JP3302083B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
自動変速機の変速制御装置Info
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- JP3302083B2 JP3302083B2 JP07029693A JP7029693A JP3302083B2 JP 3302083 B2 JP3302083 B2 JP 3302083B2 JP 07029693 A JP07029693 A JP 07029693A JP 7029693 A JP7029693 A JP 7029693A JP 3302083 B2 JP3302083 B2 JP 3302083B2
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- gear
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置に関し、とりわけ、ギアトレーンのトルク伝達経路
に設けられる第1摩擦要素および第2摩擦要素の1つが
締結されて低速段、2つが同時に締結されて高速段が設
定される自動変速機の変速制御装置に関する。
装置に関し、とりわけ、ギアトレーンのトルク伝達経路
に設けられる第1摩擦要素および第2摩擦要素の1つが
締結されて低速段、2つが同時に締結されて高速段が設
定される自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される自動変速機
はトルクコンバータを介してエンジン出力が入力され、
変速歯車機構の動力伝達経路に組み込まれたクラッチと
かブレーキ等の複数の摩擦要素が、車速とかアクセル開
度等の運転状態に応じて選択的に締結および解放される
ことにより、その運転状態に応じた変速が複数設定され
るようになっている。前記摩擦要素は特開平2−769
68号公報(F16H61/08)に開示されるよう
に、各種切換バルブを備えた油圧制御回路で発生される
制御油圧により締結および解放されるようになってお
り、この制御油圧は前記運転状態に基づいて設定した変
速パターンに従って切換制御される。
はトルクコンバータを介してエンジン出力が入力され、
変速歯車機構の動力伝達経路に組み込まれたクラッチと
かブレーキ等の複数の摩擦要素が、車速とかアクセル開
度等の運転状態に応じて選択的に締結および解放される
ことにより、その運転状態に応じた変速が複数設定され
るようになっている。前記摩擦要素は特開平2−769
68号公報(F16H61/08)に開示されるよう
に、各種切換バルブを備えた油圧制御回路で発生される
制御油圧により締結および解放されるようになってお
り、この制御油圧は前記運転状態に基づいて設定した変
速パターンに従って切換制御される。
【0003】例えば、ラビニヨ型のプラネタリギア装置
を用いた自動変速機にあっては、前記摩擦要素として、
スモールサンギアを入力軸に結合可能なフォワードクラ
ッチ,ピニオンキャリアを入力軸に結合可能な3−4ク
ラッチおよびラージサンギアをハウジングに固定可能な
2−4バンドブレーキ等を備えており、2速段でフォワ
ードクラッチと2−4バンドブレーキとが締結状態とな
り、3速段でフォワードクラッチと3−4クラッチとが
締結状態となり、4速段で2−4バンドブレーキと3−
4クラッチとが締結状態となるものがある。
を用いた自動変速機にあっては、前記摩擦要素として、
スモールサンギアを入力軸に結合可能なフォワードクラ
ッチ,ピニオンキャリアを入力軸に結合可能な3−4ク
ラッチおよびラージサンギアをハウジングに固定可能な
2−4バンドブレーキ等を備えており、2速段でフォワ
ードクラッチと2−4バンドブレーキとが締結状態とな
り、3速段でフォワードクラッチと3−4クラッチとが
締結状態となり、4速段で2−4バンドブレーキと3−
4クラッチとが締結状態となるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の自動変速機にあっては、エンジンの高回転状態で
アクセルを戻した場合、図6の変速線図中矢印で示すよ
うに2−3変速ラインを横切って2−3アップシフトさ
れる状態があり、この場合強い突き上げショックが発生
されることがある。この突き上げショックは次に示す理
由により3−4クラッチが容量過多となることが1つの
原因となる。
従来の自動変速機にあっては、エンジンの高回転状態で
アクセルを戻した場合、図6の変速線図中矢印で示すよ
うに2−3変速ラインを横切って2−3アップシフトさ
れる状態があり、この場合強い突き上げショックが発生
されることがある。この突き上げショックは次に示す理
由により3−4クラッチが容量過多となることが1つの
原因となる。
【0005】即ち、1つの理由としては、3速で締結
される3−4クラッチに設けられたドリフトオンボール
(チェックボール)を、高回転時に閉止するために高い
油圧が必要となり、アクセルを戻した場合にはどうして
もこのクラッチの容量が過多になってしまう。また、
もう1つの理由としては、前記3−4クラッチは自動変
速機の小型化を図るために3速と4速で兼用して締結さ
せるようになっており、3速の場合はフォワードクラッ
チと3−4クラッチの双方からエンジン出力が伝達され
るが4速の場合はフォワードクラッチと直列のワンウェ
イクラッチが空転するため3−4クラッチのみからエン
ジン出力が伝達されるようになっている。このため4速
で必要なトルク容量を満足させるために、どうしても3
速段では3−4クラッチの容量が過多になってしまう。
される3−4クラッチに設けられたドリフトオンボール
(チェックボール)を、高回転時に閉止するために高い
油圧が必要となり、アクセルを戻した場合にはどうして
もこのクラッチの容量が過多になってしまう。また、
もう1つの理由としては、前記3−4クラッチは自動変
速機の小型化を図るために3速と4速で兼用して締結さ
せるようになっており、3速の場合はフォワードクラッ
チと3−4クラッチの双方からエンジン出力が伝達され
るが4速の場合はフォワードクラッチと直列のワンウェ
イクラッチが空転するため3−4クラッチのみからエン
