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JP3405991B2 - 縫合せ製品およびその製造方法 - Google Patents

縫合せ製品およびその製造方法

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JP3405991B2
JP3405991B2 JP51801694A JP51801694A JP3405991B2 JP 3405991 B2 JP3405991 B2 JP 3405991B2 JP 51801694 A JP51801694 A JP 51801694A JP 51801694 A JP51801694 A JP 51801694A JP 3405991 B2 JP3405991 B2 JP 3405991B2
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ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング・カンパニー
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
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    • DTEXTILES; PAPER
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    • Y10T428/24033Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including stitching and discrete fastener[s], coating or bond
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    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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    • Y10T428/25Web or sheet containing structurally defined element or component and including a second component containing structurally defined particles
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、縫合せ製品およびその製造方法に関する。
特に、吸収性および(または)スクラッビング性(ごし
ごし洗うことのできる性質)を備えた縫合せ製品につい
て述べている。
INDA−TEC 1989で提出されたパレラ、ジェー・シー
の論文『不織技術と拭取り材(Nonwoven Technology an
d Wipers)』は、不織産業についての鋭い報告を提供し
ている。具体的には、パレラは、製造業者が吸収性の拭
取り材を製造するために注目している主要な四つの技術
について述べ、比較している。それらは、商業化された
順番で、 ドライステープル(紡織繊維にカーディングを施し、
気流で運び、飽和結合またはスプレー結合により作られ
たウェブ)、 エアレイ(セルロースまたは合成のパルプ繊維を、気
流で運び、結合して製造される織物)、 メルトブロウン(極微細繊維をラインで溶融紡糸して
製造されるウェブ)、 スパンレース(繊維を水力でからませて製造される織
物)である。
パレラは、まず“アルファベット”で表した消費者の
拭取り材に対する要求を使用して、これらを比較してい
る。すなわち、吸収性を“A"、体積密度を“B"、堅さ
(consistency)を“C"、耐久性を“D"、そして価格を
“P"で表している。
ドライステープルから作られる不織の拭取り材は“A"
および“D"については満足であるが、“P"については、
セルロース紙の拭取り材に比べて100%以上の割高とな
った。気流で運ぶ工程(air−lay process)を用いて製
造される吸収性の拭取り材は、“A"、“B"、“C"、およ
び“P"に対する消費者の要求を満足するが、既に入手可
能なドライステープルから作られる不織の拭取り材に比
べて“D"が改善されていなかった。にもかかわらず、産
業および消費者部門において、製品はほぼ満足のいくも
のとされていた。顕著な吸油性および吸水性を示すメル
トブロウン繊維から製造された織物は、満足されるもの
であった。吸収方法は、ドライステープルやエアレイの
場合には繊維やセルロース内への吸収であったが、吸着
または捕獲が利用されている。“B"、“C"、“D"および
“P"は十分であったが、従来の拭取り材に比べて劇的に
異なるものではなかった。スパンレースの織物は、
“A"、“B"、“C"および“D"に関しては、“今日の最も
完成された不織の拭取り材”と言われたが、“P"につい
ては、“既に達成された性能特性の範囲を出ない”もの
であった。
2つの織物を接合して耐久性および吸収性を有する拭
取り材を形成する方法としての縫合せは、明らかに前述
の各技術の場合ほどの拭取り材業界の注目を集めるもの
ではなかった。
熱可塑性材料が何等かの方法で組み込まれた縫合せ材
料は多数ある。例えば、米国特許第5,104,703号明細書
に開示された単一層の不織布は単一層のバットであり、
このバットは、交差状にラップして針縫いされたコンパ
クトな構造を有する繊維から構成されており、バット全
体にわたって混入された低融点の熱可塑性材料を熱的に
安定させる(thermally setting)ことによって熱融着
されている。このバットは、全体にわたって縫われてい
る。米国特許第4,740,407号明細書に開示されたパイル
状の生地は、繊維からなる織物の担体から構成されてお
り、少なくとも一方の面に粗い面を有している。そし
て、フォーム状の状態を有する高分子の合成プラスチッ
ク材料が少なくとも部分的に含浸されている。この生地
は少なくとも一方の含浸された面が研磨されており、こ
の研磨は、生地から担体の繊維の少なくとも一部分が突
出するようになされている。
本発明により、縫合せ製品が提供される。一例として
は、縫合せ技術を使用して縫われた吸収性繊維のシート
