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JP3497322B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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Publication number
JP3497322B2
JP3497322B2 JP11621796A JP11621796A JP3497322B2 JP 3497322 B2 JP3497322 B2 JP 3497322B2 JP 11621796 A JP11621796 A JP 11621796A JP 11621796 A JP11621796 A JP 11621796A JP 3497322 B2 JP3497322 B2 JP 3497322B2
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JP
Japan
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pump
cylinder body
hydraulic
hydraulic pump
oil passage
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JP11621796A
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英喜 佐々木
芳徳 川島
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Keihin Corp
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Keihin Corp
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Publication date
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  • Reciprocating Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車、自動車等の車両に適用される無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】無段変速機として、例えば特公平7−2
6676号公報に開示されているように、固定容量のア
キシャル型油圧ポンプと可変容量のアキシャル型油圧モ
ータを同軸状に配置し、これらを油圧閉回路を介して接
続したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような無段変速
機では、軸方向に比較的長く延びるアキシャル型の油圧
ポンプ及び油圧モータが軸方向に配置されるので、全体
として軸方向寸法が長くなることを免れず、そのコンパ
クト化が困難である。
【0004】本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたも
ので、軸方向寸法が大幅に短縮したコンパクトな無段変
速機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、入力軸及び出力軸を同軸状に配置し、そ
の入力軸に固設されるシリンダボディに放射状に配設さ
れる複数の第1プランジャと、これら第1プランジャを
囲繞してそれらの外端に相対移動可能に係合し、前記
リンダボディの回転に伴い各第1プランジャに往復動を
与えると共に、その往復動ストロークを調節し得る第1
ポンプリングとで可変容量のラジアル型第1油圧ポンプ
を構成し、また前記シリンダボディに放射状に配設され
る複数の第2プランジャと、前記出力軸に固設されると
共にこれら第2プランジャを囲繞してそれらの外端に相
対移動可能に係合し、前記シリンダボディとの相対回転
に伴い各第2プランジャに一定ストロークの往復動を与
える第2ポンプリングとで固定容量のラジアル型第2油
圧ポンプを構成し、更に前記シリンダボディには、前記
第1油圧ポンプに作動油を吸入されると共に前記第2油
圧ポンプから作動油を吐出される高圧油路と、前記第1
油圧ポンプから作動油を吐出されると共に前記第2油圧
ポンプに作動油を吸入される低圧油路とを設け、前記第
1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを収容するミッション
