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JP3395451B2 - 交換型フローセルを備えたポーラログラフ分析装置 - Google Patents

交換型フローセルを備えたポーラログラフ分析装置

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Publication number
JP3395451B2
JP3395451B2 JP12945195A JP12945195A JP3395451B2 JP 3395451 B2 JP3395451 B2 JP 3395451B2 JP 12945195 A JP12945195 A JP 12945195A JP 12945195 A JP12945195 A JP 12945195A JP 3395451 B2 JP3395451 B2 JP 3395451B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow cell
urine
output
microcomputer
toilet
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JP12945195A
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JPH08304325A (ja
Inventor
利雄 小黒
伸洋 五島
Original Assignee
東陶機器株式会社
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Publication date
Application filed by 東陶機器株式会社 filed Critical 東陶機器株式会社
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  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、住宅やオフィスその他
のトイレットにおいて便座に着座した個人から排泄され
た尿をその場でサンプリングして分析するようになった
分析装置に関する。より詳しくは、本発明は、使い捨て
可能なポーラログラフ・フローセルを備えた分析装置に
関する。
【0002】
【背景技術】人々の長寿高齢化に伴い、健康管理に関す
る個人の関心が高まっている。尿は個人の健康状態に関
する重要な情報源であり、尿糖、尿蛋白、ウロビリノー
ゲン、潜血、その他の尿成分を定量分析することによ
り、糖尿病のようなすい臓障害や肝臓障害や腎臓障害そ
の他の機能障害を非侵襲方式で検査することができる。
そこで、家庭やオフィスその他のトイレットを利用して
尿のサンプリングと分析を行い、個人の健康チェックを
支援することの可能な、尿分析機能を備えたトイレット
が提案されている。
【0003】本出願人は、平成5年12月30日の特願平5-
354283号や平成6年3月31日の特願平6-87399号などに
おいて、家庭やオフィスその他のトイレットで尿をサン
プリングし、採取された尿サンプルをポーラログラフ・
フローセルに搬送して尿サンプル中の所定の成分を定量
分析するようになったトイレット設置型の尿分析装置を
提案した。フローセルは酵素を担持した作用極を有し、
検体中の所定の成分の含有量に応じた信号を出力するよ
うになっている。フローセルの作用極の酵素は使用に伴
い活性を失い、フローセルの出力が低下する。そこで、
フローセルは使い捨て可能に形成してあり、出力の低下
したフローセルは新たなフローセルと交換できるように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】新たなフローセルに
は、製造公差や保管方法の相違や保管期間の相違により
性能にバラツキがあり得る。従って、新たなフローセル
を装着した時には、較正液(分析対象成分を所与の既知
の濃度で含有する標準液)をフローセルに送ってフロー
セル出力を較正するのが好ましい。しかるに、トイレッ
トに設置されるこの種の分析装置においては、フローセ
ルの交換は家人や家庭の主婦のような一般使用者がしな
ければならないので、フローセルの交換に伴う操作は出
来るだけ簡素化することが望ましい。
【0005】従って、本発明の目的は、フローセル交換
後、最初の分析を開始するまでの間に、自動的にフロー
セル出力の較正を行うようになったポーラログラフ分析
装置を提供することである。
【0006】前述したように新たな個々のフローセルに
は種々の原因により性能のバラツキがあり得る。また、
出力の経時的低下の度合いも使用の態様により異なる。
