JP3346304B2 - 紡績機の糸継ぎ方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、切断された糸を自
動的に継ぐための紡績機の糸継ぎ方法及びその装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、糸が切断された場合には、巻き取
りパッケージから引き出された糸或いは別途用意された
パッケージから引き出された糸（以下、このような糸
を、単に、種糸と称する。）を、常時回転しているデリ
ベリーローラーと該デリベリーローラーから離反された
ニップローラー間に通すとともに、旋回空気流を利用し
て紡績を行う紡績部に挿通して、糸継ぎの準備をした
後、停止していたドラフトローラーの駆動を再開させ
て、スライバーを紡績部へ供給するとともに、紡績部を
駆動させて糸の紡出を再開し、更に、常時回転している
デリベリーローラーにニップローラーを接触させて、種
糸を、デリベリーローラーとニップローラーにより挟持
して巻取りパッケージ方向に送り出し、種糸及び該種糸
に繋がり紡出された糸を、回転を再開した巻取りパッケ
ージに巻き取るようにした紡績機の糸継ぎ方法及びその
装置が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の紡績機
の糸継ぎ方法及びその装置においては、糸継ぎ作業に際
し、ニップローラーを持ち上げ、常時回転しているデリ
ベリーローラーから離反させて、糸継ぎの準備をした
後、糸継ぎと同時に、ニップローラーを下ろして、常時
回転しているデリベリーローラーに接触させて、紡績部
に挿入された種糸を走行させるようにしていたが、ニッ
プローラーの持ち上げ量が、紡績ユニット毎に一定せ
ず、種糸の走行タイミングに、紡績ユニット毎のバラツ
キがあったり、或いは、ニップローラーが正規の回転数
に達するまでの立ち上がり時間に、紡績ユニット毎のバ
ラツキがあるために、安定した糸継ぎができず、糸継ぎ
ミスが発生したり、糸継ぎ部分の形状が安定しないとい
う問題があった。

【０００４】本発明の目的は、上述した紡績機の糸継ぎ
方法及びその装置が有する課題を解決することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、糸継ぎ作業に際し、種糸の端部を、紡績部の糸排
出側に配置するとともに、紡績部により生成された糸を
挟持し巻き取りパッケージ方向に送る常時回転している
デリベリーローラーと常時回転しているデリベリーロー
ラーに常時接触して常時回転しているニップローラーの
うち、前記常時回転しているニップローラーの側方に種
糸を移動させ、次いで、糸継ぎ時に、種糸を、前記常時
回転しているニップローラー方向に移動させて、前記常
時回転しているデリベリーローラーと前記常時回転して
いるニップローラーとにより挟持し、巻き取りパッケー
ジ方向に送り出すようにしたものであり、また、糸継ぎ
作業に際し、種糸を、紡績部により生成された糸を挟持
し巻き取りパッケージ方向に送る常時回転しているデリ
ベリーローラーと常時回転しているデリベリーローラー
に常時接触して常時回転しているニップローラーのう
ち、前記常時回転しているニップローラーの側方に移動
させるとともに、種糸の保持を解放して、種糸を、前記
常時回転しているデリベリーローラーと前記常時回転し
ているニップローラーとにより挟持させる種糸偏向部材
を配設したものであり、更には、種糸偏向部材を、種糸
を保持する位置と解放する位置とに偏向可能な糸寄せレ
バー及び該糸寄せレバーを回動させるシリンダーにより
構成したものである。

【０００６】

【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定
されるものではない。

【０００７】１は、クレードルアーム２に把持されてい
る巻き取りパッケージであり、紡績工程中は、フリクシ
ョンローラー３に接触し、回転されるように構成されて
いる。４は、逆転ローラーであり、糸継ぎ作業の際に
は、フリクションローラー３から離反された巻き取りパ
ッケージ１に接触して、巻き取りパッケージ１を逆転さ
せるように構成されている。

