JP3342750B2 - 転がり軸受用密封装置 - Google Patents
転がり軸受用密封装置Info
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- JP3342750B2 JP3342750B2 JP24004293A JP24004293A JP3342750B2 JP 3342750 B2 JP3342750 B2 JP 3342750B2 JP 24004293 A JP24004293 A JP 24004293A JP 24004293 A JP24004293 A JP 24004293A JP 3342750 B2 JP3342750 B2 JP 3342750B2
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- Japan
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- raceway
- sealing device
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る転がり軸受用密封
装置は、例えばハードディスクドライブ装置(HDD)
やビデオテープレコーダ(VTR)等の回転支持部分を
構成するミニチュアベアリングに組み込んだ状態で使用
する。
装置は、例えばハードディスクドライブ装置(HDD)
やビデオテープレコーダ(VTR)等の回転支持部分を
構成するミニチュアベアリングに組み込んだ状態で使用
する。
【0002】
【従来の技術】HDDやVTR等の回転支持部分は、転
がり軸受により構成される。転がり軸受は、本発明の実
施例を示す図1に示す様に構成される。外輪1はその中
間部内周面に外輪軌道2を有する。内輪3は、その中間
部外周面に内輪軌道4を有する。これら外輪軌道2と内
輪軌道4との間には複数の転動体5、5を転動自在に設
けて、上記外輪1と内輪3との相対回転を自在としてい
る。これら各転動体5、5は、保持器6によって転動自
在に保持している。
がり軸受により構成される。転がり軸受は、本発明の実
施例を示す図1に示す様に構成される。外輪1はその中
間部内周面に外輪軌道2を有する。内輪3は、その中間
部外周面に内輪軌道4を有する。これら外輪軌道2と内
輪軌道4との間には複数の転動体5、5を転動自在に設
けて、上記外輪1と内輪3との相対回転を自在としてい
る。これら各転動体5、5は、保持器6によって転動自
在に保持している。
【0003】上述の様に構成され、HDDやVTR等の
回転支持部分を構成する転がり軸受の内部、即ち、上記
外輪軌道2と内輪軌道4との間で上記複数の転動体5、
5を設けた部分にはグリースを封入して、上記外輪軌道
2及び内輪軌道4と各転動体5、5との間の潤滑を図
る。従って、上記転がり軸受には、上記グリースが外部
に漏洩するのを防止する為の密封装置を組み込んで、上
記転がり軸受の内部を外部から隔てる必要がある。
回転支持部分を構成する転がり軸受の内部、即ち、上記
外輪軌道2と内輪軌道4との間で上記複数の転動体5、
5を設けた部分にはグリースを封入して、上記外輪軌道
2及び内輪軌道4と各転動体5、5との間の潤滑を図
る。従って、上記転がり軸受には、上記グリースが外部
に漏洩するのを防止する為の密封装置を組み込んで、上
記転がり軸受の内部を外部から隔てる必要がある。
【0004】上述の様な密封装置としては、従来から各
種構造のものが知られているが、図5〜6は、実開昭5
4−68048号公報、同58−112773号公報、
実開平2−92117号公報、特開昭62−16792
6号公報等に記載され、更に従来から一般的に使用され
ている密封装置を示している。この周知の密封装置の場
合、金属板により円輪状に造られたシールド板7の外周
縁を、外輪1の内周面端部に形成した係止凹溝8にかし
め付けている。即ち、図5に示す様に、予め小径に造ら
