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JP3219245B2 - 温度制御シミュレーション方法及び温度制御シミュレーション装置 - Google Patents

温度制御シミュレーション方法及び温度制御シミュレーション装置

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Publication number
JP3219245B2
JP3219245B2 JP22877098A JP22877098A JP3219245B2 JP 3219245 B2 JP3219245 B2 JP 3219245B2 JP 22877098 A JP22877098 A JP 22877098A JP 22877098 A JP22877098 A JP 22877098A JP 3219245 B2 JP3219245 B2 JP 3219245B2
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JP
Japan
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temperature
transfer function
heater
temperature control
time
Prior art date
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JP22877098A
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和夫 田中
英人 山口
健三 占部
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Publication date
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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    • G06G7/00Devices in which the computing operation is performed by varying electric or magnetic quantities
    • G06G7/48Analogue computers for specific processes, systems or devices, e.g. simulators
    • G06G7/66Analogue computers for specific processes, systems or devices, e.g. simulators for control systems

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  • Control Of Temperature (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気炉・ガス炉
・蒸気炉などのプロセス装置において、実際の炉を使用
せずとも、温度制御アルゴリズムの開発、及び温度制御
操作方法の習得ができる温度制御シミュレーション方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の温度制御シミュレーションの一例
として、電気炉を用いた半導体製造装置における温度制
御シミュレーションについて説明する。図32は、半導
体製造装置として使用される縦型拡散装置の電気炉を示
すブロック図である。図32に示した電気炉は、炉内を
加熱するためのヒータ1101と、ヒータ1101の温
度を検出するヒータ熱電対1102と、均熱管1103
と反応管1104の間の温度を検出するカスケード熱電
対1105と、熱処理するためのウェーハを搭載したボ
ート1106と、ヒータ熱電対1102及びカスケード
熱電対1105の検出温度と設定温度Yからヒータ11
01への操作量Z(電力値)を求める温度コントローラ
1107から構成されている。
【0003】ヒータ1101は、炉内温度をより高精度
に制御するために複数ゾーンに分割されており、たとえ
ば4ゾーン分割の場合には、上部から順にU,CU,C
L,Lゾーンなどと呼ばれるゾーンに分割されている。
それぞれのゾーンには、各ゾーンごとに、ヒータ熱電対
