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JP3333729B2 - 電磁シールド性能を有する窓構造 - Google Patents

電磁シールド性能を有する窓構造

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JP3333729B2
JP3333729B2 JP35899697A JP35899697A JP3333729B2 JP 3333729 B2 JP3333729 B2 JP 3333729B2 JP 35899697 A JP35899697 A JP 35899697A JP 35899697 A JP35899697 A JP 35899697A JP 3333729 B2 JP3333729 B2 JP 3333729B2
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antenna element
linear antenna
radio wave
sash frame
electromagnetic shielding
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淳一 平井
公雄 川崎
修一 ▲高▼坂
元康 冨樫
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Kajima Corp
Nippon Sheet Glass Environment Amenity Co Ltd
Original Assignee
Kajima Corp
Nippon Sheet Glass Environment Amenity Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物や自動車や列
車等の乗り物の窓や間仕切りやボックス等の什器の窓
で、電磁シールド性能を持つものに関する。
【0002】
【従来の技術】採光性・可視性を損なうことなく、しか
も必要な周波数の電波帯のみを選択して電磁シールドが
可能な窓ガラス1として、図12に示すように、遮蔽しよ
うとする電波の周波数(波長)に対応した長さの線状ア
ンテナ素子5を電磁界反射等価面積または体積を考慮し
て窓ガラス1上に規則的に配列させ、この線状アンテナ
素子5で電波を減衰させることとしたものが提案されて
いる。図中2は金属製サッシ枠である。
【0003】この原理を先に説明すると、導体片が空中
にある場合、図14に示すようにこの面に電波が入射する
と、1部は反射、1部は吸収、残りは透過する。この導
体片による電波の減衰量は導体片の形状や大きさによっ
て異なる。この導体片を端部が開放の線状アンテナ素子
(ダイポール)としたとすれば、電波を反射するととも
に一部は吸収される。
【0004】図15に示すように、平面電磁界に平行に置
かれた半波長(λ/2)の線状アンテナ素子3はアンテ
ナ素子の金属部分の面積のみが電磁波エネルギーを受信
するのではなく、金属面の近傍の電磁界を吸い取ってい
る。その広がりは均一ではないが等価断面積Aeは、下
記式1で計算値が表示される。
【0005】
【式1】Ae≒0.13λ2 (λ/2×λ/4の面積)
【0006】この受信された電磁波エネルギーは大部分
が反射され、約1/4が電力として受信される。これが
実効開口である。
【0007】図16に示すように、このような半波長(λ
/2)の線状アンテナの受信入力抵抗を短絡すると、理
想的な損失のないアンテナ素子であれば、空間に電力が
すべて反射(散乱)され、その等価な面積は前記の実効
開口の4倍になり、このような線状アンテナ素子3によ
る素子を前記反射等価面積4×Aeに応じて図17に示す
ように窓ガラス1に配列すれば、あたかも金属膜を貼っ
たのと同様な電波反射効果を示す。アンテナ素子は一般
に周波数依存性をもつが、その特性と受信端抵抗=0が
この線状アンテナ素子3による素子の基本動作であり、
もし線状アンテナに損失があれば、電波の一部は電力と
してアンテナ損失抵抗に吸い取られる。
【0008】しかも線状アンテナ素子3は散在するもの
なので、窓ガラス1の採光性・可視性を損なうこともな
い。なお、線状アンテナ素子3をなす導線の太さは視界
の妨げにならないように細く、かつ損失の少ないものを
選択する。
【0009】しかし、図17に示すように線状アンテナ素
子3を横一列に配置するのでは、水平偏波のみにしか共
振せず実際の電波の偏波面がこのように横一列でない、
