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JP3326343B2 - 太陽電池セルを製造するための方法と治具 - Google Patents

太陽電池セルを製造するための方法と治具

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Publication number
JP3326343B2
JP3326343B2 JP32946896A JP32946896A JP3326343B2 JP 3326343 B2 JP3326343 B2 JP 3326343B2 JP 32946896 A JP32946896 A JP 32946896A JP 32946896 A JP32946896 A JP 32946896A JP 3326343 B2 JP3326343 B2 JP 3326343B2
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boat
solar cell
diffusion
diffusion boat
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健也 木村
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Sharp Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池セルの製造
方法に関し、特に、スピン塗布法を利用して太陽電池用
半導体基板の受光面に拡散層を形成する方法において、
簡略な工程で半導体基板の裏面へのドーパント剤の拡散
を防止することができる太陽電池セルの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図15から図25を参照して、従来の単
結晶基板型太陽電池セルの製造工程の一例を説明する。
【0003】まず、図15において、(100)の結晶
面からなる主面を有するp型単結晶Si基板1が用意さ
れる。
【0004】図16において、異方性エッチングによっ
て基板1の両主面が微細なピラミッド状の凹凸を含むテ
クスチャ表面2に変換される。このテクスチャ表面2
は、基板1内に入射した光を基板1内に閉じ込めるよう
に作用する。
【0005】図17において、リン等の拡散源およびチ
タン等の反射防止膜源を含むドーパント剤3が、基板1
の受光面側からスピン塗布法によって塗布される。この
スピン塗布法においては、まず、図21に示されている
ように静止した基板1の中央部にドーパントノズル5か
ら一定量のドーパント剤3が吐出される。そして、図2
2で示されているように、ドーパントノズル5を退避さ
せた後に基板1を約5000rpmで高速回転させ、表
面テクスチャ2が形成された基板1の受光面上全体にド
ーパント剤3を均一に広げかつ溶剤成分を乾燥させる。
このとき、図23に示されているように、余分なドーパ
ント剤が瞬間的に基板1の周辺7に集まり、特にコーナ
部7a近傍においては高速回転によって基板の裏面に巻
き込まれたドーパント剤の回り込み部分6が発生する。
【0006】このようにしてドーパント剤が塗布された
複数の半導体基板は図24に示されているように、石英
ボート16上で一定の方向に整列して配置され、約90
0℃の高温の炉内で数十分間熱処理される。このとき、
炉内では矢印15で示されているようにN2 ,O2 等の
雰囲気ガスが流されており、たとえば第1の基板の受光
面19は第2の基板の裏面20と近接して対面してい
る。高温の炉内では拡散源は雰囲気中にも拡散して、矢
印18で示されているように隣のセルの裏面20に到達
したり、矢印17で示されているようにガスの流れに含
まれて基板の間に流入したりする。
【0007】その結果、図18に示されているように、
熱処理の終えた半導体基板1の受光面にはn+ 拡散層1
1およびチタン等を含む反射防止膜12が形成されるの
みならず、ドーパント剤の回り込みによって基板1の裏
面の周縁部にn+ 拡散層部分11aと熱処理炉内で雰囲
気拡散されたドーパント剤による裏面の薄いn型拡散層
14が形成される。
【0008】図19において、印刷法によって基板1の
裏面にアルミ電極21と銀電極22が形成され、基板1
の受光面上には銀電極23が形成される。このとき、基
