JP3482906B2 - 電気接続箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等に
用いられる電気接続箱に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、ケース本体内に電装品ブロックが
収容された電気接続箱が知られている。電装品ブロック
は、ケース本体の外部から引き込まれる電線を介して電
気的に接続されている。電線の一端部にはコネクタが設
けられ、そのコネクタは電装品ブロックの上面に設けら
れたコネクタ装着部に装着される。 【０００３】ところで、この種の電気接続箱において
は、電線が電装品ブロック上に設けられた部品に引っ掛
かり、コネクタ装着部からコネクタが抜けるおそれがあ
った。そこで、このような不具合を解消するために、図
３に示すような電気接続箱５１が従来より提案されてい
る。この電気接続箱５１では、リレーブロック５２の上
面に複数対の電線固定用リブ５３，５４が所定の間隔を
おいて形成されている。従って、電気接続箱５１の組立
時には、対をなすリブ５３，５４間に作業者が電線５５
を押し込むことにより、電線５５が各リブ５３，５４間
に挟持固定されるようになっている。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術に
示す電気接続箱は、電線５５が各リブ５３，５４により
部分的に固定されているにすぎない。そのため、対をな
す一方のリブ５３と対をなす他方のリブ５４との間にお
いて、電線５５の固定が完全ではない。従って、電線５
５がその周囲にある部品に引っ掛かるおそれが依然とし
てあった。又、電線５５をリブ５３，５４間に押し込ん
で挟持固定する際には、リブ５３，５４に応力が加わり
やすい。このため、電線５５を押し込む力が強すぎる
と、リブ５３，５４が破損するという問題もあった。さ
らに、押し込んで電線５５を固定するという作業が必要
になるため、作業工数が多く、生産性が悪かった。 【０００５】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、電線が周囲の部品に引っ掛かるの
を確実に防止することが可能な電気接続箱を提供するこ
とにある。 【０００６】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項１に記載の発明では、ケース本体内に収容
された電装品ブロックの上面に電線の少なくとも一端が
接続されている電気接続箱において、前記ブロックの上
面に壁構造を設けるとともに、その壁構造の内側に形成
された細長空間に、前記電線を遊挿するとともに、前記
電線の一端部に設けられたコネクタが着脱されるコネク
タ装着部を配置し、前記ブロックの上面に設けられた第
１壁部と、前記ケース本体の一部を構成するアッパケー
スの内面に設けられるとともに、前記第１壁部の上縁に
対して嵌合可能な第２壁部とから前記壁構造を構成し、
この壁構造の一端部のみに、前記電線を前記細長空間に
引き込むための開口部を形成したことを要旨としてい
る。 【０００７】 【０００８】 【０００９】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項１に記載の発明によると、電装品ブロックの
上面に設けた壁構造の内側に形成される細長空間には電
線が遊挿される。従って、電線全体が壁構造によって保
護されるので、電線がその周囲にある部品に引っ掛かる
ことがない。又、両壁部同士が嵌合することにより細長
空間が形成される。そのため、両壁部の嵌合部分である
第１壁部の上縁から水等が侵入しにくくなる。従って、
細長空間内における防水性が向上する。更に、防水性が
高い細長空間内にコネクタ装着部が配置されている。そ
のため、コネクタ装着部とコネクタとの電気的な接続不
良が少なくなる。 【００１０】 【００１１】 【００１２】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に基づき詳細に説明する。図１に示すよう
に、電気接続箱１１は、自動車のエンジンルーム内に収
容されるものである。この電気接続箱１１は、合成樹脂
製のケース本体１２を備えている。ケース本体１２は、
ロアケース１３と、ロアケース１３の上部に着脱可能に
設けられたアッパケース１４とから構成されている。 【００１３】前記ロアケース１３内には、電装品ブロッ
クとしてのリレーブロック１７，１８が複数個収容され
ている。本実施形態において、リレーブロック１７，１
８は２つ設けられている。各リレーブロック１７，１８
の上面には、リレー装着部１９がそれぞれ設けられ、各
リレー装着部１９には、リレー２０が着脱可能に取り付
けられている。 【００１４】図１，図２に示すように、一方のリレーブ
ロック１７の上面には、第１壁部２５が設けられてい
る。第１壁部２５は、合成樹脂からなり、リレーブロッ
ク１７と一体的に形成されている。第１壁部２５は、ロ
アケース１３の長手方向に沿って延びるように形成さ
れ、見下げた形状が細長Ｕ字溝状になっている。第１壁
部２５の上面及び一端（図１の左側）は開口されてい
る。 【００１５】前記アッパケース１４の内頂面には、第２
壁部２６が形成され、この第２壁部２６は、前記第１壁
