JP3363590B2 - 高強度複相組織ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
高強度複相組織ステンレス鋼およびその製造方法Info
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Description
ト単相組織で内部は実質的にフェライト+マルテンサイ
トの混合組織からなる高強度複相組織ステンレス鋼に関
するものであり,とくに,各種機械部品やばねなどの高
強度部材として打抜き加工やプレス成形などの加工に供
される鋼帯または鋼板の素材形態において,表層部がマ
ルテンサイトで内部がフエライト+マルテンサイトの混
合組織を有し,この形態において良好な加工性を有しな
がら十分な耐摩耗性を示す表面硬度をもつ高強度ステン
レス鋼に関する。
ンサイト系ステンレス鋼が従来から良く知られている。
また,SUS301,SUS304などのオーステナイ
ト系ステンレス鋼に冷間圧延を施し,加工硬化により強
度を高めたステンレス鋼も広く用いられている。
報,特開昭63-169330〜5号公報,特開平1-172524〜5
号公報などにおいて,高温でフェライト+オーステナイ
ト組織を呈するように成分調整した鋼のスラブを,基本
的に熱間圧延,冷間圧延を経て鋼帯となし,仕上熱処理
としてフェライト+オーステナイト二相組織を呈するA
c1点以上の適正温度域に加熱保持し,適正冷却速度で冷
却する連続熱処理を施すことにより,実質的にフェライ
ト+マルテンサイトの混合組織とした高延性高強度の複
相組織クロムステンレス鋼(帯)を提案している。
ンレス鋼は,焼入れ処理または焼入れ・焼戻し処理によ
って高強度を付与することができる。これらの熱処理を
施した後のマルテンサイト系ステンレス鋼は,その名称
のごとく基本的にはマルテンサイト組織であり,非常に
高い強度(硬さ)が得られ,耐摩耗性などに優れるが,
反面,伸びは非常に低い。
鋼は,焼入れ(・焼戻し)処理後の加工性は極めて乏し
いので,素材メーカーからは焼なました状態,つまり強
度および硬さの低い軟質なフェライト組織の状態(の鋼
帯または鋼板)で出荷され,加工メーカーにおいてこの
素材から製品形状に成形加工された後,焼入れ・焼戻し
処理を施すことが多い。
表面に酸化被膜が生成すると,表面の美麗さが重視され
るステンレス鋼では好ましくない場合が多い。その対策
として真空もしくは不活性ガス雰囲気中での熱処理を施
したり,熱処理後に酸洗や研磨を行うなどの工程が必要
となる。また熱処理を行えば,ある程度の変形や変寸が
避けられず,製品の寸法精度上,形状矯正などの後処理
を必要とする場合もある。
テンレス鋼を使用することは,加工メーカー側での負担
増を招き,最終製品のコストアップが避けられないとい
う問題があった。
溶化熱処理状態では一般に軟質であるため,高強度化す
るには固溶化熱処理後にさらに調質圧延(冷間圧延)を
行って加工硬化により強度を高める方法が採用されてい
るが,この冷間圧延による方法では,板厚が厚くかつ高
強度の材料を得ることは難しい。すなわち,厚板で所望
の高強度を得るに必要な冷間圧延率を確保するには,製
品板厚に対応して冷間圧延前の板厚を大きくする必要が
あるが,冷間圧延機に通板可能な初期板厚には自ずと限
界がある。さらに,オーステナイト系ステンレス鋼は高
価なNiを多量に含むために価格が高いという本質的な
問題もある。
織クロムステンレス鋼は,良好な強度−延性バランスを
有し,強度と延性の面内異方性が小さくかつ低耐力,低
降伏比であり,高強度の成形用素材として十分な特性を
有している。しかしながら,この複相組織ステンレス鋼
は金属組織の一部に軟質なフェライト相を含むため,マ
