JP3452023B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの駆動方法Info
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Description
フラットディスプレイとして、パーソナルコンピュー
タ、ワークステーションの表示出力用、および壁掛けテ
レビ等に用いられるプラズマディスプレイパネル(PD
P)に関する。
放電ガスに露出しているDC型と、電極が誘電体に覆わ
れているため、放電ガスへは直接露出していないAC型
がある。さらにAC型には、上記誘電体の電荷蓄積作用
によるメモリ機能を利用するメモリ動作型と、これを利
用しないリフレッシュ動作型がある。
Pの断面図を示す。この図に示すように、PDPはガラ
スより成る前面基板10と、同じくガラスより成る背面
基板11とに挟まれた空間内に以下の構造を形成してい
る。前面基板10上には、所定の間隔を隔て、紙面奥方
向に延伸した、複数の走査電極Siと複数の共通電極C
iが形成される。走査電極Si及び共通電極Ciは誘電
体層15aに覆われ、さらに誘電体層15a上には、誘
電体層15aを放電から保護するMgO等より成る保護
層16が形成される。
通電極Ciと直交するように、紙面左右方向に延伸し
た、複数のデータ電極Djが形成される。データ電極D
jは誘電体層15bに覆われ、誘電体層15b上には、
放電により発生する紫外線を可視光に変換するために蛍
光体18が塗布される。この蛍光体18を画素毎に、例
えば光の三原色である赤緑青(RGB)に塗り分けれ
ば、カラー表示のPDPが得られる。
板11上の誘電体層15bの間には、放電空間20を確
保すると共に画素を区切るための隔壁(図示は省略し
た)が形成される。また放電空間20内にはHe、Ne、A
r、Kr、Xe、N2、O2、CO2等を混合したガスが放電ガスと
して封入される。
に、光の三原色である赤緑青(RGB)に塗り分けたカ
ラー表示のPDPにおける電極構造の平面図を図8に示
す。図8において、カラーPDPの電極構造はm本の走
査電極Si(i=1,2,・・・,m)が、行方向に形
成され、n本のデータ電極Dj(j=1,2,・・・,
n)が列方向に形成され、その交点に1画素が形成され
ている。共通電極Ciは走査電極Siと対であり、行方
向に形成され、両者は平行している。
の従来の駆動方法の一例を図9を参照して説明する。図
9はカラーPDPの各電極に印加する駆動電圧波形を示
したタイミングチャートである。この図において、まず
全ての走査電極S1〜Smに消去パルス21を印加し、
図に示す時間以前に維持放電により発光していた画素の
放電状態を停止させ、全画素を消去状態にする。このパ
ルスによる放電動作を維持放電消去と呼ぶ。ここで消去
とは、後に説明する壁電荷を減少、もしくは消滅させる
動作を意味する。
の予備放電パルス22aを印加すると同時に、走査電極
S1〜Smに正極性の第2の予備放電パルス22bを印
加する。これにより、共通電極C1〜Cmと走査電極S
1〜Smの間に放電開始電圧を超える電位差を与え、全
ての画素を強制的に放電させる。その後、走査電極S1
〜Smに予備放電消去パルス23を印加し、全画素の放
電を消去させる。この予備放電パルスによる放電動作を
予備放電と呼び、予備放電消去パルスによる放電動作を
予備放電消去と呼ぶ。そして、予備放電及び予備放電消
去により後の書き込み放電が容易になる。
S1〜Smにそれぞれタイミングをずらして走査パルス
24を印加し、走査パルス24を印加したタイミングに
合わせて、データ電極D1〜Dnに表示情報に応じてデ
ータパルス27を印加する。データパルス27の斜線
は、該当画素に対する表示情報の有無に従い、データパ
ルス27の有無が決定されていることを示す。走査パル
ス24印加時に、データパルス27が印加された画素で
は、走査電極S1〜Smとデータ電極D1〜Dnの間の
放電空間で放電が発生する。これに対し、走査パルス2
4印加時に、データパルス27が印加されていない場合
には放電は生じない。ここで、この放電の有無で表示情
報を各画素に書き込むため、これを書き込み放電と呼
ぶ。
S1〜Sm上の誘電体層に壁電荷と呼ばれる正電荷が蓄
積する。このときデータ電極D1〜Dn上の誘電体層に
