JP3394924B2 - 周波数変換回路 - Google Patents
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Description
機に用いられる周波数変換回路(以下、ミキサという)
に関する。
サと送信ミキサとがある。受信ミキサは、微弱な高周波
受信信号(RF信号)と局部発振信号(LO信号)とを
非線形素子に加え、その差周波数信号を中間周波信号
(IF信号)として取り出す回路であり、RF信号を周
波数の低いIF信号に変換することからダウンコンバー
タと言われる。また、送信ミキサは、IF信号とLO信
号を非線形素子に加え、その和周波数信号もしくは差周
波数信号をRF信号として取り出す回路であり、一般に
アップコンバータと言われている。
番目に位置し、無線機全体の動作に影響を及ぼす重要な
回路であり、その性能は、ダイナミックレンジ,変換損
失,帯域幅,雑音指数(NF),3次歪等で評価され
る。さらに、近年の移動体通信では、携帯機の小型化,
低消費電力化にともない、ミキサに対しても上記の各性
能の向上に加えて、小型集積化,低消費電力化が求めら
れている。
形素子、例えば、1つのダイオードを使用したシングル
エンデッドミキサ(SEM)があるが、局部発振信号に
含まれる雑音を減少させたり、高次の混変調成分のレベ
ルを抑える歪特性を重視する用途には、複数のダイオー
ドを使用したバランスドミキサ(BM:平衡ミキサ)が
広く用いられ、低雑音,低消費電力化を狙いとする無線
機には、受動素子(パッシブデバイス)を2個用いたシ
ングルバランスドミキサ(SBM:単平衡ミキサ)、ま
たは4個用いたダブルバランスドミキサ(DBM:複平
衡ミキサ)が広く用いられている。
(SBM)の構成例図である。図において、1は0/π
変換器、2は分波器、D1,D2 は非線形受動素子、例え
ば、ショットキバリアダイオード(SBD)である。0
/π変換器1によって入力LO信号を0相とπ相の互い
に逆相のLO信号に変換して出力し、直列接続した2つ
のダイオード D1,D2 の両端に印加する。分波器2か
ら入力されたRF信号は、直列接続した2つのダイオー
ドの中点(平衡回路の中性点)に入力され、ダイオード
の非直線性によってミキシングされ、その中点から得ら
れる差の周波数のIF信号を分波器2によって取り出
す。
(SBM)の具体的回路例図であり、0/π変換器1を
巻線トランス11で構成し、分波器2をHPF(ハイパ
スフィルタ)21とLPF(ローパスフィルタ)22で
構成したものである。しかし、この構成では、巻線トラ
ンス11があるため、集積化は実現できない。
であり、集積化を実現するため、0/π変換器1を分布
定数回路12、所謂、Marchand バラン180°位相器
で構成したものである。しかし、この位相器は、原理的
に、1/2波長,1/4波長の長さの伝送線路を基本と
して構成されているため、集積化したときチップサイズ
の膨脹を余儀なくされる。従って、5GHz以上の周波
数帯になれば有効であるが、1〜2GHz帯では小型化
の効果は少ないという問題がある。
BM)の構成例図であり、非線形素子として4つのダイ
オードD1 ,D2 ,D3 ,D4 を用いたものである。図
7に示したシングルバランスドミキサ(SBM)に比べ
て歪特性はさらに改善されるが、素子数が増えるという
問題がある。
素子には、広く知られているように、ミキサとして用い
たときの出力歪積が小さく、且つ、高感度のダイオー
ド、即ち、低い順方向バイアス電圧(VF )でダイオー
ド電流(ID )が流れ易くて非直線性を有するシリコン
・ショットキバリアダイオード(以下、SBDという)
が広く採用され、小形で、且つ、歪特性の優れた受動素
子による周波数変換回路(パッシブミキサ)として、移
動体通信及びマイクロ波帯通信の各装置に広く用いられ
ている。
キバリアダイオードSBDは、デバイスの電流感度、即
ち、特定の電流ID に対する電圧VF 特性によって、概
略、次の3段階に区分されている。但し、ここでは、バ
リアの高さに対応するバイアス電圧VF を「しきい値」
で示す。 低しきい値(ローバリアダイオード(LBD)):
ID =1〜2mA/V F =0.2V 中しきい値(ミディアムバリアダイオード(MB
D)):ID =1mA/VF =0.3〜0.5V 高しきい値(ハイバリアダイオード(HBD)):
ID =1mA/VF =0.6〜0.8V
ミキサに用いたときのローカル信号の注入電力と相互変
調歪の値とによって使い分けられている。例えば、の
