JP3220362B2 - 方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents
方向性けい素鋼板の製造方法Info
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Description
の製造方法に関し、特に脱炭焼鈍において形成する表面
酸化物層の物性を制御することによって、磁気特性及び
被膜特性を大幅に改善しようとするものである。
主に変圧器あるいは回転機等の鉄芯材料として使用され
るもので、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損及び磁
気歪が小さいことが要求される。高い磁束密度は鋼板面
に{110}面、圧延方向に磁化容易軸である〈00
1〉軸を持った、いわゆるゴス方位と呼ばれる組織を2
次再結晶によって高度に揃えることで達成される。ま
た、鉄損は渦電流損及び履歴損から構成されるが、この
うち渦電流損は鋼板の板厚、電気抵抗のほか被膜張力、
磁区幅、結晶サイズ等に影響される。他方、履歴損は鋼
板の結晶方位、純度、歪量、表面平滑度等によって影響
される。さらに、磁気歪は結晶方位が揃うことや、被膜
の張力強化によって小さくなる。したがって、ゴス方位
の集積度を高めることは、鉄損の磁気歪の低減にとって
も極めて重要である。
ために必要なインヒビター、例えばMnS , MnSe, AlN 等
を含む方向性けい素鋼スラブを加熱して熱間圧延を行っ
た後、必要に応じて焼鈍を行い、1回あるいは中間焼鈍
を挟む2回以上の冷間圧延によって最終製品板厚とし、
次いで脱炭と1次再結晶とを兼ねた焼鈍を行ったのち、
鋼板にMgO 等を主成分とした焼鈍分離剤を塗布してか
ら、2次再結晶のための高温仕上げ焼鈍を行って製造さ
れる。
て1次再結晶組織の中から他の方位の粒の成長を抑制し
て、ゴス方位の粒だけを選択的に成長させるという2次
再結晶に不可欠の機能を発揮する。インヒビターにはAl
N, MnSe, MnS 等、微細析出物として機能するものと、
Sb, Sn, Nb, Te等、粒界偏析によって機能するものの2
つのタイプのものが知られている。現在の方向性けい素
鋼の製造において主要な作用を発揮しているのは、析出
物として機能するタイプのものである。この析出型イン
ヒビターが2次再結晶において上記の機能を発揮するに
は、2次再結晶が生じるまでに1次再結晶粒の成長を抑
えるべく、必要十分な量が微細なサイズで均一に分散し
ていることが重要である。
は特殊な場合を除いてフォルステライト(Mg2SiO4) 質絶
縁被膜が形成されているのが普通である。方向性けい素
鋼板にフォルステライト質絶縁被膜を形成させるには、
所望の最終板厚に冷間圧延した後、まず湿水素中で700
〜900 ℃の温度で連続焼鈍を行う。この焼鈍により以下
の3つの働きをさせる。 (1) 冷間圧延後の組織を、適正な2次再結晶が起こる
ように1次再結晶させる。 (2) 2次再結晶を完全に行わせて磁気特性を向上させ
るべく、鋼板中に0.01〜0.1 wt%程度含まれる炭素を、
0.003 wt%以下のできるだけ低い濃度にまで脱炭する。 (3) 酸化によってフォルステライト被膜の原料物質と
なるSiO2を主成分とするサブスケールを鋼板表層に生成
させる。
離剤を鋼板上にスラリーとして塗布し、乾燥させた後コ
イル状に巻き取って、還元又は非酸化性雰囲気にて2次
再結晶焼鈍と純化焼鈍を兼ねて、最高1200℃程度の温度
で仕上げ焼鈍を施すことにより、主として以下の式で示
される固相反応によってフォルステライト質絶縁被膜を
形成させる。 2MgO +SiO2→Mg2SiO4 ここでMgO は焼鈍分離剤として塗布したMgO 、SiO2はサ
ブスケール中のSiO2である。