は負の壁電荷が蓄積される。走査電極S1〜Sm上の誘
電体体層15aに形成された正の壁電荷による正電位
と、負極性であって、共通電極C1〜Cmに印加する第
1番目の維持パルス25の重畳により第1回目の放電が
発生する。第1回目の放電が生ずると共通電極C1〜C
m上の誘電体層15aに正の壁電荷が、また走査電極S
1〜Sm上の誘電体層15aに負の壁電荷が蓄積され
る。壁電荷による電位差に、走査電極S1〜Smに印加
する2番目の維持パルス26が重畳され第2回目の放電
が生ずる。このようにn回目の放電により形成される壁
電荷による電位差と、n+1回目の維持パルスが重畳さ
れて放電が維持される。このためこの放電動作を維持放
電と呼ぶ。維持放電の持続回数により輝度が制御され
る。
圧を、これらのパルスを印加しただけでは放電が発生し
ない程度に予め調整しておくと、書き込み放電が発生し
なかった画素には、1番目の維持パルス25印加前に壁
電荷による電位が無いため、第1番目の維持パルス25
を印加しても第1回目の維持放電は発生せず、従ってそ
れ以降の維持放電も発生しない。
他の駆動方法について図10を参照して説明する。図1
0は図8のカラーPDPの各電極に印加する駆動電圧波
形を示したタイミングチャートであり、図9の波形と
は、走査パルス24、データパルス27が印加されてい
る期間に、共通電極13に正極性の副走査パルス28を
印加している点で異なる。予備放電及び維持放電の動作
は図9と同一であるため説明を省略し、以下、書き込み
放電に関して説明を行う。
−289811号公報には、走査パルス24とデータパ
ルス27の重畳により、走査電極S1〜Siとデータ電
極D1〜Dnの間で対向放電が発生した直後に、走査パ
ルス24の作る電位差によって走査電極S1〜Siと共
通電極C1〜Ciの間で面放電が発生することで、書き
込み放電から維持放電への移行が確実になる旨が開示さ
れている。
は、走査パルス24とは逆極性のバイアス電位である副
走査パルス28を共通電極C1〜Ciに印加すること
で、走査パルス24が印加されたときの、走査電極S1
〜Siと共通電極C1〜Ciの間の電位差を大きくし、
対向放電発生後に走査電極S1〜Siと共通電極C1〜
Ciの間での面放電を発生し易くする技術を提案してい
る。
ス27の重畳により、走査電極S1〜Siとデータ電極
D1〜Diの間で対向放電が発生した直後に、走査パル
ス24と副走査パルス28の重畳により、走査電極S1
〜Siと共通電極C1〜Ciの間で面放電が発生する。
最終的には、走査電極S1〜Si上の誘電体層15aに
正の壁電荷が、データ電極D1〜Di上の誘電体層15
bに負の壁電荷が、共通電極13上の誘電体層15aに
負の壁電荷が蓄積される。
15aに形成された正の壁電荷による正電位及び共通電
極C1〜Ci上の誘電体層15aに形成された負の壁電
荷による負電位に、共通電極C1〜Ciに印加される負
極性の第1番目の維持パルス25が重畳されることによ
り第1回目の放電が発生し、以下、図7の説明と同様に
維持放電が持続する。
において、消去パルス21、予備放電パルス22a,2
2b、予備放電消去パルス23を印加する期間を予備放
電期間、走査パルス24、データパルス27、副走査パ
ルス28を印加する期間を走査期間、維持パルス25,
26を印加する期間を維持期間と呼称することとする。
また、予備放電期間、走査期間、維持期間をあわせて、
サブフィールドと定義する。
は、走査パルスとデータパルスを重畳し、走査電極とデ
ータ電極の間に対向放電開始電圧よりも大きな電位差を
与え、対向放電を発生させる。対向放電が発生すると、
放電空間に多量の荷電粒子が生成され、走査電極と共通
電極の間の面放電開始電圧が低下するために、走査パル
スと副走査パルスの重畳した電位差が面放電開始電圧を
上回るようになり、対向放電に引き続いて、走査電極と
共通電極の間に面放電が発生する。なお、データパルス
が印加されない場合には対向放電が発生しないため、面
放電開始電圧が低下せず、この結果、面放電は発生しな
い。
して具体的に説明する。図2は、走査電極−データ電極
間の電位差(S−D間電位差)と、走査電極−共通電極
間の面放電開始電圧(S−C間放電開始電圧)との関係
を示す特性図である。この図に示すように、従来の書き
