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JP3450386B2 - 光学活性γ−ヒドロキシケトン類の製造法 - Google Patents

光学活性γ−ヒドロキシケトン類の製造法

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Publication number
JP3450386B2
JP3450386B2 JP23617493A JP23617493A JP3450386B2 JP 3450386 B2 JP3450386 B2 JP 3450386B2 JP 23617493 A JP23617493 A JP 23617493A JP 23617493 A JP23617493 A JP 23617493A JP 3450386 B2 JP3450386 B2 JP 3450386B2
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JP
Japan
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biphos
optically active
binap
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following general
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JP23617493A
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誠司 渡▲邊▼
茂 三橋
秀徳 雲林
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
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Publication date
Application filed by Takasago International Corp filed Critical Takasago International Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬中間体、生分解性ポ
リマー、香料等の光学活性部分として有用な光学活性テ
トラヒドロフラン類の製造中間体として利用し得る光学
活性γ−ヒドロキシケトン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性なγ−ヒドロキシケトン類は分
子内でアセタ−ル化することにより、種々の化合物の光
学活性部分として有用な光学活性テトラヒドロフラン類
へと導くことができることから、工業原料として重要で
ある。
【0003】かかる光学活性なγ- ヒドロキシケトン類
を合成する方法として次の二法が知られている。 (i)光学活性なγ- ジオールを酸化して得る方法。 すなわち、J.Chem.Soc.Perkin Trans.,2148-2154頁(197
7年) においては、(2R,5R)-2, 5- ヘキサンジオールを
炭酸銀−セライトで酸化し、(R)-5-ヒドロキシヘキサン
-2-オンを収率46%で得ている。 (ii)化学修飾されたニッケルを触媒として用いて、
γ−ジケトンを不斉水素化して光学活性なγ−ヒドロキ
シケトンを合成する方法。 すなわち、Bull.Soc.Chem.Belg.,100、 585-595頁(1991
年) においては、2,5-ヘキサンジオンを用いて不斉還元
し、(R)-5-ヒドロキシヘキサン-2-オンを10.1%ee、78.
7%の収率で得ている。
【0004】ここで(i)の方法では、出発物質として
光学活性なγ−ジオールが用いられているが、この光学
活性γ−ジオールの合成法としては、J.Org.Chem.54,17
55-1756頁(1989年)、Tetrahedron Asymmetry,(2),569
頁(1991年)、TetrahedronLett.,28(50),6335-6338頁(19
87年)、Tetrahedron Asymmetry,(3),333-336頁(1992
年)に報告があるが、いずれも反応工程が長い、収率が
