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JP3391090B2 - 金属シート貼り合わせ用ポリエステル複合フィルム - Google Patents

金属シート貼り合わせ用ポリエステル複合フィルム

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JP3391090B2
JP3391090B2 JP8063294A JP8063294A JP3391090B2 JP 3391090 B2 JP3391090 B2 JP 3391090B2 JP 8063294 A JP8063294 A JP 8063294A JP 8063294 A JP8063294 A JP 8063294A JP 3391090 B2 JP3391090 B2 JP 3391090B2
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polyester
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film
composite film
polyester composite
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邦治 森
勤 井坂
勝朗 久世
煕 永野
邦夫 竹内
明 松田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属シート貼り合わせ
用ポリエステル複合フィルムに関し、さらに詳細には、
飲料缶、食料缶などの金属缶用の金属シートのラミネー
トに好適なポリエステル複合フィルムに関する。本発明
はまた、上記ポリエステル複合フィルムを金属シートに
ラミネートしてなるラミネート金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、飲料、食品などを含む缶詰用
の金属缶において、金属臭が内容物へ移行すること(耐
フレーバー性不良)および、内容物により金属缶内面が
腐食されることを防止するために、該金属缶の素材とし
て錫メッキ鋼板、クロム処理鋼板、ニッケルメッキ鋼板
などにポリエステルフィルムを加熱・加圧接着して得た
ラミネート鋼板が種々検討されている。例えば、特公昭
57−23584号公報、特公昭59−34580号公
報、特公昭62−61427号公報などにその技術の内
容が開示されている。
【0003】これらの技術では単層フィルムが用いられ
ており、フィルムを構成するポリマーの融点以上の温度
で、この単層フィルムと上記鋼板とをラミネートして十
分に密着させた場合、製缶加工時の衝撃で局所的なフィ
ルム破れ(クラック)が発生する。融点より低い温度で
ラミネートした場合には、製缶加工工程、その後の熱処
理工程および/または内容物充填後のレトルト処理工程
で密着不良に伴うフィルム剥離が生じる。
【0004】このような欠点を回避するため、特開平2
−81630号公報では、110℃〜180℃間での結
晶化発熱量が0.1〜1.5cal/gのポリエステル
複合フィルムを用いることが開示されている。
【0005】しかしながら、この技術ではラミネート後
の熱履歴によりフィルムが収縮し、著しい場合には剥離
することがあり、未だ満足すべきものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的は、鋼板などの
金属シートとラミネートしたときに、耐衝撃性に優れ、
かつラミネート後の熱履歴による収縮および/または剥
離が発生しにくいポリエステル複合フィルムを提供する
ことにある。本発明の他の目的は、上記優れた性質を有
し、飲料缶、食料缶などの金属缶用の金属シートのラミ
ネートに好適なポリエステル複合フィルムおよび該ポリ
エステル複合フィルムをラミネートして得られるラミネ
ート金属板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属シート貼り
合わせ用ポリエステル複合フィルムは、融点が220℃
以上235℃以下のポリエステル組成物からなる基材層
(A層)および融点が170℃以上215℃以下のポリ
エステル組成物からなる接着層(B層)を有し、A層の
厚みaに対するB層の厚みbの比(b/a)が1以上1
0以下であり、そのことにより、上記目的が達せられ
る。
【0008】好ましい実施態様においては、上記A層お
よび上記B層に含有されるポリエステルは、それぞれ、
イソフタル酸を含有する。
【0009】本発明のラミネート金属板は、金属シート
上に上記ポリエステル複合フィルムを、このフィルムの
B層が密着するように積層して得られる。
【0010】以下に本発明を詳しく説明する。
【0011】上記A層およびB層は、それぞれ、ジカル
ボン酸とジオールとの重縮合で得られるポリエステルを
含有するポリエステル組成物からなる。上記ジカルボン
酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2,6−ナフタレン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカ
ンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸などを単
独でまたは混合して使用し得る。上記ジオールとして
は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブ
タンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、デカンジオールなどの単独でまたは混合して
使用し得る。上記の2種以上のジカルボン酸やジオール
の共重合体もしくは、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどの他のモノマーや、ポリマーと
の共重合体を使用してもよい。
【0012】本発明に用いられるA層およびB層に含有
されるポリエステルは、いずれも従来の方法により製造
され得る。例えば、上記ジカルボン酸と上記ジオールと
を直接反応させる直接エステル化法;ジカルボン酸ジメ
チルエステルとジオールとを反応させるエステル交換法
などを用いてポリエステルまたは共重合ポリエステルが
調製される。これらの方法はそれぞれ、回分式および連
続式のいずれの方法で行ってもよい。あるいは、分子量
を高めるために固相重合法を用いてもよい。
【0013】上記A層を構成するためのポリエステル組
成物を得るためには、上記ジカルボン酸およびジオール
を、得られるポリエステル組成物の融点が220℃以上
235℃以下となるように選択する。このようなポリエ
ステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙
げられ、特にポリエチレンテレフタレートイソフタレー
ト(エチレンイソフタレートの繰り返し単位を約10モ
ル%含む)が好ましい。これらのポリエステルは1種以
上が混合されて用いられてもよく、例えば、上記ポリエ
チレンテレフタレートイソフタレート80重量%とポリ
ブチレンテレフタレート20重量%との混合物が好適に
用いられる。
【0014】上記B層を構成するポリエステルを得るた
めには、上記ジカルボン酸およびジオールを、得られる
ポリエステルの融点が170℃以上215℃以下となる
ように選択する。このようなポリエステルとしては、例
えば、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、ポ
リエチレンテレフタレートなどが挙げられ、特に、ポリ
エチレンテレフタレートイソフタレート(エチレンイソ
フタレートの繰り返し単位を22モル%含む)が好まし
い。これらのポリエステルは、1種以上が混合されて用
いられてもよく、例えば、上記ポリエチレンテレフタレ
ートイソフタレート80重量%とポリエチレンテレフタ
レート20重量%との混合物が好適に用いられる。
【0015】上記ポリエステル組成物には、必要に応じ
て、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、無
機粒子、無機滑剤、有機滑剤、顔料、帯電防止剤などが
分散・配合される。
【0016】次に本発明のポリエステル複合フィルムの
製造方法の一例を示す。上記A層およびB層を構成する
ポリエステルを別々の押出機で押出し、ダイ外またはダ
イ内で2層化した後急冷することにより未延伸フィルム
が得られる。この未延伸フィルムを少なくとも一軸延伸
する。延伸方法は特に限定されない。好ましくは、70
〜110℃で縦方向に2〜4倍延伸し、次いで80〜1
10℃で横方向に3〜5倍延伸する。その後、120〜
230℃で熱処理すれば、本発明のポリエステル複合フ
ィルムが得られる。
【0017】本発明のポリエステル複合フィルムの厚み
は、特に限定されないが、12〜75μmが好ましく、
さらに好ましくは15〜25μmである。本発明のポリ
エステル複合フィルムのA層の厚みaに対するB層の厚
みbの比(b/a)は、1以上10以下である。b/a
の値が1未満の場合にはラミネート後の熱履歴によるフ
ィルムの収縮および/または剥離が起こり易いく、10
を越える場合には得られるラミネート金属板の耐熱性が
劣るため、製缶後の熱処理工程での搬送時に搬送ピンの
跡がつき易い。A層の厚みaは、特に限定されないが、
3〜60μmが好ましい。
【0018】本発明のポリエステル複合フィルムは、鋼
板などの金属シート表面へラミネートすることにより、
被覆金属シートを製造するのに用いられる。金属シート
へのラミネート法も特に限定されず、例えば、ドライラ
ミネート法、サーマルラミネート法などを採用すること
ができる。具体的には、本発明のポリエステル複合フィ
ルムのB層側と金属シートとを密着させ、A層を構成す
るポリエステル組成物の融点より低い温度、好ましくは
B層を構成するポリエステル組成物の軟化点よりも高く
A層を構成するポリエステル組成物の融点よりも低い温
