JP3482365B2 - 磁石埋込型回転子 - Google Patents
磁石埋込型回転子Info
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Description
積層して形成された積層鉄心の外周部に設けられた穴部
に永久磁石で形成された複数の磁極が装着され、回転電
機の回転子として機能する磁石埋込型回転子に係り、特
に永久磁石を穴部内に固定するための構造に関するもの
である。
は、例えば特開平7−322538号公報に示されるよ
うに、永久磁石が装着される打抜き穴に沿って線状の穴
を形成し、この線状の穴と打抜き穴の縁との間に形成さ
れる柔軟に変形可能な線状の部位で永久磁石を押圧する
ことにより、又、特開平9−163649号公報に示さ
れるように、永久磁石の外周部に接着剤を含浸または塗
布した接着シートを配することにより、永久磁石を積層
鉄心に設けられた打抜き穴内に固定することがそれぞれ
提案されている。
子は以上のように構成され、永久磁石を打抜き穴に装着
する際に、割れや欠けが発生するのを防止するために、
特開平7−322538号公報に示されるものでは、永
久磁石を押圧する線状の部位を柔軟に変形可能としてい
るので、固定が十分でなく回転電機の回転時に振動を発
生して、信頼性の低下を招き、又、特開平9−1636
49号公報に示されるものでは、永久磁石の外周部に接
着剤を含浸または塗布した接着シートを配置しているの
で、各打抜き穴内における永久磁石の位置が一定せず、
磁気的バランスおよび重量バランスが悪くなり、性能の
低下を招くとともに接着剤の使用により自動化が困難と
なる等の問題点があった。
ために成されたもので、永久磁石をバランス良く確実に
固定することにより、信頼性の向上を図ることが可能な
磁石埋込型回転子を提供することを目的とするものであ
る。
る磁石埋込型回転子は、板状磁性部材を積層して形成さ
れた積層鉄心と、積層鉄心の端面に周方向に所定の間隔
を介して配置されるとともに軸方向に貫通して形成され
た複数の穴部と、各穴部にそれぞれ嵌挿される永久磁石
と、各穴部の積層鉄心の中心側に沿ってそれぞれ延在し
永久磁石と対応する位置で穴部とスリット部を介し連通
して形成される注入穴部と、注入穴部およびスリット部
を介して注入され穴部と永久磁石の間に充填される樹脂
部材とを備えたものである。
回転子は、請求項1において、注入穴部を穴部の周方向
中央部と対応する位置に形成したものである。
回転子は、請求項1または2において、注入穴部を穴部
から積層鉄心の中心側へ離れた位置に形成したものであ
る。
回転子は、請求項1において、樹脂部材を穴部と永久磁
石の積層鉄心中心側端面の間に充填したものである。
図1はこの発明の実施の形態1における磁石埋込型回転
子の構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)にお
ける線B−Bに沿う断面を示す断面図、図2は図1にお
ける磁石埋込型回転子の積層鉄心の構成を示し、(A)
は正面図、(B)は(A)における線B−Bに沿う断面
を示す断面図、図3は図1における磁石埋込型回転子の
製造に適用される注入金型の構成を示す断面図、図4は
図3における注入金型に積層鉄心が嵌挿された状態を示
す断面図である。
して配置される磁石用穴部1a、この磁石用穴部1aの
後述する積層鉄心の中心側の周方向中央部に配置される
注入用穴部1b、および中心部に配置される軸用穴部1
cがそれぞれ形成された第1の板状磁性部材、2はこの
第1の板状磁性部材1の各穴部1a、1b、1cと同様
の、磁石用穴部2a、注入用穴部2b、軸用穴部2c、
および磁石用穴部2aと注入用穴部2bの間を連通する
スリット部2dがそれぞれ形成された第2の板状磁性部
材で、これら両板状磁性部材1、2を所定の組み合わせ
で積層し、各穴部1aと2a、1bと2b、1cと2c
をそれぞれ一致させ、例えば抜きかしめ等で固着一体化
することにより積層鉄心3が構成される。
aに対をなして嵌挿された永久磁石A、B、Cで、例え
ば図1(B)に示すように第2の板状磁性部材2は、永
久磁石A4aと対応する位置に2枚、永久磁石B4bお
よび永久磁石C4cと対応する位置にはそれぞれ1枚ず
つが積層されている。5は各注入用穴部1b、2bから
注入され、第2の板状磁性部材2のスリット部2dを介
して各磁石用穴部1a、2aに充填された熱可塑性樹脂
