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JP3395589B2 - 射出成形機の成形条件設定方法 - Google Patents

射出成形機の成形条件設定方法

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Publication number
JP3395589B2
JP3395589B2 JP21452697A JP21452697A JP3395589B2 JP 3395589 B2 JP3395589 B2 JP 3395589B2 JP 21452697 A JP21452697 A JP 21452697A JP 21452697 A JP21452697 A JP 21452697A JP 3395589 B2 JP3395589 B2 JP 3395589B2
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Japan
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injection
molding
stroke
defective item
molding conditions
Prior art date
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昌弘 紙
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/766Measuring, controlling or regulating the setting or resetting of moulding conditions, e.g. before starting a cycle

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機を使用
して溶融した樹脂材料を成形する際、所定の品質を得る
ための最適な成形条件を、効率的、かつ、精度よく設定
する射出成形機の成形条件設定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融樹脂の射出成形においては、
横軸を射出スクリュの位置とし縦軸を射出スクリュの前
進速度とした射出プロファイルや、横軸を時間とし縦軸
を射出圧力とした保圧プロファイルを、あらかじめ設定
したうえ、この射出プロファイルにしたがって高速で金
型キャビティ内へ溶融した樹脂材料を射出充填する充填
工程と、保圧プロファイルにしたがって溶融樹脂の充填
後に金型キャビティ内の樹脂に圧力を加えて成形する保
圧工程によって射出制御され、多くの場合、充填工程は
油圧回路の圧力調整弁を高圧に設定し、射出開始からの
経過時間または射出スクリュの前進位置を基準に速度を
複数段に変化させるように流量制御弁の開度を時間経過
とともに、あるいは射出スクリュのストローク位置に応
じて変化させるように設定し、該流量制御弁の調整によ
り射出シリンダのピストン、すなわち、射出スクリュの
射出速度を制御し、金型キャビティ内の樹脂が空気を巻
き込まない程度に高速で溶融樹脂を金型キャビティ内へ
充填するものとし、溶融樹脂が金型キャビティ内に充填
された後は流量制御弁を比較的小さい開度に固定し、圧
力調整弁により油圧を調整する保圧工程とし、この保圧
工程は時間経過に応じて金型キャビティ内に充填された
溶融樹脂に所定の圧力を加え得るように圧力調整弁の開
度を変化させ、金型キャビティ内で溶融樹脂が冷却され
ることにより樹脂が収縮し、製品の形状や寸法がキャビ
ティ形状の寸法に対して誤差が生じることがないように
防止するとともに製品内部に大きな残留応力が生じない
ようにしている。
【0003】図6は、溶融樹脂が射出成形機20のスク
リュヘッド前部22よりノズル部4を経由して金型10
a、10bで形成されるキャビティ8へ射出充填される
直前の状態を示しており、この後、射出工程に入り、射
出シリンダ16のヘッド側16aより作動油が射出シリ
ンダ16内へ入りスクリュ1を前進させて、ノズル部4
の溶融樹脂をキャビティ8内へ移送させる。キャビティ
8内に溶融樹脂が充満された後に保圧工程へ入り、樹脂
の冷却固化に伴う収縮分を補充されつつ、スクリュヘッ
ド前部22の樹脂に圧力が加えられる。このような射出
工程と保圧工程にそれぞれどのような樹脂流入速度パタ
ーンや圧力パターンで溶融樹脂を射出充填していくのか
ということに、金型内で成形される樹脂成形品の品質の
良否が依存しており、一般的には、前述したように、例
えば射出工程では、図7に示すように、スクリュ位置と