込み放電では、データパルスの選択的印加時には、走査
電極−データ電極間の電位差を対向放電開始電圧以上に
なるように設定する必要があった。例えば走査パルス電
圧170V、データパルス電圧60V、副走査パルス電
圧20Vとし、データパルス選択的印加時には、S−D
間電位差を170V+60V=230Vとすることで、
対向放電開始電圧である180Vを超過させ、対向放電
を発生させる。これにより、面放電開始電圧を低下さ
せ、面放電を発生させる(図2のC領域参照)。そし
て、対向放電及び面放電が発生した画素では、維持放電
が発生し、該画素は発光状態(「表示」)となる。
はS−D間電位差が対向放電開始電圧よりも低いので、
対向放電は発生しない。この場合、対向放電の発生によ
る面放電開始電圧の低下がないため、面放電も発生しな
い。また、このような場合には、S−C間放電開始電圧
は一定であると認識される。実際、対向放電開始電圧を
下回りかつそれに近い範囲では、S−C間放電開始電圧
は一定である(図2のB領域参照)。
のPDPの駆動方法では、走査電極に印加する走査パル
スとデータ電極に印加するデータパルスの重畳により、
S−D間電位差を対向放電開始電圧以上とし、対向放電
を発生させ表示画素を決定している。このため、走査パ
ルスとデータパルスの重畳により、対向放電を発生させ
るだけの大きな電位差が必要となる。しかし走査パル
ス、データパルスは、それぞれIC化された走査ドライ
バ、データドライバから出力されるため、それらICの
耐電圧を大きくしなければ対向放電を発生させるだけの
電位差となるような波高値の大きい走査パルス及びデー
タパルスを出力することができない。この結果、高耐圧
であるがコストの高い走査ドライバIC、データドライ
バICを利用しなければならないという欠点があった。
が大きいため、それらパルスを容量性負荷であるPDP
に印加する際に、容量への充放電において多大な電力を
損失してしまう。ここで、容量Cに波高値Vを充放電す
る際の充放電損失は、(容量C)×(波高値V)2で得
られる。このように、波高値は2乗で損失に寄与するた
め、波高値が大きいことで充放電の損失が非常に大きく
なってしまうという問題があった。
もので、走査パルス電圧を低減し、低い耐電圧でコスト
の低い走査ドライバが利用可能なプラズマディスプレイ
パネルの駆動方法を提供することを目的とする。
に、本発明は、少なくとも一方が透明な2枚のガラス基
板を、所定の空隙を隔てて対向配置し、一方の基板に複
数の走査電極と、前記走査電極と対になって平行な複数
の共通電極と、他方の基板に前記走査電極に直交するよ
うに複数のデータ電極を形成し、前記空隙内に放電ガス
を封入し、前記走査電極に時分割に走査パルスを印加
し、前記走査パルスに同期させて前記データ電極にデー
タパルスを選択的に印加することで表示画素選択を行
い、前記表示画素選択の後に表示画素でのみ維持放電を
行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、
前記走査パルスが印加されるときに、前記共通電極に前
記走査パルスと逆極性の副走査パルスを印加し、前記デ
ータパルスの選択的印加によって、前記走査電極と前記
データ電極の間の電位差を、放電開始電圧を超えない範
囲内で選択的に変化させ、前記走査電極と前記共通電極
の間に選択的に面放電を発生させることで表示画素選択
を行うことを特徴とする。
が負極性、かつ前記副走査パルスが正極性であることが
好ましい。また、上記発明において、前記副走査パルス
を、前記表示画素選択を行う期間のほぼ全域において、
常に印加することを特徴とする。
スの波高値が、前記走査パルスの波高値よりも大きいこ
とを特徴とする。このように、本発明によれば、前記走
査パルスが負極性、かつ前記副走査パルスが正極性であ
り、前記副走査パルスを、前記表示画素選択を行う期間
のほぼ全域において、常に印加し、前記副走査パルスの
波高値が、前記走査パルスの波高値よりも大きいことが
好ましい。
示情報に従って走査パルスとデータパルスの重畳により
選択的に対向電位を変化させ、走査パルスと副走査パル
スの重畳により選択的に面放電を発生させる。これに対
して、従来の書き込み放電は、表示情報に従って走査パ
ルスとデータパルスの重畳により選択的に対向放電を発
