JP3394406B2 - 結晶性珪素膜の作製方法 - Google Patents
結晶性珪素膜の作製方法Info
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Description
薄膜トランジスタに代表される半導体装置の作製方法に
関する。特に、ガラス基板や石英基板上に形成された結
晶性を有する珪素薄膜を用いた半導体装置の作製方法に
関する。
スタが知られている。これは、ガラス基板や石英基板上
に形成された珪素膜(厚さ数百Å〜数千Å)を用いて、
薄膜トランジスタを構成するものである。
アクティブマトリクス型の液晶表示に上記薄膜トランジ
スタを利用するためである。
は、非晶質珪素膜を用いて薄膜トランジスタを構成する
技術が一般的である。また、石英基板を用いた場合に
は、非晶質珪素膜を加熱処理して結晶性珪素膜を得る技
術が実用化されている。
は、非晶質珪素膜を用いたものに比較して、2桁以上の
高速動作を行わすことができる。従って、これまで外付
けのIC回路によって構成されていたアクティブマトリ
クス型の液晶表示装置の周辺駆動回路をガラス基板また
は石英基板上に薄膜トランジスタでもって作り込むこと
ができる。
製工程の簡略化に非常に有利なものとなる。また作製コ
ストの低減にもつながる構成となる。
して、特開平6−232059号公報に記載された技術
が公知である。この技術は、非晶質珪素膜に珪素の結晶
化を助長する金属元素(例えばニッケル)を導入し、従
来よりも低い温度での加熱処理で結晶性珪素膜を得る技
術である。
ガラス基板を利用することができ、また得られた結晶性
珪素膜は、広い面積にわたって実用に耐える結晶性を有
したものとすることができる。
め、その導入量の制御が微妙であり、再現性や安定性
(得られたデバイスの電気的な安定性)に問題があるこ
とが明らかになっている。
明の目的は、上述した問題点を解消して、珪素の結晶化
を助長する金属元素を利用して得られた結晶性珪素膜中
における金属元素の濃度を減少させる技術を提供するこ
とにある。
の一つは、非晶質珪素膜に珪素の結晶化を助長する金属
元素を意図的に導入し第1の加熱処理により前記非晶質
珪素膜を結晶化させる工程と、ハロゲン元素を含んだ雰
囲気中で第2の加熱処理を行い前記金属元素を意図的に
除去する工程と、を有し、第1の加熱処理と第2の加熱
処理とを同じ加熱手段でもって行なうことを特徴とす
る。
の加熱手段とは、同じ加熱手段によるものであることが
重要となる。これは、珪素膜中に金属元素を拡散させ、
結晶化を行うための第1の加熱処理と、珪素膜中に拡散
した金属元素を除去するための第2の加熱処理とが同じ
方法である方が金属元素の除去がうまくゆくからであ
る。
し、第1の加熱処理をヒータによる加熱で行い、第2の
加熱処理を赤外光ランプによる加熱(RTA:ラピット
・サーマル・アニールと称される)によって行った場
合、両方の加熱方法をヒータによるものとした場合に比
較して、珪素膜中からのニッケルの除去効果が低いこと
が判明している。
たは裏面に接して珪素の結晶化を助長する金属元素を接
して保持させる工程と、第1の加熱処理を施し前記非晶
質珪素膜の少なくとも一部を結晶化させる工程と、ハロ
ゲン元素を含んだ雰囲気中で第2の加熱処理を行い前記
金属元素を意図的に除去する工程と、を有し、第1の加
熱処理と第2の加熱処理とを同じ加熱手段でもって行な
うことを特徴とする。
は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類
のものを用いることができる。
が、その効果や再現性の点から最も好ましい。
r、N2 、He、Neから選ばれた一種または複数種類
のガスの雰囲気中にHCl、HF、HBr、Cl2 、F
2 、Br2 から選ばれた一種または複数種類のガスが添
加されたものを用いることができる。ここで、ハロゲン
元素は、当該金属元素を除去するために機能する。
は、Ar、N2 、He、Neから選ばれた一種または複
数種類のガスの雰囲気中にHCl、HF、HBr、Cl
2 、F2 、Br2 から選ばれた一種または複数種類のガ
スと酸素とが添加されたものを用いることができる。
て、珪素膜表面に酸化膜を同時に形成することにより、
ハロゲン元素の作用によって珪素膜の表面が荒れてしま
うことを抑制する機能を有する。
