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JP3468739B2 - 高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法 - Google Patents

高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法

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JP3468739B2
JP3468739B2 JP2000196526A JP2000196526A JP3468739B2 JP 3468739 B2 JP3468739 B2 JP 3468739B2 JP 2000196526 A JP2000196526 A JP 2000196526A JP 2000196526 A JP2000196526 A JP 2000196526A JP 3468739 B2 JP3468739 B2 JP 3468739B2
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carbon
contact resistance
fuel cell
separator
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池を形成す
る単位セルのセパレーターに、高耐食性で対カーボン低
接触抵抗性の金属を付着させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 燃料電池としては、固体高分子型燃料
電池、燐酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、アルカ
リ型燃料電池等がある。これらの燃料電池は電解質が異
なっているが、水素と酸素の電気化学反応によって起電
力を得ている。燃料電池は積層された単位電池(セル)
によって形成され、隣接した各セル間には各セルを電気
的に接続させ、また、各セルへ供給される反応ガスの分
離作用を行なうセパレーターが設置されている。
【0003】このセパレーターとしては、カーボン材が
主として使用されているが、カーボンは、要求されるセ
パレーター形状にするために、母材からの削り出しや圧
粉成形などを行っており、従って、生産性が低くまた製
造コストが高かった。また、金属製のセパレーターとし
てチタン製のものも一部使用されているが、チタンは素
材そのものが高価であり、低コスト化に限界がある。そ
こで、生産性が高くて安価であり、しかも、板厚を薄く
することで軽量化が可能な材料であるステンレスやアル
ミニウムなどの金属を母材としたセパレーターが特開平
10−228914号公報などにより提案されている
が、このような金属を母材とする場合には、電極カーボ
ン又は集電体となるカーボンペーパとの接触抵抗を低下
させ且つ耐食性をもたせるために、貴金属のメッキを施
す必要がある。このメッキは通常のメッキとは異なり不
動態膜を除去後即時にメッキしなければならないため、
湿式の場合、脱脂工程、洗浄工程、表面活性化工程、洗
浄工程、メッキ工程、洗浄工程、乾燥工程の多くの工程
を経なければならず、また、PVD法やCVD法は装置
自体が大型になるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 本発明が解決しよう
とするところは前記したような問題を解決して、生産性
が高くて安価であり、しかも、板厚を薄くすることで軽
量化が可能な材料であるステンレスやアルミニウムを
材として使用しながら、その表面に高耐食性で対カーボ
ン低接触抵抗性の金属を簡単な設備で簡便に付着するこ
とにより、安価な燃料電池用のセパレーターを提供でき
るようにした高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属
の燃料電池用セパレーターへの付着方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記のような課題を解決
した本発明は、燃料電池を形成するステンレスまたはア
ルミニウムよりなる単位セルのセパレーターに、硬度が
このセパレーターより高い400/2000Hvで、粒
子径30〜300μm、真比重2〜15の核粒子に高耐
食性かつ対カーボン低接触抵抗性の金属をコーティング
した固体プレーティング材を20〜100m/秒の投射
速度で投射して、セパレーター材料の表面の不動態膜を
破壊して出現した母材の真表面に表面荒れを生じさせと
同時に、投射された固体プレーティング材にコーティン
グされている金属に塑性変形を起こさせてこれをセパレ
ーターの母材真表面に強制的に付着させ、接触面圧1k
g・f/cm2以上における対カーボン接触抵抗値が2
0mΩ・cm2以下のコーティング皮膜を形成すること
を特徴とする高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属
の燃料電池用セパレーターへの付着方法を基本とするも
のである。
【0006】そして、前記した発明におけるセパレータ
ーへの固体プレーティング材の投射を、乾燥空気流によ
って行なう方法を請求項に係る発明とし、同じく回転
する羽根車によって行なう方法を請求項に係る発明と
し、同じく水流によって行なう方法を請求項に係る発
明とし、同じく不活性ガス流によって行なう方法を請求
に係る発明とする。
【0007】また、前記した各発明において用いる固体
プレーティング材の核粒子として超硬合金を用いる方
を請求項に係る発明とする。
【0008】さらに、前記した各発明において、固体プ
レーティング材の核粒子にコーティングする高耐食性か
つ対カーボン低接触抵抗性の金属を、単一またはその合
金とした方法を請求項に係る発明とし、同じく前記金
