JP3442204B2 - 有機性汚水のリン除去回収方法 - Google Patents
有機性汚水のリン除去回収方法Info
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Description
汚水を高度に浄化する技術に関し、特にリンを従来技術
よりも安定して除去可能で、余剰生物汚泥発生量を著し
く減少できる新規なリン除去技術に関する。 【0002】 【従来の技術】下水などの汚水のリンを除去する方法と
して最も代表的な技術は生物学的脱リン法である。この
技術は有機性汚水を嫌気工程に供給して返送汚泥中の活
性汚泥(脱リン菌が共存している)からリンを吐き出さ
せた後、好気工程に供給し脱リン菌にリン摂取を行なわ
せた後、活性汚泥を沈殿分離し、沈殿汚泥を嫌気工程に
リサイクルにするものである。 【0003】しかし従来の生物脱リン法は次の欠点があ
った。 原水のBOD/P比が減少すると嫌気工程における脱
リン菌からのリン吐き出しが不十分になりその結果、好
気工程における脱リン菌へのリン摂取も悪化する。 リンは生物汚泥に取り込まれる以外の形では除去され
ないので、リンを取り込んだ汚泥を系外に排出しない限
りリンの物質収支が成立せず、従って難脱水性の余剰生
物汚泥発生量が多く、汚泥処理が負担になる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の生物学
的脱リン法の欠点を解決した新技術を確立し、原水のB
OD/P比が小さい場合でも安定した高度のリン除去が
可能で、しかも余剰汚泥発生量を著しく少なくできる新
システムを提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者は、生物学的リ
ン除去法のプロセス構成を変革して、更に化学的リン除
去、オゾンによる汚泥可溶化を新規な態様で結合するこ
とにより上記課題を達成できることを見いだした。すな
わち、本発明は、リン含有汚水を少くとも嫌気工程好気
工程をこの順に有する嫌気好気法により生物学的に脱リ
ンする方法において、好気工程に後続する活性汚泥の沈
殿工程から嫌気工程に返送される汚泥の一部または好気
工程から引き抜いた汚泥をオゾン酸化して可溶化した
後、リン酸イオンと沈殿生成反応を起こす金属イオンを
添加してリンを回収し、リンが除去された可溶化汚泥を
嫌気工程に供給することを特徴とする方法である。 【0006】このような本発明の構成により、好気槽ま
たは沈殿槽内の汚泥をオゾン酸化し可溶化してリン酸イ
オンと反応し沈降する金属イオンを添加することで安定
した高度のリン除去が可能となり、しかも余剰汚泥発生
量を著しく少なくできる。本発明における、リン含有水
とは、リンを含有する都市排水(下水あるいはし尿)お
よび有機性産業排水等である。 【0007】生物学的に脱リンする方法において、嫌気
工程とは酸素含有ガスで曝気しな工程であり、好気工程
とは酸素含有ガスで曝気し、溶存酸素を供給する工程で
ある。汚泥のオゾン酸化は、オゾンを発生することがで
きる、オゾン酸化槽を設けて行う。 【0008】可溶化汚泥とは、オゾン酸化処理後の汚泥
を指す。また、オゾン酸化により、溶液には可溶性有機
物(BOD)が豊富に含まれ、汚泥は生物分解性が高ま
っているので、これらを嫌気槽に導入することで嫌気槽
のBOD/P比を高くでき脱リン菌からのリンの吐き出
しが良好となるとともに、好気槽での脱リン菌へのリン
摂取も良好となる。 【0009】また、従来、処理に伴う難脱水性の余剰生
物汚泥発生量が多く汚泥処理が問題であったが、本発明
は、汚泥をオゾンで酸化して可溶化し、溶液からリンを
回収し更に可溶化しなかった汚泥(ただし、オゾン酸化
で生物分解性が高まっている汚泥)を嫌気槽に導入する
ことで、可溶化汚泥がCO2 とH2 Oに分解する結果、
余剰汚泥の増加が見られない。 【0010】このように本発明は、「生物学的脱リン法
において余剰汚泥生物量をほぼゼロにすることはリンの
物質収支的に不可能である」との固定観念を初めて打破
