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JP3300482B2 - 絶縁ゲート付きサイリスタ - Google Patents

絶縁ゲート付きサイリスタ

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Publication number
JP3300482B2
JP3300482B2 JP18341593A JP18341593A JP3300482B2 JP 3300482 B2 JP3300482 B2 JP 3300482B2 JP 18341593 A JP18341593 A JP 18341593A JP 18341593 A JP18341593 A JP 18341593A JP 3300482 B2 JP3300482 B2 JP 3300482B2
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JP
Japan
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type
base layer
thyristor
type base
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JP18341593A
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常雄 小倉
紀夫 安原
好広 山口
滋 長谷川
和也 中山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP18341593A priority Critical patent/JP3300482B2/ja
Priority to US08/164,756 priority patent/US5428228A/en
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Priority to US08/353,385 priority patent/US5463231A/en
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁ゲート付きサイリ
スタに関する。
【0002】
【従来の技術】高耐圧、大電流の電力用素子に、その駆
動回路や保護回路を一体的に集積形成した電力用IC
は、今後の電力用素子の主流になるものと考えられてい
る。このような電力用素子におけるゲート駆動には、絶
縁ゲート電極(MOSゲート)を用いた電圧制御型が好
ましい。電圧制御型は、電流駆動型に比べて小電流での
ゲート駆動が可能であるからである。
【0003】図64は、従来の絶縁ゲート型サイリスタ
のタ−ンオフ用絶縁ゲ−ト部の構造を示す断面図であ
る。このサイリスタでは、高抵抗のn型ベ−ス層1の一
方の面にp型ベ−ス層2が形成され、このp型ベ−ス層
2内にn型エミッタ層3が形成されている。また、n型
ベ−ス層1の他方の面にp型エミッタ層4が形成されて
いる。n型エミッタ層3上にはカソ−ド電極5が、p型
エミッタ層4上にはアノ−ド電極6がそれぞれ形成され
ている。
【0004】p型ベ−ス層2内のn型エミッタ層3から
所定距離離れた位置にはn型ドレイン層7が形成されて
いる。このn型ドレイン層7とn型エミッタ層3の間の
p型ベ−ス層2の表面には、ゲ−ト絶縁膜9を介してゲ
ート電極10が形成されている。このゲート電極10は
ターンオフ用であって、このようにしてn型エミッタ層
3をソースとするnチャネルMOSFETが構成されて
いる。なお、n型ドレイン層7にコンタクトするドレイ
ン電極8は、同時にp型ベ−ス層2にもコンタクトして
おり、p型ベ−ス層2とn型ドレイン層7がこのドレイ
ン電極8により短絡している。
【0005】タ−ンオン用のゲ−ト電極は図では示され
ていないが、例えば、選択的に拡散形成されるp型ベ−
ス層2の周辺部に、タ−ンオフ用と同様にMOS構造を
もって形成される。
【0006】このような構造の絶縁ゲート型サイリスタ
をターンオフするには、ゲート電極10にカソ−ドに対
して正の電圧を印加する。これにより、ゲート電極10
の下にn型チャンネルが形成され、p型ベ−ス層2から
直接n型エミッタ層3に流れ込んでいたホ−ル電流の一
部が、図に破線で示すようにドレイン電極8から吸い出
され、n型ドレイン層7を通り、ゲ−ト電極10の下の
チャンネルを通って、n型エミッタ層3からカソ−ド電
極5にバイパスするようになる。このホ−ル電流のバイ
パスによってやがてn型エミッタ層3からp型ベ−ス層
2への電子の注入が止まり、このサイリスタはターンオ
フする。
【0007】この従来構造の絶縁ゲート付きサイリスタ
では、十分なターンオフ能力が得られないという問題が
ある。これは、図64に破線で示したホール電流バイパ
ス経路の抵抗に原因がある。ホール電流バイパス経路の
抵抗は、主要にはp型ベース層2の横方向抵抗と絶縁ゲ
ート電極10下のチャネルのオン抵抗である。これらの
抵抗とバイパス電流によりきまる電圧降下が、n型エミ
ッタ層3とp型ベース層2間のビルトイン電圧以上にな
ると、n型エミッタ層3からの電子注入が止まらないこ
とになる。したがって主電流が大きくなると、ターンオ
フできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の絶
縁ゲート付きサイリスタでは、高いタ−ンオフ電流を得
ることが出来ないという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、より高いタ−ンオフ電
流を得ることを可能とする絶縁ゲート付きサイリスタを
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る絶縁ゲート
付きサイリスタは、第1導電型ベース層、第1導電型ベ
ース層の一方の面に形成された第2導電型ベース層、第
1導電型ベース層を介して前記第2導電型ベース層に接
続された第2導電型エミッタ層、および第2導電型ベー
ス層内に形成された第1導電型エミッタ層から構成され
るpnpn構造を有する。
【0011】このサイリスタの基本構造において、本発
明に係る絶縁ゲート付きサイリスタでは、第2導電型ベ
ース層内の第1導電型エミッタ層に隣接する位置にドレ
イン電極が形成され、またこのドレイン電極により第2
導電型ベース層と短絡される第1導電型ドレイン層が形
成されている。第2導電型ベース層には、その第1導電
型ドレイン層から所定距離離れて第1導電型ソース層が
形成されている。そして、第1導電型ベース層と第1導
電型エミッタ層の間の第2導電型ベース層上に、第1の
ゲート絶縁膜を介してターンオン用絶縁ゲート電極が形
成されているとともに、第1導電型ドレイン層と第1導
電型ソース層の間の第2導電型ベース層上には、第2の
ゲート絶縁膜を介してターンオフ用絶縁ゲート電極が形
成されている。また、第2導電型エミッタ層上には第1
の主電極が、第1導電型エミッタ層上には第2の主電極
が形成され、第1導電型ソース層上には第2の主電極と
接続されたソース電極が形成されている。
【0012】本発明は、このような絶縁ゲート付きサイ
リスタにおいて、ターンオン用絶縁ゲート電極に第1の
電圧を印加し、第1の電圧を印加した状態で印加後第1
の時間経過後に、ターンオフ用絶縁ゲート電極に第2の
電圧を印加し、第2の電圧を印加した状態で印加後第2
の時間経過後に、ターンオン用絶縁ゲート電極に印加し
た第1の電圧の印加を除去して、サイリスタをターンオ
フさせることを特徴とする。
【0013】
【作用】従来の絶縁ゲート付きサイリスタの構造では、
n型エミッタ層をソース層としてターンオフ用のMOS
FETが構成されているため、ホール電流を吸い出すド
レイン電極とn型エミッタ層が離れて形成されている。
これに対して、本発明の方法に使用される絶縁ゲート付
きサイリスタにおいては、ターンオフ用MOSFETの
n型ソース層とn型エミッタ層とが分離され、かつドレ
イン層とドレイン電極がn型エミッタ層に隣接して形成
されている。また、ターンオフ時のホール電流吸い出し
電極であるドレイン電極は、n型エミッタ層の直ぐ近く
においてp型ベース層にも直接コンタクトしている。
【0014】そのため、本発明の方法に使用される絶縁
ゲート付サイリスタでは、ターンオフ時のホール電流の
バイパス経路には、p型ベース層の横方向抵抗が入るこ
とがない。そして、本発明の方法では、ターンオフ時に
ターンオンゲートをオン状態にしているため、電子電流
が流れており、通常の場合のように電子電流の導通領域
の減少による電流集中現象がない。
【0015】これによって、従来に比べて大きな通電電
流を流すことができ、また大きな電流までターンオフす
ることが可能である。
【0016】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に係る駆動方法を
実施するための、絶縁ゲート付きサイリスタのターンオ
フゲート部の構造を示す。図64に示す従来の絶縁ゲー
ト付きサイリスタと対応する部分には、同一符号を付し
て詳細な説明は省略する。図64に示す絶縁ゲート付き
サイリスタと比較して明らかなように、この実施例に係
る絶縁ゲート付きサイリスタでは、ドレイン電極8が、
n型ドレイン層7と、p型ベース層2のn型エミッタ層
3の側の部分との両方にコンタクトして設けられてい
