JP3384341B2 - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents
ハイブリッド車両用駆動装置Info
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Description
ータを組み合わせたハイブリッド車両の駆動装置に関す
るものである。
め、エンジンと電動モータを組み合わせて、いずれか一
方または双方の駆動力により走行するハイブリッド車両
が知られており、例えば、特開平8−308021号公
報に開示されるものがある。
ジン、モータ、発電機を連結し、エンジンの出力の一部
を発電機に配分する一方、残りの出力を駆動輪へ配分す
るもので、通常走行中は発電機の回転数を制御すること
で、変速比を無段階に制御するものである。
リアへ入力され、サンギヤからエンジン出力の一部が発
電機へ伝達される一方、残りのエンジン出力がリングギ
ヤに歯合した出力歯車を介して駆動輪へ伝達され、さら
に、出力歯車にはモータの出力が加えられる。
来例では、遊星歯車機構によってエンジンのトルクが発
電機と駆動輪へ分割されるため、駆動トルクとしてはエ
ンジントルクの7割程度(この割合はギヤ比の設定に応
じて変化する)しか得ることができず、例えば、急加速
時には駆動トルクが不足することになって、駆動トルク
をアシストするためには出力の大きなモータが必要にな
り、装置が大型化するとともに重量が増大するという問
題があった。
れたもので、エンジントルクを発電機へ分割して無段階
に変速を行いながら、エンジントルクの増幅を可能にし
て、かつ装置の大型化を抑制することを目的とする。
またはモータの出力のうち、少なくとも一方の出力によ
って車両を推進するとともに、エンジンの出力を発電機
と駆動輪へ分割する遊星歯車機構とを備えたハイブリッ
ド車両用駆動装置において、前記遊星歯車機構は、第1
及び第2の遊星歯車機構で構成されて、第1遊星歯車機
構のキャリアと第2遊星歯車機構のサンギヤをエンジン
の出力軸に結合する一方、第1遊星歯車機構のサンギヤ
を発電機に連結し、前記第1及び第2遊星歯車機構のリ
ングギヤを選択的に係止、解放するブレーキを設けると
ともに、第2遊星歯車機構のキャリアを駆動輪側へ連結
し、この第2遊星歯車機構のキャリアよりも駆動輪側に
前記モータを配設する。
いて、前記第2遊星歯車機構のキャリアには出力歯車が
形成され、この出力歯車には駆動輪側と連結した駆動歯
車が歯合するとともに、前記モータはこの駆動歯車を介
して駆動輪と連結する。
いて、前記第2遊星歯車機構のキャリアにはプロペラシ
ャフトと連結する出力軸が結合し、前記モータはこの出
力軸を介して駆動輪と連結する。
いて、前記第1または第2遊星歯車機構のうちの一方に
は、遊星歯車機構の3つの回転要素のうちの2つを選択
的に締結するクラッチを設ける。
いて、前記第2遊星歯車機構のキャリア側には、ワンウ
ェイクラッチを介して油圧ポンプを連結する。
よって車両の推進を行う場合、ブレーキを解放した状態
では、第2遊星歯車機構のサンギヤとキャリアを介して
駆動力の伝達が行われる一方、第1遊星歯車機構のキャ
リアからサンギヤを介してエンジン出力の一部が発電機
へ分割され、発電機の回転数を制御することで無段階に
変速が行われ、また、モータのみよって車両の推進を行
った後に、エンジンを始動する場合では、発電機を電動
機として作動させると、モータの出力が反力となってエ
ンジンの始動を容易に行うことができる。ブレーキを締
結した状態では、第1及び2遊星歯車機構のリングギヤ
が係止されるため、第2遊星歯車機構のキャリアは減速
されて、エンジン出力を増幅することができ、低速域で
の急加速時などには、大きな駆動トルクを確保すること
ができ、駆動輪側に設けたモータの出力を増大すること
なく、要求される駆動トルクを確保することが可能とな
って、モータを小型のものに置き換えて装置の小型軽量
化を推進しながら、動力性能を確保することが可能とな
る。
はモータと連結するとともに、第2遊星歯車機構のキャ
リアに設けた出力歯車を介してエンジン側と連結し、エ
ンジンまたはモータの出力のうちの少なくとも一方によ
って車両の推進を行うことができる。
合するとともに、第2遊星歯車機構のキャリアと連結
し、エンジンまたはモータの出力のうちの少なくとも一
方によって車両の推進を行うことができる。
歯車機構のうちの一方に、遊星歯車機構の3つの回転要
