JP3472389B2 - 殺ダニ剤 - Google Patents
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Description
各種の屋内塵性ダニ類の駆除に極めて有効かつ有利に利
用できる殺ダニ剤に関する。
異常発生により不快感や食品類の品質の劣化等を招くだ
けでなく、アレルギー性喘息、小児喘息、アトピー性皮
膚炎等の原因と言われており、また刺咬、吸血による各
種皮膚炎、さらには疥癬症の原因となっている。従っ
て、これらのダニ類の蔓延は、人類の衛生的、健康的な
生活維持を脅かし、著しく阻害するものであり、早急か
つ確実に殺滅させる必要がある。従来、屋内塵性ダニで
あるケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、ツメダニ、サ
サラダニ、シラミダニ、ホコリダニなどのダニ類に対し
ては、例えば、ダニが発生した畳を直射日光に曝す方法
から、殺虫剤等の薬品を使用する方法など、様々な駆除
方法が試みられている。
ば特開昭63−2909号公報には、レスメトリン、ペ
ルメトリン、フェノトリン等のピレスロイド系殺虫剤を
使用することが、また特開昭60−142906号公報
にはフェノトリン又はペルメトリンを使用することが開
示されている。そのほか、ピレスロイド系以外の殺虫剤
を使用したダニ駆除方法として、ダイアジノン、ジクロ
ルボス、フェニトロチオン、トリクロルホン、マラチオ
ン、フェンチオン等の有機リン系殺虫剤(白坂昭子ら:
衛生動物、第22巻、210〜212頁、1971
年)、カーバメート系殺虫剤のプロポクサー(椎山松
記:美しい環境、第7巻、65〜70頁、1982年)
などの各種殺虫剤が使用されている。
中には無気門類、前気門類、中気門類、隠気門類などの
形態的にも生理的にも異なる各種のダニ類が同時に生息
しており、従来、これらのダニ類の駆除に使用されてい
る上記ピレスロイド系、有機リン系、カーバメート系の
各種殺虫剤は、イエダニ等の中気門類に属するダニ類に
対しては高い殺ダニ効果を有しているものの、その他の
ダニ類に対してはあまり効果がなく、色々な種類の屋内
塵性ダニ類を同時に駆除することは困難であった。ま
た、従来、屋内塵性ダニ類の駆除に使用されてきたピレ
スロイド系、有機リン系、カーバメート系の各種殺虫剤
を屋内に処理した場合、たとえ駆除ができたとしてもハ
エ、ゴキブリなどの害虫の駆除に必要な薬量に比べて比
較にならないほどの多量の薬剤を必要とするために、人
が生活する室内でのこれらの殺虫剤の散布は安全性の面
で好ましくなかった。
内塵性ダニ類に対して従来にない巾広い殺ダニ効力を有
し、さらには低薬量で十分な駆除効果を有する殺ダニ剤
を提供することにある。さらに本発明の目的は、各種の
屋内塵性ダニ類に対して長期間にわたって高い駆除効果
を示す効力持続性の長い殺ダニ剤を提供することにあ
る。
に、本発明によれば、1,3−ジクロロ−5,5−ジメ
チルヒダントインを有効成分として含有することを特徴
とする殺ダニ剤が提供される。また、本発明の別の態様
によれば、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダン
トインと、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、
カーバメート系殺虫剤、害虫忌避剤、有機殺菌剤及び無
機殺菌剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の有害
生物防除剤とを有効成分として含有することを特徴とす
る殺ダニ剤が提供される。さらに別の態様では、上記有
効成分に加えてさらに共力剤を配合してなることを特徴
とする殺ダニ剤が提供される。
する本発明の殺ダニ剤は、種々のダニ類に対して効力を
発揮するが、特に、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダ
ニ、ヤケヒョウヒダニ、クワガタツメダニ、フトツメダ
ニ、ホソツメダニ、ミナミツメダニ、ホコリダニ、ササ
ラダニ等の屋内塵性ダニ類に対し強力に作用し、これら
屋内塵性ダニ類の駆除に極めて有効かつ有利に用いるこ
とができる。
ルヒダントインが殺菌剤等として用い得ることは知られ
ていたが、本発明の対象としているダニ類に対して殺ダ
ニ効力を有するか否かについては、全く知られていなか
った。ところが本発明者の研究によると、1,3−ジク
ロロ−5,5−ジメチルヒダントインは、各種の屋内塵
性ダニ類に対して巾広い殺ダニ効力を有し、且つ、低濃
度で極めて高い殺ダニ効力を有することが見い出され
た。1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン
の殺ダニ効力は、後述する試験例に示すように、各種ダ
ニ類に対して微量で有効であり、しかも長期間にわたっ
て高い駆除効果を示す。このような特性は、従来殺ダニ
用に用いられている殺虫剤の効力に対して著しく特徴的
である。このような1,3−ジクロロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインの殺ダニ剤としての極めて優れた特性
は、従来全く知られていなかったところであり、従来か
ら知られている殺菌剤等としての用途からは全く予期し
得ないことである。
5,5−ジメチルヒダントインを、レスメトリン、ペル
メトリン、フェノトリン等のピレスロイド系殺虫剤、ダ
イアジノン、ジクロルボス、フェニトロチオン等の有機
リン系殺虫剤、プロポクサー等のカーバメート系殺虫剤
や、オクタクロロジプロピルエーテル(略称S−42
1)、イソボルニルチオシアノアセテート(略称IBT
A)、ピペロニルブトキサイド、N−(2−エチルヘキ
シル)−ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタ−5−エン
−2,3−ジカルボキシイミド(略称MGK−264又
はサイネピリン222)、N−(2−エチルヘキシル)
−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ−[2.2.
