JP3335409B2 - 残響付加装置 - Google Patents
残響付加装置Info
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Description
り、特に2チャネルの自然な音場シミュレーションを行
なうことができる残響付加装置に関する。
ら、部屋の反射音の聴感上、自然な2チャネルの時間応
答(音源〜受音点のインパルス応答)を、設計段階で予
測推定する新しいアルゴリズムに関するもので、コンピ
ュータシミュレーションなどによって得られた2チャネ
ルの初期反射音の時系列データおよび音響設計時に得ら
れる残響時間周波数特性データを基に後部残響音の時系
列データを推定、付加して聴感上、自然な初期反射音以
降(後部残響音)を予測、模擬するものである。
反射音に続く後部残響音の付加を試行錯誤で行なってき
た(例えば、坂本史江他、「群馬シンフォニーホールの
音響シミュレーション」電子情報通信学会技術研究報
告、Vol.91、No.250(応用音響)、P4
6、平成3年9月27日発行を参照)。
追跡法(ray tracing method)や虚像法(image metho
d)なども知られている。
00の標準的な規模のコンサートホールなどの音場を、
音源から等立体角間隔で多数の音線を出して反射伝搬経
路を追跡計算することにより、初期反射音と、後部残響
音とを求めて聴感上、自然な初期反射音以降(後部残響
音)を予測、模擬する。
を幾何学的に求め、そこから観測点までの経路の作図
と、その全経路長について距離減衰を考慮して時系列の
インパルス応答を近似的に求めて初期反射音と、後部残
響音とを計算し、聴感上、自然な初期反射音以降(後部
残響音)を予測、模擬する。
法でも、膨大な計算量を必要とするため計算機の処理ス
ピードが飛躍的に向上した現在においてもかなり困難で
ある。
付加方法として、初期音部がモノラルの場合には、現在
の計算機でも実現できる確立した方法が存在する(例え
ば、三本他、「音場予測における後部残響音付加の最適
アルゴリズム」)。
ャネルの初期音部に聴感上、自然な残響音を付加するの
は、現在においてもかなり困難であった。
ルで模擬できる音源から受音点の左右両耳に到達する2
チャネルの初期反射音(例えば、直接音到来後から遅れ
時間100ms以内の反射音)と、室形、内装材料の吸
音率などから予測できる部屋の残響時間周波数特性とを
基に、聴感上、自然な初期反射音以降の反射音(後部残
響音)を予測して模擬することができる残響付加装置を
提供することを目的としている。
めに本発明による残響付加装置は、音場シミュレーショ
ンに基づいて模擬しようとする室の音源から受音点にお
ける左右両耳までの2チャネルの帯域別の初期反射イン
パルス応答を求める第1の手段と、模擬しようとする室
の残響時間周波数特性を各チャネル毎に求め、求められ
た残響時間周波数特性を満たすように、各帯域毎に乱数
系列の異なるパルス列a(t),b(t)を求める第2
の手段と、左右各帯域毎の後部残響インパルス応答Rl
(t),Rr(t)を以下の式により求める第3の手段
と、 Rl(t)=a(t)+α・b(t) Rr(t)=α・a(t)+b(t) 初期反射インパルス応答Pl(t),Pr(t)に基づ
く初期反射音の相互相関係数と後部残響インパルス応答
Rl(t),Rr(t)に基づく後部残響音の相互相関
係数とが一致するように定数αの値を求め、左右各帯域
毎の後部残響インパルス応答Rl(t),Rr(t)を
決定する第4の手段と、左右各帯域毎に、初期反射イン
パルス応答Pl(t),Pr(t)と後部残響インパル
ス応答Rl(t),Pr(t)とを合成する第5の手
段、合成された各帯域毎のインパルス応答を合成して左
右の模擬インパルス応答を求める第6の手段とを備えた
ことを特徴としている。
づいて模擬しようとする室の音源から受音点における左
右両耳までの2チャネルの帯域別の初期反射インパルス
応答を求める。また、模擬しようとする室の残響時間周
波数特性を各チャネル毎に求め、求められた残響時間周
波数特性を満たすように、各帯域毎に乱数系列の異なる
パルス列a(t),b(t)を求める。さらに、左右各
帯域毎の後部残響インパルス応答Rl(t),Rr