従って、新たなフローセルの平均的寿命を想定して交換
時期を予め決定し、フローセルを定期的に交換するよう
にした場合には、平均性能以上のフローセルの場合には
不経済となり、平均性能以下のフローセルの場合には分
析精度が不十分となる。従って、本発明の他の目的は、
一般使用者に対してフローセルの合理的な交換を勧告す
るようになったポーラログラフ分析装置を提供すること
である。
【0007】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用の概要】本発明
は、酵素を担持した作用極を有する交換可能なポーラロ
グラフ・フローセルを備え、トイレットでサンプリング
された検体中の所定の成分をフローセルの出力に基づい
て定量分析するようになったトイレット設置型ポーラロ
グラフ分析装置において、フローセルの交換を検知する
手段を設け、フローセルの交換に応答して自動的にフロ
ーセル出力の較正を行うようにしたことを特徴とするも
のである。
【0008】このように、フローセルが交換された時に
は自動的に分析装置の較正が行われるので、一般家庭に
おいて最小限の操作により高精度の尿分析を行うことが
可能になる。
【0009】好ましい実施態様においては、新たなフロ
ーセルを装着した時に自動的に較正が行なわれた後、所
定時期(所定時間経過後、若しくは、所定回数の分析が
行われた時)毎に自動的に較正が行われ、フローセルの
出力が所定レベル以下になった時には使用者はフローセ
ルを交換するよう勧告される。
【0010】このように較正時の出力に基づいてフロー
セルの交換を勧告させれば、一般使用者は合理的な時期
にフローセルを交換することができるので、最小限の維
持費で高精度の尿分析を行うことができる。
【0011】本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の
特徴や効果は、以下の実施例の記載に従いより詳しく説
明する。
【0012】
【実施例】全体構成 初めに本発明のポーラログラフ分析装置の全体構成を説
明するに、図1は本発明の一実施例に係るポーラログラ
フ尿分析装置10をトイレットに設置したところを示
し、図2は図1に示した尿分析装置のハウジングを分解
したところを示す。これらの図面を参照するに、トイレ
ットの便器12には、例えばフレーム14と上部ケーシ
ング16と左右の下部ケーシング18および20とで構
成されたハウジング22がTボルト24とナット26に
よって取付けてある。このハウジング22には尿分析装
置10の主要部が収蔵してあると共に、便座28と便蓋
30が回動可能に装着してある。便座28には尿サンプ
リング装置32(図3および図4に基づいて後述する)
が組み込んであり、便座に着座した使用者から排泄され
た尿をサンプリングするようになっている。
【0013】図2に示したように、ハウジング22に
は、ポーラログラフ・フローセル(図6に基づいて後述
する)を交換可能に装着するための取付け装置34と、
尿サンプリング装置32によってサンプリングされた尿
サンプルをキャリヤ液と共にフローセルに搬送するため
のロータリバルブ付き電動シリンジポンプ36と、較正
液タンク38が収容してある。ハウジングの上部ケーシ
ング16には開閉式の蓋40が枢着してあり、この蓋4
0を開けることによってフローセルを交換したり較正液
を較正液タンク38に補充したり出来るようになってい
る。
【0014】図示した実施例では、ハウジング22には
指血圧計ユニット42が配置してあり、被験者の左第2
指などに係合させることにより血圧を測定するようにな
っている。また、ハウジング22には、洗浄ノズル44
を備えた従来型のビデ装置46と、従来型の温風乾燥装
置48と、オゾナイザーからなる従来型の脱臭装置50
が配置してあり、尿分析装置10を備えたトイレットを
通常の目的で使用する際に夫々の機能を提供するように
なっている。しかし、これらの追加的機能や血圧計は省
略することができる。
【0015】ハウジング22には、尿分析装置10の電
源装置52やビデ装置の操作盤54を配置することがで
きる。図示した実施例では、尿分析装置10を操作し分
析結果を出力するための主制御ユニット56はトイレッ
トの側壁に設置してあり、ハウジング22内には尿サン
プリング装置32やシリンジポンプ36やフローセルを
制御するための副制御ユニット58が配置してある。後
述するように、図示した実施例では主制御ユニット56
と副制御ユニット58は通信ケーブルによって互いに接
続されており、シリアル通信によりデータや信号の伝送
を行うようになっている。しかし、これらの制御ユニッ
トは1つにまとめても良い。
【0016】図3および図4を参照するに、便座28に
組込まれた尿サンプリング装置32はフレーム60を備
