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JP3347614B2 - 冷凍機油組成物及び該組成物を用いた潤滑方法 - Google Patents

冷凍機油組成物及び該組成物を用いた潤滑方法

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JP3347614B2
JP3347614B2 JP31609596A JP31609596A JP3347614B2 JP 3347614 B2 JP3347614 B2 JP 3347614B2 JP 31609596 A JP31609596 A JP 31609596A JP 31609596 A JP31609596 A JP 31609596A JP 3347614 B2 JP3347614 B2 JP 3347614B2
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carbon atoms
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oil composition
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智 永尾
豊和 半田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機油組成物及び
潤滑方法に関し、さらに詳しくは、炭素数1〜8を有す
る炭化水素を主成分とする冷媒を用いた冷凍機油組成物
及び該組成物を用いた潤滑方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷凍機、例えば圧縮機,凝縮
器,膨張弁,蒸発器からなる圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍
サイクルにおいて、冷媒と潤滑油との混合液体がこの密
閉された系内を循環する構造となっている。このような
圧縮型冷凍機には、冷媒として、従来ジクロロジフルオ
ロメタン(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−
22)などが多く用いられ、また潤滑油として種々の鉱
油や合成油が用いられてきた。しかし、上記R−12や
R−22などのクロロフルオロカーボンは、成層圏に存
在するオゾン層を破壊するなどの環境汚染をもたらすお
それがあることから、最近、世界的にその使用に対する
規制が厳しくなりつつある。そのため、新しい冷媒とし
てハイドロフルオロカーボンやハイドロクロロフルオロ
カーボンなどの水素含有フロン化合物が注目されるよう
になってきた。この水素含有フロン化合物、特に1,
1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)で
代表されるハイドロフルオロカーボンは、オゾン層を破
壊するおそれがないが、大気中での寿命が長いため地球
温暖化への影響が懸念され、近年このような問題のない
自然系冷媒として各種の炭化水素、特に炭素数1〜8を
有する炭化水素が検討されつつある。しかしながら、こ
のような炭化水素を圧縮型冷凍機の冷媒として用いた場
合、冷凍機の潤滑油として、従来一般的に使用されてい
る鉱油やアルキルベンゼンを使用すると、基油に冷媒が
完全に溶解するため基油の粘度の減少が起こり、その結
果潤滑性能が不足して、耐摩耗性が不十分となり、また
シール性が悪くなるため長期の安定使用ができなくなる
等の結果となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、炭化水素を主成分とする冷媒を用い
た圧縮式冷凍サイクルにおいて、効率よく潤滑を行うこ
とができ、この結果潤滑性能及びシール性を向上させる
ことができ、かつ冷凍効率を向上させることのできる冷
凍機油組成物及び該組成物を用いた潤滑方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定のポリアルキレングリコール誘導体
を潤滑油基油として使用することにより、炭化水素冷媒
と適度に相溶することを見出し本発明を完成したもので
ある。すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。 (1)(A)炭素数1〜8を有する炭化水素を主成分と
する冷媒、及び(B)下記の一般式(I) R1 O−(PO)a −(EO)b −R2 ・・・(I) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子,炭素数1
〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基を示
し、たがいに同一でも異なっていてもよく、POはオキ
シプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。a及
びbは、2≦a+b≦80を満足する0をも含む正数を
示す。)で表され、かつ下記の式(II)、(III)及び
(IV)から選ばれる一式を満足し、さらに100℃にお
ける動粘度が5〜200mm2 /sであるポリアルキレ
ングリコール誘導体からなる基油、を含有することを特
徴とする冷凍機油組成物。 R1 ,R2 がいずれも水素である場合 1≦10X≦8 ・・・(II) (式中、Xは分子中のPOのモル分率を示し、X=a/