れた素板9を上記係止凹溝8の内側に位置させた状態
で、この素板9の外周縁部に形成した折り返し部10を
上記係止凹溝8の内側を仕切る段部11に押し付ける。
この結果、上記折り返し部10が塑性変形して、図6に
示す様に係止凹溝8内に入り込み、この係止凹溝8内に
上記シールド板7の外周縁が支持固定された状態とな
る。
種構造のものが知られているが、図5〜6は、実開昭5
4−68048号公報、同58−112773号公報、
実開平2−92117号公報、特開昭62−16792
6号公報等に記載され、更に従来から一般的に使用され
ている密封装置を示している。この周知の密封装置の場
合、金属板により円輪状に造られたシールド板7の外周
縁を、外輪1の内周面端部に形成した係止凹溝8にかし
め付けている。即ち、図5に示す様に、予め小径に造ら
れた素板9を上記係止凹溝8の内側に位置させた状態
で、この素板9の外周縁部に形成した折り返し部10を
上記係止凹溝8の内側を仕切る段部11に押し付ける。
この結果、上記折り返し部10が塑性変形して、図6に
示す様に係止凹溝8内に入り込み、この係止凹溝8内に
上記シールド板7の外周縁が支持固定された状態とな
る。
【0005】又、実開昭49−114350号公報に
は、図7に示す様な密封装置が記載されている。この公
報に記載された密封装置の場合には、シールド板7aの
外周縁に形成した円筒部12の外周面に複数の係止突起
13を形成している。そして、この係止突起13と、外
輪1の内周面端部に形成した係止凹溝8の端縁部とを係
合させる事で、上記シールド板7aを外輪1の内側に支
持している。
は、図7に示す様な密封装置が記載されている。この公
報に記載された密封装置の場合には、シールド板7aの
外周縁に形成した円筒部12の外周面に複数の係止突起
13を形成している。そして、この係止突起13と、外
輪1の内周面端部に形成した係止凹溝8の端縁部とを係
合させる事で、上記シールド板7aを外輪1の内側に支
持している。
【0006】又、実公平5−16411号公報には、図
8に示す様な密封装置が記載されている。この公報に記
載された密封装置の場合には、シールド板7bの外周縁
に折り返し部14を、このシールド板7bを構成する金
属板を外側(転動体設置部分と反対側を言い、図8で右
側)に向け折り返す事により形成している。そして、こ
の折り返し部14を外輪1の内周面端部に形成した係止
凹溝8に弾性係合させる事で、上記シールド板7bを外
輪1の内側に支持している。
8に示す様な密封装置が記載されている。この公報に記
載された密封装置の場合には、シールド板7bの外周縁
に折り返し部14を、このシールド板7bを構成する金
属板を外側(転動体設置部分と反対側を言い、図8で右
側)に向け折り返す事により形成している。そして、こ
の折り返し部14を外輪1の内周面端部に形成した係止
凹溝8に弾性係合させる事で、上記シールド板7bを外
輪1の内側に支持している。
【0007】更に、米国特許第4183592号明細書
には、図9に示す様な密封装置が記載されている。この
明細書に記載された密封装置の場合には、外輪1の内周
面両端部に、開口端縁に向かう程内径が小さくなるテー
パ面15を形成している。そして、シールド板7cの外
周縁をこのテーパ面15に弾性的に押圧する事で、この
シールド板7cを上記外輪1の内側に支持している。
には、図9に示す様な密封装置が記載されている。この
明細書に記載された密封装置の場合には、外輪1の内周
面両端部に、開口端縁に向かう程内径が小さくなるテー
パ面15を形成している。そして、シールド板7cの外
周縁をこのテーパ面15に弾性的に押圧する事で、この
シールド板7cを上記外輪1の内側に支持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成される従来の各転がり軸受用密封装置の場合、それ
ぞれ次に述べる様な、解決すべき点がある。