に特徴を有する、吸収性/スクラッビング性の両機能材
である。この繊維シートの少なくとも一方の面には、熱
可塑性材料から構成されるノジュールがランダム形状に
融着されている。本明細書においては、“両用”、“両
機能”、および“両目的”の語が相互交換可能に用いら
れており、その製品が吸収材として、スクラブ材とし
て、またはそれら両方に使用し得ることを意味してい
る。“スクラブ材”の語は、その製品が研磨性である
が、モース硬度が2またはそれ以上の硬度を有する面に
は傷をつけない製品であることを意味する。
吸収性の繊維シートは、吸油性および(または)吸水
性を有しており、ブローイングが施された熱可塑性の微
繊維、湿式レイドまたは乾式レイドのステープルファイ
バー、カーディングが施されたステープルファイバー、
スパンレース繊維、またはセルロースのパルプ繊維のい
ずれかである。吸収性の繊維シートは、接着剤によって
互いに接着されたセルロースのパルプ繊維によって本質
的に構成される不織のバットから構成されることが好ま
しい。繊維同士の接着は、熱可塑性の粒子や熱可塑性の
繊維を利用した接着、またはスプレー結合によって行な
われる。好ましいのは、アクリルのラテックスをベース
とした接着剤を使用してスプレー結合されたバットであ
る。バットは、一層当たり少なくとも95g/m2(gsm)の
坪量を有していることが好ましい。バットは、ポリエス
テル等の高熱に対して安定な材料を少なくとも一つ含ん
だ縫糸を使用して、平編み(plain)ステッチまたはト
リコット(tricot)編みステッチで縫い合されている。
本発明の両機能材の一の最終形態においては、熱可塑
性ノジュールが縫糸および吸収繊維層の外表面の少なく
とも一部分に融着されている。熱可塑性ノジュールは、
“技術的裏面”または“技術的前面”の一方に、または
その両方に融着していてもよい。
好ましい両機能材の一例においては、第1の吸収層の
熱可塑性ノジュールを備えた面とは反対側の面に第2の
吸収層が縫い合わされている。第2の層は、次のi)ま
たはii)のいずれかの材料から作られる。
i)接着剤を使用して互いに接着されたセルロースのパ
ルプ繊維の第2の不織のバット;第2のバットは第1の
バットと同じものであっても、異なるものであってもよ
い。
ii)ビスコースレーヨン、コットン、ポリオレフィンを
含まない合成繊維、およびそれらの混合体のいずれかか
ら構成される、織られた層、不織の層、または編まれた
層。
第1の(またはそれ以上の)吸収層が糸を使用して縫
われる。縫付けは、平編みまたはトリコット編みで行な
われることが好ましい。接着剤で接着されたセルロース
のパルプ繊維を使用する場合、ステッチ密度(機械の方
向に沿って数えた10cm当たりのステッチの数)を10cm当
たり約15〜35ステッチとし、ステッチゲージ(10cm当た
りのステッチのウェールの数)を約10〜40とすれば、驚
くほど良好な吸水特性(割合および絶対)および耐久性
が得られることが分かった。
熱可塑性ノジュールは、多くの方法のいずれかによっ
て形成することができる。好ましい方法の1つは、吸収
性の繊維シートと軽量かつ薄型の不織ポリオレフィン材
料(例えば、アモコ・ケミカル社の商標名“RFX"のも
の)とを縫い合わせることを含む。代わりに、薄いポリ
オレフィンのシートを使用することもできる。軽量かつ
薄型の不織またはフィルム状の熱可塑性材料は、その重
量が約3.5〜170グラム/m2(gsm)であり、35〜70gsmで
あることがより好ましい。その後、ポリオレフィン材料
は溶融するのに十分な熱にさらされて流動し、縫糸およ
び吸収シートに追従する。溶融した熱可塑性材料は弱い
結合力を有する材料に戻り、溶融状態で分離し、繊維シ
ート表面および露出した縫糸の上に分散する複数の小球
を構成する。冷却すると、熱可塑性材料が硬化して、多
彩な形状および輪郭のノジュールが形成される。縫糸
が、加えられた熱によって溶融するのに十分低い融点の
構成要素を有している場合(好ましい実施例においては
そうである)には、ノジュールは縫糸からも形成され
る。
吸収シートと熱収縮性高分子材料とを縫い合わせるこ
とにより、吸水特性については僅かに減じられている
が、スクラッビング力については非常に高められた本発
明の両機能材を得ることができるとは意外であった。前
者の任意に利用できる性質(disposable item)は多用
途における一性質として取り入れられ、これにより廃棄
問題が減じられる。本発明の両機能材の外観は、構成要
素である縫糸および(または)層の色を変えることによ
り、より魅力的なものに変更することができる。本発明
の縫い合わされた両機能材は、さらに、セルロースやポ
リウレタンのスポンジ等の他の材料に取り付けることが
できる。適切な取付手段は、融着を利用したり、接着剤
を使用することである。
前記したように、少なくとも2つの異なる繊維(熱安
定性も異なる)から構成される縫糸を使用してもよい。
これらの場合には、構成要素である異なる2つの繊維
は、少なくとも接触領域の一部に沿って互いに融着して
いること、および、糸の少なくとも一部分が溶融して吸
収層の外表面に融着することが好ましい。前述のよう
に、ノジュールは熱安定性の低い材料からも構成されて
もよい。
熱を加え冷却すると収縮する特性を有する一の構成材
料からなる縫糸を使用して、本発明の両目的材の嵩を調
整することもできる。例えば、成分は同じであるが異な
る延伸比(draw ratio)で作られたポリエステルのフィ
ラメントは、高分子の結晶度が異なるので、加熱および
冷却サイクルに対して異なる反応を示す。一般に、延伸
後の高分子鎖の配向が小さくなるほど、高分子の結晶性
は小さくなり、収縮性が高くなる。
本明細書で使用される“セルロースのパルプ繊維”と
は、セルロース系の繊維を意味する。例えば、長さ約3
〜5mm、直径約15〜40μm(デニールにして、約1〜5dt
ex)のウールパルプ繊維である。このように、これらの
繊維は、ステープルファイバーや紡織繊維(これらは、
通常、約2〜9cmの長さである)および連続的なフィラ
メントとは異なる。“本質的に不織のセルロースのパル
プ繊維で構成される”とは、バットが“パルプ繊維”の
語で定義するにはふさわしくない0または最小量(de m
inimis)の繊維を含んでいることを意味する。
本発明の両目的材の特に好ましい例は、第2の層が、