【０００８】５は、先端にサクションマウス５ａを有す
る吸引部材であり、図１に示されている上方に回動した
待機位置から、反時計方向に回動して、フリクションロ
ーラー３から離反された巻き取りパッケージ１に接近し
て、巻き取りパッケージ１に巻き込まれた糸を吸引し
て、種糸として引き出すことができるように構成されて
いる。６は、図示されていない適当な駆動装置により、
糸の走行通路方向に進退自在に構成された糸案内部材で
あり、上下方向に配設された、糸が導入されるスリット
を有する糸ガイド６ａ、６ｂと、上方の糸ガイド６ａ上
面に配設された、種糸を切断するとともに、切断された
種糸を把持することが可能なカッター６ｃとを有してい
る。

【０００９】７は、枢軸７ａを中心に回動可能なアーム
７ｂを有するトランスファーアーム部材であり、アーム
７ｂの先端部には、駆動ローラー７ｃと該駆動ローラー
７ｃに接離可能な従動ローラー７ｄとが配設されてお
り、種糸の把持、解放を行うことができるように構成さ
れている。７ｅは、アーム７ｂに対して略垂直に取着さ
れたシリンダーであり、シリンダー７ｅのピストンロッ
ド７ｅ’には、先端に、水平方向に延在する種糸載置部
７ｆ’を有する押し出しブロック７ｆが取着されてい
る。７ｇは、アーム７ｂに対して略垂直に取着された支
持フレームであり、支持フレーム７ｇの先端には、アー
ム７ｂに略平行にピン７ｈが取着されている。ピン７ｈ
には、略Ｌ字状の糸寄せレバー７ｉが枢支されている。

【００１０】糸寄せレバー７ｉの一端に形成された透孔
７ｊとアーム７ｂに形成された透孔７ｂ’間にはコイル
スプリング７ｋが張設されている。糸端を把持したアー
ム７ｂの先端部に配設された駆動ローラー７ｃと従動ロ
ーラー７ｄを、図３に実線で示されている待機位置から
二点鎖線で示されているように、紡績部Ｕを構成するス
ピンドル部材ｕ１の糸排出側に回動させた状態におい
て、アーム７ｂから遠い方の糸寄せレバー７ｉのレバー
７ｉ’が、コイルスプリング７ｋの弾性力により、アー
ム７ｂに接近する方向に付勢されるように構成されてい
る。

【００１１】シリンダー７ｅのピストンロッド７ｅ’に
取着された押し出しブロック７ｆの垂直部７ｆ”は、糸
寄せレバー７ｉのアーム７ｂから遠い方のレバー７ｉ’
に当接するように構成されており、シリンダー７ｅを作
動させてピストンロッド７ｅ’を進出させた際には、押
し出しブロック７ｆの垂直部７ｆ”が、糸寄せレバー７
ｉを、図５に実線で示されているように、コイルスプリ
ング７ｋの弾性力に抗して、アーム７ｂから遠い方の糸
寄せレバー７ｉのレバー７ｉ’が略水平になるように、
ピン７ｈを中心に回動させるように構成されている。ま
た、逆に、ピストンロッド７ｅ’を退避させた際には、
コイルスプリング７ｋの弾性力により、糸寄せレバー７
ｉが、図５に実線で示されている位置から二点鎖線で示
されている位置まで、時計方向に回動し、アーム７ｂか
ら遠い方の糸寄せレバー７ｉのレバー７ｉ’が、略水平
状態から略垂直状態になるように構成されている。

【００１２】８は、図１に示されているような略垂直状
態の待機位置から、吸引ヘッド８ａが、紡績部Ｕを構成
するノズル部材ｕ２と該ノズル部材ｕ２から離反された
スピンドル部材ｕ１との間に位置するように構成された
エアーサッカー部材であり、吸引ヘッド８ａは、枢支点
８ｂ’、８ｃ’を中心に回動可能なリンク８ｂ、８ｃの
先端に配設されたシリンダー８ｄのピストンロッド８
ｄ’に取着されている。図２の実線で示されている待機
位置から、リンク８ｂ、８ｃを反時計方向に回動させる
とともに、適宜、シリンダー８ｄを作動させることによ
り、吸引ヘッド８ａを、ノズル部材ｕ２と該ノズル部材
ｕ２から離反されたスピンドル部材ｕ１との間に配置で
きるように構成されている。