1102とカスケード熱電対1105が設置され、カス
ケード熱電対1105の検出温度を設定温度Yにするよ
う、ヒータ熱電対1102の温度を検出しながら、ヒー
タ1101への操作量Zを温度コントローラ1107内
のアルゴリズム(PID演算など)で算出し、ヒータ1
101への電力値を調節する。
【0004】また、ボート1106は熱処理するウェー
ハを搭載して炉内に挿入され、熱処理が終わると炉内か
ら引き出され、次に熱処理するウェーハを搭載して、再
び炉内に挿入される。
【0005】図32に示した電気炉を有する縦型拡散装
置では、たとえば図33に示すプロセス処理を行ってい
る。図33(a)は縦型拡散装置で行われるプロセス処
理の一例のフローチャートを示し、図33(b)はその
ときの炉内の温度変化の概略を示したものである。
【0006】ステップS1は、炉内の温度を比較的低い
温度T0 で安定させる処理である。ステップS1では、
ボートはまだ炉内へ挿入されていない。ステップS2
は、ボートを炉内に挿入する処理(ボートロード)であ
る。ウェーハの温度は通常目標温度T0より低いので、
ボートロードした結果、炉内の温度は一時的に目標温度
0 より低い温度になる。この温度低下をすばやく回復
し、目標温度T0 に対し微少温度範囲内で安定させるた
めに、温度コントローラによりヒータへの操作量を調節
する。
【0007】ステップS3は、目標温度T0 からウェー
ハに成膜処理等のプロセス処理を施すための目標温度T
1 まで徐々に炉内の温度を上昇させる処理(ランプアッ
プ)である。ランプアップした場合、炉内の温度は目標
の傾きよりも遅れて上昇し、目標温度T1 に対し微少温
度範囲内で安定するまでにはいくらかの時間を要する。
ステップS4はウェーハにプロセス処理を施すために炉
内の温度を目標温度T1 で安定させる処理である。ステ
ップS5は、目標温度T1 から再び比較的低い目標温度
0 まで徐々に炉内の温度を下降させる処理である。ス
テップS6は、プロセス処理が施されたウェーハを搭載
しているボートを炉内から引き出す処理である。
【0008】通常ステップS1からステップS6の処理
は繰り返し行われるため、1つ1つのステップを短時間
で行うことが生産性向上につながる。特に温度制御に求
められる性能として、ボートロード及びランプアップ時
において、目標温度に対し微少温度範囲内で安定するま
での時間(整定時間)の短縮がある。
【0009】そこで、ボートロード時及びランプアップ
時の整定時間の短縮を目的に、また保守作業などのため
に、半導体製造装置の設計技術者及び半導体製造現場の
作業員などは、炉内の温度を観察しながら、温度コント
ローラを操作することがたびたび必要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、温度
制御アルゴリズムの開発、及び温度制御操作方法の習得
については、図32に示したような装置を実際に使用
し、図33に示したようなプロセス処理を実行して温度
を制御していた。図32に示したような装置は大変高価
で、設置スペースも大きく、また図33(b)中の目標
温度T0 、T1 は300°C〜500°C(あるいは8
00〜1200℃)と大変高温で危険であり、有毒ガス
などを使用する装置もあるため、温度制御を行うには十
分な注意が必要となる。また、図33(a)に示したよ
うなプロセス処理は、ステップS1からステップS6ま
でで3〜6時間以上もかかるため、安全性向上・コスト
低減・作業時間短縮を実現する手段が求められていた。
【0011】この発明は、上記実情に鑑みて為されたも
ので、電気炉・ガス炉・蒸気炉などのプロセス装置にお
いて、実際の炉の温度変化と同等の応答を示す温度系シ
ミュレーションモデルを計算機上に作成することで実際
の炉を使用せずとも、温度制御アルゴリズムの開発、及
び温度制御操作方法の習得ができる温度制御シミュレー
ション方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、この発明に係る温度制御シミュレーション方法
は、ヒータ入力に対する炉内温度出力の関係を表す伝達
関数を、温度系模擬装置として使用することにより、加
熱炉の温度制御シミュレーションを行う温度制御シミュ
レーション方法であって、前記伝達関数の時定数がボー
トロード時における温度制御プロセスに対応して経時変
化するようにしたものである。
【0013】この発明の実施の形態では、伝達関数をヒ
ータ系伝達関数と炉内系伝達関数として、それぞれ、K
