すると、気筒内のスワー
ル流が停止されて、スワール流による排気ポート35へ
の燃料の吹き出しが防止される。また、EGR弁41を
全閉すると、EGRガスの流れが停止され、排気流量を
減少させる効果が得られる。点火カット期間中には、各
空気系制御弁を排気流量が少なくなる位置に保持し(ス
テップ205a)、点火をカットして燃料噴射のみを吸
気行程の初期に実行する(ステップ205)。
【0037】一方、ステップ204で、噴射回数が所定
噴射回数N以上(点火カット期間終了)と判定された場
合には、ステップ206aに進み、スロットル開度T
A、スワール制御弁開度SCV及びEGR弁開度EGR
を、冷却水温THW、エンジン回転数NE等に応じてマ
ップ等により設定して、スロットル弁15、スワール制
御弁24及びEGR弁39の制御を通常制御に戻し、点
火カットを解除して、点火時期、燃料噴射量及び燃料噴
射時期をセットする(ステップ206)。上記以外の処
理は、前記実施形態(1)と同じである。
【0038】以上説明した実施形態(2)では、点火カ
ット期間中に空気系制御弁(スロットル弁15、スワー
ル制御弁24及びEGR弁39)を排気流量が少なくな
る位置に制御するようにしたので、点火カット期間中に
噴射した燃料の残留割合を多くすることができて、点火
カット期間経過後の最初の点火時の混合気をよりリッチ
にすることができ、始動性を更に向上できると共に、始
動時の未燃HCの排出量を少なくすることができる。
【0039】尚、本実施形態(2)では、点火カット期
間中にスロットル弁15及びスワール制御弁24を全開
とし、EGR弁39を全閉としたが、本発明は、これに
限定されるものではなく、例えば、スロットル弁15及
びスワール制御弁24を開き方向に制御し、EGR弁3
9を閉じ方向に制御するようにしても良く、要は、排気
流量(気筒内の空気流)を少なくする方向に制御すれば
良い。また、気筒内の空気流ヘの影響が少ない空気系制
御弁については、必ずしも、点火カット期間中に上述し
た制御を行う必要はなく、点火カット期間中も従来と同
様の制御を行うようにしても良い。ちなみに、スロット
ル弁15、スワール制御弁24、EGR弁39の中で
は、スワール制御弁24の全開(スワール流の停止)に
よる燃料残留割合増大効果が最も大きい。
【0040】[実施形態(3)]次に、図10及び図1
1を用いて、本発明の実施形態(3)を説明する。前記
実施形態(2)では、点火カット期間中に空気系制御弁
を特定位置に制御することで、点火カット期間内に噴射
した燃料の残留割合を多くするようにしたが、図10に
示すように、排気弁44の開閉タイミングを可変する排
気バルブタイミング機構45(排気弁制御手段)を搭載
したシステムに本発明を適用する場合には、図11の始
動時噴射・点火制御ルーチンを実行することで、点火カ
ット期間中に排気弁44の開弁時間を最小に設定して、
噴射燃料の残留割合を多くするようにしても良い。
【0041】図11の始動時噴射・点火制御ルーチンで
は、ステップ204で、クランキング開始からの噴射回
数が所定噴射回数N未満(点火カット期間内)と判定さ
れた場合には、ステップ205bに進み、排気弁44の
開弁時間VVTを排気バルブタイミング機構45で調整
可能な最小値minVVTに設定し、点火をカットして
燃料噴射のみを吸気行程の初期に実行する(ステップ2
05)。尚、排気弁44の開弁時間の最小値minVV
Tは、0(つまり排気行程中も排気弁44が全閉される
状態)にしても良い。
【0042】一方、ステップ204で、噴射回数が所定
噴射回数N以上(点火カット期間終了)と判定された場
合には、ステップ206bに進み、排気弁44の開弁時
間VVTを、冷却水温THW、エンジン回転数NE等に
応じて設定し、排気弁44の開閉タイミングの制御を通
常の制御に戻し、点火カットを解除して、点火時期、燃
料噴射量及び燃料噴射時期をセットする(ステップ20
6)。上記以外の処理は、前記実施形態(1)と同じで
ある。
【0043】このようにすれば、点火カット期間中に、
排気弁44の開弁時間を最小にできるため、点火カット
期間内の排気流量を少なくできて、点火カット期間内に
噴射した燃料の残留割合を多くすることができる。
【0044】尚、本実施形態(3)では、点火カット期
間中に排気弁44の開弁時間VVTを最小にしたが、排
気弁44の開弁時間VVTを通常の始動時よりも短くす
るようにしても良く、この場合でも、排気流量減少によ
る燃料残留割合増大効果を得ることができる。
【0045】また、点火カット期間に、排気弁44の開
弁時間を最小又は短くすると共に、空気系制御弁(スロ
ットル弁15、スワール制御弁24及びEGR弁39の
少なくとも1つ)を前記実施形態(2)と同様に排気流
量(気筒内の空気流)を少なくする方向に制御するよう
にしても良い。
【0046】また、上記各実施形態(1)〜(3)で
は、始動初期の点火カット期間を燃料噴射回数で判定し
たが、例えば、始動開始からの経過時間又はサイクル数
をカウンタでカウントして、そのカウント値から点火カ
ット期間か否かを判定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御