板1の裏面におけるn+ 拡散層部分11aとn型拡散層
14が基板1の裏面のアルミ電極21と接触する。
【0009】その後、図20に示されているように、高
温の熱処理によって金属電極21,22および23とS
i基板1との電気的コンタクトが形成される。すなわ
ち、この熱処理の間に受光面上の銀電極23は反射防止
膜12を貫通してn+ 拡散層11と接合する電極とな
る。他方、裏面上のアルミ電極からはAl原子がSi基
板内に拡散しp+ 拡散層25を形成するが、このときに
裏面のn+ 層領域11aおよびn型拡散層14とp+
散層25とが接触している部分でp/nショート部分2
6が生じる。
【0010】図23からわかるように、丸型インゴット
から切出した擬似四辺形単結晶Si基板(たとえば直径
が約150mmの丸型インゴットから切出されて約12
5mmの1辺を有する四辺形の基板)の周縁部7には少
しの円弧部分7aが残っているが、その近傍でドーパン
ト剤の回り込み6が存在し、アルミ電極21と接触す
る。
【0011】最後に、図20に示されているように、銀
電極22および23のそれぞれにはんだ被覆22aおよ
び23aを施すことによって太陽電池セルが完成する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の製
造方法による太陽電池セルにおいては、セルの裏面にお
けるp/nショート部分によって太陽電池セルの暗電流
が増加し、曲線因子が悪くなって最大出力が少し低くな
るという課題がある。
【0013】また、光が低照度の場合は、さらに開放電
圧VOCが暗電流による並列抵抗の影響を受け、暗電流が
大きい太陽電池セルは低照度における発電量が多少低く
なる。
【0014】さらに、セルの裏面におけるp/nショー
ト部分は、たとえば拡散処理後に受光面にレジストや耐
酸性テープ等でカバーを形成した後に硝酸とフッ酸の混
酸等で裏面のSiをエッチングし、その後に受光面側の
カバーを剥離する工程を採用すればかなり完全にp/n
接合を分離することができるが、そのような付加的な工
程は今日の住宅用太陽電池セルの大量生産には向かず、
製造コストも高くなる。
【0015】このような先行技術における課題に鑑み、
本発明は、比較的簡易にかつ低コストで十分な光電変換
特性を有する太陽電池セルを製造することができる方法
を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様によ
れば、拡散ボートに太陽電池用半導体基板をセットする
方法において、水平方向に対して少し傾斜を付けて置か
れた拡散ボートの1つの溝に関して、(a)第1の主面
にドーパント剤が塗布された第1の半導体基板を第1の
搬送アームで吸着搬送してステージ上に置き、(b)第
1半導体基板を第2の搬送アームで吸着搬送して、第1
主面が少し下を向くように傾斜させて拡散ボートの溝に
第1半導体基板をセットし、(c)第1の主面にドーパ
ント剤が塗布された第2の半導体基板を第1搬送アーム
で吸着搬送して、そのアームの先端部を180°回転さ
せることによって第2半導体基板の第1と第2の主面を
反転させてステージ上に置き、(d)第2半導体基板を
第2搬送アームで吸着搬送し、第1半導体基板が傾斜し
てセットされているので、第1と第2の半導体基板の端
面同士が突き当たることなく、第1と第2の半導体基板
の第2の主面同士が隣接して重なるように第2半導体基
板を拡散ボートの溝にセットし、拡散ボートの順次の溝
の各々に関して前記ステップ(a)から(d)を繰返す
ことを特徴としている。本発明の他の態様によれば、拡
散ボートに太陽電池用半導体基板をセットする方法にお
いて、水平方向に対して少し傾斜を付けて置かれた拡散
ボートの1つの溝に関して、(a)第1の主面にドーパ
ント剤が塗布された第1の半導体基板を搬送アームで吸
着搬送して第1主面が少し下を向くように傾斜させて前
記拡散ボートの溝に第1半導体基板をセットし、(b)
第1の主面にドーパント剤が塗布された第2の半導体基
板を前記搬送アームで吸着搬送するとともに、そのアー
ムの先端部を回転させて第2半導体基板の第1主面をボ
ート中の第1半導体基板の第1主面と反対方向に向け、
その後に、第1半導体基板が傾斜してセットされている
ので第1と第2の半導体基板の端面同士が突き当たるこ
となく、第1と第2の半導体基板の第2の主面同士が隣
接して重なるように第2半導体基板を拡散ボートの溝に