ケースに前記入力軸及び出力軸をベアリングをそれぞれ
介して支承したことを第1の特徴とする。
【0006】また本発明は、第1の特徴に加えて、前記
第1ポンプリングの前記シリンダボディに対する偏心方
向及び偏心量を制御することにより、前記第1油圧ポン
プの容量を前記第2油圧ポンプのそれと等しく設定し得
るようにしたことを第2の特徴とする。
【0007】さらに本発明は、第1又は第2の特徴に加
えて、前記第1ポンプリングを前記シリンダボディとの
同心位置にシフトすることにより前記第1油圧ポンプの
容量を零に設定し得るようにしたことを第3の特徴とす
る。
【0008】さらにまた本発明は、第1、第2又は第3
の特徴に加えて、前記第1ポンプリングのシリンダボデ
ィに対する偏心方向を反転させることにより、前記第1
油圧ポンプが高圧油路に作動油を吐出し、低圧油路から
作動油を吸入し得るようにしたことを第4の特徴とす
る。
【0009】さらにまた本発明は、第1、第2、第3又
は第4の特徴に加えて、前記シリンダボディを前記入力
軸の外周に嵌合して固着し、これらシリンダボディ及び
入力軸の対向周面間に低圧油路を環状に形成すると共
に、これを油溜に連通し、この低圧油路を囲繞するよう
に高圧油路を前記シリンダボディに環状に形成したこと
を第5の特徴とする。
【0010】さらにまた本発明は、第1、第2、第3、
第4又は第5の特徴に加えて、前記入力軸及び出力軸の
外端部を前記ミッションケースにベアリングを介して支
承する一方、前記出力軸の内端に、ベアリングを介して
前記入力軸の内端を支承する支持筒を一体に形成し、こ
の支持筒をベアリングを介してミッションケースに支承
し、前記第2ポンプリングを前記支持筒の先端に一体に
連設したことを第6の特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】図1において、1は車両の原動機に連なる
入力軸、2は車両の駆動車輪に連なる出力軸で、これら
両軸1,2は同軸状に配置されると共に、本発明の無段
変速機Tを介して連結される。
【0013】出力軸2の内端には、入力軸1の内端部を
同心に囲繞する支持筒3が一体に形成され、この支持筒
3と入力軸1との間に両軸1,2の相対回転を許容する
ボールベアリング4が介装される。
【0014】また入、出力軸1,2は、無段変速機Tを
収容するミッションケース5の左右両端部にそれぞれボ
ールベアリング6,7を介して支承され、更に前記支持
筒3はミッションケース5の中間部にボールベアリング
8を介して支承される。そして上記ボールベアリング6
の外側において入力軸1とミッションケース5との間に
オイルシール9が介装され,またボールベアリング7,
8間において出力軸2とミッションケース5との間にオ
イルシール10が介装される。
【0015】無段変速機Tは、可変容量のラジアル型第
1油圧ポンプP1 と、定容量のラジアル型第2油圧ポン
プP2 とを油圧閉回路を介して相互に連結して構成され
る。
【0016】図1及び図2に示すように、第1油圧ポン
プP1 は、入力軸1に同心状にスプライン11を介して
結合されるシリンダボディ12に、その外周面に開口す
るように設けられる放射状配列の複数(図示例では5
本)の第1シリンダ孔13と、これらシリンダ孔13に
それぞれ摺動自在に嵌装される第1プランジャ14と、
このプランジャ14群を囲繞してそれらの外端と周方向
摺動可能に係合する第1ポンプリング15とを備えてお
り、各第1シリンダ孔13には第1プランジャ14を第
1ポンプリング15との係合方向へ付勢するばね16が
収納される。
【0017】第1ポンプリング15は、その一側に形成
したボス15aが入力軸1と平行な枢軸17を介してミ
ッションケース5に支持されるもので、シリンダボディ
12に対し一側方へ所定距離e1 (図7(a)参照)偏
心する第1偏心位置Aと、それに対し他側方へ所定距離
2 (図10(a)参照)偏心する第2偏心位置Cとの
間を揺動し得るようになっており、両偏心位置A、Cの
中間には、シリンダボディ12と同心になる無偏心位置
(図9(a)参照)Bが存在する。第1ポンプリング1
5の第1及び第2偏心位置A、Cは、該リング15の他
側に突設されたストッパアーム15bがミッションケー
ス5の内周壁に形成された凹部18の一方と他方の内端
壁に当接することにより規定される。そして第1ポンプ
リング15を第1偏心位置A側へ常時付勢する戻しばね
19がミッションケース15と該リング15との間に介
装される一方、その戻しばね19の付勢力に抗して該リ
ング15を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cまで揺動