ジン出力が伝達されるようになっている。このため4速
で必要なトルク容量を満足させるために、どうしても3
速段では3−4クラッチの容量が過多になってしまう。
【0006】更に、前記突き上げショックの他の原因と
しては、前記プラネタリギア装置で構成されるギアトレ
ーンのトルク伝達経路に前記フォワードクラッチ,前記
3−4クラッチ,前記2−4ブレーキが設けられるが、
2速段ではトルク伝達にフォワードクラッチと2−4ブ
レーキが関係し、3速段ではこのフォワードクラッチと
3−4クラッチが関係する。このため、2−3アップシ
フトでは2−4ブレーキの解放と3−4クラッチの締結
とが入れ代わって行われる。このとき容量過多状態で3
−4クラッチが締結されてしまうことにより、前記トル
クの突き上げショックが発生されてしまうという課題が
あった。
しては、前記プラネタリギア装置で構成されるギアトレ
ーンのトルク伝達経路に前記フォワードクラッチ,前記
3−4クラッチ,前記2−4ブレーキが設けられるが、
2速段ではトルク伝達にフォワードクラッチと2−4ブ
レーキが関係し、3速段ではこのフォワードクラッチと
3−4クラッチが関係する。このため、2−3アップシ
フトでは2−4ブレーキの解放と3−4クラッチの締結
とが入れ代わって行われる。このとき容量過多状態で3
−4クラッチが締結されてしまうことにより、前記トル
クの突き上げショックが発生されてしまうという課題が
あった。
【0007】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、低速段から中速段にアップシフトされる場合に、そ
の変速過渡期においてトルク容量を大きく必要とする高
速段の状態を一時的に作り出すことにより、中速段に設
定された時に摩擦要素の容量が過多になるのを防止し
て、突き上げショックの緩和を図るようにした自動変速
機の変速制御装置を提供することを目的とする。
て、低速段から中速段にアップシフトされる場合に、そ
の変速過渡期においてトルク容量を大きく必要とする高
速段の状態を一時的に作り出すことにより、中速段に設
定された時に摩擦要素の容量が過多になるのを防止し
て、突き上げショックの緩和を図るようにした自動変速
機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の第1の構成は、ギアトレーンのトルク伝達
経路に設けられる第1摩擦要素および第2摩擦要素を備
え、第1摩擦要素の締結で低速段が設定され、第2摩擦
要素の締結で中速段が設定され、第1摩擦要素および第
2摩擦要素の締結で高速段が設定される自動変速機にお
いて、アクセルの戻しによって低速段から中速段にアッ
プシフトされる変速状態を検知するアップシフト検知手
段と、このアップシフト検知手段によるアップシフトを
検知した際に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅延させ
る遅延手段と、を設け、当該遅延手段により第1摩擦要
素の解放を遅延する期間を、変速機入力回転に基づいて
設定することにより構成する。
めに本発明の第1の構成は、ギアトレーンのトルク伝達
経路に設けられる第1摩擦要素および第2摩擦要素を備
え、第1摩擦要素の締結で低速段が設定され、第2摩擦
要素の締結で中速段が設定され、第1摩擦要素および第
2摩擦要素の締結で高速段が設定される自動変速機にお
いて、アクセルの戻しによって低速段から中速段にアッ
プシフトされる変速状態を検知するアップシフト検知手
段と、このアップシフト検知手段によるアップシフトを
検知した際に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅延させ
る遅延手段と、を設け、当該遅延手段により第1摩擦要
素の解放を遅延する期間を、変速機入力回転に基づいて
設定することにより構成する。
【0009】また、本発明の第2の構成は、ギアトレー
ンのトルク伝達経路に設けられる第1摩擦要素および第
2摩擦要素を備え、第1摩擦要素の締結で低速段が設定
され、第2摩擦要素の締結で中速段が設定され、第1摩
擦要素および第2摩擦要素の締結で高速段が設定される
自動変速機において、エンジン回転が所定回転数以上に
あることを判断する高回転状態検出手段と、高回転状態
からアクセルを戻すことによって低速段から高速段にア
ップシフトされる変速状態を検知するアップシフト検知
手段と、このアップシフト検知手段によるアップシフト
を検知した際に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅延さ
せる遅延手段と、を設け、当該遅延手段により第1摩擦
要素の解放を遅延する期間を、変速機入力回転に基づい
て設定することにより構成する。
ンのトルク伝達経路に設けられる第1摩擦要素および第
2摩擦要素を備え、第1摩擦要素の締結で低速段が設定
され、第2摩擦要素の締結で中速段が設定され、第1摩
擦要素および第2摩擦要素の締結で高速段が設定される
自動変速機において、エンジン回転が所定回転数以上に
あることを判断する高回転状態検出手段と、高回転状態
からアクセルを戻すことによって低速段から高速段にア
ップシフトされる変速状態を検知するアップシフト検知
手段と、このアップシフト検知手段によるアップシフト
を検知した際に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅延さ
せる遅延手段と、を設け、当該遅延手段により第1摩擦
要素の解放を遅延する期間を、変速機入力回転に基づい
て設定することにより構成する。
【0010】
【0011】
【作用】以上の構成により本発明の第1の構成に示す自
動変速機の変速制御装置にあっては、アップシフト検知
手段によってアクセルの戻しで低速段から中速段にアッ
プシフトされる変速状態が検知された場合、遅延手段に
よって第1摩擦要素の解放を所定期間遅延させるように
したので、低速段から中速段への変速過渡期において第
1摩擦要素と第2摩擦要素とが同期して締結される状態
になるため、第1摩擦要素の解放を遅延させた期間だけ
高速段に設定することができる。従って、この高速段の
設定により第2摩擦要素の締結容量を減少することがで
き、アップシフトされた際の突き上げショックを大幅に