構成される従来の各転がり軸受用密封装置の場合、それ
ぞれ次に述べる様な、解決すべき点がある。
【0009】先ず、図5〜6に示した第1例の構造の場
合には、製作費が嵩むだけでなく、外輪1を変形さ
せる原因となる。即ち、
合には、製作費が嵩むだけでなく、外輪1を変形さ
せる原因となる。即ち、
【0010】外輪1の内側にシールド板7を支持固定
する為、折り返し部10を塑性変形させる(かしめる)
工程が必要となる。この結果、シールド板7の装着作業
が面倒になり、かしめ作業の為に複雑な装置が必要にな
る事と相まって、密封装置を組み込んだ転がり軸受のコ
ストを高める原因となる。又、
する為、折り返し部10を塑性変形させる(かしめる)
工程が必要となる。この結果、シールド板7の装着作業
が面倒になり、かしめ作業の為に複雑な装置が必要にな
る事と相まって、密封装置を組み込んだ転がり軸受のコ
ストを高める原因となる。又、
【0011】上記折り返し部10を塑性変形させる事
に伴ってこの折り返し部10が、上記外輪1の一部で係
止凹溝8形成部分を、直径方向外方に強く押圧する。こ
の結果、上記外輪1の一部が、直径が大きくなる方向に
弾性変形する。この弾性変形に基づく変形量は、円周方
向に亙って不均一になる為、転がり軸受の外輪1又は内
輪3が高速で回転した場合には、回転アンバランスに基
づき、或は外輪軌道2表面の微妙なうねりに基づき、有
害な振動等が生じ易くなる。特に、近年に於けるHDD
等の小型化により、外輪1の肉厚も小さくなっている
為、上述の様な弾性変形が問題となっている。
に伴ってこの折り返し部10が、上記外輪1の一部で係
止凹溝8形成部分を、直径方向外方に強く押圧する。こ
の結果、上記外輪1の一部が、直径が大きくなる方向に
弾性変形する。この弾性変形に基づく変形量は、円周方
向に亙って不均一になる為、転がり軸受の外輪1又は内
輪3が高速で回転した場合には、回転アンバランスに基
づき、或は外輪軌道2表面の微妙なうねりに基づき、有
害な振動等が生じ易くなる。特に、近年に於けるHDD
等の小型化により、外輪1の肉厚も小さくなっている
為、上述の様な弾性変形が問題となっている。
【0012】又、図7、9に示した第2、4例の構造の
場合にも、円筒部12(第2例の構造の場合)、或はシ
ールド板7cの外周縁(第4例の構造の場合)が外輪1
の一部で係止凹溝8形成部分を、直径方向外方に強く押
圧する為、上記外輪1の一部が、直径が大きくなる方向
に弾性変形し、有害な振動等が生じ易くなる。
場合にも、円筒部12(第2例の構造の場合)、或はシ
ールド板7cの外周縁(第4例の構造の場合)が外輪1
の一部で係止凹溝8形成部分を、直径方向外方に強く押
圧する為、上記外輪1の一部が、直径が大きくなる方向
に弾性変形し、有害な振動等が生じ易くなる。
【0013】更に、図8に示した第3例の構造の場合に
は、外輪1の弾性変形を防止できる代わりに、シールド
板7bの装着時にこのシールド板7bに有害な塑性変形
を生じ易い。即ち、この第3例の構造の場合、折り返し
部14が外側に向いている為、この折り返し部14を係
止凹溝8内に係合させる際には、治具をこの折り返し部
14に突き当てた状態で、上記シールド板7bを押圧し
なければならない。
は、外輪1の弾性変形を防止できる代わりに、シールド
板7bの装着時にこのシールド板7bに有害な塑性変形
を生じ易い。即ち、この第3例の構造の場合、折り返し
部14が外側に向いている為、この折り返し部14を係
止凹溝8内に係合させる際には、治具をこの折り返し部
14に突き当てた状態で、上記シールド板7bを押圧し
なければならない。
【0014】ミニチュアベアリング等に組み込むシール
ド板7bの場合には、厚さが0.16mm以下の金属薄板
により造られる為、上記治具と折り返し部14とを狭い
面積で接触させた場合には、押し込み作業に伴って、上
記折り返し部14の一部が塑性変形し易い。この様な原
因による塑性変形は、円周方向に亙って不均一に生じる