450℃〜1050℃の温度で行うことができる。
意図的に導入することにより、第1の加熱処理により非
晶質珪素膜を結晶化させる。そして、ハロゲン元素を含
む雰囲気中において第2の加熱処理を行うことにより、
先に意図的に導入した当該金属元素を膜中より除去す
る。この際、第1の加熱処理と第2の加熱処理とを同じ
手段でもって行う。
結晶性珪素膜を得る技術を示す。
コーニング1737ガラス基板(歪点667℃)101
上に下地膜として酸化窒化珪素膜102を3000Åの
厚さに成膜する。
としてシランとN2 Oガスと酸素とを用いたプラズマC
VD法を用いる。または、TEOSガスとN2 Oガスと
を用いたプラズマCVD法を用いて成膜する。
てガラス基板からの不純物(ガラス基板中には半導体の
作製レベルで見て多量の不純物が含まれている)の拡散
を防止する機能を有する。
窒化珪素膜が最適であるが、窒化珪素膜が応力の関係で
ガラス基板からはがれてしまうので実用的ではない。ま
た、下地膜として酸化珪素膜を用いることもできる。し
かし、酸化珪素膜は、不純物に対するバリア効果が酸化
窒化珪素膜に比較して不十分である。
度とすることが重要なポイントとなる。このことは、最
終的に得られた薄膜トランジスタの耐久試験において、
下地膜の高度が硬いほうが(即ち、そのエッチングレー
トが小さい方が)信頼性が高いことから結論される。ま
たこのことから、下地膜の硬さがガラス基板からの不純
物の進入の防止に関係していることが推察される。
103を500Åの厚さに減圧熱CVD法で成膜する。
減圧熱CVD法を用いるのは、その方が後に得られる結
晶性珪素膜の膜質が優れているからである。なお、減圧
熱CVD法以外の方法としては、プラズマCVD法を用
いることができる。
Å以下とすることが好ましい。これは、後に珪素の結晶
化を助長する金属元素を除去する段階において、その膜
厚が2000Å以上であると、その除去が困難になるか
らである。
は、その成膜において、どれだけ薄い膜が成膜できるか
によって決まる。一般には、100Å〜200Å程度が
その下限となる。
が混入しないように細心の注意を払うことが重要とな
る。具体的には、成膜に利用するガスの純度や装置の洗
浄に注意を払うことが重要となる。こうして図1(A)
に示す状態を得る。
素を含んだニッケル酢酸塩溶液を非晶質珪素膜103の
表面に塗布する。
非晶質珪素膜103の表面にニッケル酢酸塩溶液の水膜
104を形成する。それからスピンコーターを利用して
余分な溶液を吹き飛ばす。即ち、スピンドライを行う。
のニッケル元素が非晶質珪素膜103の表面に接して保
持された状態を得る。
を考慮すると、酢酸ニッケル塩溶液を用いる代わりに硫
酸ニッケルを用いることが好ましい。これは、酢酸ニッ
ケル塩溶液は炭素を含んでおり、これが後の加熱工程に
おいて炭化して膜中に残留することが懸念されるからで
ある。
おけるニッケル元素の濃度を調整することにより行うこ
とができる。またスピンドライを行なう条件や、非晶質
珪素膜103上における溶液の保持時間によって制御す
ることもできる。
450℃〜650℃の温度での加熱処理を行い、非晶質
珪素膜103を結晶化させる。
℃の加熱処理を4時間行なう。この工程の結果、結晶性
珪素膜105を得る。
考慮してその上限を決めることが重要である。本実施例
では、歪点が667℃であるコーニング1737ガラス
基板を使用しているので、加熱温度の上限は650℃程
度となる。また、結晶化を行なわすには、450℃以上
の温度温度が必要であることが実験により判明してい
る。
の高い材料を利用した場合には、上記結晶化のための加
熱温度をさらに高くすることができる。例えば石英基板
を利用した場合には、1000℃程度までその加熱温度
を高くすることができる。
することができ、またより高い結晶性を得ることができ
るという利点がある。
103の表面に接して保持されていたニッケル元素が膜
中に拡散していく。そして、非晶質珪素膜103の結晶
化に大きな寄与をする。
用した結晶性珪素膜105中に残留したニッケル元素を
除去するための加熱処理を行なう。この加熱処理は、ハ
ロゲン元素を含んだ窒素雰囲気中で600℃の温度でも
って行う。
加した雰囲気中において、600℃、10分の加熱処理
を行う。
0%とすることが好ましい。この濃度以上とすると、珪
素膜の表面が荒れてしまうので注意が必要である。また