したものである。更にリンを豊富に取り込んだ活性汚泥
をオゾン酸化するとリン、窒素、有機物を多量に含む可
溶化液(懸濁液状)が生成することに着目し、可溶化有
機物を脱リン菌の嫌気槽におけるリンのはきだしの促進
に利用するという思想は従来その例を見ない。 【0011】 【発明の実施の形態】図1に本発明の構成例を示す。嫌
気工程、好気工程は各々嫌気槽、好気槽で行なわれる。
図1の嫌気槽1に原水2と沈殿槽3からの返送汚泥4を
流入させ、汚泥中の脱リン菌からリンを吐き出させる。
次に好気槽5において活性汚泥を曝気し、吐き出したリ
ン以上の量のリンを脱リン菌に吸収させる。沈殿槽3で
沈殿した汚泥6の大部分の返送汚泥4は嫌気槽1にリサ
イクルされる。 【0012】沈殿槽3で沈殿した汚泥6の残りの汚泥7
はオゾン酸化槽8に導かれ、リンを豊富に含む汚泥がオ
ゾンにより酸化分解され可溶化し、可溶化した汚泥7か
ら可溶性有機物、コロイド状有機物、アンモニア性窒
素、リン酸イオンが溶出される。なおオゾン酸化槽8に
供給する汚泥としては好気槽5から汚泥の一部を引き抜
き、これをオゾン酸化するようにしても良い。オゾン酸
化によって可溶化しなかった残渣汚泥を固液分離し、そ
の分離液9にマグネシウム、カルシウム、アルミニウ
ム、鉄などのリンと化学的に沈殿生成反応を起こす金属
イオン10を添加し、リンをリン酸マグネシウムアンモ
ン(MAPと略す)、リン酸カルシウム、リン酸アルミ
ニウム、リン酸鉄として分離回収11する。なかでもマ
グネシウムイオンがオゾン酸化可溶化液中のアンモニ
ア、リンの両者をMAPとして回収できるので好適であ
る。MAPは遅効性の肥料として著名な有価物である点
も理想的である。 【0013】リン酸イオンと金属イオンとの沈殿生成物
を回収したあとのリン回収槽14からの流出液12には
BOD成分が豊富に含まれているので、これを嫌気槽1
に添加すると原水のBOD/P比を高めることができ、
脱リン菌からのリン吐き出しが活発に起きる。なおオゾ
ン酸化によって可溶化しなかった残渣汚泥も生物分解性
が高まっているので嫌気槽1に供給し、生物処理工程内
でCO2 とH2 Oに分解する。 【0014】原水のBOD除去にともなって増殖した活
性汚泥は、オゾン酸化槽8、嫌気槽1および好気槽5
(沈殿槽5を経由する場合がある)をこの順序で循環す
ることによってほぼ完全に炭酸ガス、水に分解され系外
に排出すべき余剰汚泥はほぼゼロになる。オゾン酸化槽
8に供給する汚泥量は、嫌気槽1または好気槽5内にM
LSS測定器を設置し、活性汚泥MLSSが一定範囲
(例えば3000〜4000mg/lの範囲)に納まるよ
うに制御されれば良い。 【0015】他の好ましい実施の形態としては、図2に
示す本発明を組み込んだ工程のように、嫌気槽1に後続
して脱窒素槽および硝化槽を設け、生物脱リンと生物脱
窒素を同時に行なう方法である。循環スラリにより、硝
化槽で生じたNO3 - やNO2 - を脱窒素槽でN2 ガス
に還元する。 【0016】図2において、オゾン可溶化汚泥を嫌気槽
1に供給すると生物脱リン反応を促進できるだけでな
く、脱窒素槽におけるBOD/N比が高まり、脱窒素速
度が向上し脱窒素率も高まるという重要な効果がある。
生物脱リンと生物脱窒素を同時に行えるので、より良好
に原水を処理することが可能となる。 【0017】 【実施例】図1の工程にしたがって下水(平均水質を表
1に示す)を対象に本発明の実証試験を行なった。表2
に試験条件を示す。 【0018】 【表1】 表1 水温 22度 pH 7.1 SS 135 mg/l BOD 116 mg/l リン 5.4mg/l 【0019】 【表2】 表2 下水処理量 24 l/d 嫌気槽容積 1 l 好気槽容積 5 l 浮遊活性汚泥MLSS濃度 3000〜4000 mg/l 沈殿槽水面積負荷 25 mm/min 沈殿層からの返送汚泥量 20 l/d (オゾン酸化槽を経由しないもの) オゾン酸化槽容積 500 cc オゾン酸化汚泥量 1.5〜1.7 g-ss/d オゾン添加量 0.2〜0.3 gオゾン/d マグネシウムイオン添加量 0.12〜0.15 g/d (水酸化マグネシウム使用) 【0020】実験の結果、処理開始後2カ月後に処理状