生させ、この対向放電をトリガとして走査パルスと副走
査パルスの重畳により面放電を発生させる。このよう
に、対向放電をトリガとして発生させる従来の方法に対
し、本発明では面放電を走査電極−データ電極間の電位
差(S−D電位差)の変化によって発生させる点で異な
る。そして、このように書き込み放電を行うことによ
り、対向放電を発生させる必要が無いので、走査パルス
電圧を従来と比較して小さくすることができる。
ライバに、耐電圧の低くコストの低いICを利用するこ
とができる。また走査パルスの波高値が小さくなること
で、走査パルスを容量性負荷であるPDPに印加する際
の充放電の電力損失が小さくなり、走査ドライバの消費
電力も低減し、放熱対策も緩和することができる。更
に、対向放電に対応する電流が流れなくなるため、デー
タドライバの消費電力も低減し、データドライバの放熱
対策も緩和することができる。
実施形態について説明する。なお、本実施形態におい
て、駆動対象とするPDPは、図7及び図8に示したよ
うなメモリ動作型AC−PDPとする。
PDPを駆動する駆動回路について図5を参照して説明
する。図5は、本発明の一実施形態におけるPDPの駆
動回路及び駆動回路に接続される電極を示す図である。
この図において、符号1は、維持放電を発生させるため
の維持パルスを全ての共通電極C1〜Cmに出力する維
持ドライバである。符号3は、予備放電パルスを全ての
共通電極C1〜Cmに出力する予備放電パルスドライバ
である。符号2は維持放電を発生させるための維持パル
スを、走査ドライバ4に出力する維持ドライバ、符号6
は消去パルスを走査ドライバ4に出力する消去ドライバ
である。
異なるタイミングで走査電極S1〜Smに出力するとと
もに、維持ドライバ2が出力した維持パルス、消去ドラ
イバ6が出力した消去パルスを全ての走査電極S1〜S
mに出力する。符号5は、データパルスを走査パルスが
出力されるタイミングで、表示する画素情報に応じて、
データ電極D1〜Dnに出力するデータドライバ5であ
る。
スを出力するドライバも必要であるが、簡略化のため省
略する。走査パルスは個々の走査電極S1〜Smに印加
され、データパルスは個々のデータ電極D1〜Dnに印
加される。このため、走査ドライバ4、データドライバ
5は、走査電極S1〜Sm、データ電極D1〜Dnのそ
れぞれの総数と同じ出力数が必要である。従って一般的
に、走査ドライバ4、データドライバ5は、多数の出力
を有するようにIC化された状態で利用される。一方、
維持パルス等は全共通電極または全走査電極に一律に印
加されればよいので、維持ドライバ等の出力は1つで済
み、IC化する必要は無い。
て、図6を用いて説明する。1画面を表示するための期
間(例えば1/60秒)である1フィールドを、複数の
サブフィールド(例えば4サブフィールド)に分割す
る。個々のサブフィールドは図9または図10に示す構
成であり、それぞれのサブフィールドは他のサブフィー
ルドとは独立に表示のON/OFFが制御される。また
各サブフィールドは、維持期間の長さ、言い換えると維
持パルスの個数が異なり、従って輝度も異なる。
て、それぞれのサブフィールドを単独で発光させたとき
の輝度の比が1:2:4:8になるように調整しておく
と、4つのサブフィールドの表示ON/OFFの組み合
わせによって、全サブフィールド非選択の場合の輝度比
0から、全サブフィールド選択の場合の輝度比15まで
の、16段階の輝度表示が可能となる。一般に1フィー
ルドをn個のサブフィールドに分割し、サブフィールド
毎の輝度の比を、1(=20):2(=21):…:2n−
2:2n−1に設定すると、2n階調表示が可能とな
る。
波形について図1を参照して説明する。この図に示すよ
うに、本実施形態において共通電極C1〜Cmに印加さ
れる正極性の副走査パルス28aの波高値は、従来(図
10の副走査パルス28参照)に比べ遙かに大きく設定
され、これに対して走査パルス24aの波高値は従来
(図9、図10の走査パルス24参照)に比べ遙かに小
さく設定されている。この副走査パルス28aと走査パ
ルス24aの波高値は、データパルスの選択的印加時に
おいて、走査電極−データ電極間電位差(以下、S−D
間電位差とする)、即ち走査パルス24aとデータパル
ス27とを重畳した値が、対向放電開始電圧よりも小さ