属を、金、銀、銅、Niのうちの少なくとも1つとした
方法を請求項に係る発明とする。
【0009】このような本発明方法によれば、硬度がセ
パレーターより高い400/2000Hvで、粒子径3
0〜300μm、真比重2〜15の固体プレーティング
材がステンレスまたはアルミニウムよりなる単位セルの
セパレーター材料に衝突すると、先ずセパレーター材料
の表面の不動態膜が破壊されて母材の真表面が出現する
と同時に適切な表面荒れ(アンカーパターン効果)が起
こり、このアンカー部によって固体プレーティング材の
コーティング材には機械的に塑性変形が起こって(引っ
かき効果)コーティング材がセパレーターの母材真表面
に強制的に付着され、さらに、粒子核による投射圧で付
着コーティング材は圧延されてセパレーター材料の表面
には接触面圧1kg・f/cm2以上における対カーボ
ン接触抵抗値が20mΩ・cm2以下の均一なコーティ
ング層が形成される。 なお、前記したような固体プレーティング材を用いず
に、粒子全体が金や銀のような軟質材よりなる固体プレ
ーティング材を投射すると、セパレーター材料へ衝突し
てもセパレーター材料表面の不動態膜を充分に破壊でき
ないうえにアンカパターン効果も得られず、また、金、
銀などの貴金属は高価なため、本発明の目的である不動
態膜の破壊と低接触抵抗層の形成を同時に簡便にするこ
とができない。
【0010】また、本発明において、固体プレーティン
グ材の衝突速度は、核粒子の材質により20〜100m
/秒の範囲で選択することが必要である。その理由は、
セパレーターの材質によって不動態膜の厚み、強度、母
材の厚み、核粒子の硬度、真比重によって最適な組み合
わせがあるためであり、例えば、核粒子が超硬合金の場
合、高硬度で高比重であるため低速度でも十分用をなし
うるが、ランニングコストおよびセパレーターの変形な
どを考慮すると20〜40m/秒程度が好ましく、これ
に対して核粒子がガラスビーズのように中硬度、低比重
の場合には、100m/秒までの範囲でこれより高速度
としないと効率的な処理を行なうことができないからで
ある。
【0011】さらに、本発明において、固体プレーティ
ング材の加速媒体は、固体プレーティング材の流量、衝
突速度を制御できれば乾燥空気流、羽根車、水流、不活
性ガス流のいずれでもよいが、固体プレーティング材の
流量、衝突速度の制御上と、経済性、作業性を考える
と、最も適しているのは乾燥空気流である。
【0012】 なお、本発明のように特定された条件で固体プレーティ
ング材を加速してセパレーター表面に衝突させると、ク
リーニング効果もあるので、多少汚染されたセパレータ
ー表面であっても前処理工程を省略して実施可能であ
る。
【0013】
〔既知試料〕
まず、試料として同一面積の2枚の金板間にこれら金板
と同一面積であるカーボンペーパーを挟持させ、両金板
間に種々の荷重を負荷して面圧を変化させ、両金板間に
一定電流を通電してその時の電圧を測定した。そして、
各試料の面積から電流密度を算出し、前記試料の測定結
果から各面圧での面抵抗率を算出して、金とカーボンペ
ーパーとの接触抵抗値を得た。 次に、試料として前記した金板と同一の面積で、表面を
鏡面研摩したステンレス板(JIS SUS316)
と、前記した金板と同じ金板との間にこれら試料と同一
面積であるカーボンペーパーを挟持させ、このステンレ
ス板と金板間に一定電流を通電してその時の電圧を測定
し、その結果から前記同様にしてステンレス板とカーボ
ンペーパーとの接触抵抗値を算出した。
【0014】〔実施例1〕 100μmの超硬合金粒子を核粒子とし、コーティング
材としての金を用い、この金を前記核粒子の表面に直接
メッキして本発明に用いる固体プレーティング材を得
た。一方、セパレーターとなる母材として、直径30m
m、厚さ4mmのステンレス板(JIS SUS31
6)よりなる円板を鏡面研摩した接触抵抗測定用の試験
片を用い、その表面に向けて前記固体プレーティング材
を、0.4MPaの空気圧力にて加速し毎分35mの速
度で、入射角度60度の条件で投射し、前記した試験片
の表面に衝突させたところ、接触抵抗測定用の試験片の
表面に均一な金のコーティング皮膜が形成された試片を
得た。 この試片とカーボンペーパーとの接触抵抗値を接触面圧
1kg・f/cmにて測定して前記した既知試料を作
成した場合と同様の方法で算出したところ、20mΩ・
cm以下となり、接触面圧1kg・f/cmでの既
知試料である未処理のステンレス板とカーボンペーパー
との接触抵抗値の約1/100となった。
【0015】〔実施例2〕 実施例1と同じ固体プレーティング材およびセパレータ
ーとなる母材としての接触抵抗測定用の試験片を用い、
この試験片の表面に向けて前記固体プレーティング材
を、0.4MPaの空気圧力にて加速し毎分35mの速
度で、入射角度45度にて衝突させたところ、接触抵抗
測定用の試験片の表面に均一な金のコーティング皮膜が
形成された試片を得た。 この試片とカーボンペーパーとの接触抵抗値を接触面圧
1kg・f/cmにて測定し、前記した既知試料を作
成した場合と同様の方法で算出したところ20mΩ・c
以下となり、接触面圧1kg・f/cmにおいて
既知試料とした未処理のステンレス板とカーボンとの接
触抵抗値の約1/100になった。
【0016】既知試料として前記した金とカーボンの各
面圧での接触抵抗値および未処理のスレンレスとカーボ
ンの各面圧での接触抵抗値と、本発明方法により処理さ
れた前記実施例1および実施例2における各面圧での接
触抵抗値とをいずれも図1、図2に示す。 実験によれば、本発明方法により処理したものの接触抵
抗値は、本試験の最大面圧10kg・f/cmにおい
て3〜5mΩ・cmであった。これは、同接触面圧の
既知試料として挙げた未処理ステンレスとカーボンとの
接触抵抗値が300〜500mΩ・cmであるのに対
して約1/100であって、同じく同接触面圧の既知試