か数μm のセラミックス薄膜絶縁体として均一で欠陥が
無いことが要求される。また剪断、打ち抜き及び曲げ加
工等に耐え得る密着性の優れたものでなければならな
い。さらに平滑で、鉄芯として積層したときに高い占積
率を示すものでなければならない。
でなく、以下の理由によっても磁気特性の改善に寄与し
ているため、その形成過程を制御し、良好な被膜品質を
得ることが重要である。まず、その低熱膨張性によって
引っ張り応力を鋼板に付与することにより、鉄損さらに
は磁気歪をも効果的に改善している。またこの被膜は、
高温仕上げ焼鈍の際、2次再結晶が完了して不要となっ
たインヒビター成分を、被膜中に吸い上げ、鋼を純化す
ることによっても鋼板の磁気特性の十分な発揮を助けて
いる。さらにこの被膜形成挙動は、仕上げ焼鈍において
鋼中のMnS , MnSe, AlN 等のインヒビターの挙動にも影
響を及ぼすため、優れた磁気特性を得るための必須の過
程である2次再結晶そのものにも影響を及ぼす。すなわ
ち、仕上げ焼鈍の昇温過程でのおよそ900 ℃あたりから
起こるこの被膜の形成反応が遅れたり、不均一に進行し
た場合、あるいは形成した被膜がポーラスになった場合
は、焼鈍雰囲気からOやNが鋼中に侵入しやすくなる。
このため鋼中のインヒビターの分解や粗大化あるいは過
剰化する。また、被膜の形成反応が速すぎて低温から進
行すると、被膜中へのインヒビターの吸い上げも低温か
ら生じ、その結果、鋼中インヒビターの不足を来す。以
上のような現象が起こると2次再結晶組織はゴス方位へ
の集積度が低い組織となり、したがって、磁気特性も劣
化する。
m 前後の微細結晶が緻密に集積したセラミックス被膜で
あり、上述のごとく脱炭焼鈍において鋼板表層に生成し
た酸化物を一方の原料物質として、その鋼板上に生成す
るものであるから、この酸化物の種類、量、分布等はフ
ォルステライトの核生成や粒成長挙動に関与するととも
に、被膜結晶粒の粒界や粒そのものの強度にも影響を及
ぼし、ひいては仕上げ焼鈍後の被膜品質にも多大な影響
を及ぼす。例えば酸化層中の鉄酸化物分が多過ぎると、
フォルステライト被膜が局所的に剥離する欠陥が出易く
なったり、あるいはフォルステライト粒子の粗大化が起
こる。また酸化物の量が少なすぎると、薄くて脆弱な、
ところどころ地鉄が裸出した被膜になり易い。逆に酸化
物の量が多すぎる場合は、フォルステライト被膜が厚く
なりすぎて密着性の劣化を来すとともに、鋼板中の非磁
性部分の増大によって、鉄芯に組み立てた場合の占積率
の低下を招く。
する焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリーとして鋼板に
塗布されるため、乾燥させた後も物理的に吸着したH2O
を保有する他、一部が水和してMg(OH)2 に変化している
ため、仕上げ焼鈍中に800 ℃あたりまで少量ながらH2O
を放出し続ける。このため鋼板表面はこのH2O により、
いわゆる追加酸化を受ける。追加酸化が多いとフォルス
テライトの生成速度が抑制されるとともに、鋼中とくに
表層部のインヒビターの酸化や分解が増大する。ゴス方
位を有する2次再結晶粒は、鋼板の表層近傍において核
発生し、成長することが知られている。したがって追加
酸化が多いと被膜特性、磁気特性ともに劣化する。この
追加酸化の受け易さも、脱炭焼鈍で生じた鋼板表層の酸
化物層の物性に大きく左右される。
い素鋼板においては、この酸化物層の物性が仕上げ焼鈍
中の鋼板からの脱N挙動、あるいは焼鈍雰囲気から鋼中
への侵N挙動に影響するため、インヒビターの動きを通
して磁気特性にも影響を及ぼす。すなわち脱Nが進行す
るとインヒビターの抑制力は弱まり、2次再結晶しない
ため、磁気特性は劣化する。一方侵Nが進行しすぎると
インヒビターが強くなりすぎて方位の良い2次再結晶が