い値であり、且つ、この時に走査電極−共通電極間電位
差(以下、S−C間電位差とする)、即ち走査パルス2
4aと副走査パルス28aとを重畳した値が、走査電極
と共通電極の間の面放電開始電圧(S−C間放電開始電
圧)よりも大きい値となるように設定される。これによ
り、データパルスの選択的印加時において、対向放電を
発生させずに、面放電だけ発生させることが可能とな
る。
作を図2を参照して説明する。例えば、今、走査パルス
電圧40V、データパルス電圧60V、副走査パルス電
圧180Vとした場合、データパルスの印加時にはS−
D間電位差は、60V+40V=100Vとなり、対向
放電開始電圧180Vに達しない。このため、対向放電
は発生しない。一方、S−D間電位差100Vに対応す
るS−C間放電開始電圧は図2から205Vであり、S
−C間電位差は40V+180V=220Vであるた
め、S−C間放電開始電圧を超過する。従って、面放電
が発生する。面放電が発生した画素では、引き続いて維
持放電が発生し、該画素は発光状態となる。
D間電位差は走査パルス電圧の40Vとなる。このとき
のS−C間放電開始電圧は図2から250Vであるか
ら、S−C間電位差の220Vよりも大きいため面放電
は発生しない。このように本実施形態においては、デー
タパルスが印加された画素が「表示」となり、データパ
ルスが印加されない画素が「非表示」となる。
位差が対向放電開始電圧よりもかなり低い領域、即ち図
2中のA領域において、S−C間放電開始電圧がS−D
間電位差に依存することに着目し、対向放電を発生させ
ることなく、選択的に面放電を発生させることを実現し
た。
電のみを発生させることができるので、走査パルス電圧
が従来に比べ小さく設定することができる。これによ
り、走査パルスを出力する走査ドライバに、耐電圧が低
いICを使用することができるため、コストの削減を図
ることが可能となる。また走査パルスの波高値が小さく
なることで、走査パルスを容量性負荷であるPDPに印
加する際の充放電の電力損失が小さくなり、走査ドライ
バの消費電力も低減し、放熱対策も緩和することができ
る。また、対向放電に対応する電流が流れなくなるた
め、データドライバの消費電力も低減し、データドライ
バの放熱対策も緩和することができる。
きい値に設定する必要があるが、副走査パルスのような
全共通電極に同時に印加するパルスは、従来からICを
用いずに大電力対応の複数のFET等によって回路が構
成されている。この大電力対応の回路は、ICよりも耐
電圧の許容量が大きいため耐圧等の問題は解消される。
また、大電力対応回路内のごく少数の回路素子(ダイオ
ード、FETなど)を高耐圧のものに代替する必要がで
てくる可能性もあるが、このような素子の高耐圧化は、
技術的、コスト的に、ICの高耐圧化とは比較にならな
いほど簡便である。
の各電極に印加する駆動電圧波形を示す図3を参照して
説明する。走査期間以外の駆動パルスの種類は、従来の
PDPの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図9、1
0と同じであるので説明を省略する。
極性の副走査パルス28bと負極性の走査パルス24b
と負極性のデータパルス27aとをそれぞれの電極に印
加する。副走査パルス28bと走査パルス24bの波高
値は、データパルス27aの無印加時において、S−D
間電位差、即ち走査パルス24bの値が、対向放電開始
電圧よりも小さい値であり、且つ、データパルス27a
の選択的印加時において、S−C間電位差がS−C間放
電開始電圧よりも小さい値となるように設定される。
作を図4を参照して説明する。図4は、第2の実施形態
におけるS−D間電位差と、S−C間放電開始電圧の関
係を示す特性図である。本実施形態においては、走査パ
ルス24bとデータパルス27aが共に負極性であるか
ら、データパルス27aが印加されない画素では、S−
D間電位差は大きく、データパルス27aが選択的に印
加された画素では、S−D間電位差が小さくなる。
−C間放電開始電圧が低下する領域(図4のA領域)を
利用して、データパルス27aの無印加時においては、
S−C間電位差がS−C間放電開始電圧を超過し、デー
タパルス27a印加時においては、S−C間電位差がS