度で通電加熱することによりサーマルラミネートする方
法が挙げられる。
【0019】本発明のフィルムのA層を構成するポリエ
ステル組成物の融点は、上記のように、220℃以上2
35℃以下であるため、耐熱性が良好であり、かつラミ
ネート後の熱履歴によるフィルムの収縮および/または
剥離が起こりにくい。さらに、本発明のフィルムを用い
て得られるラミネート金属板は耐衝撃性に優れる。ポリ
エステル組成物の融点が220℃未満の場合、耐熱性が
劣るため、製缶後の熱処理工程などでの搬送時に搬送ピ
ンの跡がつき易い。A層を構成するポリエステル組成物
の融点が235℃を越える場合、ラミネート後の熱履歴
によるフィルムの収縮および/または剥離が起こり易
い。
【0020】上記B層に含有されるポリエステルの融点
は170℃以上215℃以下であることにより、B層の
みを軟化させA層の耐衝撃性を確保した状態でポリエス
テル複合フィルムを金属シートとラミネートすることが
可能であり、かつラミネート後の熱履歴によるフィルム
の収縮および/または剥離が抑制され、かつ耐熱性が良
好となる。ポリエステルの融点が170℃未満の場合に
は、ラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮および
/または剥離が起こり易い。ポリエステルの融点が21
5℃を越える場合には、ラミネート後のラミネート金属
板の耐衝撃性が低下し、製缶工程でクラックが発生しや
すい。
【0021】フィルムの金属シートへのラミネートは片
面であっても両面であってもどちらでもかまわない。両
面ラミネートの場合は同時にラミネートしても逐次でラ
ミネートしてもよい。本発明のポリエステル複合フィル
ムを金属シートとラミネートしたとき、耐衝撃性に優
れ、フィルムの収縮および/または剥離が発生しにくい
ラミネート金属板を得ることができる。さらに、本発明
のポリエステル複合フィルムを、金属シートの両面にラ
ミネートし、製缶することにより、内面保護性が優れて
いるばかりでなく、外面美観性の優れた金属缶を得るこ
とができる。
【0022】上記ラミネート金属板を用いて金属容器を
成形する方法もまた、特に限定されない。金属容器の形
態としては、天地蓋を巻き締めて内容物を充填する、い
わゆる3ピース缶が特に好ましい。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例につき説明する。実
施例で用いた測定法は次のとおりである。
【0024】(1)融点 各層のポリエステル組成物を300℃で5分間加熱溶融
し混合した後、液体窒素で急冷して得たサンプル10m
gを用い、N2気流中示差走査型熱量計を用いて10℃
/分の速度で昇温してサーモグラフを測定し、融解に伴
う吸熱ピークの頂点温度を融点とした。
【0025】(2)耐衝撃性評価 ポリエステル複合フィルム1の接着層であるB層面を、
225℃に加熱した錫非含有鋼板(T−1、厚み:0.
29mm)2に水冷ロールで圧着した後、水中で急冷し
てラミネート金属板10を得た(図1(a))。このラ
ミネート金属板10にそのポリエステル複合フィルム1
側からデュポン衝撃テスト(衝撃子先端径:12.7m
m、衝撃子重量:1kg、衝撃子落下高さ:30cm)
により衝撃を与えた。図1(b)に示すように、白金電
極3の先端を側面から貫入した円筒4を用意し、この円
筒4を、上記ラミネート金属板10のポリエステル複合
フィルム1側の衝撃部5が円筒4内に入るように載置
し、この円筒により形成された空間部分に、該白金電極
3が浸るように、1%塩化ナトリウム水溶液40を注い
だ。次に、白金電極3とラミネート金属板10の鋼板2
側とを6Vの直流電源6および電流計に連結した。6V
の直流電圧を負荷後30秒後の電流値を測定した。電流
値が小さい程耐衝撃性は良好である。
【0026】(3)加熱後の収縮量および剥離の有無の
評価 上記耐衝撃性評価で用いたラミネート金属板と同じ方法
で得たラミネート金属板から3cm×3cmの切断片を
作製し、対角線状にフィルムに切れ目を入れたサンプル
(図2(a))を作製した。これを230℃で10分間
加熱した後のフィルム(図2(b))の収縮の度合を、
フィルム片間のギャップtを測定することにより評価
し、さらに、フィルムの剥離の有無を評価した。
【0027】(4)耐熱性の評価 上記耐衝撃性評価に用いたラミネート金属板と同じ方法
で得たラミネート金属板から5cm×5cmの切断片を
作製し、100gの分銅をフィルム面側に置いた状態で
220℃で10分間加熱した後の分銅の跡型の発生程度
で評価した。目視判定(n=3)で、 ○:跡型なし △:部分的な跡型あり ×:全体的な跡型あり ××:分銅が粘着し全体的な跡型あり ○および△は実用性がある。
【0028】(5)使用したポリエステルのリスト 以下の実施例および比較例で使用したポリエステルを以
下に示す。 ポリエステルI:ポリエチレンテレフタレート ポリエステルII:ポリブチレンテレフタレート ポリエステルIII:ポリエチレンテレフタレートイソフ