ルテンサイト系ステンレス鋼の焼入れ・焼戻し材や,母
材の種類を問わず表面に硬質クロムめっきを施した材料
等に比べると,表面の耐摩耗性が劣ることは否めない。
ただし,マルテンサイト系ステンレス鋼では既述の問題
点を有し,また硬質クロムめっき材料はめっき剥離を生
じると当然ながらその効果はなくなるとともに,硬質ク
ロムめっき自体がコスト上昇を招く問題がある。
ンレス鋼の諸問題を解決することにあり,母材自体が高
強度を有し且つ打抜き性やプレス成形性,曲げ性などの
加工性に優れながら,同時に良好な耐摩耗性を有する経
済的なステンレス鋼を得ることにある。
含まれる各種成分のうち,C:0.20%以下,Cr:
10.0〜20.0%,Ni:4.0%以下,N:0.15
%以下を必須成分量として含有し且つ20〜95vol.%
のマルテンサイト相と残部が実質的にフエライト相との
混合した複相組織を有するステンレス鋼であって,最外
表面から少なくとも1μmの深さの表層部だけがマルテ
ンサイト単相の層で覆われている高強度複相組織ステン
レス鋼を提供する。
の各種成分の含有量が次式で表されるγmax の値が20
以上95以下となるように調整されており,このように
成分調整された鋼(特に鋼帯)を,窒素を含み且つ露点
が0℃以下に調整された雰囲気下でAc1点以上の温度に
加熱したうえこの加熱温度からオーステナイト相がマル
テンサイト相に変態するに十分な冷却速度で冷却する熱
処理(特に鋼帯の連続熱処理)を施すことによって,表
層部だけがマルテンサイト単相で内部は該複相組織をも
つものにできる。
23(%Ni) +7(%Mn)+9(%Cu) −11.5
(%Cr) −11.5(%Si) +189。
とフエライト相の混合複相組織の高延性・高強度ステン
レス鋼帯において,内部は混合複相組織のままで最外表
面から少なくとも1μmの深さの表層部だけをマルテン
サイト単相とすれば,この鋼帯を素材として打抜き成形
やプレス成形するさいにも十分な成形加工性を保持した
うえで,この鋼の耐摩耗性(耐疵付性)が著しく向上す
ることを見いだした。
好な延性・加工性に加えて,耐摩耗性・耐疵付性に優れ
るので,その鋼帯または鋼板素材は電位部品や精密機械
部品等の製造に適用した場合に従来材のものにはない特
性を発揮できる。
た高延性・高強度ステンレス鋼帯または鋼板を製造する
には,前記のγmax が20〜95の範囲に調整されたス
テンレス鋼に対して,マルテンサイトとフエライトの複
相組織を得るために実施する最終の仕上げ熱処理(Ac1
点以上の加熱処理)の雰囲気を,窒素を含み且つ露点が
0℃以下に調整された雰囲気下で実施すればよく,この
雰囲気制御によって内部の複相組織には影響を与えるこ
となく鋼帯または鋼板の極く表層部だけをマルテンサイ
ト単相にできることがわかった。
一般的な各種成分のうち,C:0.20%以下,Cr:
10.0〜20.0%,Ni:4.0%以下,N:0.15
%以下を必須成分量として含有しなければならない。そ
の理由は次のとおりである。なお本明細書において鋼中
成分の含有量(率)は断りのない限り質量%で表示して
いる。
るとともに,マルテンサイト強化能の大きい元素である
から,AC1点以上の温度に加熱する熱処理を行った後の
マルテンサイト量を変化させることができ,本発明鋼の
強度の制御と高強度化に有効に作用する。しかし,C量
があまり多いと熱処理後のマルテンサイト量が多くなり
すぎ,場合によっては100%マルテンサイトとなると
ともに,マルテンサイト相の硬さも非常に高くなるので
高強度は得られるものの延性は低下する。またC量が多
くなると,熱処理後に多量の炭化物を生じるようにな
り,耐食性や靱性の低下を招く。このような理由から
0.20%以下のC量とするのがよい。
持するうえで少なくとも10.0%は必要最低限として