起こり難くなり、この場合も特性劣化を来す。
て形成する鋼板表層の酸化物層の物性を制御すること
は、優れたフォルステライト質絶縁被膜を適切な温度で
均一に形成させるため、また2次再結晶を望ましい状態
で発現させるために欠かせないものであり、方向性けい
素鋼板の製品品質を左右する製造技術上の重要なポイン
トのひとつである。特に板厚が薄くなると、ゴス方位の
核の存在領域が狭くなることに加え、表面の影響度が相
対的に強まるために、鋼板の表面物性の制御は優れた磁
気特性を得るうえで極めて重要である。
例えば特公昭58−46547号公報に開示されている
ように、脱炭焼鈍前にSi,O,あるいはSi,O,Hを含
有するけい素化合物を付着せしめる方法、特公昭57−
1575号公報に示されているように、雰囲気の酸化度
を脱炭の前半では0.15以上とし、後半では0.75以下でか
つ前半よりも低くする方法、あるいは特開平2−240
215号公報や特公昭54−24686号公報に示され
ているように、脱炭焼鈍後に非酸化性雰囲気中で850 〜
1050℃の熱処理を行う方法等が知られている。
方法は、一定の効果は認められるものの必ずしも十分な
ものではなく、ストリップの幅方向あるいは長手方向で
磁気特性や被膜の密着性、被覆性、あるいは均一性が劣
化する場合が往々にして生じるなど、昨今の厳しい品質
要求や高歩留まり要求に対しては未だ改善の余地を残す
ものであった。
ようとするものであり、コイルの全幅及び全長にわたっ
て、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ
磁気特性も優れた方向性けい素鋼板を得るための製造方
法について提案するものである。
素鋼素材を熱間圧延した後、1回又は中間焼鈍を挟む2
回の冷間圧延を施し、次いで脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を
塗布してから最終仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる
方向性けい素鋼板の製造方法において、脱炭焼鈍前の鋼
板表面に、本質的にSi、O及びHからなるけい素化合物
又は本質的にSi及びOからなるけい素化合物の1種又は
2種以上を、Si重量換算で鋼板片面1m2当たり0.5 〜7.
0 mgの範囲であらかじめ付着させ、次いでこの脱炭焼鈍
を、その均熱過程前段における雰囲気の酸化度P(H2O)
/P(H2)を0.7 未満とし、この均熱過程に至るまでの昇
温過程における雰囲気の酸化度P(H2O)/P(H2)をこの
均熱過程前段より低くし、さらに均熱過程後段における
雰囲気の酸化度P(H2O)/P(H2)を、この均熱過程前段
よりも低い0.2 〜0.005 の範囲にすることを特徴とする
方向性けい素鋼板の製造方法である。
表面に生成させる酸化物層を、O換算で0.4 〜2.5 g /
m2の範囲の量とすることが、より好ましい。
て説明する。発明者らは、ストリップにおけるフォルス
テライト被膜品質及び磁気特性のばらつきの原因を詳細
に調査した結果、脱炭焼鈍において鋼板表層において生
成するサブスケール物性の変動が大きく影響しているこ
とを見出した。一方、特開平6−192847号公報に
示されているように、仕上げ焼鈍中の追加酸化量が増加
すると、被膜特性、磁気特性ともに劣化することが知ら
れている。また同公報に示されている如く、サブスケー
ルを有する脱炭焼鈍板を一定条件で酸洗した場合の酸洗
減量が、この追加酸化量とよく対応することがわかって
いる。これは追加酸化及び酸洗減量のいずれもが表面の
化学的活性度、すなわち表面の反応性によって支配され
る因子であることから共通傾向をもつものと理解され
る。
低くするならば、ストリップにおけるフォルステライト
