JP3474218B2 - 組成物および積層体 - Google Patents
組成物および積層体Info
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Description
することのない樹脂組成物による環境破壊、廃棄物処理
問題を解決するために、埋め立て等による自然環境中だ
けでなく下水処理場などで行われている好気条件での処
理においても良好な生分解性を示し、良好な溶融成形性
ならびに機械強度、耐水性およびガスバリヤー性に優れ
た組成物およびそれを用いた積層体に関する。
ム、容器、農業・土木用シート、フィルムや各種成形品
としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポ
リエチレントレフタレート等が用いられているが、いず
れも環境中で分解せず、埋め立て等で土壌中にそのまま
残留し環境上問題となっている。そこで環境中で崩壊、
分解するプラスチックの開発が急務となっている。環境
中で崩壊するものとしては、生分解性を有する澱粉等と
非生分解性の樹脂をブレンドする方法があるが形状が失
われるだけであり本質的とはいえない。また、生分解性
を有するプラスチックとして、脂肪族ポリエステル、脂
肪族ポリエステルアミド、ポリペプタイド、セルロー
ス、澱粉、キトサン等のが知られているが、低融点であ
ったり、力学的強度が不足していたり、耐水性に乏しか
ったりし、コスト的にも高いものが多い。
欠点を解消するために創案されたものであり、本質的生
分解性、成形性、機械的強度と耐水性、ガスバリヤー性
を有し、ブレンド組成によってその程度を制御すること
が出来る組成物を提供することを目的とする。
50モル%以上のポリビニルアルコール(A)2〜98
重量%および数平均分子量3000以上であり、かつコ
ハク酸とエチレングリコール、プロピレングリコールお
よび1,4−ブタンジオールの群から選択される少なく
とも1種のジオールからなる脂肪族ポリエステルを高重
合度化して得られる数平均分子量が5000以上500
000以下の脂肪族ポリエステル系重合体(B)98〜
2重量%からなる組成物を提供することによって達成さ
れる。
優れたガスバリヤー性、機械的強度を損ねることのない
生分解性を有する組成物を得る場合は、けん化度が50
モル%以上のポリビニルアルコールを50〜98重量%
と脂肪族ポリエステル系重合体50〜2重量%からなる
組成物が好適である。
ル系重合体の生分解性、耐水性を損ねることなく、機械
的強度の優れた組成物を得る場合はけん化度が50モル
%以上のポリビニルアルコールを2〜50重量%と脂肪
族ポリエステル系重合体98〜50重量%からなる組成
物が好適である。本発明において、脂肪族ポリエステル
系重合体とポリビニルアルコールをブレンドすることに
より、脂肪族ポリエステル系重合体の生分解性が損なわ
れることなくポリビニルアルコールの優れたガスバリヤ
ー性、機械的強度が発現するのは驚くべきことである。
けん化度が50モル%以上のポリビニルアルコールが2
%未満では、ガスバリヤー性、機械的強度が不十分であ
る。また、脂肪族ポリエステル系重合体が2%未満で
は、生分解速度が遅い。
ルボン酸はコハク酸であり、ジオール成分はエチレング
リコール、プロピレングリコールおよび1,4−ブタン
ジオールの群から選択される少なくとも1種のジオール
である。本発明においてジカルボン酸成分としてはコハ
ク酸を使用することは必須であるが、炭素数3以下のジ
カルボン酸を本発明の目的が阻害されない範囲で併用す
ることもできる。かかるコハク酸をジオールの組み合わ
せにより、ゲルの発生が少なく、高重合度化が可能であ
り機械的強度、伸度、透明性、生分解性に優れるという
効果が得られる。
体は、通常の重合方法では高重合度化が困難であるた
め、通常の重合方法、例えばバルク重合方法によって一
旦、数平均分子量が3000以上のポリエステルを得、
次いで、後述する方法により高重合度化する。
上500000以下、好適には20000以上2000
00以下である。数平均分子量5000未満では溶融成
形性に劣り、且つ強度不足であり不適当であり、500
000を超えると溶融成形性、加工性に劣る。高重合度
化の方法として他には、固相重合の他に、オキサゾリ
ン、カルボジイミド、フェニルオキザレート、フェニル
カーボネートを使用する方法が挙げられるが、ジイソシ
アナートで高重合度化する方法が容易に高重合度化が達
せられること、および生分解速度が速い点で好ましい。
ンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、1,
6−ナフチレンジイソシアナート、2,4−トリレンジ
イソシアナート等が挙げられる。
けん化度は50モル%以上が好適であり、50モル%未
満ではガスバリヤー性、生分解性が不充分となる。
ルコールと脂肪族ポリエステル系重合体の組成物を得る
方法としては特に限定されるものではないが、両者のペ
レット状物や粉末をドライブレンドする方法、両者をバ
ンバリーミキサーや一軸、二軸スクリューの押出機で溶
融混練しペレットを得る方法がある。ブレンドが不十分
であったり、ブレンド時の異物の混入、熱劣化物等の発
生があると溶融成形時に破れ、クラック、ムラが発生す
ることが考えられるため、混練性の高い押出機を用い、
