JP3367713B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、操縦安定性、及び乗心
地性を低下させることなくサイドウォール部の耐カット
性を向上しうる空気入りタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題、エネルギー問題から、
車両への低燃費性能の要求が大きくなっている。これは
タイヤについても同様であり、より転動抵抗が小さく、
軽量であることが望まれている。特に、タイヤ重量の軽
減は、タイヤの転動抵抗の減少、および車両の低燃費性
の両方を改善することが出来る。 【0003】一方、タイヤ寿命の増大を図るためにはサ
イドウォール部の耐カット性の向上が有効であり、従っ
て、図2に示すように、サイドウォール部aにその外壁
面から隆起するプロテクターbを設けた空気入りタイヤ
tが従来から多く採用されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながらサイドウ
ォール部aに図2に示すようなプロテクターbを形成す
る従来のものにあっては、耐カット性は向上するものの
タイヤ重量の大巾な増加は避けられず、しかもサイドウ
ォール部における屈曲を不均一とし、操縦安定性、乗心
地性の低下を招来する原因の一つとなっていた。 【0005】本発明は、サイドウォール部に、外周輪郭
線を波状としかつ短繊維混入ゴムを用いたプロテクター
を設けることを基本として、タイヤ重量の増加を抑制し
かつ操縦安定性、乗心地性を低下させることなく耐カッ
ト性を向上しうる空気入りタイヤの提供を目的としてい
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビー
ドコアの周りを折返すカーカスを具える空気入りタイヤ
であって、前記サイドウォール部に、その外壁面から隆
起し周方向にのびるとともにタイヤ子午断面における外
周輪郭線を波状としかつ短繊維混入ゴムを用いた断面略
矩形状のプロテクターを設けている。 【0007】又請求項1に係る発明においては、さら
に、前記短繊維は、前記外壁面に沿って実質的にタイヤ
半径方向に配向し、さらに短繊維の混入量は10〜50
PHR、短繊維の径を1μmm〜0.1mm、長さを2
0μmm〜2mmとしたことを特徴とする。 【0008】 【作用】サイドウォール部に、その外壁面から隆起し周
方向にのびるとともに短繊維混入ゴムを用いたプロテク
ターを設ける。従って、走行時においてタイヤのサイド
ウォール部が例えば路肩に接触した場合、このプロテク
ターが路肩と衝合し、サイドウォール部の破損を防止
し、耐カット性を向上しうるとともに、プロテクターを
形成するゴム組成物には短繊維が混入されているため、
プロテクターの耐カット性を低下させることなくこのプ
ロテクターの厚さを薄くでき、タイヤ重量の増加を抑制
しうる。 【0009】又サイドウォール部にプロテクターを設け
ると、一般にその部分における剛性、いわゆる縦バネ定
数が局部的に増し、サイドウォール部の撓みが不均一と
なるため、操縦安定性、および乗心地性が低下する傾向
にあるが、本発明のプロテクターは、タイヤ子午断面に
おける外周輪郭線を波状としているため、該プロテクタ
ーの厚さを前記のごとく薄くしうることと相まって、縦
バネ定数の局部的な増大を抑制することができ、操縦安
定性、および乗心地性の低下を防止しうる。 【0010】なお短繊維を、タイヤ半径方向に配向した
場合には、半径方向の耐カット性を大巾に向上できる。 【0011】 【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1において本発明の空気入りタイヤ1は、一対の
ビード部2、2と、このビード部2、2からそれぞれタ
イヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部3、3と、
このサイドウォール部3、3の各外端間を継ぐトレッド
部4とからなるトロイド状のタイヤ基体5を有する。 【0012】又タイヤ基体5は、前記トレッド部4から
サイドウォール部3を通りビード部2に至る本体部7A
にビードコア6の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向