被膜品質及び磁気特性のばらつきを抑制して、優れた特
性を有する方向性けい素鋼板を製造できるのではないか
と考えて、かかる脱炭焼鈍板の表面反応性の低減方法に
ついて、酸洗減量を指標として脱炭焼鈍条件のみなら
ず、前処理条件を含めて詳細に検討した。以下にその実
験例を述べる。
板厚0.23mmの3.3 wt%Si方向性けい素鋼板最終冷延板
を、アルカリ脱脂浴中で清浄化した後、5%オルト珪酸
ナトリウム水溶液中で電解処理を行い、最終冷延板表面
にSi化合物を析出させた。このとき、電解時間と電流密
度とを変化させることによって、Si化合物の付着量をSi
に換算して0.2 mg/m2, 3.0 mg/m2 及び7.5 mg/m2 の3
水準に変化させた。次いでN2−H2−H2O 雰囲気中で脱炭
焼鈍を行った。このとき雰囲気ガスの分圧比、P(H2O)
/P(H2)で表される雰囲気酸化性を、昇温過程では0.31
〜0.62、均熱過程前段では0.47〜0.72、均熱過程後段で
は0.002 〜0.30の範囲で変化させた。また焼鈍温度は83
0 ℃、焼鈍均熱時間は120 秒とし、均熱前段の雰囲気で
の滞留時間は100 秒、均熱後段の雰囲気での滞留時間は
20秒になるように設定した。このような脱炭焼鈍を施し
た後、鋼板表面の化学的活性度を、5%HCl で70℃、60
秒の酸洗を行った場合の溶解量(酸洗減量)で評価し
た。また、その酸化物の量を酸素目付量で評価した。こ
の結果を表1に示す。
ある No.1〜3は、相対的に酸素目付量は少なく、また
酸洗減量が多い。Si化合物量が7.5 mg/m2 と多い No.12
〜14は酸素目付量が最も少なく、酸洗減量は非常に多
い。これに対し、Si化合物量が3.0 mg/m2で均熱前段の
P(H2O) /P(H2)が0.47〜0.62で昇温過程のP(H2O) /
P(H2)がそれより低く、さらに均熱過程後段のP(H2O)
/P(H2)が0.01〜0.10である No.4〜6は酸素目付量が
増加するとともに酸洗減量が極めて低い値になってい
る。なお、昇温過程のP(H2O) /P(H2)が均熱過程前段
と同じか、又は高いNo.7,8、均熱過程前段のP(H2O)
/P(H2)が0.72と高い No.9、均熱過程後段のP(H2O)
/P(H2)が0.3 あるいは0.002 である No.10,11の酸
洗減量はいずれも高い値を示している。
性は、初期に生成する酸化物の物性によって大きく変化
することがわかっている。脱炭焼鈍前のSi化合物の付着
及び昇温過程の雰囲気酸化性を均熱過程前段よりも低く
することによって、以上のように酸洗減量が低下するの
は、初期生成酸化物の形態ないしは組成の変化によっ
て、その後の均熱過程で鋼中に酸素が拡散し易くなり、
生成する酸化層がより緻密なものになるためと考えられ
る。
場合は、表面酸化物が均熱過程での酸素の拡散を阻害す
るような状態になるため、酸素目付量が下がり、結果と
して表面の保護性の劣化を来すものと考えられる。また
均熱過程前段のP(H2O) /P(H2)が0.7 以上で酸洗減量
が劣化するのは、図1に示す3%けい素鋼表面の生成酸
化物の平衡状態図から考えてFeO の生成が関与している
ものと考えられる。さらに均熱過程後段のP(H2O) /P
(H2)が0.01〜0.10の場合に酸洗減量が低下したのは、最
表層の酸化物がSiO2を主体とする化学的に低活性な状態
に還元されるためと考えられる。
明する。まず脱炭焼鈍前の鋼板表面へのSi化合物の付着
について述べる。前述の特公昭58−46457号公報
に示されるごとく、焼鈍前の表面へのSi化合物の付着に
よって脱炭焼鈍における酸化量の増大、FeO 生成の抑
制、さらにはFe2SiO4 の生成促進が生じること知られて
いる。この発明では上述の実験例に示されるように、焼
