JP3239606B2 - 四輪駆動車用アンチスキッド制御装置 - Google Patents
四輪駆動車用アンチスキッド制御装置Info
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- JP3239606B2 JP3239606B2 JP07572094A JP7572094A JP3239606B2 JP 3239606 B2 JP3239606 B2 JP 3239606B2 JP 07572094 A JP07572094 A JP 07572094A JP 7572094 A JP7572094 A JP 7572094A JP 3239606 B2 JP3239606 B2 JP 3239606B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪駆動車用アンチス
キッド制御装置、詳しくは、前輪の車軸速度と後輪の車
軸速度との速度差の変化から前輪の車軸速度と後輪の車
軸速度とが逆相の振動状態にあることを判断し、この判
断時のみ振動抑制のための制御を行なうようにした四輪
駆動車用アンチスキッド制御装置に関する。
キッド制御装置、詳しくは、前輪の車軸速度と後輪の車
軸速度との速度差の変化から前輪の車軸速度と後輪の車
軸速度とが逆相の振動状態にあることを判断し、この判
断時のみ振動抑制のための制御を行なうようにした四輪
駆動車用アンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車においては、前輪の車軸と後
輪の車軸とが直結もしくは非常に強い拘束力で連結され
ている場合、アンチスキッド制御時に、ねじりトルクに
より、前輪の車軸速度と後輪の車軸速度に振動状態が発
生しやすく、この振動が発生すると、ブレーキ力が過大
になりあるいは不足してスリップが適正範囲から外れる
という問題が生じる。この問題は、特に低μ路走行時に
おいて生じやすい。
輪の車軸とが直結もしくは非常に強い拘束力で連結され
ている場合、アンチスキッド制御時に、ねじりトルクに
より、前輪の車軸速度と後輪の車軸速度に振動状態が発
生しやすく、この振動が発生すると、ブレーキ力が過大
になりあるいは不足してスリップが適正範囲から外れる
という問題が生じる。この問題は、特に低μ路走行時に
おいて生じやすい。
【0003】従来、四輪駆動車における上記振動を抑制
することを課題とした四輪駆動車用アンチスキッド制御
装置として、特開平4−50067号公報に記載の四輪
駆動車用アンチスキッド制御装置が知られている。この
アンチスキッド制御装置は、前輪のブレーキ圧は左右前
輪毎に独立して制御し、後輪のブレーキ圧は左右後輪一
緒に制御する、所謂3チャネル方式を採用し、後輪のブ
レーキ圧の減圧に同期して、左右後輪のうちロック傾向
側の後輪と同じ側の前輪のブレーキ圧も減圧させるよう
制御するものである。
することを課題とした四輪駆動車用アンチスキッド制御
装置として、特開平4−50067号公報に記載の四輪
駆動車用アンチスキッド制御装置が知られている。この
アンチスキッド制御装置は、前輪のブレーキ圧は左右前
輪毎に独立して制御し、後輪のブレーキ圧は左右後輪一
緒に制御する、所謂3チャネル方式を採用し、後輪のブ
レーキ圧の減圧に同期して、左右後輪のうちロック傾向
側の後輪と同じ側の前輪のブレーキ圧も減圧させるよう
制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のア
ンチスキッド制御装置は、振動が発生しているか否かと
は無関係に、後輪のブレーキ圧を減圧するとき、常に前
輪のブレーキ圧も同期して減圧させるようにしているた
め、車体の減速度が低下し、制動距離の増大を招くとい
う欠点がある。
ンチスキッド制御装置は、振動が発生しているか否かと
は無関係に、後輪のブレーキ圧を減圧するとき、常に前
輪のブレーキ圧も同期して減圧させるようにしているた
め、車体の減速度が低下し、制動距離の増大を招くとい
う欠点がある。
【0005】そこで、本発明に係る四輪駆動車用アンチ
スキッド制御装置は、アンチスキッド制御中、常に振動
抑制のための制御を行なうのではなく、振動発生時のみ
振動抑制のための制御を行なうことにより、車体の減速
度の低下を抑えつつ振動を抑制することを目的とする。
スキッド制御装置は、アンチスキッド制御中、常に振動