出来る限り低温で、ホッパー口を窒素シールすることが
望ましい。
囲で他の成分を添加することもできる。具体的にはポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、ポリブチレンや滑剤、可塑剤、相溶化剤、着色
剤、熱安定化剤、消臭剤、紫外線吸収剤、坑菌、防カビ
剤、酸化防止剤、タルク、クレー、マイカ、シリカ、酸
化チタン、炭酸カルシウム、金属、金属酸化物の微粉末
が挙げられる。
げられない範囲で可塑剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、坑菌剤、防カビ剤、フィラー等の添加剤を
添加することは問題ない。特に、ブレンドによるゲル発
生の防止のために、ハイドロタルサイト系、ヒンダード
フェノール系、ヒンダードアミン系の熱安定化剤、高級
脂肪族カルボン酸塩のうちのいずれかまたはその組合わ
せを0.001〜1重量%添加することが好適である。
シート、ヤーンなどの単層の成形物や多層の積層体に成
形される。単層の成形物を得る方法としては特に制限は
なく、溶融押出法、湿式、乾式成形法等が用いられる。
多層積層体については、本発明の組成物からなる層の両
面あるいは片面に生分解性を有する層を積層することに
より得られる。ここでいう生分解性を有する層として
は、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルアミド、
澱粉、セルロース、カラギーナン等の多糖類、キトサ
ン、プルラン等だけでなく、各種金属や各種無機物が挙
げられる。本発明による組成物と上記の生分解性を有す
る層との積層体を得るために用いられる接着剤は、特に
制限はないが、ポリウレタン系樹脂、スターチ系樹脂、
それらを不飽和カルボン酸またはその無水物をポリオレ
フィン系重合体あるいは共重合体にグラフトしたもの
等、生分解性を有するものが好ましい。積層体を得る方
法としては中間に接着剤を介して押出、共押出、ドライ
ラミネート、熱圧着、溶液コートなどの方法を例示する
ことができる。
成形等によってけん化度が50モル%以上のポリビニル
アルコールの融点以下の温度で加熱して延伸することが
可能であり、該積層体をフィルム二軸延伸機に投入し、
加熱延伸することも可能である。また本発明にかかる組
成物は、二軸延伸ブロー成形または他の樹脂と組み合わ
せて共射出による二軸延伸ブロー成分が可能である。
ポリビニルアルコール組成物層/生分解性を有する層、
生分解性を有する層/ポリビニルアルコール組成物層/
生分解性を有する層が例示される。生分解性を有する層
を両側に使用する場合は、両者の材質が異なっていても
良いことはいうまでもない。本発明による組成物及びそ
れを用いたフィルム、シート、成形物は、その生分解性
を活かしてガスバリヤー性を要求される分野のみなら
ず、マルチフィルム、ハウスフィルム、育苗用の鉢、農
薬用のボトル、肥料等の袋などの農業用分野や、生花等
の鮮度保持用包装体や、土木の分野や、おむつ、生理用
品、ウェットティッシュ等や、医療用の用途や、魚網、
テグス等の漁業用の分野や、繊維の分野に応用する事が
できる。本発明により、バリヤー性、強度、伸度、透明
性に優れ、且つ生分解性に優れた組成物を得ることがで
き、組成比を適宜選定することによりそのバランスを制
御することが可能となる。
るが、本実施例によって本発明がなんら制限されるもの
ではない。尚、本発明でいう数平均分子量の測定はGP
C法による。但し、ポリスチレンをスタンダードとし、
測定装置:WATER社製HLC−510,カラム:Z
ORBAX PSM1000SとPSM60S,溶媒:
(ヘキサクロロイソプロパノール/クロロホルム=2/
8の混合溶媒に酢酸を5%配合したもの),溶液濃度:
0.1重量%,注入量:5μl,流速:1.0ml/
分,温度:カラム40℃,検出器UV(254nm)の
条件で測定した。
ル%、ケン化度99.7モル%、190℃、荷重216
0gにおけるメルトフローレートが1.3g/10mi
nであるエチレン−ビニルアルコール共重合体30部
に、コハク酸とエチレングリコールでエステル化して重
合し、数平均分子量15000の脂肪族ポリエステルを
得、次いでヘキサメチレンジイソシアナートで高重合度
化した。数平均分子量は34000であった。該脂肪族
ポリエステル系重合体70部を、ベント式二軸スクリュ
ータイプ20φ押出器で窒素雰囲気下、200℃で溶融
混練し、ペレットを作成した。該ペレットを20φ押出
器にて200℃で溶融押出し、厚み20μ、50℃のフ
ィルムを作成した。フィルムを20℃、65%RHで調
湿した。
ル%、けん化度99.7モル%、190℃、荷重216
0gにおけるメルトフローレートが5.8g/10mi
nであるものを使用した以外は参考例1と同様にしてフ
ィルムを得た。
%、脂肪族ポリエステル系重合物を30重量%添加した
以外は参考例1と同様にしてフィルムを得た。
%、脂肪族ポリエステル系重合物を30重量%添加した
以外は参考例2と同様にしてフィルムを得た。
ン含有率32モル%、けん化度85モル%、190℃、
荷重2160gにおけるメルトフローレートが3.5g
/10minであるものを使用した以外は参考例1と同
様にしてフィルムを得た。
ン含有率32モル%、けん化度90モル%、190℃、
荷重2160gにおけるメルトフローレートが2.7g