え、このフレームはビス等により便座の下面に適宜取付
けられる。フレーム60にはスイングアーム62が回動
可能に支持してあり、ステッピングモータのようなモー
タ64とベルト66によって揺動せられるようになって
いる。
【0017】スイングアーム62の下端には採尿容器6
8が設けてある。図4からよく分かるように、採尿容器
68は浅い船底形を呈し、その底部には尿溜まり70が
形成してある。採尿容器68には尿溜まり70の底に向
かって開口するL字形の採尿管72が設けてあり、尿溜
まり70に溜まった尿を気泡を取り込むことなく吸引す
るようになっている。尿溜まり70に面して採尿容器6
8には1対の電極74が設けてあり、流体の電気抵抗を
監視することにより尿溜まり70内に所望のレベルまで
尿が溜まったかどうかを検出するようになっている。
【0018】L字形採尿管72はスイングアーム62の
中空内部を延長する可撓性の尿吸引チューブ76に接続
されており、この吸引チューブ76の他端はシリンジポ
ンプ36に接続されている。尿検知電極74のリード線
78も同様にスイングアームの内部を延長させてあり、
副制御ユニット58に接続されている。採尿容器68の
入口開口はステンレス鋼などからなる金網80によって
覆われており、採尿容器に異物が侵入するのを防止する
ようになっている。
【0019】図3からよく分かるように、フレーム60
には便器12のボウルに向かって下向きに開口したチャ
ンネル形状の収納洗浄室82が形成してあり、非使用時
に採尿容器68とスイングアーム62を収納するように
なっている。収納洗浄室82には噴射ノズル84が指向
させてあり、収納洗浄室82内に収納された採尿容器6
8に向かって圧力水を噴射して、使用後に採尿容器とス
イングアームを洗浄するようになっている。噴射ノズル
84には電磁弁(後述)を介して水道管に接続されたホ
ース86から圧力水が供給される。
【0020】採尿容器68によって採取された尿サンプ
ルは、シリンジポンプ36によってキャリヤ液と共にポ
ーラログラフ・フローセルに送られ、例えば尿グルコー
スの定量分析に付される。図示した実施例では、キャリ
ヤ液タンクは便蓋30に設けてあるが、ハウジング22
内に配置してもよい。図5に示したように、便蓋30に
はキャリヤ液タンク88がビスなどにより取付けてあ
る。タンク88内には、尿サンプルをフローセルに搬送
するためのキャリヤ液が貯蔵されている。キャリヤ液は
蒸留水を主成分とするもので、フローセルの安定な作動
に必要なKH2PO4やNa2HPO4のようなpH調節剤
やKClのような塩素イオン強度調節剤や防腐剤を添加
することができる。キャリヤ液の補充はキャップ90を
介して行うことができる。キャリヤ液タンク88はホー
ス92を介してハウジング22内のシリンジポンプ36
に接続されている。
【0021】フローセル構造 図6から図8を参照しながら、使い捨て型ポーラログラ
フ・フローセルの実施例を説明する。図示した実施例に
おいては、ポーラログラフ・フローセル94はグルコー
ス酸化酵素固定化膜で被覆された作用極を備え、尿サン
プル中のグルコース(尿糖)を定量分析するように構成
されている。しかし、尿蛋白、潜血、その他の尿成分に
ついて分析を行うことの可能な酵素を採用してもよい。
【0022】図6および図7を参照するに、ポーラログ
ラフ・フローセル94は、プラスチックなどからなる側
板96と、電極を担持したセラミック基板98と、シリ
コーンゴムなどからなるスペーサ100と、プラスチッ
クなどからなる上板102とをビス104などにより互
いに一体的に液密に締結することにより構成することが
できる。
【0023】セラミック基板96は例えばアルミナセラ
ミックからなり、金属ペーストの印刷と焼成により白金
の作用極106と白金の対極108と銀/塩化銀の参照
極110とが形成されている。夫々の電極には端子11
2が形成してあり、これらの端子にはソケット・ブロッ
ク(図10に基づいて後述する)に設けたピンが夫々電
気接触するようになっている。スペーサ100には電極
の領域において開口114が切欠いてあり、図7に示し
たように電解室116を形成するようになっている。
【0024】上板102には電解室116に連通する入
口ニップル118と出口ニップル120が形成してあ
り、電解室116に尿サンプルやキャリヤ液などの流体
を供給するようになっている。夫々のニップルの外周に
はOリング122が嵌めてあり、フローセル94をソケ
ット・ブロックに装着した時に、ソケット・ブロックの
ポートにニップルが液密に嵌合するようになっている。
スペーサ100と上板102にはピン穴124が設けて
あり、ソケット・ブロックにフローセル94を装着した
時にソケット・ブロックのピンが夫々の電極106、1