させ得る変速レバー20がミッションケース5に軸支2
1される。この変速レバー20は手動もしくは自動アク
チュエータにより操作される。而して、第1ポンプリン
グ15は、シリンダボディ12の回転時、該リング15
の偏心量に応じて各第1プランジャ14に往復動を与
え、吸入及び吐出行程を繰返えさせることができる。
【0018】図1及び図3に示すように、第2油圧ポン
プP2 は、前記シリンダボディ12の外周面に開口して
設けられる放射状配列の複数(図示例では5本)の第2
シリンダ孔23と、これら第2シリンダ孔23にそれぞ
れ摺動自在に嵌装される第2プランジャ24と、この第
2プランジャ24群を囲繞してそれらの外端と周方向摺
動可能に係合する第2ポンプリング25とを備えてお
り、各第2シリンダ孔23には各第2プランジャ24を
第2ポンプリング25との係合方向へ付勢するばね26
が収納される。
【0019】第2ポンプリング25は、出力軸2の支持
筒3に一体に連設され、且つシリンダボディ12に対し
一側方へ所定距離e3 (図7(a)参照)偏心するよう
に配置される。而して、この第2ポンプリング25は、
シリンダボディ12の回転時、各第2プランジャ24に
往復動を与えて吸入及び吐出行程を繰返えさせることが
できる。
【0020】図1に示すように、第1油圧ポンプP1
第2油圧ポンプP2 とはシリンダボディ12の一端側と
他端側とに互いに離れて配置され、これらの中間部に入
力軸1を囲繞する環状の低圧油路28と、この低圧油路
28を更に囲繞する環状の高圧油路29とが設けられ
る。低圧油路28は、入力軸1の外周面に形成した環状
溝とシリンダボディ12の内周面とで画成され、高圧油
路29はシリンダボディ12に形成される。
【0021】シリンダボディ12には、更に第1シリン
ダ孔13と同数で、その第1シリンダ孔13群の内側に
隣接して放射状に延びる第1弁孔31と、第2シリンダ
孔23と同数で、その第2シリンダ孔23群の内側に隣
接して放射状に延びる第2弁孔32とが設けられる。各
第1弁孔31は、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第1
弁孔31の内側面には、隣接する第1シリンダ孔13か
ら側方に延びる第1ポンプポート33が開口する。各第
2弁孔32も又、シリンダボディ12の外周面から高圧
油路29を貫通して低圧油路28に達しており、各第2
弁孔32の内側面には、隣接する第2シリンダ孔23か
ら側方に延びる第2ポンプポート34が開口する。
【0022】図1及び図4に示すように、第1弁孔31
にはスプール型の第1切換弁35がそれぞれ摺動可能に
嵌装され、これら第1切換弁35の外端に、それらを囲
繞する第1切換リング37が周方向摺動可能に係合され
る。この第1切換リング37は図4に示すようにシリン
ダボディ12に対し所定距離e4 偏心した位置でミッシ
ョンケース5にボルト39で固着される。
【0023】而して、シリンダボディ12の回転時、各
第1切換弁35は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第1切換リング37との係
合状態に保たれる。したがって第1切換リング37は、
シリンダボディ12の回転に伴い各第1切換弁35をシ
リンダボディ12の半径方向内方位置と外方位置との間
で往復動させる。
【0024】このとき、第1ポンプリング15が前記第
1偏心位置Aを占めていれば、吐出行程中の第1プラン
ジャ14に対応する第1ポンプポート33は第1切換弁
35により低圧油路28に連通される一方、吸入行程中
の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート34
は第1切換弁37により高圧油路29に連通される。
【0025】また第1ポンプリング15が前記第2偏心
位置Cを占めていれば、上記とは反対に、吐出行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
第1切換弁35により高圧油路29に連通される一方、
吸入行程中の第1プランジャ14に対応する第1ポンプ
ポート33は第1切換弁35により低圧油路28に連通
される。
【0026】図1及び図5に示すように、第2弁孔32
には同じくスプール型の第2切換弁36がそれぞれ摺動
自在に嵌装され、これら第2切換弁36の外端に、それ
らを囲繞する第2切換リング38が周方向摺動可能に係
合される。この第2切換リング38は、前記第1ポンプ
リング25に一体に連設され、且つシリンダボディ12