鈍前表面へのSi化合物の付着に加え、さらに昇温過程、
均熱過程前段、及び均熱過程後段の雰囲気酸化性をそれ
ぞれ独自に制御することによって、きわめて優れた効果
が発揮されることを見出したものである。
あるいは本質的にSi,Oからなるけい素化合物、すなわ
ちSiO2・xH2O の形で表される化合物を付着せしめるこ
とが有効である。オルト珪酸(H4SiO4)、メタ珪酸(H2
SiO3)、コロイダルシリカの如き水溶状超微粒SiO2、及
び珪酸アルカリ水溶液中で鋼板を電解処理したときに電
着するSiO2、又はこれにH2O が結合した化合物等がこれ
に該当する。
/m2 より少ないと、所期の効果が得にくく、また、Si化
合物の付着量がSiとして7mg/m2 を超えると酸素目付量
は急激に減少する。これは、表面に緻密で酸素が透過し
にくい被膜が形成されるためと考えられる。また、この
ような酸素目付量の低減とともに脱炭も不良になる傾向
が認められた。方向性けい素鋼の場合、脱炭の不良は磁
気特性に対し大なる悪影響を及ぼすものである。この発
明においてSi化合物の付着量の上限をSiにして7mg/m2
と定めたのは以上の理由によるものである。Si化合物付
着量のより好適な範囲はSiとして0.7 〜6.0 mg/m2 であ
る。
付着させるには、大別して塗布による方法と電解処理に
よる方法との二つの方法を用いることができる。まず、
塗布による方法を選ぶ場合に、最終冷間圧延後の方向性
けい素鋼板は、塗布液がはじかないように事前に表面を
脱脂して、濡れ性を十分に良くしておかなければならな
い。塗布剤としては、4〜50μm 程度の粒径を持つコロ
イド状シリカ、あるいは水に対する溶解度は小さいが珪
酸(SiO2・xH2O )等を用いることができる。塗布のた
めの具体的な手段や塗布後の成分や濃度等は特に限定す
るものではない。例えば、0.5 〜2.0 mmの間隔に溝を切
った塗布ロールを用いれば、塗布液濃度、ロール圧下力
の選択により、塗布量が任意に制御できるため好適であ
る。
る。方向性けい素鋼板には、最終冷間圧延後に表面に付
着した圧延油、鉄粉あるいは最終冷延に先立つ種々の工
程において形成したスケールの粒子などを除去し、清浄
な表面を得るためのクリーニングを施す。
スプレー脱脂、ブラッシング脱脂等の他、アルカリ性脱
脂浴中で鋼板を電解処理する、いわゆる電解脱脂があ
る。この電解脱脂には通常、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、
りん酸ソーダ、珪酸ソーダ等の一種あるいは二種以上を
含む水溶液が脱脂浴として採用されるが、珪酸塩を含む
脱脂浴を用いて鋼板を電解脱脂すれば、鋼板表面に珪酸
又は珪酸塩もしくはそれらと鉄との水和酸化物を含む化
合物が電着する。この現象は、特に陰極において顕著で
ある。したがって、最終冷延後の方向性けい素鋼板を、
珪酸塩を含む脱脂浴中で電解脱脂するか、通常の浸漬脱
脂の末部に電解用電極を付設することは、脱脂処理と同
時にこの発明の要件であるSi化合物の付着を実現できる
ことから極めて有利である。また、電気量の制御によっ
てSi化合物の付着量を任意に選ぶことができることも有
利な点である。
ては、ナトリウムの珪酸塩すなわちオルト珪酸ナトリウ
ム(Na4SiO4 )、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3 )又は
種々の珪酸ナトリウムの液体混合物であるいわゆる水ガ
ラス等が適当である。また、カリウムあるいはリチウム
の珪酸塩を用いることも可能である。いずれも金属イオ
ンとSiとのモル比は、その如何を問わない。
のであれば、その他の成分、例えばNaOH、Na2CO3等の存
在及びその濃度の如何を問わないが、珪酸塩の濃度が0.