・exp(−Ls)/(1+Ts)と近似することによ
り、系全体の伝達関数を次式
【数1】 K1 ・exp(−L1 s)/(1+T1 s) ×K2 ・exp(−L2 s)/(1+T2 s) (1) とする。ここで、Kはゲイン、Tは時定数、Lは遅れを
表し、添え字1はヒータ系を、添え字2は炉内系のパラ
メータであることを示している。そして、かかる系全体
の伝達関数を求めて、その伝達関数を用いて、加熱炉の
温度制御シミュレーションを行うに際して、前記(1)
式の時定数T1 、T2 がそれぞれボートロード時におけ
る温度制御プロセスに対応して経時変化するようにした
ものである。ボートロード時における熱容量の増加をモ
デルで表現するために、伝達関数の時定数を経時変化さ
せている。
【0014】また、この発明は、請求項1記載の温度制
御シミュレーション方法において、前記経時変化は2次
遅れ曲線で与えられるものである。
【0015】この発明の実施の形態においては、
【数2】 1+{α・exp(−t/α)−β・exp(−t/β)}/(β−α) ………… (2) なる2次遅れ曲線関数とボートロード前後における時定
数Ta ,Tbを用いて、ボートロード時の時定数の経時
変化を表現することにしている。ここで、α、βは実験
的に求められる定数、tは時間である。
【0016】また、この発明は、ヒータ入力に対する炉
内温度出力の関係を表す伝達関数を、温度系模擬装置と
して使用することにより、加熱炉の温度制御シミュレー
ションを行う温度制御シミュレーション方法であって、
前記ヒータは複数の加熱ゾーンに対応して複数設けら
れ、前記伝達関数は加熱ゾーン間の干渉を含むものであ
る。
【0017】ヒータを複数の加熱ゾーンに設けると、あ
るゾーンのヒータにより他のゾーンの加熱ゾーンが影響
を受ける。このため、加熱ゾーン間の干渉を含む伝達関
数を設けるようにすることにより、伝達関数によるシミ
ュレーションを高精度に行うことができる。
【0018】また、この発明は、請求項3記載の温度制
御シミュレーション方法において、前記伝達関数を求め
る際に、前記複数のヒータの一つにステップ入力を加え
た場合の出力を、前記複数のヒータの全てにわたって求
め、これら求められた出力に基づいて、前記伝達関数を
求めるようにしたものである。
【0019】制御工学においては、周知のように、一次
遅れ伝達関数のゲイン、時定数、遅れは、ステップ入力
に対して、その応答から実験的に容易に知ることができ
る。
【0020】また、この発明は、請求項4記載の温度制
御シミュレーション方法において、前記伝達関数を各ヒ
ータのステップ応答から求めるに際し、各ヒータにステ
ップ入力を加えた場合の温度出力応答値を求めるととも
に、前記ステップ入力を加えるのと同時刻における入力
一定とした場合の各ヒータの温度出力の経時変化を求
め、前記温度出力応答値から前記経時変化を差し引いて
電源変動をキャンセルした値に基づいて前記伝達関数を
求めるようにしたものである。
【0021】このような構成によれば、ステップ入力か
ら伝達関数の各パラメータを求める際に、電源電圧の変
動による誤差をキャンセルすることができる。
【0022】また、この発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれかに記載の温度制御シミュレーション方法にお
いて、前記伝達関数は、複数の異なる温度帯に対応して
求められ、温度制御シミュレーションに際しては、前記
温度帯に対応して切替えて用いられるものである。
【0023】系の伝達関数を上記(1)式のような伝達
関数で近似する場合、系の温度帯において伝達関数のパ
ラメータが変動する。したがって、その近似をなるべく
正確に行うためには、制御に使用される温度帯の全領域
を複数の温度帯に分割し、各温度帯において、伝達関数
のパラメータを求めることが精度の向上化にとって望ま
しい。
【0024】また、この発明に係る温度制御シミュレー
ション装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
の温度制御シミュレーション方法に用いられる温度系模
擬装置と該温度系模擬装置からの出力に基づき、該模擬
装置への入力を定める温度コントローラとを備えたもの
である。
【0025】このような構成によれば、温度制御シミュ
レーションを実際の加熱炉の温度制御と同様に行うこと
ができ、教育実習効果を高めることができる。
【0026】なお、この発明の実施の形態における温度