低減することができる。
動変速機の変速制御装置にあっては、アップシフト検知
手段によってアクセルの戻しで低速段から中速段にアッ
プシフトされる変速状態が検知された場合、遅延手段に
よって第1摩擦要素の解放を所定期間遅延させるように
したので、低速段から中速段への変速過渡期において第
1摩擦要素と第2摩擦要素とが同期して締結される状態
になるため、第1摩擦要素の解放を遅延させた期間だけ
高速段に設定することができる。従って、この高速段の
設定により第2摩擦要素の締結容量を減少することがで
き、アップシフトされた際の突き上げショックを大幅に
低減することができる。
【0012】また、本発明の第2の構成に示す自動変速
機の変速制御装置にあっては、エンジン回転が所定回転
数以上にあることを判断する高回転状態検出手段を設け
て、アップシフト検知手段により高回転状態からアクセ
ルを戻すことによってアップシフトされる変速状態を検
知し、この変速状態で遅延手段を作動するようにしたの
で、突き上げショックが然程問題とならない低回転状態
からのアップシフト時には、前記遅延手段による制御が
行なわれることなく、通常通りの変速が行われることに
よって第2摩擦要素の信頼性を確保することができる。
機の変速制御装置にあっては、エンジン回転が所定回転
数以上にあることを判断する高回転状態検出手段を設け
て、アップシフト検知手段により高回転状態からアクセ
ルを戻すことによってアップシフトされる変速状態を検
知し、この変速状態で遅延手段を作動するようにしたの
で、突き上げショックが然程問題とならない低回転状態
からのアップシフト時には、前記遅延手段による制御が
行なわれることなく、通常通りの変速が行われることに
よって第2摩擦要素の信頼性を確保することができる。
【0013】更に、かかる第1,第2の構成において、
遅延手段により第1摩擦要素の解放を遅延する期間を、
変速機入力回転に基づいて設定するようにしたので、第
1摩擦要素を解放するタイミング精度を向上し、中速段
への切り換えを滑らかに行って変速ショックを低減する
ことができる。
遅延手段により第1摩擦要素の解放を遅延する期間を、
変速機入力回転に基づいて設定するようにしたので、第
1摩擦要素を解放するタイミング精度を向上し、中速段
への切り換えを滑らかに行って変速ショックを低減する
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図1から図5は本発明にかかる自動変
速機の変速制御装置の一実施例を示し、図1は自動変速
機の上半部を示す概略構成図、図2は油圧制御回路の要
部を示す概略構成図、図3は自動変速機の制御システム
図、図4は変速制御のフローチャート、図5は変速中の
車体前後G,タービン回転数,アクセル開度,第1,第
2摩擦要素の締結圧の各特性を示すタイムチャートであ
る。
詳細に説明する。図1から図5は本発明にかかる自動変
速機の変速制御装置の一実施例を示し、図1は自動変速
機の上半部を示す概略構成図、図2は油圧制御回路の要
部を示す概略構成図、図3は自動変速機の制御システム
図、図4は変速制御のフローチャート、図5は変速中の
車体前後G,タービン回転数,アクセル開度,第1,第
2摩擦要素の締結圧の各特性を示すタイムチャートであ
る。
【0015】即ち、本実施例の変速制御装置が適用され
る自動変速機10は、図1に示したように変速機前端部
(図中右方)に設けられる図外のエンジン回転がトルク
コンバータ20を介して入力されるようになっている。
そして、前記自動変速機10はトルクコンバータ20の
出力により駆動される変速歯車機構30と、この変速歯
車機構30の動力伝達経路を適宜切り換えるクラッチと
かブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46およびワンウ
エイクラッチ51,52を備える。このように構成され
た自動変速機10は、走行レンジであるD,S,L,R
の選択により前記摩擦要素41〜46が自動切り換えさ
れて、Dレンジで1〜4速,Sレンジで1〜3速,Lレ
ンジで1〜2速が得られるようになっている。
る自動変速機10は、図1に示したように変速機前端部
(図中右方)に設けられる図外のエンジン回転がトルク
コンバータ20を介して入力されるようになっている。
そして、前記自動変速機10はトルクコンバータ20の
出力により駆動される変速歯車機構30と、この変速歯
車機構30の動力伝達経路を適宜切り換えるクラッチと
かブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46およびワンウ
エイクラッチ51,52を備える。このように構成され
た自動変速機10は、走行レンジであるD,S,L,R
の選択により前記摩擦要素41〜46が自動切り換えさ
れて、Dレンジで1〜4速,Sレンジで1〜3速,Lレ
ンジで1〜2速が得られるようになっている。
【0016】前記トルクコンバータ20は、エンジンの
出力軸1に連結されたコンバータカバー21内に固設さ
れるポンプ22と、このポンプ22に対向配置されたタ
ービン23と、これらポンプ22とタービン23との間
に配置されて変速機ケース11側にワンウエイクラッチ
24を介して支持されるステータ25とを備えて概略構
成され、タービン23とコンバータカバー21との間に
ロックアップピストン26が設けられる。そして、ポン
プ22回転はコンバータカバー21内に封入されたトル
ク伝達媒体(作動油)を介してタービン23に伝達され
るが、このときステータ25によってポンプ22とター
ビン23との回転差に応じたトルク倍増機能が得られる
ようになっている。尚、前記出力軸1にはタービンシャ
フト27内を貫通するポンプシャフト12が連結され、
このポンプシャフト12により変速機後端部(図中左
方)に設けられたオイルポンプ13が駆動される。
出力軸1に連結されたコンバータカバー21内に固設さ
れるポンプ22と、このポンプ22に対向配置されたタ
ービン23と、これらポンプ22とタービン23との間
に配置されて変速機ケース11側にワンウエイクラッチ
24を介して支持されるステータ25とを備えて概略構
成され、タービン23とコンバータカバー21との間に
ロックアップピストン26が設けられる。そして、ポン
