JP3369719B2 - 結晶性合成樹脂組成物 - Google Patents
結晶性合成樹脂組成物Info
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Description
に関し、詳しくは結晶性α−オレフィン重合体にグリセ
リン金属塩およびハイドロタルサイト化合物を配合して
なる、透明性、機械的物性等の改善された結晶性合成樹
脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術及び問題点】ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン−1、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリアミド、ポリスチレンなどの結晶性合成樹脂
は、加熱溶融成形後の結晶化速度が遅いため成形サイク
ル性が低く、また、加熱成形後の結晶化の進行によって
収縮する欠点があった。また、これらの結晶性合成樹脂
は、大きな結晶が生成するために、強度が不充分であっ
たり、透明性が劣る欠点もあった。 【0003】これらの欠点は、すべて、合成樹脂の結晶
性に由来するものであり、合成樹脂の結晶化温度を高
め、微細な結晶を急速に生成させることができれば解消
されることが知られている。 【0004】この目的のために、結晶核剤あるいは結晶
化促進剤を添加することが知られており、従来から、4
−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナト
リウムなどのカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−
第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,
2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)
ホスフェートなどの酸性リン酸エステル金属塩、ジベン
ジリデンソルビトール、ビス(4−メチルベンジリデ
ン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体などが用
いられていた。 【0005】ところが、これまでは合成樹脂に添加し
て、透明性および機械的強度を充分に満足するものは得
られていなかった。 【0006】また、ハイドロタルサイト化合物は、塩素
含有樹脂の塩酸補足剤あるいはオレフィン系樹脂の製造
に使用される金属触媒の失活剤として合成樹脂に添加す
ることが知られており、例えば、特開昭60−9023
8号公報には、触媒残渣未処理のプロピレン重合体にソ
ルビトール系化合物、酸化防止剤およびハイドロタサイ
ト等を併用することが提案され、特開昭63−1255
51号公報には、触媒残渣としてMgおよびハロゲンを
含むプロピレン系重合体にp−ブチル安息香酸のアルミ
ニウム塩およびハイドロタルサイト等を併用することが
提案されているが、これらに記載される組み合わせにお
いては、ハイドロタルサイトは他の触媒失活剤と比較し
て特異的な効果は見られないし、その効果は未だ不十分
である。 【0007】このため、透明性および機械的物性に優れ
た結晶性合成樹脂組成物が強く求められていた。 【0008】 【問題点を解決するための手段】本発明者等はかかる現
状に鑑み、種々検討を重ねた結果、結晶性α−オレフィ
ン重合体にグリセリンの特定の金属塩およびハイドロタ
ルサイト化合物を添加することにより、透明性を大幅に
改善し、しかも機械的強度をも増大させることを見出し
本発明に到達した。 【0009】即ち本発明は、結晶性α−オレフィン重合
体100重量部に対して、(a)グリセリンのアルカリ
土類金属塩または亜鉛塩(以下、グリセリン金属塩とも
略す)0.01〜5重量部および(b)ハイドロタルサ
イト化合物の少なくとも一種0.01〜5重量部を配合
してなる、結晶性合成樹脂組成物を提供するものであ
る。 【0010】以下、本発明の結晶性合成樹脂組成物につ
いて詳述する。 【0011】グリセリンのアルカリ土類金属塩または亜
鉛塩において、アルカリ土類金属としては、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、ストロンチウムなどがあげ
られるが、これらの金属塩の中でも亜鉛塩が最も好まし
い。またグリセリン金属塩を構成する金属原子の数:グ
リセリン分子の数(以下、モル比という)は、通常1:
1であるが、これに限定されない。 【0012】本発明に使用されるグリセリンのアルカリ
土類金属塩および亜鉛塩は、例えば、グリセリンと金属
酸化物あるいは水酸化物との脱水反応により容易に製造
することができる。 【0013】また、グリセリン金属塩の粒径、結晶形あ
るいは結晶水の有無は特に限定されるものではないが、
粒径は100ミクロン以下、特に50ミクロン以下が好
ましく、含水率は5%以下、特に3%以下のものが好ま
しい。 【0014】グリセリン金属塩の添加量は、結晶性α−
オレフィン重合体100重量部に対し、0.01〜5重
量部で、好ましくは、0.05〜3重量部である。ここ
で0.01重量部未満の使用ではその効果がほとんどな
く、5重量部よりも多く使用しても性能の向上は見られ
ず、着色性の悪影響を与えるなどの欠点を生じるおそれ
がある。 【0015】本発明に使用されるハイドロタルサイト化
合物は下記一般式(I)で表されるマグネシウム−アル
ミニウムまたはマグネシウム−亜鉛−アルミニウムの複
合塩化合物である。 【0016】 【化1】 【0017】本発明に使用されるハイドロタルサイト化
合物は天然物であってもよく、また合成品であってもよ
い。合成方法としては、特公昭46−2280号公報、
特公昭50−30039号公報、特公昭51−2912
9号公報、特開昭61−174270号公報などに記載
の公知の方法を例示することができる。また、本発明に
おいては、その結晶構造、結晶粒子径あるいは結晶水の
有無およびその量などに制限されることなく使用するこ
とが可能である。 【0018】また、ハイドロタルサイト化合物の表面を
ステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ
金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンス
ルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属
塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワッ
クスなどで被覆したものも使用できる。 【0019】これらのハイドロタルサイト化合物の添加
量は、結晶性α−オレフィン重合体100重量部に対し
て、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部である。ハイドロタルサイト化合物は0.01重量
部未満の使用ではほとんど効果が得られず、10重量部
よりも多く使用しても効果は上がらず、合成樹脂に大き
な着色を与えるなどの欠点を生じるおそれがある。 【0020】本発明で用いられる結晶性α−オレフィン
重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン
−1、ポリ−3−メチルブテン、エチレン/プロピレン
ブロックまたはランダム共重合体などのα−オレフィン
重合体などをあげることができる。 【0021】特に、本発明は、ポリプロピレン、エチレ
ン/プロピレン共重合体およびこれらのプロピレン重合
体と他のα−オレフィン重合体との混合物などのポリプ
ロピレン系樹脂に適用した場合に有用である。また、本
発明は、これらのポリプロピレン系樹脂の極限粘度、ア
イソタクチックペンタッド分率、密度、分子量分布、メ
ルトフローレート、剛性等に拘わらず適用することがで
き、例えば、特開昭63−37148号公報、同63−
37152号公報、同63−90552号公報、同63
−210152号公報、同63−213547号公報、
同63−243150号公報、同63−243152号
公報、同63−260943号公報、同63−2609
44号公報、同63−264650号公報、特開平1−
178541号公報、同2−49047号公報、同2−
102242号公報、同2−251548号公報、同2
−279746号公報、特開平3−195751号公報
などに記載されたようなポリプロピレン系樹脂にも好適
に使用することができる。 【0022】本発明において、各成分を添加する方法は