低い、光学純度が低い等の問題がある。また、(ii)
の方法は光学純度が低すぎるため、工業的に採用し得る
ものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
簡便で工程数が少なく、さらに光学純度の高い光学活性
γ−ヒドロキシケトン類の製造法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において本発
明者らは、原料としてγ−ジケトン類に着目し、この不
斉水素化反応について鋭意研究を行なった結果、触媒と
して比較的安価なルテニウム−光学活性ホスフィン錯体
を使用して不斉水素化を行なえば、高い光学純度のγ−
ヒドロキシケトン類が得られることを見い出し本発明を
完成した。
【0007】すなわち、本発明は次の一般式(1)、
【0008】
【化9】
【0009】(式中、R1 及びR2 は置換基を有してい
てもよいアルキル又はフェニル基を示す)で表されるγ
- ジケトン類をルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を
触媒として不斉水素化することを特徴とする次の一般式
(2)、
【0010】
【化10】
【0011】(式中、R1 及びR2 は前記と同じ意味を
示す)で表される光学活性γ−ヒドロキシケトン類の製
造法である。
【0012】本発明方法の原料を示す一般式(1)中、
1 及びR2 で示されるアルキル基としては炭素数1〜
8のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられ
る。当該アルキル基に置換し得る基としては、フェニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。ま
た、フェニル基に置換し得る基としては、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
ここで低級アルキル基及び低級アルキル基の炭素数は1
〜6が好ましい。当該γ−ジケトン類(1)の具体例と
しては、例えば、2,5-ヘキサンジオン、2,5-ヘプタンジ
オン、2,5-オクタンジオン、2,5-ノナンジオン、2,5-デ
カンジオン、2,5-ウンデカンジオン、2,5-ドデカンジオ
ン、2,5-トリデカンジオン、3,6-オクタジオン、3,6-ノ
ナンジオン、3,6-デカンジオン、4,7-デカンジオン、4,
7-ドデカンジオン、5,8-ウンデカンジオン、1-フェニル
-1,4-ペンタンジオン、1-フェニル-1,4-ヘキサンジオ
ン、1-フェニル-1,4-ヘプタンジオン、1-フェニル-1,4-
オクタンジオン、1-(p-メトキシフェニル)-1,4-ペン
タンジオン、1-(p-トリル)-1,4-ペンタンジオン、1-
フェニル-2,5-ヘキサンジオン、1-フェニル-2,5-ヘプタ
ンジオン、1-フェニル-2,5-オクタンジオン、1-フェニ
ル-2,5-ノナンジオン、1-(p-メトキシフェニル)-2,5-
ヘキサンジオン、1-(p-トリル)-2,5-ヘキサンジオ
ン、1 ,6-ジフェニル-2,5-ヘキサンジオン等が挙げられ
る。
【0013】これらのγ−ジケトン類(1)は、例え
ば、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,15(11),639-712頁(1976
年)記載のようにアルデヒドとビニルケトンの反応によ
り、あるいは、Chem.ber.,118(3),1115-1125頁(1985年)
記載のようにα−ケト酸とビニルケトンの反応により製
造することができる。
【0014】本発明に使用する触媒のルテニウム- 光学
活性ホスフィン錯体としては次の一般式(3)、
(4)、(5)及び(6)で表されるものが挙げられ
る。
【0015】
【化11】 RuxyClz(BIPHOS)2(S)p ・・・・・(3)
【0016】(式中、BIPHOSは式(a)、(b)
又は(c)で表わされる三級ホスフィンを示し、
【0017】
【化12】
【0018】R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R
10、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜
4のアルコキシ基を示し、(S)は三級アミンを示し、
yが0のときxは2、zは4、pは1を示し、yが1の
ときxは1、zは1、pは0を示す)
【0019】
【化13】 [RuAK(B)m(BIPHOS)]Yn ・・・・・(4)
【0020】(式中、Aはハロゲン原子を示し、Bは置
換基を有していてもよいベンゼン又はアセトニトリルを
示し、Yはハロゲン原子、ClO4、PF6、BPh4又はBF4を示
し、BIPHOSは前記と同じ意味を示し、Bが置換基
を有していてもよいベンゼンの場合、kが1、mが1、
nが1であり、アセトニトリルの場合、kが1のとき
は、mが2、nが1、kが0のときは、mが4、nが2
である)
【0021】
【化14】 [RuI(p−シメン)(BIPHOS)]I3 ・・・・・(5) (式中、BIPHOSは前記と同じ意味を示す)
【0022】
【化15】 Ru(OCO−R152(BIPHOS) ・・・・・(6) (式中、R15は水素原子又は低級アルキル基を示し、B
IPHOSは前記と同じ意味を示す)
【0023】前記BIPHOSのうち、式(a)の三級
ホスフィンが特に好ましい。また、R3〜R14で示され
るハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、フッ素原
子が挙げられるが、このうち塩素原子及びフッ素原子が
好ましい。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、t−ブチル基等が挙げ
られるが、このうちメチル基及びt−ブチル基が好まし
い。炭素数1〜4のアルコキシ基としてはメトキシ基、
エトキシ基、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ
基等が挙げられるが、このうちメトキシ基が特に好まし
い。さらにR15で示される低級アルキル基としては、炭
素数1〜6のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基等が挙げられる。
【0024】さらに前記式(a)の三級ホスフィンのう
ち、下記(a−1)で示される化合物が特に好ましい。
【0025】
【化16】
【0026】(式中、R16は水素原子、メチル基又はt
−ブチル基を示す)
【0027】一般式(3)の化合物は、J.Chem.Soc.,Ch
em.Commun.,922-924頁、(1985年) 、特開昭61-63690号公
報、特開昭63-135397号公報又は特開平4-131940号公報
に開示されている方法により得られる。例えば、y=0の
場合の一般式(3)の錯体はルテニウムクロライドとシ
クロオクタ-1,5-ジエン(以下CODと略す)をエタノ−ル
溶液中で反応させることにより得られる[RuCl2(COD)]c
(cは自然数を示す)1モル当量と、2,2'-ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルで代表されるBIPH
OS 1.05〜1.2 モル当量をトリエチルアミンのような三
級アミン4モル当量の存在下、トルエン又はエタノ−ル
等の溶媒中で反応させることにより得られる。
【0028】さらに、一般式(4)の化合物は特開平2-
192189号又は特開平4-139140号公報に開示されている方
法により得ることができる。例えばBが置換基を有して
いてもよいベンゼン(以下Arと略す)である錯体は、次
のようにして得ることができる。例えばA、Yがともに
塩素原子の場合、すなわち、[RuCl(Ar)(BIPHOS)]Clは、
J.Org.Chem.,,487頁(1976年)、あるいはCan.J.Chem.,
50,3643頁(1972年)記載の方法により調製した[RuCl2(A
r)]2を原料とし、これとBIPHOSをメタノール、エタノー
ル、ベンゼン、塩化メチレン等の単独溶媒かあるいはこ
れらの混合溶媒中25〜50℃で30分〜3時間反応させた
後、溶媒を減圧下にて留去することによって得ることが
できる。また、A、Yがともに臭素原子あるいはヨウ素
原子の場合、すなわち、[RuBr(Ar)(BIPHOS)]Br又は[RuI
(Ar)(BIPHOS)]Iは、例えば、[RuCl2(Ar)]2 を原料と
し、これに一般式(7)
