JP3229733B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
ピュータ等の平面ディスプレー装置、液晶テレビ、携帯
用ディスプレーなどに使用される液晶表示装置に関し、
特に視野角特性の改善された新規な液晶表示装置に関す
る。
対の基板の間に液晶層が封入されており、液晶層中の液
晶分子の配向方向を変化させて液晶層の光学的屈折率を
変化させることにより、表示を行う構成となっている。
従って、液晶層内の液晶分子を一定方向に規則正しく配
列させることが重要である。
在、一対の基板の各々の液晶層側表面に配向膜を形成し
て、この配向膜表面の状態を液晶分子と相互的に作用す
るように規制する方法が最も広く使用されている。この
方法は、まず、一対の基板の相対する表面に配向膜用材
料を塗布し、これを乾燥、硬化させて配向膜を形成し、
その後この配向膜の表面をラビング処理することにより
行われる。
向膜とが用いられる。無機配向膜材料としては、酸化
物、有機シラン、金属、金属錯体等が挙げられる。ま
た、有機配向膜材料としては、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスチレン、ポリアミドイミド、エポキシアクリ
レート、スピランアクリレートまたはポリウレタン等が
挙げられ、特にポリイミド樹脂が広く用いられている。
このポリイミド樹脂を用いる場合には、基板上に形成さ
れたポリイミド膜の表面をラビング処理することにより
液晶分子を配向させることができる。
にスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TF
T)を接続した構成の液晶表示装置(TFT−LCD)
においては、ツイストネマティック(TN)型の構成が
採用される。このTN型の構成では、基板に対して垂直
の方向から見て、一対の基板間で液晶分子が90°ねじ
れるように配向させられ、この液晶表示装置の視角方向
は液晶分子の向きに従う状態となる。
示す斜視図であり、図7はその液晶表示装置の構成を示
す断面図である。この液晶表示装置は、対向する一対の
基板31、32の間に液晶層が設けられ、一方(上側)
の基板31は、ベースとなるガラス基板31aの液晶層
側に、透明電極31bおよび配向膜31cが形成されて
いる。他方(下側)の基板32は、ベースとなるガラス
基板32aの液晶層側に、透明電極32bおよび配向膜
32cが形成されている。
液晶分子35は、基板に垂直な方向から見て基板31と
32との間で90°ねじれ、かつ、液晶分子35の長軸
(一点鎖線にて示す)が基板表面に対する傾斜角度であ
るプレチルト角δを有して傾斜している。尚、この図6
および図7において、33は基板31のラビング方向を
示し、34は基板32のラビング方向を示す。また、3
5aは液晶層の厚み方向中央に位置する液晶分子を示
し、36は正視角方向を示す。
置においては、液晶分子が屈折率異方性(複屈折率)を
有するので、観測者が液晶表示装置を見る角度によって
コントラストが変化するという現象が生じる。この現象
を、例えば電極31b、32b間(液晶セル)に電圧を
印加しない時に光が透過して白色表示が得られるノーマ
リホワイトモードの場合を例に挙げて以下に説明する。
垂直な方向から見ると、図8の実線L1に示すような電
圧−透過率(V−T)特性が得られる。即ち、印加電圧
値が高くなるに伴って光の透過率が低下していき、ある
印加電圧値になると透過率がほぼ零となって、それ以上
印加電圧を高くしても透過率はほぼ零のままとなる。こ
れに対して、電圧を印加した状態で垂直方向から正視角
方向36に視角を傾けて行くと、図8の実線L2に示す
ようなV−T特性となる。即ち、印加電圧値が高くなる
に伴って光の透過率が低下していき、ある印加電圧値に
なると透過率が逆に上昇し、その後再び徐々に低下す
る。このため、特定の角度で画像の白黒が反転する反転
現象が生じる。これは、液晶分子が傾いており、視角に
よって屈折率が変化するために生じる現象であり、図5
に基づいて詳述する。印加電圧が零または比較的低い電
圧の時には、図5(a)に示すように、正視角方向に位
置する観測者37には中央分子35が楕円に見える。印
加電圧を徐々に高くして行くと、図5(b)に示すよう
に中央分子35が電界方向に傾いて行くので、観測者3
7に中央分子35が真円に見える瞬間がある。さらに印
加電圧を高くして行くと、図5(c)に示すように、中
央分子35が電界方向にほぼ平行となるので、観測者3
7には再び中央分子35が楕円に見える。したがって、
このようにして反転現象が生じる。
いては、V−T特性が異なるために上記反転現象は生じ