部２５と対向する位置に配置されている。第２壁部２６
は、合成樹脂からなり、アッパケース１４と一体的に形
成されている。第２壁部２６は、アッパケース１４の長
手方向に沿って延びるように形成され、見上げた形状が
細長逆Ｕ字溝状になっている。第２壁部２６の下面及び
一端（図１の上側）は開口されている。 【００１６】そして、ロアケース１３にアッパケース１
４が被せられることにより、第２壁部２６は、第１壁部
２５の上端縁に対して嵌合可能になっている。この嵌合
状態において、第１壁部２５の上面開口部は、第２壁部
２６によって閉塞される。従って、両壁部２５，２６の
間には、ケース本体１２の長手方向に沿って延びる細長
空間２７が形成される。なお、本実施形態において、前
記第１壁部２５と第２壁部２６とから直線状をなす壁構
造２８が構成されている。 【００１７】前記細長空間２７内における第１壁部２５
内の他端箇所には、コネクタ装着部３１が設けられてい
る。ケース本体１２内には外部から電線３２が導入さ
れ、この電線３２の一部は、両壁部２５，２６の一端に
形成された開口部２５ａ，２６ａを介して細長空間２７
内に遊挿されている。電線３２の先端にはコネクタ３３
が設けられ、このコネクタ３３は前記コネクタ装着部３
１に着脱可能に接続されている。 【００１８】次に、上記のように構成された電気接続箱
１１の作用について説明する。コネクタ装着部３１にコ
ネクタ３３を接続し、電線３２を第１壁部２５の長手方
向に沿わせる。この状態で、アッパケース１４をロアケ
ース１３に被せると、第１壁部２５に第２壁部２６が嵌
合され、壁構造２８が組み付けられる。そして、壁構造
２８の内側に形成された細長空間２７内には電線３２が
収容される。電線３２の他端部は、両壁部２５，２６の
開口部２５ａ，２６ａを介して、細長空間２７の外部に
導出される。このため、電線３２の周囲が壁構造２８に
よって保護されることになる。従って、電線３２がその
周囲にあるリレー装着部１９やリレー２０等に引っ掛か
ることがない。 【００１９】又、第１壁部２５と第２壁部２６の周縁は
嵌合されているので、第１壁部２５の上端縁から細長空
間２７に水等が侵入しにくくなる。よって、細長空間２
７内に配置されているコネクタ装着部３１とコネクタ３
３との電気的接続に支障をきたすこともない。 【００２０】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 （１） ロアケース１３にアッパケース１４を被せた状
態において、リレーブロック１７の上面には、壁構造２
８が設けられている。そして、壁構造２８の内側に形成
された細長空間２７には、電線３２が遊挿されている。
このため、一方のリレーブロック１７上にある電線３２
が壁構造２８によって保護される。従って、リレーブロ
ック１７に設けられたリレー装着部１９やリレー２０に
電線３２が引っ掛かるおそれが全くない。この結果、コ
ネクタ装着部３１からコネクタ３３が不用意に外れたり
するのを防止することができる。 【００２１】（２） 電線３２は細長空間２７内に遊挿
されているため、細長空間２７内に電線３２を押し込む
という作業が必要ない。よって、従来技術と異なり、第
１壁部２５や第２壁部２６に応力が加わることがない。
この結果、壁構造２８が破損するのを防止することがで
きる。しかも、ロアケース１３にアッパケース１４を被
せると同時に、電線３２の保護を図ることができる。換
言すれば、両ケース１３，１４の組み付けを兼ねて電線
３２の保護できるようにしている。従って、作業工数を
少なくすることができ、生産性を向上することができ
る。 【００２２】（３） 壁構造２８は、一方のリレーブロ
ック１７の上面に形成された第１壁部２５と、アッパケ
ース１４の内頂面に形成された第２壁部２６とから構成
されている。そして、アッパケース１４をロアケース１
３に被せる際に、第１壁部２５の上端縁に第２壁部２６
が嵌合されるようになっている。このため、第１壁部２
５の上端縁から水等が侵入しにくくなる。この結果、細
長空間２７内における防水性を向上させることができ
る。 【００２３】（４） コネクタ装着部３１は、壁構造２
８の内側に形成される細長空間２７内に配置されてい
る。このため、細長空間２７内に水等が侵入しにくいの
で、コネクタ装着部３１と、コネクタ３３との電気的な
接続不良によるトラブルを少なくできる。しかも、電線
３２を細長空間２７内に引き込むための開口部２５ａ，
２６ａから最も遠い位置に、コネクタ装着部３１が配置
されている。この結果、コネクタ装着部３１と、コネク
タ３３との電気的な接続不良によるトラブルをいっそう
少なくできる。 【００２４】（５） ロアケース１３にアッパケース１
４を組み付けた状態において、壁構造２８は、その一端
部のみが開口されている。要するに、細長空間２７内に
電線３２を引き込むための開口部２５ａ，２６ａが１つ
設けられているだけである。しかも、その開口部２５
ａ，２６ａの開口面積はできるだけ小さく設定されてい
る。従って、細長空間２７内における防水性をよりいっ
そう向上させることができる。 【００２５】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 前記実施形態では、ロアケース１３にアッパケース
１４を被せることにより、第１壁部２５の上端縁に対し