る。従って、n型ドレイン層7はドレイン電極8により
p型ベース層2と短絡している。
【0017】このn型ドレイン層7から所定距離離れて
n型ソース層11が形成され、これらドレイン層7とソ
ース層11間のp型ベース層2の部分の上にゲ−ト絶縁
膜9を介してゲ−ト電極10が形成されている。ソース
電極12は、カソード電極5と一体的に形成されてカソ
ード電極5と電気的に接続されている。ソース電極12
はまた、この実施例ではドレイン電極8と同様に、p型
ベース層2にも同時にコンタクトするように配設されて
いる。但しソース電極12はソース層11のみにコンタ
クトするように配設されていても良い。更に、n型エミ
ッタ層3とn型ベース層1との間のp型ベース層2の表
面部分の上に、ゲ−ト絶縁膜23を介してゲート電極2
4が形成され、それによってnチャネル型MOSFET
が構成されている。
【0018】図1に示す絶縁ゲート付サイリスタは、タ
ーンオフ時には図2に実線で示すようなタイムチャ−ト
に従ったゲート駆動法によりオフされる。すなわち、タ
ーンオン用の絶縁ゲート電極24をオン状態とするため
に、ゲート電極24にカソードに対して正の電圧を印加
した後、時間(Δt1 )後にゲート電極10にカソード
に対して正の電圧を印加する。あるいは、タ−ンオン用
の絶縁ゲ−ト電極24は、図2に破線で示すように、タ
−ンオンからタ−ンオフまでの間ずっと正の電圧を印加
したままにおいてもよい。
【0019】図1において、ゲ−ト電極10をオン状態
にした時の電子電流を実線で、またホール電流のバイパ
ス経路を破線で示している。ホ−ル電流は図示のよう
に、n型エミッタ層3の直ぐ近くでドレイン電極8に吸
い出され、ゲート電極10下のチャネルを通りソース電
極12すなわちカソード電極5に排出される。
【0020】このような電流の経路は、いわゆるIGB
T(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と同じであ
る。それ故に、ゲート電極10に正の電圧を印加した後
一定時間後(Δt2 後)に、ターンオン用のゲート電極
24をオフにすると、電子の注入が止まり素子はオフす
る。この時、図1に示す構造では、図64に示す従来の
構造と比較して明らかなように、ホール電流バイパス経
路には、オフ用のMOSFETによるp型ベース層2の
横方向抵抗が入らない。また、ターンオフ時に電子電流
が均一に流れており、従来の駆動方法によるターンオフ
のように、電子電流の導通領域の縮少によるターンオフ
電流の低下がない。
【0021】図3は、このことを示す実験結果である。
即ち、図3から、本発明の絶縁ゲート型サイリスタの駆
動方法によると、従来の駆動方法と比較して20倍以上
の最大ターンオフ電流が得られることがわかる。なお、
図64に示す従来のサイリスタに本発明の駆動方法を適
用した場合、従来の駆動方法により図64に示す従来の
サイリスタを駆動した場合の約1.5倍の最大ターンオ
フ電流が得られた。
【0022】以下、上述した本発明のターンオフ時の駆
動法の適用を可能にする他の素子構造に係る実施例を示
す。
【0023】電力用ICとしては、ロジック回路等を集
積する関係上、誘電体分離構造の半導体基板を用いて横
型のサイリスタとすることが好ましい。本発明は、その
様な横型の絶縁ゲート付きサイリスタに適用することが
できる。以下に横型の絶縁ゲート付きサイリスタの実施
例を説明する。なお以下の実施例において、図1と対応
する部分には図1と同一符号を付して、詳細な説明は省
略する。
【0024】図4は本発明の第2の実施例に係るターン
オフ時の駆動法の適用を可能にする横型の絶縁ゲート付
きサイリスタのレイアウトを示す図であり、図5は図4
の III−III 線断面図である。
【0025】図4及び5において、シリコン基板21上
に酸化膜22により分離された状態でn型ベース層1が
形成されている。この構造は例えば、2枚のシリコン基
板を直接接着する技術により得られる。n型ベース層1
の表面に所定距離おいてストライプ状をなして対向する
p型ベース層2とp型エミッタ層4が形成されている。
p型ベース層2内には、ストライプ状パターンをもって
n型エミッタ層3、n型ドレイン層7およびn型ソース
層11が形成されている。ドレイン電極8は、n型ドレ
イン層7にコンタクトすると同時に、n型エミッタ層3
の近傍でp型ベース層2にもコンタクトするように、ス
トライプ状にパターン形成されている。n型ドレイン層
7とn型ソース層11の間に、ストライプ状パターンを
もってターンオフ用絶縁ゲート電極10が形成されてい
る。このターンオフ用のMOSFET部の断面構造は、
図1の実施例と変わらない。
【0026】p型ベース層2のn型エミッタ層3とn型
ベース層1により挟まれた領域上には、ゲート絶縁膜2
3を介してストライプ状パターンをもってタ−ンオン用
のゲート電極24が形成されている。
【0027】カソード電極5とソース電極12は、図4
に示すように周辺部で連結された状態で一体的に形成さ
れている。
【0028】この実施例の横型絶縁ゲート付きサイリス
タの駆動方法は、図1に示す第1の実施例と同様であ
る。
【0029】この実施例においても、ドレイン電極8が
n型エミッタ層3に隣接して配置されているので、先の
実施例と同様に大きな電流をターンオフすることが可能
である。
【0030】図6は、図4に示すサイリスタを変形した
ターンオフ時の駆動法の適用を可能にするサイリスタの
レイアウトである。この実施例に係るサイリスタでは、
n型エミッタ層3が複数個に分割されて配置され、その
分割されたスペース領域でドレイン電極8を櫛型に挿入
してp型ベース層2にコンタクトさせている。
【0031】この実施例に係るサイリスタよれば、n型
エミッタ層3の下のp型ベース層の横方向抵抗による電
圧降下も低減され、より高いターンオフ能力が得られ
る。
【0032】この実施例の横型絶縁ゲート付きサイリス
タの駆動方法は、図1に示す第1の実施例と同様であ
る。
【0033】図7は、本発明の他の実施例に係るターン
オフ時の駆動法の適用を可能にする、横型絶縁ゲート付
きサイリスタの斜視図である。この実施例に係るサイリ
スタでは、n型ソ−ス層11と、n型ドレイン層7と、
ゲ−ト電極10とによって構成されたタ−ンオフ用MO
SFETのチャンネル抵抗を下げるために、ゲ−ト電極
10をジグザグ型にしてチャンネル幅を長くしてある。
また、p型エミッタ層4の周囲に高耐圧化のためのn型
バッファ層25が設けられ、n型エミッタ層3とn型ド
レイン層7の間に低抵抗化のための高濃度p型層26が
形成されている。
【0034】このような構造により、サイリスタのタ−
ンオフ能力が高められている。この実施例に係る横型絶
縁ゲート付きサイリスタの駆動方法もまた、図1に示す
第1の実施例と同様である。
【0035】ここまで説明した実施例に係るサイリスタ
では、n型ソース層をn型エミッタ層とは別に設けて、
ドレイン電極から吸い出したホール電流をMOSトラン
ジスタを介し、ソース層を介してカソードに流すように
した。以下に説明する実施例は、n型エミッタ層とn型
ソース層を共有した従来の構造を採用して、これを改良
したものである。
【0036】図8はそのような本発明の他の実施例に係
る絶縁ゲート付きサイリスタのカソード側レイアウトで
あり、図9および図10はそれぞれ図8の VII−VII お
よびVIII−VIII断面図である。この実施例でも、先の実
施例と同様に誘電体分離基板を用いている。この実施例
では、p型ベース層2内にn型エミッタ層3が複数個に
分割されて配列形成されている。そして、各n型エミッ
タ層3に挟まれた領域にn型ドレイン層7が形成され、
これらn型ドレイン層7とn型エミッタ層3の間に、タ
ーンオフ用MOSFETを構成する絶縁ゲート電極10
が形成されている。
【0037】ドレイン電極8は、n型エミッタ層3とタ
ーンオフ用MOSFETの配列と並行して走るように配
設されている。すなわち、ドレイン電極8は、n型エミ
ッタ層3のターンオフ用MOSFETが形成された辺と
別の辺に隣接する位置でp型ベース層2に直接コンタク
トする。そして、このストライプ状のドレイン電極8
は、枝別れする状態でn型ドレイン層7上を横切って配
設されて、n型ドレイン層7にもコンタクトしている。
【0038】ターンオン用の絶縁ゲート電極24は、分
割して形成された各n型エミッタ層3とn型ベース層1
の間のp型ベース層2上に形成されている。ドレイン電
極8は、このターンオン用絶縁ゲート電極24の間の領
域でも、p型ベース層2にコンタクトしている。
【0039】この実施例によっても、実施例1に示すタ
ーンオフ時の駆動方法を適用して大電流をターンオフす
ることができる。
【0040】図11は、図8〜図10の実施例を変形し
た実施例のレイアウトであり、図12及び図13は図1
1のX−XおよびXI−XI断面図である。この実施例で
は、ターンオン用の絶縁ゲート電極24を、先の実施例
のように分割することなくストライプ状に配設してい
る。この実施例によっても先の実施例と同様の効果が得
られる。
【0041】図14は、やはり図8〜図10の実施例を
変形したサイリスタのレイアウトであり、図15及び図
16は図14のXIII−XIIIおよびXIX−XIX断面図であ
る。この実施例では、島状のn型エミッタ層3を完全に
は分離せず、p型ベース層2の端部で連続するように形
成されている。そしてターンオン用絶縁ゲート電極24
は、p型ベース層2の端部にストライプ状パターンをも
って配設されている。