に対し所定距離e5 偏心するように配置される。
【0027】而して、シリンダボディ12の回転時、各
第2切換弁36は、それ自体の遠心力と低圧油路28の
作動油の遠心油圧とにより、第2切換リング38との係
合状態に保たれる。したがって、第2切換リング38
は、シリンダボディ12との相対回転に伴い各第2切換
弁36をシリンダボディ12の半径方向内方位置と外方
位置との間で往復動させる。この第2切換弁36によっ
て、吸入行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポ
ンプポート34は低圧油路28に連通される一方、吐出
行程中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポー
ト34は高圧油路29に連通される。
【0028】以上において、低、高圧油路28,29、
第1、第2弁孔31,32及び第1、第2ポンプポート
33,34は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 間を結ぶ
油圧閉回路を構成される。
【0029】再び図1において、低圧油路28は、入力
軸1及びミッションケース5の側壁に形成された一連の
補給油路40を介してミッションケース5底部の油溜4
1に連通する。補給油路40の入口にはオイルフィルタ
42が設置され、またミッションケース5の底壁中に
は、油溜41と通孔43を介して連通するダスト溜44
が設けられる。
【0030】図1及び図6において、シリンダボディ1
2は、第1及び第2シリンダ孔13,23、低、高圧油
路28,29及び第1、第2ポンプポート33,34の
形成のために、軸方向に重ねられる3つのブロック12
a,12b,12cに分割され、これらはシールリング
45,46を挟んで複数のボルト47により結合され
る。即ち、図6に明示するように、第1及び第2シリン
ダ孔13,23は、左右両外側のブロック12a,12
cにそれぞれ形成され,また高圧油路29は、中央のブ
ロック12bの両端面に形成した一対の環状溝29a,
29bと、相隣る第1及び第2弁孔31,32と交差し
て両環状溝29a,29b間を連通する複数の通孔29
cとから構成され、環状溝29a,29bの開放面は両
外側のブロック12a,12b,12cにより閉塞され
る。また第1、第2ポンプポート33,34はブロック
12a,12b,12cの各対向面に穿設される。
【0031】次に、この実施例の作用について図7ない
し図10を参照しながら説明する。尚、上記各図におい
て、(a)は第1、第2油圧ポンプの横断面略図、
(b)は第1、第2油圧ポンプP1 ,P2 の展開略図で
ある。
【0032】〈変速比が無段大の状態(図7参照)〉 この状態では、第1ポンプリング15を第1偏心位置A
(図2参照)にシフトすることにより、第1油圧ポンプ
1 の容量を第2油圧ポンプP2 のそれと等しく制御す
る。
【0033】そこで、入力軸1を回転させれば、それと
一体になって回転するシリンダボディ12は第1ポンプ
リング15及び第2ポンプリング25との各間で相対回
転を生じる。このとき、第1油圧ポンプP1 では前述の
ように吐出行程中の第1プランジャ14に対応する第1
ポンプポート33は低圧油路28に、また吸入行程中の
第1プランジャ14に対応する第1ポンプポート33は
高圧油路29にそれぞれ連通されるため、高圧油路29
から作動油を吸入し、低圧油路28へ作動油を吐出す
る。
【0034】一方、第2油圧ポンプP2 では、吸入行程
中の第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート3
4は低圧油路28に、また吐出行程中の第2プランジャ
24に対応する第2ポンプポート34は高圧油路29に
それぞれ連通されるため、低圧油路28から作動油を吸
入し、高圧油路29へ作動油を吐出する。
【0035】しかも、両油圧ポンプP1 ,P2 の容量が
等しいので、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧
ポンプP1 が低圧油路28に吐出する作動油の全量が第
2油圧ポンプP2 に吸入され、また第2油圧ポンプP2
が高圧油路29に吐出する作動油の全量が第1油圧ポン
プP1 に吸入されることになる。したがって、第1、第
2プランジャ14,24はそれぞれ往復動を繰返しつゝ
第1、第2ポンプリング15,25の内周面上を単に摺
動するだけで回転トルクを発生せず、出力軸2は停止状
態を保つ。