【００１３】９は、糸継ぎ作業の際に、巻き取りパッケ
ージ１から巻き戻された種糸ｙ’を、所定長さ貯留する
ためのスラックチューブであり、巻き取りパッケージ１
から巻き戻された種糸ｙ’を吸引できるように、図示さ
れていない、空気吸引源に接続されている。

【００１４】１０ａは、常時、回転しているデリベリー
ローラーであり、１０ｂは、適当な支持レバー１０ｃに
回転自在に支持されているニップローラーであり、本発
明においては、常時、デリベリーローラー１０ａに接触
し、回転している。１１は、ドラフト装置を構成するフ
ロントローラーであり、１２は、スラックチューブ９の
下方近傍に配設された糸ガイドである。

【００１５】なお、上述したトランスファーアーム部材
７やエアーサッカー部材８等については、本出願人の先
の出願である特許第２５９６２９７号公報、特開平８−
２１８２３８号公報等に記載されているので、その詳細
な説明は省略する。

【００１６】図１に示されているように、ドラフト装置
のフロントローラー１１から、スピンドル部材ｕ１とノ
ズル部材ｕ２とからなる、旋回空気流を利用して紡績を
行う紡績部Ｕに供給されたスライバーは、紡績部Ｕによ
り糸ｙに生成され、糸ｙは、デリベリーローラー１０ａ
とニップローラー１０ｂにより挟持されて、巻き取りパ
ッケージ１方向に送られ、フリクションローラー３に接
触し、回転している巻き取りパッケージ１に、図示され
ていない綾振り装置により綾振りされながら巻き取られ
る。

【００１７】糸が切断した場合には、ドラフト装置のバ
ックローラー等のドラフトローラーの回転を停止して、
スライバーを、回転を停止したドラフトローラーと回転
を続行しているミドルローラー等のドラフトローラー間
で切断する。切断された、回転を続行しているドラフト
ローラー側の残余のスライバーは、依然として駆動され
ている紡績部Ｕに供給され、糸に生成される。このよう
に、残余のスライバーによる紡績の続行により紡出され
た糸は、スラックチューブ９に吸引される。その後、紡
績部Ｕへの残余のスライバーの供給が終了した時点で、
紡績部Ｕの駆動を停止する。

【００１８】切断した糸の端が巻き込まれた巻き取りパ
ッケージ１を、フリクションローラー３から離反させ、
次いで、巻き取りパッケージ１に、停止状態の逆転ロー
ラー４を接触させる。次いで、吸引部材５を、図２に二
点鎖線で示されている待機位置から反時計方向に回動し
て、吸引状態のサクションマウス５ａを、実線で示され
ているように、巻き取りパッケージ１に接近させて、逆
転ローラー４により、逆転されている巻き取りパッケー
ジ１に巻き込まれた糸を、種糸ｙ’として吸引して、種
糸ｙ’の口出しを行う。

【００１９】次いで、巻き取りパッケージ１から引き出
された種糸ｙ’を吸引保持している吸引部材５を、図２
に二点鎖線で示されている待機位置まで回動させるとと
もに、巻き取りパッケージ１から巻き戻されている種糸
ｙ’を、予め、糸の走行通路方向に進出された糸案内部
材６の糸ガイド６ａ、６ｂに導入して、所定位置に種糸
ｙ’を維持する。次いで、糸案内部材６のカッター６ｃ
を作動させて、種糸ｙ’を切断するとともに保持する。