2]−オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド
(略称サイネピリン500)等の共力剤、N,N−ジエ
チル−m−トルアミド(略称、DEET)、安息香酸ベ
ンジル等の害虫忌避剤、デヒドロ酢酸ナトリウム、塩化
ベンザルコニウム、酸化亜鉛等の有機及び無機系殺菌剤
などの有害生物防除剤と併用することにより、殺ダニ効
力をより一層増強できることも見い出した。これらの薬
剤自体は、殺ダニ効力が弱かったり、あるいは特定のダ
ニ類に対してのみ効力を有するなどの問題があるが、
1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと混
合して用いることにより、各種屋内塵性ダニ類に対して
巾広い殺ダニ効力を示すことはもとより、相加的以上の
極めて高いダニ駆除効果を示すと共に、長期間にわたる
効力持続性を発揮できる。
は、通常、適当な担体及びその他の配合剤を用いて、適
用場所、適用方法等に応じて各種の形態に調製して利用
される。具体的には、固体担体、液体担体、ガス状担
体、餌等と混合するか、あるいはマット、紙、布、皮
革、樹脂等に含浸、塗布、もしくは混練させ、必要があ
れば界面活性剤、分散剤、乳化剤、安定剤その他の製剤
補助剤を添加し、油剤、乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、燻
蒸剤、エアゾール剤、シート剤、フロアブル剤等に製剤
化して使用する。
例えば、ケイ酸、カオリン、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、ベントナイト、珪藻土、アルミナ粉末、活性
炭、陶磁器粉等の鉱物質粉末や、木粉、大豆粉、小麦
粉、澱粉粉等の植物質粉末などが利用できる。また、液
体担体としては、例えば、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ケ
ロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、オレイン酸等の脂肪酸類、酢酸エチル、オレイン酸
メチル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、ク
ロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類
などが挙げられる。ガス状担体としては、例えば、プロ
パン、ブタン等の炭化水素類、ジメチルエーテル等のエ
ーテル類、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガ
ス、窒素ガス、炭酸ガス、圧縮空気などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、石けん類、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪ア
ルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセ
リド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコールの硫
酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のア
ルキルアリルスルホン酸塩などが挙げられる。
中の有効成分1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダ
ントインあるいはさらに有害生物防除剤の配合量は、そ
の剤型や適用方法等に応じて適宜決定すればよく、限定
的でないが、一般に合計量として0.1〜95重量%含
有する。含有量が0.1重量%未満の場合、所望の殺ダ
ニ効果が得られない場合があるので好ましくない。各剤
型別の好ましい含有量は、有効成分1,3−ジクロロ−
5,5−ジメチルヒダントインあるいはさらに有害生物
防除剤の合計量として、油剤では0.5〜20重量%、
乳剤では10〜50重量%、水和剤では30〜80重量
%、粉剤では5〜40重量%、粒剤では10〜50重量
%、燻蒸剤では1〜20重量%、エアゾール剤では0.