プ22回転はコンバータカバー21内に封入されたトル
ク伝達媒体(作動油)を介してタービン23に伝達され
るが、このときステータ25によってポンプ22とター
ビン23との回転差に応じたトルク倍増機能が得られる
ようになっている。尚、前記出力軸1にはタービンシャ
フト27内を貫通するポンプシャフト12が連結され、
このポンプシャフト12により変速機後端部(図中左
方)に設けられたオイルポンプ13が駆動される。
【0017】前記変速歯車機構30はラビニヨ型プラネ
タリギア装置で構成され、前記タービンシャフト27上
に遊嵌された小径のスモールサンギア31と、このサン
ギア31の後方において同様にタービンシャフト27上
に遊嵌された大径のラージサンギア32と、前記スモー
ルサンギア31に噛合された複数個のショートピニオン
ギア33と、前半部がショートピニオンギア33に噛合
されると共に、後半部がラージサンギア32に噛合され
るロングピニオンギア34と、このロングピニオンギア
34および前記ショートピニオンギア33を回転自在に
支持するキャリア35と、ロングピニオンギア34の前
半部に噛合されたリングギア36とで構成される。
タリギア装置で構成され、前記タービンシャフト27上
に遊嵌された小径のスモールサンギア31と、このサン
ギア31の後方において同様にタービンシャフト27上
に遊嵌された大径のラージサンギア32と、前記スモー
ルサンギア31に噛合された複数個のショートピニオン
ギア33と、前半部がショートピニオンギア33に噛合
されると共に、後半部がラージサンギア32に噛合され
るロングピニオンギア34と、このロングピニオンギア
34および前記ショートピニオンギア33を回転自在に
支持するキャリア35と、ロングピニオンギア34の前
半部に噛合されたリングギア36とで構成される。
【0018】前記タービンシャフト27とスモールサン
ギア31との間に、フォワードクラッチ41と第1ワン
ウエイクラッチ51とが直列に介設されると共に、これ
らのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ42
が介設される。また、タービンシャフト27とキャリア
35との間に3−4クラッチ43が介設されると共に、
このタービンシャフト27とラージサンギア32との間
にリバースクラッチ44が介設される。更に、ラージサ
ンギア32とリバースクラッチ44との間に、このラー
ジサンギア32を固定する2−4バンドブレーキ45が
設けられる。更にまた、前記キャリア35と変速機ケー
ス11との間に、このキャリア35の反力を受け止める
第2ワンウエイクラッチ52と、キャリア35を固定す
るローリバースブレーキ46とが並列に設けられる。そ
して、前記リングギア36が出力ギア14に連結され、
この出力ギア14から差動装置を介して図外の左右駆動
輪に回転伝達される。
ギア31との間に、フォワードクラッチ41と第1ワン
ウエイクラッチ51とが直列に介設されると共に、これ
らのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ42
が介設される。また、タービンシャフト27とキャリア
35との間に3−4クラッチ43が介設されると共に、
このタービンシャフト27とラージサンギア32との間
にリバースクラッチ44が介設される。更に、ラージサ
ンギア32とリバースクラッチ44との間に、このラー
ジサンギア32を固定する2−4バンドブレーキ45が
設けられる。更にまた、前記キャリア35と変速機ケー
ス11との間に、このキャリア35の反力を受け止める
第2ワンウエイクラッチ52と、キャリア35を固定す
るローリバースブレーキ46とが並列に設けられる。そ
して、前記リングギア36が出力ギア14に連結され、
この出力ギア14から差動装置を介して図外の左右駆動
輪に回転伝達される。
【0019】前記摩擦要素41〜46およびワンウエイ
クラッチ51,52は、表1に示す関係をもってそれぞ
れの変速段で締結またはロック(表中○印で示す)され
る。
クラッチ51,52は、表1に示す関係をもってそれぞ
れの変速段で締結またはロック(表中○印で示す)され
る。
【0020】
【表1】 ところで、前記摩擦要素41〜46は油圧制御回路60
から供給される制御油圧により締結および解放が行われ
るようになっており、図2にその回路構成を概略的に示
す。前記油圧制御回路60はオイルポンプ13からメイ
ンライン110に吐出された作動油の圧力を所定のライ
ン圧に調圧するレギュレータバルブ61と、手動操作に
よりレンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速
段に応じて前記表1に示す各摩擦要素41〜46に油圧
を供給,排除する1−2,2−3,3−4の各シフトバ
ルブ63,64,65とが主構成として設けられる。
から供給される制御油圧により締結および解放が行われ
るようになっており、図2にその回路構成を概略的に示
す。前記油圧制御回路60はオイルポンプ13からメイ
ンライン110に吐出された作動油の圧力を所定のライ
ン圧に調圧するレギュレータバルブ61と、手動操作に
よりレンジの選択を行うマニュアルバルブ62と、変速
段に応じて前記表1に示す各摩擦要素41〜46に油圧
を供給,排除する1−2,2−3,3−4の各シフトバ
ルブ63,64,65とが主構成として設けられる。
【0021】前記レギュレータバルブ61は、車両運転
状態に応じてデューティーソレノイドバルブ96で作動
され、このデューティーソレノイドバルブ96によって
作られた無段階の制御圧によりライン圧が調圧される。
即ち、前記デューティーソレノイドバルブ96で作られ
た制御圧はモディファイアバルブ95に作用してモディ
ファイア圧を調圧し、このモディファイア圧で前記レギ
ュレータバルブ61を作動し、スプールの移動量に応じ
たライン圧が調圧される。
状態に応じてデューティーソレノイドバルブ96で作動
され、このデューティーソレノイドバルブ96によって
作られた無段階の制御圧によりライン圧が調圧される。
即ち、前記デューティーソレノイドバルブ96で作られ
た制御圧はモディファイアバルブ95に作用してモディ
ファイア圧を調圧し、このモディファイア圧で前記レギ