【0029】
【化17】 M1Z ・・・・(7)
【0030】(式中、M1はリチウム、ナトリウム又はカ
リウム原子を示し、Zは臭素原子又はヨウ素原子を示
す)で表される塩を、溶媒として水を用いて反応させる
か、あるいは、[RuCl2(Ar)]2とM1Zとを水と塩化メチレ
ンの溶媒中次の一般式(8)、
【0031】
【化18】 R17181920QX ・・・・(8)
【0032】(式中、R17、R18、R19及びR20は炭素
数1〜16のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示
し、Qは窒素原子又は燐原子を示し、Xはハロゲン原子
を示す)で表される四級アンモニウム塩又は四級ホスホ
ニウム塩を相間移動触媒として使用し、室温で反応させ
ることにより[RuZ2(Ar)]2を得る。ここで相間移動触媒
(8)としては、例えばW.P.Weber,G.W.Gokel 共著、田
伏岩夫、西谷孝子共訳「相間移動触媒」(株)化学同人
(1978-9-5)第一版に記載されているものが使用され
る。次いで、得られた[RuZ2(Ar)]2とBIPHOSとをメタノ
ール、エタノール、ベンゼン、塩化メチレンのような単
独溶媒中かあるいはこれらの混合溶媒中25〜50℃で30分
〜3時間反応させた後、溶媒を減圧下にて留去すること
によっても定量的に[RuBr(Ar)(BIPHOS)]Br又は[RuI(Ar)
(BIPHOS)]Iを合成することができる。さらに、例えばA
が塩素原子、YがClO4、PF6、BPh4又はBF4の場合は、[R
uCl(Ar)(BIPHOS)]Clをメタノール、エタノール、アセト
ン、塩化メチレン等に溶解しておき、これにM2Y(ここ
でM2はナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウ
ム、銀原子を示し、Yはハロゲン原子、ClO4、PF6、BPh
4又はBF4を示す)で表される塩を加えて攪拌し、その後
少量の不溶物を濾別して濾液を濃縮、乾燥すると、目的
の錯体[RuA(Ar)(BIPHOS)]Yを得ることができる。
【0033】一般式(4)で表される化合物のうち、B
がアセトニトリルである錯体は例えばA、Yがともに塩
素原子の場合、すなわち、[RuCl(アセトニトリル)2(BIP
HOS)]Cl は、[RuCl(Ar)(BIPHOS)]Cl錯体をアセトニトリ
ルに溶解し、50℃で10〜24時間還流させ、過剰のアセト
ニトリルを留去し、乾燥する。この粗製錯体を塩化メチ
レンから再結晶することによって[RuCl(アセトニトリ
ル)2(BIPHOS)]Cl 錯体を得ることができる。また、例え
ば[RuCl(Ar)(BIPHOS)]Cl錯体をアセトニトリルとメタノ
ール、エタノール、アセトン、塩化メチレン等の混合溶
媒に溶解しておき、これにM2Y(M2及びYは前記と同
じ)を加えて25〜50℃で10〜24時間加熱攪拌し、溶媒を
留去し、乾燥する。この粗製錯体を塩化メチレンにより
再結晶することによって[Ru(アセトニトリル)4(BIPHO
S)]Y2 錯体を得ることができる。
【0034】さらに、一般式(5)の化合物は特開平5-
111639号又は特開平4-139140号公報に記載の様に、[RuI
(p-シメン)(BIPHOS)]I の錯体を3モル当量のヨウ素と
メタノール等の適当な溶媒中、15〜30℃にて1〜5時間
攪拌し、溶媒を留去、乾燥することによって得られる。
【0035】さらに、一般式(6)の化合物は、上記一
般式(3)で表される化合物のうち、xが2、yが0、
zが2、Sがトリエチルアミンを示し、pが1の時の錯
体、すなわち、Ru2Cl4(BIPHOS)2(トリエチルアミン)
を原料とし、これとカルボン酸塩をメタノール、エタノ
ール、t−ブタノール等のアルコール溶媒中で、約20〜
110℃の温度で3〜15時間反応させた後、溶媒を留去し
て、エーテル、エタノール等の溶媒で目的の錯体を抽出
した後、乾燥すれば粗製の錯体が得られる。さらに、酢
酸エチル等で再結晶して精製品を得ることができる。式
(6)中、R15が低級アルキル基である化合物は、用い
るカルボン酸の種類を変えることにより得ることができ
る。例えば上記の錯体を原料とし、酢酸ナトリウムを用
いた場合は、Ru(OCOCH3)2(BIPHOS)を得る。また、トリ