制御シミュレーション装置においては、前記温度系模擬
装置で発生した温度情報を電圧信号に変換する変換手段
を有している。
【0027】また、この発明に係る半導体製造装置は、
請求項7に記載の温度制御シミュレーション装置を有す
るものである。
【0028】この発明の実施の形態においては、上記
(1)式において、まず、ステップ応答入力により、例
えば、図1に示される構成における、ヒータ熱電対出力
に基づいてヒータ系伝達関数を求め、次に、カスケード
熱電対出力(直列型伝達関数出力)と、既に求められて
いるヒータ系伝達関数とに基づいて炉内系伝達関数を求
めるようにしている。
【0029】なお、この発明の実施の形態に示される温
度制御シミュレーション装置は、図1に示されるよう
に、M(4個)の加熱ゾーンに分割されたヒータを用い
る炉において、任意の一個のヒータの電力をステップ状
に上昇させたときの加熱ゾーンの上昇温度パターンを、
それぞれのゾーンに設けられたN(4個×2)の温度計
(4個のヒータ熱電対と4個のカスケード熱電対)によ
り検出した結果を全てのヒータにわたり記憶し、上記記
憶したM×N個の上昇温度パターン結果から任意のヒー
タ入力に対する任意の加熱ゾーンの温度出力を得るM×
N個の伝達関数を近似的に求め、該各々の伝達関数を加
熱炉の温度系シミュレーションモデルとして計算機上に
実装したものである。
【0030】また、この発明の実施の形態に示される温
度制御シミュレーション装置において、熱処理対象の挿
入処理時の温度変化を、シミュレーションモデルの熱容
量を時変化させることで表現することにより、外乱時の
温度制御を計算機上でシミュレーションすることを可能
にしている。
【0031】また、この発明の実施の形態に示される温
度制御シミュレーション装置(システム)は、計算機に
実装された前記温度系模擬装置と前記炉の温度を制御す
るために設備される温度コントローラとを相互に接続
し、上記温度コントローラの実際の制御対象である炉に
替えて上記計算機に実装された温度系模擬装置を仮想上
の炉として制御対象とすることを可能にしている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
を用いて説明する。いずれの図面及び説明とも、図32
の縦型拡散装置(4ゾーン)を例として用いるが、縦型
装置以外の他の電気炉及びガス炉・蒸気炉などにも応用
できる。
【0033】図1はこの発明による温度系模擬装置に実
装される温度系シミュレーションシモデルの概略を示し
ている。図1において、190−1〜193−4はヒー
タ系伝達関数、194−1〜197−4は炉内系(カス
ケード系)伝達関数を示している。ヒータ入力A,B,
C,Dは、図32中の温度コントローラ1107からヒ
ータ1101へ送られる操作量(電力値)に対応してい
る。同様にヒータ出力E,F,G,Hは図32のヒータ
熱電対1102からの出力温度に、炉内温度出力I,
J,K,Lは図32のカスケード熱電対1105からの
出力温度にそれぞれ対応している。
【0034】図32の構造例からも明らかなように、各
ゾーンのヒータ1101への入力結果は、入力されたゾ
ーンのみならず、他のゾーンのヒータ熱電対1102及
びカスケード熱電対1105の出力温度にも影響を与え
る。このため、ヒータ系伝達関数190−1〜193−
4及び炉内系伝達関数194−1〜197−4は、他の
ゾーンへの干渉も考慮に入れたマトリクス状に構築され
ている。
【0035】すなわち、図1において、Gは伝達関数を
示し、それに付された添え字Hはヒータ系を表し、Pは
炉内系を示す。またU,CU,CL,Lはそれぞれのゾ
ーンを示し、_の前側のゾーンが出力側ゾーンを示し、
_の後側のゾーンが入力側を示している。例えば、ヒー
タ系伝達関数GHU_U(S)190−1は、Uゾーン入力
がUゾーンのヒータ熱電対出力Eに影響を及ぼす場合の
関係を示す伝達関数であり、ヒータ系伝達関数GHCU _U
(S)190−2は、Uゾーン入力がCUゾーンのヒー
タ熱電対出力に 影響を及ぼす場合の関係を示す伝達関
数を示している。
【0036】ヒータ系及び炉内系の直列型伝達関数を各
ゾーン毎に一つの伝達関数Gijで表した場合の構成を図
2に示す。図2において、伝達関数Gijは、図1におい
て直列に設けられたそれぞれのヒータ系伝達関数190
−1〜193−4とカスケード系伝達関数194−1〜
197−4とを掛け合わせて得られ、式Gij=GHij
Pij により得られる。ここで、jは入力ゾーンを表