タレート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位 1
0モル%) ポリエステルIV:ポリエチレンテレフタレートイソフタ
レート(エチレンイソフタレートの繰り返し単位 22
モル%) ポリエステルV:テレフタル酸およびエチレングリコー
ルと、テレフタル酸およびネオペンチルグリコールとの
共重合体(テレフタル酸およびネオペンチルグリコール
の共重合比30モル%)。
【0029】(実施例1)A層をポリエステル(III)
のみを用いて構成し、B層をポリエステル(I)20重
量%およびポリエステル(IV)80重量%を用いて構成
し、押し出し機を用いて、ダイ外結合により2層にした
後、290℃で押し出し、急冷して未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムを100℃で縦方向に3.5倍
延伸し、次いで横方向に4.0倍延伸した後170℃で
熱処理して厚み25μm(b/a=20μm/5μm=
4.0)のポリエステル複合フィルムを得た。得られた
ポリエステル複合フィルムの特性を上記方法により評価
し、その結果を表1に示す。以下の実施例2〜5および
比較例1〜7の評価結果も併せて表1に示す。
【0030】(実施例2)A層を、ポリエステル(II)
20重量%およびポリエステル(III)80重量%を用
いて作製したこと以外は、実施例1と同様にして厚み2
5μm(b/a=20μm/5μm=4.0)のポリエ
ステル複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価し
た。
【0031】(実施例3)ポリエステル複合フィルムの
厚みを40μm(b/a=35μm/5μm=7.0)
としたこと以外は、実施例2と同様にしてポリエステル
複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価した。
【0032】(実施例4)ポリエステル複合フィルムの
厚みを20μm(b/a=17μm/3μm=5.7)
としたこと以外は、実施例2と同様にしてポリエステル
複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価した。
【0033】(実施例5)A層をポリエステル(II)2
0重量%およびポリエステル(III)80重量%を用い
て作製し、B層をポリエステル(IV)のみを用いて作製
したこと以外は、実施例1と同様にして厚み20μm
(b/a=17μm/3μm=5.7)のポリエステル
複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価した。
【0034】(比較例1)ポリエステル(I)20重量
%およびポリエステル(IV)80重量%を、実施例1に
記載した方法で厚み25μmの単層ポリエステルフィル
ムを得、実施例1と同様にして評価した。
【0035】(比較例2)A層をポリエステル(I)2
0重量%およびポリエステル(IV)80重量%を用いて
作製し、B層をポリエステル(IV)のみを用いて作製し
たこと以外は、実施例1と同様にして厚み25μm(b
/a=20μm/5μm=4.0)のポリエステルフィ
ルムを得、実施例1と同様にして評価した。
【0036】(比較例3)A層をポリエステル(I)の
みを用いて作製し、B層をポリエステル(IV)のみを用
いて作製したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚み
25μm(b/a=20μm/5μm=4.0)のポリ
エステル複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価
した。
【0037】(比較例4)A層をポリエステル(III)
のみを用いて作製し、B層をポリエステル(I)50重
量%およびポリエステル(IV)50重量%を用いて作製
したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚み25μm
(b/a=20μm/5μm=4.0)のポリエステル
複合フィルムを得、ポリエステル複合フィルムと金属シ
ートとのラミネートを240℃にて行ったこと以外は実
施例1と同様にして評価した。
【0038】(比較例5)A層をポリエステル(III)
のみを用いて作製し、B層をポリエステル(V)のみを
用いて作製したこと以外は、実施例1に記載した方法で
厚み25μm(b/a=20μm/5μm=4.0)の
ポリエステル複合フィルムを得、実施例1と同様にして
評価した。
【0039】(比較例6)A層をポリエステル(III)
のみを用いて作製し、B層をポリエステル(IV)のみを
用いて作製したこと以外は、実施例1と同様の方法で厚
み25μm(b/a=3μm/22μm=0.14)の
ポリエステル複合フィルムを得、実施例1と同様にして
評価した。
【0040】(比較例7)ポリエステル複合フィルムの
厚みを50μm(b/a=48μm/2μm=24.