フルオロ酢酸を有する錯体を製造する場合は、特開昭62
-265293号公報に記載のように、前記のようにして得た
ジアセテート錯体にトリフルオロ酢酸を塩化メチレンを
溶媒として約25℃で約12時間反応させることによって得
ることができる。
【0036】以上の錯体の例として次のものが挙げられ
る。 Ru2Cl4(BINAP)2(NEt3)、(BINAPは、2,2'-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを示す) Ru2Cl4(T-BINAP)2(NEt3)、(T-BINAPは、2,2'-ビス(ジ
-p-トリルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを示す) Ru2Cl4(t-Bu-BINAP)2(NEt3)、(t-Bu-BINAPは、2,2'-ビ
ス(ジ-p-ターシャリーブチルフェニルホスフィノ)-1,
1'-ビナフチルを示す) Ru2Cl4(p-MeO-BINAP)2(NEt3) (p-MeO-BINAPは2,2'-ビス(ジ-p-メトキシフェニルホ
スフィノ)-1,1'-ビナフチルを意味する) Ru2Cl4(3,5-DiMe-BINAP)2(NEt3) (3,5-DiMe-BINAPは2,2'-ビス(ジ-3,5-キシリルホスフ
ィノ)-1,1'-ビナフチルを意味する) Ru2Cl4(3,5-Di-t-Bu-BINAP)2(NEt3) (3,5-Di-t-Bu-BINAP は2,2'-ビス(ジ−3,5-ジ-tert-
ブチルフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを意味す
る) Ru2Cl4(3-Me-BINAP)2(NEt3) (3-Me-BINAPは2,2'-ビス(ジ-m-トリルホスフィノ)-
1,1'-ビナフチルを意味する) Ru2Cl4(p-Cl-BINAP)2(NEt3) (p-Cl-BINAPは2,2'-ビス(ジ-p-クロロフェニルホスフ
ィノ)-1,1'-ビナフチルを意味する) Ru2Cl4(p-F-BINAP)2(NEt3) (p-F-BINAPは2,2'-ビス(ジ-p-フルオロフェニルホス
フィノ)-1,1'-ビナフチルを意味する) Ru2Cl4(MeBIPH)2(NEt3) (MeBIPHは6,6'-ジメチル-2,2'-ビス(ジフェニルホス
フィノ)-1,1'-ビフェニルを意味する) Ru2Cl4(BIHNAP)2(NEt3) (BIHNAPは2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-5,6,7,
8,5',6',7',8'-オクタヒドロ-1,1'-ビナフチルを意味す
る) RuHCl(BINAP)2、RuHCl(T-BINAP)2、RuHCl(t-Bu-BINA
P)2、RuHCl(p-MeO-BINAP)2、RuHCl(3,5-DiMe-BINAP)2
RuHCl(3,5-Di-t-Bu-BINAP)2、RuHCl(3-Me-BINAP)2、RuH
Cl(p-Cl-BINAP)2、RuHCl(p-F-BINAP)2、RuHCl(MeBIP
H)2、RuHCl(BIHNAP)2、[RuCl(ベンゼン)(BINAP)]Cl、[R
uCl(p-シメン)(T-BINAP)]Cl、[RuBr(ベンゼン)(BINAP)]
Br、[RuBr(ベンゼン)(T-BINAP)]Br、[RuBr(p-シメン)(t
-Bu-BINAP)]Br、[RuI(ベンゼン)(BINAP)]I、[RuI(ベン
ゼン)(T-BINAP)]I、[RuI(ベンゼン)(t-Bu-BINAP)]I、[R
uI(p-シメン)(BINAP)]I、[RuI(p-シメン)(T-BINAP)]I、
[RuI(p-シメン)(t-Bu-BINAP)]I、[RuI(安息香酸メチル)
(BINAP)]I、[RuI(安息香酸メチル)(T-BINAP)]I、[RuI
(安息香酸メチル)(t-Bu-BINAP)]I、[RuCl(ベンゼン)(BI
NAP)]ClO4、[RuCl(ベンゼン)(t-Bu-BINAP)]ClO4、[RuCl
(p-シメン)(BINAP)]PF6、[RuCl(p-シメン)(BINAP)]B
F3、[RuCl(安息香酸メチル)(BINAP)]BPh4、[Ru(アセト