接着剤で互いに接着されたセルロースのパルプ繊維の不
織の第2のバットであるものである。第2の層がビスコ
ースレーヨン繊維、またはコットン繊維である、本発明
の両目的材もまた好ましい。
本発明の他の態様は、1または2以上の糸で縫われて
いるスクラブ材である。糸には、複数の熱可塑性ノジュ
ールが融着されている。糸は、その少なくとも一部分
が、ノジュールを構成する熱可塑性材料の融点よりも高
い融点を有していなければならない。
図1は、本発明に係る好ましいスクラブ材の走査電子
顕微鏡写真(倍率3)である。
図2a、2b、3、および4は、本発明の両目的材の概略
斜視図である。
図5は、本発明に係る好ましいスクラブ材の他の例を
示す概略斜視図である。
図6は、熱処理を施す前の両目的材の前駆物質の走査
電子顕微鏡写真(倍率15)である。
図7は、熱処理が施された図6の前駆物質の走査電子
顕微鏡写真(倍率15)である。
前述のように、本発明の吸収・スクラブ両目的材の一
例においては、第1層は、セルロースのパルプ繊維を接
着剤で接着した不織のバットから構成される。このバッ
トは、1層当たり、少なくとも約95g/m2の坪量を有して
いる。このような吸収材は親水性を有しており、一の吸
収層には2以上のバットが含まれていてもよい。他の好
ましい吸収材は、ポリプロピレンの微繊維等をブローイ
ングしたものであり、これらは通常は疎水性を有する。
疎水性の繊維と親水性の繊維とを混合したものは、本発
明における吸収材として有用である。
本発明において有用な吸収材は疎水性および親水性の
繊維を含んでいるので、本発明の吸収・スクラブ両目的
材は、吸水性、吸油性、またはその両方を有しており、
耐久性があり、経済的に製造することができる。特に、
吸収性の繊維シートがセルロースのパルプ繊維を100%
使用して製造された場合には、本発明の両目的材は、ス
クラッビングのためのノジュールを付加したとしても、
合成木材パルプ繊維に基づくものと比べて低コストとな
る。スクラブ面とは反対側の面に100%のビスコースレ
ーヨン、コットン、またはスポンジ材(セルロースまた
はポリウレタン)からなる層を有するものも比較的経済
的に製造することができる。
セルロースのパルプ繊維のバットに使用する接着剤
は、この分野で知られている通常のものである。通常お
よび好ましくは、接着剤はエチレンと酢酸ビニルの共重
合体であり、酢酸ビニルが重量割合で約10〜20%含まれ
るものである。この接着剤を含んだセルロースの木材パ
ルプのバットは本発明において有用であり、ジェームズ
・リバー社の商標名“Airtex"として知られているも
の、特に製造番号395〜399番等がある。399番は395番よ
りも吸収性が高いが強度で劣る。これらのバットの組成
は独占対象であるが、接着剤は、接着剤で接着されたセ
ルロースのパルプ繊維のバットを重量割合で約2〜20%
含んでいると信じられる。本発明において有用な他のセ
ルロース系吸収材としては、商標名“Walkisoft"として
知られているもの、特に製造番号FG407−SHB、FG412−S
HB、およびFG404−SHB等がある。ここで、“SHB"は、
“super high bulk"を意味している。
吸収材の第2面には熱可塑性ノジュールが融着されて
いる。このノジュールは、吸収層の第1面のノジュール
と同様のものであっても異なるものであってもよい。他
の例としては、縫合せが完了した後、接着剤や溶融等を
利用してセルロースまたはポリウレタンのスポンジ等の
多孔性材料を縫合せ材料に接着することも考えられる。
これらの積層構造の例において、開口した多孔性の材料
がセルロースのスポンジである場合には、好ましい積層
方法は水分を含むと硬化するポリウレタン系接着剤を使
用することである。多孔性材料がポリウレタンをベース
とするものである場合には、イソシアナートを含むと硬
化するポリウレタン系接着剤が好ましい。
第2層がビスコースレーヨンである場合には、この層
は不織であることが好ましく、不織のスパンレースであ
ることがより好ましい。100%ビスコースレーヨンの適
切なスパンレースは、商業的に多数のルートから入手す
ることができる。本発明の目的を達するのに必要な100
%ビスコースレーヨンのスパンレースの1つは、スコッ
ト・ペーパー社から“Brand 6411 Apertured"の商標名
で販売されているものである。
両目的材の縫い合わされた層のステッチ密度(機械の
方向における10cm当たりのステッチの数)は、10cm当た
り約15〜50ステッチであることが好ましく、10cm当たり
約20〜35ステッチであることがさらに好ましい。
ステッチゲージ(横断方向10cm当たりのステッチの鉛
直線(ウェール)の数)は約10〜40ゲージであり、約13
〜28ゲージであることが好ましく、約20ゲージであるこ
とがさらに好ましい。
ステッチ密度およびステッチゲージがこれらの範囲か
ら外れることは、ビスコースレーヨンの層を有しない場
合には特に、好ましくない。なぜなら、耐久性、吸収
性、およびスクラッビング特性に劣る場合があるからで
ある。例えば、10cm当たりのステッチ密度が50ステッチ
を越える場合には、吸水速度および吸水量が低いことが
分かっている。縫い合わされた本発明の材料は、10cm当
たりのステッチ密度が15ステッチを下回る場合には耐久
性が低いことが分かっている。しかしながら、前記の好
ましい値の範囲から外れたステッチ密度およびステッチ
ゲージを有する材料を好むユーザーもいるので、それら
の材料も本発明の範囲に属すると考えられる。
本発明の両目的材において許容できる吸水性(吸油
性)は、両目的材を水面(油面)上に置いて水(油)を
吸収させることによって測定される。水(油)の総重量
に対して重量割合で約50%を越える量の水(油)が吸収
された場合には、両目的材は満足な吸水性(吸油性)を
有するといえる。
本発明に属するすべての材料はスクラッビング特性を
有する面を少なくとも1つ有している。本発明に属する
満足は材料は、標準的な食物汚れの除去テスト(テスト
方法のところで説明する)において焼付いた標準的な食
物汚れを、ノジュールを備えたスクラッビング特性のあ
る表面を有しない材料に比べて少なくとも50%以上の速
さで除去する。より好ましくは、および代表的には、ス
クラッビングの有効性は、スクラッビング作用を有する
ノジュールを備えていない材料と比べて、少なくとも10
0%であり、より好ましくは1000倍である。