1〜20重量%、シート剤では0.05〜10g/m
2 、フロアブル剤では1〜50重量%である。
したもの以外の公知の殺虫剤もしくは害虫忌避剤、効力
増強剤、酸化防止剤、げっ歯類動物駆除及び忌避剤、防
黴剤、着香料、着色料等を配合することができ、それに
よって、各種の屋内塵性ダニ類に対する駆除のみでな
く、畳等に棲息する他の不快害虫の駆除及び忌避を含め
た多目的組成物として使用することができる。配合可能
な他の殺虫剤もしくは害虫忌避剤としては、2,3,
4,5−ビス(△2 −ブチレン)−テトラヒドロフルフ
ラール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、ジ−
n−ブチルサクシネート、2−ヒドロキシエチルオクチ
ルサルファイド、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニ
ソール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、
1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,
2−ジメチル−3−(2´,2´−ジクロルビニル)−
シクロプロパン−1−カルボキシレート、N−ヘキシル
−3,4−ジクロルマレイミド等が挙げられる。
シアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェ
ロール、γ−オリザノール等を、げっ歯動物駆除及び忌
避剤としてはα−ナフチルチオウレア、シクロヘキシミ
ド等を、防菌防黴剤としてはサリチル酸、安息香酸、ソ
ルビン酸、p−クロロ−m−キシレノール、2−(4´
−チアゾイル)ベンズイミダゾール等を、防黴剤として
はα−ブロモシンナミックアルデヒド、N−ジメチル−
N−フェニル−N´−(フルオロジクロロメチル)チオ
スルファミド等を挙げることができる。
ダニ剤は、前記屋内塵性ダニ類が発生する場所あるいは
発生しそうな場所、例えば、畳、カーペットの敷かれた
部屋等に適用することによって、これらの場所での種々
の屋内塵性ダニ類の発生、繁殖等を防止することができ
る。尚、これらの場所への本発明の殺ダニ剤の適用量
は、その剤型や適用方法、適用場所に応じて適宜決定す
ればよく、さらにその適用回数も1回に限らず、複数回
に分けて、また、ダニ駆除後も予防策として定期的に適
用してもよい。
本発明についてより具体的に説明するが、本発明が下記
実施例に限定されるものでないことはもとよりである。
は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと
表1に示す各種薬剤との合剤をそれぞれキシロールと白
灯油の混合液に溶解させ、原体として0.5重量%を含
有する油剤形態の殺ダニ剤をそれぞれ調製した。
DEET、共力剤MGK−264又はS−421をそれ
ぞれキシロールと白灯油に溶解させ、原体として0.5
重量%を含有する油剤形態の殺ダニ剤をそれぞれ調製し
た。
一部をとってアセトンで希釈し、直径9cmの東洋濾紙
5Aに所定の薬量が均一に付着するように塗布した。乾
燥した後、濾紙を二つに折り、供試虫として約50匹の
ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ又はクワガタツメダ
ニを中に入れて三辺をクリップで止め、強制的に接触さ
せ、24時間後の供試虫の死亡率を調査し、50%致死
濃度(LC50)を算出した。その結果を下記表1に示
す。
−5,5−ジメチルヒダントインは、従来公知の殺ダニ
剤等に比べて、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ、ク
ワガタツメダニに対して高い殺ダニ効力を有しており、
この特性は上記各種薬剤には見られない効果である。ま
た上記結果から明らかなように、1,3−ジクロロ−
5,5−ジメチルヒダントインはごく微量で充分な殺ダ
ニ効果を示し、実用上は原体濃度として1g/m2 程度
含有せしめればよい。また、1,3−ジクロロ−5,5
−ジメチルヒダントインとS−421の合剤、1,3−
ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインとペルメトリ
ンの合剤、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒ
ダントインとフェニトロチオンとの合剤さらにまたS−
421との合剤は、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインを単独で用いた場合に比べて極めて高い
ダニ駆除効果を示した。
は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと
表2に示す各種薬剤との合剤をタルクと均一に混合し、
原体としてそれぞれ0.5重量%を含有する粉剤形態の
殺ダニ剤をそれぞれ調製した。
又はS−421を用い、これをタルクと均一に混合し、
原体としてそれぞれ0.5重量%を含有する粉剤形態の
殺ダニ剤をそれぞれ調製した。
い、培地混入試験法にて増殖抑制効力試験を行った。上
記実施例6〜8及び比較例4〜7で調製した各粉剤の一
部をとり、粉末飼料と混合し、所定濃度の薬剤処理原粉
を作製した。この薬剤処理原粉に一定数のダニをダニ培
地ごと投入し、至適条件下(ケナガコナダニでは湿度8