【0036】〈変速比が例えば2の状態(図8参照)〉 第1ポンプリング15を第1偏心位置A(図2参照)と
無偏心位置Bの中間位置、即ち偏心量がenとなる位置
にシフトして、第1油圧ポンプP1 の容量を第2油圧ポ
ンプP2 の容量の2分の1に制御する。このようにする
と、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧ポンプP
1 が高圧油路29から吸入する作動油量は、第2油圧ポ
ンプP2 が高圧油路29に吐出する作動油量の半分とな
るので、第2油圧ポンプP2 が残りの半分の作動油を吐
出するときの反力が吐出行程中の第2プランジャ24か
ら第2ポンプリング25に作用し、該リング25を介し
て出力軸2を回転させる。その結果、入力軸1の1回転
中、出力軸2は半回転することになる。
【0037】〈変速比が1の状態(図9参照)〉 第1ポンプリング15を無偏心位置B(図2参照)にシ
フトして、第1油圧ポンプP1 の容量を零に制御する。
このようにすると、第2油圧ポンプP2 が高圧油路29
へ吐出する作動油は第1油圧ポンプP1 に全く吸入され
ず、行き場を失うため、全ての第2プランジャ24は油
圧ロック状態となり、シリンダボディ12及び第2ポン
プリング25により入、出力軸1,2間が一体的に連結
される結果、両軸1,2は同速度で回転する。
【0038】〈変速比が例えば0.66の状態(図10
参照)〉 第1ポンプリング15を第2偏心位置C(図2参照)に
シフトして、第1油圧ポンプP1 の吸入領域及び吐出領
域をこれまでとは逆にすると共に、その容量を第2油圧
ポンプP2 の容量の2分の1に設定する。このようにす
ると、シリンダボディ12の1回転中、第1油圧ポンプ
1 では第2油圧ポンプP2 の2分の1の容量をもっ
て、吐出行程中の第1プランジャ14により対応する第
1ポンプポート33から高圧油路29へ作動油を吐出
し、それまで第2油圧ポンプP2 において吐出行程にあ
った第2プランジャ24に対応する第2ポンプポート3
4に供給するようになるため、該第2プランジャ24は
膨脹行程に移り、その膨脹推力により第2ポンプリング
25をシリンダボディ12の回転方向へ半回転分増速さ
せる。結局、変速比は1:1.5=0.66となり、増
速状態となる。
【0039】以上より明らかなように、第1ポンプリン
グ15を第1偏心位置Aから第2偏心位置Cへ無段階に
シフトすることにより、入、出力軸1,2間の変速比を
無限大(ニュートラル状態)から増速状態まで無段階に
制御することができ、よって車両をスムーズに発進させ
得ると共に、高速時にはオーバドライブを可能にして燃
費の低減を図ることができる。
【0040】また、シリンダボディ12の回転中は、油
溜41の油は補給油路40から低圧油路28に遠心力の
作用で吸入され、且つ蓄えられる。したがって第1、第
2プランジャ14,24及び第1、第2切換弁35,3
6の摺動面等からの作動油のリーク分は、低圧油路28
から直ちに補給される。
【0041】ところで、無段変速機Tは、いずれもラジ
アル型の第1及び第2油圧ポンプP1 ,P2 を共通のシ
リンダボディ12上で構成してなるものであるから、従
来のアキシャル型油圧ポンプ及びモータを組合せたもの
に比し、軸方向寸法を大幅に短縮させ、コンパクト化を
図ることができる。しかも、前述のように第1ポンプリ
ング15をシフトするだけで変速比を無限大状態から増
速状態まで無段階に制御することができるので、各種車
両への適用範囲が極めて広い。
【0042】また、出力軸2の内端に形成された支持筒
3はボールベアリングを介してミッションケース5に
支承され、その支持筒3はボールベアリングを介して
力軸1の内端を支承するので、ミッションケース5の
軸方向の小スペース内で両軸1,2の内端をミッション
ケース5に強固に支持して、その支持剛性を高めること
ができる。しかも、上記支持筒3に第2ポンプリング2
5が一体に連設されるので、第2プランジャ24の推力
及びその反力を支持筒3及び入力軸1間で支承すること
でき、これによりミッションケース5への荷重負担を軽
減し、その薄肉軽量化を図ることができる。
【0043】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が
可能である。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば、入力軸及び出力軸を同軸状に配置し、その入力軸に
固設されるシリンダボディに放射状に配設される複数の
第1プランジャと、これら第1プランジャを囲繞してそ
れらの外端に相対移動可能に係合し、前記シリンダボデ