特に制限を受けず、一般に用いられる方法、例えば、結
晶性α−オレフィン重合体粉末あるいはペレットと、添
加剤粉末をドライブレンドする方法、各成分を高濃度で
含有するマスターバッチを作成し、これを結晶性α−オ
レフィン重合体に添加する方法などを用いることができ
る。また、本発明の結晶性合成樹脂組成物は、押出成
形、射出成形、真空成形、ブロー成形、架橋発泡成形な
どの周知の加工方法により、各種成形品、繊維、二軸延
伸フィルム、シートなどとして使用することができる。 【0023】また、本発明の組成物は各種の後処理を施
される用途、例えば、注射器、輸液バックなどの医療用
途または食品包装用途などの放射線による滅菌を施され
る用途あるいは塗装性などの表面特性の改善のために、
成形後、低温プラズマ処理などが施される用途などにも
用いることができる。 【0024】また、本発明の結晶性合成樹脂組成物に
は、必要に応じて、フェノール系抗酸化剤、有機ホスフ
ァイトまたはホスホナイトなどの有機リン系抗酸化剤、
チオエーテル系抗酸化剤、紫外線吸収剤あるいはヒンダ
ードアミン化合物などの光安定剤を加え、その酸化安定
性および光安定性をさらに改善することができ、特に、
フェノール系抗酸化剤および/または有機リン系抗酸化
剤を併用することによって加熱加工時の着色および機械
的物性の低下を防止することができる。 【0025】本発明で使用できるフェノール系抗酸化剤
としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾ
ール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェ
ノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネ
ート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’
−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−
オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’
−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三
ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエス
テル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m
−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−
ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブ
タン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−
ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フ
ェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6
−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−
ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベン
ゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕
イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メ
チル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル
−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5
−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレング
リコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげら
れる。 【0026】これらのフェノール系抗酸化剤の添加量
は、結晶性α−オレフィン重合体100重量部に対し、
0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部
である。 【0027】本発明で使用できる有機リン系抗酸化剤と
しては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、
トリス(モノおよびジノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイ
ト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(ト
リデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイ
ト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデン
ビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホス
ファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ブタントリホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイ
ト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフ
ェニル)オクタデシルホスファイト、2,2’−メチレ
ンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニ
ル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジヒドロ
−9−オキサ−10ホスファフェナンスレン−10−オ
キシドなどがあげられる。 【0028】これらの有機含リン化合物の添加量は、結
晶性α−オレフィン重合体100重量部に対し、0.0
01〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部であ
る。 【0029】チオエーテル系抗酸化剤としては、たとえ
ば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、
ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジ
アルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリ
トールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネー
ト)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピ
オン酸エステル類などがあげられる。 【0030】紫外線吸収剤としては、たとえば、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベン
ゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−
3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリ
アゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フ
ェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエー
ト、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートな
どのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキ
ザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド
などの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,
β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3
−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート
などのシアノアクリレート類などがあげられる。 【0031】ヒンダードアミン化合物などの光安定剤と
しては、たとえば、2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラ
カルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキ
シレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル
−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハ
ク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジ
ブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/
2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重
縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ
−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、
1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブ
チル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,
5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12
−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12
−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4
−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6
−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス
〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−ト
リアジン−6−イルアミノ〕ウンデカンなどのヒンダー
ドアミン化合物があげられる。 【0032】その他、本発明の結晶性合成樹脂組成物に
は、必要に応じて、ノニオン系、カチオン系またはアニ
オン系の帯電防止剤、アルミニウム−p−第三ブチルベ
ンゾエート、ジベンジリデンソルビトール、ビス(4−
メチルベンジリデン)ソルビトール、アルキレンビスフ
ェノールホスフェート金属塩などの他の造核剤、アルカ
リ土類金属の脂肪族カルボン酸塩、顔料、染料、充填
剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、加工助剤などを加えること
ができる。 【0033】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によ
って何ら制限を受けるものではない。 【0034】〔実施例1〕 次の配合物をヘンシェルミキサーを用いて、回転数11
00rpmで7分混合した後、温度250℃、回転数2
5rpmの条件下で押出機を用いてペレットを作成し
た。このペレットを用いて、250℃で、厚さ1mmお
よび3mmの試験片、さらにJIS規格による曲げ試験
用の試験片を作成した。JIS K7105に従い、曇
価(HV、1mmおよび3mm)を測定し、JIS K
7203に従い曲げ強度および弾性率の測定を行なっ
た。その結果を表−1に示した。 【0035】(配合) プロピレンホモポリマー(メルトフローレート15g/
10分)・・・100重量部 テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1重量部 トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト
・・・・・・・0.1重量部 グリセリン亜鉛(モル比1:1)・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.3重量部 試験化合物(表−1)・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.1重量部 【0036】 【表1】【0037】〔実施例2〕 次の配合物にて実施例1と同様の試験を行なった。その
結果を表−2に示した。 【0038】(配合) プロピレンホモポリマー(メルトフローレート2g/1
0分)・・・・100重量部 テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1重量部 トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト
・・・・・・・0.1重量部 グリセリン亜鉛(モル比1:1)・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.3重量部 試験化合物(表−2)・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.1重量部 【0039】 【表2】【0040】〔実施例3〕 次の配合物を用いて実施例1と同様の方法により曲げ試
験を行なった。その結果を表−3に示した。 【0041】(配合) 高密度ポリエチレン・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・100重量部 テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1重量部 トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト
・・・・・・・0.1重量部 ハイドロタルサイト1・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.1重量部 試験化合物(表−3)・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・0.2重量部 【0042】 【表3】【0043】実施例から明らかなように、結晶性α−オ
レフィン重合体にグリセリンの金属塩と本発明で規定す
る以外の触媒失活剤を組み合わせて使用した場合には透
明性および機械的物性の改善効果が不十分であり、ま
た、本発明以外の結晶化剤あるいは結晶化促進剤をハイ
ドロタルサイト化合物を併用して使用した場合にはその
併用効果はほとんどみられず、特に機械的物性の改善効
果が不十分である。 【0044】これに対し、グリセリンの金属塩およびハ
イドロタルサイト化合物併用して使用した場合には、こ
れらが相乗的に作用し、結晶性α−オレフィン重合体の
透明性および機械的強度を著しく改善する。 【0045】 【発明の効果】結晶性α−オレフィン重合体にグリセリ
ンの金属塩およびハイドロタルサイト化合物を配合する
ことで、透明性、機械的物性等は著しく改善される。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 結晶性α−オレフィン重合体100重量
部に対して、(a)グリセリンのアルカリ土類金属塩ま
たは亜鉛塩の少なくとも一種0.01〜5重量部および
(b)ハイドロタルサイト化合物の少なくとも一種0.
01〜5重量部を配合してなる、結晶性合成樹脂組成
物。
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WO2018216558A1 (ja) * | 2017-05-25 | 2018-11-29 | 株式会社Adeka | 難燃剤組成物及びそれを含有する難燃性樹脂組成物 |
US20220119559A1 (en) * | 2019-01-21 | 2022-04-21 | Adeka Corporation | Nucleating agent composition, olefin-based resin composition, molded article thereof, and method for producing olefin-based resin composition |
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1994
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