ステッチゲージが約50を越える本発明の両機能材にお
いては、吸収層の圧縮度が高いために吸収性が低い。こ
の傾向は、セルロースのパルプ繊維層において特に顕著
である。このように、予め縫い合わされたセルロースパ
ルプをベースとする不織層の場合には、ステッチゲージ
が50を越えることは、ステッチ針によって不要に多くの
孔部が形成され、その結果、セルロースのパルプ層本来
の引張り強さおよび一体性が低下するので、好ましくな
い。しかしながら、吸収性とスクラッビング特性とのバ
ランスをスクラッビング特性が高くなるようにしたい場
合には、ステッチゲージを大きくすることが有効であ
る。なぜなら、ステッチ針によって形成される孔部によ
り両機能材の技術的裏面に隆起部が形成され、その結
果、強力なスクラッビング特性が得られるからである。
本発明の両機能材に溶融接着される熱可塑性ノジュー
ルは、吸収層(両目的材の場合)および少なくとも縫糸
の一部分の融点または分解温度よりも低い融点を有する
材料で作られていなければならない。各ノジュールの形
状はまったくランダムであってよい。図6は、両目的材
の熱処理が施される前の前駆物質の走査電子顕微鏡写真
(倍率15)である。図7は、図6の前駆物質を熱処理し
た後の走査電子顕微鏡写真であり、倍率は同じく15倍で
ある。図7にはランダムな形状の熱可塑性ノジュール
(この場合はポリプロピレン)が示されている。このノ
ジュールは、そのサイズにおいてもまったくランダムで
あって、細長い河のようなノジュールから小さな島のよ
うなノジュールまで多種多様である。
本発明における熱可塑性ノジュールの形成に際して
は、まず熱可塑性の層が吸収層に縫い付けられ(両目的
材の場合)、または熱可塑性材料のみが縫われる。次
に、熱可塑性層が加熱されたローラまたは他の加熱手段
と接触せしめられ、熱可塑性材料の溶融が開始される。
ノジュールの前駆物質として利用するのに好ましい熱可
塑性材料の商業的な例としては、アモコ・ケミカル社が
販売している商標名“RFX"として知られているポリプロ
ピレンウエブのスパンボンド(特に、タイプ5000);フ
ィブリル化されたフィルム状のメッシュ/スクリム織物
(これらは、ポリプロピレンのクロス・ラミネーテッド
・エアリー・ファブリック(CLAF)と呼ばれることがあ
り、例えば、アモコ・ニセキ社から“MS"の商標名で販
売されているもの等である);ポリオレフィンを押出し
成形した多種類のメッシュ織物(例えば、コンウェッド
社から“ON6270"の商標名で販売されているもの等);
“Filtrete"の商標名で知られているフィブリル化され
たポリオレフィン繊維のウエブ(ミネソタ州セントポー
ルのミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュ
アリング(3M)社が販売している商標名“G−01"のも
の);および、カーディングが施され、気流で運ばれた
ステープルファイバーのポリオレフィンウエブ(特にポ
リプロピレンで、多くの経路から商業的に入手でき
る);等がある。
前記したように、熱安定性が異なり互いに少なくとも
部分的に熱融着可能な少なくとも2つの異なるタイプの
繊維から構成される糸が使用されてもよい。この場合に
は、この糸は両目的材の外表面の少なくとも一部分に熱
融着することも可能である。
2種類の繊維からなる糸が使用される場合には、第1
の繊維はその融点が吸収材の融点よりも低く約175℃以
下であることが好ましい。また、第2の繊維はその融点
が少なくとも約200℃であることが好ましく、少なくと
も約240℃であることがさらに好ましい。
融点が吸収材の融点よりも低く約175℃以下である糸
部分は、枝分かれしたポリエチレン、直線状のポリエチ
レン、ポリプロピレン、およびそれらの混合体のいずれ
かである。特に好ましいのは、約160〜170℃の範囲の融
点を有するポリプロピレンである。これらの繊維の太さ
は、糸を構成する高融点の繊維とセルロースまたは他の
材料からなる吸収層の外表面との十分な接着を許容する
太さとすべきである。他の観点からは、繊維の太さは重
要ではなく、約40〜200デニールであることが好まし
く、約70〜100デニールであることがより好ましい。繊
維の太さが40デニールを下回ると融着が困難となる。そ
れは単に繊維量が少ないからである。
融点が少なくとも約200℃である第2の繊維は、ポリ
エステル(ポリエチレンテレフタレートは約248℃で溶
融する)、アルファセルロース(コットン)およびレー
ヨン(約225℃の温度に長時間さらすと分解する)、プ
ロテイン、アセテート、フッ化炭化水素、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアミド(多くのナイロンポリアミドは約
220℃で溶融する)、ビスコースレーヨンやコットンか
ら構成されるステープルファイバー紡績糸、およびそれ
らの混合体のいずれかである。
第2の繊維として特に好ましいのは、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)ポリエステルである。これらの繊
維は、両機能材が非スクラブ面にビスコースレーヨンを
備えている場合には、吸収層に向けて水を引く有利な特
性を有している。本発明の両機能材においては、層全体
にわたるPETステッチのネットワークにより強度が高め
られている。
第2の繊維においてもその太さは重要ではなく、約10
〜400デニールであることが好ましく、約120〜180デニ
ールであることがさらに好ましい。現在のところ、約70
デニールを下回る繊維は引張り強度が非常に弱いので好
ましくない。しかし、70デニールを下回る太さであって
も本発明の両機能材に必要な強度を有するものであれば
使用することができる。本発明の両機能材の耐久性を、
通常のユーザーが捨ててしまうようになるような点を越
えて増加させるために、約400デニールよりも太さ繊維
は一般的には必要ない。さらに、繊維は太くなるほど高
価になる。
本発明の特に好ましい両目的材は、“Airtex"399の商
標名(ジェームズ・リバー社)で知られているセルロー
スのパルプ繊維のバットを、“RFX"5000の商標名(アモ
コ・ケミカル社)で知られているポリプロピレン・ウエ
ブのスパンボンドに縫い付けたものである。縫付けは、
80デニールのポリプロピレンと150デニールのポリエチ