為、やはり上記外輪1が高速で回転した場合に、有害な
振動等が生じ易くなる。
ド板7bの場合には、厚さが0.16mm以下の金属薄板
により造られる為、上記治具と折り返し部14とを狭い
面積で接触させた場合には、押し込み作業に伴って、上
記折り返し部14の一部が塑性変形し易い。この様な原
因による塑性変形は、円周方向に亙って不均一に生じる
為、やはり上記外輪1が高速で回転した場合に、有害な
振動等が生じ易くなる。
【0015】本発明の転がり軸受用密封装置は、上述の
様な不都合を何れも解消するものである。
様な不都合を何れも解消するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受用密
封装置は、内周面中間部に外輪軌道を有する外輪と、外
周面中間部に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と
内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と
から成る転がり軸受に組み込まれ、上記外輪軌道と内輪
軌道との間で上記複数の転動体を設けた部分を外部から
隔てるものである。
封装置は、内周面中間部に外輪軌道を有する外輪と、外
周面中間部に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と
内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と
から成る転がり軸受に組み込まれ、上記外輪軌道と内輪
軌道との間で上記複数の転動体を設けた部分を外部から
隔てるものである。
【0017】この様な本発明の転がり軸受用密封装置
は、上記外輪の内周面端部にこの内周面の全周に亙って
形成された係止凹溝と、その外周縁をこの係止凹溝に係
止し、その内周縁を上記内輪の外周面端部に近接させた
シールド板とを備えている。
は、上記外輪の内周面端部にこの内周面の全周に亙って
形成された係止凹溝と、その外周縁をこの係止凹溝に係
止し、その内周縁を上記内輪の外周面端部に近接させた
シールド板とを備えている。
【0018】上記係止凹溝は、軸方向に関する中間部の
上記外輪軌道側を、比較的大きな段差を有し、上記外輪
の中心軸に直交する仮想平面に対する傾斜角度が0〜1
0度である段部で、同じく上記外輪の開口端部側を、比
較的小さな段差を有し、上記中間部側に存在する面の上
記外輪の中心軸に直交する仮想平面に対する傾斜角度が
40〜60度である突条部で、それぞれ仕切ったもので
ある。又、上記シールド板は金属板により円輪状に造ら
れて、少なくとも直径方向外半部に平坦部を、この平坦
部の外周縁部に、上記金属板を180度を超えて折り返
す事により造られた弾性変形自在な折り返し部を、それ
ぞれ形成したものである。そして、上記シールド板は上
記係止凹溝に、上記折り返し部の中間部で凸に湾曲した
部分を上記段部に当接させる状態で、その外周縁を係止
したものである。
上記外輪軌道側を、比較的大きな段差を有し、上記外輪
の中心軸に直交する仮想平面に対する傾斜角度が0〜1
0度である段部で、同じく上記外輪の開口端部側を、比
較的小さな段差を有し、上記中間部側に存在する面の上
記外輪の中心軸に直交する仮想平面に対する傾斜角度が
40〜60度である突条部で、それぞれ仕切ったもので
ある。又、上記シールド板は金属板により円輪状に造ら
れて、少なくとも直径方向外半部に平坦部を、この平坦
部の外周縁部に、上記金属板を180度を超えて折り返
す事により造られた弾性変形自在な折り返し部を、それ
ぞれ形成したものである。そして、上記シールド板は上
記係止凹溝に、上記折り返し部の中間部で凸に湾曲した
部分を上記段部に当接させる状態で、その外周縁を係止
したものである。
【0019】
【作用】上述の様に構成される本発明の転がり軸受用密
封装置によれば、シールド板を装着しても外輪は殆ど弾