し、iは出力ゾーンを表している。また、H,Pはそれ
ぞれヒータ系と炉内系(カスケード系)とを表してい
る。この構成により、上述のように各ゾーンへの入力
A,B,C,Dは、全ゾーン(U,CU,CL,L)へ
の伝達関数ブロック201−1、201−2、…、20
1−15、201−16により変換され、変換結果は各
ゾーンごとに加算器202−1、202−2、202−
3、202−4により加算され、それぞれのゾーン出力
I,J,K,Lとなる。また、ヒータ熱電対出力E〜H
は図1に示されるように加算器203−1〜203−4
の出力となっている。
【0037】そして、図2に示したような構成にするこ
とにより、各ゾーンの出力温度(カスケード熱電対出
力)は、実際の炉と同様、全ゾーンの入力から影響を受
けたものとなる。たとえばUゾーンの出力Iは、Uゾー
ンの入力Aを伝達関数ブロック201−1で変換した結
果と、CUゾーンの入力Bを伝達関数ブロック201−
5で変換した結果と、CLゾーンの入力Cを伝達関数ブ
ロック201−9で変換した結果と、Lゾーンの入力D
を伝達関数ブロック201−13で変換した結果を加算
器202−1で加算した結果となる。この関係を伝達関
数Gijを用いて表現すると、図3に示すようなマトリク
スにより表される。
【0038】次に、図1に示した伝達関数について説明
する。各伝達関数の内容を図4に示す。本装置における
伝達関数は、制御工学の分野において周知のように、図
4に示した「1次遅れ+むだ時間系」と呼ばれる伝達関
数により近似することができ、ゲイン(K)、時定数
(T)、むだ時間(L)の3つのパラメータを含んでい
る。ゲインは単位入力に対する出力の変化量、時定数は
単位入力開始から出力がゲインの約63%に変化するま
での時間、むだ時間は単位入力開始から出力が変化する
までの無反応時間を示す。図2、図3に示したように、
伝達関数はヒータ系・炉内系それぞれ4×4=16個あ
り、それぞれの伝達関数において入力と出力の関係から
上記3つのパラメータを決定する必要がある。
【0039】なお、上記シミュレーションモデルは、市
販の制御系設計汎用ソフトウェアを使用することで容易
に作成でき、パラメータを指定することでシミュレーシ
ョンを実行することができ、例えば、伝達関数のブロッ
クにゲインなどのパラメータを与え、入出力のブロック
を結線するだけでシミュレーションを実行することがで
きる。
【0040】次に、上記パラメータの決定方法を、実践
例をもとに説明する。はじめに、実際の装置を使用した
温度データの取得を行う。取得するデータは開ループに
よる〜ステップ応答(U,CU,CL,L各ゾーン
単独)、操作量一定の5種類で、測定はヒータ熱電対
及びカスケード熱電対とも全測定点とする。
【0041】ステップ応答は、安定時の操作量に1ゾー
ンのみ数%加えたときの温度変化を取得する。なお、こ
の場合、電源変動のために温度は完全には安定しない。
また、安定時の操作量は、閉ループ時における操作量で
固定して1時間ほど放置したものを使用する。PID制
御の場合において、微分動作(D動作)を行うと出力が
安定しないため、微分動作は行わないようにしておく。
操作量の変化幅が小さいと誤差の影響が大きくなるの
で、50〜100℃ほど変化が期待できる量を与える。
【0042】電気炉の温度変化は温度帯ごとに特性が異
なるので、モデルのパラメータも温度帯ごとに求める必
要がある。実際の装置を使用した温度データを取得する
際は温度帯を意識し、なるべく狭い範囲で取得する。例
えば100°C〜200°C程度の温度帯ごとに取得す
ることが望ましい。1つのデータの取得後は安定時の操
作量に戻し、温度が安定してから次の測定を行う。
【0043】また、開ループでのステップ応答のデータ
は、電源変動の影響を含んでいるので、操作量一定時の
温度変化を用いて補正する。補正は時間軸を合わせて行
うため、実際の装置を使用した温度データの取得は同じ
時間帯で行う(P.M.10:00から12時間な
ど)。
【0044】操作量一定時の温度変化の例を図5に示
す。ステップ入力開始がP.M.10:00ならば、こ
れと平行して操作量一定時のデータのP.M.10:0
0の温度を基準として、時間と温度変化量の関係を取得
する。たとえば、操作量一定時のP.M.10:00の
温度が400℃、P.M.11:00の温度が390℃
であった場合は、ステップ応答のデータのP.M.1
1:00の温度に(400−390)=10℃を加えて
補正する。
【0045】補正前のステップ応答データ、すなわち炉