LBDは、比較的低レベルのローカル注入電力(0〜+
3dBm)で、優れた歪特性が得られることから、一般
的な移動体通信の端末機に広く使われている。のMB
Dは、中レベルのローカル注入電力(+4〜+10dB
m)で、高い歪特性が得られることから、移動体通信の
車載機に広く用いられている。のHBDは、極めて高
い歪特性を得ることを狙いとして、高レベルのローカル
注入電力(+10〜+20dBm)を印加して使用する
ことから、移動体通信の基地局装置や、周波数変換方式
の中継装置に広く用いられ、場合によっては、さらにダ
イオードを複数個直列接続して、さらに高い歪特性を有
するミキサとして用いられている。
子として上述のの低しきい値のシリコンによる高感度
なショットキバリアダイオード(SBD)が適用されて
おり、比較的低レベルのローカル注入電力で優れた歪特
性が得られている。一方、最近では、周波数の高いミリ
波,準ミリ波帯のシングルエンデッドミキサ(SEM)
としてガリウム砒素ショットキバリアダイオードが広く
用いられているが、汎用集積回路化を対象とした場合、
コストが高く、他の要求条件に対する難点が多くてLS
I化は難しい。
ミキサに対して、移動体通信における携帯機の小形化の
ため、所要の歪性能を満たして集積化することのできる
能動素子を用いたアクティブミキサが提案され、その一
例として、ギルバートセル(Gilbert Cell)、といわれ
るアナログ乗算器による混合器(ミキサ)があり、一般
に広く用いられている。
ミキサはダブルバランスドミキサ(DBM)であり、変
換利得が正(プラス)という利点はあるが、歪改善と低
消費電力化は相反する特性を有し、低消費電力化を追求
すれば歪特性が劣化し、歪特性を優先すると消費電力が
増大する、という問題点がある。又、雑音指数が大き
く、ギルバートセルの構成から、雑音源が2倍(3dB
時)となることから、1桁(10dB)以下の雑音指数
を得ることは困難であり、低雑音ミキサの集積化を実現
することは極めて難しい。
っては、局部発振の雑音を抑え、歪特性が良いことから
バランスドミキサ(平衡形ミキサ)が好ましい。しか
し、シングルバランス(単平衡形)/ダブルバランス
(複平衡形)にかかわらず、ローカル信号注入回路の構
成が集積化の1つの問題である。すなわち、従来のバラ
ンスドミキサには、ローカル信号の注入回路として、原
理的に互いに位相差がπとなる0相とπ相の2つの信号
を得るための0/π変換器が必要であり、図7に示した
ようにLC集中定数素子11で構成したり、又は、図8
に示したように分布定数線路12で構成している。しか
し、いずれも集積化するとチップサイズが大きくなり、
コスト高となって集積化の効果が少ない。その集積化回
路の応用展開は、波長に関連して5〜10GHz以上の
周波数帯ではうまみを発揮するが、当面目標としている
1〜2GHz帯では集積化の効果は少ない。
条件下で低雑音,低歪の性能を満足する小形集積化は、
フロントエンドを構成する「LNA(低雑音増幅器),
ダウンコンバータ(受信ミキサ)及びその後段の中間周
波増幅器」のうちの受信ミキサを如何に構成するかにか
かっている。そして、受信ミキサの非線形素子として用
いられているショットキバリアダイオードが、他の構成
要素と同じ製造プロセスで集積化できないことが最も大
きな問題点である。
を集積化する場合の従来技術における隘路、即ち、0/
π変換器の小形集積化,ショットキバリアダイオードの
バリアの特殊製造プロセスなどの問題を克服することで
あり、非線形素子の選定,構成と、ミキサの回路構成を
改良し同一の製造プロセスによって集積化することので
きるミキサを提供することにある。さらに、パッシブミ
キサの隘路である変換利得を、負領域から正領域、即
ち、減衰回路から増幅回路に転ずると共に、低雑音指数
で低消費電力,低歪のノイズレス負帰還増幅器を複合し
てIC化することのできるミキサを提供することにあ
る。
は、局部発振信号を2つの互いに逆相の局部発振信号に
変換し接地に対して対をなす2つの端子から平衡出力す
る0/π変換器と、ガリウム砒素系半導体またはシリコ
ン系バイポーラ半導体のいずれか一方の3端子トランジ
スタの該3端子のうちのゲート電極またはベース電極を
一方の端子とし、ソース電極とドレイン電極とを短絡し
た短絡電極またはエミッタ電極とコレクタ電極とを短絡
した短絡電極を他方の端子とする受動素子として動作す
る2端子擬似ダイオードである非線形素子2つが直列に
接続されて、前記2つの端子の間に接続された該2つの
非線形素子の直列回路と、該直列回路の中性点に高周波
信号を入力し、該中性点から該高周波信号と前記局部発