抑制のための制御を行なうのではなく、振動発生時のみ
振動抑制のための制御を行なうことにより、車体の減速
度の低下を抑えつつ振動を抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的の下、本発明に
係る四輪駆動車用アンチスキッド制御装置は、図4に示
すように、四輪駆動車に適用されるアンチスキッド制御
装置であって、前輪側の車軸の回転速度と後輪側の車軸
の回転速度との速度差を演算する速度差演算手段と、前
記速度差演算手段によって演算される速度差が所定値に
達する周期を算出する周期算出手段と、前記周期算出手
段によって算出された周期が所定範囲内に属するとき、
前記前輪の車軸速度と後輪の車軸速度とが逆相の振動状
態にあると判断する振動発生判断手段と、前記振動発生
判断手段によって前記前輪の車軸速度と後輪の車軸速度
とが逆相の振動状態にあると判断したとき、前記前輪と
後輪の少なくとも一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減
圧の禁止と増圧の遅延の少なくとも一方を行なう振動抑
制手段と、を備えることを特徴とする。
係る四輪駆動車用アンチスキッド制御装置は、図4に示
すように、四輪駆動車に適用されるアンチスキッド制御
装置であって、前輪側の車軸の回転速度と後輪側の車軸
の回転速度との速度差を演算する速度差演算手段と、前
記速度差演算手段によって演算される速度差が所定値に
達する周期を算出する周期算出手段と、前記周期算出手
段によって算出された周期が所定範囲内に属するとき、
前記前輪の車軸速度と後輪の車軸速度とが逆相の振動状
態にあると判断する振動発生判断手段と、前記振動発生
判断手段によって前記前輪の車軸速度と後輪の車軸速度
とが逆相の振動状態にあると判断したとき、前記前輪と
後輪の少なくとも一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減
圧の禁止と増圧の遅延の少なくとも一方を行なう振動抑
制手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
【発明の作用効果】本発明に係る四輪駆動車用アンチス
キッド制御装置においては、上述のように、前輪の車軸
速度と後輪の車軸速度との速度差の周期に基づき逆相の
振動状態の発生を判断しているので、振動の発生を的確
に捉えることができる。そして、前輪の車軸速度と後輪
の車軸速度とが逆相の振動状態にあるときのみ、前輪と
後輪の少なくとも一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減
圧の禁止と増圧の遅延の少なくとも一方が行なわれ、換
言すると、振動抑制制御が行なわれ、一方、振動状態で
ないときには、上記振動抑制制御は行なわれず通常のア
ンチスキッド制御が行なわれる。
キッド制御装置においては、上述のように、前輪の車軸
速度と後輪の車軸速度との速度差の周期に基づき逆相の
振動状態の発生を判断しているので、振動の発生を的確
に捉えることができる。そして、前輪の車軸速度と後輪
の車軸速度とが逆相の振動状態にあるときのみ、前輪と
後輪の少なくとも一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減
圧の禁止と増圧の遅延の少なくとも一方が行なわれ、換
言すると、振動抑制制御が行なわれ、一方、振動状態で
ないときには、上記振動抑制制御は行なわれず通常のア
ンチスキッド制御が行なわれる。
【0008】このため、振動発生時には振動抑制制御に
より振動を抑制でき、また、振動非発生時には、通常の
アンチスキッド制御により車体の減速度を確保できるた
め、制動距離を減少させることができる。
より振動を抑制でき、また、振動非発生時には、通常の
アンチスキッド制御により車体の減速度を確保できるた
め、制動距離を減少させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0010】図1は、一実施例に係る四輪駆動車用アン
チスキッド制御装置の構成を示している。
チスキッド制御装置の構成を示している。
【0011】図1において、1は左前輪(FL)、2は
右前輪(FR)、3は左後輪(RL)、4は右後輪(R
R)をそれぞれ表わしている。各車輪1〜4は、エンジ
ン5、トランスミッション6、センターデファレンシャ