−C間放電開始電圧よりも小さくなるように、副走査パ
ルス28bと走査パルス24bの波高値を設定してい
る。これにより、画素毎に、データパルス27aの有無
で選択的に面放電を発生させ、これを書き込み放電とす
ることができる。
は、例えば走査パルス電圧100V、データパルス電圧
60V、副走査パルス電圧120Vとした場合、データ
パルスの無印加時においては、S−D間電位差は走査パ
ルス電圧の100Vとなり、対向放電開始電圧の180
Vに達しない。従って、対向放電は発生しない。一方、
S−D間電位差100Vに対応するS−C間放電開始電
圧は図4から205Vであり、S−C間電位差は100
V+120V=220Vであるため、S−C間放電開始
電圧205Vを超過する。従って、面放電が発生する。
面放電が発生した画素では、引き続いて維持放電が発生
し、該画素は発光状態となる。
S−D間電位差は100V−60V=40Vとなる。こ
のときのS−C間放電開始電圧は図4から250Vであ
るから、S−C間電位220Vよりも大きいため面放電
は発生しない。このように本実施形態においては、デー
タパルスを印加した画素が「非表示」となり、データパ
ルスを印加しない画素が「表示」となる。
従来に比べ小さくて済むので、走査ドライバの耐電圧の
低減、消費電力の低減など、発明の第1の実施形態と同
様の効果を得ることができる。
PDPの各電極に印加する駆動電圧波形を示す図1を参
照して説明する。第1または第2の実施形態の効果を得
るためには、前述したように、「S−D間電位差が対向
放電開始電圧より小さい値(若しくは、走査パルス24
bの電位が対向放電開始電圧より小さい値)であり、且
つ、データパルス印加時においてS−C間電位差、即ち
走査パルス24aと副走査パルス28aとを重畳した値
が面放電開始電圧を超過する値(若しくは、データパル
ス無印加時において、S−C間電位差、即ち、走査パル
ス24bと副走査パルス28bとを重畳した値が面放電
開始電圧よりも大きくなる値)に設定する」必要があ
る。
は、副走査パルスを正極性、走査パルスを負極性とす
る。走査電極と共通電極の間に、面放電を発生させ易く
するためには、副走査パルスと走査パルスの極性を反対
にするのが好ましい。しかし副走査パルスを負極性、走
査パルスを正極性とすると、副走査パルス印加時に、共
通電極とデータ電極の間で対向放電が発生し、その後の
駆動を阻害する。これは共通電極を覆う誘電体層をさら
に覆うMgO等よりなる保護層の作用によるものであ
る。
次電子を放出し易い材料からなる。従って、保護層に覆
われた電極が陰極となるような放電形態では、希ガスの
正極性イオンが保護層に集められ、2次電子が大量に放
出されるため放電が発生し易い。逆に保護層に覆われた
電極が陽極となるような放電形態では、保護層に集まる
のはイオンでなく電子であって、2次電子放出の効果が
得られず、放電は発生し難い。共通電極と走査電極の間
で発生する面放電では、両電極ともその上部に保護層を
備えているため、どちらの電極が陽極となっても、他方
の電極が陰極となってその電極上の保護層が有効に活用
されるので、常に放電は発生しやすい。
で発生する対向放電では、共通電極が陰極になった場合
だけ、保護層の2次電子放出効果を利用することができ
る。従って、共通電極に負極性の副走査パルスを印加す
ると、共通電極が陰極、データ電極が陽極となって放電
が発生し易くなり、本発明の構成においては、悪影響
(駆動の阻害)となる。さらに悪影響の状態を具体的に
説明すると、負極性の副走査パルスを用いた場合、共通
電極と走査電極の間の面電極間電位差を大きくしようと
しても、ある程度以上の大きさの副走査パルスを印加し
たときに、データ電極と共通電極の間で対向放電が発生
してしまい、所望の面電極間電位差が得られなくなって
しまう。
すれば、保護層のある共通電極側が陽極となるため、副
走査パルスによって発生する対向放電は起き難く、所望
の面電極間電位差を得るまで、副走査パルス電圧を高く
することができる。
の全域に渡って一定に印加した状態で説明を行ったが、
副走査パルスは、走査パルスの印加に対応して印加すれ
ばよいから、複数の副走査パルスに分割して印加して
も、発明の効果を同様に得ることができる。
定結果の一例であり、対向放電開始電圧や面放電開始電