セットし、拡散ボートの順次の溝の各々に関してステッ
プ(a)と(b)を繰返すことを特徴としている。本発
明のさらに他の態様によれば、拡散ボートから太陽電池
用半導体基板を移 送する方法において、拡散ボートの1
つの溝内で裏面同士が接して重なるようにセットされた
第1と第2の半導体基板の受光面を挟むように第1の搬
送アームで吸着してボートから第1と第2の半導体基板
を同時に取出してステージ上に置き、ステージに接して
いる第2の半導体基板を吸着固定して第2の搬送アーム
で第1の半導体基板を吸着スライドさせて第2半導体基
板から分離させるとともに次の処理ステーションに送
り、第3の搬送アームで第2半導体基板を吸着してその
受光面と裏面を反転させるとともに次の処理ステーショ
ンへ送ることを特徴としている。本発明のさらに他の態
様によれば、太陽電池用半導体基板を熱処理するための
拡散ボートにおいて、各々が1つの半導体基板を受入れ
るための複数の溝と、溝の各々にセットされた半導体の
裏面全体と接するシールド板とを備え、シールド板は半
導体基板の受光面に拡散処理が施される間に裏面にドー
パントが拡散されることを防止するように働くことを特
徴としている。
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下において、図面を参照しつ
つ、本発明における太陽電池セルの製造方法に関する種
々の実施の形態が説明される。
【0019】まず図1において、先行技術における場合
と同様に(100)の主面を有する半導体基板1が用意
され、その両主面にテクスチャ構造2が形成される。そ
して、リン等の拡散源およびチタン等の反射防止膜源を
含むドーパント剤3が基板1の受光面上にスピン法によ
って塗布される。このとき、図21の場合と同様に静止
した基板の受光面の中央にドーパントノズルから所定量
のドーパント剤が吐出され、そのドーパントノズルが退
避させられた後に図22の場合と同様に約5000rp
mの回転数で基板1が回転させられ、ドーパント剤3は
基板1の受光表面上に均一に薄く広げられて溶剤成分が
乾燥させられる。
【0020】その後、基板1の回転数が約1000rp
mに下げられて、図5に示されているようにノズル31
からドーパントリンス液30が基板の裏面に吹き付けら
れ、その裏面に発生したドーパント剤の回り込みが除去
される。そして、基板1は再度約5000rpmの高速
で回転させられて、ドーパントリンス液が乾燥させられ
る。なお、ドーパントリンス液30の吹き付けは受光面
上のドーパント剤が乾燥された後に行なわれるので、受
光面上のドーパント剤の固化等の変質が発生することは
ない。また、ドーパントリンス液30は基板の周縁から
約1cmだけ内側に入った位置29から吹き付けられる
ので、ドーパントリンス液が受光面上のドーパント剤に
悪影響を与えることがなく、短時間で裏面上のドーパン
ト剤を除去し得る効果を発揮し得る。
【0021】こうして受光面上にドーパント剤が塗布さ
れた半導体基板は図6に示されているように石英ボート
16上で基板の裏面20同士が重ね合わせられて配列さ
れ、約900℃の高温の炉内で数十分間熱処理される。
この場合、隣接する半導体基板の受光面19上のドーパ
ント剤が裏面に向けて雰囲気拡散されることを防ぐこと
ができる。なお、本発明の重要な特徴として、図6に示
されているようにボート上に基板をセットする方法およ
びボートから基板を移送する方法などについては、後で
詳細に説明される。
【0022】したがって、図2に示されているように熱
処理の終えた半導体基板においては、n+ 拡散層11お
よびチタン等を含む反射防止膜12が受光面上のみに形
成される。
【0023】図3においては、印刷法によって、基板の
裏面にアルミ電極21と銀電極22が形成され、受光面
上に銀電極23が形成される。このとき、ドーパント剤
の回り込みによる基板の裏面におけるn+ 拡散層部分お
よび熱処理炉内で雰囲気拡散された裏面のn型拡散層が
存在しないので、図7に示されているようにアルミ電極
21は半導体基板の周縁7に対して0.5mm以内まで
工程精度の限界28まで近接するように広げて形成され
得る。
【0024】図4においては、高温で熱処理することに
よって、金属電極21,22および23がSi基板1と
電気的にコンタクトさせられる。このとき、基板1の裏
面におけるアルミ電極からAl原子がSi基板内に拡散
し、p+ 拡散層25が形成される。このp+ 拡散層25