スクリュ前進速度との関係で設定し、保圧工程では、図
8に示すように、経過時間と保圧力(油圧力または樹脂
圧力)との関係で設定するようにしている。
【0004】そして、このような射出速度パターン(射
出プロファイルとも言う)や圧力パターン(保圧プロフ
ァイルとも言う)を決定するに当って、オペレータは良
品を再現性よく安定的に得ることのできる成形条件を把
握しようとして、熟練知識を駆使して種々の成形条件の
色々な組み合わせを実施してトライアル・アンド・エラ
ーにより望ましい結果を得ようとしてきた。
【0005】また、最近ではこうした試行錯誤法ととも
に、コンピュータ技術を駆使した樹脂の金型内流動解析
に関するシミュレーション法により、望ましい成形条件
をある程度の精度で把握するような試みも実施されつつ
ある。本発明以前の特許で同様な方法により最適成形条
件を求める従来技術としては、例えば、特公平5−13
048号が挙げられる。
【0006】この特許の方法では、基準となる成形条件
を設けずに、多数の設定条件因子を設定し、それに対し
多数の変化水準を作成して成形テストを行うため成形テ
ストの数は非常に多くなり、成形品の品質判定も100
点満点中85点というふうに評価も複雑になっていた。
また多くの成形テスト結果から重回帰分析により品質が
最高になる成形条件を出すため、複雑な計算をしなくて
はならず実用には向いていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような解析手
法は、理想化された数式や樹脂物性を用いて計算を行な
い、かつ、簡略化された金型モデルを用いて計算を行な
うため、得られた成形条件と実操業における最適成形条
件の間にはある程度のギャップがあり、解析で得られた
条件で成形すると良品が出来ない可能性が高く、最悪の
場合、オーバパックにより大きなバリが発生して金型に
大きなダメージを与えることあり、しかも、実操業で得
られた成形品は必ずしもすべて満足のいくものとはなら
ないことがあった。したがって、上述の解析手法で得ら
れた成形条件を、実操業で十分満足できる成形品を得ら
れる最適成形条件に修正する何らかの対策と、この対策
により迅速、かつ、簡便容易な設定手順を確立する手立
てが早急に待望されていた。本発明では、このような課
題を解決し、実操業において十分満足できる成形品品質
を有する成形品を得ることの出来る最適成形条件の設定
方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明においては、第1の発明では、溶融した樹
脂材料を略密閉状の金型キャビティ内に流動圧入して成
形品を繰り返し生産する射出成形機の成形条件設定方法
であって、あらかじめ金型キャビティ形状を数学的に定
義した金型モデルを作成し、該金型モデルに溶融樹脂を
流した場合の樹脂流動解析を行なって射出プロファイル
および保圧プロファイルからなる最適成形条件を算出す
るとともに、この射出プロファイルよりも短いストロー
クで試し打ち成形テストを実施して、オペレータの目視
による外観品質判定を行ない、ストロークに起因する不
良項目が存在するかどうかを確認し、不良項目がある場
合にはあらかじめ用意した修正プログラムもしくは別途
用意した修正プログラムを使用して前記射出プロファイ
ルのストロークを再度修正して、ストロークに起因する
不良項目が無くなるまで試し打ち成形テストを繰り返し
実施して第1次ステージの射出ストローク調整を完了
し、修正最終ストロークを有する射出プロファイルと保
圧プロファイルとからなる成形条件で再度試し打ち成形
テストを実施して、オペレータの目視による外観品質判
定を行ない、あらゆる成形条件に起因する不良項目が存
在するかどうかを確認し、不良項目がある場合にはあら
かじめ用意した修正プログラムもしくは別途用意した修
正プログラムを使用して前記成形条件を再度修正して、
不良項目が無くなるまで試し打ち成形テストを繰り返し
実施して第2次ステージの成形条件調整を完了し、成形
条件の設定に起因する不良項目が皆無となった場合に、
前記第1次ステージと前記第2次ステージの調整を完了
した後の最終の成形条件を最適成形条件として生産工程
における成形条件としたものである。
【0009】そして、第2の発明では、第1の発明にお
いて、修正プログラムは、第1次ステージの射出ストロ
ークの調整時においては、不良項目がショートショット
場合に射出ストロークを数%長くし、不良項目がバリ場
合に射出ストロークを数%短くする修正機能を保有し、
第2次ステージの成形条件の調整時においては、不良項
目が焼け場合に射出速度を数%遅くし、不良項目がひけ
の場合に保圧時間を数%長くするかまたは保圧圧力を数