内が例えば500°Cで安定した状態からP.M.1
0:00にCUゾーンの操作量を単位入力として+1%
加えたときの温度変化を図6、補正後のデータ、すなわ
ち図5の操作量一定時の温度変化から時間ごとの変動量
を算出し、その変動量を図6のステップ応答の開始から
順に加えて補正(例えば電源変動量をキャンセルするよ
うに減算)した結果を図7に示す。以上、図5〜図7に
示されるデータを他のゾーン(U,CL,Lゾーン)に
ついても同様にそれぞれ取得する。
【0046】次に、取得したデータからモデル(伝達関
数)のパラメータ(ゲイン・時定数・むだ時間)を求め
る。本モデルの全体系の各伝達関数は、(1)式に示し
たように、ヒータ系伝達関数と炉内系伝達関数が直列接
続された形を有しており、このようなモデルの構成か
ら、ヒータ系伝達関数のパラメータを求めた後、炉内系
伝達関数のパラメータを求める。
【0047】前述した補正後のステップ応答(CUゾー
ンのみ)を図8に示す。図示したように、ゲインは変化
が小さくなった範囲の平均値とする。平均値としたのは
誤差を低減するためであり、図8においては46.75
が得られている。むだ時間は、ステップ開始から温度が
変化し始めるまでの時間とする。誤差もあるので明確な
定義は難しいが、あまり長くすると干渉の影響が不自然
(でこぼした変化)になるので、長くて3分以内が適切
と思われる。ここでは、温度が上昇し始めるまでの時間
として0.5分が得られている。時定数はステップ開始
からゲイン(上記46.75)の63%に達するまでの
時間(厳密にはむだ時間を引いたもの)であり、ここで
は167分が得られている。以上により、GHCU _
CU(S)が求まる。以上の方法により、全てのヒータ系
伝達関数のパラメータを求める。
【0048】この場合、開ループでのデータは電源変動
などの誤差を依然含む可能性があるので、実際の装置を
使用して取得した閉ループ(PID制御などを行った場
合)のデータを参照して、パラメータの調整を行う。参
照する閉ループのデータは、モデルパラメータを求めた
温度帯での+100℃のステップ応答などとし、モデル
をヒータ系のみの閉ループでシミュレーションした結果
と比較しながら調整する。例えば、開ループデータ(操
作量一定時)を500°Cで取得した場合は、閉ループ
データの条件として450°Cから550°Cへのステ
ップ応答とする。実際に使用されている温度コントロー
ラと同等の動作をする温度コントローラを計算機上に作
成し、目標温度を閉ループのデータを取得したときと同
様に与えてシミュレーションをする。
【0049】調整するパラメータは時定数中心で、むだ
時間は微調整のみ、ゲインは長時間経過した結果なの
で、明らかに調整が必要なとき(ゲインが小さくて目標
値に到達しない場合)以外は行わない。
【0050】時定数の調整方法は、実際の装置で取得し
た温度データに比べて応答が遅い/速い場合には、主側
(U→U、CU→CUなど)を小さく/大きくする。一
方、他のゾーンへの干渉が強く、主側の調整のみでは誤
差が小さくならない場合には副側(U→CU、CU→U
など)をその干渉の程度を考慮して小さく/大きくす
る。
【0051】例えば、図2において、各ゾーンの出力は
各伝達関数の出力を加算したものであり、この出力と実
際のデータとを比較して違いを調整する。このとき、ど
の伝達関数のパラメータを調整するか判断するために、
加算する前の出力、つまり各伝達関数ごとの出力を観察
する。これは、たとえば、データとして記憶したり、グ
ラフに表示することにより行う。その結果、実測との違
いの主な原因と思われる伝達関数を特定し、その時定数
を調整する。
【0052】実例として、ヒータ系Uゾーンの調整の
際、各伝達関数の出力を観察した結果、CUゾーンの伝
達関数からの出力(干渉)が大きすぎるために、実測デ
ータよりも応答が速くなっていることが分かり、この時
定数を1.5倍してみたところ、まだ応答は速かったた
め、2倍、2.5倍としていき、最終的には3倍にした
ところで、誤差が小さくなった。
【0053】むだ時間については、入力後から温度が上
昇し始めるまでの時間を観察し、実際のデータに比べて
シミュレーション結果が遅い場合には、そのゾーンへの
主側の伝達関数のむだ時間を短くする。逆の場合は長く
する。また、干渉の影響で突然でこぼこした反応(むだ
時間が長すぎる場合に現れる)となった場合は、副側の
伝達関数のむだ時間を短くする。
【0054】ゲインについては、長時間経過した結果な