ル7、フロンドデファレンシャル8、リヤデファレンシ
ャル9等から構成される駆動系により駆動トルクを受け
駆動される。
右前輪(FR)、3は左後輪(RL)、4は右後輪(R
R)をそれぞれ表わしている。各車輪1〜4は、エンジ
ン5、トランスミッション6、センターデファレンシャ
ル7、フロンドデファレンシャル8、リヤデファレンシ
ャル9等から構成される駆動系により駆動トルクを受け
駆動される。
【0012】各車輪1〜4には、各車輪1〜4の車輪速
度を検出する電磁ピックアップ式の車輪速度センサ10
〜13が設置されており、各車輪速度センサ10〜13
の検出信号はECU14に入力される。ECU14に
は、これらの検出信号の他に、ブレーキペダル15が踏
まれたことを検出するブレーキ信号検出器16の検出信
号が入力される。ECU14は、これらの入力信号に基
づいて、後述するような各車輪1〜4に対する制動制御
を行なう。
度を検出する電磁ピックアップ式の車輪速度センサ10
〜13が設置されており、各車輪速度センサ10〜13
の検出信号はECU14に入力される。ECU14に
は、これらの検出信号の他に、ブレーキペダル15が踏
まれたことを検出するブレーキ信号検出器16の検出信
号が入力される。ECU14は、これらの入力信号に基
づいて、後述するような各車輪1〜4に対する制動制御
を行なう。
【0013】各車輪1〜4に制動をかけるブレーキ系統
は2系統からなり、一つはマスタシリンダ17のブレー
キ液圧を左前輪1と右後輪4とに供給する系統であり、
他はマスタシリンダ17のブレーキ液圧を右前輪2と左
後輪3とに供給する系統である。前者のブレーキ系統に
は、ECU14からの制御信号に従って、左前輪1に対
するブレーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御
する左前輪用ソレノイドバルブ18と、右後輪4に対す
るブレーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御す
る右後輪用ソレノイドバルブ19と、右後輪4のブレー
キ液圧を制限するプロポーショニングバルブ20と、減
圧時に左前輪1又は右後輪4のブレーキ液を回収するリ
ザーバ21と、リザーバ21内のブレーキ液をマスタシ
リンダ17に戻すポンプ22とが配設されている。後者
のブレーキ系統には、前者のブレーキ系統と同様、EC
U14からの制御信号に従って、右前輪2に対するブレ
ーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御する右前
輪用ソレノイドバルブ23と、左後輪3に対するブレー
キ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御する左後輪
用ソレノイドバルブ24と、左後輪3のブレーキ液圧を
制限するプロポーショニングバルブ25と、減圧時に右
前輪2又は左後輪3のブレーキ液を回収するリザーバ2
6と、リザーバ26内のブレーキ液をマスタシリンダ1
7に戻すポンプ27とが配設されている。
は2系統からなり、一つはマスタシリンダ17のブレー
キ液圧を左前輪1と右後輪4とに供給する系統であり、
他はマスタシリンダ17のブレーキ液圧を右前輪2と左
後輪3とに供給する系統である。前者のブレーキ系統に
は、ECU14からの制御信号に従って、左前輪1に対
するブレーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御
する左前輪用ソレノイドバルブ18と、右後輪4に対す
るブレーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御す
る右後輪用ソレノイドバルブ19と、右後輪4のブレー
キ液圧を制限するプロポーショニングバルブ20と、減
圧時に左前輪1又は右後輪4のブレーキ液を回収するリ
ザーバ21と、リザーバ21内のブレーキ液をマスタシ
リンダ17に戻すポンプ22とが配設されている。後者
のブレーキ系統には、前者のブレーキ系統と同様、EC
U14からの制御信号に従って、右前輪2に対するブレ
ーキ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御する右前
輪用ソレノイドバルブ23と、左後輪3に対するブレー
キ液圧を増圧、保持、減圧のいずれかに制御する左後輪