%上げ、不良項目がウェルドラインの場合に射出速度を
数%速くするかまたは保圧圧力を数%上げ、不良項目が
バリ場合に射出速度を数%下げ、不良項目がショートシ
ョット場合に射出速度を数%上げるように、各々の成形
条件を修正する修正機能を保有するものとした。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明においては、第1の発明で
は、溶融した樹脂材料を略密閉状の金型キャビティ内に
流動圧入して成形品を繰り返し生産する射出成形機の成
形条件設定方法であって、あらかじめ金型キャビティ形
状を数学的に定義した金型モデルを作成し、該金型モデ
ルに溶融樹脂を流した場合の樹脂流動解析を行なって射
出プロファイルおよび保圧プロファイルからなる最適成
形条件を算出するとともに、この射出プロファイルより
も短いストロークで試し打ち成形テストを実施して、オ
ペレータの目視による外観品質判定を行ない、ストロー
クに起因する不良項目が存在するかどうかを確認し、不
良項目がある場合にはあらかじめ用意した修正プログラ
ムもしくは別途用意した修正プログラムを使用して前記
射出プロファイルのストロークを再度修正して、ストロ
ークに起因する不良項目が無くなるまで試し打ち成形テ
ストを繰り返し実施して第1次ステージの射出ストロー
ク調整を完了し、修正最終ストロークを有する射出プロ
ファイルと保圧プロファイルとからなる成形条件で再度
試し打ち成形テストを実施して、オペレータの目視によ
る外観品質判定を行ない、あらゆる成形条件に起因する
不良項目が存在するかどうかを確認し、不良項目がある
場合にはあらかじめ用意した修正プログラムもしくは別
途用意した修正プログラムを使用して前記成形条件を再
度修正して、不良項目が無くなるまで試し打ち成形テス
トを繰り返し実施して第2次ステージの成形条件調整を
完了し、成形条件の設定に起因する不良項目が皆無とな
った場合に、前記第1次ステージと前記第2次ステージ
の調整を完了した後の最終の成形条件を最適成形条件と
して生産工程における成形条件としたため、樹脂流動解
析で得た成形条件を、第1ステージと第2ステージによ
る成形条件修正を行なって、試し打ち成形テストとオペ
レータの目視による外観品質判定という2つのチェック
により評価して十分満足のいく品質を備えた成形品を得
ることの出来る最適成形条件に修正して実操業に採用す
ることにより、実操業で安全確実に高品質の成形品を生
産することが出来る。
【0011】また、第2の発明では、修正プログラム
は、第1次ステージの射出ストロークの調整時において
は、不良項目がショートショット場合に射出ストローク
を数%長くし、不良項目がバリ場合に射出ストロークを
数%短くする修正機能を保有し、第2次ステージの成形
条件の調整時においては、不良項目が焼け場合に射出速
度を数%遅くし、不良項目がひけの場合に保圧時間を数
%長くするかまたは保圧圧力を数%上げ、不良項目がウ
ェルドラインの場合に射出速度を数%速くするかまたは
保圧圧力を数%上げ、不良項目がバリ場合に射出速度を
数%下げ、不良項目がショートショット場合に射出速度
を数%上げるように、各々の成形条件を修正する修正機
能を保有するようにしたので、試し打ち成形テスト結果
の外観品質判定で不良項目が出た場合に、自動的に成形
条件を修正してより改善された最適成形条件にすること
が出来るため、好都合である。
【0012】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例について
詳細に説明する。図1〜図5は本発明の実施例に係り、
図1は射出成形機の全体構成図、図2は最適成形条件の
設定手順を示すフローチャート、図3は射出工程におけ
る最適成形条件の説明図、図4は保圧工程における最適
成形条件の説明図、図5は外観品質判定結果を入力する
外観品質判定表の1例を示すパソコンCRT画面上の表
示図である。
【0013】図1に示すように、射出成形機100の射
出装置20は、スクリュ1が回転自在でかつ前後進自在
に加熱シリンダ3内に挿入されており、加熱シリンダ3
の先端にはノズル4が取付けられている。また、後部に
はスクリュ1を前後進させるピストン14を挿入した射
出シリンダ16が取付けられており、その後方にスクリ
ュ1に回転を与えるスクリュ回転用のスクリュ回転モー
タ5が設けられている。そしてこのスクリュ回転モータ
5へ駆動源として適宜な量の圧油を供給するスクリュモ
ータ用作動用バルブ11cが設けられている。
【0014】射出シリンダ16の油圧室はヘッド側油圧
室16aとロッド側油圧室16bから構成されており、
この油圧室には図示省略した油圧ポンプから作動油が供
給され油圧作動バルブ11で制御される。この油圧作動