レンテレフタラートとを、それぞれ重量割合で30%およ
び70%含む糸を使用して行なわれる。この両目的材は、
平編みのステッチパターンで、ステッチ密度を30、ステ
ッチゲージを20(ともに、縫付け機械上で測定した値)
として縫われており、技術的裏面または技術的前面に熱
可塑性のノジュールを有している。
スクラブ材の好ましい例10が図1に示されている。こ
の例においては、70重量%のポリプロピレンと30重量%
のポリエチレンテレフタラート(PET)をランダムに含
む層状の材料(3M社からから入手できる商標名“Thinsu
late"C−100のもの)が100重量%で90デニールの糸で縫
われた。縫付けは、糸を2つのラッピングバーの各バー
に、1:1のスレッディングオーダーで通して行なわれ、
図示されているような6角形のオープンメッシュ構造が
与えられた。縫われたウエブがポリプロピレンの融点と
PETの融点との間の温度にまで温風で加熱され、続いて
冷却された。この結果、ポリプロピレンはノジュールを
形成し、このノジュールはPET繊維に取り付けられた集
塊のように見えた。図1に示されているように、両目的
材の技術的前面には明確な六角形のパターンが形成され
た。そして、技術的裏面には、隆起した領域と凹んだ領
域とが離れた列(offset rows)を形成した。元々のウ
エブ内のポリプロピレンは、冷却後に、硬化したノジュ
ールへと転化した。このノジュールはニット構造に追従
するパターンを構成していた。このようにして、図1に
示される3次元的なスクラブ面が構成された。
図1に示されたスクラブ材が、スクラブ面(技術的前
面)を露出した状態で、前述のようにセルロースまたは
ポリウレタンの多孔性材料に取り付けられる(例えば、
接着や融着)。このような方法で、スクラブ材をスポン
ジの両面に取り付けてもよい。または、本発明の1つの
スクラブ材が多孔性材の周囲を囲む“ピローケース”構
造を構成してもよい。代わりの構成として、本発明の2
つのスクラブ材(または、1つが本発明のスクラブ材
で、他の1つが本発明以外のスクラブ材)を多孔性材料
の両面に配置して多孔性材料を囲み、スクラブ材の周縁
を縫付け、融着、接着等で互いに接合してもよい。ここ
で使用している“囲む”という語は、単にスクラブ材が
多孔性材料を取り巻いていることを意味する。本発明の
スクラブ材は多孔性材料に取り付けられていても、取り
付けられていなくてもよい。
図1に示されたスクラブ材と同様の構造の両目的材を
構成した。この両目的材においては、100%ビスコース
レーヨンのステープルファイバー等の吸収材層が縫われ
た。縫付けは、糸を2つのラッピングバーの各バーに、
1:1のスレッディングオーダーで通して行なわれ、オー
プンメッシュ構造が与えられた。吸収材層は1m2当たり
約120g(120gsm)の重さのカーディングが施されたウエ
ブであった。
“Thinsulate"の商標名で知られている100%ポリプロ
ピレンのメルトブロウン繊維の層から熱可塑性ノジュー
ルが形成された。“malimo"縫合せ機械で90デニールの
ポリエステルマルチフィラメント糸を使用して前記2つ
の層が縫い合わされた。図1のスクラブ材の場合のよう
に、縫糸はこれら2つの層に特別のパターンで縫い込ま
れ、両目的材の技術的前面に六角形のパターンを形成し
た。また、技術的裏面には隆起した領域と凹んだ領域と
の離れた列が形成された。この例の縫われた両用材は、
その技術的前面に熱可塑性ノジュールを備えていたが、
それらは技術的裏面にも容易に形成することができただ
ろう。技術的前面が、ポリプロピレン微繊維の融点にま
で加熱され、そして、冷却後に硬化ノジュールに転化し
た。このノジュールはニット構造に追従するパターンを
構成していた。このようにして、図1に示されたものと
同様の3次元的なスクラブ面が構成された。
本発明の両目的材の他の2例20a、20bが、それぞれ、
図2aおよび図2bに概略斜視図で示されている。これらの
例においては、セルロースのパルプ繊維が接着剤で接着
されたバット(前述のように、“Airtex"または“Walki
soft"の商標名で販売されているもの等)の層22が縫糸2
4を使用して縫われた。不織セルロースは約100gsmの重
さであり、技術的裏面を構成した。そして、技術的前面
26の重さ約51gsmの100%ポリプロピレンの不織布(ポリ
プロピレンのスパンボンド)からノジュールが形成され
た。両目的材20aは技術的前面26を上にして示されてお
り、本発明の両用材における縫糸24の“平編み”のステ
ッチパターンの好ましい例を示している。例20aの技術
的裏面は破線で示されいる。図2bにおいては、例20bが
その技術的裏面26を上にして示されている。
図2aおよび2bに示されているように、ニードル孔28は
やや誇張したサイズで描かれており、各ニードルが吸収
層を貫通するポイントを強調している。代わりの構成と
して、吸収層22は、レーヨンとポリオレフィンを含まな
い合成繊維との不織混合体であってもよく、100%セル
ロース繊維であることがさらに好ましい。本発明の両目
的材においては、ポリオレフィンまたはポリオレフィン
合成繊維の重量割合が30%を越えると吸水性が低下する
ので好ましくない。しかしながら、吸油性の両目的材が
望まれる場合にも勿論、疎水性の合成繊維の吸収層を使
用することが好ましい。ポリオレフィンの適切な例とし
ては、ポリエチレンおよびポリプロピレン等がある一
方、ポリオレフィンを含まない合成繊維の適切な例とし
ては、ポリエステル、アクリル、およびポリアミド等が
ある。
図2aの両目的材20aは、吸収層22の技術的前面26に融
着された熱可塑性ノジュール29をさらに備えている。こ
の例においては、ノジュール29は技術的前面のみに存在
している。図2bの例20bにおいては、ノジュールは技術
的裏面のみに存在している。
図3は、他の両目的材の例30を示している。両目的材
の1隅を折り返して技術的裏面を表示している。両目的
材30は、熱可塑性ノジュールを技術的裏面25および技術
的前面26の両面に備えている点を除いて、図2aに示され
た例20aと同様である。
図4は例40を示している。図4も概略斜視図である。
例40は、吸収性のセルロースのパルプ繊維22の単一層
が、非スクラブ性の技術的前面26において、100%ビス
コースレーヨンのスパンレース層23に縫い付けられたも
のである。熱可塑性ノジュール29は、技術的裏面25(破