かって折返すことにより形成した折返し部7Bを設けた
カーカス7と、トレッド部4の内部かつ前記カーカス7
の半径方向外方に配されるベルト層9と、ビード部2に
配されかつ前記カーカス7の本体部7Aと折返し部7B
との間でビードコア6から半径方向外方に向かって立上
がる断面三角形のビードエーペックス10とを具える。 【0013】前記カーカス7は、ナイロン、レーヨン、
芳香族ポリアミドなどの有機繊維からなるカーカスコー
ドを本実施例ではタイヤ赤道Cに対して70〜90°傾
けて配列したラジアル又はセミラジアル配列のカーカス
プライを1層以上、本例では1層により形成している。 【0014】ベルト層9は、ナイロン、レーヨン、芳香
族ポリアミド等の有機繊維コード又はスチールコードか
らなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して平行又は小
角度で傾けて配列した1枚又は複数枚、本例では2枚の
ベルトプライによって形成される。 【0015】サイドウォール部3は、カーカス7のタイ
ヤ軸方向外側に貼着されるサイドウォールゴムによっ
て、その外壁面3Aが形成される。なおサイドウォール
ゴムは、トレッド面4Aを形成するトレッドゴムに比し
て軟質のゴムを用いる。 【0016】サイドウォール部3の前記外壁面3Aに
は、該外壁面3Aからタイヤ軸方向に隆起しかつタイヤ
周方向にのびるプロテクター12が配設される。 【0017】プロテクター12は、タイヤ最大巾MWに
おける外壁面3A上のタイヤ最大巾点Bから半径方向内
外にのびるとともに、外壁面3Aを無端状に周回する。
又そのタイヤ子午断面における断面形状は、略矩形状を
なし、しかもその外周輪郭線12Aを半径方向に凸部と
凹部とを交互に滑らかに連続して配した波状としてい
る。 【0018】又前記プロテクター12は、サイドウォー
ルゴムに比してやや硬質のゴム組成物からなり、本実施
例ではそのゴム組成物の中に10〜50PHRの短繊維
が混入されるとともに、この短繊維を、前記外壁面3A
に沿ってタイヤ半径方向に向けて配している。即ち、短
繊維は、タイヤ半径方向に配向している。 【0019】なお短繊維材としては、ナイロン、レーヨ
ン、ポリエステル、芳香族ポリアミド、セルロース樹
脂、結晶ポリブタジエン、木綿糸の有機繊維の他、炭素
繊維、金属繊維、ボロン、ガラス繊維を用いることがで
きるが、このような短繊維材としては有機繊維、殊にナ
イロンが好適に採用できる。 【0020】この短繊維の混入量が10PHR未満で
は、プロテクター12の剛性の効果が乏しく十分な耐カ
ット性を得られない。逆に50PHRをこえるとゴムと
繊維間の接着不良が生じることがあり、又プロテクター
12の剛性が過度に大きくなり、サイドウォール部3に
おける屈曲を不均一とし、操縦安定性、及び乗心地性を
低下させる。 【0021】前記短繊維はその径が1μmm〜0.1mmで
ありかつ長さは20μmm〜2mmとするのが好ましい。太
さ及び長さが前記値よりも小であると耐カット性に劣る
一方、前記値をこえて大となるとゴム層の耐疲労性が劣
化することがある。 【0022】なお短繊維をタイヤ半径方向に対してその
傾きが0°〜10°の範囲内で、実質的にタイヤ半径方
向に配向させる場合には、半径方向に対する耐カット性
を大巾に向上しうる。 【0023】又プロテクター12に、短繊維を混入した
ため、耐カット性を維持しつつプロテクター12の厚さ
を減じることができ、タイヤ重量の増加を抑制しうると
ともに、外周輪郭線12Aを波状としたため、サイドウ
ォール部3における剛性、屈曲の不均一性、分散を低減
でき、操縦安定性、及び乗心地性の低下を防止しうる。
又プロテクター12を設けることによって、サイドウォ
ールゴムの厚さを減ずることが可能となり、タイヤの軽
量化を図りうる。 【0024】なお前記プロテクター12は、その粘弾性
スペクトルメーターによる複素弾性率E*が50〜45
0kg/cm2 、好ましくは80〜400kg/cm2 に設定さ
れる。前記値をこえて高く、又は低くなっても、サイド
ウォールゴムとの調和により保たれている十分な耐カッ
ト性及び耐疲労性が得られないからである。 【0025】なおプロテクター12は、バンバリー又は
カレンダーロールを用いて混練されるとともにカレンダ