バルブ11は、ヘッド側油圧室16aに通じるヘッド側
油圧作動バルブ11aとロッド側油圧室16bに通じる
ロッド側油圧作動バルブ11bから構成されている。ま
た、射出工程中の射出圧力を測定するために射出シリン
ダ16のヘッド側油圧室16aはヘッド側油圧センサ1
3が装着されている。
【0015】また、符号9はスクリュ1の前後進距離を
測定するスクリュ位置センサであり、速度も計測でき
る。スクリュ1の先端にはチェックシート1aを置いて
スクリュヘッド18が螺着されており、スクリュヘッド
18は先端に向かった略円錐形状で同円錐形状の後側
(図中右側)は段状になって小径になり、この小径部1
8aには軸方向摺動自在なチェックリング2が嵌挿され
ている。
【0016】ノズル4内の先端近傍には、射出工程中に
固定金型10aと可動金型10bとで構成される金型1
0内の金型キャビティ8内に充填される溶融樹脂の樹脂
圧力を測定するノズル圧力センサ6aとノズル温度セン
サ6cが配設されている。また、金型キャビティ8とノ
ズル4とを結ぶランナ部7には、金型10内の樹脂圧力
を測定するための金型内圧力センサ6bと金型温度を測
定する金型温度センサ6dが取付けてある。
【0017】この射出装置20にはノズル4の前方に配
設されたノズル圧力センサ6aによる樹脂圧力の測定
値、金型内圧力センサ6bによる樹脂圧力の測定値、射
出シリンダヘッド側油圧センサ13による油圧の測定
値、およびスクリュモータ駆動用油圧センサ15からの
油圧力の測定値、あるいは他のセンサからの測定値を受
信してここで目標値と比較することにより様々な制御指
令を出す射出成形機の制御装置30が設けられている。
【0018】なお、本発明の制御対象になる圧力とは、
射出工程におけるノズル4の樹脂圧力、金型キャビティ
8内の樹脂圧力および射出シリンダ16のヘッド側油圧
室16aの油圧のうちどれかを意味する。1回の射出工
程内において複数の圧力を同時に制御するのは不可能で
あると考えられるので、ノズル圧力センサ6a、金型内
圧力センサ6b、およびヘッド側油圧センサ13の3つ
のうち1つだけ装着しておけば良いことになる。なお、
符号12はホッパ、12aは樹脂ペレット、22はスク
リュヘッド前部を示す。
【0019】このように構成された射出成形機100を
用いた本発明の射出成形機の成形条件設定方法の実施例
について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2は、最適成形条件の設定手順を示すフローチャート
であり、実操業運転に先立ってまず解析上の最適成形条
件を設定する。この最適成形条件は、金型キャビティ形
状を数学的に定義した金型モデルを作成し、CAE技術
を応用した金型内樹脂流れの流動解析シミュレーション
手法を駆使して解析上の最適成形条件を算出する。この
成形条件は、射出充填工程の射出プロファイルと保圧工
程の保圧プロファイルとから構成される。
【0020】次に、このようにして設定された射出プロ
ファイルや保圧プロファイルの成形プロセスにおいて、
図3や図4に示すように、主要成形変数である射出速度
や圧力や、または、保圧工程のスクリュ最前進位置であ
るクッション量などの、許容下限値や許容上限値(許容
範囲)の設定を行なってもよい。この設定は流動解析シ
ミュレーションの中で実施するようにしてもよい。そし
て、2ステージに亘る試し打ち成形テストと外観目視観
察による不良項目に判定と修正プログラムによる条件修
正により、解析上の最適成形条件Sから実成形における
最適成形条件Tを発見し選定するのが、本発明の方法で
あり、以下の説明する手順によって決定する。
【0021】図2に示すように、金型モデル作成が終わ
り、樹脂流動解析手法による成形条件算出が終了する
と、第1次ステージの条件修正(「射出ストローク調
整」と呼ぶ)に着手する。ここで、射出ストロークと
は、射出開始位置から射出完了位置(保圧工程に切り替
える位置)までの距離である。
【0022】まず、上記の樹脂流動解析手法によって得
られた成形条件のうち射出ストロークを、たとえば、5
%程度短縮するものとし、射出ストローク以外のその他
の成形条件は上述の成形条件(射出プロファイルおよび
保圧プロファイル)どおりとして、試し打ち成形テスト
を実施する。なお、最初に解析で得られた成形条件のう
ち、射出ストロークのみを短縮して、試し打ち成形テス
トを実施する理由は、オーバパックによる大きなバリ発
生のよって金型損傷を防止するためである。
【0023】試し打ち成形テストが終わると、その成形
品についてオペレータによる外観品質判定を行ない、こ
の短縮ストロークに起因する不良項目が存在するかどう
か判定する。たとえば、「ショートショット」や「バ