ないが、視角を深くして行くと同様の理由から白黒のコ
ントラスト比が低くなるという現象が見られる。
置における反転現象やコントラストの低下は、観測者に
とって大変障害になり、その液晶表示装置の表示特性そ
のものを疑わせるものである。
視角特性を改善する方法として、1絵素を分割して配向
方向の異なる2以上の領域を形成する方法や、補償板を
用いる方法(特開平3−230120号)等が提案され
ている。前者の方法は、特開昭60−211424号で
公開され、また、電子情報通信学会技術研究報告で日本
電気株式会社により「相補型TN(CTN)−広視野角
化した−TN」が報告されている。
提案方法による場合には、以下のような問題点があっ
た。例えば、前者の配向方向の異なる2以上の領域を形
成する方法では、有機膜である配向膜をエッチングする
ことや、或は配向膜上をマスクで覆って配向処理するこ
と等を要するが、そのときに配向膜に不純物が付着した
り、傷がついたりするため、液晶表示装置の表示品位を
低下させるおそれがある。一方、後者の補償板を用いる
方法では、相反する視角方向を拡大することができず、
表示品位が低下するという欠点がある。
めになされたものであり、表示品位を低下させることな
く視野角特性を改善することができる液晶表示装置を提
供することを目的とする。
は、ツイストネマティック型の液晶層を間に挟んで対向
配設された一対の基板の各々の液晶層側表面に透明電極
と配向膜とが形成されている液晶表示装置において、全
ての視角方向において良好な視角特性が得られるよう
に、該一対の基板の一方の基板に隣接する液晶分子のプ
レチルト角を0°以上5°以下とし、他方の基板に隣接
する液晶分子のプレチルト角を30°以上50゜以下と
したことを特徴とし、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
向膜と前記他方の基板に形成されている配向膜とが、異
なる配向膜材料からなる構成とすることができる。この
とき、ポリイミド膜の種類を異ならせるようにしてもよ
い。
向膜と前記他方の基板に形成されている配向膜とに、異
なる配向処理が施されている構成とすることができる。
分子のプレチルト角と、他方の基板に隣接する液晶分子
のプレチルト角とが異なっているため、一方の基板側か
ら他方の基板側にかけて、液晶分子のプレチルト角が連
続的に変化することになり、あらゆる視角方向に対応す
る液晶分子が各々存在することとなる。よって、各視角
方向に対して良好な真円偏向が得られるので、見かけ上
の視角特性を平均化することができ、全ての方向に対し
て良好な視角特性となる。
ルト角を異ならせてあるので、配向膜をエッチングした
り、配向膜上をマスクで覆って配向処理を行う必要がな
い。よって、配向膜に不純物が付着したり、傷がついた
りすることがない。
ながら説明する。
装置を示す断面図である。この液晶表示装置は、コモン
側基板1aおよびセグメント側基板1bが対向配設さ
れ、両基板1aと1bとの間に液晶層5が封入されてい
る。コモン側基板1aの液晶層5側表面には透明電極2
aおよび配向膜3aが形成され、一方のセグメント側基
板1bの液晶層5側表面には透明電極2bおよび配向膜
3bが形成されている。両配向膜3aと3bとは異なる
配向膜材料からなっている。配向膜3aとしては、例え
ば大きいプレチルト角δ1を形成できるポリイミド膜、
例えばポリアミック酸にアルキル基やフッ素原子を導入
したものを塗布することにより形成している。一方、配
向膜3bは、小さいプレチルト角δ2を形成できる一般
のポリイミド膜を塗布することにより形成している。な
お、本実施例では、プレチルト角δ1を30°〜50°
程度に設定し、プレチルト角δ2を0°〜5°程度に設
定した。
装置においては、コモン側の液晶分子のプレチルト角は
δ1、セグメント側の液晶分子のプレチルト角はδ2と
なっているため、コモン側からセグメント側にかけて液
晶分子4のプレチルト角は連続的に変化することとな
る。したがって、図3に示すように、異なるA、B、C
の視角方向に対応して、それぞれ良好な真円偏向を得る
ことができる液晶分子a、b、cが存在する。このた
め、各々の視角方向において見かけ上の視角特性が平均
化され、正視角方向に視角を傾けても反転現象が生じな
い。すなわち、図4に示すように、基板面に対して垂直
な方向から正視角方向に視角を0゜、20゜、40゜と
傾けていっても、印加電圧の増加に伴って透過率が減少
する特性となっていて反転現象が生じない。また、上述
したようにプレチルト角が連続的に変化しているので、
正視角方向以外の方向に視角を傾けてもコントラストが