5%、コナヒョウヒダニでは湿度75%、温度はいずれ
も27℃)に保存した。所定日数(ケナガコナダニでは
4週間、コナヒョウヒダニでは6週間)経過後、培地中
の生ダニ数を調査し、下記化1の式より増殖抑制率を算
出した。
抑制濃度(IC90)を算出した。その結果を下記表2に
示す。
−5,5−ジメチルヒダントインは、従来公知の各種殺
ダニ剤等に比べて、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニ
に対して高い増殖抑制効果を有しており、この特性は上
記各種薬剤には見られない効果である。また、1,3−
ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインとプロポクサ
ー、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダント
インとIBTAの合剤は、1,3−ジクロロ−5,5−
ジメチルヒダントインを単独で用いた場合に比べて極め
て高いダニ駆除効果を示した。
は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと
表3に示す各種薬剤との合剤をそれぞれケロシンに溶解
させ、噴射ガスと共にエアゾール缶に充填し、原体とし
て1.0重量%を含有するエアゾール形態の殺ダニ剤を
それぞれ調製した。
4、又はS−421をそれぞれケロシンに溶解させ、噴
射ガスと共にエアゾール缶に充填し、原体として1.0
重量%を含有するエアゾール形態の殺ダニ剤をそれぞれ
調製した。
±2℃にて、飽和塩化カリウム水溶液で湿度を調整した
容器内(湿度84%R.H.)に置き、ケナガコナダニ
を培地ごと2.0g(約20,000匹)植え付け、再
び上記の条件下に保存した。約2週間後、ミニ畳上に1
0cm×10cmの黒紙2枚を重ならないように10分
間置き、黒紙の表裏を活動するダニ数を調査し、これを
処理前の生ダニ数とした。このミニ畳を一辺1m(容積
1m3 )のガラスチャンバーの底面に置き、約30cm
の高さから上記実施例9〜11及び比較例8〜11の各
エアゾール剤をそれぞれ10秒間噴霧塗布した。5分後
に畳を取り出し、これらを再び前述の条件下に保存し
た。処理後の生ダニ数の調査は、所定日数経過後、処理
前と同様に行った。試験は3回繰り返して行い、下記化
2の式(1)により各試験毎の増殖比を算出し、その平
均値から式(2)により減少指数を求めた。結果を下記
表3に示す。
−5,5−ジメチルヒダントインの1.0%エアゾール
剤は比較的長期間にわたって高い殺ダニ効力を示した。
また、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイ
ンとMGK−264、及び1,3−ジクロロ−5,5−
ジメチルヒダントインと安息香酸ベンジルの合剤も、共
により高い殺ダニ効果を示し、特に長期間にわたって高
い効力持続性を発揮した。このような特性は従来公知の
殺虫剤や殺ダニ剤、共力剤には見られない効果である。
26±2℃にて、飽和塩化ナトリウム溶液で湿度を調整
した容器内(湿度75%R.H.)に置き、コナヒョウ
ヒダニを培地ごと2.0g(約1,000匹)植え付
け、再び上記の条件下に保存した。約2週間後、純毛製
カーペット上に10cm×10cmの黒紙2枚を重なら
ないように30分間置き、黒紙の表裏を活動するダニ数
を調査し、これを処理前の生ダニ数とした。このカーペ
ットを一辺1m(容積1m3 )のガラスチャンバーの底
面に置き、約30cmの高さから上記実施例9〜11及
び比較例8〜11で調製した各エアゾール剤をそれぞれ
5秒間噴霧塗布した。5分後にカーペットを取り出し、
これらを再び前述の条件下に保存した。処理後の生ダニ
数の調査は、所定日数経過後、処理前と同様に行った。
試験は3回繰り返して行い、前述の式(1)により各試
験毎の増殖比を算出し、その平均値から式(2)により
減少指数を求めた。結果を下記表4に示す。
−5,5−ジメチルヒダントインの1.0%エアゾール
剤は比較的長期間にわたって高い殺ダニ効力を示した。
また、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイ
ンとMGK−264、及び1,3−ジクロロ−5,5−
ジメチルヒダントインと安息香酸ベンジルの合剤も、共
により高い殺ダニ効果を示し、特に長期間にわたって高
い効力持続性を発揮した。このような特性は従来公知の
殺虫剤や殺ダニ剤、共力剤には見られない効果である。
は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと
表5に示す各種薬剤との合剤をそれぞれトルエンに溶解
させ、これを合計1.0g/m2 の割合になるようにク
ラフト紙に均一に塗布、乾燥し、シート形態の殺ダニ剤
をそれぞれ調製した。
4、又はS−421をそれぞれトルエンに溶解させ、こ
れを1.0g/m2 の割合になるようにクラフト紙に均
一に塗布、乾燥し、シート形態の殺ダニ剤をそれぞれ調
製した。
±2℃にて、飽和塩化カリウム水溶液で湿度を調整した
容器内(湿度84%R.H.)に置き、ケナガコナダニ
を培地ごと2.0g(約20,000匹)植え付け、再
び上記の条件下に保存した。約2週間後、ミニ畳上に1
0cm×10cmの黒紙2枚を重ならないように10分
間置き、黒紙の表裏を活動するダニ数を調査し、これを
