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JP3497900B2 - 不飽和アルコールの製造法 - Google Patents

不飽和アルコールの製造法

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Publication number
JP3497900B2
JP3497900B2 JP29306794A JP29306794A JP3497900B2 JP 3497900 B2 JP3497900 B2 JP 3497900B2 JP 29306794 A JP29306794 A JP 29306794A JP 29306794 A JP29306794 A JP 29306794A JP 3497900 B2 JP3497900 B2 JP 3497900B2
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mol
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unsaturated alcohol
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JP29306794A
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勝志 流田
典昭 吉村
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、γ,δ−不飽和アルコ
ールの製造方法に関する。γ,δ−不飽和アルコール
は、工業的に重要な多くの化合物の中間体となり得るも
のであり、特に3−メチル−3−ブテン−1−オール
は、合成ゴムの原料となるイソプレンの前駆体として、
また医薬、香料の中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】γ,δ−不飽和アルコールの製造法とし
て、触媒の存在下に、または触媒の非存在下に、種々の
オレフィンとアルデヒド類とを加熱反応させる方法が知
られている。触媒の存在下の例としては、まず第一にル
イス酸触媒を用いる製造法を挙げることができる。塩化
錫、塩化亜鉛等(米国特許第2,308,192 号明細書)、ア
ルキルアルミニウム(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサエティ(J. Am. Chem. Soc. )、10
4 巻、555 頁、1982年)などの触媒を使用する例、さら
に、副生物の生成を抑制する改良法として塩化錫、塩化
亜鉛等の存在下に低温(20〜80℃)でガス状のホル
ムアルデヒドとイソブテンとを反応させる方法も知られ
ている(英国特許第1205397 号明細書)。
【0003】γ,δ−不飽和アルコールを高い収率で得
る方法としてリン酸の金属塩を触媒として用いる方法が
開示されている(特開昭51−70708号公報、特開
昭51−108006号公報)。また、酢酸銅、酢酸鉛
等の周期律表第Ib族〜第VIII族の金属の酢酸塩および
その水和物を用い酢酸中で反応させる例も知られている
(特開昭51−70715号公報)。結晶性アルミノシ
リケートゼオライトを用い、比較的温和な条件で目的と
するγ,δ−不飽和アルコールを得る方法(特開昭55
−113732号公報)、結晶性ケイ酸化合物を主成分
とする触媒を用い比較的低温でγ,δ−不飽和アルコー
ルを得る方法も知られている(特開昭58−16453
4号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ルイス酸触媒を用いる
方法は、触媒が水共存下で加水分解により失活するた
め、無水状態のアルデヒドを用いる必要がある。しか
し、無水条件下ではオレフィンの重合が起こり易いとい
う問題がある。このため、ホルムアルデヒド原料とし
て、安価なホルムアルデヒド水溶液を用いることは出来
ない。さらに、ルイス酸は、カルボニル化合物に対して
化学量論量以上使用する必要があるにもかかわらず、反
応後の回収が困難であることから、コスト的にも問題が
ある。金属のリン酸塩を用いる方法では、水の共存下で
はγ,δ−不飽和アルコールと分離困難なアルキル−m
−ジオキサンの生成が主体となり、γ,δ−不飽和アル
コールについての充分な収率が得られない。しかも、生
成物はβ位またはγ位に二重結合を持つ不飽和アルコー
ルの混合物になるという欠点も有している。
【0005】酢酸銅、酢酸鉛等の周期律表第Ib族〜第
VIII族の金属の酢酸塩の水和物を用いる方法は、イソブ
テンとホルムアルデヒドを酢酸中で反応させているた
め、主生成物は3−メチル−3−ブテン−1−オールの
酢酸エステルであり、3−メチル−3−ブテン−1−オ
ールを直接高収率で得ることはできない。結晶性アルミ
ノシリケートゼオライトを用いる方法においては、高沸
点副生物が触媒表面に付着し、触媒の失活により長期的
な連続運転は困難である。結晶性ケイ酸化合物を主成分
とする触媒を用いる方法は、ホルムアルデヒド基準の選
択率が低く、目的とするγ,δ−不飽和アルコールと分
離困難なアルキル−m−ジオキサンの副生が認められ
る。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者は、触媒を用いる従来
法の欠点を改良し、温和な条件下でγ,δ−不飽和アル
コールを製造する方法について鋭意検討を行った結果、
一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 はそれぞれ水素原子または水酸基で置換されていても
良い炭素数1から10のアルキル基、アルケニル基およ
びアリール基を表す。)で示されるオレフィンと一般式
(II)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R6 は水素原子または置換されて
いてもよい炭素数1から10のアルキル基、アルケニル
基またはアリール基を表す。)で示されるアルデヒドと