線)に形成されている。平編みのステッチは、前述の例
で説明したのと同様に、糸24を使用して行なわれる。
図5は、本発明に係るスクラブ材の他の例50を示して
いる。例50においては、接着されたノジュール29を有す
る糸24で縫合せが行なわれている。この例は、本質的に
は図1に示されたものと同等であるが、ただ吸収層12を
備えていない。このように、熱可塑性ノジュールは糸に
のみ接着されている。このスクラブ材は、図1のスクラ
ブ材のように多孔性材料に取り付けてもよい。
本発明の縫い合わされた両用材の製造方法は、吸収層
を低溶融層と接触せしめる工程;および、平編みステッ
チまたはトリコット編みステッチによって、10cm当たり
のステッチ密度が約15〜35ステッチ、10cm当たりのステ
ッチゲージが約10〜40ウェール、である縫い合わされた
中間材料を形成する工程;を含む。これらの目的のため
には、“Maliwatt"、“Malimo"、および“Arachne"の商
標名で知られている縫合せ機械が適切である。単一のま
たは複数の繊維要素からなる糸を使用することができる
が、前述のような、熱安定性の異なる第1および第2の
繊維からなる糸が好ましい。そのような2つの繊維要素
から構成される糸が使用される場合には、各繊維要素
は、80デニールのポリプロピレンと150デニールのポリ
エステルであることが好ましい。
縫い合わされた中間材料が形成された後は、縫合せ材
料の熱可塑性層を有する表面が一定時間加熱される。加
熱は、融点の低い熱可塑性層を溶融させるには十分であ
るが、吸収層および少なくとも糸の一部を溶融させるに
は至らない温度で行なわれる。この工程により、融点の
低い層の少なくとも一部が溶融して溶融ポリマーの小球
体が形成される。この小球体は吸収層や融点の高い繊維
からなる糸に接着する。冷却すると、熱可塑性材料は硬
化して、使用されている層に応じてセルロースのパルプ
層やビスコースレーヨン層に融着する。このようにして
形成されたノジュールを有する縫合せウエブは、本発明
の個々の両目的材へと切断すべく準備される。
加熱および冷却を繰り返すと、PET等の融点の高い繊
維要素が収縮するので構成物全体が収縮する。換言する
と、PET糸で縫い合わされたウエブの初期状態での幅
は、加熱および冷却が行なわれた後の幅よりも大きい。
このように、本発明の利点は、材料の嵩の高さをウエブ
の前駆物質だけでなく、ステッチ糸を選択することによ
っても調整することができることである。適当な加熱お
よび冷却状態を選択することにより、縫い合わされた中
間材料はその幅方向に収縮し、この結果、ステッチウェ
ールの間に真直ぐに突き出る鉛直の畝が形成され、ステ
ッチウェールと平行な3次元構造のリブが構成される。
このようにして、トンネルのような形状のスクラブ面が
形成される。
縫い合わされた材料を加熱して熱可塑性層の融着を行
う1つの方法は、まず、縫い合わされた中間材料を、加
熱されたガスが内部を通過し得るよう設計された一連の
有孔ドラムまたはスクリーンドラムに接触せしめる(好
ましいガスは、相対湿度が70%よりも小さい空気であ
る)。縫い合わされた布は、通常好ましくは、知られて
いる方法によって、一のドラムの頂部側を通過し、続い
て配置されるドラムの底部側を通過する。ドラム内部の
圧力を減じることによって、加熱された空気または他の
ガスが、縫い合わされた中間材料およびドラムの孔部ま
たはスクリーンを通過してドラム内に引き込まれる。こ
の引き込みは、層の嵩高性は維持するが層とドラムとの
接触を保持するには十分な圧力で行なわれる。この方法
においては、溶融を発生させるのに十分な時間は、加熱
された空気の温度によって変化する。代表的には、温度
が200〜210℃である場合には、所要時間は15〜25秒であ
る。所要時間を最小にすることが重要である。それは、
時間があまりに長いと、不織のセルロースのパルプ材料
が僅かに酸化し始める(少し、黄色くなる)からであ
る。
縫い合わされた中間材料を加熱する他の方法が使用さ
れてもよい。例えば、ドラムを使用せずに、縫い合わさ
れた中間材料を、空気が循環する開口した加熱通路(例
えば、テンターフレームドライヤー)に通してもよい。
テンターフレームドライヤーはこの分野で知られてい
る。代わりの方法として、縫い合わされた中間材料の低
溶融層側を、加熱された一または複数の金属ローラ上を
通過させ、続いて、冷却された一または複数の金属ロー
ラ、または他の冷却面に接触させて、熱可塑性ノジュー
ルを形成してもよい。
PET、ポリアミド、またはコットン等の一種類の繊維
から構成される糸を使用して縫い付けが行なわれた場合
には、ステッチが解けるという問題がある。ステッチが
解ける問題は、吸収層に熱可塑性層を融着することによ
って解決することができる。この場合、ノジュールが形
成されたときにステッチが吸収層に固定されるからであ
る。
本発明の両目的材およびスクラブ材のスクラッビング
有効性をテストするために、シーファー研摩試験(Schi
efer abrasion test)が行なわれた。この試験は、実験
室の制御された環境の下で、食物の焦げ付いた汚れをパ
ネルから除去することをシュミレートするものである。
知られている標準的な食物汚れの組成物を各パネルにコ
ーティングして、191℃の温度で30分間焼く(ベーキン
グ)ことによって、各パネルが調製された(3層の食物
汚れの組成物が設けられた)。簡単に説明すると、この
試験は、パネルの食物汚れが焼き付けられた層をテスト
サンプルのスクラブ面にこすり付けた後で、当該パネル
の重量損失をモニタリングするものである。研摩装置に
よる所定サイクルの研摩の後の重量損失が大きい場合に
は、スコーリング(scouring)有効性が高いことを示し
ている。代表的には、例えば図2に示されるサンプルの
スクラブ面を使用した場合には、ノジュールを有してい
ないサンプルのスムースな面を使用した場合よりもパネ
ルの重量損失が大きい。代表的および好ましくは、この
スクラブ面は、ノジュールを有していないものに比べて
約50%、好ましくは500%多くの食物汚れを除去する。
本発明の両用材を、以下の実施例を参照して説明す
る。特に示さない限り、パーセンテージおよび部は重量
割合を示す。
実施例 以下の実施例によって作られた本発明の両機能材およ
びスコーリング材のテストが行なわれ、丸いステンレス
鋼から焼き付いた標準的な食物汚れを除去する場合の有