08、110の端子112に電気接触するようになって
いる。
【0025】図8に模式的に示したように、白金の作用
極106は、アルブミンや酢酸セルローズのように過酸
化水素を選択的に透過させる物質からなる選択透過膜1
26と、酵素固定化膜128とで被覆されている。酵素
固定化膜128は、グルコース・オキシダーゼ(GO
D)とアルブミンを4対1の割合で水に溶解し、溶解液
を選択透過膜126上に滴下した後、グルタルアルデヒ
ド雰囲気中に約30分間暴露することにより形成するこ
とができる。電解室116内の尿サンプル中のグルコー
スがGOD固定化膜に接触すると、GODはグルコース
(C6126)を酸化して次のようにグルコノラクトン
(C6106)と過酸化水素(H22)を生成する。
【0026】 C6126 + O2 → C6106 + H22 (1) 生成したH22が選択透過膜126を透過して白金の作
用極106に達すると、白金の触媒作用によりH22
作用極106に電子を与えながら水と酸素に分解され
る。選択透過膜126は、H22より大きな分子量の妨
害物質が作用極106に到達するのを防止する作用を果
たす。
【0027】図9に示したように、尿サンプル中のグル
コースの定量分析に際しては、ポテンショスタット13
0により、参照極110に対する作用極106の電位が
正の一定値(例えば+0.6V)になるように作用極1
06と対極108との間に印加される電圧が可変制御さ
れる。作用極106と対極108との間を流れる電流は
過酸化水素の発生量に応じて変化する。従って、作用極
106と対極108との間を流れる電流を検出すること
により、過酸化水素の発生量を検出し、これに基づいて
尿サンプル中のグルコース濃度を演算することができ
る。作用極と対極との間を流れる電流は抵抗132によ
って電位差に変換され、この電位差は増幅回路134に
よって増幅され、その出力端子136から出力される。
出力端子136の出力は、図12および図13に基づい
て後述するように、副制御ユニット58のゲイン調整回
路に入力され、必要に応じて増幅された上で、副制御ユ
ニット58のマイクロコンピュータのA/D変換回路に
入力され、グルコース濃度の演算に利用される。
【0028】フローセルの着脱 図10を参照するに、フローセル94を交換可能に装着
するための取付け装置34は、ハウジング22のフレー
ム14にビスなどにより適宜固定されたベース138
と、このベース138に固定されたソケット・ブロック
140と、ソケット・ブロック140に対してフローセ
ル94を接離させるためのレバー操作のクランプ機構と
で構成することができ、このクランプ機構は、揺動レバ
ー142と、レバー142にリンクされたスライダー1
44と、スライダー144のノッチ146に嵌合可能な
フローセル・ホルダー148とで構成することができ
る。
【0029】ソケット・ブロック140にはシリンジポ
ンプ36に通じる搬送ホース150と便器のボウルに通
じる排出ホース152が接続してあり、これらのホース
はソケット・ブロック140に形成された入口ポート1
54および排出ポート156に夫々連通している。これ
らのポート154および156はフローセル94の入口
ニップル118および出口ニップル120と嵌合するよ
うになっている。ソケット・ブロック140には、更
に、ポテンショスタット130からのリード線158に
接続された3本のコネクタピン160が設けてあり、フ
ローセル94をソケット・ブロック140に装着した時
にフローセル94のピン穴124を通って夫々の電極の
端子112に電気接触するようになっている。
【0030】フローセル取付け装置34はこのような構
成になっているので、フローセル・ホルダー148にフ
ローセル94を装填し、スライダー144のノッチ14
6にフローセル94ごとホルダー148を挿入した上
で、レバー142を図10において時計方向に揺動させ
れば、フローセル94をソケット・ブロック140に嵌
合させることができる。この状態では、フローセル94
の電解室116はホース150および152に流体接続
されると共に、フローセル94の電極はリード線158
に夫々電気接続される。ソケット・ブロック140には
フローセル94に係合可能なマイクロスイッチ162の
ような近接センサーが設けてあり、フローセル94の着
脱を検出するようになっている。マイクロスイッチ16
2のリード線164は副制御ユニット58に接続されて
おり、フローセル94の着脱を監視できるようになって
いる。
【0031】フローセル94を交換するに際しては、操
作レバー142を図10において反時計方向に揺動させ
れば、フローセル94はソケット・ブロック140から
離脱する。スライダー144からフローセル94ごとホ
ルダー148を取り出し、ホルダーから使用済みのフロ