【0042】図8〜図10の実施例では、n型エミッタ
層が完全に複数個に分離されているために、ターンオン
用MOSFETのチャネル幅がそれだけ小さくなってい
る。これは、図11〜図13の実施例のようにゲート電
極24をストライプ状パターンに形成しても変わらな
い。これに対してこの実施例では、ターンオン用MOS
FETのチャネル幅を十分大きくすることができ、分割
エミッタ構造を採用した時のターンオン特性の劣化を防
止することができる。
【0043】図17は本発明の他の実施例に係る絶縁ゲ
ート付きサイリスタのレイアウトであり、図18及び図
19は、図17の XVI−XVI およびXVII−XVII断面図で
ある。この実施例では、図8〜図10の実施例での分割
n型エミッタ層3に対するターンオフ用MOSFETと
ドレイン電極8のp型ベース層2に対するコンタクト位
置の関係が逆になっている。すなわち分割されて配列さ
れたn型エミッタ層3と並行して走るようにn型ドレイ
ン層7がストライプ状に形成され、このn型ドレイン層
7とn型エミッタ層3の間にターンオフ用絶縁ゲート電
極10が配設される。n型ドレイン層7にコンタクトす
るドレイン電極8は、n型ドレイン層7に沿ってストラ
イプ状に形成されると共に、分割されたn型エミッタ層
3の間の領域に枝別れした状態で挿入され、各n型エミ
ッタ層3に挟まれた領域でp型ベース層2にコンタクト
している。
【0044】この実施例によれば、n型エミッタ層3の
二辺に隣接してドレイン電極8がp型ベース層2にコン
タクトするため、先の実施例に比べてさらに高いターン
オフ能力が得られる。
【0045】図20は、本発明の他の実施例に係る絶縁
ゲート付きサイリスタのレイアウトを示し、図21及び
22は、図20の XIX−XIX およびXX−XX断面図であ
る。この実施例では、n型エミッタ層3はストライプ状
パターンをもって連続的に形成されている。n型ドレイ
ン層7は、n型エミッタ層3側が凹凸パターンとして形
成されている。ターンオフ用の絶縁ゲート電極10は、
n型ドレイン層7の凸部のみをカバーする状態で形成さ
れており、この凸部にのみターンオフ用MOSFETが
構成される(図21の断面)。すなわちターンオフ用M
OSFETは実質的に飛び飛びに形成される。
【0046】n型ドレイン層7の凹部はゲート電極10
によってカバーされることなく(図22の断面)、スト
ライプ状にパターン形成されたドレイン電極8は、ゲー
ト電極10によってカバーされていない領域に露出して
いるp型ベース層2にコンタクトしている。
【0047】この実施例によれば、ターンオフ時ホール
電流は、ターンオフ用MOSFETが実質的に形成され
ていない領域では、n型ドレイン層7の下を横方向に流
れることなくp型ベース層2から直接ドレイン電極8に
吸い出される。したがってこの実施例でも、ターンオフ
時、大きな電圧降下を発生させることなくホール電流の
吸い出しができ、高いターンオフ能力が得られる。
【0048】図23、24は、本発明の他の実施例に係
る絶縁ゲート付きサイリスタの断面図及び平面図であ
る。この実施例は、第1の実施例等で示したターンオフ
用のMOSFET領域(領域A)と、サイリスタ領域
(領域B)を分離したものである。この実施例に係るサ
イリスタは、平面図24に示すように、領域Aが領域B
を取囲むように周辺に形成することを特徴とする。この
ようにすれば、素子の集積化が容易になる。なお、領域
A、Bを逆にする、または他の配置たとえば左右に分け
る等を行っても同様の効果がある。さらに、1つのペレ
ットの中を分割した上でその各領域の中をAとBに分け
てもよい。
【0049】次に、n型半導体層を薄くすることによ
り、タ−ンオフ速度を速くした態様について説明する。
【0050】図25は本発明の他の実施例に係る横型の
絶縁ゲート付きサイリスタの主要部を示す断面図であ
る。n型半導体層1の表面にp型ベ−ス層2とp型エミ
ッタ層4が形成され、p型ベ−ス層2内にn型エミッタ
層3が形成されている。n型エミッタ層3上にはカソ−
ド電極5が、p型エミッタ層上にはアノ−ド電極6が形
成されている。
【0051】p型ベ−ス層2内のn型エミッタ層3から
所定距離離れた位置には、n型ドレイン層7が形成され
ている。このn型ドレイン層7とp型ベ−ス層2の両方
にコンタクトするように、ドレイン電極8が形成されて
おり、n型ドレイン層7とp型ベ−ス層2はこのドレイ
ン電極8で短絡している。n型ドレイン層7とn型エミ
ッタ層3の間のp型ベ−ス層2上には、ゲ−ト絶縁膜9
を介してゲ−ト電極10が形成されている。このゲ−ト
電極10はタ−ンオフ用であって、n型エミッタ層3を
ソ−スとしてnチャンネルMOSFETが構成されてい
る。
【0052】n型半導体層1は絶縁膜22によって支持
基板21から分離され、その厚さは25μm以下、好ま
しくは10μm以下に薄く制限されている。
【0053】この図25に示す実施例においてタ−ンオ
ン用の機構は図示されていないが、例えば、選択的に拡
散形成されたp型ベ−ス層2の周辺部に部分的にMOS
ゲ−トを形成し、これに正の電圧を印加してn型エミッ
タ層3とn型半導体層1とをつなぐnチャンネルを発生
させることによって、素子をタ−ンオンさせることが出
来る。このとき、n型半導体層1からp型エミッタ層4
へ電子が流れ込むのに対応して、p型エミッタ層4から
n型ベ−ス層1へ正孔が注入され、逆にp型ベ−ス層2
からn型エミッタ層3へ正孔が流れ込むのに対応して、
n型エミッタ層3からp型ベ−ス層2へ電子が注入され
て、サイリスタ動作をする。
【0054】タ−ンオフさせるには、ゲ−ト電極10に
カソ−ドに対して正の電圧を印加すると、ゲ−ト電極1
0の下にn型チャンネルが形成され、p型ベ−ス層2か
ら直接n型エミッタ層3に流れ込んでいた正孔電流の一
部が図4に破線で示すバイパスを流れるようになる。こ
の正孔電流のバイパスによって、やがてn型エミッタ層
3からp型ベ−ス層2への電子の注入が停止し、素子は
タ−ンオフする。
【0055】この実施例に係る絶縁ゲート付きサイリス
タでは、n型半導体層1の厚さが薄いため、導通時に蓄
積されているキャリアの量が少ない。このため、タ−ン
オフ速度が速く、タ−ンオフ損失が小さい。
【0056】図26は、図25に示す実施例を基本とし
て、n型半導体層1の表面にp型ベ−ス層2を選択的に
形成し、その終端部の一部にゲ−ト絶縁膜23を介して
タ−ンオン用のゲ−ト電極24を形成した絶縁ゲート付
きサイリスタの主要部の断面図である。タ−ンオン用ゲ
−ト部以外の部分の構造は、図25に示す実施例と同様
である。
【0057】この素子では、ゲ−ト電極10を零又は負
のバイアスとして、ゲ−ト電極24にカソ−ドに対して
正の電圧を印加することにより、ゲ−ト電極24の下に
n型エミッタ層3とn型半導体層1とをつなぐn型チャ
ンネルが発生し、タ−ンオンする。逆に、ゲ−ト電極2
4を零又は負のバイアスとして、ゲ−ト電極10にカソ
−ドに対して正の電圧を印加することにより、図25に
示す実施例と同様にタ−ンオフさせることも出来る。し
かし、図1に示す第1の実施例と同じ駆動方法でタ−ン
オフさせることができ、この方法によれば、大きなタ−
ンオフ能力が得られる。
【0058】この実施例の絶縁ゲート付きサイリスタに
おいても、n型半導体層1は絶縁膜22によって支持基
板21から分離されていて、その厚さが薄く、導通時に
蓄積されているキャリアの量が少ないため、タ−ンオフ
速度が速く、タ−ンオフ損失が少ない。
【0059】図27は、図4,5の素子に変形を加えた
絶縁ゲート付きサイリスタの断面図を示す。パンチスル
−を防いで耐圧を高めるために、p型エミッタ層4の周
囲にn型バッファ層25が形成されている。この素子の
駆動方法も図1に示す第1の実施例と同様であり、n型
半導体層1を薄くすることにより、タ−ンオフ速度の優
れた絶縁ゲート付きサイリスタが得られている。
【0060】図28は、図27の素子に更に変形を加え
た絶縁ゲート付きサイリスタを示す。n型半導体層1の
底部に、n型半導体層1よりも不純物濃度の高いn型層
27が形成されている。一般に、n型半導体層1の厚さ
が薄くなると、電圧印加時に、アノ−ドの下での縦方向
の電界が強くなり、耐圧が低くなる。図28の素子で
は、n型層27が空乏化して生じる空間電荷により、絶
縁膜22中の電界が大きくなる代わりに、半導体層中の
電界が緩和されるので、高耐圧が保たれる。この素子の
駆動方法も図1に示した第1の実施例と同様である。
【0061】なお、p型エミッタ層4の周囲にn型バッ
ファ−層25を形成したり、n型半導体層1の底部にn
型層27を形成して高耐圧化を図ることは、図6ないし
図22に示した実施例にも同様に適用可能である。
【0062】図7に示す構造のサイリスタのn型半導体
層1の厚さとタ−ンオフ時のフォ−ルタイムの関係を図
29に示す。図29から、n型半導体層1の厚さが薄い
ほど、タ−ンオフ速度が速いことがわかる。特に、n型
半導体層1の厚さが25μm以下であることが好まし
く、より好ましくは10μm以下がよいことがわかる。
なお、図4〜28に示すこれ以外の横方サイリスタにつ
いても、同様の原理で導通時に蓄積されているキャリア
の量がタ−ンオフ速度に関係しているので、n型半導体
層1の厚さは好ましくは25μm以下、より好ましくは
10μm以下がよい。
【0063】図30は、絶縁ゲート付きサイリスタが複
数個、連続して形成されたサイリスタを示す平面図であ
り、図31及び図32は、それぞれそのA−A´断面図