リ」等の不良項目があれば、図5のような制御装置30
のCRT表示画面に示す外観品質判定表(不良項目一覧
表)の該当不良項目欄にカーソルまたはマウスにて入力
し、あらかじめ用意した修正プログラムもしくは別途用
意した修正プログラムを使用して射出ストロークの修正
を行なう。
【0024】この修正プログラムは、第1次ステージの
射出ストロークの調整時においては、たとえば、不良項
目がショートショット場合に射出ストロークを5%長く
し、不良項目がバリ場合に射出ストロークを5%短くす
るように修正する。
【0025】射出ストロークの修正が済むと、再度、試
し打ち成形テストと外観品質判定を行ない、不良項目が
無くなるまで上記の作業を繰り返す。
【0026】第1ステージにおいて不良項目が無くな
り、射出ストロークが確定すると、次に、第2ステージ
の条件修正(「不良回避のための条件修正」と呼ぶ)に
入る。まず、確定した射出ストロークと上記の樹脂流動
解析手法によって得られた成形条件とによる試し打ち成
形テストを実施する。試し打ち成形テストでは、成形中
の主要成形変数(充填工程における射出速度や保圧工程
における保圧圧力、クッション量など)をセンサで自動
的に測定・監視する。このとき、主要成形変数である充
填工程における射出速度や保圧工程における保圧圧力あ
るいはクッション量などが、前述したように、最適成形
条件に対して許容下限値や許容上限値(許容範囲)の設
定を行なっている場合は、この許容範囲を逸脱すれば、
その逸脱量に対応してあらかじめ用意した修正プログラ
ムに、成形条件に修正を加える修正機能を付加してお
き、適宜、成形条件を修正させて、再度、試し打ち成形
テストを実施する。
【0027】このようにして、主要成形変数が許容範囲
内に収まっているショットでは、成形された成形品の外
観品質検査を目視によりオペレータが行ない、たとえ
ば、図5に示すように、制御装置30のCRT画面上に
呼び出した外観品質判定表にその結果を入力する。この
外観品質判定表の第2項目以下の不良項目がある場合に
は、あらかじめ用意した修正プログラムを使用して成形
条件を修正変更したうえ再度試し打ち成形テストを実行
し、その後、その成形品についてオペレータによる外観
品質判定を行なう。そして、不良項目が無くなるまで、
この作業が繰り返される。
【0028】この修正プログラムは、第2次ステージの
条件修正においては、たとえば、不良項目が焼け場合に
射出速度を10%遅くし、不良項目がひけの場合に保圧
時間を10%長くするかまたは保圧圧力を5%上げ、不
良項目がウェルドラインの場合に射出速度を10%速く
するかまたは保圧圧力を5%上げ、不良項目がバリ場合
に射出速度を5%下げ、不良項目がショートショット場
合に射出速度を5%上げるように成形条件を修正する。
【0029】以上のような2つのステージを経て、チェ
ック作業を行ないつつ試し打ちテストを繰り返し(許容
範囲を設けた場合には主要成形変数が最初に設定した許
容範囲に入り)、かつ、外観品質検査にも合格した場合
に、実成形での最適成形条件Tが決定され、この成形条
件で実操業を開始する。
【0030】樹脂流動解析プログラムは、市販されてい
る金型内流動解析プログラム「MOLD・FLOW プ
ログラム」を使用できる。また、修正プログラムは、通
常、主要成形変数の許容範囲を逸脱した程度に応じて該
主要成形条件に修正を加える機能を保有したものと外観
品質判定の不良項目に応じて主要成形条件に修正を加え
る機能を保有したものの2つを用意するが、これら2つ
の機能を、樹脂流動解析プログラムに付与するようにし
てもよい。なお、本発明は射出成形機に応用したもので
あるが、金属材料を成形加工するダイカストマシンやス
クイズキャストマシンに適用してもよいことは勿論であ
る。
【0031】以上述べたように、本発明においては、あ
らかじめ設定された成形条件に基づいて、第1次ステー
ジと第2次ステージの2つの段階を経て、全ての外観品
質判定に合格した成形条件を最適成形条件Tと決定し
て、実操業を行なうようにしたため、良品を打てる成形
条件が自動的に誰でも迅速に設定できる。本発明方法に
係るテストを実施して得られた結果では、最適成形条件
設定に要した時間は、従来の熟練オペレータの条件出し
所要時間の1/6〜1/4であった。また、この設定作
業手順も、ほぼ完全に自動化されたものであり、実施が
簡便容易である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の射出成形
機の成形条件設定方法によれば、樹脂流動解析で得られ
た成形条件をもとに実成形での最適成形条件を、金型を
損傷することなく、迅速かつ簡便容易に設定でき、熟練