ので、明らかに調節が必要なとき以外は調節しない。ゲ
インが小さくて目標値に達しない場合は、該当ゾーンの
主側・副側のゲインを10〜20%程度(誤差程度)増
加させてみる。また、開ループデータの誤差原因も考え
られるので開データの再取得を行ってみる。開ループデ
ータの再取得を行ってみるのは、開ループデータは電源
変動や測定不可能な誤差を含んでいる可能性があり、場
合によってはデータの取得作業ミスを生じていることが
あるからである。以上の方法により、ヒータ系伝達関数
のパラメータを決定する。
【0055】次に、炉内系伝達関数のパラメータを求め
る。炉内系伝達関数のパラメータは、ヒータ系伝達関数
のパラメータを求めた場合と同様にして、制御系全体の
伝達関数パラメータを求め、このパラメータと既に求め
られたヒータ系伝達関数のパラメータを用いて求める。
【0056】制御系全体の伝達関数のゲインは、ヒータ
系伝達関数のゲインを求めたと同様に、補正後のステッ
プ応答データから求める。ヒータ系と同様に変化が小さ
くなった範囲の平均値を取得し、この平均値をヒータ系
のゲインで除したものを炉内系のゲインとする。これ
は、制御系を構成する伝達関数は、図1に示したように
ヒータ系伝達関数とその後に直列接続される炉内系伝達
関数とから構成されるためである。
【0057】たとえば、ヒータ系のゲインが40、制御
系全体のゲインが50の場合、50÷40=1.25を
炉内系のゲインとする。このとき、ヒータ系及び炉内系
の伝達関数において、入力ゾーンから出力ゾーンへの関
係は同一のものを使用する。たとえば、炉内系のUゾー
ンからCUゾーンへのゲインを求めるときは、ヒータ系
のUゾーンからCUゾーンへのゲインを使用する。
【0058】むだ時間は、温度が変化し始めるまでの時
間から、ヒータ系のむだ時間を引いたものとする(この
場合も入力ゾーンと出力ゾーンの関係は同一のものを使
用する)。時定数は、計算機上でシミュレーションして
求めた開ループのステップ応答結果と、実際の装置を使
用して求めた補正後のステップ応答データ(開ループデ
ータ)を比較しながら、カットアンドトライで求めてい
く。すなわち、炉内系マトリクス伝達関数の時定数は、
開ループデータとシミュレーション結果を比較しながら
求める。少し大きめの値を初期値として与え、開ループ
データと同様のステップ応答(操作量を+数%)をシミ
ュレーションする。
【0059】そして、この結果と開ループデータを比較
しながら徐々に時定数を小さく調整していき、時定数を
決定する。初期値の値は、制御対象の特性により異なる
が、時定数は熱容量と比例関係にあるので、構造上の特
性などを考慮して決定する。この実践例では、ヒータ系
の時定数が167分と求められたので、炉内系の時定数
はヒータ系に比べてかなり熱容量が小さいことから初期
値を10分として与えた。結果的には、上記カットアン
ドトライにより2分となった。
【0060】例えば、後述の図12、図13は、各々、
開ループでUゾーンに+1%の操作量を加えた場合の、
ヒータ系と系全体における各ゾーンの温度変化を表す
が、Uゾーンにおける炉内系のU−Uゲインは、図13
で系全体のゲインとして変化が小さくなった部分の平均
として16.19を求めて、ヒータ系のゲイン22.6
で除した結果の0.7163とする。むだ時間は、温度
が上がり始めるまでの大体の時間0.6分からヒータ系
の0.4分を引いた0.2分とする。時定数はヒータ系
の55分に対して、初期値5分(後で大小を調整するの
で適当な値でよい)としてモデルを設定し、開ループで
シミュレーションする。
【0061】そして、モデル出力と実測値とを比較て、
応答が速い場合は時定数を大きくし、遅いときは時定数
を小さくする。この例では、5分では遅すぎる結果、4
分、3分と調整して、最終的に1分で誤差が小さくな
り、この値を時定数としている。
【0062】また最後に、ヒータ系伝達関数と同様に、
閉ループのデータと比較しながらパラメータの調整を行
い、伝達関数のパラメータ算出が完了するが、パラメー
タは温度帯・プロセス条件・装置ごとに異なるので、シ
ミュレーションを実行する条件ごとに算出することが必
要となる。また、ここでは伝達関数のパラメータ決定方
法を実践例をもとに説明したが、伝達関数は入力と出力
の関係を表すものであるので、より正確に入力と出力の
関係を求めることのできる方法がある場合には、補正及
び置き換えることも可能である。また伝達関数を現代制
御理論に基づいた状態方程式に置き換えることも可能で
ある。