振信号の差周波数信号を抽出して分波出力する分波器
と、前記0/π変換器の対をなす2つの端子の間に接続
され、前記分波器から前記中性点に入力する高周波信号
と抽出する差周波数信号の帰路をなすとともに前記2つ
の2端子擬似ダイオードに外部から順方向バイアス電圧
を印加する低インピーダンス回路とを集積化した集積回
路により構成されている。
数信号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導体
トランジスタのソース接地増幅器のソース端子と接地と
の間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半導
体トランジスタのエミッタ接地増幅器のエミッタ端子と
接地との間に接続したインダクタンスを負帰還回路とす
る増幅器を、さらに、前記集積回路に追加集積化するこ
とができる。または、該周波数変換回路の分波器の差周
波数信号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導
体トランジスタのゲート接地増幅器のゲート端子と接地
との間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半
導体トランジスタのベース接地増幅器のベース端子と接
地との間に接続したキャパシタンスを負帰還回路とする
増幅器を、さらに、前記集積回路に追加集積化すること
ができる。
発振信号を2つの互いに逆相の局部発振信号に変換し接
地に対して対をなす2つの端子から平衡出力する0/π
変換器と、ガリウム砒素系半導体またはシリコン系バイ
ポーラ半導体のいずれか一方の3端子トランジスタの該
3端子のうちのドレイン端子とソース端子間また1コレ
クタ端子とエミッタ端子間の非直線性を利用する受動素
子として動作する3端子擬似ダイオードである非線形素
子の2つが直列に接続されて、前記2つの端子の間に接
続された該2つの非線形素子の直列回路と、該直列回路
の中性点に高周波信号を入力し、該中性点から該高周波
信号と前記局部発振信号の差周波数信号を抽出して分波
出力する分波器と、ソース端子間またはコレクタ端子と
エミッタ端子間の非直線性を利用する3端子擬似ダイオ
ードで構成され、前記3端子トランジスタのゲートまた
はベースに前記受動素子としての動作範囲を設定するバ
イアス電圧を外部から供給する手段とを集積化した集積
回路により構成されている。
数信号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導体
トランジスタのソース接地増幅器のソース端子と接地と
の間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半導
体トランジスタのエミッタ接地増幅器のエミッタ端子と
接地との間に接続したインダクタンスを負帰還回路とす
る増幅器を、さらに、前記集積回路に追加集積化するこ
とができる。または、該周波数変換回路の分波器の差周
波数信号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導
体トランジスタのゲート接地増幅器のゲート端子と接地
との間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半
導体トランジスタのトランジスタのベース接地増幅器の
ベース端子と接地との間に接続したキャパシタンスを負
帰還回路とする増幅器を、さらに、前記集積回路に追加
集積化することができる。
して、異種のプロセスのいずれか一方、例えば、ガリウ
ム砒素化合物半導体(GaAs)の製造プロセス、また
は、シリコンバイポーラ半導体の製造プロセスのいずれ
か一方の製造プロセスのトランジスタを用いることによ
って、集積化の要件を満たしたものである。例えば、G
aAsFET(電界効果トランジスタ)のソース(S)
電極とドレイン(D)電極を半導体集積回路製作工程で
短絡し、短絡した電極端子とゲート(G)電極端子とに
よる2端子擬似ダイオードをミキサダイオードとして、
他の増幅器等の素子の集積回路製造プロセスと同一プロ
セスにすることにより、高性能,低コストのミキサの集
積化を可能にしたものである。
ポーラジャンクショントランジスタの2つの電極を短絡
した受動素子として動作する2端子擬似ダイオードであ
る非線形素子の「しきい値」、即ち、印加電力が低くか
つ歪の少ないミキサ出力を得るための順方向のバイアス
電圧の最適値は、トランジスタの構造上、前述ののハ