ーセル94を取り外して廃棄することができる。新たな
フローセル94をホルダー148に装填し、前述したよ
うにレバー142を操作してソケット・ブロック140
に装着すればよい。未使用のフローセル94の電解室1
16にはpH調節剤や塩素イオン強度調節剤や防腐剤を
添加したキャリヤ液を予め充填しておき、フローセル9
4のニップル118および120やピン穴124をゴム
キャップや栓(図示せず)により密閉しておけば、酵素
の活性を維持することができると共に、輸送や保管の過
程でフローセルを容易に取り扱うことができる。
【0032】流体搬送系統 次に、図11の模式図を参照しながら、流体搬送系統を
概説する。シリンジポンプ36はシリンダ166とピス
トン168を有し、このピストンはステッピング・モー
タ170の回転をリードスクリュー機構172によって
直線運動に変換することにより上下動される。制御ユニ
ット58は、ステッピング・モータ170を駆動するこ
とによりシリンジポンプ36の行程を制御する。シリン
ジポンプ36のポート174は電動ロータリバルブ17
6に接続されている。ロータリバルブ176は、複数の
ポートを備えたステータ178と、ロータ180と、制
御ユニット58に制御されるモータ182とで構成する
ことができる。制御ユニット58はモータ182を駆動
してロータ180を回転させることにより、シリンジポ
ンプ36のポート174をステータ178のいづれかの
ポートに接続し、シリンジポンプ36を駆動することに
より流体を吸引し又は吐出する。ステータ178は例え
ば7つのポートを有し、その6つは、夫々、シスターン
184、キャリヤ液タンク88、較正液タンク38、フ
ローセル94への搬送ホース150、採尿容器68から
の搬送チューブ76、便器12のボウルに延長する排出
管186に連通している。他の1つのポート188は大
気に解放されている。
【0033】制御回路の構成 図12には、主制御ユニット56と副制御ユニット58
の構成の一例を示す。トイレットの壁に設置された主制
御ユニット64は、プログラムされたマイクロコンピュ
ータ200と、尿分析開始スイッチ202と、各種の入
力スイッチ204と、使用者に対する指示や尿分析結果
を表示する液晶表示パネル206と、尿分析結果やデー
タ・トレンドを出力するプリンタユニット208と、尿
分析データを格納するフラッシュメモリ210などで構
成することができる。
【0034】ハウジング22内においてフローセル94
の近傍に配置された副制御ユニット58は、尿分析装置
10の構成要素を後述のフローチャートの如く制御する
べくプログラムされたマイクロコンピュータ212を有
する。ポーラログラフ・フローセル94の作用極と対極
との間を流れる電流は増幅回路134により増幅された
後、ゲイン調整機能付き非反転増幅回路214に入力さ
れ、必要に応じて更に増幅された後、マイクロコンピュ
ータ212のA/D変換回路に入力される。尿検知電極
74間を流れる電流値の信号もA/D変換回路に入力さ
れる。マイクロコンピュータ212は、夫々のドライバ
を介して、スイングアーム駆動用ステッピングモータ6
4、ロータリバルブ駆動用モータ182、シリンジポン
プ36のピストンを駆動するためのモータ170、およ
び、洗浄ノズル84への洗浄水の供給を制御する電磁弁
216を駆動する。マイクロコンピュータ200と21
2とは通信ケーブルによって接続されており、トランシ
ーバを介してシリアル通信によりデータの伝送を行う。
【0035】図13はゲイン調整機能付き増幅回路21
4の構成の一例を示す。このゲイン調整機能付き増幅回
路214は不可欠ではなく、増幅回路134の出力は直
接マイクロコンピュータ212のA/D変換回路に入力
してもよい。ゲイン調整機能付き非反転増幅回路214
は、演算増幅器218と、3ビットの信号線222を介
してマイクロコンピュータ212により制御されるアナ
ログマルチプレクサ220と、漸増する抵抗値を有する
フィードバック抵抗R1〜R8と、入力抵抗R9とを備
え、フィードバック抵抗を切換えることにより増幅回路
のゲインを増減するようになっている。非反転増幅回路
214の出力はマイクロコンピュータ212のA/D変
換回路の所定の入力ポートに入力される。非反転増幅回
路214の出力は、また、増幅回路224によって増幅
された後、A/D変換回路の他の入力ポートに入力され
る。増幅回路224の出力は、健康人の場合のような低
い尿糖値を精度良く検出するために利用することができ
る。226は所定電圧レベル(0〜5V)以外の電圧が
A/D変換回路に印加されるのを防止するための保護回
路である。
【0036】尿分析装置の動作態様 次に、図14から図18のフローチャートを併せて参照
しながら、この尿分析装置10の使用の態様と作動を説