されたオペレータの知識を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る最適成形条件の設定手順
を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る充填工程における最適成
形条件の説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る保圧工程における最適成
形条件の説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る外観品質判定結果を入力
する外観品質判定表の1例を示すパソコンCRT画面上
の表示図である。
【図6】従来の射出成形機の全体構成図である。
【図7】従来の射出工程の成形条件の実施例である。
【図8】従来の保圧工程の成形条件の実施例である。
【符号の説明】
1 スクリュ 2 チェック弁 3 バレル 4 ノズル 5 スクリュ回転モータ 6a ノズル圧力センサ 6b 金型内圧力センサ 6c ノズル温度センサ 6d 金型温度センサ 7 ランナ部 8 金型キャビティ 9 位置センサ 10 金型 10a 固定金型 10b 可動金型 11a ヘッド側油圧作動バルブ 11b ロッド側油圧作動バルブ 12 ホッパ 12a 樹脂ペレット 13 射出シリンダヘッド側油圧センサ 14 ピストン 16 射出シリンダ 16a ヘッド側室 16b ロッド側室 18 スクリュヘッド 18a 小径部 20 射出装置 22 スクリュヘッド前部 30 制御装置 100 射出成形機 L 下限値条件 S 解析上の最適成形条件 T 実成形での最適成形条件 U 上限値条件

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融した樹脂材料を略密閉状の金型キャ
    ビティ内に流動圧入して成形品を繰り返し生産する射出
    成形機の成形条件設定方法であって、 あらかじめ金型キャビティ形状を数学的に定義した金型
    モデルを作成し、該金型モデルに溶融樹脂を流した場合
    の樹脂流動解析を行なって射出プロファイルおよび保圧
    プロファイルからなる最適成形条件を算出するととも
    に、 この射出プロファイルよりも短いストロークで試し打ち
    成形テストを実施して、オペレータの目視による外観品
    質判定を行ない、ストロークに起因する不良項目が存在
    するかどうかを確認し、 不良項目がある場合にはあらかじめ用意した修正プログ
    ラムもしくは別途用意した修正プログラムを使用して前
    記射出プロファイルのストロークを再度修正して、あら
    ゆる成形条件に起因する不良項目が無くなるまで試し打
    ち成形テストを繰り返し実施して第1次ステージの射出
    ストローク調整を完了し、 修正最終ストロークを有する射出プロファイルと保圧プ
    ロファイルとからなる成形条件で再度試し打ち成形テス
    トを実施して、オペレータの目視による外観品質判定を
    行ない、ストロークに起因する不良項目が存在するかど
    うかを確認し、 不良項目がある場合にはあらかじめ用意した修正プログ
    ラムもしくは別途用意した修正プログラムを使用して前
    記成形条件を再度修正して、不良項目が無くなるまで試
    し打ち成形テストを繰り返し実施して第2次ステージの
    成形条件調整を完了し、 成形条件の設定に起因する不良項目が皆無となった場合
    に、前記第1次ステージと前記第2次ステージの調整を
    完了した後の最終の成形条件を最適成形条件として生産
    工程における成形条件とした射出成形機の成形条件設定
    方法。
  2. 【請求項2】 修正プログラムは、第1次ステージの射
    出ストロークの調整時においては、不良項目がショート
    ショット場合に射出ストロークを数%長くし、不良項目
    がバリ場合に射出ストロークを数%短くする修正機能を
    保有し、 第2次ステージの成形条件の調整時においては、不良項
    目が焼け場合に射出速度を数%遅くし、不良項目がひけ
    の場合に保圧時間を数%長くするかまたは保圧圧力を数
    %上げ、不良項目がウェルドラインの場合に射出速度を
    数%速くするかまたは保圧圧力を数%上げ、不良項目が
    バリ場合に射出速度を数%下げ、不良項目がショートシ
    ョット場合に射出速度を数%上げるように、各々の成形
    条件を修正する修正機能を保有した請求項1記載の射出
    成形機の成形条件設定方法。
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