ーロールによる成型、又は押出しによって形成されるゴ
ム体を、加硫に先立つタイヤ成形工程においてサイドウ
ォールゴム外面に貼着し、かつ加硫により、該サイドウ
ォールゴムに一体に固着することによりサイドウォール
部3に形成される。 【0026】 【具体例】タイヤサイズが185/60R14でありか
つ図1に示す構成を有するタイヤ(実施例1〜3)につ
いて試作するとともに、その性能についてテストした。
なおプロテクター12を設けない従来の構成のタイヤ
(比較例1)、プロテクターは形成されるがタイヤ子午
断面における外周輪郭線を波状としない図2に示す構成
のタイヤ(比較例2)、およびプロテクターの外周輪郭
線を波状とするが、短繊維を混入しないタイヤ(比較例
3)についても併せてテストを行い性能の比較を行っ
た。なお実施例1、比較例a、比較例bのものは比較例
1〜3のものに比してサイドウォールゴムの厚さを減じ
てタイヤ重量を軽減している。テスト仕様は次の通り。 【0027】イ)耐カット性 いわゆる振子式サイドウォール衝撃テストを行う。これ
は、図3に示すように、クサビ型の刃15を錘16に取
付けたものを振子17下端に設け、自由落下方式でタイ
ヤTのサイドウォール部に衝撃を与えるとともに、錘1
6と落下高さHとによりタイヤサイドウォールの破壊エ
ネルギーを求め評価するテストである。 【0028】ロ)操縦安定性、乗心地性 実車走行におけるドライバーのフィーリングにより判定
するとともに、比較例1を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好であることを示す。テストの
結果を表1に示す。 【0029】 【表1】 【0030】テストの結果、実施例のものは比較例のも
のに比べてタイヤ重量を軽減したにもかかわらず操縦安
定性、及び乗心地性を低下させることなく耐カット性を
向上していることが確認出来た。 【0031】 【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
サイドウォール部の外壁面に周方向にのびかつ外周輪郭
線を波状とした短繊維混入ゴムを用いたプロテクターを
設けたため、タイヤ重量の増加を抑制ししかも操縦安定
性、及び乗心地性を低下することなく耐カット性を向上
しうる。
地性を低下させることなくサイドウォール部の耐カット
性を向上しうる空気入りタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題、エネルギー問題から、
車両への低燃費性能の要求が大きくなっている。これは
タイヤについても同様であり、より転動抵抗が小さく、
軽量であることが望まれている。特に、タイヤ重量の軽
減は、タイヤの転動抵抗の減少、および車両の低燃費性
の両方を改善することが出来る。 【0003】一方、タイヤ寿命の増大を図るためにはサ
イドウォール部の耐カット性の向上が有効であり、従っ
て、図2に示すように、サイドウォール部aにその外壁
面から隆起するプロテクターbを設けた空気入りタイヤ
tが従来から多く採用されていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながらサイドウ
ォール部aに図2に示すようなプロテクターbを形成す
る従来のものにあっては、耐カット性は向上するものの
タイヤ重量の大巾な増加は避けられず、しかもサイドウ
ォール部における屈曲を不均一とし、操縦安定性、乗心
地性の低下を招来する原因の一つとなっていた。 【0005】本発明は、サイドウォール部に、外周輪郭
線を波状としかつ短繊維混入ゴムを用いたプロテクター
を設けることを基本として、タイヤ重量の増加を抑制し
かつ操縦安定性、乗心地性を低下させることなく耐カッ
ト性を向上しうる空気入りタイヤの提供を目的としてい
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
トレッド部からサイドウォール部を通りビード部のビー
ドコアの周りを折返すカーカスを具える空気入りタイヤ
であって、前記サイドウォール部に、その外壁面から隆
起し周方向にのびるとともにタイヤ子午断面における外
周輪郭線を波状としかつ短繊維混入ゴムを用いた断面略
矩形状のプロテクターを設けている。 【0007】又請求項1に係る発明においては、さら