様々な偏波面の電波には対応できない。そこで線状アン
テナ素子3はこれを図12、図13に示すような細い線によ
り、中心5aから均等角で放射状にでる等しい長さ辺5
bを3本設けたY字形の素子である端部開放形状の線状
アンテナ素子5とした。線状アンテナ素子5は遮蔽しよ
うとする電磁波の波長をλ、ガラス面に線状アンテナ素
子を配列した時の等価比誘電率をεq とした場合、一辺
の長さが略λ/(4√εq )の横Y字形素子である。
【0010】このように形状をY字形として3方に伸び
るようにすれば、電波の偏波面がどのような傾きを持つ
としてもいずれかの素子と共振するので、問題を解消で
きる。さらにこの線状アンテナ5を配置するのに、各辺
5bの端を隣接する線状アンテナ5の中心5aに近づけ
て配列し、全体を魚鱗状の模様に近くなるようにした。
【0011】なお、前記線状アンテナ素子5を設ける窓
ガラス1としては、フロート板ガラスまたは熱線吸収ガ
ラス等がよく、またガラス表面またはガラス板間に線状
アンテナ素子5をこのアンテナ素子が有する電磁界反射
等価面積を考慮して定期的に配列させる方法としては、
銀、銅、金などの金属ペーストシルク印刷や導電性フィ
ルム膜の貼り付けによる方法や金属線による素子を接着
などで設置する方法も考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、線状アンテ
ナ素子5を配置して電磁遮蔽を行う窓ガラスの場合は、
この線状アンテナ素子5は電気的な接触がなくても(隙
間があっても)遮蔽できるが、前記金属製サッシ枠2と
の関係では、金属製サッシ枠2(のポケット)内に入り
込む線状アンテナ素子5′には直接電磁波はこないが、
隣接する線状アンテナ素子5にきた電磁波が散乱してこ
の線状アンテナ素子5′に到達し、さらに金属製サッシ
枠2の内壁面等で反射して空洞共振し、反対側に抜けて
しまう。このような無効素子となる線状アンテナ素子
5′が位置を占める窓ガラス1の周囲部分では期待され
る電磁遮蔽効果が得られないものとなる。
【0013】なお、図18に示すように窓ガラス1の周囲
部分で金属製サッシ枠2のポケット内に入る部分には線
状アンテナ素子5を設けないようにすれば、線状アンテ
ナ素子5が金属製サッシ枠2のポケット内に入ることを
防止できるが、これでは線状アンテナ素子5の配置面と
金属製サッシ枠2との間の間隔が広くなり、金属製サッ
シ枠2に接触する導電膜6でこの間隔を埋めなければな
らない。このような導電膜6の配設はエレメントの配置
パターンが難しく極めて面倒である。
【0014】また、特開平3-131094号公報などにも見ら
れるようなシーリング材9を導電性のものとしてこれで
金属製サッシ枠2内をシールすることも検討されるが
(図3参照)、この導電性のシーリング材9は線状アン
テナ素子5′と隣接する線状アンテナ素子5とを短絡す
ることになり、欠損素子を増すだけで電磁遮蔽効果を確
保するのに全く意味をなさない。また、導電性のシーリ
ング材9は高価であり、しかも施工が困難である。図3
中、11はバックアップリングを示す。
【0015】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、線状アンテナ素子を配置して電磁遮蔽を行う窓ガラ
スと金属製サッシ枠との取り合いで、線状アンテナ素子
が金属製サッシ枠のポケット内に入り込みむ場合でも、
簡単な構成を付加することで、これが無効素子とならな
いようにして、窓ガラス周囲の電磁遮蔽性能を確保でき
る電磁シールド性能を有する窓構造を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、遮蔽しようとする電波に共振させる長さの線
状アンテナ素子を電磁遮蔽素子として、その素子の電磁
界反射等価面積(散乱開口面積)または電磁界反射等価
体積(散乱開口体積)を考慮して規則的に配列させた窓
ガラスを金属製サッシ枠に嵌め込むのに、窓ガラスと金
属製サッシ枠間に電波吸収体を充填することを要旨とす
るものである。
【0017】本発明によれば、窓ガラスと金属製サッシ
枠間に電波吸収体を充填することで、電波吸収体の挿入
・損失については、第1に、挿入損失が大きく、第2
に、共振係数:Q=ωL/R(抵抗分)が低下して共振
がしにくくなり、、ガラス端部の金属性サッシの存在を
無くし、あたかもガラス端部を自由空間並みに電波開放
したとの同じような状態とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
ついて詳細に説明する。図1は本発明の電磁シールド性