(t)を以下の式により求める。 Rl(t)=a(t)+α・b(t) Rr(t)=α・a(t)+b(t) そして、初期反射インパルス応答Pl(t),Pr
(t)に基づく初期反射音の相互相関係数と後部残響イ
ンパルス応答Rl(t),Rr(t)に基づく後部残響
音の相互相関係数とが一致するように定数αの値を求
め、左右各帯域毎の後部残響インパルス応答Rl
(t),Rr(t)を決定し、左右各帯域毎に、初期反
射インパルス応答Pl(t),Pr(t)と後部残響イ
ンパルス応答Rl(t),Pr(t)とを合成し、合成
された各帯域毎のインパルス応答を合成して左右の模擬
インパルス応答を求める。このように本発明は、限られ
たデータから、部屋の反射音の聴感上、自然な2チャネ
ルの時間応答(音源〜受音点のインパルス応答)を、設
計段階で予測推定する新しい装置であり、音場シミュレ
ーションなどによって得られた2チャネルの初期反射音
の時系列データおよび音響設計時に得られる残響時間周
波数特性データを基に後部残響音の時系列データを推
定、付加して聴感上、自然な初期反射音以降(後部残響
音)を予測、模擬する。
が適用されたシミュレーションシステムの一例を示すブ
ロック図である。
は、室形データ入力部1と、ドライソース部2と、計算
部3と、右チャネルD/A変換部4と、左チャネルD/
A変換部5と、ヘッドホン6とを備えており、室内音響
設計時に予測し得る、音源から受音点の左右両耳までの
2チャネルの初期反射音応答および部屋の残響時間周波
数特性の情報のみを用いて、左右2チャネルの初期音部
間の相関係数と、左右2チャネルの後部残響音部の相関
係数とを一致させることにより、聴感上、初期反射音以
降の自然な反射音(後部残響音)を予測して模擬する。
装材料の吸音率および室容量などの室形データなどが入
力されたとき、これを取り込んで計算部3に供給する。
(各周波数帯域毎に)、時間軸方向に対し、乱数系列の
異なる一様乱数を発生し、これを計算部3に供給する。
プロセッサなどのCPUやこのCPUの動作を規定する
プログラムおよび各種の定数データなどが格納されてい
るROM、前記CPUの作業エリアなどとして使用され
るRAMなどを備えており、前記ROMに格納されてい
るプログラムによって前記室形データ入力部1から出力
される各種のデータおよび前記ドライソース部2から出
力される信号を取り込んで右チャネルの初期反射音を生
成する処理10や左チャネルの初期反射音を生成する処
理11、右チャネルの後部残響音を生成する処理12、
左チャネルの後部残響音を生成する処理13、右チャネ
ルの初期反射音と後部残響音とを加算する処理14、左
チャネルの初期反射音と後部残響音とを加算する処理1
5、右チャネル側の畳み込み演算処理16、左チャネル
側の畳み込み演算処理17などの処理を行ない、これら
の各処理によって模擬されたデジタル形式の右チャネル
音信号を右チャネルD/A変換部4に供給し、また各処
理によって模擬されたデジタル形式の左チャネル音信号
を左チャネルD/A変換部5に供給する。
回路20によって前記計算部3から出力される右チャネ
ル音信号を取り込むとともに、これをD/A変換してア
ナログ形式の右チャネル音信号を生成した後、増幅回路
21によって前記右チャネル音信号を増幅し、これをヘ
ッドホン6の右チャネル側スピーカ23から音として出
力させる。
A変換回路24によって前記計算部3から出力される左
チャネル音信号を取り込むとともに、これをD/A変換
してアナログ形式の左チャネル音信号を生成した後、増
幅回路25によって前記左チャネル音信号を増幅し、こ
れをヘッドホン6の左チャネル側スピーカ26から音と
して出力させる。
ながら、この実施例の動作を説明する。
入力された室壁面の面積、内装材料の吸音率および室容
量などの室形データ、音源位置、受音点における左右両
耳の位置などを使用し、音場シミュレーションとして一
般的に用いられる音線追跡法または虚像法を用いて音源
から受音点における左右両耳までの2チャネルのインパ
ルス応答を求める。この際、反射音を求める範囲は、実
用的な見地から、直接音到来後の時間遅れ(以降、DT
と称する)100ms程度の初期部分(初期反射音)と
する(ステップST1)。
関係が図4(a)に示す如く設定されているとき、図4