含有させるべきであるが,あまりCr量が高いと靭性が
低下すると共に,Cr量の増量に伴ってマルテンサイト
相を生成させて高強度を得るに必要なC,Ni,Mn,
Cu,Nなどのオーステナイト生成元素の量が多くなる
ので20.0%を上限とするのが良い。
C含有による弊害を回避でき過分のCrを抑制する一方
で,Cに替わるオーステナイト生成元素として熱処理後
のマルテンサイト量を確保するに有効に作用する。ま
た,NiはAC1点を下げる元素でもあり,熱処理温度の
低減にも有効に作用する。しかしながら,Niの増加は
コスト上昇を招くので4.0%を上限とするのが良い。
なお,MnおよびCuもNiと同様の作用効果があり,
Niの一部をMn,Cuで置き換えることができる。
であるが,製鋼時点で多量に添加することは溶解度の関
係から困難であるとともに,多量の添加は表面欠陥の増
加を招くため0.15%以下とするのが良い。
ーステナイト量(vol.%)に対応する指標である。本発
明のステンレス鋼はAc1点以上の温度でフェライトとオ
ーステナイトの2相組織を有し,オーステナイトはある
程度以上の冷却速度で冷却する過程でマルテンサイトに
変態するため,γmax は熱処理後のマルテンサイト量を
左右するものでもある。
点以上に加熱しても冷却後に生成するマルテンサイト量
が少なくてフェライト相主体の組織となるため高強度が
得られない。またγmax が20未満では,後述する制御
雰囲気中での熱処理によって表面にマルテンサイト単相
層を形成させるのに長時間を要し,本発明鋼の製造性を
阻害する。一方,γmax が余り高いと熱処理後のマルテ
ンサイト量が100%近いものとなり,高強度と加工性
を両立させるという複相組織ステンレス鋼の特徴が失わ
れるのでγmax の上限は95とする。
r,Ni,Nの含有量の要件を満足すれば,そしてγmax が
20〜95の範囲となるのであれば,耐食性, 耐熱性,
熱間加工性などの諸性質改善のために添加される各種元
素の含有や製造上混入する不純物元素の含有は許容され
る。例えば2.0%以下のSi,4.0%以下のMn,
0.04%以下のP,0.010%以下のS,0.03%
以下のB,4.0%以下のCu,1.0%以下のA1,
3.0%以下のMo,0.20%以下のREM(希土類元
素:例えばLa,Ceなど),0.20%以下のY,0.
10%以下のCa,0.10%以下のMgなどの含有は
許容される。
熱・冷却の熱処理によって,20〜95vol.%のマルテ
ンサイト相と残部が実質的にフエライト相との混合した
複相組織を有する強度・延性に優れたステンレス鋼が得
られる。そして,この混合複相組織鋼の表層部をマルテ
ンサイト単相層とすることにより,その延性・加工性を
損なうことなく,耐摩耗性・耐疵付性を顕著に向上させ
ることができる。
最外表面から少なくとも1μm以上の深さがマルテンサ
イト単相であることが必要である。もちろん,内部は当
該混合複相組織のままでなければならない。全体がマル
テンサイト単相になってしまえば,単なるマルテンサイ
ト系ステンレス鋼となり,延性や各種加工性にも優れる
という本発明の特徴が損なわれるからである。表層部の
マルテンサイト単相層の厚みと内部の混合複相組織層の
厚みの比率は板厚や混合複相組織中のフエライトの割
合,更には素材鋼板の用途等によって適切に選定するこ
とができるが,いずれにしてもマルテンサイト単相層の
厚みが全体の1/3を越えないようにするのがよい。
複相組織であることは,母材自体が高強度を有し,打抜
き性やプレス成形性,曲げ性などの加工性,延性に優れ
る高強度ステンレス鋼とするうえで不可欠である。たと
え,表層部に硬質なマルテンサイト単相層を有していた
としても内部が軟質なフェライト相であったならば,鋼