この濃度以下であるとゲッタリング効果が薄れてしま
う。
加することも有用である。この場合、ハロゲン元素によ
る珪素膜表面の荒れを酸化膜の形成により平坦化する作
用が得られる。酸素の添加量は、雰囲気中における酸素
の濃度が20〜50%となるように調整すればよい。
果および再現性から見て、450度以上とすることが好
ましい。またその上限は、使用するガラス基板101の
歪点以下とすることが重要である。
00℃程度までさらに加熱温度を高くすることが可能で
ある。この場合、ニッケル元素の除去効果をさらに高め
ることができる。また、処理時間を短くすることができ
る。
顕著になるので、ハロゲン元素の濃度を下げ、また酸素
を添加する工夫が必要となる。
呼ばれているガスを利用することができる。具体的に
は、Ar、He、Neから選ばれた一種または複数種類
のガスを利用することができる。
は、HCl以外にHF、HBr、Cl2 、F2 、B
r2 、NF3 、ClF3 から選ばれた一種または複数種
類のものを用いることができる。これらのガスは、雰囲
気中での含有量(体積含有量)をHFであれば0.3 〜1
0%、HBrであれば1〜20%、Cl2 であれば0.3
〜5%、F2 であれば0.1 〜3%、Br2 であれば0.3
〜10%とすることが好ましい。
度の加熱処理を行なうことにより、ニッケル元素の濃度
を初期の1/10以下とすることができる。これは、何
らハロゲン元素によるゲッタリングを行わない場合に比
較して、ニッケル元素を1/10以下のできることを意
味する。この効果は、他の珪素の結晶化を助長する金属
元素を用いた場合でも同様に得られる。
中における加熱処理によって結晶化させた結晶性珪素膜
中には、SIMS(2次イオン分析方法)による計測
で、1×1019cm-3〜5×1019cm-3程度の濃度で
ニッケル元素が観察される。
用すると、検出されるニッケル濃度は1×1018cm-3
〜5×1018cm-3程度となる。勿論ニッケルの導入条
件は同じとしてである。
良さ、さらに簡便性からニッケル元素の導入を溶液を用
いる例を示した。しかし、CVD法またはスパッタ法に
よって、ニッケルまたはニッケルを含む膜を成膜する方
法を利用してもよい。また、吸着法を用いて、ニッケル
元素が非晶質珪素膜の表面に接して保持される方法を用
いてもよい。
金属元素を利用する場合でも同様である。
わせる例に関する。本実施例は、珪素の結晶化を助長す
る金属元素を利用して、横成長と呼ばれる基板に平行な
方向に結晶成長を行わす方法に関する。
コーニング1737ガラス基板(石英基板でもよい)上
に下地膜として酸化窒化珪素膜202を3000Åの厚
さに成膜する。
でもって、500Åの厚さに成膜する。
厚さに成膜し、それをパターニングすることにより、2
04で示されるマスクを形成する。このマスク204は
205で示される領域で開口が形成されており、その開
口205で下層の非晶質珪素膜203が露呈している。
長手方向を有する細長い長方形を有している。この開口
205の幅は20μm以上とすればよい。またその長手
方向の長さは任意に決めればよい。
pmのニッケル元素を含んだ酢酸ニッケル溶液を塗布す
る。そしてスピンコータを用いて余分な溶液を吹き飛ば
す。
ッケル元素が露呈した非晶質珪素膜203の表面と酸化
珪素膜でなるマスク204の表面に接して保持された状
態を得る。(図2(A))
いて、600℃、4時間の加熱処理を行う。すると、図
2(B)の矢印207で示されるような基板に平行な結
晶成長が進行する。この結晶成長は、ニッケル元素が導
入された開口205の領域から周囲に向かって進行す
る。この基板に平行な方向への結晶成長を横成長または
ラテラル成長と称する。
行わすことができる。こうして横成長した領域を有する
珪素膜208を得る。この状態では、横成長領域、結晶
成長が及ばなかった領域(非晶質状態を有している)が
珪素膜208中に存在している。(図2(B))
めの酸化珪素膜でなるマスク204を除去し、図2
(C)に示す状態を得る。
5%、窒素を90%でなる雰囲気中において、600
℃、10分の加熱処理を行う。
も述べたように珪素膜208中におけるニッケル元素の
濃度を減少させることができる。
長領域でなるパターン209を形成する。ここで、パタ
ーン209には、結晶成長の始点と終点とが存在しない
ようにすることが重要である。
ッケル元素が比較的高濃度に含まれているからである。