でなる樹脂部材で、例えば鉄粉等の磁性粉体が混入され
ている。
合された回転子軸、7は積層鉄心3に樹脂部材5を注入
するための注入金型で、図3に示すように樹脂供給穴部
8a、この樹脂供給穴部8aから分岐する分岐穴部8
b、およびこの分岐穴部8bから積層鉄心3の各注入用
穴部1b、2bと対応する位置でそれぞれ開口される複
数の注入穴部8cを有する上型8と、積層鉄心3が嵌挿
可能な有底穴部9aおよび、この有底穴部9aの底部の
積層鉄心3の各磁石用穴部1a、2aと対応する位置に
それぞれ突設され、各磁石用穴部1a、2aと嵌合可能
な複数の突起部9bを有する下型9で構成されている。
1における磁石埋込型回転子の製造方法について説明す
る。まず、打抜き加工により磁石用穴部1a、注入用穴
部1b、軸用穴部1cを有する第1の板状磁性部材1、
および磁石用穴部2a、注入用穴部2b、軸用穴部2
c、スリット部2dを有する第2の板状磁性部材2をそ
れぞれ形成する。次いで、図2に示すように、第2の板
状磁性部材2を永久磁石A4aと対応する位置に2枚、
永久磁石B4bおよび永久磁石C4cと対応する位置に
はそれぞれ1枚ずつを配置するとともに、残りの部分に
は第1の板状磁性部材1を配置し、お互いの磁石用穴部
1a、2a、注入用穴部1b、2b、および軸用穴部1
c、2cがそれぞれ一致するように積層して、例えば抜
きかしめ等により固着一体化することにより積層鉄心3
を形成する。
心3を、図4に示すように各磁石用穴部1aが各突起部
9bと一致するように下型9の有底穴部9a内に嵌挿す
る。次いで、積層鉄心3の各磁石用穴部1a、2a内に
永久磁石A4a、永久磁石B4b、永久磁石C4cの順
に挿入する。そして、上型8を各注入穴部8cが積層鉄
心3の注入用穴部1bの位置と一致するように下型9の
上部に載置し、図示はしないが締付治具により上型8お
よび下型9を固着させた後、所定の圧力により樹脂供給
穴部8aから樹脂部材5を供給する。
部8b、各注入穴部8cおよび積層鉄心3の各注入用穴
部1b、2b内を順に流れて、図1に示すようにスリッ
ト部2dを介して磁石用穴部1a、2a内に導かれ、各
永久磁石A4a、B4b、C4cを外周側に押圧した状
態で充填される。次に、この状態で加熱することにより
樹脂部材5を硬化させて積層鉄心3内に一体化する。次
いで、締付治具を緩めて上型8を外し、積層鉄心3を下
型9から取り出し軸用穴部1c、2cに回転子軸6を嵌
合させて固着することにより磁石埋込型回転子が完成す
る。
永久磁石A4a、B4b、C4cが嵌挿される各磁石用
穴部1a、2aの中心側周方向中央部に注入用穴部1
b、2bを形成するとともに、各永久磁石A4a、B4
b、C4cと対応する位置を各スリット部2dにより連
通させ、各注入用穴部1b、2bおよびスリット部2d
を介して、各磁石用穴部1a、2aに樹脂部材5を充填
し、この樹脂部材5により各永久磁石A4a、B4b、
C4cを固定するようにしているので、バランス良く確
実に固定することができ、信頼性の向上を図ることが可
能になる。
a、2aの中心側周方向中央部に形成したことにより、
図5からも明らかなように、注入用穴部1b、2bが各
永久磁石A4a、B4b、C4cによって積層鉄心3内
を流れる磁束10の通過を妨げることもなく、磁石埋込
型回転子の効率の低下を防止することが可能になり、さ
らに又、注入用穴部1b、2bを磁石用穴部1a、2a
から離すことにより、磁束10の通過をさらに妨げるこ
とがなくなり、より効率の低下を防止することが可能に
なる。
たことにより、積層鉄心3への一体化が容易となり組立
作業性の向上を図ることが可能となり、又、樹脂部材5
に磁性粉体を混入、または樹脂部材5にプラスチックマ
グネットを用いることにより、樹脂部材5の層が形成さ
れたことによる磁路の透磁率の低下を抑制し、磁石埋込
型回転子の効率の低下を防止することができる。
する位置に、第2の板状磁性部材2を2枚配置すること
により、スリット部2dの開口面積を2倍にして、注入
用穴部1b、2bの注入側から離れていても樹脂部材5
の注入が悪くならないように考慮されている。
子の構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)にお
ける線B−Bに沿う断面を示す断面図である。図におい
て、上記実施の形態1におけると同様な部分は同一符号
を付して説明を省略する。11は各注入用穴部1b、2