性変形しない。又、外輪にシールド板を装着すべく、折
り返し部を係止凹溝に押し込む際には、治具を平坦部に
突き当てる事で、治具とシールド板とを広い面積で当接
させられる。従って、装着作業に伴ってシールド板の一
部が塑性変形する事がない。この結果、外輪並びにシー
ルド板を高速回転させた場合でも、回転アンバランスや
外輪軌道のうねりに基づき、有害な振動等が生じなくな
る。更に、シールド板を装着する為にかしめ作業を行な
う必要がない為、密封装置を組み込んだ転がり軸受の製
作費の低廉化を図れる。
封装置によれば、シールド板を装着しても外輪は殆ど弾
性変形しない。又、外輪にシールド板を装着すべく、折
り返し部を係止凹溝に押し込む際には、治具を平坦部に
突き当てる事で、治具とシールド板とを広い面積で当接
させられる。従って、装着作業に伴ってシールド板の一
部が塑性変形する事がない。この結果、外輪並びにシー
ルド板を高速回転させた場合でも、回転アンバランスや
外輪軌道のうねりに基づき、有害な振動等が生じなくな
る。更に、シールド板を装着する為にかしめ作業を行な
う必要がない為、密封装置を組み込んだ転がり軸受の製
作費の低廉化を図れる。
【0020】
【実施例】図1〜4は本発明の実施例を示している。密
封装置を組み込む転がり軸受の基本構成、並びに密封装
置によりグリースの漏洩防止を図る作用自体は、従来構
造と同様である為、重複する説明を省略し、以下、本発
明の対象である、密封装置部分に就いて説明する。
封装置を組み込む転がり軸受の基本構成、並びに密封装
置によりグリースの漏洩防止を図る作用自体は、従来構
造と同様である為、重複する説明を省略し、以下、本発
明の対象である、密封装置部分に就いて説明する。
【0021】外輪1の内周面端部には係止凹溝16を、
この内周面の全周に亙って形成している。この係止凹溝
16は、図3に詳示する様に、円筒面状の中間部25の
軸方向両端のうちの外輪軌道2側(図3の右側)を比較
的大きな段差を有する段部17で、同じく外輪1の開口
端部側(図3の左側)を比較的小さな段差を有する突条
部18で、それぞれ仕切ったものである。
この内周面の全周に亙って形成している。この係止凹溝
16は、図3に詳示する様に、円筒面状の中間部25の
軸方向両端のうちの外輪軌道2側(図3の右側)を比較
的大きな段差を有する段部17で、同じく外輪1の開口
端部側(図3の左側)を比較的小さな段差を有する突条
部18で、それぞれ仕切ったものである。
【0022】尚、上記係止凹溝16の幅W16、段部17
の傾斜角度θ17、 突条部18の内側面の傾斜角度θ18等
は、後述するシールド板19の折り返し部20の形状並
びに大きさ等に応じて設計的に定める。例えば、内径が
4mm、外径が9mm程度のミニチュアベアリングに本発明
を適用する場合、上記幅W16を0.25〜0.35mm程
度(好ましくは0.27〜0.33mm)、上記傾斜角度
θ17を0〜10度程度(好ましくは6〜8度)、上記傾
斜角度θ18を40〜60度程度(好ましくは45〜55
度)とする。又、上記突条部18の内径rは、上記シー
ルド板19の外径R(図4)よりも僅かに(例えば0.
01〜0.04mm程度、更に好ましくは0.015〜
0.03mm)小さく(r<R)する。この場合に上記シ
ールド板19は、厚さが0.08mmのステンレス鋼板を
使用する。
の傾斜角度θ17、 突条部18の内側面の傾斜角度θ18等
は、後述するシールド板19の折り返し部20の形状並
びに大きさ等に応じて設計的に定める。例えば、内径が
4mm、外径が9mm程度のミニチュアベアリングに本発明
を適用する場合、上記幅W16を0.25〜0.35mm程
度(好ましくは0.27〜0.33mm)、上記傾斜角度
θ17を0〜10度程度(好ましくは6〜8度)、上記傾
斜角度θ18を40〜60度程度(好ましくは45〜55
度)とする。又、上記突条部18の内径rは、上記シー
ルド板19の外径R(図4)よりも僅かに(例えば0.