に、前記短繊維は、前記外壁面に沿って実質的にタイヤ
半径方向に配向し、さらに短繊維の混入量は10〜50
PHR、短繊維の径を1μmm〜0.1mm、長さを2
0μmm〜2mmとしたことを特徴とする。 【0008】 【作用】サイドウォール部に、その外壁面から隆起し周
方向にのびるとともに短繊維混入ゴムを用いたプロテク
ターを設ける。従って、走行時においてタイヤのサイド
ウォール部が例えば路肩に接触した場合、このプロテク
ターが路肩と衝合し、サイドウォール部の破損を防止
し、耐カット性を向上しうるとともに、プロテクターを
形成するゴム組成物には短繊維が混入されているため、
プロテクターの耐カット性を低下させることなくこのプ
ロテクターの厚さを薄くでき、タイヤ重量の増加を抑制
しうる。 【0009】又サイドウォール部にプロテクターを設け
ると、一般にその部分における剛性、いわゆる縦バネ定
数が局部的に増し、サイドウォール部の撓みが不均一と
なるため、操縦安定性、および乗心地性が低下する傾向
にあるが、本発明のプロテクターは、タイヤ子午断面に
おける外周輪郭線を波状としているため、該プロテクタ
ーの厚さを前記のごとく薄くしうることと相まって、縦
バネ定数の局部的な増大を抑制することができ、操縦安
定性、および乗心地性の低下を防止しうる。 【0010】なお短繊維を、タイヤ半径方向に配向した
場合には、半径方向の耐カット性を大巾に向上できる。 【0011】 【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1において本発明の空気入りタイヤ1は、一対の
ビード部2、2と、このビード部2、2からそれぞれタ
イヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部3、3と、
このサイドウォール部3、3の各外端間を継ぐトレッド
部4とからなるトロイド状のタイヤ基体5を有する。 【0012】又タイヤ基体5は、前記トレッド部4から
サイドウォール部3を通りビード部2に至る本体部7A
にビードコア6の周りをタイヤ軸方向内側から外側に向
かって折返すことにより形成した折返し部7Bを設けた
カーカス7と、トレッド部4の内部かつ前記カーカス7
の半径方向外方に配されるベルト層9と、ビード部2に
配されかつ前記カーカス7の本体部7Aと折返し部7B
との間でビードコア6から半径方向外方に向かって立上
がる断面三角形のビードエーペックス10とを具える。 【0013】前記カーカス7は、ナイロン、レーヨン、
芳香族ポリアミドなどの有機繊維からなるカーカスコー
ドを本実施例ではタイヤ赤道Cに対して70〜90°傾
けて配列したラジアル又はセミラジアル配列のカーカス
プライを1層以上、本例では1層により形成している。 【0014】ベルト層9は、ナイロン、レーヨン、芳香
族ポリアミド等の有機繊維コード又はスチールコードか
らなるベルトコードをタイヤ赤道Cに対して平行又は小
角度で傾けて配列した1枚又は複数枚、本例では2枚の
ベルトプライによって形成される。 【0015】サイドウォール部3は、カーカス7のタイ
ヤ軸方向外側に貼着されるサイドウォールゴムによっ
て、その外壁面3Aが形成される。なおサイドウォール
ゴムは、トレッド面4Aを形成するトレッドゴムに比し
て軟質のゴムを用いる。 【0016】サイドウォール部3の前記外壁面3Aに
は、該外壁面3Aからタイヤ軸方向に隆起しかつタイヤ
周方向にのびるプロテクター12が配設される。 【0017】プロテクター12は、タイヤ最大巾MWに
おける外壁面3A上のタイヤ最大巾点Bから半径方向内
外にのびるとともに、外壁面3Aを無端状に周回する。
又そのタイヤ子午断面における断面形状は、略矩形状を
なし、しかもその外周輪郭線12Aを半径方向に凸部と
凹部とを交互に滑らかに連続して配した波状としてい
る。 【0018】又前記プロテクター12は、サイドウォー
ルゴムに比してやや硬質のゴム組成物からなり、本実施
例ではそのゴム組成物の中に10〜50PHRの短繊維
が混入されるとともに、この短繊維を、前記外壁面3A
に沿ってタイヤ半径方向に向けて配している。即ち、短
繊維は、タイヤ半径方向に配向している。 【0019】なお短繊維材としては、ナイロン、レーヨ
ン、ポリエステル、芳香族ポリアミド、セルロース樹