ニトリル)4(BINAP)](BF4)2、[RuCl(アセトニトリル)2(B
INAP)]Cl、[RuI(p-シメン)(BINAP)]I3、[RuI(p-シメン)
(T-BINAP)]I3、[RuI(p-シメン)(t-Bu-BINAP)]I3、Ru(OC
OCH3)2(BINAP)、Ru(OCOCH3)2(T-BINAP)、Ru(OCOCH3)2(t
-Bu-BINAP)、Ru(OCOCF3)2(BINAP)、Ru(OCOCF3)2(T-BINA
P)、Ru(OCOCF3)2(t-Bu-BINAP)。
【0037】本発明を実施するには、γ−ジケトン類
(1)をメタノール、エタノール、イソプロパノール等
のプロトン性溶媒の単独、あるいは、テトラヒドロフラ
ン、アセトンの単独、あるいは、それらの混合溶媒、あ
るいは、それらに少量の水を加えた溶媒(好ましくはメ
タノ−ル、エタノ−ル)に溶解し、溶液をオートクレー
ブに入れ、これにルテニウム−光学活性ホスフィン錯体
を加えて不斉水素化反応を行なわせることによって所望
のγ−ヒドロキシケトン類が得られる。また、本発明の
方法ではルテニウム化合物とBIPHOSを別々に反応系に加
え、その系の中でルテニウム−光学活性ホスフィン錯体
を形成させてもよい。また、本発明に用いられる光学活
性ホスフィン錯体の立体配置を(R)あるいは(S)に
適宜変えることによって、所望の立体配置を有するγ−
ヒドロキシケトンを得ることができる。触媒量は上記の
γ−ジケトン類(1)に対して1/50〜1/5000倍モル、好
ましくは1/100〜1/1000倍モル加えて、水素圧5〜50kg/
cm2、好ましくは30〜50kg/cm 2、反応温度5〜100℃、好
ましくは30〜50℃で1 時間から72時間、好ましくは8時
間から20時間攪拌して水素化を行なう。反応終了後、
生成物の単離は溶媒を留去して残渣を減圧下で蒸留する
か又は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理す
ることによって、目的とする光学活性なγ−ヒドロキシ
ケトン類が50〜90%の収率で得られる。
【0038】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実
施例中の分析値は次の分析機器を用いて測定した。 ガスクロマトグラフ;HITACHI 263-80 株式会社日立
製作所製 カラム;シリコンOV-101 シリカキャピラリー φ0.25
mm×25m(ジーエルサイエンス株式会社製) ;HEWLETT PACKARD 5890 SERIES II(HHEWLETT PACKARD
製) カラム;ニュートラボンド1 シリカキャピラリー φ
0.25mm×25m 測定温度;初期温度50〜150℃で、昇温速度1〜10℃/mi
n 高速液体クロマトグラフ(以下、HPLCと略す);665-A-
11(株式会社日立製作所製) カラム;COSMOSIL 5SL φ4.6mm×250mm (ナカライ
テスク株式会社製) 展開溶媒;ヘキサン/エーテル=8/1〜10/1 0.5〜1.5ml
/min 検出器;UV検出器 635M (UV-254nm) (株式会社日立製
作所製)1 H-核磁気共鳴スペクトル(以下1H-NMRと略す);AM-40
0型装置(400MHz)(ブルッカー社製) 内部標準物質;テトラメチルシラン 施光度;DIP-4型装置 (日本分光工業株式会社製)
【0039】実施例1 (−)-5-ヒドロキシヘキサン-2-オンの合成 あらかじめ窒素置換した100mlのステンレスオートクレ
ーブに、2,5-へキサンジオン5g(0.0438mol)とメタノー
ル10mlを加えて、これにRu2Cl4((R)-T-BINAP)2(NEt3)0.
197g(0.109mmol)を塩化メチレン2mlに溶解して加え、
水素圧50kg/cm2、50℃の反応温度で8時間反応を行な
い、溶媒を留去した後、ヘキサン/酢酸エチル=5/1の展
開溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製し、4.35gの(−)-5-ヒドロキシヘキサン-2-オ
ンを得た。収率85.6%。1 H-NMR(CDCl3)δppm;1.2(3H,d)、1.68〜1.76(2H,m)、2.