効性が測定された。標準的な食物汚れの組成物が所定量
だけステンレス鋼にコーティングされ、191℃の温度で3
0分間ベーキングされた。すべてのパネルについて、こ
の方法により、コーティングおよびベーキングが3回繰
り返された。
直径10.16cmのステンレス鋼のパネルに、以下の方法
によって、標準的な食物汚れがコーティングされた。オ
ーブンが予め191℃に加熱された。一方、コーティング
が施されるべきパネルが計りの上に置かれ、2グラムの
食物汚れの組成物がパネル上に置かれた。パネルは慎重
に計りから平坦面へと移動された。食物をパネル上で引
きのばすために、“RDS#60"の商標名で知られているコ
ーティングロッドが使用された。コーティングロッドが
パネルを横断するように(回転することなく)引かれ、
食物汚れが均一の厚みでパネル全面を覆った。
次に、コーティングが施されたパネルが、予め加熱さ
れたオーブン内の平坦な金属シート上に、190℃の温度
下で30分間置かれた。30分間、パネルはオーブンから取
り出され、室温にまで冷却された。
第1のコーティングの形成とまったく同様にして、第
2および第3のコーティングが第1のコーティングの上
に形成された(つまり、コーティング、ベーキング、お
よび冷却を行うことにより第2のコーティングが、同様
にして第3のコーティングが形成された)。コーティン
グが施されたパネルは、その後、室温で24時間冷却され
た。
先に調製された食物汚れのコーティングを有するパネ
ルの重量が、0.01グラムのオーダーで測定された。そし
てこの重量が“M1"として記録された。食物汚れがコー
ティングされ予め重量が測定されたパネルと試験される
両目的材サンプルとが、“Schiefer Tester"の商標名で
知られている研摩機械の対向するホルダーに取り付けら
れた。この機械は、本質的には、間隔をおいて配置され
た2つの水平ホルダーから構成される。上側のホルダー
は、一定荷重の下で、所定数だけ回転し得る。試験され
る両目的材の各サンプルについて、上側のホルダーが60
0回転して試験パネルの研摩を行うように研摩機械がセ
ットされた。600回転の後に、試験パネルおよび両目的
材サンプルが研摩機械から取り外された。そして、試験
パネルが80℃のオーブン内に30分間配置されて乾燥され
た。パネルはオーブンから取り出され、室温(約20℃)
にまで冷却され、重量が0.01グラムのオーダーで測定さ
れた。そしてこの重量が“M2"として記録された。スコ
ーリングの有効性を計算するために、M2がM1から引き算
された。重量差が大きい程、スコーリング有効性が高い
ことを意味する。
本発明の両目的材の4つのサンプルが作られ、評価さ
れた。サンプル1、2a、2b、および3の組成および構成
が表1に概括されている。
サンプル1の両機能材は、重量約120gsmのビスコース
レーヨンのステープルファイバー100%のカードウエブ
から作られた吸収層と、70重量%のポリプロピレンと30
重量%のPETのステープルファイバーからなる一の層
(ミネソタ州セントポールの3M社から販売されている商
標名“Thinsulate"のもののタイプC−100)と、から構
成されていた。これらの2つの層が、90デニールのポリ
エステルのマルチフィラメント糸を使用して“malimo"
縫合せ機械で縫い合わされた。ステッチ糸は、これらの
2つの層に特別のパターンで縫い込まれ、両機能材の技
術的裏面に図1に示された六角形と同様の表面構造を作
り出した。そして技術的前面には、隆起した領域と凹ん
だ領域とが離れた位置(offset location)に存在して
いた。この表面構造は、2つのラッピングバーの各バー
に1:1のスレッディングオーダーで通された糸を使用し
て縫うことによって構成され、ラップニットのオープン
メッシュ構造が与えられえた。技術的前面に低溶融繊維
層を有する縫い合わされた織物が熱処理された。熱処理
は、その内部を空気が通過し得るドラムおよび204℃の
空気を使用し、織物をドラム上に20秒間静止させること
により行なわれた。こうして、ポリプロピレン繊維が溶
融し、次いで、空気が冷却されてポリプロピレンが硬化
したノジュールが形成された。以上のようにして、両目
的材のスクラブ面が構成された。サンプル1の両目的材
の他方側のビスコースレーヨンの繊維層は、吸収性およ
び拭き取り効果を備えていた。
サンプル2aおよび2bは、それぞれ、図2aおよび2bに対
応しており、ポリプロピレンのノジュールの配置だけが
異なる。サンプル2aは技術的前面にノジュールを備えて
おり、サンプル2bは技術的裏面にノジュールを備えてい
る。サンプル2aおよび2bの各吸収層は、同じものであり
ポリプロピレン層が使用されていた。この吸収層は、セ
ルロースを使用して気流式で形成した不織の層でジェー
ムス・リバー社から“Airtex"399の商標名で販売されて
いるものであって、約100gsmの重量を有していた。サン
プル2aおよび2bにおけるポリプロピレンのノジュール
は、ファイバーウエブ社の“Celestra"の商標名で知ら
れている100%ポリプロピレンのスパンボンド(不織
布)の層から形成されたものであった。この層の重量は
約51gsmであった。
サンプル3として作られた材料は、セルロースのパル
プ繊維からなる吸収層を使用して作られた。この吸収層
は、“Walkisoft"FG 407−SHBの商標名で知られるもの
であって、その重量は約97gsmであった。ポリプロピレ
ンのノジュールは、アモコ・ケミカル社の“RFX"5000の
商標名で知られている100%ポリプロピレンのスパンボ
ンド(不織布)の層から形成されたものであった。この
層の重量は約25gsmであった。
サンプル2a、2b、および3の縫合せは、“Arachne"縫
合せ機械を使用して行なわれた。平編みステッチが使用
され、ステッチゲージは40で1:1のオーダーのニードル
キャスティング(5mmの間隔)であった。また、ステッ
チ密度は10cm当たり30ステッチであった。ステッチ糸
は、150デニールのポリエステルと90デニールのポリプ
ロピレンの2種類の繊維からなる糸であった。縫い合わ
された織物は、エアドラムドライヤーを使用して、空気
温度を204℃としてドラム上に20秒間静止されることに
より熱処理された。この熱処理の間に、材料は幅方向に
収縮した。そして、技術的前面においては、ステッチウ
ェール間に鉛直方向に隆起するリブが形成された。