イバリアダイオード(HBD)の電流感度と同程度の電
流感度を呈するので、順方向のバイアス電圧(電流)を
操作することにより、M(メディアム)BD,または
L(ロウ)BDと近似する性能のいずれにでもするこ
とができる。そのため、ミキサに用いたとき、所要ロー
カル注入電力の条件下で変換損失と歪特性を最適の状態
に設定することができ、シリコンショットキバリアダイ
オードを用いた従来のミキサと同等の特性を得ることが
でき、総合して、低消費電力ミキサを実現することがで
きる。
増幅器付きの本発明のミキサは、パッシブミキサの最大
の欠点である負の変換利得を正の変換利得に、即ち、減
衰ミキサを利得ミキサにするばかりでなく、低消費電力
で、且つ、低歪,低雑音増幅器を複合した単平衡形ミキ
サ(SBM)の集積化を実現することができる。
図であり、ダウンコンバータの例である。図において、
01はミキサの単独機能を示し、02は単独ミキサ01
の出力に縦続接続された後段の中間周波数増幅器(IF
A)である。03は単独ミキサ01と後段のIFA02
を複合して集積化する複合ミキサである。
り、単平衡形ミキサ(シングルバランスドミキサ)の例
である。図において、1は0/π変換器、2は分波器で
ある。3,4は、非線形素子として、GaAsFET
(3端子トランジスタ)のドレイン(D)電極とソース
(S)電極を短絡して得られる2端子擬似ダイオードで
ある。5は2つの2端子擬似ダイオード3,4の接続点
(中性点)に分波器2から印加されるRF信号と、中性
点から取り出すミキシング出力IF信号の帰路を構成す
るとともに、直列接続した2つの2端子擬似ダイオード
3,4に所定のバイアス電圧VB を与えるためのL,C
による低インピーダンス回路である。キャパシタ53は
所定のバイアス電圧VB に対する直流阻止として作用す
る。コイル51,52はローカル周波数信号(LO信
号)の共振用コイルである。
く2つの2端子擬似ダイオード3,4を交互にスイッチ
ングし、変換損失と歪特性が最良となる「しきい値」即
ち、バイアス電圧VB を設定するためのバイアス抵抗器
である。
2つの出力端子に直列接続した2つの2端子擬似ダイオ
ード3,4の両端に、互いに逆相のローカル電力を印加
することにより2つの擬似ダイオード3,4をスイッチ
ングし、ダイオードの変換コンダクタンス(gc )によ
り周波数混合動作が行われる。即ち、無線周波数(R
F)信号とローカル周波数(LO)信号とがミキシング
され、中間周波数(IF)信号を得ることができる。
であり、単平衡形ミキサの他の例である。6,7は非線
形素子として、GaAsFETのゲート(G)を一定電
圧V B で固定し、ドレイン(D)とソース(S)間を擬
似ダイオードとしたGaAsFET3端子擬似ダイオー
ドである。図2と同一部分には同一符号を付した。ミキ
シング動作は、本質的に前述の第1の実施例と同じであ
る。
する非線形素子の構成例を従来例と対比する図である。 (A)は、従来のミキサに用いられているシリコンショ
ットキバリアダイオード(SBD)である。Aはアノー
ド、Cはカソードである。 (B)は、ガリウム砒素FETの3つの端子電極の2つ
(ドレンDとソースS)を短絡して2端子とした2端子
擬似ダイオードである。この2端子擬似ダイオードは、
図2の本発明の第1の実施例に用いたものである。 (C)は、シリコンバイポーラジャンクショントランジ
スタの3つの端子電極の2つ(コレクタCとエミッタ
E)を短絡して2端子とした2端子擬似ダイオードであ
る。この2端子擬似ダイオードは、上記のGaAsFE
T2端子擬似ダイオードに代えて用いることができる。 (D)は、3端子GaAsFETのゲート(G)を所定
の電圧VB で固定し、ドレイン(D)とソース(S)間
の非直線特性を利用する3端子擬似ダイオードである。
この3端子擬似ダイオードは、図3の本発明の第2の実
施例に用いたものである。 (E)は、3端子シリコンバイポーラジャンクショント
ランジスタのベース(B)を所定の電圧VB で固定し、
コレクタ(C)とエミッタ(E)間の非直線特性を利用
する3端子擬似ダイオードである。この3端子擬似ダイ
オードは、上記のGaAsFETの3端子擬似ダイオー
ドに代えて用いることができる。
回路構成図であり、図2に示した第1の実施例の0/π
変換器1の内部具体例と、分波器2の内部具体例を示し
たものである。さらに、2つの2端子擬似ダイオード
3,4及び低インピーダンス回路5は同じであるが、分
波器2のIF出力端にノイズレス中間周波増幅器(IF
A)8を縦続接続して集積化できるようにしたものであ
る。