を反応させ、一般式(III )
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
よびR6 は前記定義のとおりである。)で示される不飽
和アルコールを製造する際に、一般式(IV)
【0013】
【化8】
【0014】(式中Mは、周期表III A族金属から選ば
れた少なくとも1種の金属を表し、R7はパーフルオロ
アルキル基、パーフルオロアリール基またはトリフルオ
ロメチルアリール基を表す。)で示される金属塩の存在
下に反応を行うことを特徴とする不飽和アルコールの製
造法を見いだすことにより本発明を完成するに至った。
【0015】本発明によれば、触媒量の金属塩(IV)の
存在下に温和な条件下で、目的とするγ,δ−不飽和ア
ルコールを製造することが出来る。さらに、金属塩のR
7 を変えることにより水溶性触媒または脂溶性触媒を制
御して調製することが出来るため、水溶性の目的物を得
る反応では、脂溶性触媒を用いることにより相分離等で
有機層に分配したのち容易に分離回収でき、脂溶性の目
的物を得る反応では、水溶性触媒を用いることにより相
分離等で水相に分配したのち容易に分離回収できる。
【0016】本発明に用いられるオレフィンは、一般式
(I)
【0017】
【化9】
【0018】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR
5 は前記定義のとおりである。)で示される構造を有す
るオレフィンである。具体的には、R4 、R5 が水素原
子であり、R1 、R2 、R3 およびR4 が水素原子、ア
ルケニル基またはアルキル基であるα−オレフィンの例
としてプロピレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキ
セン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オ
クテン2,3−ジメチル−1−ブテン、α−メチルスチ
レン、α−エチルスチレン;R3 のアルキル基とR1
たはR2 のアルキル基とが同一の環状構造の一部に含ま
れるものの例としてメチレンノルボルナンなどが挙げら
れる。R4 またはR5 の少なくとも一方がアルキル基、
アルケニル基、アリール基である内部オレフィンの例と
して、2−ブテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ブ
テン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、ノルボルネン、
3−フェニル−2−プロペンなどが挙げられる。また、
ヒドロキシアルキル基が置換した例として3−メチル−
3−ブテン−1−オール、7−オクテン−1−オールな
どが挙げられる。オレフィンとして、単一化合物のみな
らず、上記例示化合物の混合物を使用してもよい。
【0019】オレフィンの使用量は、アルデヒドに対し
て0.5〜50モル倍量が好ましく、2〜20モル倍量
が特に好ましい。オレフィンの使用量が少ない場合に
は、目的とするγ,δ−不飽和アルコールの選択率が低
下し、使用量が多くなると反応速度の低下とともに、オ
レフィンの回収に要するユーティリティーが大きくな
り、工業的価値が低下する。
【0020】本発明に用いられるアルデヒドは、一般式
(II)
【0021】
【化10】
【0022】(式中、Rは前記定義のとおりであ
る。)で示される構造を有するアルデヒドであり、アル
デヒド単量体、アルデヒド多量体およびアルデヒド水溶
液のいずれでもよい。具体的には、Rが水素原子であ
るホルムアルデヒド、またはその多量体であるパラホル
ムアルデヒド、トリオキサン;Rが置換または無置換
のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であるア
ルデヒドとしてアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、トリクロロアセトアルデヒド、ピバルアルデヒド、
ベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド;ま
た、オレフィンとアルデヒド基が同一分子内に存在する
例としてシトロネラールなどを挙げることができる。ホ
ルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドのような炭素数
の少ないアルデヒドは水と良く混和し、アルデヒド水溶
液となる。本反応には、これらアルデヒド水溶液を使用
することもできる。ホルムアルデヒド水溶液を用いる場
合は、10〜70%の水溶液が使用できる。また、無水
のホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキ
サン、メチラールおよびこれらと水との混合物を使用す
ることも出来る。
【0023】本発明は、一般式(IV)
【0024】
【化11】
【0025】(式中Mは、周期表III A族金属から選ば
れた少なくとも1種の金属をあらわし、R7 はパーフル
オロアルキル基、パーフルオロアリール基またはトリフ
ルオロメチルアリール基を表す。)で表される金属塩の
存在下に実施することにより、オレフィンとカルボニル
化合物の反応が温和な条件下で進行する。周期表III A
族金属としては、スカンジウム (Sc)、イットリウ
ム(Y)、ランタノイド系列およびアクチノイド系列の
金属が挙げられるが、好ましくはスカンジウム、イット
リウムおよびランタノイド系列の金属が挙げられる。本
反応に使用できる金属塩としては、スカンジウムトリフ
レート、イットリウムトリフレート、ランタントリフレ
ート、セリウムトリフレート、プラセオジムトリフレー
ト、ネオジムトリフレート、プロメチウムトリフレー
ト、サマリウムトリフレート、ユウロピウムトリフレー
ト、ガドリニウムトリフレート、テルビウムトリフレー
ト、ジスプロシウムトリフレート、ホルミウムトリフレ
ート、エルビウムトリフレート、ツリウムトリフレー
ト、イッテリビウムトリフレート、ルテチウムトリフレ