パターン209中に残留するニッケル元素の濃度は、実
施例1で示した場合に比較してさらに低いものとするこ
とができる。
の濃度が実施例1に示したような結晶成長方法で得られ
た結晶性珪素膜と比較して、そもそも低いことにも起因
する。そして、ハロゲン元素を含んだ雰囲気中で加熱処
理することで、その濃度を更に低くすることができる。
具体的には、横成長領域でなるパターン209中のニッ
ケル元素の濃度を1017cm-3のオーダーにすることが
可能となる。
向とが概略一致するようにデバイスを設計することで、
実施例1に示したような結晶成長方法を利用した場合に
比較して、より高移動度を有するデバイスを得ることが
できる。
ティブマトリクス型の液晶表示装置やアクティブマトリ
クス型のEL表示装置の画素領域に配置される薄膜トラ
ンジスタを作製する例を示す。
実施例1または実施例2に示した工程によりガラス基板
上に結晶性珪素膜を形成する。そしてそれをパターニン
グすることにより、図3(A)に示す状態を得る。
ガラス基板、302が下地膜、303が結晶性珪素膜で
構成された半導体層である。ここで下地膜302は酸化
窒化珪素膜を用いることが好ましい。また酸化窒化珪素
膜中には、ハロゲン元素を含有させておくことが望まし
い。これは、ハロゲン元素による金属イオンや可動イオ
ンのゲッタリング作用が利用するためである。
縁膜を構成する酸化窒化珪素膜304を1000Åの厚
さに成膜する。成膜方法は、酸素とシランとN2 Oとの
混合ガスを用いたプラズマCVD法、またはTEOSと
N2 Oとの混合ガスを用いたプラズマCVD法を用い
る。
有させることは、半導体層303中に存在するニッケル
元素(その他珪素の結晶化を助長する金属元素)の影響
で、ゲイト絶縁膜の絶縁膜としての機能が低下してしま
うことを防ぐ意味で有用となる。
膜質から、ゲイト絶縁膜中に金属元素が進入しくくなる
という有意性がある。ゲイト絶縁膜中に金属元素が進入
すると、絶縁膜として機能が低下し、薄膜トランシスタ
の特性の不安定性やバラツキの原因となる。
ている酸化珪素膜を用いることもできる。
膜304を成膜したら、後にゲイト電極として機能する
図示しないアルミニウム膜をスパッタ法で成膜する。こ
のアルミニウム膜中には、スカンジウムを0.2 重量%含
有させる。
せるのは、後の工程において、ヒロックやウィスカーが
発生することを抑制するためである。ヒロックやウィス
カーは、加熱が行われることによって、発生する針状あ
るいは刺状の突起物のこという。ヒロックやウィスカー
は、アルミニウムの異常成長によるものと考えられてい
る。
緻密な膜質を有する陽極酸化膜を形成する。この陽極酸
化膜は、3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液
を電解溶液として用いて行う。
を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行うことで、アル
ミニウム膜の表面に緻密な膜質を有する陽極酸化膜が形
成される。
化膜の膜厚は100Å程度とする。この陽極酸化膜が後
に形成されるレジストマスクとの密着性を向上させる役
割を有している。
時の印加電圧によって制御することができる。
してアルミニウム膜を305で示されるパターンにパタ
ーニングする。こうして図3(B)に示す状態を得る。
3%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いる。この電
解溶液中において、アルミニウムのパターン305を陽
極とした陽極酸化を行うことにより、308で示される
多孔質状の陽極酸化膜が形成される。
レジストマスク306が存在する関係で、アルミニウム
パターン305の側面のみに選択的に陽極酸化膜308
が形成される。
まで成長させることができる。ここでは、その膜厚を6
000Åとする。なお、その成長距離は、陽極酸化時間
によって制御することができる。
う。即ち、前述した3%の酒石酸を含んだエチレングル
コール溶液を電解溶液として用いた陽極酸化を再び行
う。すると、多孔質状の陽極酸化膜308中に電解溶液
が進入する関係から、309で示されるように緻密な膜
質を有する陽極酸化膜が形成される。この緻密な陽極酸
化膜309の膜厚は1000Åとする。(図3(C))
04をエッチングする。このエッチングはドライエッチ