bから注入され、第2の板状磁性部材2のスリット部2
dを介して、各磁石用穴部1a、2aと各永久磁石A4
a、B4b、C4cの中心側端面との間に充填された熱
可塑性樹脂でなる樹脂部材で、例えば鉄粉等の磁性粉体
が混入されている。
永久磁石A4a、B4b、C4cが嵌挿される各磁石用
穴部1a、2aの中心側周方向中央部に注入用穴部1
b、2bを形成するとともに、各永久磁石A4a、B4
b、C4cと対応する位置を各スリット部2dにより連
通させ、各注入用穴部1b、2bおよびスリット部2d
を介して、各磁石用穴部1a、2aと各永久磁石A4
a、B4b、C4cの中心側端面との間に樹脂部材11
を充填し、この樹脂部材11により各永久磁石A4a、
B4b、C4cを外周側に押圧して固定するようにして
いるので、より少ない量の樹脂部材11でバランス良く
確実に固定することができ、信頼性の向上を図ることが
可能になる。
れば、板状磁性部材を積層して形成された積層鉄心と、
積層鉄心の端面に周方向に所定の間隔を介して配置され
るとともに軸方向に貫通して形成された複数の穴部と、
各穴部にそれぞれ嵌挿される永久磁石と、各穴部の積層
鉄心の中心側に沿ってそれぞれ延在し永久磁石と対応す
る位置で穴部とスリット部を介し連通して形成される注
入穴部と、注入穴部およびスリット部を介して注入され
穴部と永久磁石の間に充填される樹脂部材とを備えたの
で、永久磁石をバランス良く確実に固定することにより
信頼性の向上を図ることが可能な磁石埋込型回転子を提
供することができる。
1において、注入穴部を穴部の周方向中央部と対応する
位置に形成したので、永久磁石をバランス良く確実に固
定することにより信頼性の向上を図ることが可能である
ことは勿論、性能の低下を防止することが可能な磁石埋
込型回転子を提供することができる。
1または2において、注入穴部を穴部から積層鉄心の中
心側へ離れた位置に形成したので、信頼性の向上を図る
ことが可能であることは勿論、性能の低下をさらに防止
することが可能な磁石埋込型回転子を提供することがで
きる。
1において、樹脂部材を穴部と永久磁石の積層鉄心中心
側端面の間に充填したので、より少ない量の樹脂部材で
永久磁石をバランス良く確実に固定し、信頼性の向上を
図ることが可能な磁石埋込型回転子を提供することがで
きる。
回転子の構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)
における線B−Bに沿う断面を示す断面図である。
構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)における
線B−Bに沿う断面を示す断面図である。
される注入金型の構成を示す断面図である。
た状態を示す断面図である。
束の分布状を模式して示す図である。
回転子の構成を示し、(A)は正面図、(B)は(A)
における線B−Bに沿う断面を示す断面図である。
a,2a 磁石用穴部、1b,2b 注入用穴部、3
積層鉄心、4a 永久磁石A、4b 永久磁石B、4c
永久磁石C、5,11 樹脂部材、6 回転子軸、7
注入金型、8 上型、9 下型、10 磁束。
Claims (4)
- 【請求項1】 板状磁性部材を積層して形成された積層
鉄心と、上記積層鉄心の端面に周方向に所定の間隔を介
して配置されるとともに軸方向に貫通して形成された複
数の穴部と、上記各穴部にそれぞれ嵌挿される永久磁石
と、上記各穴部の上記積層鉄心の中心側に沿ってそれぞ
れ延在し上記永久磁石と対応する位置で上記穴部とスリ
ット部を介し連通して形成される注入穴部と、上記注入
穴部およびスリット部を介して注入され上記穴部と上記
永久磁石の間に充填される樹脂部材とを備えたことを特
徴とする磁石埋込型回転子。 - 【請求項2】 注入穴部は穴部の周方向中央部と対応す
る位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載
の磁石埋込型回転子。 - 【請求項3】 注入穴部は穴部から積層鉄心の中心側へ
離れた位置に形成されていることを特徴とする請求項1
または2記載の磁石埋込型回転子。 - 【請求項4】 樹脂部材は穴部と永久磁石の積層鉄心中
心側端面の間に充填されていることを特徴とする請求項
1記載の磁石埋込型回転子。
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