サンプル1、2a、2b、および3の両目的材のそれぞれ
が、前述のスコーリング試験方法によってテストされ
た。サンプル1、2a、2b、および3の両目的材のそれぞ
れのノジュールを備えた表面を使用して試験が行なわ
れ、それぞれが試験パネルから食物汚れを除去した。さ
らに、サンプル2aについては、ノジュールを備えた技術
的前面およびノジュールを備えていない技術的裏面の両
面についてスクラッビングの有効性がテストされた。ノ
ジュールを備えた技術的前面の場合は、試験パネルから
の重量損失は0.1グラムであった。ノジュールを備えて
いない技術的裏面の場合は、試験パネルからの重量損失
は0.01グラム未満であった。
当業者には本発明の技術的範囲から逸脱することなく
多種類の修正および変更が容易であろう。したがって、
本発明は上述の実施例に不当に限定されるものではない
と理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04H 1/54 D04H 1/54 C (72)発明者 クールトー、ドナルド・エム アメリカ合衆国55133―3427ミネソタ州、 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボ ックス33427番(番地の表示なし) (72)発明者 パテル、ヴィニュ アメリカ合衆国55133―3427ミネソタ州、 セント・ポール、ポスト・オフィス・ボ ックス33427番(番地の表示なし) (56)参考文献 特開 昭55−163244(JP,A) 特開 昭54−64180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D04B 1/00 - 1/28 D04B 21/00 - 21/20 A47L 13/00 - 13/62

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1材料から作られた吸収繊維層により特
    徴づけられる、拭取りおよびスクラッビングの両目的材
    であって、 吸収繊維層は、第1表面および第2表面を有しており、
    第2材料から作られたステッチ糸を使用してあるステッ
    チ密度で全体が第1表面から第2表面へと縫い合わされ
    ており、 第1表面には、吸収繊維層および少なくともステッチ糸
    の一部の融点または分解温度よりも小さい融点の熱可塑
    性材料からなる複数のノジュールが融着されており、該
    ノジュールは吸収繊維層およびステッチ糸に融着されて
    いる、両目的材。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性材料が、ポリエチレン、ポリ
    プロピレン、ポリアミド、および熱可塑性エラストマー
    のいずれかであることによりさらに特徴づけられる、請
    求項1記載の両目的材。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性材料がポリプロピレンである
    ことによりさらに特徴づけられる、請求項2記載の両目
    的材。
  4. 【請求項4】前記第1材料が接着剤で接着されたセルロ
    ースのパルプ繊維の不織のバットから本質的に構成され
    ていることによりさらに特徴づけられる、請求項1記載
    の両目的材。
  5. 【請求項5】前記繊維が、コットン、ビスコースレーヨ
    ン、およびウールパルプのいずれかであることによりさ
    らに特徴づけられる、請求項4記載の両目的材。
  6. 【請求項6】前記ステッチ密度が10cm当たり15〜50ステ
    ッチであることによりさらに特徴づけられる、請求項1
    記載の両目的材。
  7. 【請求項7】前記第2材料が、ポリエステル、ポリプロ
    ピレン、ポリエチレン、およびそれらの混合体のいずれ
    かであることによりさらに特徴づけられる、請求項1記
    載の両目的材。
  8. 【請求項8】前記第2材料がポリエステルであることに
    よりさらに特徴づけられる、請求項7記載の両目的材。
  9. 【請求項9】前記第1材料が本質的にビスコースレーヨ
    ン繊維から構成されており、前記熱可塑性材料がポリプ
    ロピレンであることによりさらに特徴づけられる、請求
    項8記載の両目的材。
  10. 【請求項10】前記ノジュールがランダムな形状を有し
    ており、前記第1表面および第2表面が隆起部と凹部と
    を交互に有しており、 隆起部はノジュールが接着されたステッチ糸から構成さ
    れており、凹部はノジュールが融着された前記吸収繊維
    シート層を含んでいることによりさらに特徴づけられ
    る、請求項1記載の両目的材。
  11. 【請求項11】前記第2表面に複数の熱可塑性ノジュー
    ルが融着されていることによりさらに特徴づけられる、
    請求項1記載の両目的材。
  12. 【請求項12】1または2以上の糸で、該糸の少なくと
    も一部の融点または分解温度よりも低い融点を有する熱
    可塑性材料層の全体が縫い合わされており、 熱可塑性材料が加熱手段に接触されて溶融されることに
    より前記1または2以上の糸による縫合せが固着されて
    おり、糸には当該熱可塑性材料で構成されるノジュール
    が融着され、当該ノジュールによってスクラブ特性が実
    現されていることにより特徴づけられる、スクラブ材。
  13. 【請求項13】前記熱可塑性材料には吸収層が縫い合わ
    されており、該吸収層は熱可塑性材料の融点よりも高い
    融点を有する複数の繊維がランダムに配置されることに
    より構成されており、前記ノジュールは繊維に融着され
    ていることによりさらに特徴づけられる、請求項12記載
    のスクラブ材。
  14. 【請求項14】前記繊維がポリエステルで構成されてい
    ることによりさらに特徴づけられる、請求項13記載のス
    クラブ材。
  15. 【請求項15】多孔性材料に接着されている、請求項13
    記載のスクラブ材。
  16. 【請求項16】多孔性材料を封入している、請求項12記
    載のスクラブ材。
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