は、BSF(バックサーフェスフィールド)効果を生じ
るように作用する。その後、図4に示されているように
銀電極22と23のそれぞれにはんだ被覆22aと23
aが施されて太陽電池セルが完成する。
【0025】図8において、以上のようにして作製され
た本発明による図4の太陽電池セルと従来の方法により
作成された図20の太陽電池セルの開放電圧特性が示さ
れている。図8のグラフにおける横軸は太陽電池セルに
照射された光の放射照度(W/m2 )を表わし、縦軸は
放射照度が500W/m2 のときの開放電圧を100%
とした場合の開放電圧の放射照度依存性を表わしてい
る。実線の曲線8Aと破線の曲線8Bは、それぞれ本発
明の作製方法による太陽電池セルと従来の作製方法によ
る太陽電池セルの開放電圧を表わしている。このグラフ
から明らかなように、本発明の作製方法による太陽電池
セルは従来の作製方法による太陽電池セルに比べて、低
照度領域において開放電圧特性が優れていることがわか
る。
【0026】以上のように、本発明の太陽電池セルの製
造方法によれば、簡略な工程で半導体基板の受光面側か
ら裏面へのドーパント剤の拡散を防止して、裏面におけ
るp/nショート部分の形成を防止することができる。
その結果、暗電流を低減することができ、太陽電池セル
の変換効率および低照度特性を改善することができる。
【0027】また、半導体基板の裏面にドーパント剤の
回り込みによるn+ 拡散層部分や熱処理炉内での雰囲気
拡散によるn型拡散層が形成されないので、アルミ電極
を半導体基板の周縁に工程精度の限界まで広げて形成す
ることができる。その結果、暗電流を増加させることな
くBSF効果を大きくすることができ、特に短絡電流が
改善されて変換効率の向上した太陽電池セルを提供する
ことができる。
【0028】さらに、本発明の太陽電池セルの製造方法
によれば、実質的に四角形状の半導体基板を用いても暗
電流が低減され、低照度特性および変換効率の改善され
た太陽電池セルを提供することができる。
【0029】さらにまた、ドーパントリンス液としてド
ーパント剤の希釈剤、好ましくはイソプロピルアルコー
ルを用いることによって半導体基板の裏面に回り込んだ
ドーパント剤を効果的に除去することができる。
【0030】次に、図9を参照して、受光面上にドーパ
ント剤が塗布された半導体基板を拡散ボート上で図6に
示された状態にセットする方法について詳細に説明す
る。まず、最終ステージ34上のドーパント剤が塗布さ
れた半導体基板29の裏面を第1の搬送アーム30で吸
着し、矢印A1で示されているように上方向に持上げ
る。その後、搬送アーム30は矢印A2に示されている
ように水平移動させられ、矢印A3で示されているよう
にアームが水平から下向へ90°たおされる。そして、
矢印A4およびA5で示されているようなアーム30の
水平移動の後に、矢印A7で示されているようなアーム
の降下運動によって半導体基板29がボート16の溝内
にセットされる。このとき、ボート16はたとえば楔3
1によって傾斜させられているので、半導体基板29は
その受光面が少し下を向くように傾斜させられる。
【0031】次に、ドーパント剤が塗布された第2の半
導体基板32を第2の搬送アーム33で吸着し、矢印A
8で示されているようにアームの先端部を180°回転
させることによって第2の半導体基板の受光面と裏面を
反転させ、その後に矢印A9とA10で示されているよ
うな第2のアームの水平移動と垂直移動によって第2の
半導体基板32がステージ34上に置かれる。その後、
第1の半導体基板29をボート16にセットしたときと
同様に第1の搬送アーム30によって第2の半導体基板
32がボート16上において第1の半導体基板29がセ
ットされているのと同じ溝内へ挿入される。ただし、第
2の半導体基板32はアームの回転A6によって裏面が
右向きにされる。
【0032】このとき、既にボート内にセットされてい
る第1の半導体基板29の受光面が少し下向くように傾
斜されているので、第1と第2の半導体基板の端面同士
が突き当たることがなく、容易に第2の半導体基板32
を第1の半導体基板29が挿入されているのと同じ溝内
へ挿入することができる。これによって、第1と第2の
半導体基板の裏面同士が重ねられてボート16の1つの
溝内にセットされる。このような操作を繰返すことによ
って、拡散ボートのすべての溝の各々において裏面同士