ュレータバルブ61を作動し、スプールの移動量に応じ
たライン圧が調圧される。
【0022】前記マニュアルバルブ62は、スリーブ内
に摺動可能に挿入されたプランジャがレンジ選択位置に
応じて移動され、入力ポートeから導入されたライン圧
が、選択されたレンジ位置に応じて出力ポートa〜d
(D,Sレンジはポートa,b、Lレンジはポートa,
c、Rレンジはポートd)から出力されるようになって
いる。
に摺動可能に挿入されたプランジャがレンジ選択位置に
応じて移動され、入力ポートeから導入されたライン圧
が、選択されたレンジ位置に応じて出力ポートa〜d
(D,Sレンジはポートa,b、Lレンジはポートa,
c、Rレンジはポートd)から出力されるようになって
いる。
【0023】前記1−2,2−3,3−4シフトバルブ
63,64,65は、スプールが図中左右方向に切り換
え移動されることにより、各シフトバルブ63,64,
65に対応した摩擦要素41〜46に油圧を供給,排除
する。前記1−2,2−3,3−4シフトバルブ63,
64,65には第1,第2,第3ソレノイドバルブ6
6,67,68が設けられ、これら第1,第2,第3ソ
レノイドバルブ66,67,68は、それぞれONドレ
ンタイプとして構成され、OFF状態で切換圧を発生し
てスプールを図中左方に移動させるようになっている。
前記第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,6
8は、表2に示す関係をもって各変速段でON,OFF
される。
63,64,65は、スプールが図中左右方向に切り換
え移動されることにより、各シフトバルブ63,64,
65に対応した摩擦要素41〜46に油圧を供給,排除
する。前記1−2,2−3,3−4シフトバルブ63,
64,65には第1,第2,第3ソレノイドバルブ6
6,67,68が設けられ、これら第1,第2,第3ソ
レノイドバルブ66,67,68は、それぞれONドレ
ンタイプとして構成され、OFF状態で切換圧を発生し
てスプールを図中左方に移動させるようになっている。
前記第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,6
8は、表2に示す関係をもって各変速段でON,OFF
される。
【0024】
【表2】 前記摩擦要素41〜46の内、フォワードクラッチ4
1,3−4クラッチ43,リバースクラッチ44および
2−4ブレーキ45の締結時の油圧供給ラインには、そ
れぞれアキュムレータ72,80,91,74が設けら
れる。前記アキュムレータ72,80,91,74は、
締結圧に立ち上がりを抑制した棚圧部分を作り、この棚
圧部分で摩擦要素を実質的に締結するようにして、締結
時のショックの緩和が図られる。
1,3−4クラッチ43,リバースクラッチ44および
2−4ブレーキ45の締結時の油圧供給ラインには、そ
れぞれアキュムレータ72,80,91,74が設けら
れる。前記アキュムレータ72,80,91,74は、
締結圧に立ち上がりを抑制した棚圧部分を作り、この棚
圧部分で摩擦要素を実質的に締結するようにして、締結
時のショックの緩和が図られる。
【0025】また、摩擦要素の締結を制御するには前記
アキュムレータ72,80,91,74以外に、コース
トクラッチ42を制御するコーストコントロールバルブ
83,3−4クラッチ43を制御するバイパスバルブ1
01,2−4ブレーキ45を制御する2−3コントロー
ルバルブ102およびタイミングバルブ103等が設け
られている。
アキュムレータ72,80,91,74以外に、コース
トクラッチ42を制御するコーストコントロールバルブ
83,3−4クラッチ43を制御するバイパスバルブ1
01,2−4ブレーキ45を制御する2−3コントロー
ルバルブ102およびタイミングバルブ103等が設け
られている。
【0026】ところで、前記第1,第2,第3ソレノイ
ドバルブ(変速用第1,第2,第3Sol)66,6
7,68および前記ライン圧制御用のデューティーソレ
ノイドバルブ(ライン圧制御用Sol)96は、図3に
示したようにコントローラ100からの制御信号により
ON,OFF制御またはデューティ制御されるようにな
っている。この制御信号は、コントローラ100に入力
される車速センサー101,スロットル開度センサー1
02,シフト位置センサー103およびタービン回転数
センサー104等の運転条件から、予め設定されたマッ
プを用いて決定される。
ドバルブ(変速用第1,第2,第3Sol)66,6
7,68および前記ライン圧制御用のデューティーソレ
ノイドバルブ(ライン圧制御用Sol)96は、図3に
示したようにコントローラ100からの制御信号により
ON,OFF制御またはデューティ制御されるようにな
っている。この制御信号は、コントローラ100に入力
される車速センサー101,スロットル開度センサー1
02,シフト位置センサー103およびタービン回転数
センサー104等の運転条件から、予め設定されたマッ
プを用いて決定される。
【0027】ここで本実施例にあっては、図4に示した
フローチャートに従って本発明の目的とする変速制御を
行うようになっている。尚、このフローチャートで実行
される変速制御は、アクセルを急激に戻した際に行われ
る低速段としての2速段から中速段としての3速段に変
速(2−3変速)されるアップシフト変速に対する制御
となっている。つまり、通常の2−3アップシフトは、
前記表2に示したように第1,第2,第3ソレノイドバ
ルブ66,67,68がON,ON,ONの状態からO
N,OFF,OFFの状態に切り換えられることによ
り、前記表1に示したようにフォワードクラッチ41お
よび第1摩擦要素としての2−4ブレーキ45が締結さ
れた状態から、フォワードクラッチ41,コーストクラ
ッチ42および第2摩擦要素としての3−4クラッチ4
3が締結された状態に切り換えられる。このとき、容量
が大きな3−4クラッチ43が締結されて、変速時の突
き上げショックが発生されることになり、この突き上げ
ショックを緩和する制御が前記フローチャートによって
行われる。尚、このフローチャートを説明するにあたっ
て、図5のタイムチャートを併用して述べる。
フローチャートに従って本発明の目的とする変速制御を