低下しない。このため、全ての方向において良好な視角
特性が得られる。
装置の断面図を示す。この液晶表示装置は、コモン側基
板1aに形成された配向膜3cと、セグメント側基板1
bに形成された配向膜3dとが同一の配向膜材料からな
っているものの、コモン側の配向膜3cとセグメント側
の配向膜3dとで配向処理を異ならせてある。具体的に
は、配向膜3cおよび配向膜3dには、実施例1で使用
した配向膜3aと同一の配向膜材料を用いており、セグ
メント側の配向膜3dをコモン側の配向膜3cに比べて
強いラビング処理を数回行って、コモン側の液晶分子の
プレチルト角δ1に対してセグメント側の液晶分子のプ
レチルト角δ2を小さくしている。なお、実施例1と同
様に、プレチルト角δ1は30°〜50°程度とし、プ
レチルト角δ2は0°〜5°程度とした。
ン側からセグメント側にかけて液晶分子4のプレチルト
角は連続的に変化することとなる。よって、実施例1と
同様の効果が得られる。
ビング法を使用しているが、プレチルト角を小さくする
ことが可能であればラビング法以外の他の配向処理を適
用することができる。他の配向処理としては、例えば斜
方蒸着や、塩酸、水酸化ナトリウム等の薬品類による処
理が該当する。
側のプレチルト角δ1を大きく、セグメント側のプレチ
ルト角を小さくしたが、逆にコモン側のプレチルト角δ
1を小さく、セグメント側のプレチルト角を大きい構成
としても同様な効果が得られる。また、大きい方のプレ
チルト角δ1を30°〜50°に設定したが、10°以
上80°以下となるように設定してもよい。
で用いたポリイミド以外に、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリアミドイミド、エポキシアクリレート、スピラ
ンアクリレートまたはポリウレタン等の有機配向膜材料
を用いてもよい。また、酸化物、有機シラン、金属、金
属錯体等の無機配向膜材料を用いてもよく、配向膜3a
としては、例えばパーフルオロノナン酸クロム錯体、有
機シランDMOAP、レシチン等を塗布することによ
り、あるいはアンモニウム塩CTAB、オクタデシルマ
ロン酸等を溶解法を使用して形成してもよく、一方の配
向膜3bとしては、ブラシル酸クロム錯体、有機シラン
MAP、ポリビニルアルコールなどを塗布することによ
り形成しても、あるいはジカルボン酸、バーサミド12
5等を溶解法を使用して形成してもよい。
本発明は白黒のデューティー駆動方式の液晶表示装置
や、スイッチング素子として薄膜トランジスタ等を用い
たアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置にも適
用することもできる。また、カラーフィルターを組み合
わせることにより、カラー表示を行うこともできる。
によれば、対向配設される一方の基板側から他方の基板
側にかけて、液晶分子のプレチルト角を連続的に変化さ
せることができるので、全ての視角方向において良好な
視角特性が得られる。また、一方の基板と他方の基板と
でプレチルト角を異ならせてあるので、配向膜をエッチ
ングしたり、配向膜上をマスクで覆って配向処理を行う
必要がない。よって、配向膜に不純物が付着したり、傷
がついたりすることがない。
するための断面図である。
(V−T特性)を示すグラフである。
るための図である。
るための斜視図である。
るための断面図である。
(V−T特性)を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 ツイストネマティック型の液晶層を間に
挟んで対向配設された一対の基板の各々の液晶層側表面
に透明電極と配向膜とが形成されている液晶表示装置に
おいて、 全ての視角方向において良好な視角特性が得られるよう
に、該一対の基板の一方の基板に隣接する液晶分子のプ
レチルト角を0°以上5°以下とし、他方の基板に隣接
する液晶分子のプレチルト角を30°以上50゜以下と
したことを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (8)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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1993
- 1993-10-14 JP JP25726593A patent/JP3229733B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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