用ソレノイドバルブ24と、左後輪3のブレーキ液圧を
制限するプロポーショニングバルブ25と、減圧時に右
前輪2又は左後輪3のブレーキ液を回収するリザーバ2
6と、リザーバ26内のブレーキ液をマスタシリンダ1
7に戻すポンプ27とが配設されている。
【0014】ECU14は、図2にフローチャートで示
すような演算及び処理を実行する。なお、図2図示の演
算処理は、イグニッションスイッチがオンすると実行開
始される。
すような演算及び処理を実行する。なお、図2図示の演
算処理は、イグニッションスイッチがオンすると実行開
始される。
【0015】以下、図2に示す演算処理の内容を順に説
明する。
明する。
【0016】(1) 速度差演算(ステップ100) 前輪側の車軸28(図1)の回転速度と後輪側の車軸2
9の回転速度との速度差VD を求める(ステップ10
0)。具体的には、前輪側の車輪速度センサ10,11
の検出信号に基づいて演算した右前輪2の車輪速度VFR
と左前輪1の車輪速度VFLとの平均値((VFR+VFL)
/2)を前輪側の車軸28の回転速度として求め、ま
た、後輪側の車輪速度センサ12,13の検出信号に基
づいて演算した右後輪4の車輪速度VRRと左後輪3の車
輪速度VRLとの平均値((VRR+VRL)/2)を後輪側
の車軸29の回転速度として求め、前輪側の車軸28の
回転速度((VFR+VFL)/2)から後輪側の車軸29
の回転速度((VRR+VRL)/2)を減算して、速度差
VD (=(VFR+VFL)/2−(VRR+VRL)/2)を
求める。
9の回転速度との速度差VD を求める(ステップ10
0)。具体的には、前輪側の車輪速度センサ10,11
の検出信号に基づいて演算した右前輪2の車輪速度VFR
と左前輪1の車輪速度VFLとの平均値((VFR+VFL)
/2)を前輪側の車軸28の回転速度として求め、ま
た、後輪側の車輪速度センサ12,13の検出信号に基
づいて演算した右後輪4の車輪速度VRRと左後輪3の車
輪速度VRLとの平均値((VRR+VRL)/2)を後輪側
の車軸29の回転速度として求め、前輪側の車軸28の
回転速度((VFR+VFL)/2)から後輪側の車軸29
の回転速度((VRR+VRL)/2)を減算して、速度差
VD (=(VFR+VFL)/2−(VRR+VRL)/2)を
求める。
【0017】(2) 振動発生判断の必要性の有無判断(ス
テップ101) 前輪側の車軸28と後輪側の車軸29との間に逆相の振
動が発生したかどうかを判断する振動発生判断(ステッ
プ102)を行なう必要性が有るか無いかを判断する
(ステップ101)。具体的には、速度差VD が所定値
KV1 に達したタイミングを検出すべく、前回求めた速
度差VD(n-1)が所定値KV1 以下であり且つ今回求めた
速度差VD(n)が所定値KV1 より大きいか否かを判断
し、前回速度差VD(n-1)が所定値KV1 以下であり且つ
今回速度差VD(n)が所定値KV1 より大きい場合、振動
発生判断を行なう必要が有ると判断する。
テップ101) 前輪側の車軸28と後輪側の車軸29との間に逆相の振
動が発生したかどうかを判断する振動発生判断(ステッ
プ102)を行なう必要性が有るか無いかを判断する
(ステップ101)。具体的には、速度差VD が所定値
KV1 に達したタイミングを検出すべく、前回求めた速
度差VD(n-1)が所定値KV1 以下であり且つ今回求めた
速度差VD(n)が所定値KV1 より大きいか否かを判断
し、前回速度差VD(n-1)が所定値KV1 以下であり且つ
今回速度差VD(n)が所定値KV1 より大きい場合、振動
発生判断を行なう必要が有ると判断する。
【0018】(3) 振動発生判断(ステップ102) 前輪側の車軸28と後輪側の車軸29との間に逆相の振
動が発生したかどうかを判断する(ステップ102)。
具体的には、タイマCT1 の値が所定値KT1以上KT2
以下であるかどうかを判断し、タイマCT1 の値が所
定値KT1 以上KT2 以下である場合、上記振動が発生
したと判断する。
動が発生したかどうかを判断する(ステップ102)。
具体的には、タイマCT1 の値が所定値KT1以上KT2
以下であるかどうかを判断し、タイマCT1 の値が所
定値KT1 以上KT2 以下である場合、上記振動が発生
したと判断する。
【0019】ここで、タイマCT1 は、初回の振動発生
判断が行なわれる時点迄はKT2 よりも大きな所定値K