ィの回転に伴い各第1プランジャに往復動を与えると共
に、その往復動ストロークを調節し得る第1ポンプリン
グとで可変容量のラジアル型第1油圧ポンプを構成し、
また前記シリンダボディに放射状に配設される複数の第
2プランジャと、前記出力軸に固設されると共にこれら
第2プランジャを囲繞してそれらの外端に相対移動可能
に係合し、前記シリンダボディとの相対回転に伴い各第
2プランジャに一定ストロークの往復動を与える第2ポ
ンプリングとで固定容量のラジアル型第2油圧ポンプを
構成し、更に前記シリンダボディには、前記第1油圧ポ
ンプに作動油を吸入されると共に前記第2油圧ポンプか
ら作動油を吐出される高圧油路と、前記第1油圧ポンプ
から作動油を吐出されると共に前記第2油圧ポンプに作
動油を吸入される低圧油路とを設け、前記第1油圧ポン
プ及び第2油圧ポンプを収容するミッションケースに前
記入力軸及び出力軸をベアリングをそれぞれ介して支承
したので、従来のアキシャル型油圧ポンプ及び油圧モー
タを組合せたものに比し、軸方向寸法が小さく、コンパ
クトであり、第1ポンプリングをシフトすることにより
変速比を無段階に制御し得る無段変速機を提供すること
ができる。
【0045】また本発明の第2の特徴によれば、第1の
特徴に加えて、前記第1ポンプリングの前記シリンダボ
ディに対する偏心方向及び偏心量を制御することによ
り、前記第1油圧ポンプの容量を前記第2油圧ポンプの
それと等しく設定し得るようにしたので、変速比を無限
大に制御して、如何なる負荷状態でも車両の発進をスム
ーズに行わせることができる。
【0046】さらに本発明の第3の特徴によれば、第1
又は第2の特徴に加えて、前記第1ポンプリングを前記
シリンダボディとの同心位置にシフトすることにより
第1油圧ポンプの容量を零に設定し得るようにしたの
で、変速比を1に制御して車両の高速運転に対応させる
ことができる。
【0047】さらにまた本発明の第4の特徴によれば、
第1、第2又は第3の特徴に加えて、前記第1ポンプリ
ングのシリンダボディに対する偏心方向を反転させるこ
とにより、前記第1油圧ポンプが高圧油路に作動油を吐
出し、低圧油路から作動油を吸入し得るようにしたの
で、変速比を増速状態に制御して、車両の更なる高速運
転に対応させ、燃費の低減に寄与することができる。
【0048】さらにまた本発明の第5の特徴によれば、
第1、第2、第3又は第4の特徴に加えて、前記シリン
ダボディを前記入力軸の外周に嵌合して固着し、これら
シリンダボディ及び入力軸の対向周面間に低圧油路を環
状に形成すると共に、これを油溜に連通し、この低圧油
路を囲繞するように高圧油路を前記シリンダボディに環
状に形成したので、遠心力を利用して低圧油路へ作動油
を補給することができ、専用の補給ポンプが不要とな
る。
【0049】さらにまた本発明の第6の特徴によれば、
第1、第2、第3、第4又は第5の特徴に加えて、前記
入力軸及び出力軸の外端部を前記ミッションケースにベ
アリングを介して支承する一方、前記出力軸の内端に、
ベアリングを介して前記入力軸の内端を支承する支持筒
を一体に形成し、この支持筒をベアリングを介して前記
ミッションケースに支承し、前記第2ポンプリングを前
記支持筒の先端に一体に連設したので、ミッションケー
スの軸方向の小スペース内で入、出力軸の内端を支持筒
を介してミッションケースに強固に支持させ、その支持
剛性を高めることができ、同時に第2プランジャの推力
及び反力を支持筒及び入力軸間で支持して、ミッション
ケースへの荷重負担を軽減し、その薄肉軽量化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による無段変速機の縦断側面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図1の3−3線断面図
【図4】図1の4−4前断面図
【図5】図1の5−5線断面図
【図6】図1の部分拡大図
【図7】変速比無限大状態の作用説明図
【図8】変速比2の状態の作用説明図
【図9】変速比1の状態の作用説明図
【図10】変速比0.66の状態の作用説明図
【符号の説明】
1・・・・・入力軸 2・・・・・出力軸 3・・・・・支持筒 5・・・・・ミッションケース 6・・・・・ボールベアリング 7・・・・・ボールベアリング 12・・・・シリンダボディ 13・・・・第1シリンダ孔 14・・・・第1プランジャ 15・・・・第1ポンプリング 23・・・・第2シリンダ孔 24・・・・第2プランジャ 25・・・・第2ポンプリング 28・・・・低圧油路 29・・・・高圧油路 41・・・・油溜 T・・・・・無段変速機