行うようになっている。尚、このフローチャートで実行
される変速制御は、アクセルを急激に戻した際に行われ
る低速段としての2速段から中速段としての3速段に変
速(2−3変速)されるアップシフト変速に対する制御
となっている。つまり、通常の2−3アップシフトは、
前記表2に示したように第1,第2,第3ソレノイドバ
ルブ66,67,68がON,ON,ONの状態からO
N,OFF,OFFの状態に切り換えられることによ
り、前記表1に示したようにフォワードクラッチ41お
よび第1摩擦要素としての2−4ブレーキ45が締結さ
れた状態から、フォワードクラッチ41,コーストクラ
ッチ42および第2摩擦要素としての3−4クラッチ4
3が締結された状態に切り換えられる。このとき、容量
が大きな3−4クラッチ43が締結されて、変速時の突
き上げショックが発生されることになり、この突き上げ
ショックを緩和する制御が前記フローチャートによって
行われる。尚、このフローチャートを説明するにあたっ
て、図5のタイムチャートを併用して述べる。
【0028】即ち、前記フローチャートでは、ステップ
S1により2−3アップシフトの変速指令が出力される
と、ステップS2,ステップS3によってエンジンの高
回転領域からアクセルを急激に戻す状態が検出される。
つまり、ステップS2では高回転領域を5000rpm 以
上として、タービン回転数がこの5000rpm 以上であ
るかどうかが判断され、「YES」の場合は高回転領域
にあるとして次のステップS3に進む。ステップS3で
は単位時間のアクセル戻し量が予め決定した設定値以上
かどうかが判断され、設定値以上の場合「YES」はア
クセルの急激な戻し状態であるとしてステップS4に進
む。尚、前記アクセル戻し量はタイムチャートに示す変
速過渡期Lの最初の時点Aで判断される。
S1により2−3アップシフトの変速指令が出力される
と、ステップS2,ステップS3によってエンジンの高
回転領域からアクセルを急激に戻す状態が検出される。
つまり、ステップS2では高回転領域を5000rpm 以
上として、タービン回転数がこの5000rpm 以上であ
るかどうかが判断され、「YES」の場合は高回転領域
にあるとして次のステップS3に進む。ステップS3で
は単位時間のアクセル戻し量が予め決定した設定値以上
かどうかが判断され、設定値以上の場合「YES」はア
クセルの急激な戻し状態であるとしてステップS4に進
む。尚、前記アクセル戻し量はタイムチャートに示す変
速過渡期Lの最初の時点Aで判断される。
【0029】ステップS4は、通常の3速段と異なって
第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,68に
ON,OFF,ONの信号を出力する。つまり、通常の
3速段では第3ソレノイドバルブ68がOFFされるの
であるが、この変速過渡期においてはこの第3ソレノイ
ドバルブ68をONすることにより、一時的に高速段と
しての4速段のソレノイドパターン(表2参照)が作り
出される。そして、次のステップS5ではイナーシャフ
ェーズの領域P(図5参照)で回転低下されるタービン
回転数が目標の回転数まで低下されたかどうかを判断
し、目標値まで達していない場合「NO」は再度ステッ
プS4に戻って4速のソレノイドパターンを出力し続け
る。一方、目標値に達した場合「YES」は、ステップ
S6に進んで通常の3速のソレノイドパターン、つまり
第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,68に
ON,OFF,OFFの信号を出力した後、ステップS
7により通常の変速制御が行われる。尚、前記タービン
回転数の目標値は変速過渡期Lの最終時点Bで判断され
る。
第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,68に
ON,OFF,ONの信号を出力する。つまり、通常の
3速段では第3ソレノイドバルブ68がOFFされるの
であるが、この変速過渡期においてはこの第3ソレノイ
ドバルブ68をONすることにより、一時的に高速段と
しての4速段のソレノイドパターン(表2参照)が作り
出される。そして、次のステップS5ではイナーシャフ
ェーズの領域P(図5参照)で回転低下されるタービン
回転数が目標の回転数まで低下されたかどうかを判断
し、目標値まで達していない場合「NO」は再度ステッ
プS4に戻って4速のソレノイドパターンを出力し続け
る。一方、目標値に達した場合「YES」は、ステップ
S6に進んで通常の3速のソレノイドパターン、つまり
第1,第2,第3ソレノイドバルブ66,67,68に
ON,OFF,OFFの信号を出力した後、ステップS
7により通常の変速制御が行われる。尚、前記タービン
回転数の目標値は変速過渡期Lの最終時点Bで判断され
る。
【0030】ところで、前記ステップS2でタービン回
転数が5000rpm より小さくなる低,中回転領域にあ
ると判断された場合「NO」、およびステップS3でア
クセル戻し量が設定値より遅いと判断された場合「N
O」は、そのままステップS7に飛んで通常の変速制御
が行われる。
転数が5000rpm より小さくなる低,中回転領域にあ
ると判断された場合「NO」、およびステップS3でア
クセル戻し量が設定値より遅いと判断された場合「N
O」は、そのままステップS7に飛んで通常の変速制御
が行われる。
【0031】従って、本実施例の変速制御では、エンジ
ンの高回転領域からアクセルを急激に戻して2−3アッ
プシフトされる場合に、変速過渡期Lにおいて一時的に
4速のソレノイドパターンが作り出される。このため、
表1に示したように本来3速状態ではフォワードクラッ
チ41,コーストクラッチ42,3−4クラッチ43が
締結されるところ、4速のソレノイドパターンによりフ
ォワードクラッチ41,3−4クラッチ43,2−4ブ
レーキ45が締結される。このとき、フォワードクラッ
チ41は第1ワンウエイクラッチ51がフリー状態とな
ることから、このフォワードクラッチ41を介してのト
ルク伝達は行われない。
ンの高回転領域からアクセルを急激に戻して2−3アッ
プシフトされる場合に、変速過渡期Lにおいて一時的に
4速のソレノイドパターンが作り出される。このため、