及びB−B´断面図である。このサイリスタでは、複数
の絶縁ゲート付きサイリスタは、円状に連なっていても
よい。
【0064】図33は、p型ベ−ス層とカソ−ド電極と
を高抵抗Rにより接続した例を示す。このようにするこ
とにより、絶縁ゲート付きサイリスタが阻止状態にある
とき、もれ電流での誤動作を防止することが可能であ
る。さらには、注入するキャリアの量を制御できるの
で、ターンオフ電流を増大させることも可能である。
【0065】以上、図1、図23、図30に示す実施例
を除いて横型のサイリスタに本発明を適用した実施例を
説明したが、これら横型サイリスタの実施例の構造をそ
のまま縦型サイリスタにも適用することができる。ま
た、横型サイリスタの実施例は誘電体分離基板を用いた
が、pn接合分離を用いてもよいし、また単体のサイリ
スタにも本発明を適用することができることはいうまで
もない。さらに、高抵抗n型ベース層のp型ベース層側
にn型バッファ層を設ける、或いはトランジスタ構造を
用いてエミッタをベースに短絡することによりターンオ
フ速度を速くする等、種々変形して実施することが可能
である。
【0066】図34は、本発明の更に他の態様に係る絶
縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図である。2つのp
型ベ−ス層34,35の間に、電子線を照射する等によ
って局所的に低ライフタイム層53を設けることによ
り、タ−ンオン時により一層正孔がカソ−ド電極47に
逃げることを防止し、タ−ンオン特性を改善することが
可能である。
【0067】図35に示す絶縁ゲ−ト付きサイリスタで
は、2つのp型ベ−ス層34,35の間に、低濃度のp
型ウェル層54が設けられている。なお、タ−ンオン時
に正孔がカソ−ド電極47へ逃げにくい構造であれば必
ずしも完全にp型ベ−ス層を分離する必要はない。横方
向の抵抗の高いp型ウェル層54を設けることにより、
この条件を満たすことが可能である。
【0068】図36に示す絶縁ゲ−ト付きサイリスタで
は、2つのp型ベ−ス層34,35を、トレンチに埋め
込まれた絶縁層56により分離されている。この構造に
よっても、図34に示すサイリスタと同様の効果を得る
ことが出来る。
【0069】図37に示す絶縁ゲ−ト付きサイリスタで
は、単一のp型ベ−ス層34の適切な位置にn型ウェル
層57が設けられ、それによって部分的にp型ベ−ス層
の幅を狭め、又は分割している。この構造によっても、
図34に示すサイリスタと同様の効果を得ることが出来
る。
【0070】図38に示す絶縁ゲ−ト付きサイリスタで
は、n型エミッタ層36とカソ−ド電極47との間のp
型ベ−ス層34に形成されたn型ウェル層57内に、p
型ソ−ス層39が形成されている。このp型ソ−ス層3
9の表面に、カソ−ド電極と接続されたソ−ス電極50
が形成され、p型ベ−ス層34とp型ソ−ス層39との
間のn型ウェル層57の表面に第4のゲ−ト電極58が
ゲ−ト絶縁膜42を介して形成されている。この第4の
ゲ−トをエンハンスメントタイプで形成すれば、このゲ
−ト電極58を第1のゲ−ト電極43と接続して、単一
のゲ−ト信号で制御することも可能である。
【0071】タ−ンオフ時にこの第4の電極58を開け
ば、内部に蓄積された正孔は、短絡されたカソ−ド電極
47だけでなく、このソ−ス電極50からも排出される
ことになり、タ−ンオフ特性が著しく改善される。
【0072】図39は、本発明の他の態様に係る絶縁ゲ
−ト付きサイリスタを示す断面図である。図39におい
て、p型ベ−ス層62内に、n型ドレイン層71、n型
ソ−ス層72が形成され、これらn型ドレイン層71及
びn型ソ−ス層72に挟まれるp型ベ−ス層62の表面
に、絶縁膜を介してゲ−ト電極73が形成されている。
また、n型ドレイン層71とp型ベ−ス層62の双方に
オ−ミックコンタクトするドレイン電極75、ソ−ス層
72にオ−ミックコンタクトするソ−ス電極76がそれ
ぞれ設けられており、これらによりオフ用のMOSFE
T01が構成されている。
【0073】なお、この絶縁ゲ−ト付きサイリスタで
は、第2のn型エミッタ層のカソ−ド電極74は、従来
とは異なりp型ベ−ス層62にはコンタクトしていな
い。また、この実施例では、基板として、高抵抗n型ベ
−ス層61が半導体基板77上に絶縁膜78を介して設
けられた誘電体分離基板を用いている。
【0074】この実施例に係る絶縁ゲ−ト付きサイリス
タのタ−ンオフは、次のようにして行われる。まず、第
1のゲ−ト電極65及び第2のゲ−ト電極66に、p型
ベ−ス層62に対して正の電圧を印加すると、第1のゲ
−ト電極65及び第2のゲ−ト電極66の下のp型ベ−
ス層62の表面にn型チャンネル層が形成され、このn
型チャンネル層を通して第1のn型エミッタ層63から
n型ベ−ス層61に電子が注入され、n型バッファ層7
7を通りp型エミッタ層78に抜ける。。この時、p型
エミッタ層78から正孔が、n型バッファ層77及びn
型ベ−ス層61に注入され、p型ベ−ス層62に流れ
る。
【0075】そして、この実施例では、カソ−ド電極7
4がp型ベ−ス層62にはコンタクトしていないことか
ら、正孔は、第1のn型エミッタ層63に直接流入し
て、第1のn型エミッタ層63からの電子の注入を引き
起こし、素子をサイリスタ動作させる。従って、この実
施例の絶縁ゲ−ト付きサイリスタは、小さい正孔電流で
サイリスタ動作させることが出来、オン電圧の低いオン
状態が得られる。
【0076】次に、タ−ンオフについて説明する。ま
ず、p型ベ−ス層62に形成したオフ用のMOSFET
01のゲ−ト電極73に、p型ベ−ス層62に対して正
の電圧を印加すると、ゲ−ト電極73の直下のp型ベ−
ス層62の表面にnチャンネルが形成され、p型ベ−ス
層62とカソ−ド電極74とが短絡状態となる。その結
果、正孔の一部がこのオフ用のMOSFET01を通し
て排出されるようになる。
【0077】次に、第1のゲ−ト電極65及び第2のゲ
−ト電極66に、p型ベ−ス層62に対して零又は負の
電圧を印加すると、第1のゲ−ト電極65及び第2のゲ
−ト電極66の下のp型ベ−ス層62の表面のn型チャ
ンネルが消滅し、第1のn型エミッタ層63はカソ−ド
電極74から開放状態となり、第1のn型エミッタ層6
3からの電子の注入は停止する。これによって、絶縁ゲ
−ト付きサイリスタはサイリスタ動作から脱し、タ−ン
オフ動作に入る。
【0078】そして、蓄積正孔はオフ用のMOSFET
01を通して排出され、絶縁ゲ−ト付きサイリスタはタ
−ンオフする。このように、絶縁ゲ−ト付きサイリスタ
のタ−ンオフの際には、p型ベ−ス層62は、オフ用の
MOSFET01によってカソ−ド電極74に接続さ
れ、p型ベ−ス層62とカソ−ド電極74との間は低抵
抗で接続されることと等価となり、大電流のタ−ンオフ
が可能となる。
【0079】図40は、本発明の他の実施例に係る絶縁
ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図である。図40にお
いて、誘電体分離された半導体領域80内に、n型ドレ
イン層81、n型ソ−ス層82が形成され、これらn型
ドレイン層81及びn型ソ−ス層82に挟まれる半導体
領域80の表面に、絶縁膜を介してゲ−ト電極83が形
成されている。また、n型ドレイン層81と半導体領域
80の双方にオ−ミックコンタクトするソ−ス電極8
5、n型ドレイン層81にオ−ミックコンタクトするド
レイン電極84がそれぞれ設けられており、これらによ
りオン用のMOSFET02が構成されている。
【0080】なお、この実施例では、図39に示す第2
のn型エミッタ層は形成されておらず、n型エミッタ層
の表面にはエミッタ電極79が設けられ、ドレイン電極
84に接続されている。また、p型ベ−ス層62に設け
てあるオフ用のMOSFET01のソ−ス電極76とオ
ン用のMOSFET02のソ−ス電極85は接続されて
おり、カソ−ド電極を構成する。
【0081】この実施例に係る絶縁ゲ−ト付きサイリス
タのタ−ンオンは、次のようにして行われる。まず、ゲ
−ト電極65及びゲ−ト電極83に、カソ−ド電極に対
して正の電圧を印加すると、ゲ−ト電極65の下のp型
ベ−ス層62の表面、及びゲ−ト電極83の下の半導体
領域80の表面にn型チャンネルが形成され、オン用の
MOSFET02が導通状態となり、n型エミッタ層6
3からn型ベ−ス層61に電子が注入される。この注入
された電子は、n型バッファ層67を通り、p型エミッ
タ層68に抜ける。この時、p型エミッタ層68から正
孔が、n型バッファ層67及びn型ベ−ス層61に注入
され、p型ベ−ス層62に流れる。
【0082】そして、正孔は、n型エミッタ層63に直
接流入して、n型エミッタ層63からの電子の流入を引
き起こし、素子をサイリスタ動作させる。従って、この
実施例の絶縁ゲ−ト付きサイリスタも図39に示すサイ
リスタと同様、小さい正孔電流でサイリスタ動作させる
ことが出来、オン電圧の低いオン状態が得られる。
【0083】次に、タ−ンオフについて説明する。ま
ず、p型ベ−ス層62に形成したオフ用のMOSFET
01のゲ−ト電極73に、カソ−ド電極に対して正の電
圧を印加すると、ゲ−ト電極73の直下のp型ベ−ス層
62にnチャンネルが形成され、p型ベ−ス層62とカ
ソ−ド電極とが短絡状態となる。その結果、正孔の一部
がこのオフ用のMOSFET01を通して排出されるよ
うになる。
【0084】次に、ゲ−ト電極65及びゲ−ト電極83
に、カソ−ド電極に対して零又は負の電圧を印加する