01〜0.04mm程度、更に好ましくは0.015〜
0.03mm)小さく(r<R)する。この場合に上記シ
ールド板19は、厚さが0.08mmのステンレス鋼板を
使用する。
【0023】一方、外輪軌道2と内輪軌道4との間で複
数の転動体5、5を設けた部分を外部から隔てる為のシ
ールド板19は、ステンレス鋼板、炭素鋼板等の金属板
により、図4に詳示する様に、円輪状に造られている。
このシールド板19の直径方向外半部(図4に示した断
面部分の内の下半部)は平坦部21としている。この平
坦部21の外側面(図4の右側面)には、後述する押し
込み用治具の端面を、広い面積で当接自在としている。
又、上記シールド板19の直径方向内半部(図4に示し
た断面部分の内の上半部)は、断面形状が円弧形であ
る、湾曲部22としている。この湾曲部22に対応する
部分は平坦にしても良いが、この湾曲部22の存在によ
り、上記シールド板19の断面係数が大きくなり、この
シールド板19が変形しにくくなる。
数の転動体5、5を設けた部分を外部から隔てる為のシ
ールド板19は、ステンレス鋼板、炭素鋼板等の金属板
により、図4に詳示する様に、円輪状に造られている。
このシールド板19の直径方向外半部(図4に示した断
面部分の内の下半部)は平坦部21としている。この平
坦部21の外側面(図4の右側面)には、後述する押し
込み用治具の端面を、広い面積で当接自在としている。
又、上記シールド板19の直径方向内半部(図4に示し
た断面部分の内の上半部)は、断面形状が円弧形であ
る、湾曲部22としている。この湾曲部22に対応する
部分は平坦にしても良いが、この湾曲部22の存在によ
り、上記シールド板19の断面係数が大きくなり、この
シールド板19が変形しにくくなる。
【0024】更に、上記平坦部21の外周縁部には、弾
性変形自在な中空の折り返し部20を形成している。こ
の折り返し部20は、上記シールド板19を構成する金
属板の外周部分を180度を越えて折り返す事により造
られており、弾性変形する事により、厚さ方向(図4の
左右方向)の寸法を収縮自在としている。
性変形自在な中空の折り返し部20を形成している。こ
の折り返し部20は、上記シールド板19を構成する金
属板の外周部分を180度を越えて折り返す事により造
られており、弾性変形する事により、厚さ方向(図4の
左右方向)の寸法を収縮自在としている。
【0025】尚、図示の実施例では、上記折り返し部2
0の端縁と上記平坦部21の側面とを離隔させている。
又、この様な折り返し部20の円周方向複数個所(例え
ば9個所)にはスリット23、23を形成して、上記折
り返し部20を、円周方向複数(例えば9)に分割して
いる。これらにより、上記折り返し部20が厚さ方向に
亙って容易に弾性変形する様にしている。尚、折り返し
部20の弾性は、上記端縁と側面とを離隔させるか否
か、スリット23、23を設けるか否か、設けるとすれ
ばその数、シールド板19を造る金属板の厚さや硬度、
折り返し部20の厚さ寸法等により、任意に調節可能で
ある。
0の端縁と上記平坦部21の側面とを離隔させている。
又、この様な折り返し部20の円周方向複数個所(例え
ば9個所)にはスリット23、23を形成して、上記折
り返し部20を、円周方向複数(例えば9)に分割して
いる。これらにより、上記折り返し部20が厚さ方向に
亙って容易に弾性変形する様にしている。尚、折り返し
部20の弾性は、上記端縁と側面とを離隔させるか否
か、スリット23、23を設けるか否か、設けるとすれ
ばその数、シールド板19を造る金属板の厚さや硬度、
折り返し部20の厚さ寸法等により、任意に調節可能で
ある。
【0026】本発明の転がり軸受用密封装置を構成する
場合には、上述の様に構成されるシールド板19を、外
輪1の内周面端部に形成されて前述の様な形状を有する
係止凹溝16に係止する。この際、上記折り返し部20
を内側(転動体5、5設置側)に向けた状態で、上記シ
ールド板19を外輪1の内側に組み付ける。組み付け
後、このシールド板19の外周縁を前記係止凹溝16に
係止した状態では、この折り返し部20の中間部で凸に
湾曲した部分と前記段部17とが当接する。
場合には、上述の様に構成されるシールド板19を、外
輪1の内周面端部に形成されて前述の様な形状を有する
係止凹溝16に係止する。この際、上記折り返し部20
を内側(転動体5、5設置側)に向けた状態で、上記シ
ールド板19を外輪1の内側に組み付ける。組み付け
後、このシールド板19の外周縁を前記係止凹溝16に
係止した状態では、この折り返し部20の中間部で凸に
湾曲した部分と前記段部17とが当接する。
【0027】上述の様に構成される本発明の転がり軸受
用密封装置によれば、シールド板19を装着しても外輪
1は殆ど弾性変形しない。即ち、シールド板19は、そ
の外周縁に形成された折り返し部20と、外輪1の内周
面端部に形成した係止凹溝16との係合により、この外