て第２壁部２６を嵌合するようにした。これ以外にも、
第２壁部２６を省略してもよい。そして、ロアケース１
３にアッパケース１４を被せた際に、アッパケース１４
の内頂面によって、第１壁部２５の上部開口部を塞ぎ、
細長空間２７を形成してもよい。この構成によれば、壁
部の数を少なくすることができるので、製造コストを低
減することができる。 【００２６】・ 前記実施形態では、壁構造２８を一方
のリレーブロック１７のみに設けた。これ以外にも、他
のリレーブロック１８に壁構造２８を設けてもよい。こ
の構成にすれば、両ブロック１７，１８上にある電線３
２を保護することができる。従って、電線３２がその周
辺にある部品に引っ掛かるのをよりいっそう防止でき
る。 【００２７】・ 前記実施形態では、ロアケース１３に
アッパケース１４を被せた際に、壁構造２８の一端部の
みに開口部２５ａ，２６ａが形成されるようにした。こ
れ以外にも、壁構造２８の他端のみに開口部２５ａ，２
６ａが形成されるようにしてもよい。この場合には、コ
ネクタ装着部３１を壁構造２８の他端部に配置するのが
好ましい。又、壁構造２８の両端部に開口部が形成され
るようにしてもよい。 【００２８】・ 前記実施形態では、第１壁部２５をリ
レーブロック１７に一体的に形成した。これ以外にも、
第１壁部２５とリレーブロック１７とを別部材から構成
し、両部材２５，１７同士をねじ等により組み付けるよ
うにしてもよい。又、それと同じように、第２壁部２６
についても、アッパケース１４と別々に構成し、両部材
２６，１４同士をねじ等により組み付けるようにしても
よい。 【００２９】・ 前記実施形態では、電線３２の他端を
ケース本体１２の外部に引き出している。これ以外に
も、他方のリレーブロック１８にコネクタ装着部３１を
設け、両リレーブロック１７，１８同士を電線３２を介
して接続するようにしてもよい。 【００３０】・ 前記実施形態では、壁構造２８を直線
状にした。これ以外にも、例えばＬ字状やＳ字状等のよ
うに、壁構造２８を任意の形状に変更してもよい。次
に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、
前述した実施形態によって把握される技術的思想をその
効果とともに以下に列挙する。 【００３１】（１） 請求項１において、前記ケース本
体は、ロアケースと、そのロアケースの上部に着脱可能
に設けられたアッパケースとから構成され、前記壁構造
は、前記ブロックの上面に設けられるとともに、ロアケ
ースにアッパケースを組み付けた状態で、同アッパケー
スの内面に対して先端縁が当接する第１壁部である電気
接続箱。この構成によれば、壁部を１つにすることがで
きるので、製造コストを低減することができる。 【００３２】（２） 請求項１において、前記ケース本
体は、ロアケースと、そのロアケースに着脱可能に設け
られたアッパケースとから構成され、前記第１壁部は前
記ロアケースに配置され、第２壁部はアッパケースに配
置されている電気接続箱。 【００３３】（３） （２）において、前記第１壁部は
前記電装品ブロックと一体的に形成され、前記第２壁部
は前記アッパケースと一体的に形成されている電気接続
箱。この構成によれば、それぞれの壁部を組み付ける作
業を省くことがができる。 【００３４】（４） 請求項１において、前記ケース本
体は、自動車のエンジンルームに配置される電気接続
箱。この構成によれば、エンジンルーム内に吹き込まれ
る水滴等が細長空間に侵入するのを少なくできる。 【００３５】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項１に記載の
発明によれば、電線が周囲の部品に引っ掛かるのを確実
に防止することができる。又、細長空間内における防水
性を向上することができるので、コネクタ装着部とコネ
クタとの電気的な接続不良によるトラブルを少なくする
ことができる。 【００３６】

【図面の簡単な説明】 【図１】本実施形態の電気接続箱を示す斜視図。 【図２】第１壁部と第２壁部を示す断面図。 【図３】従来技術における電気接続箱を示す斜視図。 【符号の説明】 １１…電気接続箱、１２…ケース本体、１３…ロアケー
ス、１４…アッパケース、１７…リレーブロック（電装
品ブロック）、２５…第１壁部、２６…第２壁部、２５
ａ，２６ａ…開口部、２７…細長空間、２８…壁構造、
３１…コネクタ装着部、３２…電線、３３…コネクタ。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】ケース本体内に収容された電装品ブロック
   の上面に電線の少なくとも一端が接続されている電気接
   続箱において、 前記ブロックの上面に壁構造を設けるとともに、その壁
   構造の内側に形成された細長空間に、前記電線を遊挿す
   るとともに、前記電線の一端部に設けられたコネクタが
   着脱されるコネクタ装着部を配置し、前記ブロックの上
   面に設けられた第１壁部と、前記ケース本体の一部を構
   成するアッパケースの内面に設けられるとともに、前記
   第１壁部の上縁に対して嵌合可能な第２壁部とから前記
   壁構造を構成し、この壁構造の一端部のみに、前記電線
   を前記細長空間に引き込むための開口部を形成したこと
   を特徴とする電気接続箱。