【００２０】次いで、トランスファーアーム部材７の駆
動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄを、糸案内部材６の
糸ガイド６ａ、６ｂ間に挿入して、トランスファーアー
ム部材７の駆動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄによ
り、糸案内部材６のカッター６ｃにより保持されている
種糸ｙ’を把持し、その後、カッター６ｃによる種糸
ｙ’の把持を解放して、糸案内部材６からトランスファ
ーアーム部材７への種糸ｙ’の受け渡しを行う。また、
紡績部Ｕを構成するノズル部材ｕ２と該ノズル部材ｕ２
から離反されたスピンドル部材ｕ１との間に、エアーサ
ッカー部材８の吸引ヘッド８ａを配置する。

【００２１】次いで、トランスファーアーム部材７を上
方に回動させて、図３に二点鎖線で示されているよう
に、トランスファーアーム部材７の種糸ｙ’を把持して
いる駆動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄを、紡績部Ｕ
のスピンドル部材ｕ１の糸排出側に配置するとともに、
巻き取りパッケージ１から巻き戻された種糸ｙ’は、吸
引状態にあるスラックチューブ９に吸引されて貯留され
る。このトランスファーアーム部材７の種糸ｙ’を把持
している駆動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄを、紡績
部Ｕのスピンドル部材ｕ１の糸排出側に配置する過程に
おいて、種糸ｙ’は、押し出しブロック７ｆの種糸載置
部７ｆ’上に載置されるように構成されている。

【００２２】トランスファーアーム部材７の種糸ｙ’を
把持している駆動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄを、
紡績部Ｕのスピンドル部材ｕ１の糸排出側に配置した
後、或いは、トランスファーアーム部材７の種糸ｙ’を
把持している駆動ローラー７ｃと従動ローラー７ｄを、
紡績部Ｕのスピンドル部材ｕ１の糸排出側に配置する過
程において、図５に実線で示されている、進出した状態
のピストンロッド７ｅ’を退避させて、コイルスプリン
グ７ｋの弾性力により、糸寄せレバー７ｉを、アーム７
ｂから遠い方の糸寄せレバー７ｉのレバー７ｉ’が、略
水平状態から略垂直状態になるように、図５において、
時計方向に回動させて、その先端部が、駆動ローラー７
ｃと従動ローラー７ｄにより把持され、押し出しブロッ
ク７ｆの種糸載置部７ｆ’上に載置されている種糸ｙ’
を、アーム７ｂ側に引き寄せて、駆動ローラー７ｃ、従
動ローラー７ｄと種糸ｙ’を吸引しているスラックチュ
ーブ９との間で、種糸ｙ’を屈曲させる。このように、
種糸ｙ’が屈曲した状態において、種糸ｙ’は、図６に
示されているように、ニップローラー１０ｂの側方で、
デリベリーローラー１０ａに接触するように構成されて
いる。

【００２３】その後、スピンドル部材ｕ１の糸排出側に
配置されたトランスファーアーム部材７の駆動ローラー
７ｃを駆動させて、駆動ローラー７ｃと従動ローラー７
ｄにより把持されている種糸ｙ’を、スピンドル部材ｕ
１方向に送り出し、エアーサッカー部材８の吸引力と協
同して、スピンドル部材ｕ１に挿通する。