況が安定状態になってからの沈殿槽からの処理水水質の
平均は表3のように高度にリン、BODが除去されてい
た。また余剰汚泥は1年間の試験の間、引き抜かなかっ
たが好気槽のMLSSは4000mg/l以下を維持した
ことから余剰汚泥の発生は無視少であることが判明し
た。 【0021】 【表3】 表3 SS 5 mg/l BOD 4 mg/l リン 0.8 mg/l 【0022】 【発明の効果】 1.生物学的脱リン法と化学的なリン除去法、オゾンに
よる汚泥可溶化法を新規に思想で結合した結果、余剰汚
泥の発生量をほぼゼロにでき、かつリン除去が安定して
行なわれる。 2.脱リン菌に摂取されたリンをMAPなどの有価資源
として回収できる。 【0023】3.脱リン菌の嫌気槽におけるリン吐き出
しに、オゾン可溶化によって生成した有機物を利用した
ので安定したリン吐き出し作用が行われる。 4.オゾン可溶化汚泥を嫌気槽1に供給すると生物脱リ
ン反応を促進できるだけでなく、脱窒素槽におけるBO
D/N比が高まり、脱窒素速度が向上し脱窒素率も高ま
る。
除去回収方法のフローチャートである。 【図2】本発明の他の一実施の形態である有機性汚水の
リン除去回収方法のフローチャートである。 【符号の説明】 1 嫌気槽 2 原水 3 沈殿槽 4 返送汚泥 5 好気槽 6 汚泥 7 沈殿した汚泥6の残りの汚泥 8 オゾン酸化槽 9 分離液 10 金属イオン 11 金属の添加で沈降したリンの分離回収 12 リン回収槽14からの流出液 13 好気槽からの汚泥の一部 14 リン回収槽
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 リン含有汚水を少くとも嫌気工程好気工
程をこの順に有する嫌気好気法により生物学的に脱リン
する方法において、好気工程に後続する活性汚泥の沈殿
工程から嫌気工程に返送される汚泥の一部または好気工
程から引き抜いた汚泥をオゾン酸化して可溶化した後、
リン酸イオンと沈殿生成反応を起こす金属イオンを添加
してリンを回収し、リンが除去された可溶化汚泥を嫌気
工程に供給することを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25360995A JP3442204B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 有機性汚水のリン除去回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25360995A JP3442204B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 有機性汚水のリン除去回収方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0994596A JPH0994596A (ja) | 1997-04-08 |
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Family
ID=17253754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25360995A Expired - Lifetime JP3442204B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 有機性汚水のリン除去回収方法 |
Country Status (1)
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- 1995-09-29 JP JP25360995A patent/JP3442204B2/ja not_active Expired - Lifetime
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