表1に示したように本来3速状態ではフォワードクラッ
チ41,コーストクラッチ42,3−4クラッチ43が
締結されるところ、4速のソレノイドパターンによりフ
ォワードクラッチ41,3−4クラッチ43,2−4ブ
レーキ45が締結される。このとき、フォワードクラッ
チ41は第1ワンウエイクラッチ51がフリー状態とな
ることから、このフォワードクラッチ41を介してのト
ルク伝達は行われない。
【0032】従って、前記アップシフト時には2速状態
でフォワードクラッチ41と2−4ブレーキ45とが締
結されていた状態から、変速過渡期Lに一旦3−4クラ
ッチ43と2−4ブレーキ45とに締結油圧を供給する
状態に切換わり、その後、変速終了時点で2−4ブレー
キ45が解放されると共に、フォワードクラッチ41,
コーストクラッチ42が締結されて本来の4速段が設定
される。尚、従来では2−4バンド45に供給される油
圧は、二点鎖線に示すように変速過渡期Lの初期に排除
される。このため、本実施例では前記変速過渡期Lにト
ルク容量を大きく必要とする4速状態が設定されるた
め、そのトルク容量を大きく必要とする分、変速過渡期
Lのクラッチ容量を低減することができる。従って、図
5の車体前後Gに示すように3−4クラッチ45が締結
される前後に現れるトルク変化の差Sが、二点鎖線に示
す従来のものに比較して減少され、延いては、アップシ
フト時の突き上げショックを大幅に減少することができ
る。このため、車両の乗り心地性を向上し、商品価値の
高揚を図ることができる。
でフォワードクラッチ41と2−4ブレーキ45とが締
結されていた状態から、変速過渡期Lに一旦3−4クラ
ッチ43と2−4ブレーキ45とに締結油圧を供給する
状態に切換わり、その後、変速終了時点で2−4ブレー
キ45が解放されると共に、フォワードクラッチ41,
コーストクラッチ42が締結されて本来の4速段が設定
される。尚、従来では2−4バンド45に供給される油
圧は、二点鎖線に示すように変速過渡期Lの初期に排除
される。このため、本実施例では前記変速過渡期Lにト
ルク容量を大きく必要とする4速状態が設定されるた
め、そのトルク容量を大きく必要とする分、変速過渡期
Lのクラッチ容量を低減することができる。従って、図
5の車体前後Gに示すように3−4クラッチ45が締結
される前後に現れるトルク変化の差Sが、二点鎖線に示
す従来のものに比較して減少され、延いては、アップシ
フト時の突き上げショックを大幅に減少することができ
る。このため、車両の乗り心地性を向上し、商品価値の
高揚を図ることができる。
【0033】尚、前記変速過渡期Lにおいて4速のソレ
ノイドパターンを出力した際に、2−4ブレーキ45が
完全に締結されて4速段に設定されてしまうと、その後
の変速挙動に違和感を生じてしまうので、2−4ブレー
キ45が完全に締結される前に3速段に設定されるよう
に制御する必要があり、本実施例ではタービン回転数に
よってこの制御が行われる。このようにタービン回転数
によって2−4ブレーキ45の解放時期を制御すること
により、解放のタイミング精度を向上して3速段への切
り換えを滑らかに行い、前記アップシフト時の変速ショ
ックを低減することができる。
ノイドパターンを出力した際に、2−4ブレーキ45が
完全に締結されて4速段に設定されてしまうと、その後
の変速挙動に違和感を生じてしまうので、2−4ブレー
キ45が完全に締結される前に3速段に設定されるよう
に制御する必要があり、本実施例ではタービン回転数に
よってこの制御が行われる。このようにタービン回転数
によって2−4ブレーキ45の解放時期を制御すること
により、解放のタイミング精度を向上して3速段への切
り換えを滑らかに行い、前記アップシフト時の変速ショ
ックを低減することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示す自動変速機の変速制御装置にあっては、第1摩擦要
素の締結で低速段が設定され、第2摩擦要素の締結で中
速段が設定され、第1摩擦要素および第2摩擦要素の締
結で高速段が設定されるようになっており、アクセルの
戻しで低速段から中速段にアップシフトされる変速状態
が検知された場合に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅
延させるようにしたので、低速段から中速段への変速過
渡期において第1摩擦要素と第2摩擦要素とが同期して
締結される状態になるため、第1摩擦要素の解放を遅延
させた期間に高速段に設定することができる。従って、
この高速段の設定により第2摩擦要素の締結容量を減少
することができ、アップシフトされた際の突き上げショ
ックを大幅に低減し、車両の乗り心地性を大幅に向上し
て商品価値を高揚することができる。更に、前記遅延手
段により第1摩擦要素の解放を遅延する期間を、変速機
入力回転に基づいて設定するようにしたので、第1摩擦
要素を解放するタイミング精度を向上し、中速段への切
り換えを滑らかに行って変速ショックを低減することが
できるという各種優れた効果を奏する。
示す自動変速機の変速制御装置にあっては、第1摩擦要
素の締結で低速段が設定され、第2摩擦要素の締結で中
速段が設定され、第1摩擦要素および第2摩擦要素の締
結で高速段が設定されるようになっており、アクセルの
戻しで低速段から中速段にアップシフトされる変速状態
が検知された場合に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅
延させるようにしたので、低速段から中速段への変速過
渡期において第1摩擦要素と第2摩擦要素とが同期して
締結される状態になるため、第1摩擦要素の解放を遅延
させた期間に高速段に設定することができる。従って、
この高速段の設定により第2摩擦要素の締結容量を減少
することができ、アップシフトされた際の突き上げショ
ックを大幅に低減し、車両の乗り心地性を大幅に向上し
て商品価値を高揚することができる。更に、前記遅延手
段により第1摩擦要素の解放を遅延する期間を、変速機
入力回転に基づいて設定するようにしたので、第1摩擦
要素を解放するタイミング精度を向上し、中速段への切
り換えを滑らかに行って変速ショックを低減することが