処理前の生ダニ数とした。次に、上記実施例12〜14
及び比較例12〜15で調製した各シート剤をそれぞれ
20cm×20cmに切り、このシート剤で畳の表面も
しくは表面と裏面を覆い、これらを再び前述の条件下に
保存した。処理後の生ダニ数の調査は、所定日数経過
後、処理前と同様に行った。試験は3回繰り返して行
い、前述の式(1)により各試験毎の増殖比を算出し、
その平均値から式(2)により減少指数を求めた。結果
を下記表5に示す。
−5,5−ジメチルヒダントインのシート剤は比較的長
期間にわたって高い殺ダニ効力を示した。また、1,3
−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと塩化ベン
ザルコニウム、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチ
ルヒダントインと酸化亜鉛の合剤も、共により高い殺ダ
ニ効果を示し、特に長期間にわたって高い効力持続性を
発揮した。
は1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインと
表6に示す各種薬剤との合剤をそれぞれエタノールに溶
解させ、噴射ガスと共にエアゾール缶に充填し、原体と
して1.0重量%を含有するエアゾール型燻蒸剤の殺ダ
ニ剤をそれぞれ調製した。
4、又はS−421をそれぞれエタノールに溶解させ、
噴射ガスと共にエアゾール缶に充填し、原体として1.
0重量%を含有するエアゾール型燻蒸剤の殺ダニ剤をそ
れぞれ調製した。
±2℃にて、飽和塩化カリウム水溶液で湿度を調整した
容器内(湿度84%R.H.)に置き、ケナガコナダニ
を培地ごと2.0g(約20,000匹)植え付け、再
び上記の条件下に保存した。約2週間後、ミニ畳上に1
0cm×10cmの黒紙2枚を重ならないように10分
間置き、黒紙の表裏を活動するダニ数を調査し、これを
処理前の生ダニ数とした。このミニ畳を6畳の部屋の四
隅に置き、上記実施例15〜17及び比較例16〜19
で調製した各燻蒸剤100mlをそれぞれ部屋の中央で
燻煙した。2時間後に畳を部屋から取り出し、これらを
再び前述の条件下に保存した。処理後の生ダニ数の調査
は、所定日数経過後、処理前と同様に行った。試験は3
回繰り返して行い、前述の式(1)により各試験毎の増
殖比を算出し、その平均値から式(2)により減少指数
を求めた。結果を下記表6に示す。
−5,5−ジメチルヒダントインでの燻蒸剤は高い殺ダ
ニ効果を示した。また、1,3−ジクロロ−5,5−ジ
メチルヒダントインとペルメトリンとMGK−264の
合剤、及び1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダン
トインとフェニトロチオンとIBTAの合剤も、共によ
り高い殺ダニ効果を示し、特に長期間にわたって高い効
力持続性を発揮した。
1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインを有
効成分として含有しているため、種々の屋内塵性ダニ類
に対し巾広い殺ダニ効力を有し、しかも低薬量で極めて
優れたダニ駆除効果を示す。また、ピレスロイド系殺虫
剤、有機リン系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、害虫忌
避剤、有機殺菌剤、無機殺菌剤等の有害生物防除剤と併
用することにより、巾広い殺ダニ効力を示すことはもと
より、相加的以上の極めて高いダニ駆除効果を示すと共
に、長期間にわたる効力持続性を発揮でき、さらに優れ
た殺ダニ剤が提供される。このような本発明に係る殺ダ
ニ剤を使用することにより、従来の殺ダニ剤ではその駆
除効果が充分に網羅されていなかった屋内塵性ダニ類も
駆除でき、しかもその使用量は従来の殺ダニ剤よりも少
量で済み、また長期間にわたって効力持続性を発揮でき
るので、ダニ駆除作業が軽減されるばかりでなく、殺ダ
ニ剤の散布による人体への影響もほとんど問題が無く、
衛生的且つ健康的な生活に寄与することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒ
ダントインを有効成分として含有することを特徴とする
殺ダニ剤。 - 【請求項2】 1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒ
ダントインと、ピレスロイド系殺虫剤、有機リン系殺虫
剤、カーバメート系殺虫剤、害虫忌避剤、有機殺菌剤及
び無機殺菌剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の
有害生物防除剤とを有効成分として含有することを特徴
とする殺ダニ剤。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の殺ダニ剤にさら
に共力剤を配合してなることを特徴とする殺ダニ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16451295A JP3472389B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 殺ダニ剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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