T3 にセットされており(ステップ105,106,1
07)、初回の振動発生判断で振動が発生していないと
判断されることによりリセットされ(ステップ10
4)、その後第2回目の振動発生判断が行なわれる時点
まで周期的に歩進されてゆく(ステップ105)。即
ち、タイマCT1 は、初回の振動発生判断の時点から第
2回目の振動発生判断の時点までの所要時間、第2回目
の振動発生判断の時点から第3回目の振動発生判断の時
点までの所要時間、…を計時するものである。
判断が行なわれる時点迄はKT2 よりも大きな所定値K
T3 にセットされており(ステップ105,106,1
07)、初回の振動発生判断で振動が発生していないと
判断されることによりリセットされ(ステップ10
4)、その後第2回目の振動発生判断が行なわれる時点
まで周期的に歩進されてゆく(ステップ105)。即
ち、タイマCT1 は、初回の振動発生判断の時点から第
2回目の振動発生判断の時点までの所要時間、第2回目
の振動発生判断の時点から第3回目の振動発生判断の時
点までの所要時間、…を計時するものである。
【0020】上記所定値KT1 ,KT2 は、センターデ
ファレンシャル7のロック状態及びフリー状態におい
て、実験的に前輪1,2の車軸28の回転速度と後輪
3,4の車軸29の回転速度との速度差VD を様々な路
面、車両の走行方法で計測し、前輪の車軸速度と後輪の
車軸速度との速度差VD が周期的に変化する要因が、前
後の車輪にまたがる振動によるものか否かを判定するこ
とができる時間として定められている。速度差VD が周
期的に変化しても、その一周期に要する時間がKT 1 よ
り短い場合には、その要因は、段差の乗越し等の路面ノ
イズや通常のABS制御によるものであり、KT2 より
も長い場合には、センターデファレンシャル7の干渉が
弱いためであり、その際の振動は、特別に対処しなくと
も自然に収束する。なお、速度差VD の一周期に要する
時間を、速度差VD が所定値KV1 に達したタイミング
を基準としてタイマCT1 によって計測しているのは、
前後輪の振動以外の要因で小さな速度差VD が発生して
もそれはノイズとして除去するためである。また、所定
値KT3 は、KT2 よりも大きな値であって、振動抑制
制御(ステップ110)を実行する時間として定められ
ており、車両性能に悪影響を与えない、換言するとロッ
ク状態を発生させない範囲に定められている。
ファレンシャル7のロック状態及びフリー状態におい
て、実験的に前輪1,2の車軸28の回転速度と後輪
3,4の車軸29の回転速度との速度差VD を様々な路
面、車両の走行方法で計測し、前輪の車軸速度と後輪の
車軸速度との速度差VD が周期的に変化する要因が、前
後の車輪にまたがる振動によるものか否かを判定するこ
とができる時間として定められている。速度差VD が周
期的に変化しても、その一周期に要する時間がKT 1 よ
り短い場合には、その要因は、段差の乗越し等の路面ノ
イズや通常のABS制御によるものであり、KT2 より
も長い場合には、センターデファレンシャル7の干渉が
弱いためであり、その際の振動は、特別に対処しなくと
も自然に収束する。なお、速度差VD の一周期に要する
時間を、速度差VD が所定値KV1 に達したタイミング
を基準としてタイマCT1 によって計測しているのは、
前後輪の振動以外の要因で小さな速度差VD が発生して
もそれはノイズとして除去するためである。また、所定
値KT3 は、KT2 よりも大きな値であって、振動抑制
制御(ステップ110)を実行する時間として定められ
ており、車両性能に悪影響を与えない、換言するとロッ
ク状態を発生させない範囲に定められている。
【0021】(4) フラグf1 のセット及びリセット(ス
テップ103,107) 通常のアンチスキッド制御(ABS制御ともいう。ステ
ップ109)又は振動抑制制御(ステップ110)のい
ずれかを指示するフラグf1 をセット又はリセットする
(ステップ103,107)。具体的には、振動発生判
断(ステップ102)で振動が発生していると判断した
場合、フラグf1 をセットして振動抑制制御(ステップ
110)を指示し、タイマCT1 の値がKT3 よりも大
きいと判断した場合、フラグf1 をリセットして通常の
アンチスキッド制御(ステップ109)を指示する(ス
テップ108)。
テップ103,107) 通常のアンチスキッド制御(ABS制御ともいう。ステ