と、ゲ−ト電極65の下のp型ベ−ス層62の表面のn
型チャンネル、及びゲ−ト電極83の下の半導体領域8
0の表面のn型チャンネルが消滅し、n型エミッタ層6
3はカソ−ド電極から開放状態となり、n型エミッタ層
63からの電子の注入は停止する。これによって、絶縁
ゲ−ト付きサイリスタはサイリスタ動作から脱し、タ−
ンオフ動作に入る。
【0085】そして、蓄積正孔がオフ用のMOSFET
01を通して排出され、消失すると、この絶縁ゲ−ト付
きサイリスタはタ−ンオフする。
【0086】なお、図39に示すサイリスタでは、p型
ベ−ス層62に第2のn型エミッタ層64が設けられて
おり、タ−ンオフ時にはこのn型エミッタ層64がオフ
用のMOSFET01の電圧降下により順バイアスされ
る。従って、図39に示すサイリスタで大電流化を図る
と、この電圧降下が第2のn型エミッタ層64のpn接
合のビルトイン電圧を越え、再びサイリスタ動作が起こ
り、図39に示すサイリスタはタ−ンオフが出来なくな
る。
【0087】しかし、図40に示すサイリスタでは、n
型エミッタ層63は、誘電体分離されたオン用のMOS
FET02に接続されているため、オフ用のMOSFE
T01の電圧降下がオン用のMOSFET02の阻止電
圧以上にならない限り、n型エミッタ層63から電子の
再注入は生じない。従って、図40に示す絶縁ゲ−ト付
きサイリスタは、大電流のタ−ンオフが可能となる。
【0088】図41は、本発明の更に他の実施例に係る
絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図である。この実
施例に係るサイリスタでは、誘電体分離された半導体領
域80に、オン用のMOSFET02とオフ用のMOS
FET01とが同時に形成されている。このように構成
することにより、オフ用のMOSFET01により構成
される寄生のサイリスタが形成されないため、より大電
流化を図ることが可能である。
【0089】図42は、本発明の他の実施例に係る絶縁
ゲード付きサイリスタを示す断面図である。この実施例
では、オン用のMOSFET02と、オフ用のMOSF
ET01とが別々の誘電体分離された半導体領域80,
200に形成されている。このようにしても、図41に
示す実施例と同様の効果が得られる。
【0090】図43は、図42に示す実施例を変形した
絶縁ゲード付きサイリスタを示す断面図である。この実
施例では、オフ用のMOSFET01の導電型を逆にし
て、各ゲ−トを1つの電極に接続してある。このように
構成することにより、1つのゲ−ト信号でこの絶縁ゲー
ド付きサイリスタをオン・オフすることが出来る。
【0091】図44は、本発明の他の実施例に係る絶縁
ゲード付きサイリスタを示す断面図である。この実施例
では、p型エミッタ層68と所定距離をおいて設けられ
たp型ドレイン層100と、このp型ドレイン層100
とp型エミッタ層68とに挟まれたn型ベ−ス層の表面
に絶縁膜を介して設けられたゲ−ト電極101とによっ
て構成されるMOSFET03が形成されている。タ−
ンオフ時には、このMOSFET03のゲ−ト電極10
1に、p型エミッタ層68に対して負の電圧を印加する
と、このMOSFET03がオン状態となり、n型ベ−
ス層61とp型エミッタ層68がこのMOSFET03
で短絡され、p型エミッタ層68からの正孔の注入が抑
制され、高速のタ−ンオフ特性が実現出来る。
【0092】図45は、図44に示す実施例を変形した
絶縁ゲード付きサイリスタを示す断面図である。この実
施例では、n型ベ−ス層61とp型エミッタ層68とを
短絡するMOSFET03が、誘電体分離された半導体
領域400に形成されている。このようにしても、図4
4に示す実施例と同様の効果が得られる。
【0093】図39〜45に示す実施例では、横型の絶
縁ゲード付きサイリスタについて説明したが、縦型の絶
縁ゲード付きサイリスタに対しても同様に適用可能であ
る。図46は、図41に示す絶縁ゲード付きサイリスタ
を縦型に適用したものである。
【0094】図47は、本発明の更にまた他の態様に係
る絶縁ゲード付きサイリスタである。図47において、
n型ベース層201の表面の所定の位置にはp型ベース
層204、205が隣接して形成されている。一方のp
型ベース層204にはn型エミッタ層206が形成さ
れ、他方のp型ベース層205には所定の距離離れてn
型ソース層207とn型ドレイン層208が形成されて
いる。n型ソース層207とn型ドレイン層208の間
のp型ベース層205の表面には絶縁膜212を介して
第1のゲート電極213が形成されている。
【0095】n型ドレイン層208の表面にはドレイン
電極218が、n型エミッタ層206の表面にはカソー
ドエミッタ電極219が形成され、これらは素子上の適
切な場所で短絡されている。カソード電極217は、n
型エミッタ層206に隣接する位置に、p型ベース層2
05とn型ソース層207を短絡するように設けられて
いる。p型エミッタ層203上にはアノード電極81が
設けられている。
【0096】また、素子の別の箇所において、n型エミ
ッタ層206とn型ベース層201の間のp型ベース層
204の表面には絶縁膜212を介して第3のゲート電
極215が設けられている。ここで、素子は単一のゲー
ト信号により制御可能であるので3つあるゲート電極は
任意に互いに接続されていても良い。また、ドレイン電
極218はn型ドレイン層208ばかりでなくp型ベー
ス層205にも接続されていても良い。更に、第3のゲ
ート電極215はターンオン専用であるので、p型ベー
ス層204に接続されるベース電極に置き換える事がで
きる。
【0097】この素子をターンオンするには、第1のゲ
ート電極213と第3のゲート電極215に正の電圧を
加える。すると電子はカソード電極217より、n型ソ
ース層207、第1のゲート、n型ドレイン層208、
ドレイン電極218、カソードエミッタ電極219、n
型エミッタ層206、第3のゲートの順に通って、n型
ベース層201に注入される。これに応じてp型エミッ
タ層203から正孔が注入され、主サイリスタがラッチ
アップする。この時、p型ベース層が分離形成されてい
るために正孔はカソード電極へ逃げにくくなっており、
このため、オン電圧が従来構造に比べて低く抑えられ
る。
【0098】ターンオフするには、第1のゲートと第3
のゲートを閉じればよい。電子の注入は止まり、素子内
部の正孔は第2のp型ベース層205を通ってカソード
電極217へ排出される。この時、大部分の正孔は寄生
サイリスタのエミッタ部分に相当するn型ソース層20
7の直下を通ることなく排出されるために、従来の構造
に比べて寄生サイリスタのラッチアップは極めて起こり
にくくなっている。
【0099】図48は、図47に示す絶縁ゲード付きサ
イリスタの変形例を示す。p型ベース層204、205
の間のn型ベース層201の表面に絶縁膜212を介し
て第2のゲート電極214が形成されている。ターンオ
フ時にこのゲート電極に負の電圧をかければp型ベース
層204、205は短絡されるために素子内部の正孔を
より効果的に排出する事ができる。
【0100】図49は、図47に示す絶縁ゲード付きサ
イリスタの他の変形例を示す。第2のゲート電極214
をp型ベース層204の表面まで拡げて形成したもので
ある。この構造によれば、第3のゲート電極215を設
けることなく素子をターンオンさせることができる。こ
れにより、いっそう素子の有効面積を拡げる事ができ
る。
【0101】図50は、本発明の他の実施例であって第
3のゲート電極215の部分の変形例である。n型エミ
ッタ層206上にp型ソース層209を形成する。この
p型ソース層209上にソース電極220を形成し、素
子上の適切な場所でカソード電極217と接続する。第
3のゲート電極215をn型エミッタ層206上まで拡
げて形成する。この構造によればターンオフ時に第3の
ゲート電極215に負の電圧をかけることによりp型ベ
ース層204とカソード電極217がp型ソース層20
9を介して短絡し、正孔をより速やかに排出する事がで
きる。
【0102】図51は、本発明の他の実施例である。第
2のゲートを形成する際にp型高濃度層210を用いた
例である。この構造によれば第2のゲートを安定に形成
することができる。さらに、p型高濃度層が形成される
ためターンオフ時に正孔が排出される経路の引き出し抵
抗が低減され、正孔が引きだし易くなる。
【0103】図52及び図53は、図51に示す絶縁ゲ
ード付きサイリスタの簡単な製造プロセスを示す断面図
である。まず、図52(a)に示すように、レジスト2
22をマスクとして、p型ベース層204、205を形
成する。次いで、表面の所定の位置に絶縁膜212を介
してゲート電極213、214を形成する(図52
(b))。次に、レジスト222及び、第2のゲート電
極214をマスクとしてp型高濃度層210をセルフア
ラインで形成する(図52(c))。
【0104】その後、レジスト222をマスクとしてp
型ベース層204の内部にn型エミッタ層206を形成
する(図53(a))。そして、第1のゲート電極21
3とレジスト222をマスクとしてn型ソース層207
とn型ドレイン層208をセルフアラインで形成する
(図53(b))。最後に、所定の位置に各電極を形成
する(図53(c))。
【0105】図54は、本発明の他の態様に係る絶縁ゲ
ート付きサイリスタのターンオフゲート部の構造を示
す。この構造では、カソード電極305が第1のn型ド
レイン層307に隣接する位置でp型ベース層302a