明する。主制御ユニット56のマイクロコンピュータ
(以下、マイコン)200は、フローセル出力の較正と
尿分析の要否を判定し、いづれかが必要な場合には対応
する開始指令を副制御ユニット58のマイコン212に
伝送するようにプログラムされている。副制御ユニット
58のマイコン212は、周期的ルーチンではマイクロ
スイッチ162からなる近接センサーを監視しているが
(図16)、主制御ユニット56のマイコン200から
較正開始指令又は尿分析開始指令を受け取ると割り込み
ルーチンにより較正シーケンス(図17)又は尿分析シ
ーケンス(図18)を実行するようにプログラムされて
いる。
【0037】図14および図15を参照するに、主制御
ユニット56のマイコン200は、電源投入後に初期設
定(S101)を行った後、所定周期でS102〜S120の処理を
繰り返す。主制御ユニット56に設けられた尿分析開始
スイッチ202が押されると(S117)、主制御ユニット
56のマイコン200は副制御ユニット58のマイコン
212に尿分析開始指令を伝送する(S118)。マイコン
212はこの指令を受けて尿分析シーケンス(図18)
を実行する。
【0038】図18を参照するに、スイングアーム駆動
モータ64を駆動することにより採尿容器68は便器の
ボウル空間内の適切な採尿位置に位置決めされる(S14
1)。表示パネル206には“放尿して下さい”などの
表示がなされ、放尿が督促される(S142)。被験者が採
尿容器68に向かって放尿し、採尿容器68の尿溜まり
70に尿が集積したことが尿検知電極74により検知さ
れると(S143)、ロータリバルブ176の駆動により採
尿容器68はシリンジポンプ36に接続され、例えば約
2mlの尿サンプルが採尿容器からシリンジポンプ36
に吸引される(S144)。
【0039】マイコン212はロータリバルブを再び駆
動して、シリンジポンプ36を排出管路186に接続
し、シリンジポンプ36のピストンを上昇させて尿サン
プルの一部を排出管路186を介して便器12のボウル
に放出させる。これにより、シリンジポンプ36のエア
抜きが行われ(S145)、吸引された気泡がポーラログラ
フ・フローセル94に送られるのが防止される。
【0040】次に、ロータリバルブが再び駆動され、シ
リンジポンプ36はフローセル94に接続される。この
位置でシリンジポンプ36のピストンを更に上昇させ、
約10〜20μlの尿サンプルを搬送ホース150に打
ち込む(S146)。再びロータリバルブを駆動してシリン
ジポンプ36を排出管路186に接続し、ピストンを上
死点まで上昇させることによりシリンジポンプ36内の
余剰の尿を便器に廃棄する(S147)。
【0041】尿サンプルの打ち込みが終わると、シリン
ジポンプ36をシスターン184に接続し、シリンジポ
ンプ36を作動させてシリンジポンプ36のポンプ室を
洗浄水によって洗浄し(S148)、洗浄水を便器に廃棄す
る。
【0042】次に、シリンジポンプ36をキャリヤ液タ
ンク88に接続し、キャリヤ液をシリンジポンプ36に
吸引させた後(S149)、再びシリンジポンプ36をフロ
ーセル94に接続し、シリンジポンプのピストンを上昇
させて例えば約2〜4mlのキャリヤ液をフローセル9
4に射出させる(S150)。これにより、先に搬送ホース
150に打ち込まれていた約10〜20μlの尿サンプ
ルは、搬送ホース内でキャリヤ液と混合され希釈されな
がらポーラログラフ・フローセル94に送られ、混合物
はフローセル94を通過しながら排出ホース152から
便器のボウル内に排出される。
【0043】尿サンプルとキャリヤ液との混合物がフロ
ーセル94を通過するに伴い、作用極106のGOD固
定化膜128のところでは上記式(1)に従い混合物中
の尿グルコース濃度に応じて過酸化水素が発生し、前述
したようにポーラログラフ・フローセルの作用極106
と対極108との間には過酸化水素発生量に応じた電流
が流れる。この電流は抵抗132により電圧信号に変換
され、増幅回路134により増幅され、マイコン212
のA/D変換回路に入力される。マイコン212はフロ
ーセル94出力を2値信号に変換し、主制御ユニット5
6に伝送する(S151)。
【0044】主制御ユニット56のマイコン200は伝
送されたデータを取り込み(S119)、このデータに基づ
いて尿糖値を演算し、表示パネルに表示する(S120)。
尿糖値のデータは、また、フラッシュメモリ210に格
納され、トレンドの演算に使用される。分析結果やトレ
ンドはプリンタユニット208から出力させることがで
きる。尿サンプル吸引後の任意の時点でマイコン212
はスイングアーム62を駆動して採尿容器68を収納洗
浄室82に復帰させ、電磁弁216を開らいて噴射ノズ
ル84から洗浄水を噴射させ、採尿容器68とスイング