が重ね合わせられた一対の半導体基板がセットされ得
る。
【0033】図10を参照して、太陽電池セル用半導体
基板を拡散ボート16にセットするもう1つの方法を説
明する。最終ステージ34上にドーパント剤が塗布され
た第1の半導体基板29の受光面を第1の搬送アーム3
0で吸着して矢印B1で示されているように上方向へ搬
送する。そして、矢印B2で示されているようにアーム
30が水平移動させられた後に、矢印B3に示されてい
るようにアームが水平から下向へ90°たおされる。そ
の後、矢印B4とB5で示されているようにアーム30
の水平移動の後に、矢印B7で示されているような垂直
運動によって第1の半導体基板29がボート16の溝内
にセットされる。このとき、ボート16は図9の場合と
同様に楔31によって水平面に対して少し傾斜されて置
かれている。したがって、ボート16にセットされた第
1の半導体基板29の受光面は少し下向きに傾斜させら
れることになる。
【0034】次に、ドーパント剤が塗布された第2の半
導体基板32が最終ステージ34上に搬送された後に、
第1の半導体基板の場合と同様に搬送アーム30によっ
て矢印B1,B2,B3,B4,およびB5で示されて
いるように搬送される。そして、矢印B6で示されてい
るようなアームの軸回転によって第2の半導体基板32
の受光面が左向きにさせられ、その後に矢印B7で示さ
れているような垂直運動によって第2の半導体基板32
はボート16内において第1の半導体基板29がセット
されているのと同じ溝内へ挿入される。
【0035】このとき、第1の半導体基板29は受光面
が少し下向むように傾斜させられているので、第1と第
2の半導体層の端面同士が突き当たることがなく、容易
に第2の半導体基板を第1の半導体基板と重なるように
同一の溝内へセットすることができる。こうして、図9
の場合と同様に、第1と第2の半導体基板29,32の
裏面同士が重ね合わせられてボート16の1つの溝内に
セットされる。このような操作を繰返すことによって、
拡散ボート16のすべての溝の各々において裏面同士が
重ね合わせられた一対の半導体基板がセットされ得る。
【0036】次に、図11から図13を参照しつつ、ボ
ート16から半導体基板を取出す方法が説明される。ま
ず、ボート16の同一の溝内で裏面同士が重ね合わせら
れてセットされた第1の半導体基板35と第2の半導体
基板36の受光面を挟むように第1の搬送アーム37で
吸着して、それら2枚の半導体基板を同時にボート16
から矢印C1で示されているように引上げる。そして、
矢印C2で示されているようにアーム37の軸が水平に
されて、矢印C3,C4で示されているように水平移動
させられる。その後に矢印C5で示されているように、
アームの向きが水平面内で180°回転させられ、さら
に矢印C6で示されているような水平移動の後に、矢印
C7で示されているような垂直移動によって2枚の半導
体基板35,36がステージ38上に置かれる。
【0037】ステージ38に接している第2の半導体基
板36は図12に示されているように吸着固定され、第
2の搬送アーム39によって図13中の矢印C8で示さ
れているように第1の半導体基板35をスライドさせて
2枚の半導体基板を互いに分離し、第1の半導体基板3
5を次の処理ステーションに送る。その後、第3のアー
ム40によって第2の半導体基板を吸着して矢印C9に
示されているように持ち上げて、さらに矢印C10で示
されているように第2半導体基板36の受光面と裏面を
反転させ、その後に第2半導体基板36を次の処理ステ
ーションに送る。
【0038】このように、図10から図13に示されて
いるような方法によって、拡散ボートのすべての溝の各
々において裏面が互いに重ね合わせられてセットされた
1対の半導体基板を自由に取出して互いに分離した後に
それぞれを次の処理ステーションへ送ることができる。
【0039】最後に、図14を参照して、2枚の半導体
基板の裏面同士を重ね合わせることなくそれぞれの半導
体基板を個別の溝にセットしても受光面上のドーパント
剤によって裏面が汚染されることのない拡散ボートが示
されている。この拡散ボート16aは、各溝ごとに半導
体基板の裏面全体を覆い得る大きさの仕切壁41を備え
ている。すなわち、太陽電池セル用半導体基板の裏面を
この仕切壁41に接するようにボートの溝内へセットす
ることによって、半導体基板の受光面上のドーパント剤
によって裏面が汚染されることを防止しつつ半導体基板