0)としたこと以外は、比較例6と同様にしてポリエス
テル複合フィルムを得、実施例1と同様にして評価し
た。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなように、実施例1〜5で
得られた本発明のポリエステル複合フィルムは、いずれ
も耐衝撃性および耐熱性に優れており、かつラミネート
後の熱履歴によるフィルムの収縮量が小さく、金属貼合
わせ用のフィルムとして高品質で実用性が高いといえ
る。比較例1および2で得られたフィルムは耐衝撃性お
おび耐熱性が劣り、比較例3および6で得られたフィル
ムはラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が大
きく、比較例4で得られたフィルムは耐衝撃性が劣り、
比較例5および7で得られたフィルムは耐熱性が劣り、
かつラミネート後の熱履歴によるフィルムの収縮量が大
きく、いずれもが金属貼合わせ用のフィルムとして品質
が劣る。
【0043】
【発明の効果】上記のように、本発明のポリエステル複
合フィルムは、少なくとも一軸延伸された2種2層のポ
リエステル複合フィルムであり、各層を構成するポリエ
ステル組成物の融点、およびポリエステル複合フィルム
の接着層と基材層との厚みの比が適正な範囲に制御され
ているため、製缶時の耐衝撃性に優れており、ラミネー
ト後の熱履歴によるフィルムの収縮および/または剥離
が起こらない。さらに、ラミネート後の耐熱性に優れて
おり、熱処理工程などでの搬送時に搬送ピンの跡がつか
ない。その結果、内面保護性(耐フレーバー性、耐腐食
性)に優れた金属缶が得られる。本発明のポリエステル
複合フィルムを鋼板の両面にラミネートして得られるラ
ミネート金属板を製缶して得られる金属缶は、内面保護
性が優れているばかりでなく、外面美観性の優れてお
り、飲料缶、食料缶などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、実施例および比較例で得られた
ポリエステルフィルムの耐衝撃性を評価するために作製
されるラミネート金属板を示す図であり、図1(b)
は、該耐衝撃性を評価するために用いられる装置を示す
図である。
【図2】図2(a)は、実施例および比較例で得られた
ポリエステル複合フィルムの加熱後の収縮量および剥離
の有無を評価する試験における試験片の加熱前のサンプ
ルを示す図であり、図2(b)は、この試験における加
熱後のポリエステル複合フィルムの収縮を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ポリエステル複合フィルム 2 鋼板 3 白金電極 4 円筒 5 衝撃部 6 直流電源 10 ラミネート金属板 40 1%塩化ナトリウム水溶液 t 収縮量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 煕 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (72)発明者 竹内 邦夫 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (72)発明者 松田 明 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場内 (56)参考文献 特開 平5−42643(JP,A) 特開 昭56−10451(JP,A) 特開 平4−353443(JP,A) 特開 平7−144396(JP,A) 特開 平7−276564JP,A) 特開 平8−238720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が220℃以上235℃以下であ
    り、かつポリエチレンテレフタレートイソフタレートと
    ポリブチレンテレフタレートを含有するポリエステル組
    成物からなる基材層(A層)および融点が170℃以上
    215℃以下であり、かつポリエチレンテレフタレート
    イソフタレートとポリエチレンテレフタレートを含有す
    るポリエステル組成物からなる接着層(B層)を有する
    複合フィルムであって、A層の厚みaに対するB層の厚
    みbの比(b/a)が1以上10以下である、金属シー
    ト貼り合わせ用ポリエステル複合フィルム。
  2. 【請求項2】 前記A層および前記B層に含有されるポ
    リエステルが、それぞれ、イソフタル酸を含有する、請
    求項1に記載の金属シート貼り合わせ用ポリエステル複
    合フィルム。
  3. 【請求項3】 金属シート上に請求項1または2に記載
    のポリエステル複合フィルムを、該フィルムのB層が密
    着するように積層して得られる、ラミネート金属板。
JP8063294A 1994-04-19 1994-04-19 金属シート貼り合わせ用ポリエステル複合フィルム Expired - Lifetime JP3391090B2 (ja)

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特開 平7−276564JP,A)

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JPH07285206A (ja) 1995-10-31

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