め、トランジスタ13の動作原理であるドレイン(D)
とソース(S)間の位相差がπ(180°)であること
に着目し、0/π位相変換器1として、所謂、アクティ
ブバラン(能動平衡回路)を用いたものである。このア
クティブバランにローカル信号電力が入力されると、非
線形素子、即ち、直列接続された2つの2端子擬似ダイ
オード3,4に対して互いに逆相のローカル信号が注入
される。
7は、アクティブバランの電力効率を上昇させると共
に、0/π位相を確保するためのL,C整合回路であ
る。低インピーダンス回路5のコイル51と52は、F
ETトランジスタ13の容量成分とでローカル発振周波
数に並列共振するように設定されている。
を分波するためのL,C素子によるHPF21及びLP
F22で構成され、素子の定数は、各々の信号に対し
て、整合条件を満たし、変換損失を最小とするように設
定される。9は順バイアス電流を阻止するための直流阻
止コンデンサである。
中の81はFETであり、82,83は負荷に対する
L,Cの整合回路を構成し、85はゲート(G)に供給
するバイアス電圧を調整するバイアス抵抗器である。こ
のGaAsFET81の代わりにシリコンバイポーラジ
ャンクショントランジスタを用いることもできる。
高インタセプトの低消費電力複合ミキサを特徴づける素
子であり、トランジスタ81の固有のgm 及びCgsとイ
ンダクタ84との積でディメンションがオームとなるノ
イズレス抵抗器として作用する。このインダクタンス8
4は、負荷に対する電流帰還回路となり、負帰還増幅器
を構成する。
(NFB)により、歪特性が大幅に改善されるが、FE
TのソースSと接地間に抵抗器を用いた抵抗帰還による
NFBの場合は、帰還抵抗に信号電流が流れてジュール
熱損失が発生し、この分、信号電力が消費され、増幅器
の雑音指数が劣化するという問題があり、雑音指数を低
くしようとしても、大きなNFBを設定することはでき
ない。
タンス84により等価抵抗器(gm・L/Cgs≒2πF
t ・L)として作用させており、「ノイズレスレジス
タ」となってNFBによる雑音指数の劣化は生じない。
従って、直線領域の動作範囲が広くなり、低雑音で、且
つ、高いインタセプトの増幅器複合ミキサの集積化を、
低消費電力の条件下で実現することができる、という優
れた特徴を有する。
シタンスを用いてもよい。その場合、GaAsFETの
ときはゲート接地増幅器のゲートと接地との間にキャパ
シタを入れればよい。また、シリコン・バイポーラトラ
ンジスタのときはベース接地増幅器のベースと接地との
間にキャパシタを入れる。
による複合ミキサをIC化したときの総合効果を表すデ
ータの概略は次の通りである。即ち、ローカル信号入力
部の0/π変換器1、所謂、アクティブバランを含む消
費電力は概略30mW(≒10mA×3V)、雑音指数
は1桁(NFMAX <10dB)、変換利得は10数dB
(Gc >14dB)、3次相互変調歪の指標である出力
3次相互変調インタセプトは2桁(OIP3 >20dB
m)であり、従来のギルバートセルによるアクティブミ
キサICと比較して、概略、雑音指数で1/3(5d
B)、出力3次インタセプトで10倍(10dB)、消
費電力で1/3の改善を実現することができる。次の表
1は、上記の改善を示す一例の比較データ表である。
路のダウンコンバータとして記載したが、ミキサは送信
用にも用いられ、また、携帯機に限らず、車載無線機や
基地局送信機などの送信回路のアップコンバータについ
ても、本発明と同様の構成で集積化すれば、同様の効果
が得られることはいうまでもない。さらに、送信回路の
場合は、低消費電力化より歪特性が重要視される場合が
あるので、非線形素子を4個以上用いたダブルバランス
ドミキサ(DBM:複平衡形ミキサ)が有用である。
施することにより、次の効果が得られる。 (1)ショットキバリアダイオードを用いず、GaAs
FETまたはシリコン・バイポーラの同一プロセスのト
ランジスタをミキシングダイオードとしてシングルバラ
ンスドミキサを構成したので集積化が極めて容易であ
り、集積化したとき、小型,低歪,低変換損失,低雑
音,低消費電力,低コストの利点をすべて満足すること
ができる。 (2)ローカル注入電力が低レベルのとき歪を低くする
ための最適値を、外部からの順バイアス電圧(電流)の
操作により設定することができる。 (3)ミキサ単体の後段にノイズレス負帰還増幅器を縦
続接続して正の変換利得が得られるように構成したの
で、大規模集積化が容易で、小型化,低コストの受信機
フロントエンドの集積回路として実用上極めて大きい効
果がある。
る。