5 〜5%程度であれば、脱脂とSiの付着との双方におい
て所期の目的を達成することが可能なので有利である。
この他、コロイダルシリカの懸濁液中で鋼板を電解処理
することによってもSi化合物を電着させることが可能で
ある。
流密度、電解時間あるいは電解温度等については特に限
定はせず、公知の範囲内で適宜選択することができる。
おいて鋼板表層に生成する化合物には、SiO2及びFe2SiO
4 、Fe2SiO3 等の珪酸塩の他、FeO さらにはMnやAlの酸
化物等が含まれる。このうち、FeO, Fe2O4等は化学的に
活性な物質でありこれらが多く生成するような条件の脱
炭焼鈍は良くない。この意味で脱炭焼鈍の均熱過程前段
における雰囲気のP(H20) /P(H2)は0.70未満とする。
な物質であるので、これらが表面に多く生成していると
酸洗減量は低下する。このSiO2を多く生成させるには、
脱炭焼鈍の均熱過程後段の雰囲気酸化性を0.2 以下に下
げてSiO2生成域にすることが有効である。ただし、過度
に酸化性を下げると酸洗減量は増大するので、脱炭焼鈍
の均熱過程後段の雰囲気酸化性の下限は0.005 程度に抑
える必要がある。またFeSiO3を多く生成させるには、均
熱過程前段の酸化性を0.5 以下にするか、あるいは昇温
過程の雰囲気酸化性を均熱過程前段の酸化性よりも低く
することが効果的である。
酸化物の種類のみならず、酸化層の状態、すなわち、酸
化物粒子のサイズや形状、その分布状態ないしは階層構
造等によっても大きく影響され、この酸化層の状態は、
焼鈍条件すなわち焼鈍温度、焼鈍時間、雰囲気酸化性等
が互いに微妙に影響しあう。たとえば雰囲気酸化性P(H
20) /P(H2)が0.5 以下では焼鈍時間は長い方が酸洗減
量は低下するが、それより若干高い0.55程度になると生
成酸化物はさほど変化しないにもかかわらず、焼鈍時間
が長くなると、酸洗減量は逆に増加する。これらのこと
を考慮して、焼鈍条件は決定される必要がある。
酸素目付量が0.4 〜2.5g/m2 の範囲にあることがより好
ましい。酸素目付け量が0.4 g/m2未満の場合はサブスケ
ールの緻密性を欠き、このために表面の保護性が劣化す
ると思われる。また、酸素目付け量が2.5 g/m2を超える
場合は、サブスケール内部でのファイヤライトの絶対量
が過剰化するために被膜特性や磁気特性に悪影響するも
のと思われる。
材の好適成分組成について説明する。C、Si及びMnの好
適範囲は、それぞれC:0.02〜0.12wt%、Si:2.0 〜5.
0 wt%、Mn:0.03〜0.30wt%である。その理由は、C
は、熱延組織の改善に必要であるが、多すぎると脱炭が
困難になるので0.02〜0.12wt%程度とする。Siは、あま
りに少ないと電気抵抗が少なくなって良好な鉄損特性が
得られず、一方、あまりに多すぎると冷間圧延が困難に
なるためである。Mnは、インヒビター成分として必要で
あるが、多すぎるとインビビターサイズが粗大化し、好
ましくないので0.03〜0.30wt%の範囲が好適である。
ターはMnSe系、MnS 系、AlN 系、AlN −MnS 系、AlN −
MnSe系等、いずれのインヒビター種をも用いることがで
きる。AlN −MnS 系、AlN −MnSe系は、高磁束密度を得
るために好適である。
るが、0.05wt%を超えると純化焼鈍での純化が困難とな
り、一方、0.01wt%未満ではインヒビターの量が不足す
るため、合計で0.01〜0.05wt%の範囲で含有するものと
する。AlN をインヒビターとして使用する場合は、Alが
少なすぎると2次再結晶粒の方位が悪く磁束密度は低く
なり、多すぎると2次再結晶が不安定となる。このた
め、Alは0.01〜0.05wt%程度が良い。Nは、0.004 wt%
未満ではAlN の量が不足し、0.012 wt%を超えると製品
にブリスターが発生するので、0.004 〜0.012 wt%の範
囲とする。
ヒビターの酸化を抑制するために、さらにSbを含有させ
て、Sbの鋼板表面への偏析効果を利用することが、磁気
特性を向上させるうえで有効である。また、Cuは、前述
の如く酸洗減量の低減効果があるばかりでなく、一般に
インヒビターを補強する効果を持つため、これも、磁気
特性上、有利な効果を発揮する。さらに、Snは、2次再
結晶粒径を小さくすることによって鉄損改善の効果を有
する。したがって、これらの少なくとも1種を含有させ
ることによって磁気特性をさらに向上させることが可能
となる。この場合、それらの含有量は、0.01wt%未満で