アーム62を洗浄する(S152)。
【0045】主制御ユニット56のマイコン200は前
述のようにして尿分析が行われる度にその回数を監視し
ていると共に、内蔵の時計により時間を計測している。
前回の較正から例えば2週間経過するか尿分析の回数が
20回を超えると(S106)、マイコン200は副制御ユ
ニット58のマイコン212に較正開始指令を伝送し
(S107)、表示パネル206に“較正中です”などと表
示することにより尿分析装置10が使用できないことを
使用者に表示する(S108)。
【0046】副制御ユニット58のマイコン212は較
正開始指令を受けて較正シーケンス(図17)を開始す
る。較正シーケンスでは、較正液タンク38から較正液
(例えば、濃度200mg/dlのグルコース標準液)
がシリンジポンプ36に吸引され(S131)、尿サンプル
と同量の較正液がフローセル94に打ち込まれ(S13
2)、シリンジポンプ36の洗浄(S133)の後、キャリ
ヤ液の吸引(S134)と射出(S135)によりグルコース標
準液とキャリヤ液との混合物はフローセル94に送られ
る。マイコン212はグルコース標準液に対するフロー
セル94の出力(増幅回路224によって増幅されるこ
となくそのまゝマイコン212のA/D変換回路に入力
される電圧値)が適正範囲(例えば、3.5〜4.5V)
であるか否か判定し(S136)、適正範囲外である場合に
はマルチプレクサ220を切換えることにより非反転増
幅回路214のゲインを増減し(S137)、フローセル9
4出力が適正範囲になるまで較正(S131〜S135)とゲイ
ン調整を繰り返す。
【0047】フローセル94出力が適正範囲になるか
(S136)、非反転増幅回路214のゲインが最大になる
と(S137)、グルコース標準液に対するフローセル94
出力は主制御ユニット56のマイコン200に伝送され
る(S139)。マイコン200はこの出力を取り込み(S1
09)、フローセル94出力が例えば2.0Vよりも低下
していないかどうか判定する(S113)。フローセル94
出力が適正範囲であれば、フローセル94出力はメモリ
210に格納され(S115)、表示パネル206には“使
用できます”などの表示がなされる(S116)。以後の尿
分析においては、グルコース標準液に対するフローセル
出力と尿検体に対するフローセル出力を比例演算するこ
とにより検体のグルコース濃度(mg/dl)が演算さ
れる。
【0048】尿分析が反復されるに伴い、ポーラログラ
フ・フローセル94の酵素固定化膜128のグルコース
・オキシダーゼの活性は次第に低下し、フローセル94
の出力が経時的に低下する。非反転増幅回路214のゲ
インを最大に調整してもなおマイコン212のA/D変
換回路に入力される電圧が例えば2.0Vよりも低下し
た場合には(S113)、マイコン200はフローセル94
の寿命が尽きたと判断し、表示パネル206に“フロー
セルを交換して下さい”などの表示をすることにより
(S114)、フローセル94の交換を使用者に勧告する。
同時に、マイコン200は、副制御ユニットのマイコン
212を指令して、シリンジポンプ36が空気取り入れ
ポート188に接続されるべくロータリバルブ176を
駆動させると共に、シリンジポンプ36を駆動させてフ
ローセル94に空気を送り込む。これにより、フローセ
ル94の電解室116内の液体や搬送管路内の液体は空
気と置換されるので、使用者はフローセル94をソケッ
ト・ブロック140から容易に取り外すことができる。
【0049】マイコン200はマイクロスイッチ162
をチェックすることにより、勧告に応じて使用者がフロ
ーセル94の交換を開始したかどうかを監視(S110)す
る。フローセル94がソケット・ブロック140から取
り外された場合には新たなフローセルを装着するよう表
示パネル206を介して使用者に勧告する(S111)。新
たなフローセル94が装着されたことを検知した場合に
は(S112)、較正開始指令が副制御ユニット58のマイ
コン212に伝送され(S107)、マイコン212は較正
開始指令を受けて前述した如くの較正シーケンス(図1
7)を自動的に実行する。その結果、グルコース標準液
に対する新たなフローセル94の出力がメモリ210に
格納され、以後の尿分析ではこのデータに基づいて尿検
体のグルコース濃度が比例演算される。このようにし
て、新たなフローセル94が装着されたときには何時で
も自動的にフローセル出力の較正が行われるので、使用
者はフローセルの寿命の到来に応じて単にフローセルを
交換するだけでよく、面倒な較正操作から解放される。
【0050】以上には本発明の特定の実施例を記載した
が、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の設