ングを利用するのが有用である。さらに酢酸と硝酸とリ
ン酸とを混合した混酸を用いて多孔質状の陽極酸化膜3
08を除去する。こうして図3(D)に示す状態を得
る。
オンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型の薄膜トラ
ンジスタを作製するためにP(リン)イオンの注入をプ
ラズマドーピング法でもって行う。
る311と315の領域とライトドープがされる312
と314の領域が形成される。これは、残存した酸化珪
素膜310の一部が半透過なマスクとして機能し、注入
されたイオンの一部がそこで遮蔽されるからである。
ことにより、不純物イオンが注入された領域の活性化を
行う。こうして、ソース領域311、チャネル形成領域
313、ドレイン領域315、低濃度不純物領域312
と314が自己整合的に形成される。
(ライトドープドレイン)領域と称される領域である。
(図3(D))
000Å以上というように厚くした場合、その膜厚でも
ってチャネル形成領域313の外側にオフセットゲイト
領域を形成することができる。
形成されているが、その寸法が小さいのでその存在によ
る寄与が小さく、また図面が煩雑になるので図中には記
載していない。
または窒化珪素膜、またはその積層膜を形成する。或い
は層間絶縁膜316として、酸化珪素膜または窒化珪素
膜上に樹脂材料でなる層を形成して構成してもよい。
ース電極317とドレイン電極318の形成を行う。こ
うして図3(E)に示す薄膜トランジスタが完成する。
構成において、ゲイト絶縁膜304の形成方法に関す
る。基板として石英基板や耐熱性の高いガラス基板を用
いた場合、ゲイト絶縁膜の形成方法として、熱酸化法を
用いることが好ましい。
して緻密で内部に可動するような電荷が存在することが
ないので、ゲイト絶縁膜として最適なものの一つとな
る。
温度の酸化性雰囲気中において、処理を行う例を挙げる
ことができる。
させることは有効となる。このようにすることで、熱酸
化膜の形成と同時に半導体層303中に存在する金属元
素を除去することができる。
し、窒素成分を含有した熱酸化膜を形成することも有効
である。ここでN2 Oガスの混合比を最適化すれば、熱
酸化法による酸化窒化珪素膜を得ることも可能である。
を形成する例を示した。しかし、他の方法として、熱C
VD法により、ゲイト絶縁膜を形成することもできる。
この場合もN2 Oまたはアンモニアを用いて、窒素成分
を含有させることが有効となる。
で薄膜トランジスタを作製する例を示す。
実施例1または実施例2に示した工程によりガラス基板
上に結晶性珪素膜を形成する。そしてそれをパターニン
グすることにより、図4(A)に示す状態を得る。
ガラス基板、402が下地膜、403が結晶性珪素膜で
構成された半導体層である。ここで下地膜402は酸化
窒化珪素膜を用いることが好ましい。
縁膜を構成する酸化窒化珪素膜404を1000Åの厚
さに成膜する。成膜方法は、酸素とシランとN2 Oとの
混合ガスを用いたプラズマCVD法、またはTEOSと
N2 Oとの混合ガスを用いたプラズマCVD法を用い
る。
ている酸化珪素膜を用いることもできる。
膜404を成膜したら、後にゲイト電極として機能する
図示しないアルミニウム膜をスパッタ法で成膜する。こ
のアルミニウム膜中には、スカンジウムを0.2 重量%含
有させる。
緻密な陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜は、3%
の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液を電解溶液と
して行う。即ち、この電解溶液中において、アルミニウ
ム膜を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行うことで、
アルミニウム膜の表面に緻密な膜質を有する陽極酸化膜
が形成される。
化膜の膜厚は100Å程度とする。この陽極酸化膜が後
に形成されるレジストマスクとの密着性を向上させる役
割を有している。
時の印加電圧によって制御することができる。
してアルミニウム膜を406で示されるパターンにパタ
ーニングする。
3%のシュウ酸水溶液を電解溶液として用いる。この電
解溶液中において、アルミニウムのパターン406を陽
極とした陽極酸化を行うことにより、407で示される