自体の強度が不足し強度部品としては適用できない。フ
ェライト相とマルテンサイト相の比率は,前記のγmax
とも関連するがおおむねマルテンサイト相が20〜95%で
あることが好ましい。
件とその作用について説明する。制御雰囲気下でAC1点
以上の温度に加熱する熱処理を施すことは本発明の大き
な特徴の一つである。窒素を含む雰囲気で高温熱処理す
ると鋼の表面から窒素が吸収される。この窒素は表層部
のγmax を高め,表層部をマルテンサイト単相化するの
に寄与する。この効果を利用するには,雰囲気中に窒素
を含むことが必要条件であるが,窒素を含んでいても例
えば通常の空気中では多量に存在する酸素により表面の
酸化が先に生じてしまい,十分な窒素が吸収されない。
このため,露点を0℃以下として高温加熱時の表面酸化
を抑制する必要がある。具体的な雰囲気組成の例として
は,100%窒素や,10%以上の窒素を含む窒素−水
素混合雰囲気などが挙げられる。
合に,オーステナイト相が生成し始める温度と一般に定
義され,低温側のフェライト単相域とより高温側の(フ
ェライト+オーステナイト)2相域の境界温度である。
本発明では,熱処理後にフェライト+マルテンサイトの
混合組織を得るためにAC1点以上に加熱することが絶対
条件である。本発明鋼のAC1点は成分バランスによって
変動するが,おおむね600〜900℃の範囲にある。
前記の窒素の吸収は高温ほど促進されるため,その意味
では熱処理温度は高温ほど好ましいが,省エネルギー的
な面からは1200℃程度が上限温度となる。なお,こ
の制御雰囲気下でAC1点以上に加熱する熱処理を適用す
る前の鋼の組織はとくに限定されるものではなく,フェ
ライト単相組織(一部炭化物を含む場合もある)やフェ
ライトとマルテンサイトとの混合組織であっても良い。
する。
し,厚さ165mm,幅200mm,重量400kgのスラブを製造し
た。これを1200℃に加熱し,920 ℃で板厚 3.6mmに仕上
げる熱間圧延に供した。その後 810℃に6時間加熱する
熱延板焼鈍を行い,デスケール後,板厚 0.7mmに冷間圧
延した。
除き,露点−40℃の窒素25%+水素75%の混合雰囲気中
で1000℃に均熱1分加熱後,冷却する連続焼鈍を施し
た。
鋼のSUS420J2であり,バッチ処理で大気中で1000℃に5
分加熱,急冷の焼入れ処理後 400℃で30分加熱,空冷の
焼戻し処理を行った。
の熱処理条件に付した。すなわち鋼No.1と4は,露点
−40℃の窒素25%+水素75%の混合雰囲気中で 750℃
(Ac1点に達しない温度) に均熱1分加熱後,冷却する
連続焼鈍した。鋼No.2は大気中で1000℃に均熱1分加熱
後,冷却する連続焼鈍を施した。なお,大気中加熱した
ものは,いずれも酸洗により表面の酸化被膜を除去し
た。
し,断面の組織状態を調べると共に引張特性,板厚中央
部の断面硬さ,耐疵付性を評価した。これらの結果を熱
処理条件とともに表2に示した。なお,耐疵付性は,直
径 6.3mmのクロム鋼球(JIS B1501, HV:820)を荷重100
gで試料表面に押し付け,ストローク25mmで往復しゅう
動させ,試料表面に掻き疵を生じた往復回数で評価し
た。
成分組成の要件と組織要件を具備する本発明例A〜Fの
ものは,いずれも高強度と良好な延性を示し,かつ耐疵
付性にも優れている。図1は代表例として本発明例Bの
鋼板についてその表面の断面組織写真を示した。白く見
える部分はフエライト相,黒味がかって見える部分はマ
ルテンサイト相であり,表層部はマルテンサイト相の単
相となり,内部はフエライト相とマルテンサイト相が混
合した組織を有していることがわかる。
のは,成分組成の要件は本発明で規定する範囲にある
が,熱処理温度が 750℃とそれぞれの鋼のAC1点を下回