素のうちの2つを選択的に締結するクラッチを設けるこ
とで、クラッチを締結した状態では、エンジン1の出力
軸と発電機は一体的に回転することになり、第1遊星歯
車機構及び第2遊星歯車機構の各回転要素にエンジント
ルクが分配されることがなくなって、エンジンのトルク
をそのまま駆動トルクとして利用できるのに加え、発電
機を電動機として駆動することで出力する駆動トルクを
さらに増大することができ、特に、高速域においては、
モータのトルクに発電機のトルクを加えることで、加速
性能や登坂性能を大幅に向上させて、燃費性能に加えて
動力性能に優れたハイブリッド車両を提供することが可
能となる。
等の摩擦締結要素を駆動するための油圧ポンプを出力側
に配置することで、走行中にはエンジンの停止にかかわ
らず油圧を発生でき、エンジンを停止させてモータのみ
で走行する際に、新たな油圧ポンプを設ける必要がない
ため、装置の大型化を抑制でき、また、ワンウェイクラ
ッチを設けることで、後退時に油圧ポンプが逆転するの
を防止することができる。
図面に基づいて説明する。
車両に適用した一例を示し、エンジンまたは電動モータ
のいずれか一方、または双方の駆動力を用いて車両の推
進を行うものである。
軸的、かつ対向するように配置されて、これらエンジン
1と発電機3の間には第1遊星歯車機構21と第2遊星
歯車機構22の2組の遊星歯車機構が介装される。な
お、第1遊星歯車機構21が発電機3側に、第2遊星歯
車機構22がエンジン1側に配設される。
機構22のサンギヤ22Sと第1遊星歯車機構21のキ
ャリア21Cに結合され、また、発電機3は第1遊星歯
車機構21のサンギヤ21Sに結合される。
22のリングギヤ21R、22Rは一体に結合されてお
り、これらリングギヤ21R、22Rの外周にはブレー
キ9が設けられ、ブレーキ9の締結、解放に応じてリン
グギヤ21R、22Rの停止、回転が制御される。
2Cには、出力ギヤ5aが結合され、この出力ギヤ5a
はアイドラギヤ5bと歯合して、ファイナルギヤ6から
ドライブシャフト7L、7Rを介して駆動輪(前輪)8
L、8Rに駆動トルク(駆動力)を伝達する。
cを介してモータ4が歯合しており、モータ4のトルク
も駆動輪8L、8Rに伝達される。
トローラ、バッテリ及びインバータ等に接続されてお
り、コントローラは車速、エンジン回転数、アクセルペ
ダル踏み込み量、バッテリ充電状態、シフト位置(図示
せず)などの運転状態に応じてエンジン1とモータ4の
駆動トルクの制御を行うとともに、インバータ等を制御
することで発電機3の発電制御を行う。なお、ブレーキ
9もこのコントローラによって制御され、運転状態に応
じて締結、解放が行われる。
は、前記従来例などと同様に行われ、例えば、発進時ま
たは後退時にはモータ4のトルクのみによって車両の推
進を行って、低回転域では十分なトルクが得られないエ
ンジン1に代わって作動する。そして、車速が所定値を
超えて増大した後にはエンジン1を始動して、エンジン
トルクによって車両の推進と発電機3による発電を行
い、運転状態に応じてモータ4を駆動して、エンジン1
のトルクにモータ4のトルクを併せて車両の推進を行
う。一方、車両の減速時にはモータ4を発電機として作
動してエネルギの回生を行う。
て説明する。
て、モータ4のトルクのみによって行われ、ブレーキ9
を解放した状態でモータ4を駆動すると、アイドラギヤ
5bからファイナルギヤ6へモータ4のトルクが伝達さ
れて車両の推進が行われる。
力ギヤ5a及び第2遊星歯車機構22のキャリア22C
も回転するが、ブレーキ9が解放されており、かつ発電
機3も作動していないため、図2に示すように、リング
ギヤ21R、22R、キャリア22C及びサンギヤ21
Sはとともに連れ回るだけで、エンジン1にモータ4の
トルクが吸収されることはない。なお、モータ4の回転
方向は、シフト位置などから前後退を判定して、所定の
回転方向に設定する。 次に、車速が増大して所定値を
超える低速域になると、エンジン1の始動が行われ、モ
ータ4のトルクにエンジン1のトルクが加わる。
たまま発電機3を電動機として駆動することで行われ、
図3にも示すように、モータ4の駆動中は、モータ4の
トルクの一部がアイドラギヤ5bに噛み合う出力ギヤ5
aを介してキャリア22Cに入力し、発電機3からサン
ギヤ21Sに入力するトルクと共に、キャリア21Cを
介して出力軸1aに伝達されて、エンジン1の始動が行
われる。なお、図中上方へ向かう矢印が第1及び第2遊
星歯車機構21、22への入力を、同じく図中下方へ向