との説明図である。
である。
構成例図である。
成例図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 局部発振信号を2つの互いに逆相の局部
発振信号に変換し接地に対して対をなす2つの端子から
平衡出力する0/π変換器と、 ガリウム砒素系半導体またはシリコン系バイポーラ半導
体のいずれか一方の3端子トランジスタの該3端子のう
ちのゲート電極またはベース電極を一方の端子とし、ソ
ース電極とドレイン電極とを短絡した短絡電極またはエ
ミッタ電極とコレクタ電極とを短絡した短絡電極を他方
の端子とする受動素子として動作する2端子擬似ダイオ
ードである非線形素子2つが直列に接続されて、前記2
つの端子の間に接続された該2つの非線形素子の直列回
路と、 該直列回路の中性点に高周波信号を入力し、該中性点か
ら該高周波信号と前記局部発振信号の差周波数信号を抽
出して分波出力する分波器と、 前記0/π変換器の対をなす2つの端子の間に接続さ
れ、前記分波器から前記中性点に入力する高周波信号と
抽出する差周波数信号の帰路をなすとともに前記2つの
2端子擬似ダイオードに外部から受動素子の所要の動作
範囲を設定するための順方向バイアス電圧を印加する低
インピーダンス回路とを集積化した集積回路により構成
された周波数変換回路。 - 【請求項2】 該周波数変換回路の分波器の差周波数信
号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導体トラ
ンジスタのソース接地増幅器のソース端子と接地との
間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半導体
トランジスタのエミッタ接地増幅器のエミッタ端子と接
地との間に接続したインダクタンスを負帰還回路とする
増幅器が、さらに、前記集積回路に追加集積化されたこ
とを特徴とする請求項1に記載の周波数変換回路。 - 【請求項3】 該周波数変換回路の分波器の差周波数信
号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導体トラ
ンジスタのゲート接地増幅器のゲート端子と接地との
間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半導体
トランジスタのベース接地増幅器のベース端子と接地と
の間に接続したキャパシタンスを負帰還回路とする増幅
器が、さらに、前記集積回路に追加集積化されたことを
特徴とする請求項1に記載の周波数変換回路。 - 【請求項4】 局部発振信号を2つの互いに逆相の局部
発振信号に変換し接地に対して対をなす2つの端子から
平衡出力する0/π変換器と、 ガリウム砒素系半導体またはシリコン系バイポーラ半導
体のいずれか一方の3端子トランジスタの該3端子のう
ちのドレイン端子とソース端子間また1コレクタ端子と
エミッタ端子間の非直線性を利用する受動素子として動
作する3端子擬似ダイオードである非線形素子の2つが
直列に接続されて、前記2つの端子の間に接続された該
2つの非線形素子の直列回路と、 該直列回路の中性点に高周波信号を入力し、該中性点か
ら該高周波信号と前記局部発振信号の差周波数信号を抽
出して分波出力する分波器と、 前記3端子トランジスタのゲートまたはベースに前記受
動素子としての動作範囲を設定するバイアス電圧を外部
から供給する手段とを集積化した集積回路により構成さ
れた周波数変換回路。 - 【請求項5】 該周波数変換回路の分波器の差周波数信
号出力端子に縦続接続され、ガリウム砒素系半導体トラ
ンジスタのソース接地増幅器のソース端子と接地との
間、またはシリコン系バイポーラジャンクション半導体
トランジスタのエミッタ接地増幅器のエミッタ端子と接
地との間に接続したインダクタンスを負帰還回路とする
増幅器が、さらに、前記集積回路に追加集積化されたこ
とを特徴とする請求項4に記載の周波数変換回路。 - 【請求項6】 前記周波数変換回路と、 該周波数変換回路の分波器の差周波数信号出力端子に縦
続接続され、ガリウム砒素系半導体トランジスタのゲー
ト接地増幅器のゲート端子と接地との間、またはシリコ
ン系バイポーラジャンクション半導体トランジスタのト
ランジスタのベース接地増幅器のベース端子と接地との
間に接続したキャパシタンスを負帰還回路とする増幅器
が、さらに、前記集積回路に追加集積化されたことを特
徴とする請求項4に記載の周波数変換回路。
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