1(3H,s)、2.6(2H,m)、3.8(1H,m) [α]D 25:−10.09(C.1.03 エタノール)
【0040】得られたヒドロキシケトンと(R)-あるいは
(S)-のα−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニル
酢酸(以下、MTPAと略す)からエステルを合成しヘキサ
ン/エーテル=9/1の展開溶媒でHPLCを用いて分析した結
果、光学純度は100%eeであった。
【0041】実施例2〜8 実施例1において触媒及び反応条件を変えたほかは、実
施例1に準じた操作を行なった結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例9 (−)-4-ヒドロキシ-1-フェニルペンタン-1-オンの合
成 あらかじめ窒素置換した100mlのステンレスオートクレ
ーブに、5-フェニル-2,5-ペンタンジオン5g(0.0284mol)
とメタノール10mlを加えて、これに[RuI(p-シメン)((R)
-T-BINAP)]I3 0.2g(0.142mmol)を塩化メチレン2mlに溶
解して加え、水素圧50kg/cm2、50℃の反応温度で40時間
反応を行ない、溶媒を留去した後、ヘキサン/酢酸エチ
ル=5/1の展開溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し、4.5gの(−)-4-ヒドロキシ-1-フ
ェニルペンタン-1-オンを得た。収率90.0%。1 H-NMR(CDCl3)δppm;1.26(2H,d,J=6Hz)、 1.7〜1.9(2H,
m)、3.148,3.15(2H,dt,J=7.08Hz)、3.9(1H,m)、7.46(2
H,m)、7.55(1H,m)、7.98(2H,m) [α]D 25:−14.31 (C.1.02 エタノ−ル)
【0044】得られたγ−ヒドロキシケトンと(R)-ある
いは(S)-のMTPAからエステルを合成し、ヘキサン/エ−
テル=9/1 の展開溶媒でHPLCを用いて分析した結果、光
学純度は99.6%eeであった。
【0045】実施例10〜16 実施例9において触媒及び反応条件を変えたほかは、実
施例9に準じた操作を行なった結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例17 (−)-2-ヒドロキシノナン-5-オンの合成 あらかじめ窒素置換した100mlのステンレスオートクレ
ーブに、2,5-ノナンジオン5g(0.032mol)とメタノール10
mlを加えて、これにRu2Cl4((R)-T-BINAP)2(NEt 3)0.144g
(0.08mmol)を塩化メチレン2mlに溶解して加え、水素圧
50kg/cm2、50℃の反応温度で20時間反応を行ない、溶
媒を留去した後、ヘキサン/酢酸エチル=4/1の展開溶媒
を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、3.3gの(−)-2-ヒドロキシノナン-5-オンを得た。
収率65.6%。1 H-NMR(CDCl3)δppm;0.9(3H,t,J=7.4Hz)、1.2(3H,d,J=
6.2Hz)、1.3(2H,m)、1.55〜1.78(3H,m)、2.43(2H,t,J=
7.6Hz)、2.56(2H,t,J=7Hz)、3.8(1H,m) [α]D 25:−10.19(C.1.05 エタノール)
【0048】得られたアルコールと(R)-あるいは(S)-の
MTPAからエステルを合成しヘキサン/エーテル=95/5 の
展開溶媒でHPLCを用いて分析した結果、光学純度は99.8
%eeであった。
【0049】実施例18 (−)-5-ヒドロキシ-6-フェニルヘキサン-2-オンの合
成 あらかじめ窒素置換した100mlのステンレスオートクレ
ーブに、6-フェニル-2,5-ヘキサンジオン5g(0.0261mol)
とメタノール10mlを加えて、これに[RuI(p-シメン)
((R)-T-BINAP)]I3 0.185g(0.13mmol)を塩化メチレン2m
lに溶解して加え、水素圧50kg/cm2、50℃の反応温度で3
6時間反応を行ない、溶媒を留去した後、ヘキサン/酢
酸エチル=5/1の展開溶媒を用いて、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、3.03gの(−)-5-ヒドロキ
シ-6-フェニルヘキサン-2-オンを得た。収率60.2%。1 H-NMR(CDCl3)δppm;1.72(1H,m)、1.87(1H,m)、2.16(3
H,s)、2.625,2.633(2H,dt,J=7Hz)、2.69,2.71(1H,dd,J=
13.6Hz)、2.811,2.823(1H,dd,J=13.6Hz) [α]D 25:−3.57(C.1.05 エタノール)
【0050】得られたアルコールと(R)-あるいは(S)-の
MTPAからエステルを合成しヘキサン/エーテル=8/2の展
開溶媒でHPLCを用いて分析した結果、光学純度は68.5%
eeであった。
【0051】
【発明の効果】本発明は、ルテニウム−光学活性ホスフ
ィン錯体を触媒として用いて、γ−ジケトン類に不斉水
素化反応を行なうことにより、医薬品を合成するための
中間体、生分解性ポリマー、香料等の光学活性部分の合
成において有用な光学活性なγ−ヒドロキシケトン類を