にコンタクトして設けられている。そして、分離独立し
たpベース層302b中に形成されたn型エミッタ層3
03はカソード電極305によりp型ベース層302b
と短絡されている。このn型エミッタ層303から所定
距離離れて第2のn型ドレイン層311が形成され、こ
れらエミッタ層303とドレイン層311間に絶縁ゲー
ト電極310が形成されている。第2のドレイン電極3
12は、第1のドレイン電極308と電気的に接続され
ている。第2のドレイン電極312また、この実施例と
異なりカソード電極305と同様に、p型ベース層30
2にも同時にコンタクトするように配設されてもよい。
但し第1のドレイン電極308は第1のドレイン層30
7のみにコンタクトするように配設されている。
【0106】そして、図24に示すように、横方向MO
SFET領域(A部)と第1ドレイン領域(B部)が平
面的に分離されている。A部とB部の関係は、逆でもよ
いし左右に分離されていてもよい。
【0107】この実施例の絶縁ゲート付きサイリスタで
は、ターンオン時、絶縁ゲート電極310にカソードに
対して正の電圧が印加される。このときの電子電流の経
路を破線で示している。ホール電流の一部は図示のよう
に、n型エミッタ層303の直ぐ近くでカソード電極3
05に吸い出され、排出される。
【0108】この実施例では、ホール電流バイパス経路
にはp型ベース層302の横方向抵抗が入らない。した
がってこのバイパスされるホール電流による電圧降下が
従来構造に比べて小さく、高いターンオフ能力が得られ
る。
【0109】電力用ICとしては、ロジック回路等を集
積する関係上、誘電体分離構造の半導体基板を用いて横
型のサイリスタとすることが好ましい。本発明は、その
様な横型の絶縁ゲート付きサイリスタに適用することが
できる。なお以下の実施例において、図54と対応する
部分には図54と同一符号を付して、詳細な説明は省略
する。
【0110】図55は、横型の絶縁ゲート付きサイリス
タの実施例の断面図である。シリコン基板321に酸化
膜322により分離された状態でn型ベース層301が
形成されている。この構造は例えば、2枚のシリコン基
板を直接接着する技術により得られる。n型ベース層3
01の表面に所定距離おいてストライプ状をなして対向
するp型ベース層302aとp型エミッタ層304が形
成されている。分離されたp型ベース層302b内に
は、ストライプ状パターンをもってn型エミッタ層30
3、n型ドレイン層307および311が形成されてい
る。カソード電極305は、n型エミッタ層303にコ
ンタクトすると同時にp型ベース層302にもコンタク
トするように形成されている。n型エミッタ層303と
n型ドレイン層311の間に、ストライプ状パターンを
もってターンオン及びターンオフ用絶縁ゲート電極31
0が形成されている。このMOSFET部の断面構造
は、図54の実施例と変わらない。
【0111】p型ベース層2のn型ドレイン層307と
n型ベース層301により挟まれた領域上には、ゲート
絶縁膜323を介してストライプ状パターンをもってゲ
ート電極324が形成されている。このゲート電極32
4は、図54の実施例では省略したターンオン用のゲー
ト電極である。
【0112】ドレイン電極308と312は、図53に
示すように連結された状態で一体形成されている。
【0113】この実施例の横型絶縁ゲート付きサイリス
タは、ターンオン時、ゲート電極310及びゲート電極
324に正電圧が印加される。これにより、n型エミッ
タ層303からゲート電極310の下のn型チャネル及
びゲート電極324下のn型チャネルを介してn型ベー
ス層301に電子が注入され、これに見合った正孔がp
型エミッタ層304からn型ベース層301に注入され
て、ターンオンする。ターンオフ時は、ゲート電極31
0を零または負のバイアスの電圧が印加される。これに
より、先の実施例で説明したと同様にホール電流がバイ
パスされてターンオフする。
【0114】この実施例においても、先の実施例と同様
に大きな電流をターンオフすることができる。
【0115】次に、本発明の更に別の実施例を説明す
る。
【0116】図56は、絶縁ゲート付きサイリスタの構
造を示す断面図である。なお、図1と対応する部分には
同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。図1に
示す絶縁ゲート付きサイリスタと比較して明らかなよう
に、この実施例に係る絶縁ゲート付きサイリスタでは、
n型エミッタ層3を内部に有するp型ベース層2の他
に、n型エミッタ層を内部に有しないp型ベース層2′
があり、これら2つのp型ベース層2,2′をそれぞれ
ソース層,ドレイン層とし、n型ベース層1をチャネル
とするp型MOSFETが形成されている。このp型M
OSFETはゲート絶縁膜9,ゲート電極10(Goff
)により駆動される。また、n型エミッタ層3,p型
ベース層2,n型ベース層1よりなるn型MOSFET
が形成され、このn型MOSFETはゲート酸化膜2
3,ゲート電極24(Gon)により駆動される。
【0117】図56に示す絶縁ゲート付きサイリスタ
は、ターンオフ時には前記図2に実線で示すようなタイ
ムチャ−トに従ったゲート駆動法によりオフされる。す
なわち、ターンオン用の絶縁ゲート電極24をオン状態
とするために、ゲート電極24にカソードに対して正の
電圧を印加した後、時間(Δt1 )後にゲート電極10
にカソードに対して負の電圧を印加する。あるいは、タ
−ンオン用の絶縁ゲ−ト電極24は、図2に破線で示す
ように、タ−ンオンからタ−ンオフまでの間ずっと正の
電圧を印加したままにおいてもよい。
【0118】図56において、ゲ−ト電極10をオン状
態にした時の電子電流を実線で、またホール電流のバイ
パス経路を破線で示している。ホ−ル電流は図示のよう
に、n型エミッタ層3の直ぐ近くでp型MOSFETを
通じてカソード電極5に排出される。
【0119】このような電流の経路は、いわゆるIGB
T(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)と同じであ
る。それ故に、ゲート電極10に正の電圧を印加した後
一定時間後(Δt2 後)に、ターンオン用のゲート電極
24をオフにすると、電子の注入が止まり素子はオフす
る。この時、図56に示す構造では、図64に示す従来
の構造と比較して明らかなように、ホール電流バイパス
経路には、オフ用のMOSFETによるp型ベース層2
の横方向抵抗が入らない。また、ターンオフ時に電子電
流が均一に流れており、従来の駆動方法によるターンオ
フのように、電子電流の導通領域の縮少によるターンオ
フ電流の低下がない。
【0120】図57は、図56の絶縁ゲート付きサイリ
スタをさらに改良した構造を示す断面図である。図1と
対応する部分には同一符号を付して、その詳細な説明は
省略する。
【0121】本構造においては、p型ベース層の内部に
形成されるn型エミッタ層がカソード電極5のみに接続
されている場合(図57の3)と、カソード電極5を通
じてp型ベース層2に接続されている場合(図57の
3′)の2つの形状を有している。ターンオフ時のキャ
リアの流れは、図57に示すように図56の実施例と基
本的に同じである。この構造は、図の3′に示したn型
エミッタ層が、オン状態においてもラッチアップせずに
IGBT動作をすることが特徴であり、図56の実施例
よりオン電圧を低減することができる。
【0122】なお、図56,57の実施例については、
ターンオフ用pチャネルMOSFETのp型ドレイン層
とp型エミッタ層が分離されているが、一部で接続され
ていてもよく、本発明はターンオフ用のpチャネルMO
SFETを有した他の構造にも適用することができる。
【0123】次に、本発明の更に別の実施例を説明す
る。
【0124】図58(a)の実施例は、ホール排出用の
MOSFETが、トレンチ515を用いてn型エミッタ
層504に隣接して形成されている。即ち、p型ベース
層503,n型ウェル層511,p+ 型層512,トレ
ンチ515に作られた絶縁膜509,及びゲート電極5
10(G2)により縦方向にMOSFETが形成されて
いる。また、電子注入用のMOSFETは、ゲート絶縁
膜507及びゲート電極508(G1)によるプレーナ
タイプにて形成されている。
【0125】この実施例の駆動方法について説明する
と、図63(a)に示すように、ターンオンは、ゲート
電極G2に正、又はゼロの電圧を印加しチャネル514
がオフの状態で、ゲート電極G1に正の電圧を印加しチ
ャネル513をオンさせると、n型エミッタ層504よ
り電子が注入され、p型エミッタ層501からはp型ベ
ース層502にホールが注入され、素子が導通状態とな
る。
【0126】本実施例によるところのターンオフは、ゲ
ート電極G1に正の電圧を印加しチャネル513がオン
状態で電子注入が続いた状態で、ゲート電極G2に負の
電圧を印加しチャネル514をオンさせ、p型べース層
513中のホールがp+ 層512を介してカソード電極
506に排出される経路を開く。これにより、IGBT
と等価の状態にした後に、ゲート電極G1に負の電圧を
印加しチャネル513をオフし、電子注入を止めること
により、素子が非導通状態となる。このように、ホール
排出用のMOSFETをオンする時には電子注入用MO
SFETがオンし電子電流が流れており、通常の場合の
ように電子電流の導通領域の減少による電流集中現象が
なく、従来より、より大きな電流までターンオフするこ
とが可能となる。