(b)に示す如く左チャネルの初期反射音と、右チャネ
ルの初期反射音とが得られる。
反射音部分にバンドパスフィルタ(BFP)30をかけ
て、それぞれのバンドにおける時刻DTにおける後部残
響音の開始レベルL(DT)を求める(ステップST
2)。
(DT)は各チャネル毎に、時刻DTを基準として10
ms以前から時刻DTまでの間の初期反射音の振幅の最
大値が求められ、これらの各最大値のうち、どちらか小
さい方の値が共通で使用される。
(b)に示す状態のとき、図4(c)に示す如く左右チ
ャネルの開始レベルL(DT)が決まる。
まず室形データ入力部1から入力された室壁面の面積、
内装材料の吸音率および室容量などから室の残響時間を
求めるEyringの公式を用いて、図4(d)に示す
如く模擬しようとする室の残響時間周波数特性を求める
(ステップST3)。
ってそれぞれのバンドで時間軸方向に一様乱数を発生さ
せるとともに、これらの一様乱数によって得られたパル
ス列と、前記残響時間周波数特性とに基づいて図4
(e)に示す如く乱数系列の異なる所定の残響エンベロ
ープを持つパルス列を演算した後、バンドパスフィルタ
をかけて各バンド毎に2種類のパルス列a(t)、b
(t)を作る(ステップST4)。
音部をそれぞれ次式に示す如く定義し、図4(f)に示
す如く各バンド毎に残響音を作る。
左チャネルの残響音部 Rr(t)=α・a(t)+b(t) …右チャネルの
残響音部 この後、計算部3は次式に示す如く初期音部の相互相関
係数および残響音部の相互相関係数を計算するととも
に、図4(g)、(h)に示す如く初期音部の左右チャ
ネルの相互相関係数と、残響音部の左右チャネルの相互
相関係数とが一致するように、定数αの値を繰り返し調
整する(ステップST5)。
関係数とを一致させる定数αが求められれば、計算部3
は図4(i)に示す如く図4(c)に示す初期音部と、
上述した動作によって得られた残響音部とを帯域毎に付
加した後、図4(j)に示す如く各チャネル毎に、各バ
ンドの音を合成して聴感上、自然な音を作り、これを右
チャネルD/A変換部4、左チャネルD/A変換部5に
各々、供給してヘッドホン6の右チャネル側スピーカ2
3、左チャネル側スピーカ26から出力させる。
響設計時に予測し得る、音源から受音点の左右両耳まで
の2チャネルの初期反射音応答および部屋の残響時間周
波数特性の情報のみを用い、左右2チャネルの初期音信
号間の相関と、後部残響音の左右信号の相関とを一致さ
せるようにしたので、実用的なレベルで、聴感上、自然
な初期反射音以降の反射音(後部残響音)を予測して模
擬することができる。
により、設計段階で後部残響音を予測して模擬すること
ができることから、従来困難であった2チャネルインパ
ルス応答を容易に模擬することができ、将来の多チャネ
ル音場シミュレーションとして使用することができる。
2チャネルの初期反射音応答および部屋の残響時間周波
数特性の情報のみによって、聴感上、自然な2チャネル
音を模擬することができることから、音源から受音点の
左右両耳までの2チャネルの初期反射音応答および部屋
の残響時間周波数特性の情報のみを用いて実際の2チャ
ネル音を高能率で圧縮しても、圧縮された音データおよ
び音源から受音点の左右両耳までの2チャネルの初期反
射音応答および部屋の残響時間周波数特性の情報などに
基づいて実際の音場における音を模擬することができ
る。
用的なレベルで模擬できる音源から受音点の左右両耳に
到達する2チャネルの初期反射音(例えば、直接音到来
後から遅れ時間100ms以内の反射音)と、室形、内
装材料の吸音率などから予測できる部屋の残響時間周波
数特性を基に、聴感上、自然な初期反射音以降の反射音
(後部残響音)を予測して模擬することができる。
適用されたシミュレーションシステムの一例を示すブロ
ック図である。
を示すフローチャートである。
(DT)決定動作例を示す模式図である。
示す模式図である。
る処理 15 左チャネルの初期反射音と後部残響音とを加算す
る処理 16 右チャネル側の畳み込み演算処理 17 左チャネル側の畳み込み演算処理 20 D/A変換回路 21 増幅回路 23 右チャネル側スピーカ 24 D/A変換回路 25 増幅回路 26 左チャネル側スピーカ