の熱処理を行なうことができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、暗電流
が低減されて低照度特性および光電変換効率の改善され
た太陽電池セルを簡易な工程でかつ低コストで提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による太陽電池セルの製造工程を説明す
るための概略的な断面図である。
【図2】本発明による太陽電池セルの製造工程を説明す
るための概略的な断面図である。
【図3】本発明による太陽電池セルの製造工程を説明す
るための概略的な断面図である。
【図4】本発明による太陽電池セルの製造工程を説明す
るための概略的な断面図である。
【図5】半導体基板の背面にドーパントリンス液を付与
する方法を説明するための概略的な図である。
【図6】本発明による太陽電池セルの製造方法における
拡散処理を説明するための概略的な図である。
【図7】本発明による太陽電池セルの製造方法において
半導体基板の裏面の周縁近傍まで裏面電極が形成される
ことを示す概略的な平面部分図である。
【図8】本発明による製造方法によって製造された太陽
電池セルの開放電圧特性を従来の製造方法による太陽電
池セルと比較して示すグラフである。
【図9】2枚の半導体基板の裏面同士を重ね合わせて拡
散ボートの各溝内へセットする方法の一例を説明するた
めの図である。
【図10】2枚の半導体基板の背面同士を重ね合わせて
拡散ボートの各溝内へセットする方法の他の例を説明す
るための図である。
【図11】拡散ボートの各溝内に裏面同士が重ね合わさ
れてセットされた1対の半導体基板を取出して、それぞ
れの基板を分離して次の処理ステーションへ送る方法の
一例を説明するための図である。
【図12】拡散ボートの各溝内に裏面同士が重ね合わさ
れてセットされた1対の半導体基板を取出して、それぞ
れの基板を分離して次の処理ステーションへ送る方法の
一例を説明するための図である。
【図13】拡散ボートの各溝内に裏面同士が重ね合わさ
れてセットされた1対の半導体基板を取出して、それぞ
れの基板を分離して次の処理ステーションへ送る方法の
一例を説明するための図である。
【図14】半導体基板の裏面を覆う仕切板を各溝ごとに
備えた拡散ボートの概略的な斜視図である。
【図15】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図16】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図17】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図18】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図19】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図20】従来の太陽電池セルの製造方法を説明するた
めの概略的な断面図である。
【図21】半導体基板の受光面上にスピン塗布法によっ
てドーパント剤を塗布する方法を説明するための斜視図
である。
【図22】スピン塗布法における図21の次のステップ
を示す概略的な斜視図である。
【図23】半導体基板の周縁部において受光面側から裏
面へのドーパント剤の回り込みを示す概略的な平面部分
図である。
【図24】半導体基板を熱処理する従来の方法を説明す
るための概略的な図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 表面テクスチャ構造 3 ドーパント剤 11 半導体基板の受光面上におけるn+ 型拡散層 11b 半導体基板の裏面上に形成されたn+ 型領域 12 反射防止膜 21 裏面アルミ電極 22 裏面銀電極 22a はんだ被覆層 23 受光面銀電極 23a はんだ被覆層 25 p+ 型拡散層 30 ドーパントリンス液 31 ノズル 16,16a 拡散ボート 19 半導体基板の受光面 20 半導体基板の裏面
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−10454(JP,A) 特開 平7−297429(JP,A) 特開 平7−135333(JP,A) 特開 平6−275507(JP,A) 特開 昭56−60070(JP,A) 特開 平6−72513(JP,A) 特開 平5−291376(JP,A) 特開 昭63−65639(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/07