ップ109)又は振動抑制制御(ステップ110)のい
ずれかを指示するフラグf1 をセット又はリセットする
(ステップ103,107)。具体的には、振動発生判
断(ステップ102)で振動が発生していると判断した
場合、フラグf1 をセットして振動抑制制御(ステップ
110)を指示し、タイマCT1 の値がKT3 よりも大
きいと判断した場合、フラグf1 をリセットして通常の
アンチスキッド制御(ステップ109)を指示する(ス
テップ108)。
【0022】(5) 通常のアンチスキッド制御(ステップ
109) フラグf1 が上記振動が発生していない旨を示すリセッ
ト状態にあるとき実行され、公知のように、右前輪2の
車輪速度VFR、左前輪1の車輪速度VFL、右後輪4の車
輪速度VRR、左後輪3の車輪速度VRL、車体速度VS 等
に基づいて各ソレノイドバルブ18,19,23,24
を制御する(ステップ109)。
109) フラグf1 が上記振動が発生していない旨を示すリセッ
ト状態にあるとき実行され、公知のように、右前輪2の
車輪速度VFR、左前輪1の車輪速度VFL、右後輪4の車
輪速度VRR、左後輪3の車輪速度VRL、車体速度VS 等
に基づいて各ソレノイドバルブ18,19,23,24
を制御する(ステップ109)。
【0023】(6) 振動抑制制御(ステップ110) フラグf1 が上記振動が発生した旨を示すセット状態に
あるとき実行され、前輪1,2と後輪3,4の少なくと
も一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減圧の禁止と増圧
の遅延の少なくとも一方を行なうよう、ソレノイドバル
ブ18,19,23,24を制御する。
あるとき実行され、前輪1,2と後輪3,4の少なくと
も一方の車輪に対して、ブレーキ圧の減圧の禁止と増圧
の遅延の少なくとも一方を行なうよう、ソレノイドバル
ブ18,19,23,24を制御する。
【0024】上記のように構成されたアンチスキッド制
御装置によると、図3に示すように、振動が発生したと
判断した時点t1 から所定期間T0 、前輪1,2のブレ
ーキ圧の減圧を禁止するとともに増圧の遅延を行なった
ところ、前輪1,2の車輪速度VF と後輪3,4の車輪
速度VR との間の振動が減衰するようになった。
御装置によると、図3に示すように、振動が発生したと
判断した時点t1 から所定期間T0 、前輪1,2のブレ
ーキ圧の減圧を禁止するとともに増圧の遅延を行なった
ところ、前輪1,2の車輪速度VF と後輪3,4の車輪
速度VR との間の振動が減衰するようになった。
【0025】以上説明したように、本実施例によると、
前輪の車軸速度と後輪の車軸速度とが逆相の振動状態に
あるときのみ、前輪と後輪の少なくとも一方の車輪に対
して、ブレーキ圧の減圧の禁止と増圧の遅延の少なくと
も一方が行なわれ、換言すると、振動抑制制御が行なわ
れ、一方、振動状態でないときには、上記振動抑制制御
は行なわれず通常のアンチスキッド制御が行なわれる。
このため、振動発生時には振動抑制制御により振動を抑
制でき、また、振動非発生時には、通常のアンチスキッ
ド制御により車体の減速度を確保できるため、制動距離
を減少させることができる。
前輪の車軸速度と後輪の車軸速度とが逆相の振動状態に
あるときのみ、前輪と後輪の少なくとも一方の車輪に対
して、ブレーキ圧の減圧の禁止と増圧の遅延の少なくと
も一方が行なわれ、換言すると、振動抑制制御が行なわ
れ、一方、振動状態でないときには、上記振動抑制制御
は行なわれず通常のアンチスキッド制御が行なわれる。
このため、振動発生時には振動抑制制御により振動を抑
制でき、また、振動非発生時には、通常のアンチスキッ
ド制御により車体の減速度を確保できるため、制動距離
を減少させることができる。
【0026】なお、振動抑制制御としては、上記のよう
なブレーキ圧の減圧の禁止と増圧の遅延の他、前輪及び
後輪に対する増圧、減圧をそれぞれ同期させて行なう方
式を採用してもよい。
なブレーキ圧の減圧の禁止と増圧の遅延の他、前輪及び
後輪に対する増圧、減圧をそれぞれ同期させて行なう方
式を採用してもよい。
【図1】一実施例に係る四輪駆動車用アンチスキッド制
御装置の構成図
御装置の構成図
【図2】ECUの演算処理を示すフローチャート
【図3】上記アンチスキッド制御装置の動作を説明する
ための波形図
ための波形図