(a+b)である。) R1 ,R2 のいずれかが水素である場合 1≦10X+Y/4≦9 ・・・(III) (式中、Xは前記と同じであり、YはR1 とR2 の炭素
数の和を示す。) R1 ,R2 がいずれも水素でない場合 3≦10X+Y≦10 ・・・(IV) (式中、X,Yは前記と同じである。) (2)(1)記載の冷凍機油組成物を用いることを特徴
とする圧縮型冷凍機の潤滑方法。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本願の第一発明において用いられる(A)成分
(冷媒)の主成分である炭化水素の炭素数は1〜8であ
り、好ましくは1〜5、更に好ましくは3〜5である。
炭素数が9以上であると沸点が高くなりすぎ冷媒として
は好ましくない。本発明に用いられる炭化水素の例とし
ては、メタン,エタン,エチレン,プロパン,シクロプ
ロパン,プロピレン,n−ブタン,i−ブタン,n−ペ
ンタン,i−ペンタンなどを挙げることができる。その
炭化水素は一種でもよく、二種以上でもよい。また、炭
化水素だけで使用してもよく、これをR−134a等の
ハイドロフルオロカーボン,エーテル,CO2 などの冷
媒と混合したものも使用することができる。
【0006】本発明において、(B)成分の基油として
は、下記の一般式(I) R1 O−(PO)a −(EO)b −R2 ・・・(I) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子,炭素数1
〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基を示
し、たがいに同一でも異なっていてもよく、POはオキ
シプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。a及
びbは、2≦a+b≦80を満足する0をも含む正数を
示す。)で表され、かつ下記の式(II)、(III)及び
(IV)から選ばれる一式を満足するポリアルキレングリ
コール誘導体が使用される。 R1 ,R2 がいずれも水素である場合 1≦10X≦8 ・・・(II) (式中、Xは分子中のPOのモル分率を示し、X=a/
(a+b)である。) R1 ,R2 のいずれかが水素である場合 1≦10X+Y/4≦9 ・・・(III) (式中、Xは前記と同じであり、YはR1 とR2 の炭素
数の和を示す。) R1 ,R2 がいずれも水素でない場合 3≦10X+Y≦10 ・・・(IV) (式中、X,Yは前記と同じである。) 上記一般式(I)のR1 ,R2 におけるアルキル基は炭
素数1〜10を有し、直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれ
であってもよい。該アルキルの具体例としては、メチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種
ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種へプ
チル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル
基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げる
ことができる。このアルキル基の炭素数が10を超える
と、炭化水素との相溶性が著しくよくなり、炭化水素が
任意の割合で完全に溶解するようになる。好ましいアル
キル基の炭素数は1〜6である。
【0007】また、R1 ,R2 におけるアシル基のアル
キル部分は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであっても
よい。該アシル基のアルキル基部分の具体例としては、
上記アルキル基の具体例として挙げた炭素数1〜9の種
々の基を同様に挙げることができる。該アシル基の炭素
数が10を超えると、炭化水素との相溶性が著しくよく
なり、炭化水素が任意の割合で完全に溶解するようにな
る。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0008】上記一般式(I)の繰り返し単位のPOと
EOはブロック体でもランダム体でもよい。本発明の基
油は前記式(II)、(III)及び(IV)から選ばれる一式
を満足するものでなければならない。式(II)におい
て、(10X≦8)、式(III)において、(10X+Y
/4≦9)、式(IV)において、(10X+Y≦10)
を満足しない場合には炭化水素が完全に溶解し好ましく
ない。また、式(II)において、(1≦10X)、式
(III)において、(1≦10X+Y/4)、式(IV)に
おいて、(3≦10X+Y)を満足しない場合には炭化
水素との相溶性が低下し相分離を生じる。さらに、次の
式(II)’、(III)’及び(IV)’から選ばれる一式を
満足すると、炭化水素との相溶性の点から好ましい。
1 ,R2 がいずれも水素である場合 4≦10X≦7 ・・・(II)’ R1 ,R2 のいずれかが水素である場合 4≦10X+Y/4≦8 ・・・(III)’ R1 ,R2 がいずれも水素でない場合 5≦10X+Y≦9 ・・・(IV)’ 次に、本発明においては(B)成分の基油は、100℃
における動粘度が5〜200mm2 /sである。この動
粘度が5mm2 /s未満であると、シール性の低下、潤
滑性能の低下が生じ好ましくない。200mm2 /sを