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散ボートに太陽電池用半導体基板をセ
    ットする方法であって、 水平方向に対して少し傾斜を付けて置かれた拡散ボート
    の1つの溝に関して、 (a) 第1の主面にドーパント剤が塗布された第1の
    半導体基板を第1の搬送アームで吸着搬送してステージ
    上に置き、 (b) 前記第1半導体基板を第2の搬送アームで吸着
    搬送して、前記第1主面が少し下を向くように傾斜させ
    て前記拡散ボートの溝に前記第1半導体基板をセット
    し、 (c) 第1の主面にドーパント剤が塗布された第2の
    半導体基板を前記第1搬送アームで吸着搬送して、その
    アームの先端部を180°回転させることによって前記
    第2半導体基板の第1と第2の主面を反転させて前記ス
    テージ上に置き、 (d) 前記第2半導体基板を前記第2搬送アームで吸
    着搬送し、前記第1半導体基板が傾斜してセットされて
    いるので、前記第1と第2の半導体基板の端面同士が突
    き当たることなく、前記第1と第2の半導体基板の第2
    の主面同士が隣接して重なるように前記第2半導体基板
    を前記拡散ボートの溝にセットし、 前記拡散ボートの順次の溝の各々に関して前記ステップ
    (a)から(d)を繰返すことを特徴とする太陽電池用
    半導体基板を拡散ボートにセットする方法。
  2. 【請求項2】 拡散ボートに太陽電池用半導体基板をセ
    ットする方法であって、 水平方向に対して少し傾斜を付けて置かれた拡散ボート
    の1つの溝に関して、 (a) 第1の主面にドーパント剤が塗布された第1の
    半導体基板を搬送アームで吸着搬送して前記第1主面が
    少し下を向くように傾斜させて前記拡散ボートの溝に前
    記第1半導体基板をセットし、 (b) 第1の主面にドーパント剤が塗布された第2の
    半導体基板を前記搬送アームで吸着搬送するとともに、
    そのアームの先端部を回転させて前記第2半導体基板の
    第1主面を前記ボート中の前記第1半導体基板の第1主
    面と反対方向に向け、その後に、前記第1半導体基板が
    傾斜してセットされているので前記第1と第2の半導体
    基板の端面同士が突き当たることなく、前記第1と第2
    の半導体基板の第2の主面同士が隣接して重なるように
    前記第2半導体基板を前記拡散ボートの溝にセットし、 前記拡散ボートの順次の溝の各々に関して前記ステップ
    (a)と(b)を繰返すことを特徴とする太陽電池用半
    導体基板を拡散ボートにセットする方法。
  3. 【請求項3】 拡散ボートから太陽電池用半導体基板を
    移送する方法であって、 拡散ボートの1つの溝内で裏面同士が接して重なるよう
    にセットされた第1と第2の半導体基板の受光面を挟む
    ように第1の搬送アームで吸着して前記ボートから前記
    第1と第2の半導体基板を同時に取出してステージ上に
    置き、 前記ステージに接している前記第2の半導体基板を吸着
    固定して第2の搬送アームで前記第1の半導体基板を吸
    着スライドさせて前記第2半導体基板から分離させると
    ともに次の処理ステーションに送り、 第3の搬送アームで前記第2半導体基板を吸着してその
    受光面と裏面を反転させるとともに前記次の処理ステー
    ションへ送ることを特徴とする太陽電池用半導体基板の
    移送方法。
  4. 【請求項4】 太陽電池用半導体基板を熱処理するため
    の拡散ボートであって、 各々が1つの半導体基板を受入れるための複数の溝と、 前記溝の各々にセットされた前記半導体の裏面全体と接
    するシールド板とを備え、 前記シールド板は前記半導体基板の受光面に拡散処理が
    施される間に前記裏面にドーパントが拡散されることを
    防止するように働くことを特徴とする太陽電池基板用拡
    散ボート。
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