は効果が少なく、一方0.30wt%を超えるとぜい性の劣化
や被膜への悪影響が生ずるため、0.01〜0.30wt%が好適
である。
ンヒビター補強元素も適宜添加することができる。ま
た、熱間ぜい性に起因した表面欠陥防止のためにMoを添
加することもできる。
分からなるけい素鋼スラブまたはインゴットを必要なサ
イズとしたあと加熱して熱間圧延を施す。熱延板は例え
ば900 〜1200℃で焼鈍後、急冷し、引続き1回あるいは
中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を行う。AlN 系インビビ
ターの場合は、最終圧下率を80%以上で施こすことが有
利である。AlN の強い抑制力を発揮するための一次再結
晶組織が、圧下率80%未満では得られないためである。
最終冷延後の鋼板は脱脂や酸洗によって表面を清浄化し
たあと、先に述べた条件で脱炭焼鈍される。
ある700 〜900 ℃の範囲でよい。また焼鈍時間は酸素目
付け量が所定の範囲になるよう、設定すればよい。
成分とする焼鈍分離剤を塗布してからコイル状に巻いて
H2中、1500〜1200℃の最終仕上げ焼鈍に供され、その
後、必要に応じて絶縁コーティングを施されて製品とな
る。
0.023wt %、sol.Al:0.024 wt%、N:0.0080wt%及び
Sb:0.023 wt%を含有する方向性けい素鋼素材を、2.3
mm厚に熱延後、1000℃の均一化焼鈍を行い、さらに1100
℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって0.23mmの板
厚とした。
脱脂浴で浸漬脱脂を行い、引き続いて電解脱脂を兼ねた
3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行っ
て、鋼板表面にSi化合物を付着させた。この時の電解電
気量を変更することにより、Si化合物の付着量をSiとし
て表2に示す値に変化させた。Siの付着量はあらかじめ
作成した検量線によって蛍光X線分析で評価した。次い
で840 ℃で130 秒H2−N2−H2O 雰囲気中で脱炭焼鈍を行
った。この脱炭焼鈍の際、昇温過程、均熱過程前段:11
0 秒及び均熱過程後段:20秒の雰囲気酸化性をそれぞれ
独立に制御し、P(H2O) /P(H2)として表2に示す値に
調整した。次いで、MgO にTiO2を5%含有させた焼鈍分
離剤をスラリーとして塗布して乾燥させた後、H2雰囲気
中で1200℃、10時間の2次再結晶、純化焼鈍に供した。
この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成
分とするコーティングを施した。
A/m における磁束密度(B8値)、1.7 T、50Hzにける鉄
損(W17/50値) 、被膜の曲げ密着性及び被膜の外観につ
いて調査した。この被膜の曲げ密着性は、5mm間隔の種
々の径を有する丸棒に試験片を巻き付け、被膜がはく離
しない最小径で示した。また、脱炭焼鈍後の鋼板の酸素
目付量についても分析を行った。これらの結果を表2に
併記する。
製品の磁気特性、被膜特性が極めて優れていることがわ
かる。これに対し、Si付着量が0.5 mg/m2 未満である N
o.7,8、昇温過程のP(H2O) /P(H2)が均熱過程前段
と同じ No.9、均熱過程前段のP(H2O) /P(H2)が0.70
以上である No.10、均熱過程前段のP(H2O) /P(H2)
が、0.005 未満である No.11、Si付着量が7mg/m2 超え
で酸素目付量が0.4 g/m2未満である No.12はいずれも磁
気特性、被膜特性ともに劣っている。
0.020wt %及びSb:0.021 wt%を含有する方向性けい素
鋼素材を、2.0 mm厚に熱延後、900 ℃で均熱化焼鈍を施
し、さらに980 ℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によ
って板厚0.23mmの最終冷延板とした。その後、市販のア
ルカリ性脱脂剤を用いた脱脂浴で浸漬脱脂を行った。水
洗、乾燥させた後、塗布ロールを用いてコロイダルシリ
カをSiとして表3に示す値になるように塗布し、乾燥し
た。このコロイダルシリカの塗布量は、コロイダルシリ
カの塗布量は、コロイダルシリカの濃度及び塗布ロール
の圧下量の調整によって行った。
気中で脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍の際、昇温過
程、均熱過程前段:100 秒及び均熱過程後段:20秒の雰