【0127】図58(b)の実施例は、(a)の実施例
と比べ、トレンチ528の底部がn型ベース層まで達し
ているものである。この実施例の駆動方法は、(a)の
実施例と同じである。
【0128】図59(a)の実施例は、電子注入用のM
OSFETを、トレンチ516を用いて形成したもの
で、ホール排出用のMOSFETは、ゲート電極523
(G2)によるプレーナタイプで形成されている。即
ち、トレンチ516内にゲート絶縁幕518を介してゲ
ート電極(G1)517が埋込み形成され、n型ベース
層502とn型エミッタ層504間をチャネル526と
する縦型の電子注入用MOSFETが形成されている。
また、p型ベース層503内にn+ 型層520,521
を設け、n+ 型層520,521間の上にゲート絶縁膜
522を介してゲート電極(G2)523を設けること
にとより、プレーナタイプのホール排出用MOSFET
が形成されている。
【0129】ホール排出時は、p型ベース層503中の
ホールが、n型エミッタ層504に隣接して設けられた
電極519を介してn+ 型層520と短絡し、ゲート電
極523(G2)に正の電圧を印加することにより、チ
ャネル527を電子電流として流れ、n+ 型層521を
介してカソード電極524に排出される。
【0130】本実施例素子の駆動方法は、図63(b)
に示す通りで、図58(a)の実施例(駆動方法は図6
3(a))とは、ホール排出用のMOSFETがnチャ
ネルMOSFETとpチャネルMOSFETの違いがあ
るため、ゲート電極523(G2)の極性が異なるが、
その他の原理,方法は前述の通りである。
【0131】図59(b)の実施例を、(a)の実施例
との違いについて述べる。本実施例は、ホール排出用に
pチャネルMOSFETを用いるものである。即ち、p
+ 型層529,530、nウェル層531,絶縁膜53
2,ゲート電極533(G2)にて形成されるMOSF
ETにより、ホールがp型ベース層503中よりp+
529,チャネル535,p+ 層530を経て、カソー
ド電極534に排出される。本実施例の駆動方法は、図
63(a)に示す通りで、図58(a)の実施例の駆動
方法と同じである。
【0132】図60(a)の実施例は、電子注入用のM
OSFETとホール排出用のMOSFETの両者共に、
トレンチ側壁に形成されたものである。即ち、ホール排
出用のMOSFETは図58(a)の実施例と同様にト
レンチ515に形成されており、電子注入用のMOSF
ETは図59(a)の実施例と同様にトレンチ516に
形成されている。駆動方法は、図58(a)の実施例と
同様である。
【0133】図60(b)の実施例の(a)との違い
は、ホール排出用のMOSFETを形成するためのトレ
ンチ545の底部がn型ベース層まで達していること
で、駆動方法は図58(a)の実施例と同様である。
【0134】図61の実施例においては、ホール排出用
MOSFET(ゲート電極G2)は、紙面に垂直にスト
ライプ状に形成されており、その異なる位置での断面図
を並べて示してある。ストライプ状のトレンチ555の
底部に連続して電極536が形成され、ストライプ状の
トレンチ555の下に電極536を覆うように間欠的に
+ 層537が形成されている。
【0135】本実施例のホール排出時は、p型ベース層
503中のホールが、n型エミッタ層504に隣接して
設けられた電極536を介してn+ 層537と短絡し、
ゲート電極538(G2)に正の電圧を印加することに
より、チャネル539を電子電流として流れ、n型エミ
ッタ層504を介してカソード電極506に排出され
る。
【0136】本実施例の駆動方法は、図63(b)に示
す通りであり、図59(a)の実施例と同様である。
【0137】図62の実施例は、電子注入用のMOSF
ETとホール排出用MOSFETの両者共にトレンチ側
壁に形成されたものであり、電子注入用のMOSFET
(ゲート電極G1)はトレンチ540に、ホール排出用
MOSFET(ゲート電極G2)はトレンチ541に形
成されている。
【0138】電子注入用MOSFET(G1)は図60
(a)の実施例と同様に縦方向のチャネル電流をオンオ
フするが、ホール排出用MOSFET(G2)は、横方
向のチャネル電流を利用するものである。即ち本実施例
では、常時p型ベース層503がカソード電極506と
接触しているが、その接触率を小さくし導通状態でのホ
ールの逃げを小さくしてあり、ホール排出時は、ゲート
電極G2に負の電圧を印加することにより、チャネル表
面542にホールが蓄積し、チャネル抵抗が大幅に下が
り、p型ベース層503を横方向に流れるホール電流5
43となりホールを排出するものである。本実施例の駆
動方法は、図63(a)に示す通りであり、図58
(a)の実施例と同じである。
【0139】このように図59〜62の実施例では、従
来の構造と異なり、ホール排出用のMOSFETがn型
エミッタ層に隣接して形成されているため、ホール電流
の排出経路にp型ベース層の横方向抵抗が入ることがな
い。また、本実施例の駆動方法では、ホール排出用のM
OSFETをオンする時には電子注入用MOSFETが
オンし電子電流が流れており、通常の場合のように電子
電流の導通領域の減少による電流集中現象がない。従っ
て、従来より、より大きな電流までターンオフすること
が可能である。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に使用され
る絶縁ゲート付きサイリスタでは、ターンオフ用MOS
FETのn型ソース層とn型エミッタ層とが分離され、
かつドレイン層とドレイン電極がn型エミッタ層に隣接
して形成されている。また、ターンオフ時のホール電流
吸い出し電極であるドレイン電極は、n型エミッタ層の
直ぐ近くにおいてp型ベース層にも直接コンタクトして
いる。そのため、ホール電流バイパス経路には、オフ用
のMOSFETによるp型ベース層の横方向抵抗が入ら
ない。また、ターンオフ時に電子電流が均一に流れてお
り、従来の駆動方法によるターンオフのように、電子電
流の導通領域の縮少によるターンオフ電流の低下がな
い。従って、本発明の絶縁ゲート付きサイリスタの駆動
方法によると、より高いタ−ンオフ電流を得ることが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る絶縁ゲート付きサイリ
スタの断面図。
【図2】本発明の絶縁ゲート付きサイリスタの駆動方法
を示すタイムチャ−ト図。
【図3】本発明の絶縁ゲート付きサイリスタの駆動方法
により得た最大タ−ンオフ電流を従来の絶縁ゲート付き
サイリスタの駆動方法のそれと比較して示す特性図。
【図4】図1の絶縁ゲート付きサイリスタを横型に適用
したサイリスタのカソ−ド側レイアウトを示す図。
【図5】図4の III−III 断面図。
【図6】エミッタ層を複数個に分割して配置し、その分
割されたスペース領域でドレイン電極を櫛型に挿入して
p型ベース層にコンタクトさせた絶縁ゲート付きサイリ
スタのカソ−ド側レイアウトを示す図。
【図7】ゲ−ト電極をジグザグ型にしてチャンネル幅を
長くした絶縁ゲート付きサイリスタを示す斜視図。
【図8】複数個に分割されたエミッタ層に挟まれた領域
にドレイン層を形成した絶縁ゲート付きサイリスタのカ
ソ−ド側レイアウトを示す図。
【図9】図8の VII−VII 断面図
【図10】図8のVIII−VIII断面図。
【図11】ターンオン用の絶縁ゲート電極ストライプ状
に配設した絶縁ゲート付きサイリスタのカソ−ド側レイ
アウトを示す図。
【図12】図11のX−X断面図。
【図13】図11のXI−XI断面図。
【図14】島状のn型エミッタ層を完全には分離せず、
p型ベース層の端部で連続するように形成した絶縁ゲー
ト付きサイリスタのカソ−ド側レイアウトを示す図。
【図15】図14のXIII−XIII断面図。
【図16】図14の XIX−XIX 断面図。
【図17】図8〜図10の実施例での分割n型エミッタ
層に対するターンオフ用MOSFETとドレイン電極の
p型ベース層に対するコンタクト位置の関係が逆にされ
た絶縁ゲート付きサイリスタのカソ−ド側レイアウトを
示す図。
【図18】図17の XVI−XVI 断面図。
【図19】図17のXVII−XVII断面図。
【図20】n型エミッタ層がストライプ状パターンをも
って連続的に形成されている絶縁ゲート付きサイリスタ
のカソ−ド側レイアウトを示す図。
【図21】図20の XIX−XIX 断面図。
【図22】図20のXX−XX断面図。
【図23】ターンオフ用のMOSFET領域と、サイリ
スタ領域を分離した絶縁ゲート付きサイリスタの断面
図。
【図24】ターンオフ用のMOSFET領域と、サイリ
スタ領域を分離した絶縁ゲート付きサイリスタの断面
図。
【図25】本発明の他の態様の絶縁ゲート付きサイリス
タの主要部を示す断面図。
【図26】図25を変形した絶縁ゲート付きサイリスタ
の主要部を示す断面図。
【図27】図5の素子に変形を加えた絶縁ゲート付きサ
イリスタを示す断面図。
【図28】図27の素子に変形を加えた絶縁ゲート付き
サイリスタを示す断面図。
【図29】図7に示す構造のサイリスタのn型半導体層
の厚さとタ−ンオフ時のフォ−ルタイムの関係を示すグ
ラフ図。
【図30】絶縁ゲート付きサイリスタが複数個、連続し
て形成されたサイリスタを示す平面図。
【図31】図30のA−A´断面図。
【図32】図30のB−B´断面図。
【図33】p型ベ−ス層とカソ−ド電極とを高抵抗によ
り接続した例を示す断面図。