多孔質状の陽極酸化膜が形成される。
レジストマスク405が存在する関係で、アルミニウム
パターン406の側面に選択的に陽極酸化膜407が形
成される。
mまで成長させることができる。ここでは、その膜厚を
6000Åとする。なお、その成長距離は陽極酸化時間
によって制御することができる。
して再度の緻密な陽極酸化膜の形成を行う。即ち、前述
した3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液を電
解溶液として用いた陽極酸化を再び行う。すると、多孔
質状の陽極酸化膜407中に電解溶液が進入するため
に、アルミニウムでなるパターン406の表面が酸化さ
れ、408で示されるように緻密な膜質を有する陽極酸
化膜が形成される。(図4(C))
純物イオンの注入を行う。この工程は、レジストマスク
405を除去してから行ってもよい。
領域409とドレイン領域411が形成される。また領
域410には不純物イオンが注入されない。
を用いて多孔質状の陽極酸化膜407を除去する。こう
して図4(D)に示す状態を得る。
物イオンの注入を行う。この不純物イオンは最初の不純
物イオンの注入条件よりライトドーピングの条件で行
う。
2と413が形成される。そして414で示されるチャ
ネル形成領域が形成される。(図4(D))
ことにより、不純物イオンが注入された領域の活性化を
行う。こうして、ソース領域409、チャネル形成領域
414、ドレイン領域411、低濃度不純物領域412
と413が自己整合的に形成される。
(ライトドープドレイン)領域と称される領域である。
(図4(D))
または窒化珪素膜、またはその積層膜を形成する。層間
絶縁膜415としては、酸化珪素膜または窒化珪素膜上
に樹脂材料でなる層を形成して構成してもよい。
ース電極416とドレイン電極417の形成を行う。こ
うして図4(E)に示す薄膜トランジスタが完成する。
薄膜トランジスタとPチャネル型の薄膜トランジスタと
を相補型に構成した例に関する。
上に集積化された各種薄膜集積回路に利用することがで
きる。また、例えばアクティブマトリクス型の液晶表示
装置の周辺駆動回路に利用することができる。
01上に下地膜502として酸化珪素膜または酸化窒化
珪素膜を成膜する。好ましくは酸化窒化珪素膜を用いる
ことがよい。
CVD法または減圧熱CVD法でもって成膜する。さら
に実施例1または実施例2に示した方法により、この非
晶質珪素膜を結晶性珪素膜に変成する。
グして、半導体層503と504を得る。こうして図5
(A)に示す状態を得る。
素膜505を成膜する。ここで、基板として石英を用い
るならば、前述の熱酸化法を用いることが好ましい。
(図5(A))
示しないアルミニウム膜を4000Åの厚さに成膜す
る。アルミニウム膜以外には、陽極酸化可能な金属(例
えばタンタル)を利用することができる。
法により、その表面に極薄い緻密な陽極酸化膜を形成す
る。
トマスクを配置し、アルミニウム膜のパターニングし
て、パターン506、507を形成する。そして、得ら
れたアルミニウムパターン506、507を陽極として
陽極酸化を行い、多孔質状の陽極酸化膜508と509
を形成する。この多孔質状の陽極酸化膜508、509
の膜厚は5000Åとする。
件で陽極酸化を行い、緻密な陽極酸化膜510と511
を形成する。ここで緻密な陽極酸化膜510と511の
膜厚は800Åとする。こうして図5(B)に示す状態
を得る。
ドライエッチングによって除去し、図5(C)に示すよ
うなゲイト絶縁膜512、513を得る。
を用いて、図5(D)に示すように多孔質状の陽極酸化
膜508と509を除去する。
て、左側の半導体層503にPイオンが、右側の半導体
層504にBイオンが注入されるようにする。
のN型を有するソース領域514とドレイン領域517
が自己整合的に形成される。
いN型を有する領域515が同時に形成される。また、
チャネル形成領域516が同時に形成される。
形成されるのは、ゲイト絶縁膜512が存在するからで
ある。即ち、ゲイト絶縁膜512を通過するPイオンの
うち、その一部はゲイト絶縁膜512によって遮蔽され
るからである。
ソース領域521とドレイン領域518が自己整合的に
形成される。また、低濃度不純物領域520が同時に形
成される。また、チャネル形成領域519が同時に形成
される。