かう矢印が第1及び第2遊星歯車機構21、22からの
出力を示し、矢印の長さがトルクの大きさを示す。
を停止してエンジン1のトルクによって車両の推進が行
われ、図4、図5に示すように、エンジン1の駆動によ
る低速域から高速域の定常走行においては、車速、エン
ジン回転数、スロットル開度、バッテリSOC(充電状
態)信号から判断して、発電機3の回転数を制御するこ
とで変速が行われる。
は、大きな駆動トルクが要求されるため、図6に示すよ
うに、ブレーキ9を締結してリングギヤ21R、22R
を固定して、第1遊星歯車機構21を減速機として作用
させてアイドラギヤ5bへ伝達される駆動トルクを増幅
するとともに、モータ4を駆動して駆動トルクの増大を
図る。
回転数は増大するが、発電機3を無負荷としておくこと
で、運転者の要求に応じて大きな駆動トルクを発生する
ことが可能となる。
タ4を連結する遊星歯車機構が、ブレーキ9を備えた2
組の遊星歯車機構21、22で構成することにより、発
電制御によって無段変速を行いながらも、低速域での急
加速時のように大きな駆動トルクが要求される場合で
は、ブレーキ9の締結によってエンジントルクを増幅し
て出力することが可能となって、前記従来例に比して駆
動輪8L、8Rへ伝達されるエンジントルクを増大する
ことができるため、モータ4を小型のものに置き換える
ことが可能となって、装置の小型、軽量化を推進でき、
さらに、モータ4を小型化することで、強電回路、すな
わち、インバータやバッテリを小型化することが可能と
なって、車両の小型軽量化に加えて製造コストの低減を
図ることができる。
実施形態の第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構
22を、FR方式のハイブリッド車両に適用した一例を
示す。
は、第1遊星歯車機構21のキャリア21Cと第2遊星
歯車機構22のサンギヤ22Sに結合され、また、発電
機3は第1遊星歯車機構21のサンギヤ21Sに結合さ
れる。
機構21と第2遊星歯車機構22のリングギヤ21R、
22Rは一体に結合されており、これらリングギヤ21
R、22Rの外周にはブレーキ9が設けられ、ブレーキ
9の締結、解放に応じてリングギヤ21R、22Rの停
止、回転が制御される。
2Cには、出力軸11に結合され、この出力軸11の途
中にはモータ4が結合されており、このモータ4あるい
はエンジン1からの出力が出力軸11からプロペラシャ
フト12を通して終減速機13及びドライブシャフト1
4L、14Rを介して駆動輪(後輪)15L、15Rに
駆動トルクが伝達される。
ける急加速時などのブレーキ9の制御は前記第1実施形
態と同様に行われ、ブレーキ9の締結時ではエンジント
ルクを増幅して出力することが可能となり、モータ4を
小型のものに置き換えて出力を低減することが可能とな
って、装置の小型軽量化を推進できるのである。
実施形態の第1遊星歯車機構21のサンギヤ21Sとキ
ャリア21Cとの間にクラッチ10を介装して、サンギ
ヤ21Sとキャリア21Cを選択的に結合可能としたも
ので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
は、前記第1実施形態と同様に作用するが、クラッチ1
0を締結した場合では、図7に示すように、エンジン1
の出力軸1aと発電機3は一体的に回転することにな
り、第1遊星歯車機構21及び第2遊星歯車機構22の
各回転要素にエンジントルクが分配されることがなくな
って、エンジン1のトルクをそのまま駆動トルクとして
利用できるのに加え、発電機3をモータとして駆動する
ことでアイドラギヤ5bへ出力する駆動トルクをさらに
増大することができ、特に、高速域においては、モータ
4のトルクに発電機3のトルクを加えることで、加速性
能や登坂性能を大幅に向上させることが可能となって、
燃費性能に加えて動力性能に優れたハイブリッド車両を
提供することが可能となる。
3実施形態のクラッチ10を、前記第2実施形態に示し
たFR方式のハイブリッド車両に適用したもので、その
他の構成は前記第2実施形態と同様である。
サンギヤ21Sとキャリア21Cとの間にクラッチ10
を介装して、サンギヤ21Sとキャリア21Cを選択的
に結合可能としたもので、クラッチ10を解放した状態
では、前記第1実施形態と同様に作用するが、クラッチ
10を締結した場合では、エンジン1の出力軸1aと発
電機3は一体的に回転することになり、前記第3実施形