超えると、低温時粘性抵抗が大となり、トルク増大によ
り起動不能となり好ましくない。このような観点から、
この範囲は9〜100mm2 /sであることが好まし
い。
【0009】本発明の冷凍機油組成物においては、基油
として前記ポリアルキレングリコール誘導体を一種用い
ても二種以上を組み合わせてもよい。本発明においては
上記(A)成分の炭化水素冷媒と(B)成分の基油の使
用量については、(A)成分/(B)成分の重量比で9
9/1〜10/90の範囲にあることが好ましい。
(A)成分の量が上記範囲よりも少ない場合は冷凍能力
の低下がみられる場合があり、また上記範囲より多い場
合は潤滑性能が低下する場合があり好ましくない。この
ような観点から、上記(A)成分/(B)成分の重量比
は、95/5〜30/70の範囲にあるのが更に好まし
い。
【0010】本発明の冷凍機油組成物には、必要に応じ
公知の各種の添加剤、トリクレジルホスフェート(TC
P)などのリン酸エステルやトリスノニルフェニルホス
ファイトなどの亜リン酸エステルなどの極圧剤;フェノ
ール系,アミン系の酸化防止剤;フェニルグリシジルエ
ーテル,シクロヘキセンオキシド,エポキシ化大豆油な
どの安定剤;ベンゾトリアゾールやその誘導体などの銅
不活性化剤;シリコーン油やフッ化シリコーン油などの
消泡剤などを適宜配合することができる。更に、耐荷重
添加剤,塩素捕捉剤,清浄分散剤,粘度指数向上剤,油
性剤,防錆剤,腐食防止剤,流動点降下剤等を所望に応
じて添加することができる。これらの添加剤は、通常本
発明の組成物中に、0.5〜10重量%の量で含有され
る。
【0011】本発明の冷凍機油組成物は、種々の冷凍機
に使用可能である。特に、圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サ
イクルに適用でき、添付図1で示されるように圧縮機−
凝縮器−膨張弁−蒸発器からなる通常の圧縮式冷凍サイ
クルに好ましく適用できる。すなわち、本願の第二発明
は、第一発明の冷凍機油組成物を用いることを特徴とす
る圧縮型冷凍機の潤滑方法である。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1〜5及び比較例1〜3 第1表に示す性状のポリアルキレングリコール誘導体
(PO,EOのランダム共重合体)を調製し、以下に示
す方法でn−ペンタン溶解量を測定した。結果を第2表
に示す。 <n−ペンタン溶解量(20℃)>試料油20gをガラ
スビーカーに採取し、攪拌しながらn−ペンタンを添加
していき、曇りが生じる点を終点とした。溶解量は、
【0013】
【数1】
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、炭素数1〜8を有する
炭化水素を主成分とする冷媒を用いた圧縮式冷凍サイク
ルにおいて、効率よく潤滑を行うことができ、その結果
潤滑性能及びシール性を向上させることができ、かつ冷
凍効率を向上させることのできる冷凍機油組成物及び該
組成物を用いた潤滑方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】「圧縮機−凝縮器−膨張弁−蒸発器」の圧縮式
冷凍サイクルの流れ図である。
【符号の説明】
1:圧縮機 2:凝縮器 3:膨張弁 4:蒸発器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 107/34 C10M 105/18 C10N 20:02 C10N 40:30 C09K 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素数1〜8を有する炭化水素を
    主成分とする冷媒、及び(B)下記の一般式(I) R1 O−(PO)a −(EO)b −R2 ・・・(I) (式中、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子,炭素数1
    〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基を示
    し、たがいに同一でも異なっていてもよく、POはオキ
    シプロピレン基、EOはオキシエチレン基を示す。a及
    びbは、2≦a+b≦80を満足する0をも含む正数を
    示す。)で表され、かつ下記の式(II)、(III)及び
    (IV)から選ばれる一式を満足し、さらに100℃にお
    ける動粘度が5〜200mm2 /sであるポリアルキレ
    ングリコール誘導体からなる基油、を含有することを特
    徴とする冷凍機油組成物。 R1 ,R2 がいずれも水素である場合 1≦10X≦8 ・・・(II) (式中、Xは分子中のPOのモル分率を示し、X=a/
    (a+b)である。) R1 ,R2 のいずれかが水素である場合 1≦10X+Y/4≦9 ・・・(III) (式中、Xは前記と同じであり、YはR1 とR2 の炭素
    数の和を示す。) R1 ,R2 がいずれも水素でない場合 3≦10X+Y≦10 ・・・(IV) (式中、X,Yは前記と同じである。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷凍機油組成物を用いる
    ことを特徴とする圧縮型冷凍機の潤滑方法。
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