【図34】2つのp型ベ−ス層の間に局所的に低ライフ
タイム層を設けた絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面
図。
【図35】2つのp型ベ−ス層の間に低濃度のp型ウェ
ル層を設けた絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図36】2つのp型ベ−ス層をトレンチに埋め込まれ
た絶縁層により分離した絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示
す断面図。
【図37】単一のp型ベ−ス層にn型ウェル層を設けた
絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図38】n型エミッタ層とカソ−ド電極との間のp型
ベ−ス層に形成されたn型ウェル層内にp型ソ−ス層を
形成した絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図39】本発明の更に他の態様の絶縁ゲ−ト付きサイ
リスタを示す断面図。
【図40】p型ベ−ス層を2つの領域に誘電体分離した
絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図41】オン用のMOSFETと、オフ用のMOSF
ETとが誘電体分離された同一の半導体領域に形成され
ている絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図42】オン用のMOSFETと、オフ用のMOSF
ETとが別々の誘電体分離された半導体領域に形成され
ている絶縁ゲ−ト付きサイリスタを示す断面図。
【図43】図42に示す実施例を変形した絶縁ゲード付
きサイリスタを示す断面図。
【図44】3つのMOSFETを設けた絶縁ゲ−ト付き
サイリスタを示す断面図。
【図45】図44に示す実施例を変形した絶縁ゲード付
きサイリスタを示す断面図。
【図46】図41に示す絶縁ゲード付きサイリスタを縦
型に適用した例を示す断面図。
【図47】本発明の更にまた他の態様の絶縁ゲード付き
サイリスタを示す断面図。
【図48】図47の変形例である絶縁ゲード付きサイリ
スタを示す断面図。
【図49】図47の変形例である絶縁ゲード付きサイリ
スタを示す断面図。
【図50】図47の変形例である絶縁ゲード付きサイリ
スタの第3のゲ−ト電極の部分を示す断面図。
【図51】第2のゲートを形成にp型高濃度層を用いた
絶縁ゲード付きサイリスタを示す断面図。
【図52】図51に示す絶縁ゲード付きサイリスタの製
造プロセスを示す断面図。
【図53】図51に示す絶縁ゲード付きサイリスタの製
造プロセスを示す断面図。
【図54】本発明の他の態様の絶縁ゲート付きサイリス
タのターンオフゲート部の構造を示す断面図。
【図55】本発明の更に他の態様の横型の絶縁ゲート付
きサイリスタを示す断面図。
【図56】ターンオフ用トランジスタをpチャネルMO
SFETで構成した絶縁ゲート付きサイリスタの断面
図。
【図57】図57の構成にn型エミッタを追加してオン
電流を増大させた絶縁ゲート付きサイリスタの断面図。
【図58】ホール排出用MOSFETを縦型トランジス
タとした絶縁ゲート付きサイリスタの断面図。
【図59】電子注入用MOSFETを縦型トランジスタ
とした絶縁ゲート付きサイリスタの断面図。
【図60】ホール排出用MOSFET及び電子注入用M
OSFET共に縦型トランジスタとした絶縁ゲート付き
サイリスタの断面図。
【図61】ホール排出用MOSFETをトレンチ内に横
型トランジスタとして形成した絶縁ゲート付きサイリス
タの断面図。
【図62】縦方向のチャネル電流をオンオフする電子注
入用MOSFETと横方向のチャネル電流を利用するホ
ール排出用MOSFETを用いた絶縁ゲート付きサイリ
スタの斜視図。
【図63】絶縁ゲート付きサイリスタの駆動方法を示す
タイムチャ−ト図。
【図64】従来の絶縁ゲート付きサイリスタを示す断面
図。
【符号の説明】
1…高抵抗n型ベ−ス層 2…p型ベ−ス層 3…n型エミッタ層 4…p型エミッタ層 5…カソ−ド電極 6…アノ−ド電極 7a…第1のn型ドレイン層 7b…第2のn型ドレイン層 8…ドレイン電極 9…ゲ−ト絶縁膜 10…ゲ−ト電極(タ−ンオフ電極) 11…n型ソ−ス層 12…ソ−ス電極 21…シリコン基板 22…酸化膜 23…ゲ−ト絶縁膜 24…ゲ−ト電極(タ−ンオン用)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 滋 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中山 和也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平6−125078(JP,A) 特開 平6−151827(JP,A) 特開 平5−335556(JP,A) 特開 平5−335555(JP,A) 特開 平5−335554(JP,A) 特開 平5−235332(JP,A) 特開 昭62−76557(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/749

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層を介して前記第2導電型ベース
    層と接続された第2導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面領域に形成された第1導
    電型エミッタ層と、前記第2導電型ベース層内に形成された第1導電型ウェ
    ル層と、 前記第2導電型ベース層の表面領域に前記第1導電型ウ
    ェル層に隣接して形成された第2導電型層と、 前記第2導電型エミッタ層に接続されたアノード電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層上及び第2導電型層上に形成
    されたカソード電極と、 前記第1導電型ベース層と第1導電型エミッタ層との間
    の前記第2導電型ベース層上に形成された第1のMOS
    ゲートと、 前記第2導電型層の表面から前記第1導電型ウェル層を
    貫通し少なくとも前記第2導電型ベース層の途中までエ
    ッチングして設けられたトレンチ内に埋め込み形成され
    た第2のMOSゲートと、 を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート付きサイリ
    スタ。
  2. 【請求項2】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層を介して前記第2導電型ベース
    層と接続された第2導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面領域に形成された第1導
    電型エミッタ層と、前記第2導電型ベース層内に形成された第1導電型ウェ
    ル層と、 前記第2導電型ベース層の表面領域に前記第1導電型ウ
    ェル層に隣接して形成された第2導電型層と、 前記第2導電型エミッタ層に接続されたアノード電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層上及び第2導電型層上に形成
    されたカソード電極と、 前記第1導電型エミッタ層の表面から前記第2導電型ベ
    ース層を貫通し前記第1導電型ベース層の途中までエッ
    チングして設けられたトレンチ内に埋め込み形成された
    第1のMOSゲートと、 前記第2導電型層の表面から前記第1導電型ウェル層を
    貫通し少なくとも前記第2導電型ベース層の途中までエ
    ッチングして設けられたトレンチ内に埋め込み形成され
    た第2のMOSゲートと、 を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート付きサイリ
    スタ。
  3. 【請求項3】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の一方の面に形成された第2導
    電型ベース層と、 前記第1導電型ベース層を介して前記第2導電型ベース
    層と接続された第2導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面領域に形成された複数の
    第1導電型エミッタ層と、前記第2導電型エミッタ層に接続されたアノード電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層上及び第2導電型層上に形成
    されたカソード電極と、 前記第1導電型エミッタ層の表面から前記第2導電型ベ
    ース層を貫通し前記第1導電型ベース層の途中までエッ
    チングして設けられたトレンチ内に埋め込み形成された
    第1のMOSゲートと、 前記第2導電型ベース層の表面部で前記第1導電型エミ
    ッタ層を分離する該第2導電型ベース層を一部エッチン
    グして設けられたトレンチ内に埋め込み形成された第2
    のMOSゲートと、 を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート付きサイリ
    スタ。
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