態と同様に、加速性能や登坂性能を大幅に向上させるこ
とが可能となって、燃費性能に加えて動力性能に優れた
ハイブリッド車両を提供することが可能となる。
3実施形態に示した第2遊星歯車機構22のキャリア2
2Cに、油圧ポンプ16の駆動軸18を結合するととも
に、油圧ポンプ16と駆動軸18の間にワンウェイクラ
ッチ17を介装したもので、その他の構成は、前記第3
実施形態と同様である。
10を作動させる油圧供給源かつ、回転要素に対する潤
滑油供給源であり、油圧ポンプ16と駆動軸18との間
に介装したワンウェイクラッチ17によって、油圧ポン
プ16は、車両の前進時にのみ油圧の供給を行い、後退
時にはワンウェイクラッチ17が空転することで油圧ポ
ンプ16は油圧を発生しない。
タ4で車両の推進を行う発進時や低速域においては、駆
動軸18がキャリア22Cに設けた出力ギヤ5a、アイ
ドラギヤ5bを介してモータ4に駆動されるため、エン
ジン1が停止している場合であっても、車両の前進時に
は各回転要素へ潤滑油の供給を行うことが可能となっ
て、エンジン1を停止させた走行に備えて、新たな油圧
ポンプを設ける必要がなくなり、駆動装置の小型、軽量
化をさらに推進することが可能となるのである。
4実施形態に示した第2遊星歯車機構22のキャリア2
2Cと結合した出力軸11に、油圧ポンプ16を結合す
るとともに、油圧ポンプ16と出力軸11の間にワンウ
ェイクラッチ17を介装したもので、その他の構成は、
前記第3実施形態と同様である。
10を作動させる油圧供給源かつ潤滑油供給源であり、
油圧ポンプ16と出力軸11との間に介装したワンウェ
イクラッチ17によって、油圧ポンプ16は、車両の前
進時にのみ油圧の供給を行い、後退時にはワンウェイク
ラッチ17が空転することで油圧ポンプ16は油圧を発
生しない。
合されたため、車両の前進時には必ず油圧を供給するこ
とができ、エンジン1を停止させた状態での走行に備え
て、新たな油圧ポンプを設ける必要がなくなり、駆動装
置の小型、軽量化をさらに推進することが可能となるの
である。
概略構成図。
走行状態を示す。
ン始動時を示す。
のエンジン走行状態を示す。
のモータ走行状態を示す。
急加速したときのエンジン走行状態を示す。
加速した場合のエンジン走行状態を示す。
構成図。
構成図。
略構成図。
略構成図。
略構成図。
Claims (5)
- 【請求項1】 エンジンまたはモータの出力のうち、少
なくとも一方の出力によって車両を推進するとともに、
エンジンの出力を発電機と駆動輪へ分割する遊星歯車機
構とを備えたハイブリッド車両用駆動装置において、 前記遊星歯車機構は、第1及び第2の遊星歯車機構で構
成されて、第1遊星歯車機構のキャリアと第2遊星歯車
機構のサンギヤをエンジンの出力軸に結合する一方、第
1遊星歯車機構のサンギヤを発電機に結合し、前記第1
及び第2遊星歯車機構のリングギヤを選択的に係止、解
放するブレーキを設けるとともに、第2遊星歯車機構の
キャリアを駆動輪側へ連結し、この第2遊星歯車機構の
キャリアよりも駆動輪側に前記モータを配設したことを
特徴とするハイブリッド車両用駆動装置。 - 【請求項2】 前記第2遊星歯車機構のキャリアには出
力歯車が形成され、この出力歯車には駆動輪側と連結し
た駆動歯車が歯合するとともに、前記モータはこの駆動
歯車を介して駆動輪と連結したことを特徴とする請求項
1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 【請求項3】 前記第2遊星歯車機構のキャリアにはプ
ロペラシャフトと連結する出力軸が結合し、前記モータ
はこの出力軸を介して駆動輪と連結したことを特徴とす
る請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 【請求項4】 前記第1または第2遊星歯車機構のうち
の一方には、遊星歯車機構の3つの回転要素のうちの2
つを選択的に締結するクラッチを設けたことを特徴とす
る請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。 - 【請求項5】 前記第2遊星歯車機構のキャリア側に
は、ワンウェイクラッチを介して油圧ポンプを連結した
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用
駆動装置。
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