ート、スカンジウムトリス(ノナフルオロブタンスルホ
ネート)、スカンジウムトリス(ヘプタデカフルオロオ
クタンスルホネート)、スカンジウムトリス(ペンタフ
ルオロベンゼンスルホネート)、スカンジウムトリス
(m−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特
に、ホルムアルデヒドを用いる反応においては、スカン
ジウムトリフレートが、γ,δ−不飽和アルコールの選
択性に優れるので好ましい。金属塩の使用量は、カルボ
ニル化合物1モルに対し、1モル%〜50モル%の範囲
で使用される。本反応に使用される金属塩は、周期表II
I A族金属の酸化物と一般式(V)
【0026】
【化12】
【0027】(式中、R7 は上記定義のとおりであ
る。)で表されるスルホン酸を混合後、加熱することに
よって容易に調製される(テトラヘドロン・レタ−ズ
(Tetrahedron Lett.)、第34巻、第3755頁、1993年参
照)。
【0028】反応温度は、0〜150℃の範囲が好まし
く、20〜100℃の範囲が特に好ましい。0℃以下で
は、反応速度が小さく反応に長時間を要し、150℃以
上では、ホルムアルデヒドおよび生成するγ,δ−不飽
和アルコールの分解反応が促進され、目的とする不飽和
アルコールの収率低下をもたらす。反応時間は、反応速
度の違いにより適宜決定されるが、上記反応条件下で
は、10分〜48時間の範囲で反応が完結する。
【0029】反応を実施する際に溶媒を使用しても良
い。本反応に使用できる溶媒は、アルコール類、エーテ
ル類、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル化
合物類、ニトロ化合物類、アミド化合物類、などの本反
応条件下で、原料と反応しない溶媒ならいかなるものも
使用可能であるが、原料と均一に溶解する溶媒が好まし
い。溶媒の例として、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ルなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類、ヘキサン、ベンゼン、シクロヘキ
サンなどの炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、イソブチロニトリル、マロノニトリル、アジポニト
リルなどのニトリル化合物、ニトロメタン、ニトロエタ
ンなどのニトロ化合物、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミドなどアミド化合物な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、溶媒としてこれらの混合物を使用しても良く、水
が共存しても良い。
【0030】反応は、バッチ式または連続式などのいか
なる方法でも実施できるが、上記反応温度および反応時
間を制御できる反応器を使用することが推奨される。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0032】実施例1 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、スカンジウムトリフレー
ト12.3g(0.025モル)を入れ、窒素で20k
g/cm2 に加圧して60℃で2時間反応させた。反応
器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反応液
を分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、3
−メチル−3−ブテン−1−オールが2.85g、MD
Oが0.13g、3−メチル−1,3−ブタンジオール
が0.82g生成していた。ホルムアルデヒドの転化率
は100%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和ア
ルコールの選択率は66.3%であった。
【0033】実施例2 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、スカンジウムトリフレー
ト2.46g(0.005モル)を入れ、窒素で20k
g/cm2 に加圧して60℃で2時間反応させた。反応
器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反応液
を分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、3
−メチル−3−ブテン−1−オールが2.21g、MD
Oが0.21g、3−メチル−1,3−ブタンジオール
が0.60g生成していた。ホルムアルデヒドの転化率
は100%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和ア
ルコールの選択率は51.4%であった。
【0034】実施例3 実施例2で得られた反応液に水50gを加え、100m
lのジエチルエーテルで3回抽出し、水相から有機成分
を除去した。得られた水相から水を留去したところ、ス
カンジウムトリフレートの含水物が3.27g得られ
た。実施例2で使用したスカンジウムトリフレートの代
わりに、この回収含水物3.27gを用い、その他は実
施例2と同様の方法で反応を行った。得られた反応液を
分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、3−
メチル−3−ブテン−1−オールが2.15g、MDO
が0.18g、3−メチル−1,3−ブタンジオールが
0.58g生成していた。ホルムアルデヒドの転化率は
100%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アル
コールの選択率は50.1%であった。
【0035】実施例4 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、イットリウムトリフレー
ト2.68g(0.005モル)を入れ、窒素で20k