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸(1)及び出力軸(2)を同軸状
    に配置し、その入力軸(1)に固設されるシリンダボデ
    ィ(12)に放射状に配設される複数の第1プランジャ
    (14)と、これら第1プランジャ(14)を囲繞して
    それらの外端に相対移動可能に係合し、前記シリンダボ
    ディ(12)の回転に伴い各第1プランジャ(14)に
    往復動を与えると共に、その往復動ストロークを調節し
    得る第1ポンプリング(15)とで可変容量のラジアル
    型第1油圧ポンプ(P1 )を構成し、また前記シリンダ
    ボディ(12)に放射状に配設される複数の第2プラン
    ジャ(24)と、前記出力軸()に固設されると共に
    これら第2プランジャ(24)を囲繞してそれらの外端
    に相対移動可能に係合し、前記シリンダボディ(12)
    との相対回転に伴い各第2プランジャ(24)に一定ス
    トロークの往復動を与える第2ポンプリング(25)と
    で固定容量のラジアル型第2油圧ポンプ(P2 )を構成
    し、更に前記シリンダボディ(12)には、前記第1油
    圧ポンプ(P1 )に作動油を吸入されると共に前記第2
    油圧ポンプ(P2 )から作動油を吐出される高圧油路
    (29)と、前記第1油圧ポンプ(P1 )から作動油を
    吐出されると共に前記第2油圧ポンプ(P2 )に作動油
    を吸入される低圧油路(28)とを設け、前記第1油圧
    ポンプ(P 1 )及び第2油圧ポンプ(P 2 )を収容する
    ミッションケース(5)に前記入力軸(1)及び出力軸
    (2)をベアリング(6,7)をそれぞれ介して支承
    たことを特徴とする、無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項(1)記載のものにおいて、前記 第1ポンプリング(15)の前記シリンダボディ
    (12)に対する偏心方向及び偏心量を制御することに
    より、前記第1油圧ポンプ(P1 )の容量を前記第2油
    圧ポンプ(P2 )のそれと等しく設定し得るようにした
    ことを特徴とする、無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項(1)又は(2)記載のものにお
    いて、前記 第1ポンプリング(15)を前記シリンダボディ
    (12)との同心位置にシフトすることにより前記第1
    油圧ポンプ(P1 )の容量を零に設定し得るようにした
    ことを特徴とする、無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項(1),(2)又は(3)記載の
    ものにおいて、前記 第1ポンプリング(15)のシリンダボディ(1
    2)に対する偏心方向を反転させることにより、前記
    1油圧ポンプ(P1 )が高圧油路(29)に作動油を吐
    出し、低圧油路(28)から作動油を吸入し得るように
    したことを特徴とする、無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項(1),(2),(3)又は
    (4)記載のものにおいて、前記 シリンダボディ(12)を前記入力軸(1)の外周
    に嵌合して固着し、これらシリンダボディ(12)及び
    入力軸(1)の対向周面間に低圧油路(28)を環状に
    形成すると共に、これを油溜(41)に連通し、この低
    圧油路(28)を囲繞するように高圧油路(29)を
    シリンダボディ(12)に環状に形成したことを特徴
    とする、無段変速機。
  6. 【請求項6】 請求項(1),(2),(3),(4)
    又は(5)記載のものにおいて、前記入力軸(1)及び出力軸(2)の外端部を前記ミッ
    ションケース(5)にベアリング(6,7)を介して支
    承する一方、前記出力軸(2)の内端に、ベアリング
    (4)を介して前記入力軸(1)の内端を支承する支持
    筒(3)を一体に形成し、この支持筒(3)をベアリン
    グ(8)を介して前記ミッションケース(5)に支承
    し、前記第2ポンプリング(25)を前記支持筒(3)
    の先端に一体に連設した ことを特徴とする、無段変速
    機。
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