圧特性が異なる場合には、本発明の構成となるような適
当な電圧値とすることは当然である。ここで、副走査パ
ルスの電圧の上限は、走査パルスが印加されていない画
素行において、副走査パルスの印加だけで放電が発生し
てしまう値となる。この放電とは、対走査電極となる面
放電、対データ電極となる対向放電のいずれかである。
発明の第3の実施形態のように副走査パルスを正極性と
することで、負極性の場合より対向放電は起き難くなる
ものの、上限はある。また走査パルス電圧を低減するた
めに、副走査パルス電圧(波高値)を走査パルス電圧
(波高値)よりも大きくすることが好ましい。これによ
り、本発明の構成とするのに必要な面電極間電位差の大
部分を、副走査パルス電圧によって得るのである。
ルス印加時において、共通電極に走査パルスと逆極性の
副走査パルスを印加し、データパルスの選択的印加によ
って、走査電極とデータ電極の間の電位差を放電開始電
圧を超えない範囲内で選択的に変化させ、走査電極と共
通電極の間に選択的に面放電を発生させることにより表
示画素選択を行う。
対向電位差を変化させ、面放電を選択的に発生させるこ
とにより、走査パルス電圧を低減させることが可能とな
るため、走査パルスを出力する走査ドライバに、耐電圧
の低くコストの低いICを利用することができるという
効果が得られる。
ルスの波高値が、走査パルスの波高値よりも大きいの
で、走査パルスの波高値が小さくなり、走査パルスを容
量性負荷であるPDPに印加する際の充放電の電力損失
が小さくなり、走査ドライバの消費電力も低減し、放熱
対策も緩和することができるという効果が得られる。更
に、対向放電に対応する電流が流れなくなるため、デー
タドライバの消費電力も低減し、データドライバの放熱
対策も緩和することができるという効果を奏する。
DPの各電極に印加する駆動電圧波形の一例である。
査電極−データ電極間の電位差と、走査電極−共通電極
間の放電開始電圧の関係を示す特性図である。
DPの各電極に印加する駆動電圧波形の一例である。
査電極−データ電極間の電位差と、走査電極−共通電極
間の放電開始電圧の関係を示す特性図である。
る電極の関係を示す構造図である。
を説明するタイミングチャートである。
ある。
面図である。
形の一例である。
波形の他の例である。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚のガラス基
板を、所定の空隙を隔てて対向配置し、一方の基板に複
数の走査電極と、前記走査電極と対になって平行な複数
の共通電極と、他方の基板に前記走査電極に直交するよ
うに複数のデータ電極を形成し、前記空隙内に放電ガス
を封入し、前記走査電極に時分割に走査パルスを印加
し、前記走査パルスに同期させて前記データ電極にデー
タパルスを選択的に印加することで表示画素選択を行
い、前記表示画素選択の後に表示画素でのみ維持放電を
行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法において、 前記走査パルス印加時において、前記共通電極に前記走
査パルスと逆極性の副走査パルスを印加し、前記データ
パルスの選択的印加によって、前記走査電極と前記デー
タ電極の間の電位差を放電開始電圧を超えない範囲内で
選択的に変化させ、前記走査電極と前記共通電極の間に
選択的に面放電を発生させることにより表示画素選択を
行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆
動方法。 - 【請求項2】 前記走査パルスが負極性、かつ前記副走
査パルスが正極性である請求項1記載のプラズマディス
プレイパネルの駆動方法。 - 【請求項3】 前記副走査パルスを、前記表示画素選択
を行う期間のほぼ全域において、常に印加することを特
徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマディ
スプレイパネルの駆動方法。 - 【請求項4】 前記副走査パルスの波高値が、前記走査
パルスの波高値よりも大きいことを特徴とする請求項1
〜請求項3のいずれかの項に記載のプラズマディスプレ
イパネルの駆動方法。
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