系システム全体の概略構成を示す図
【図2】エンジンの主要部の構成を示す縦断面図
【図3】始動時燃料噴射量算出ルーチンの処理の流れを
示すフローチャート
【図4】始動完了の判定基準を説明するための図
【図5】実施形態(1)の始動時噴射・点火制御ルーチ
ンの処理の流れを示すフローチャート
【図6】燃料噴射・点火実行ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート
【図7】冷却水温THWと所定噴射回数Nとの関係を示
す図
【図8】燃圧PRと所定噴射回数Nとの関係を示す図
【図9】本発明の実施形態(2)における始動時噴射・
点火制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図10】本発明の実施形態(3)におけるエンジンの
主要部の構成を示す縦断面図
【図11】実施形態(3)の始動時噴射・点火制御ルー
チンの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…筒内噴射式エンジン(筒内噴射式内燃機関)、1
2…吸気管、14…ステップモータ(スロットル制御手
段)、15…スロットル弁、16…ECU(始動制御手
段)、24…スワール制御弁(スワール制御手段)、2
6…ステップモータ、28…燃料噴射弁、30…燃圧セ
ンサ(燃圧検出手段)、31…点火プラグ、34…水温
センサ(冷却水温検出手段)、37…排気管、39…E
GR弁(排気還流制御手段)、40…EGR配管、43
…吸気弁、44…排気弁、45…排気バルブタイミング
機構(排気弁制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 21/08 301 F02D 21/08 301G 41/02 301 41/02 301E 330 330A 43/00 301 43/00 301A 301K 301N 301U F02M 25/07 550 F02M 25/07 550H F02P 11/04 301 F02P 11/04 301A (56)参考文献 特開 平10−18951(JP,A) 特開 平10−252453(JP,A) 特開 平3−271564(JP,A) 特許2605070(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 F02P 11/04 F02D 13/02 F02D 21/08 F02B 31/02 F02M 25/07

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁から気筒内に燃料を直接噴射
    し、その混合気に点火プラグで点火する筒内噴射式の内
    燃機関において、スロットル弁の開度を制御するスロットル制御手段、気
    筒内のスワール流強度を制御するスワール制御手段、吸
    気系への排気還流量を制御する排気還流制御手段のうち
    の少なくとも1つの手段と、 始動初期の所定期間(以下「点火カット期間」という)
    に前記点火プラグの点火をカットして燃料噴射のみを実
    行し、該点火カット期間経過後に引き続き燃料噴射を実
    行しながら点火を開始する始動制御手段とを備え、 前記始動制御手段は、前記点火カット期間に前記少なく
    とも1つの手段を排気流量が少なくなる位置に制御する
    ことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記始動制御手段は、前記点火カット期
    間内では燃料噴射を吸気行程の初期に開始するように噴
    射時期を制御することを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の始動制御装置。
  3. 【請求項3】 排気弁の開弁時間を制御する排気弁制御
    手段を備え、 前記始動制御手段は、前記点火カット期間に前記排気弁
    制御手段を前記排気弁の開弁時間を短く又は最小とする
    ように制御することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の内燃機関の始動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関の冷却水温を検出する冷却
    水温検出手段と、前記燃料噴射弁に供給される燃料の圧
    力を検出する燃圧検出手段の少なくとも一方を備え、 前記始動制御手段は、前記点火カット期間を前記冷却水
    温と前記燃料圧力の少なくとも一方に基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の内
    燃機関の始動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記始動制御手段は、前記点火カット期
    間を始動開始からの噴射回数、経過時間、サイクル数の
    いずれかで決定することを特徴とする請求項1乃至
    いずれかに記載の内燃機関の始動制御装置。
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