【図4】クレーム対応図
1,2 前輪 3,4 後輪 ステップ100 速度差演算手段 ステップ105 周期算出手段 ステップ102 振動発生判断手段 ステップ110 振動抑制手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−42865(JP,A) 特開 平1−311939(JP,A) 特開 平3−139462(JP,A) 特開 平6−24319(JP,A) 特開 平2−34456(JP,A) 特開 平4−50067(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 B60T 8/32 - 8/96
Claims (1)
- 【請求項1】 四輪駆動車に適用されるアンチスキッド
制御装置であって、 前輪側の車軸の回転速度と後輪側の車軸の回転速度との
速度差を演算する速度差演算手段と、 前記速度差演算手段によって演算される速度差が所定値
に達する周期を算出する周期算出手段と、 前記周期算出手段によって算出された周期が所定範囲内
に属するとき、前記前輪の車軸速度と後輪の車軸速度と
が逆相の振動状態にあると判断する振動発生判断手段
と、 前記振動発生判断手段によって前記前輪の車軸速度と後
輪の車軸速度とが逆相の振動状態にあると判断したと
き、前記前輪と後輪の少なくとも一方の車輪に対して、
ブレーキ圧の減圧の禁止と増圧の遅延の少なくとも一方
を行なう振動抑制手段と、 を備えることを特徴とする四輪駆動車用アンチスキッド
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07572094A JP3239606B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 四輪駆動車用アンチスキッド制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07572094A JP3239606B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 四輪駆動車用アンチスキッド制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07277169A JPH07277169A (ja) | 1995-10-24 |
JP3239606B2 true JP3239606B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=13584390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07572094A Expired - Fee Related JP3239606B2 (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 四輪駆動車用アンチスキッド制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3239606B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3862482B2 (ja) * | 2000-06-29 | 2006-12-27 | 株式会社日立製作所 | アンチスキッド制御装置 |
JP2003048526A (ja) | 2001-08-02 | 2003-02-18 | Hitachi Unisia Automotive Ltd | 4輪駆動車両におけるアンチスキッド制御装置 |
JP5286921B2 (ja) * | 2008-05-12 | 2013-09-11 | 日産自動車株式会社 | 車両用制振制御装置 |
JP4913205B2 (ja) * | 2009-12-18 | 2012-04-11 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電動車両の制動制御装置 |
-
1994
- 1994-04-14 JP JP07572094A patent/JP3239606B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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