/10minであるものを使用した以外は参考例3と同
様にしてフィルムを得た。
子量12000の脂肪族ポリエステルを得、次いで2,
4−トリレンジイソシアナートで高重合度化した。数平
均分子量は39,000であった。そのほかは参考例3
と同様にしてフィルムを得た。
ン0モル%、けん化度70モル%のPVAを使用した以
外は、参考例3と同様にしてフィルムを得た。
ン0モル%、けん化度70モル%のPVAを使用した以
外は、参考例1と同様にしてフィルムを得た。
プロラクトンを用いてウレタン系接着剤を用いてドライ
ラミネーションにより積層体を作成した。厚み構成は3
00μ/30μ/300μであった。これを真空圧空成
形機で150℃でカップ状に熱成形した。
ターチ40重量%と低密度ポリエチレン60重量%の組
成物を用いてドライラミネーションによって積層体を作
成した。厚み構成は300μ/50μ/300μであ
る。これを真空圧空成形機で150℃でカップ状に熱成
形した。
%、脂肪族ポリエステル系重合物を1重量%添加した以
外は参考例1と同様にしてフィルムを得た。
脂肪族ポリエステル系重合物を99重量%とからなる組
成物を使用した以外は参考例1と同様にしてフィルムを
得た。
(積層体は成形カップの胴部)を引っ張り試験機で20
℃、65%RHの条件で引っ張り、破断したときの伸
度。 A:250%以上、B:100〜250%、C:100
%未満透明性:厚み50μの溶融押出フィルム(積層体
は成形カップの胴部)を目視で評価。 A:透明、B:やや曇りあり、C:不透明生分解性:フ
ィルムまたは積層体の胴部をダンベル状に打ち抜き(J
IS K7127 2号型)土中に埋設し、3カ月後に取
り出した。 AA・・・形状を保持していない。 A・・・・一部形状を保持している。 B・・・・形状を保持しているが一部分解している。 C・・・・不変バリヤー性:20℃、85%RHにおけ
る溶融押出フィルムまたは積層体の胴部の酸素透過率
(MOCON法、単位:cc.20μ/m2.day.
atm)
械的強度、耐水性およびガスバリヤー性を有する組成物
および積層体が得られる。
Claims (6)
- 【請求項1】 けん化度が50モル%以上のポリビニル
アルコール(A)2〜98重量%および数平均分子量が
3000以上であり、かつコハク酸とエチレングリコー
ル、プロピレングリコールおよび1,4−ブタンジオー
ルの群から選択される少なくとも1種のジオールからな
る脂肪族ポリエステルを高重合度化して得られる数平均
分子量が5000以上500000以下の脂肪族ポリエ
ステル系重合体(B)98〜2重量%からなる組成物。 - 【請求項2】 けん化度が50モル%以上のポリビニル
アルコール(A)2〜98重量%および数平均分子量が
3000以上であり、かつコハク酸とエチレングリコー
ル、プロピレングリコールおよび1,4−ブタンジオー
ルの群から選択される少なくとも1種のジオールからな
る脂肪族ポリエステルにジイソシアナートを添加して得
られる数平均分子量が5000以上500000以下の
脂肪族ポリエステル系重合体(B)98〜2重量%から
なる組成物。 - 【請求項3】 請求項1〜2のいずれか一つの項に記載
の組成物からなるフィルムまたはシート。 - 【請求項4】 請求項1〜2のいずれか一つの項に記載
の組成物の層の片面あるいは両面に生分解性を有する層
を有する積層体。 - 【請求項5】 請求項4記載の積層体からなるフィルム
またはシート。 - 【請求項6】 請求項3または5記載のフィルムまたは
シートからなる熱成形容器。
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JP05412593A JP3474218B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 組成物および積層体 |
Publications (2)
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JPH06263954A JPH06263954A (ja) | 1994-09-20 |
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ID=12961879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05412593A Expired - Lifetime JP3474218B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 組成物および積層体 |
Country Status (1)
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JP5215513B2 (ja) * | 2001-04-13 | 2013-06-19 | 三井化学株式会社 | 生分解性樹脂組成物 |
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1993
- 1993-03-15 JP JP05412593A patent/JP3474218B2/ja not_active Expired - Lifetime
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