Claims (1)
- 【請求項1】 音場シミュレーションに基づいて模擬し
ようとする室の音源から受音点における左右両耳までの
2チャネルの帯域別の初期反射インパルス応答を求める
第1の手段と、 模擬しようとする室の残響時間周波数特性を各チャネル
毎に求め、求められた残響時間周波数特性を満たすよう
に、各帯域毎に乱数系列の異なるパルス列a(t),b
(t)を求める第2の手段と、 左右各帯域毎の後部残響インパルス応答Rl(t),R
r(t)を以下の式により求める第3の手段と、 Rl(t)=a(t)+α・b(t) Rr(t)=α・a(t)+b(t) 初期反射インパルス応答Pl(t),Pr(t)に基づ
く初期反射音の相互相関係数と後部残響インパルス応答
Rl(t),Rr(t)に基づく後部残響音の相互相関
係数とが一致するように定数αの値を求め、左右各帯域
毎の後部残響インパルス応答Rl(t),Rr(t)を
決定する第4の手段と、 左右各帯域毎に、初期反射インパルス応答Pl(t),
Pr(t)と後部残響インパルス応答Rl(t),Pr
(t)とを合成する第5の手段、 合成された各帯域毎のインパルス応答を合成して左右の
模擬インパルス応答を求める第6の手段と、 を備えたことを特徴とする残響付加装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05207693A JP3335409B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 残響付加装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05207693A JP3335409B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 残響付加装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06266379A JPH06266379A (ja) | 1994-09-22 |
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ID=12904734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05207693A Expired - Fee Related JP3335409B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 残響付加装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3335409B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
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AUPQ941600A0 (en) * | 2000-08-14 | 2000-09-07 | Lake Technology Limited | Audio frequency response processing sytem |
JP4062959B2 (ja) | 2002-04-26 | 2008-03-19 | ヤマハ株式会社 | 残響付与装置、残響付与方法、インパルス応答生成装置、インパルス応答生成方法、残響付与プログラム、インパルス応答生成プログラムおよび記録媒体 |
KR100573971B1 (ko) * | 2003-11-19 | 2006-04-26 | 학교법인 한양학원 | 가상 공간의 벽면의 재질 특성을 고려한 임펄스 응답시스템 및 방법 |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP05207693A patent/JP3335409B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06266379A (ja) | 1994-09-22 |
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