効率よく製造することのできる優れた方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 (72)発明者 雲林 秀徳 神奈川県平塚市西八幡1丁目4番11号 高砂香料工業株式会社 ファインケミカ ル研究所内 (56)参考文献 特開 平2−289537(JP,A) 特開 平1−211551(JP,A) E.J.Corey et al., Tetrahedron Letter s,Vol.30,No.46,1989,p. 6275−6278 Bhabani K.Sarmah et al.,Tetrahedro n,Vol.47,No.40,1991,p. 8587−8600 Hiroyuki Kawano e t al.,J.Chem.Soc., Chem.Commun,1988,p.87 −88 M.Kitamura et a l.,J.Am.Chem.Soc., 1988,Vol.110,p.629−631 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 49/17 C07C 45/64 C07C 49/24 C07C 49/82 CASREACT(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、 【化1】 (式中、R1 及びR2 は置換基を有していてもよいアル
    キル又はフェニル基を示す)で表されるγ−ジケトン類
    を、ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触媒として
    不斉水素化することを特徴とする下記一般式(2)、 【化2】 (式中、R1 及びR2 は前記と同じ意味を示す)で表さ
    れる光学活性γ−ヒドロキシケトン類の製造法。
  2. 【請求項2】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    次の一般式(3)、 【化3】 RuxyClz(BIPHOS)2(S)p ・・・・(3) 〔式中、BIPHOSは下記一般式(a)、(b)又は
    (c)で表わされる三級ホスフィンを示し、 【化4】 3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R
    12、R13及びR14はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
    炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキ
    シ基を示し、(S)は三級アミンを示し、yが0のとき
    xは2、zは4、pは1を示し、yが1のときxは1、
    zは1、pは0を示す〕で表わされる化合物である請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    次の一般式(4)、 【化5】 [RuAk(B)m(BIPHOS)]Yn ・・・・(4) (式中、Aはハロゲン原子を示し、Bは置換基を有して
    いてもよいベンゼン、又はアセトニトリルを示し、Yは
    ハロゲン原子、ClO4、PF6、BPh4又はBF4を示し、BIP
    HOSは上記と同じ意味を示し、Bが置換基を有してい
    てもよいベンゼンの場合、kが1、mが1、nが1であ
    り、Bがアセトニトリルの場合、kが1のときは、mが
    1、nが1、kが0のときはmが4、nが2である)で
    表される化合物である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    次の一般式(5)、 【化6】 [RuI(p−シメン)(BIPHOS)]I3 ・・・・・(5) (式中、BIPHOSは前記と同じ意味を示す)で表さ
    れる化合物である請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    次の一般式(6)、 【化7】 Ru(OCO−R152(BIPHOS) ・・・・・(6) (式中、R15は水素原子又は低級アルキル基を示し、B
    IPHOSは前記と同じ意味を示す)で表される化合物
    である請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 BIPHOSが次の一般式(a−1) 【化8】 (式中、R16は水素原子、メチル基又はt−ブチル基を
    示す)で表わされる三級ホスフィンである請求項2〜5
    いずれかの項記載の製造法。
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E.J.Corey et al.,Tetrahedron Letters,Vol.30,No.46,1989,p.6275−6278
Hiroyuki Kawano et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun,1988,p.87−88
M.Kitamura et al.,J.Am.Chem.Soc.,1988,Vol.110,p.629−631

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