計変更を施すことができる。例えば、フローセルは尿グ
ルコースを分析するように構成されているものと記載し
たが、尿の他の成分を分析するように構成してもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明のポーラログラフ分析装置は、フ
ローセルの交換に応じて自動的にフローセルの出力が較
正されるようになっているので、ただ単にフローセルを
交換するだけで高精度の尿分析を継続することができ
る。従って、較正操作に関する知識のない一般使用者に
とって使い勝手が良い。
【0052】また、定期的に較正を行い、較正時のフロ
ーセル出力が所定レベル以下になった時にフローセルを
交換するよう使用者に勧告するようにした場合には、最
小限の維持費で高精度の尿分析を行うことができる。
【0053】フローセル交換時にフローセル内の液体を
空気で置換するようにした場合には、フローセルをソケ
ット・ブロックから容易に取り外すことができると共
に、液がこぼれたりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の尿分析装置をトイレットに設
置したところを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したハウジングの分解斜視図
である。
【図3】図3は、図1に示した尿分析装置の尿サンプリ
ング機構の一部切欠き斜視図である。
【図4】図4は、図3に示した尿サンプリング機構の採
尿容器の一部切欠き斜視図である。
【図5】図5は、図1に示したキャリヤ液タンクの分解
斜視図である。
【図6】図6は、フローセルの分解斜視図である。
【図7】図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図であ
る。
【図8】図8は、図6のVIII−VIII線に沿った作用極の
模式的な拡大断面図である。
【図9】図9は、フローセルの電極にポテンショスタッ
トと増幅回路を接続したところを示す配線図である。
【図10】図10は、フローセル取付け装置の分解斜視
図である。
【図11】図11は、尿分析装置の流体搬送系統を示す
模式図である。
【図12】図12は、制御ユニットのブロック図であ
る。
【図13】図13は、ゲイン調整回路の配線図である。
【図14】図14は、主制御ユニットの動作のフローチ
ャートである。
【図15】図15は、図14のフローチャートの続きを
示す。
【図16】図16は、副制御ユニットのメインルーチン
のフローチャートである。
【図17】図17は、副制御ユニットの較正シーケンス
のフローチャートである。
【図18】図18は、副制御ユニットの尿分析シーケン
スのフローチャートである。
【符号の説明】 10: 尿分析装置 32: 尿サンプリング装置 34: フローセル取付け装置 56/58: 制御ユニット 94: フローセル 140: ソケット・ブロック 162: フローセルの交換を検知する手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−198678(JP,A) 特開 平7−270377(JP,A) 実開 平5−90360(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 381 G01N 27/327 G01N 27/416 G01N 33/493

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵素を担持した作用極を有する交換可能
    なポーラログラフ・フローセルを備え、トイレットでサ
    ンプリングされた検体中の所定の成分をフローセルの出
    力に基づいて定量分析するようになったトイレット設置
    型ポーラログラフ分析装置において、前記フローセルの
    交換を検知する手段を設け、フローセルの交換に応答し
    てフローセル出力の較正を行うようにしたことを特徴と
    するトイレット設置型ポーラログラフ分析装置。
  2. 【請求項2】 フローセルの交換に応答して行われる前
    記較正の後所定時期毎に較正を行い、フローセルの出力
    が所定レベル以下になった時にはフローセルの交換を使
    用者に勧告するようにしたことを特徴とする請求項1に
    基づくポーラログラフ分析装置。
  3. 【請求項3】 フローセルの交換時にフローセル内の液
    体を空気で置換する手段を設け、フローセルの取り外し
    を容易にしたことを特徴とする請求項1又は2に基づく
    ポーラログラフ分析装置。
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