ったので,内部の組織がフェライト+炭化物の組織とな
り,このために強度が低い。また,この熱処理温度では
窒素吸収量が少なく,このために表層部にマルテンサイ
ト単相層は形成されておらず,耐疵付性に劣っている。
熱処理を大気中で行っているため,板の内部は混合複相
組織となって強度と延性に優れるものの,表層部にマル
テンサイト単相層は形成されておらず耐疵付性が十分で
はない。
ンレス鋼のSUS420J2であり,強度が高く耐疵付性にも優
れるが,伸びが極端に低く加工性に劣る。
する範囲より小さい鋼No.8を対象としたものである
が,この熱処理条件ではマルテンサイトが生成しておら
ず,表層部のマルテンサイト単相層も形成されていな
い。その結果,強度ならびに耐疵付性に劣っている。
(比較例bのもの)の表面部を写した写真であるが,非
常に明瞭な掻き疵が見られる。
鋼板または鋼帯の素材形態のままで良好な延性,加工性
と耐摩耗性,耐疵付性を兼備した高強度の複相組織ステ
ンレス鋼が提供されるので,電子部品や精密機械部品な
どの分野に,複相組織ステンレス鋼の用途の拡大ができ
る。
す金属顕微鏡写真である。
きの鋼板表面の金属組織を示す写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼中に含まれる各種成分のうち,C:
0.20%以下,Cr:10.0〜20.0%,Ni:4.
0%以下,N:0.15%以下を必須成分量として含有
し且つ20〜95vol.%のマルテンサイト相と残部が実
質的にフエライト相との混合した複相組織を有するステ
ンレス鋼であって,最外表面から少なくとも1μmの深
さの表層部がマルテンサイト単相の層で覆われている高
強度複相組織ステンレス鋼。 - 【請求項2】 鋼中に含まれる各種成分の含有量は,下
式で表されるγmaxの値が20以上95以下となるよう
に調整されている請求項1に記載の高強度複相組織ステ
ンレス鋼, γmax =420(%C) +470(%N) +23(%N
i) +7(%Mn)+9(%Cu) −11.5(%Cr)
−11.5(%Si) +189。 - 【請求項3】 鋼の形態は,鋼帯または鋼板である請求
項1または2に記載のステンレス鋼。 - 【請求項4】 鋼中に含まれる各種成分のうち,C:
0.20%以下,Cr:10.0〜20.0%,Ni:4.
0%以下,N:0.15%以下を必須成分量として含有
し且つ下式で表されるγmax の値が20以上95以下と
なるように成分量が調整されているステンレス鋼に対
し,窒素を含み且つ露点が0℃以下に調整された雰囲気
下でAc1点以上の温度に加熱し,この加熱温度からオー
ステナイト相がマルテンサイト相に変態するに十分な冷
却速度で冷却する熱処理を施すことからなる,表層部が
マルテンサイト単相で内部がフエライトとマルテンサイ
トの混合組織を有する高強度複相組織ステンレス鋼の製
造方法, γmax =420(%C) +470(%N) +23(%N
i) +7(%Mn)+9(%Cu) −11.5(%Cr)
−11.5(%Si) +189。 - 【請求項5】 鋼の形態が鋼帯であり,窒素を含み且つ
露点が0℃以下に調整された雰囲気下でAc1点以上の温
度に加熱する処理は,鋼帯の連続焼鈍炉で実施する請求
項4に記載の製造方法。
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JP13642194A JP3363590B2 (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 高強度複相組織ステンレス鋼およびその製造方法 |
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