g/cm2 に加圧して100℃で2時間反応させた。反
応器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反応
液を分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、
3−メチル−3−ブテン−1−オールが1.51g、M
DOが1.23g、3−メチル−1,3−ブタンジオー
ルが0.62gが生成していた。ホルムアルデヒドの転
化率は100%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽
和アルコールの選択率は35.0%であった。
【0036】実施例5 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、イッテリビウムトリフレ
ート3.10g(0.005モル)を入れ、窒素で20
kg/cm2 に加圧して100℃で2時間反応させた。
反応器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反
応液を分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失
し、3−メチル−3−ブテン−1−オールが1.31
g、MDOが1.26g、3−メチル−1,3−ブタン
ジオールが0.54g生成していた。ホルムアルデヒド
の転化率は100%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−
不飽和アルコールの選択率は30.5%であった。
【0037】実施例6 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、スカンジウムトリスノナ
フルオロブタンスルホネート4.71g(0.005モ
ル)を入れ、窒素で20kg/cm2 に加圧して60℃
で2時間反応させた。反応器を冷却し、イソブテンを放
圧した後に得られた反応液を分析したところ、ホルムア
ルデヒドが0.56g残っており、3−メチル−3−ブ
テン−1−オールが1.41g、MDOが0.18g、
3−メチル−1,3−ブタンジオールが0.35g生成
していた。ホルムアルデヒドの転化率は62.6%、ホ
ルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アルコールの選択
率は52.3%であった。
【0038】実施例7 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、スカンジウムトリスヘプ
タデカフルオロオクタンスルホネート7.71g(0.
005モル)を入れ、窒素で20kg/cm2 に加圧し
て60℃で2時間反応させた。反応器を冷却し、イソブ
テンを放圧した後に得られた反応液を分析したところ、
ホルムアルデヒドが0.54g残っており、3−メチル
−3−ブテン−1−オールが1.37g、MDOが0.
16g、3−メチル−1,3−ブタンジオールが0.3
5g生成していた。ホルムアルデヒドの転化率は64.
2%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アルコー
ルの選択率は49.8%であった。
【0039】比較例1 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、および50%ホルムアルデヒド水溶
液3.0g(0.05モル)を入れ、トリフレート化合
物を加えずに、窒素で20kg/cm2 に加圧して60
℃で8時間反応させた。反応器を冷却し、イソブテンを
放圧した後に得られた反応液を分析したところ、ホルム
アルデヒド1.45g、およびMDOが0.03g生成
していた。3−メチル−3−ブテン−1−オールは、全
く生成していなかった。ホルムアルデヒドの転化率は
3.4%、ホルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アル
コールの選択率は0%であった。
【0040】実施例8 200ml電磁撹拌式オートクレーブにメチレンシクロ
ヘキサン48.0g(0.50モル)、t−ブタノール
18.5g(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド
水溶液3.0g(0.05モル)および、スカンジウム
トリフレート2.46g(0.005モル)を入れ、窒
素で20kg/cm2 に加圧して60℃で2時間反応さ
せた。反応器を冷却し、得られた反応液を分析したとこ
ろ、ホルムアルデヒドは0.10g残っており、2−
(1−シクロヘキセニル)エタノールが2.58g生成
していた。ホルムアルデヒドの転化率は94.2%、ホ
ルムアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アルコールの選択
率は43.5%であった。
【0041】実施例9 100ml電磁撹拌式オートクレーブに3−メチル−3
−ブテン−1−オール43.0g(0.50モル)、t
−ブタノール18.5g(0.25モル)、50%ホル
ムアルデヒド水溶液3.0g(0.05モル)および、
スカンジウムトリフレート2.46g(0.005モ
ル)を入れ、窒素で20kg/cm2 に加圧して60℃
で4時間反応させた。反応器を冷却し、3−メチル−3
−ブテン−1−オールを放圧した後に得られた反応液を
分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、3−
メチル−3−ペンテン−1,5−ジオールおよび3−メ
チレン−1,5−ペンタンジオ−ルがそれぞれ1.34
g、1.11g生成していた。ホルムアルデヒドの転化
率は100%、ホルムアルデヒド基準の生成したγ,δ
−不飽和アルコールの合計した選択率は42.3%であ
った。
【0042】実施例10 100ml電磁撹拌式オートクレーブに2−ブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、50%ホルムアルデヒド水溶液3.