【００２４】スピンドル部材ｕ１への種糸ｙ’の糸通し
が終了した後、エアーサッカー部材８を待機位置に戻す
とともに、トランスファーアーム部材７の従動ローラー
７ｄを駆動ローラー７ｃから離反させて、駆動ローラー
７ｃと従動ローラー７ｄによる種糸ｙ’の把持を解放す
る。次いで、スピンドル部材ｕ１とノズル部材ｕ２とを
結合し、また、停止されていたドラフトローラーの駆動
を再開して、スライバーを紡績部Ｕへ供給するととも
に、紡績部Ｕを駆動させて糸継ぎ作業を行い、糸の紡出
を再開するが、このドラフトローラーの駆動再開後の所
定時間後に、トランスファーアーム部材７のシリンダー
７ｅを作動させてピストンロッド７ｅ’を進出させ、押
し出しブロック７ｆの垂直部７ｆ”により、コイルスプ
リング７ｋの弾性力に抗して、アーム７ｂから遠い方の
糸寄せレバー７ｉのレバー７ｉ’が略水平状態になるよ
うに、糸寄せレバー７ｉを回動させて、糸寄せレバー７
ｉにより、アーム７ｂ側に引き寄せられていた種糸ｙ’
を解放する。このように、糸寄せレバー７ｉにより、ア
ーム７ｂ側に引き寄せられていた種糸ｙ’を解放する
と、種糸ｙ’は、デリベリーローラー１０ａ上に沿って
ニップローラー１０ｂ側に移動し、常時、接触している
ニップローラー１０ｂとデリベリーローラー１０ａ間に
挿入され、デリベリーローラー１０ａとニップローラー
１０ｂにより挟持されて、巻き取りパッケージ１方向に
送り出される。このようにして、糸継ぎ作業の１サイク
ルが終了する。なお、糸継ぎ作業が終了した後、トラン
スファーアーム部材７は、待機位置に戻される。

【００２５】本発明においては、糸継ぎ作業に際して、
従来のように、ニップローラー１０ｂを持ち上げて、デ
リベリーローラー１０ａから離反させることなく、常
時、ニップローラー１０ｂをデリベリーローラー１０ａ
に接触させておき、糸継ぎ作業の際には、トランスファ
ーアーム部材７に配設された糸寄せレバー７ｉやシリン
ダー７ｅ等からなる種糸偏向部材により、種糸ｙ’を、
デリベリーローラー１０ａに接触し回転しているニップ
ローラー１０ｂの側方に配置し、その後、ドラフトロー
ラー或いは紡績部Ｕの駆動再開に連動して、種糸偏向部
材による種糸ｙ’の保持を解放して、種糸ｙ’を、ニッ
プローラー１０ｂとデリベリーローラー１０ａ間に挿入
して、デリベリーローラー１０ａとニップローラー１０
ｂにより挟持し、巻き取りパッケージ１方向に送り出す
ように構成したので、従来のように、各紡績ユニット間
のニップローラーの持ち上げ量のバラツキやニップロー
ラーが正規の回転数に達するまでの立ち上がり時間のバ
ラツキ等に起因する糸継ぎミスや糸継ぎ部分の形状の不
安定等の問題を解決することができる。

【００２６】また、本発明においては、糸継ぎ作業に際
して、ニップローラー１０ｂを持ち上げることがないの
で、ニップローラー１０ｂのデリベリーローラー１０ａ
からの離反或いはデリベリーローラー１０ａへの接触工
程及びその制御が省略でき、構造及び制御システムが簡
素化できるとともに、トランスファーアーム部材７に配
設された糸寄せレバー７ｉやシリンダー７ｅ等からなる
種糸偏向部材の制御のみで、安定した糸継ぎを行うこと
ができる。

【００２７】更に、種糸偏向部材により偏向位置に移動
された種糸ｙ’の解放後、種糸ｙ’は、即座に、デリベ
リーローラー１０ａとニップローラー１０ｂにより挟持
され、定常の速度で、巻き取りパッケージ１方向に送り
出されるので、糸継ぎミスの少ない安定した糸継ぎ作業
を行うことができる。

【００２８】なお、上述した実施例においては、紡績部
Ｕを構成するノズル部材ｕ２と該ノズル部材ｕ２から離
反されたスピンドル部材ｕ１との間に、エアーサッカー
部材８の吸引ヘッド８ａを配置し、トランスファーアー
ム部材７により送られる種糸ｙ’を、スピンドル部材ｕ
１に挿通するようにした例が示されているが、ノズル部
材ｕ１とスピンドル部材ｕ２を分離することなく、一体
ままで、種糸ｙ’を、紡績部Ｕに挿通するように構成す
ることでき、本発明の紡績機の糸継ぎ方法及びその装置
は、旋回空気流を利用した種々の紡績部を有する紡績機
に適用可能である。