脂、結晶ポリブタジエン、木綿糸の有機繊維の他、炭素
繊維、金属繊維、ボロン、ガラス繊維を用いることがで
きるが、このような短繊維材としては有機繊維、殊にナ
イロンが好適に採用できる。 【0020】この短繊維の混入量が10PHR未満で
は、プロテクター12の剛性の効果が乏しく十分な耐カ
ット性を得られない。逆に50PHRをこえるとゴムと
繊維間の接着不良が生じることがあり、又プロテクター
12の剛性が過度に大きくなり、サイドウォール部3に
おける屈曲を不均一とし、操縦安定性、及び乗心地性を
低下させる。 【0021】前記短繊維はその径が1μmm〜0.1mmで
ありかつ長さは20μmm〜2mmとするのが好ましい。太
さ及び長さが前記値よりも小であると耐カット性に劣る
一方、前記値をこえて大となるとゴム層の耐疲労性が劣
化することがある。 【0022】なお短繊維をタイヤ半径方向に対してその
傾きが0°〜10°の範囲内で、実質的にタイヤ半径方
向に配向させる場合には、半径方向に対する耐カット性
を大巾に向上しうる。 【0023】又プロテクター12に、短繊維を混入した
ため、耐カット性を維持しつつプロテクター12の厚さ
を減じることができ、タイヤ重量の増加を抑制しうると
ともに、外周輪郭線12Aを波状としたため、サイドウ
ォール部3における剛性、屈曲の不均一性、分散を低減
でき、操縦安定性、及び乗心地性の低下を防止しうる。
又プロテクター12を設けることによって、サイドウォ
ールゴムの厚さを減ずることが可能となり、タイヤの軽
量化を図りうる。 【0024】なお前記プロテクター12は、その粘弾性
スペクトルメーターによる複素弾性率E*が50〜45
0kg/cm2 、好ましくは80〜400kg/cm2 に設定さ
れる。前記値をこえて高く、又は低くなっても、サイド
ウォールゴムとの調和により保たれている十分な耐カッ
ト性及び耐疲労性が得られないからである。 【0025】なおプロテクター12は、バンバリー又は
カレンダーロールを用いて混練されるとともにカレンダ
ーロールによる成型、又は押出しによって形成されるゴ
ム体を、加硫に先立つタイヤ成形工程においてサイドウ
ォールゴム外面に貼着し、かつ加硫により、該サイドウ
ォールゴムに一体に固着することによりサイドウォール
部3に形成される。 【0026】 【具体例】タイヤサイズが185/60R14でありか
つ図1に示す構成を有するタイヤ(実施例1〜3)につ
いて試作するとともに、その性能についてテストした。
なおプロテクター12を設けない従来の構成のタイヤ
(比較例1)、プロテクターは形成されるがタイヤ子午
断面における外周輪郭線を波状としない図2に示す構成
のタイヤ(比較例2)、およびプロテクターの外周輪郭
線を波状とするが、短繊維を混入しないタイヤ(比較例
3)についても併せてテストを行い性能の比較を行っ
た。なお実施例1、比較例a、比較例bのものは比較例
1〜3のものに比してサイドウォールゴムの厚さを減じ
てタイヤ重量を軽減している。テスト仕様は次の通り。 【0027】イ)耐カット性 いわゆる振子式サイドウォール衝撃テストを行う。これ
は、図3に示すように、クサビ型の刃15を錘16に取
付けたものを振子17下端に設け、自由落下方式でタイ
ヤTのサイドウォール部に衝撃を与えるとともに、錘1
6と落下高さHとによりタイヤサイドウォールの破壊エ
ネルギーを求め評価するテストである。 【0028】ロ)操縦安定性、乗心地性 実車走行におけるドライバーのフィーリングにより判定
するとともに、比較例1を100とする指数で表示し
た。数値が大きいほど良好であることを示す。テストの
結果を表1に示す。 【0029】 【表1】 【0030】テストの結果、実施例のものは比較例のも
のに比べてタイヤ重量を軽減したにもかかわらず操縦安
定性、及び乗心地性を低下させることなく耐カット性を
向上していることが確認出来た。 【0031】 【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
サイドウォール部の外壁面に周方向にのびかつ外周輪郭
線を波状とした短繊維混入ゴムを用いたプロテクターを
設けたため、タイヤ重量の増加を抑制ししかも操縦安定
性、及び乗心地性を低下することなく耐カット性を向上
しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤ子午断面図であ