能を有する窓構造の1実施形態を示す要部の縦断側面
図、図2は同上斜視図で、図中1は窓ガラス、2は金属
製サッシ枠を示し、窓ガラス1は遮蔽しようとする電波
の周波数に対応した長さの線状アンテナ素子5を電磁界
反射等価面積または体積を考慮して窓ガラス1上に規則
的に配列させ、この線状アンテナ素子5で電波を減衰さ
せることとしている。
【0019】なお、線状アンテナ素子は前記のごとき端
部開放型の素子の他に環状型の素子または端部開放型の
素子と環状型の素子の組合せによるものでもよい。
【0020】図中7は通常窓ガラス1を金属製サッシ枠
2のポケット内に固定するためのセッティングブロック
で、このセッティングブロック7が金属製サッシ枠2の
ポケットの奥で窓ガラス1の端を押さえているとして、
本実施形態前記ポケット内で窓ガラス1と金属製サッシ
枠2間の隙間のうち両側に電波吸収体8を充填した。図
中10はシーリング材、11はバックアップリングである。
【0021】このような電波吸収体8は電波吸収特性を
有する誘電性材料であり、カーボンゴム・カーボン含有
発泡ウレタン,カーボン含有発泡ポリスチロール、また
は、耐環境性(耐湿性、耐衝撃性等)に優れたエポキシ
変性ウレタンゴムに損失材料として炭素粒子(カーボン
ブラック)を混入したゴムシートなどが挙げられる。市
販の製品としては「ECCOSORB(エコソープ)」
(E&Cエンジニアリング株式会社の商品名)が好適で
ある。
【0022】「ECCOSORB(エコソープ)」のL
Sタイプ・26と称されるものの特性を下記表1に示
す。
【0023】
【0024】また、他の実施形態として電波吸収体8は
前記ポケット内で窓ガラス1と金属製サッシ枠2間の隙
間のうち片側のみに充填するようにしてもよい。
【0025】本発明の効果を試すため、図3に示すよう
な電波吸収体8の無い場合との比較を図4〜図11に示
す。この実験装置としては縦横560mm 開口の金属製サッ
シ枠に縦横600 mm、厚さ8mmのガラスを嵌め込み、この
ガラスの表面には線状アンテナ素子5が印刷してあり、
また、金属製サッシ枠のポケット幅は30mmとしてこの中
に電波吸収体8をガラスの片側または両側に挿入した。
【0026】図4は携帯電話のアンテナを縦にした垂直
偏波で、線状アンテナ素子5はこれを図18に示すように
縦向きにした場合であり、図5は同上横向きにした場
合、図6は携帯電話のアンテナを水平にした水平偏波
で、線状アンテナ素子5が縦向きの場合、図7は同上横
向きにした場合で、これらはいずれも電波吸収体8をガ
ラスの片側のみに挿入した場合である。
【0027】図8〜図11は電波吸収体8をガラスの両側
に挿入した場合で、図8は垂直偏波で線状アンテナ素子
5が縦向き、図9は垂直偏波で線状アンテナ素子5が横
向き、図10は水平偏波で線状アンテナ素子5が縦向き、
図11は線状アンテナ素子5が横向きの場合である。
【0028】これらの測定結果からも判るように、電波
吸収体8を入れた効果はこれを入れない場合と片側のみ
に入れた場合とを比較して17dB程度遮蔽性能が低下す
ることにより、減衰効果があることが判る。
【0029】電波吸収体8を両側にいれた場合は入れな
い場合に比較して30dB程度遮蔽性能が向上することに
より十分な減衰効果があることが判る。
【0030】なお、この電波吸収体8はバックアップリ
ングやセッティングブロック材等を兼用するものでもよ
い。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように本発明の電磁シールド
性能を有する窓構造は、線状アンテナ素子を配置して電
磁遮蔽を行う窓ガラスと金属製サッシ枠との取り合い
で、線状アンテナ素子が金属製サッシ枠のポケット内に
入り込む場合でも、簡単な構成を付加することで、ポケ
ット内での共振係数を下げて、金属による電磁波の反射
をなくし、窓ガラス周囲端部があたかも自由開放端のよ
うなものとし、その結果、当該線状アンテナ素子が遮蔽
性能を低下させる素子とならないようにして、窓ガラス
周囲の電磁遮蔽性能を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁シールド性能を有する窓構造の1
実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の電磁シールド性能を有する窓構造の1
実施形態を示す斜視図である。
【図3】電波吸収材を配置しない場合の窓構造の縦断側
面図である。