膜厚が2000Åというように厚い場合には、その厚さ
でチャネル形成領域516、519に接してオフセット
ゲイト領域を形成することができる。
0と511の膜厚が1000Å以下と薄いので、その存
在は無視することができる。
い、不純物イオンが注入された領域のアニールを行う。
として窒化珪素膜522と酸化珪素膜523を成膜す
る。それぞれの膜厚は1000Åとする。なお、酸化珪
素膜523は成膜しなくてもよい。
トランジスタが覆われることになる。窒化珪素膜は緻密
であり、また界面特性がよいので、このような構成とす
ることで、薄膜トランジスタの信頼性を高めることがで
きる。
スピンコート法を用いて形成する。ここでは、層間絶縁
膜524の厚さは最小の部分で1μmとする。(図5
(E))
側のNチャネル型の薄膜トランジスタのソース電極52
5とドレイン電極526を形成する。また同時に右側の
薄膜トランジスタのドレイン電極526とソース電極5
27を形成する。ここで、電極526は2つの薄膜トラ
ンジスタ共通に配置されたものとなる。
造を有する薄膜トランジスタ回路を構成することができ
る。
ンジスタを窒化膜で覆い、さらに樹脂材料によって覆っ
た構成が得られる。この構成は、可動イオンや水分の侵
入しにくい耐久性の高いものとすることができる。
膜に対して、さらにレーザー光の照射を行うことによ
り、単結晶または実質的に単結晶と見なせる領域を形成
する構成に関する。
の作用を利用して結晶性珪素膜を得る。そして、その膜
に対してエキシマレーザー(例えばKrFエキシマレー
ザー)を照射して、さらにその結晶性を助長させる。
た膜は、ESRで計測した電子スピン密度が3×1017
個cm-3以下であり、またSIMSで計測した最低値と
して当該ニッケル元素濃度を3×1017cm-3以下で有
し、さらに単結晶と見なすことができる領域を有するも
のとなる。
ておらず、単結晶珪素ウエハーに匹敵する高い電気的な
特性を得ることができる。
5原子%以下〜1×1015cm-3程度含んでいる。この
値は、SIMS(2次イオン分析方法)による計測より
明らかにされる。
領域を利用して薄膜トランジスタを作製することで、単
結晶ウエハーを利用して作製したMOS型トランジスタ
に匹敵するものを得ることができる。
の作製工程において、ゲイト絶縁膜の作製を熱CVD法
で成膜した場合の例を示す。熱CVD法でゲイト絶縁膜
を形成する場合は、高温で加熱することが必要とされる
ので、基板として石英を用いることが望ましい。
酸素ガスを利用して、850℃の減圧熱CVD法によ
り、ゲイト絶縁膜を形成する例を示す。このような方法
で得られたゲイト絶縁膜は、活性層中に存在する金属元
素の進入によって、その電気的な特性が変化しにくいも
のとすることができる。
により、珪素の結晶化を助長する金属元素を利用して得
られた結晶性珪素膜における金属の濃度元素の濃度を減
少させる技術を提供することができる。
く、性能の優れた薄膜半導体装置を得ることができる。
膜) 103 非晶質珪素膜 104 ニッケルを含んだ溶液の水膜 105 結晶性珪素膜 201 ガラス基板または石英基板 202 下地膜(酸化珪素膜または酸化窒化珪素
膜) 203 非晶質珪素膜 204 酸化珪素膜でなるマスク 205 開口部 206 接して保持されたニッケル 207 基板に平行な方向への結晶成長の方向 208 珪素膜 209 パターニンされた珪素膜
Claims (13)
- 【請求項1】非晶質珪素膜の表面に珪素の結晶化を促進
する金属元素を保持させ、 前記非晶質珪素膜を結晶化させて前記金属元素が導入さ
れた結晶性珪素膜を形成し、 不活性ガスとハロゲンの単体またはハロゲン化合物から
なるガスと酸素とを有する雰囲気で、前記結晶性珪素膜
に450℃〜1050℃の温度で加熱処理を行うことを
特徴とする結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項2】非晶質珪素膜の表面に珪素の結晶化を促進
する金属元素を保持させ、 前記非晶質珪素膜を結晶化させて前記金属元素が導入さ
れた結晶性珪素膜を形成し、 不活性ガスとハロゲンの単体またはハロゲン化合物から
なるガスと酸素とを有する雰囲気で、前記結晶性珪素膜
に450℃〜1050℃の温度で加熱処理を行い、 前記不活性ガスはAr、N2、HeまたはNeであり、
前記ハロゲンの単体またはハロゲン化合物からなるガス