輪1の内側に係止されるが、係止した状態で上記折り返
し部20の外周面と係止凹溝16の底部との間には隙間
24が存在する。従って、上記折り返し部20が外輪1
の外径を押し広げる事は殆どない。又、上記折り返し部
20の弾性並びに係止凹溝16の幅を適正にすれば、こ
の折り返し部20と係止凹溝16との間に十分な摩擦力
が作用する。従って、上記シールド板19が外輪1に対
して回転する事はない。
用密封装置によれば、シールド板19を装着しても外輪
1は殆ど弾性変形しない。即ち、シールド板19は、そ
の外周縁に形成された折り返し部20と、外輪1の内周
面端部に形成した係止凹溝16との係合により、この外
輪1の内側に係止されるが、係止した状態で上記折り返
し部20の外周面と係止凹溝16の底部との間には隙間
24が存在する。従って、上記折り返し部20が外輪1
の外径を押し広げる事は殆どない。又、上記折り返し部
20の弾性並びに係止凹溝16の幅を適正にすれば、こ
の折り返し部20と係止凹溝16との間に十分な摩擦力
が作用する。従って、上記シールド板19が外輪1に対
して回転する事はない。
【0028】又、外輪1にシールド板19を装着すべ
く、折り返し部20を係止凹溝16に押し込む際には、
先端の押圧面を平坦にした押し込み用治具を前記平坦部
21に突き当てて、上記シールド板19を外輪1の内側
に向けて押し込む。この押し込み作業によって上記折り
返し部20が弾性変形し、この折り返し部20と上記係
止凹溝16とが係合するが、この押し込み作業の際に
は、上記治具の押圧面とシールド板19の平坦部21と
が広い面積で当接する。従って、装着作業に伴ってシー
ルド板19の一部が塑性変形する事がない。
く、折り返し部20を係止凹溝16に押し込む際には、
先端の押圧面を平坦にした押し込み用治具を前記平坦部
21に突き当てて、上記シールド板19を外輪1の内側
に向けて押し込む。この押し込み作業によって上記折り
返し部20が弾性変形し、この折り返し部20と上記係
止凹溝16とが係合するが、この押し込み作業の際に
は、上記治具の押圧面とシールド板19の平坦部21と
が広い面積で当接する。従って、装着作業に伴ってシー
ルド板19の一部が塑性変形する事がない。
【0029】この様に、外輪1が弾性変形せず、シール
ド板19が塑性変形しない結果、軸受を高速回転させた
場合でも、回転アンバランス、或は外輪軌道2のうねり
に基づき、有害な振動等が生じる事がなくなる。
ド板19が塑性変形しない結果、軸受を高速回転させた
場合でも、回転アンバランス、或は外輪軌道2のうねり
に基づき、有害な振動等が生じる事がなくなる。
【0030】更に、シールド板19を装着する為にかし
め作業を行なう必要がない為、密封装置を組み込んだ転
がり軸受の製作費の低廉化を図れる。
め作業を行なう必要がない為、密封装置を組み込んだ転
がり軸受の製作費の低廉化を図れる。
【0031】尚、図示の例では、外輪1の片側(図1の
右側)にのみシールド板19を装着しているが、必要と
すれば、上記外輪1の両側にシールド板19を装着する
事は勿論である。
右側)にのみシールド板19を装着しているが、必要と
すれば、上記外輪1の両側にシールド板19を装着する
事は勿論である。
【0032】
【発明の効果】本発明の転がり軸受用密封装置は、以上
に述べた通り構成され作用する為、振動等を生じにくい
高性能の密封装置付転がり軸受を、比較的安価に得られ
る。
に述べた通り構成され作用する為、振動等を生じにくい
高性能の密封装置付転がり軸受を、比較的安価に得られ
る。
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】図1の下部拡大図。
【図3】図1のA部拡大図。
【図4】シールド板の部分断面図。
【図5】従来の密封装置の第1例の構造を、シールド板
をかしめ付ける以前の状態で示す部分断面図。
をかしめ付ける以前の状態で示す部分断面図。
【図6】同じく、かしめ付けた後の状態で示す部分断面
図。
図。
【図7】従来の密封装置の第2例を示す部分断面図。
【図8】同第3例を示す部分断面図。
【図9】同第4例を示す部分断面図。
1 外輪 2 外輪軌道 3 内輪 4 内輪軌道 5 転動体 6 保持器 7、7a、7b、7c シールド板 8 係止凹溝 9 素板 10 折り返し部 11 段部 12 円筒部 13 係止突起 14 折り返し部 15 テーパ面 16 係止凹溝 17 段部 18 突条部 19 シールド板 20 折り返し部 21 平坦部 22 湾曲部 23 スリット 24 隙間25 中間部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−52417(JP,A) 特開 昭62−167926(JP,A) 実開 昭54−68048(JP,U) 実開 昭58−112773(JP,U) 実開 平2−92117(JP,U) 実開 昭49−114350(JP,U) 実公 平5−16411(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 19/00 - 19/56 F16C 33/30 - 33/82