【図4】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が片側、垂直偏波、線状アンテナ素子縦向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図5】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が片側、垂直偏波、線状アンテナ素子横向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図6】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が片側、水平偏波、線状アンテナ素子縦向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図7】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が両側、水平偏波、線状アンテナ素子横向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図8】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が両側、垂直偏波、線状アンテナ素子縦向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図9】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収体
が両側、垂直偏波、線状アンテナ素子横向きの場合の電
波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図10】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収
体が両側、水平偏波、線状アンテナ素子縦向きの場合の
電波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図11】本発明の効果を試すための実験で、電波吸収
体が両側、水平偏波、線状アンテナ素子横向きの場合の
電波吸収体の無い場合との比較を示すグラフである。
【図12】電磁シールド性能を有する窓ガラスの斜視図
である。
【図13】電磁シールド性能を有する窓ガラスの要部の
正面図である。
【図14】導電体を線状アンテナ素子(短絡型ダイポー
ル)とした場合の斜視図である。
【図15】導電体を線状アンテナ素子(短絡型ダイポー
ル)とした場合のその1の電磁界反射等価面積の説明図
である。
【図16】導電体を線状アンテナ素子(短絡型ダイポー
ル)とした場合のその2の電磁界反射等価面積の説明図
である。
【図17】線状アンテナ素子を配置した窓ガラスの正面
図である。
【図18】電磁シールド性能を有する窓ガラスで金属製
サッシ枠と線状アンテナ素子の関係を考慮する従来例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1…窓ガラス 2…金属製サッ
シ枠 3…線状アンテナ素子 4…線状アンテ
ナ素子 5,5′…線状アンテナ素子 5a…中心 5b…辺 6…導電膜 7…セッティン
グブロック 8…電波吸収体 9…シーリング
材 10…シーリング材 11…バックアッ
プリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨樫 元康 神奈川県川崎市麻生区白山3−1−1− 504 審査官 柴沼 雅樹 (56)参考文献 特開 平8−330783(JP,A) 特開 平3−92003(JP,A) 特開 平9−162589(JP,A) 特開 平8−184668(JP,A) 特開 平5−129819(JP,A) 特開 平9−223891(JP,A) 特開 平3−228850(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00 E06B 5/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮蔽しようとする電波に共振させる長さ
    の線状アンテナ素子を電磁遮蔽素子として、その素子の
    電磁界反射等価面積(散乱開口面積)または電磁界反射
    等価体積(散乱開口体積)を考慮して規則的に配列させ
    た窓ガラスを金属製サッシ枠に嵌め込むのに、窓ガラス
    と金属製サッシ枠間に電波吸収体を充填することを特徴
    とする電磁シールド性能を有する窓構造。
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