はHCl、HF、HBr、Cl2、F2またはBr2であ
ることを特徴とする結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項3】前記金属元素はニッケルであることを特徴
とする請求項1または2に記載の結晶性珪素膜の作製方
法。 - 【請求項4】前記加熱処理の後にさらにエキシマレーザ
ーを照射することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
か一に記載の結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項5】前記加熱処理の後にさらにエキシマレーザ
ーを照射した前記結晶性珪素膜中の電子スピン密度は3
×1017cm-3以下であることを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか一に記載の結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項6】前記雰囲気中に前記酸素は20〜50%含
まれることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に
記載の結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項7】非晶質珪素膜の表面に珪素の結晶化を促進
する金属元素を保持させ、 前記非晶質珪素膜に450℃〜650℃の温度で第一の
加熱処理を行うことによって前記非晶質珪素膜を結晶化
させて前記金属元素が導入された結晶性珪素膜を形成
し、 不活性ガスとハロゲンの単体またはハロゲン化合物から
なるガスと酸素とを有する雰囲気で、前記結晶性珪素膜
に450℃〜1050℃の温度で第二の加熱処理を行
い、 前記第二の加熱処理は前記第一の加熱処理よりも高い温
度で行うことを特徴とする結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項8】非晶質珪素膜の表面に珪素の結晶化を促進
する金属元素を保持させ、 前記非晶質珪素膜に450℃〜650℃の温度で第一の
加熱処理を行うことによって前記非晶質珪素膜を結晶化
させて前記金属元素が導入された結晶性珪素膜を形成
し、 不活性ガスとハロゲンの単体またはハロゲン化合物から
なるガスと酸素とを有する雰囲気で、前記結晶性珪素膜
に450℃〜1050℃の温度で第二の加熱処理を行
い、 前記第二の加熱処理は前記第一の加熱処理よりも高い温
度で行い、 前記不活性ガスはAr、N2、HeまたはNeであり、
前記ハロゲンの単体またはハロゲン化合物からなるガス
はHCl、HF、HBr、Cl2、F2またはBr2であ
ることを特徴とする結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項9】前記金属元素はニッケルであることを特徴
とする請求項7または8に記載の結晶性珪素膜の作製方
法。 - 【請求項10】前記第二の加熱処理の後にさらにエキシ
マレーザーを照射することを特徴とする請求項7乃至9
のいずれか一に記載の結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項11】前記第二の加熱処理の後にさらにエキシ
マレーザーを照射した前記結晶性珪素膜中の電子スピン
密度は3×1017cm-3以下であることを特徴とする請
求項7乃至10のいずれか一に記載の結晶性珪素膜の作
製方法。 - 【請求項12】前記第一の加熱処理及び前記第二の加熱
処理は同じ手法で行われることを特徴とする請求項7乃
至11のいずれか一に記載の結晶性珪素膜の作製方法。 - 【請求項13】前記雰囲気中に前記酸素は20〜50%
含まれることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか
一に記載の結晶性珪素膜の作製方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101221131B1 (ko) * | 2006-11-30 | 2013-01-18 | 엘지디스플레이 주식회사 | 폴리실리콘 반도체 소자의 제조 방법 |
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