Claims (1)
- 【請求項1】 内周面中間部に外輪軌道を有する外輪
と、外周面中間部に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪
軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転
動体とから成る転がり軸受に組み込まれ、上記外輪軌道
と内輪軌道との間で上記複数の転動体を設けた部分を外
部から隔てる転がり軸受用密封装置であって、 上記外輪の内周面端部にこの内周面の全周に亙って形成
された係止凹溝と、その外周縁をこの係止凹溝に係止
し、その内周縁を上記内輪の外周面端部に近接させたシ
ールド板とを備え、 上記係止凹溝は、軸方向に関する中間部の上記外輪軌道
側を、比較的大きな段差を有し、上記外輪の中心軸に直
交する仮想平面に対する傾斜角度が0〜10度である段
部で、同じく上記外輪の開口端部側を、比較的小さな段
差を有し、上記中間部側に存在する面の上記外輪の中心
軸に直交する仮想平面に対する傾斜角度が40〜60度
である突条部で、それぞれ仕切ったものであり、 上記シールド板は金属板により円輪状に造られて、少な
くとも直径方向外半部に平坦部を、この平坦部の外周縁
部に、上記金属板を180度を超えて折り返す事により
造られた弾性変形自在な折り返し部を、それぞれ形成し
たものであり、 上記シールド板は上記係止凹溝に、上記折り返し部の中
間部で凸に湾曲した部分を上記段部に当接させる状態
で、その外周縁を係止したものである転がり軸受用密封
装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24004293A JP3342750B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 転がり軸受用密封装置 |
US08/312,889 US5435654A (en) | 1993-09-27 | 1994-09-27 | Seal device for rolling bearing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24004293A JP3342750B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 転がり軸受用密封装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0791453A JPH0791453A (ja) | 1995-04-04 |
JP3342750B2 true JP3342750B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=17053612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24004293A Expired - Fee Related JP3342750B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 転がり軸受用密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3342750B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000174400A (ja) | 1998-12-10 | 2000-06-23 | Alps Electric Co Ltd | フレキシブルプリント基板 |
JP5023980B2 (ja) * | 2007-11-13 | 2012-09-12 | 日本精工株式会社 | シールド板固定方法及び転がり軸受 |
JP5736911B2 (ja) * | 2011-03-31 | 2015-06-17 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
JP7521493B2 (ja) | 2021-06-15 | 2024-07-24 | 信越半導体株式会社 | 半導体基板の熱酸化膜形成方法及び半導体装置の製造方法 |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP24004293A patent/JP3342750B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0791453A (ja) | 1995-04-04 |
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