る。 【図2】従来の技術を説明する断面図である。 【図3】耐カット性のテスト方法を示す線図である。 【符号の説明】 2 ビード部 3 サイドウォール部 3A 外壁面 4 トレッド部 6 ビードコア 7 カーカス 12 プロテクター 12A 外周輪郭線
る。 【図2】従来の技術を説明する断面図である。 【図3】耐カット性のテスト方法を示す線図である。 【符号の説明】 2 ビード部 3 サイドウォール部 3A 外壁面 4 トレッド部 6 ビードコア 7 カーカス 12 プロテクター 12A 外周輪郭線
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(56)参考文献 特開 平3−82611(JP,A)
特開 昭62−1605(JP,A)
特開 昭61−81207(JP,A)
特開 平5−139122(JP,A)
特開 平4−260803(JP,A)
特開 平4−260802(JP,A)
実開 昭50−53803(JP,U)
実開 昭55−160905(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60C 13/00 - 13/04
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
ード部のビードコアの周りを折返すカーカスを具える空
気入りタイヤであって、前記サイドウォール部に、その
外壁面から隆起し周方向にのびるとともにタイヤ子午断
面における外周輪郭線を波状としかつ短繊維混入ゴムを
用いた断面略矩形状のプロテクターを設けるとともに、前記短繊維は、前記外壁面に沿って実質的にタイヤ半径
方向に配向し、さらに短繊維の混入量は10〜50PH
R、短繊維の径を1μmm〜0.1mm、長さを20μ
mm〜2mmとしたこと を特徴とする空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19204493A JP3367713B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19204493A JP3367713B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0717218A JPH0717218A (ja) | 1995-01-20 |
JP3367713B2 true JP3367713B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=16284682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19204493A Expired - Fee Related JP3367713B2 (ja) | 1993-07-05 | 1993-07-05 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3367713B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4212960B2 (ja) * | 2003-06-04 | 2009-01-21 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6762096B2 (ja) * | 2016-01-15 | 2020-09-30 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
JP6812291B2 (ja) * | 2017-03-30 | 2021-01-13 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
-
1993
- 1993-07-05 JP JP19204493A patent/JP3367713B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0717218A (ja) | 1995-01-20 |
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