【００２９】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００３０】各紡績ユニット間のニップローラーの持ち
上げ量のバラツキやニップローラーが正規の回転数に達
するまでの立ち上がり時間のバラツキ等に起因する糸継
ぎミスや糸継ぎ部分の形状の不安定等の問題を解決する
ことができる。

【００３１】糸継ぎ作業に際して、ニップローラーを持
ち上げることがないので、ニップローラーのデリベリー
ローラーからの離反或いはデリベリーローラーへの接触
工程及びその制御が省略でき、構造及び制御システムが
簡素化できるとともに、種糸偏向部材の制御のみで、安
定した糸継ぎを行うことができる。

【００３２】種糸偏向部材により偏向位置に移動された
種糸の解放後、種糸は、即座に、デリベリーローラーと
ニップローラーにより挟持され、定常の速度で、巻き取
りパッケージ方向に送り出されるので、糸継ぎミスの少
ない安定した糸継ぎ作業を行うことができる。

【００３３】種糸を保持する位置と解放する位置とに偏
向可能な糸寄せレバー及び該糸寄せレバーを回動させる
シリンダーにより構成される簡単な構造の種糸偏向部材
により、糸継ぎミスの少ない安定した糸継ぎ作業を行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の紡績機の糸継ぎ方法が適用され
る一例としての紡績機の概略側面図である。

【図２】図２は同じく本発明の紡績機の糸継ぎ方法が適
用される一例としての紡績機の概略側面図である。

【図３】図３は同じく本発明の紡績機の糸継ぎ方法が適
用される一例としての紡績機の概略側面図である。

【図４】図４は本発明の紡績機の糸継ぎ装置のトランス
ファーアーム部材の要部斜視図である。

【図５】図５は本発明の紡績機の糸継ぎ装置のトランス
ファーアーム部材の要部正面図である。

【図６】図６は本発明の紡績機の糸継ぎ装置のトランス
ファーアーム部材及び紡績ユニットの要部平面図であ
る。

【符号の説明】

１・・・・・・・・・・巻き取りパッケージ ７・・・・・・・・・・トランスファーアーム部材 ７ｉ・・・・・・・・・糸寄せレバー ７ｅ・・・・・・・・・シリンダー １０ａ・・・・・・・・デリベリーローラー １０ｂ・・・・・・・・ニップローラー

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】糸継ぎ作業に際し、種糸の端部を、紡績部
   の糸排出側に配置するとともに、紡績部により生成され
   た糸を挟持し巻き取りパッケージ方向に送る常時回転し
   ているデリベリーローラーと常時回転しているデリベリ
   ーローラーに常時接触して常時回転しているニップロー
   ラーのうち、前記常時回転しているニップローラーの側
   方に種糸を移動させ、次いで、糸継ぎ時に、種糸を、前
   記常時回転しているニップローラー方向に移動させて、
   前記常時回転しているデリベリーローラーと前記常時回
   転しているニップローラーとにより挟持し、巻き取りパ
   ッケージ方向に送り出すようにしたことを特徴とする紡
   績機の糸継ぎ方法。
2. 【請求項２】糸継ぎ作業に際し、種糸を、紡績部により
   生成された糸を挟持し巻き取りパッケージ方向に送る常
   時回転しているデリベリーローラーと常時回転している
   デリベリーローラーに常時接触して常時回転しているニ
   ップローラーのうち、前記常時回転しているニップロー
   ラーの側方に移動させるとともに、種糸の保持を解放し
   て、種糸を、前記常時回転しているデリベリーローラー
   と前記常時回転しているニップローラーとにより挟持さ
   せる種糸偏向部材を配設したことを特徴とする紡績機の
   糸継ぎ装置。
3. 【請求項３】種糸偏向部材を、種糸を保持する位置と解
   放する位置とに偏向可能な糸寄せレバー及び該糸寄せレ
   バーを回動させるシリンダーにより構成したことを特徴
   とする請求項２に記載の紡績機の糸継ぎ装置。