囲気酸化性をそれぞれ独立に制御し、P(H2O) /P(H2)
として表3に示す値に調整した。次いで、MgO にTiO2を
1%、SrSO4 :2%を含有させた焼鈍分離剤をスラリー
として塗布し、乾燥させた後、H2雰囲気中、850 ℃で50
時間の2次再結晶焼鈍と、引き続くH2雰囲気中で1180
℃、7時間の純化焼鈍を行った。その後は実施例1と同
様に処理し、得られた製品について実施例1と同様の調
査を行った。その結果を表3に併記する。
製品の磁気特性、被膜特性が優れていることがわかる。
これに対し、均熱過程後段のP(H2O) /P(H2)が0.2 超
えである No.7,8、昇温過程のP(H2O) /P(H2)が均
熱過程前段よりも高い No.9は、いずれも磁気特性、被
膜特性ともに劣っている。
0.021wt %を含有する方向性けい素鋼素材を、3mm厚に
熱延後、970 ℃で5分間の焼鈍を行い、さらに900 ℃の
中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって板厚0.30mmの最
終冷延板厚とした。その後、市販のアルカリ性脱脂剤を
用いた脱脂浴で浸漬脱脂を行った。引き続いて3%オル
ト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って鋼板表面
にSi化合物を付着させた。この時の電解電気量を変更す
ることにより、Si化合物の付着量をSiとして表4に示す
値に変化させた。
O 雰囲気中で脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍のとき、
昇温過程及び均熱過程前段:120 秒間並びに均熱過程後
段:20秒間の雰囲気酸化性をそれぞれ独立に制御し、P
(H2O) /P(H2)として表4に示す値に制御した。脱炭焼
鈍により生成した表面酸化物量を化学分析により調べ、
酸素目付量として評価した。次いでMgO にMgSO4 を2%
添加した焼鈍分離剤をスラリーとして塗布し、乾燥した
後、コイルに巻取り、H2雰囲気中で1180℃、5時間の2
次再結晶焼鈍、純化焼鈍に供した。この後、実施例1と
同様に処理し、得られた製品について実施例1と同様の
調査を行った。この結果を表4に併記する。
製品の磁気特性、被膜特性が優れていることがわかる。
これに対し、昇温過程のP(H2O) /P(H2)が均熱過程前
段よりも高く、かつ均熱過程後段のP(H2O) /P(H2)が
0.005 未満である No.5、均熱過程前段のP(H2O) /P
(H2)が0.7 以上でかつ酸素目付量が2.5 g/m2超えである
No.6、Si付着量が7mg/m2 超えでかつ、均熱過程前段
のP(H2O) /P(H2)が0.7 以上である No.7はいずれも
磁気特性、被膜特性ともに劣っている。
ともに優れた方向性けい素鋼板を安定して生産すること
ができる。
表面の生成酸化物との平衡状態図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 方向性けい素鋼素材を熱間圧延した後、
1回又は中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を施し、次いで
脱炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上げ焼鈍
を施す一連の工程からなる方向性けい素鋼板の製造方法
において、 脱炭焼鈍前の鋼板表面に、本質的にSi、O及びHからな
るけい素化合物又は本質的にSi及びOからなるけい素化
合物の1種又は2種以上を、Si重量換算で鋼板片面1m2
当たり0.5 〜7.0 mgの範囲であらかじめ付着させ、 次いでこの脱炭焼鈍を、その均熱過程前段における雰囲
気の酸化度P(H2O)/P(H2)を0.7 未満とし、この均熱
過程に至るまでの昇温過程における雰囲気の酸化度P
(H2O)/P(H2)をこの均熱過程前段より低くし、さらに
均熱過程後段における雰囲気の酸化度P(H2O)/P(H2)
を、この均熱過程前段よりも低い0.2 〜0.005 の範囲に
することを特徴とする方向性けい素鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 脱炭焼鈍の際に鋼板表面に生成させる酸
化物層を、O換算で0.4〜2.5 g /m2の範囲の量とする
請求項1記載の方向性けい素鋼板の製造方法。
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