料として挙げた金とカーボンとの接触抵抗値3〜4mΩ
・cmと略同等であった。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなよう
に、燃料電池を形成する単位セルのセパレーターとし
て、生産性が高いうえに安価なステンレスやアルミニウ
ムよりなる母材に金などの高耐食性かつ対カーボン低接
触抵抗性の金属被膜を形成する場合に、工程が複雑なう
えに装置が大掛かりで、しかも、廃液、廃水処理に手間
のかかる湿式メッキを行なうことなく、生産性が高くて
簡便な方法で行なうことができる利点を有している。 よって、本発明はステンレスやアルミニウムの表面に高
耐食性で対カーボン低接触抵抗性の金属を簡単な設備で
簡便に付着し、これにより安価な燃料電池用のセパレー
ターを提供できるようにした耐食性かつ対カーボン低接
触抵抗性金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法と
して業界の発展に寄与するところ極めて大きいものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1と比較試料との実験結果にお
ける面圧と接触抵抗値との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例2と比較試料との実験結果にお
ける面圧と接触抵抗値との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−228914(JP,A) 特開 平2−198832(JP,A) 特開 昭62−86176(JP,A) 特開 平2−198836(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料電池を形成するステンレスまたはアル
    ミニウムよりなる単位セルのセパレーターに、硬度が
    のセパレーターより高い400/2000Hvで、粒子
    径30〜300μm、真比重2〜15の核粒子に高耐食
    性かつ対カーボン低接触抵抗性の金属をコーティングし
    た固体プレーティング材を20〜100m/秒の投射速
    度で投射して、セパレーター材料の表面の不動態膜を破
    壊して出現した母材の真表面に表面荒れを生じさせと同
    時に、投射された固体プレーティング材にコーティング
    されている金属に塑性変形を起こさせてこれをセパレー
    ターの母材真表面に強制的に付着させ、接触面圧1kg
    ・f/cm2以上における対カーボン接触抵抗値が20
    mΩ・cm2以下のコーティング皮膜を形成することを
    特徴とする高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の
    燃料電池用セパレーターへの付着方法。
  2. 【請求項2】 セパレーターへの固体プレーティング材
    の投射を、乾燥空気流によって行なうことを特徴とする
    請求項1に記載の高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性
    金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法。
  3. 【請求項3】 セパレーターへの固体プレーティング材
    の投射を、回転する羽根車によって行なうことを特徴と
    する請求項1また2に記載の燃料電池用セパレーターの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 セパレーターへの固体プレーティング材
    の投射を、水流によって行なうことを特徴とする請求項
    に記載の燃料電池用セパレーターの製造方法。
  5. 【請求項5】 セパレーターへの固体プレーティング材
    の投射を、不活性ガス流によって行なうことを特徴とす
    る請求項に記載の燃料電池用セパレーターの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 固体プレーティング材の核粒子が、超硬
    合金であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の燃料
    電池用セパレーターへの付着方法。
  7. 【請求項7】 固体プレーティング材の核粒子にコーテ
    ィングする高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性の金属
    が、単一またはその合金であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の高耐食性かつ対カーボン低接
    触抵抗性金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法。
  8. 【請求項8】 固体プレーティング材の核粒子にコーテ
    ィングする高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性の金属
    が、金、銀、銅、Niのうちの少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高耐食
    性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の燃料電池用セパレ
    ーターへの付着方法。
JP2000196526A 1999-12-27 2000-06-29 高耐食性かつ対カーボン低接触抵抗性金属の燃料電池用セパレーターへの付着方法 Expired - Lifetime JP3468739B2 (ja)

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