できるという各種優れた効果を奏する。
【0035】また、本発明の請求項2に示す自動変速機
の変速制御装置にあっては、エンジン回転が所定回転数
以上にあることを判断する高回転状態検出手段を設け
て、アップシフト検知手段により高回転状態からアクセ
ルを戻すことによってアップシフトされる変速状態を検
知し、この変速状態で遅延手段を作動するようにしたの
で、突き上げショックが然程問題とならない低回転状態
からのアップシフト時には、前記遅延手段による制御が
行なわれることなく、通常通りの変速が行われることに
よって第2摩擦要素の信頼性を確保することができる。
更に、前記遅延手段により第1摩擦要素の解放を遅延す
る期間を、変速機入力回転に基づいて設定するようにし
たので、第1摩擦要素を解放するタイミング精度を向上
し、中速段への切り換えを滑らかに行って変速ショック
を低減することができるという各種優れた効果を奏す
る。
の変速制御装置にあっては、エンジン回転が所定回転数
以上にあることを判断する高回転状態検出手段を設け
て、アップシフト検知手段により高回転状態からアクセ
ルを戻すことによってアップシフトされる変速状態を検
知し、この変速状態で遅延手段を作動するようにしたの
で、突き上げショックが然程問題とならない低回転状態
からのアップシフト時には、前記遅延手段による制御が
行なわれることなく、通常通りの変速が行われることに
よって第2摩擦要素の信頼性を確保することができる。
更に、前記遅延手段により第1摩擦要素の解放を遅延す
る期間を、変速機入力回転に基づいて設定するようにし
たので、第1摩擦要素を解放するタイミング精度を向上
し、中速段への切り換えを滑らかに行って変速ショック
を低減することができるという各種優れた効果を奏す
る。
【0036】
【図1】本発明にかかる変速制御装置が適用される自動
変速機の一実施例を示す上半部の概略構成図である。
変速機の一実施例を示す上半部の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す油圧制御回路の要部を
示す概略構成図である。
示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施例を示す自動変速機の制御シス
テム図である。
テム図である。
【図4】本発明の一実施例を示す変速制御のフローチャ
ートである。
ートである。
【図5】本発明の一実施例を示す変速中の車体前後G,
タービン回転数,アクセル開度,第1,第2摩擦要素の
締結圧の各特性を示すタイムチャートである。
タービン回転数,アクセル開度,第1,第2摩擦要素の
締結圧の各特性を示すタイムチャートである。
【図6】アクセルの戻しで2速から3速にアップシフト
される状態を示す変速線図の要部を示す説明図である。
される状態を示す変速線図の要部を示す説明図である。
10 自動変速機 20 トルクコンバータ 30 変速歯車機構 43 3−4クラッチ(第2摩擦要素) 45 2−4ブレーキ(第1摩擦要素)
Claims (2)
- 【請求項1】 ギアトレーンのトルク伝達経路に設けら
れる第1摩擦要素および第2摩擦要素を備え、第1摩擦
要素の締結で低速段が設定され、第2摩擦要素の締結で
中速段が設定され、第1摩擦要素および第2摩擦要素の
締結で高速段が設定される自動変速機において、 アクセルの戻しによって低速段から中速段にアップシフ
トされる変速状態を検知するアップシフト検知手段と、
このアップシフト検知手段によるアップシフトを検知し
た際に、第1摩擦要素の解放を所定期間遅延させる遅延
手段と、を設け、当該遅延手段により第1摩擦要素の解
放を遅延する期間を、変速機入力回転に基づいて設定す
ることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】 ギアトレーンのトルク伝達経路に設けら
れる第1摩擦要素および第2摩擦要素を備え、第1摩擦
要素の締結で低速段が設定され、第2摩擦要素の締結で
中速段が設定され、第1摩擦要素および第2摩擦要素の
締結で高速段が設定される自動変速機において、 エンジン回転が所定回転数以上にあることを判断する高
回転状態検出手段と、高回転状態からアクセルを戻すこ
とによって低速段から高速段にアップシフトされる変速
状態を検知するアップシフト検知手段と、このアップシ
フト検知手段によるアップシフトを検知した際に、第1
摩擦要素の解放を所定期間遅延させる遅延手段と、を設
け、当該遅延手段により第1摩擦要素の解放を遅延する
期間を、変速機入力回転に基づいて設定することを特徴
とする自動変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07029693A JP3302083B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 自動変速機の変速制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07029693A JP3302083B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06280979A JPH06280979A (ja) | 1994-10-07 |
JP3302083B2 true JP3302083B2 (ja) | 2002-07-15 |
Family
ID=13427359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07029693A Expired - Fee Related JP3302083B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3302083B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP07029693A patent/JP3302083B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06280979A (ja) | 1994-10-07 |
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