0g(0.05モル)および、スカンジウムトリフレー
ト2.46g(0.005モル)を入れ、窒素で20k
g/cm2 に加圧して60℃で2時間反応させた。反応
器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反応液
を分析したところ、ホルムアルデヒドは全て消失し、2
−メチル−3−ブテン−1−オールが1.59g、4,
5−ジメチル−1,3−ジオキサンが0.12g、2−
メチル−1,3−ブタンジオールが0.31g生成して
いた。ホルムアルデヒドの転化率は78.2%、ホルム
アルデヒド基準のγ,δ−不飽和アルコールの選択率は
47.2%であった。
【0043】実施例11 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、ベンズアルデヒド5.3g(0.0
5モル)および、スカンジウムトリフレート2.46g
(0.005モル)を入れ、窒素で20kg/cm2
加圧して60℃で4時間反応させた。反応器を冷却し、
イソブテンを放圧した後に得られた反応液を分析したと
ころ、ベンズアルデヒドが3.85g残っており、1−
フェニル−3−メチル−3−ブテン−1−オールが0.
70g生成していた。ベンズアルデヒドの転化率は2
7.3%、ベンズアルデヒド基準のγ,δ−不飽和アル
コールの選択率は31.7%であった。
【0044】実施例12 100ml電磁撹拌式オートクレーブにイソブテン2
8.1g(0.50モル)、t−ブタノール18.5g
(0.25モル)、トリクロロアセトアルデヒド7.3
8g(0.05モル)および、スカンジウムトリフレー
ト2.46g(0.005モル)を入れ、窒素で20k
g/cm2 に加圧して120℃で2時間反応させた。反
応器を冷却し、イソブテンを放圧した後に得られた反応
液を分析したところ、トリクロロアセトアルデヒドが
2.71g残っており、1−トリクロロメチル−3−メ
チル−3−ブテン−1−オールが2.40g生成してい
た。トリクロロアセトアルデヒドの転化率は63.2
%、トリクロロアセトアルデヒド基準のγ,δ−不飽和
アルコールの選択率は37.3%であった。
【0045】実施例13 100ml電磁撹拌式オートクレーブにシトロネラール
1.93g(0.0125モル)、ニトロメタン25g
および、スカンジウムトリフレート0.62g(1.2
5ミリモル)、水0.45g(0.025モル)を入
れ、窒素で20kg/cm2 に加圧して20℃で1時間
反応させた。反応器を冷却した後、得られた反応液を分
析したところ、シトロネラールが0.05g残ってお
り、イソプレゴール1.38gが生成していた。シトロ
ネラールの転化率は97.5%、シトロネラール基準の
イソプレゴールの選択率は73.5%であった。
【0046】
【発明の効果】本発明により、触媒量の金属塩の存在下
に、水が共存する温和な条件下で、しかも再使用できる
触媒を用い、オレフィンとアルデヒドから不飽和アルコ
−ルを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 33/42 C07C 33/42 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/38 C07C 33/025 C07C 33/035 C07C 33/20 C07C 33/42 C07B 61/00 300 B01J 31/12 B01J 27/125

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ
    水素原子または水酸基で置換されていても良い炭素数1
    から10のアルキル基、アルケニル基およびアリール基
    を表す。)で示されるオレフィンと一般式(II) 【化2】 (式中、R6 は水素原子または置換されていてもよい炭
    素数1から10のアルキル基、アルケニル基またはアリ
    ール基を表す。)で示されるアルデヒドとを反応させ、
    一般式(III ) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は前
    記定義のとおりである。)で示される不飽和アルコール
    を製造する際に、一般式(IV) 【化4】 (式中Mは、周期表III A族金属から選ばれた少なくと
    も1種の金属を表し、R7はパーフルオロアルキル基、
    パーフルオロアリール基またはトリフルオロメチルアリ
    ール基を表す。)で示される金属塩の存在下に反応を行
    うことを特徴とする不飽和アルコールの製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(IV)で示される金属塩がスカン
    ジウムトリフレートである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で示されるアルデヒドがホ
    ルムアルデヒドである請求項2記載の製造法。
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