【0063】次に、温度制御に求められる性能の1つ
に、ボートロード時の整定時間短縮があるため、ボート
ロード時の温度変化をシミュレーションする必要があ
る。図9にボートロード時の炉内の温度変化の例を示
す。ボートロード時の温度変化の原因は、温度が安定し
た炉内に室温のウェーハを搭載したボートが挿入され
る。つまり熱容量が増加するためである。そこで、熱容
量の増加をモデルで表現するために、伝達関数の時定数
を時変化(時間経過とともに増加)させることにする。
時変化のパターンを図10に示す。図示したように、時
変化のパターンは2次遅れ曲線
【0064】
【数3】 1+{α・exp(−t/α)−β・exp(−t/β)}/(β−α)
【0065】とし、ボートロード後の時定数をTa 、ボ
ートロード前の時定数をTb とすると、ボートロード中
の時定数Tは、次の式により求まる。
【0066】
【数4】 T=(Ta −Tb )× 〔1+{α・exp(−t/α)−β・exp(−t/β)}/(β−α)〕 +Tb
【0067】ここで、Ta は、伝達関数を決定した時の
値(ボートが挿入された状態)であり、上記の式で未決
定な値は、Tb と、α,βである。そして、このTb
α,βを、実際にボートロードした時のデータを使用し
て求める。ボートロード時の温度低下が大きい場合に
は、Tb の値を、Ta と比較して小さく、すなわち(変
化量:Ta −Tb )の値を大きくし、逆に温度低下が小
さい時は、Ta と比較してあまり小さくない値とする。
すなわち(変化量:Ta −Tb )の値を小さくする。
【0068】α,βは、温度低下の変化の速さをあらわ
すパラメータであり、値が大きいと変化が遅く、小さい
と変化が速くなる。以上のことを考慮にいれて、実際の
データとシミュレーションの結果を比較しながら、カッ
トアンドトライで、Tb とα,βを決定する。なお、時
定数の時変化パターンを2次遅れ曲線で近似することと
したのは、変化開始時と変化終了時の角度変化をなめら
かにして、かつボートの動きが略等速であり熱容量の変
化を等速に近づけることにより実際の動作に近づけたた
めである。そして、こうして求められた時定数を用い
て、ボートロード時のモデルを構築する。
【0069】図32の炉構成をモデル化するため、モデ
ルから出力される熱電対出力は、ヒータ熱電対出力とカ
スケード熱電対出力が必要になる。一般的には、モデル
はUゾーンのみ示すと、図20(a)(図1と同様)の
ような構成で表現できるが、ボートロード時のように時
定数変化の必要な場合は、図20(a)の構成では、カ
スケード系(炉内)伝達関数の時定数が小さい場合、カ
スケード系伝達関数の時定数だけ変化させてもボートロ
ード時のカスケード熱電対出力における温度低下を表現
できない場合がある。そこで、この場合は、少し複雑に
なるが、図20(b)のようなモデルを適用する。
【0070】ここで、ヒータ系伝達関数は並列とされ、
一方はそのままヒータ熱電対の出力とし、もう一方は、
カスケード系伝達関数に接続し、カスケード熱電対の出
力とする。図20(b)の構成において、ヒータ系伝達
関数H2は、伝達関数パラメータ(K、T、L)につい
ては、H1と同一値を使用するが、時定数の時変化パラ
メータ(Tb 、α、β)は異なる値を使用する。このよ
うな構成によれば、ヒータ熱電対とカスケード熱電対の
時変化を切り離して調節することができ、カスケード系
伝達関数の時定数が小さい場合でも、ヒータ系伝達関数
H2とカスケード系伝達関数の時定数を時変化すること
で、カスケード熱電対出力における温度低下を表現でき
る。
【0071】なお、カスケード熱電対の測定温度からヒ
ータ系伝達関数を使用せず、直接カスケード系伝達関数
を求めるようなモデルとすれば、図21のように表され
る。また、上述した2つのモデルは、ボートロード時の
モデルとして説明したが、ボートロード時以外の状態に
ついても適用できることは言うまでもない。
【0072】次に、時変化パラメータの求め方について
説明する。ボートロード時のパラメータ決定手順につい
て説明する。 (1)まず、後述するヒータ制御方式でボートロード時
のデータを取得する。 (2)次に、取得したデータと、シミュレーション結果
(ヒータ制御方式によるヒータ系を制御)を比較しなが
ら、ヒータ伝達関数H1の時変化パラメータを求める。 (3)次に、後述するカスケード制御方式でボートロー
ド時のデータを取得する。 (4)そして、取得したデータと、シミュレーション結
果(カスケード制御方式で炉内系を制御)を比較しなが
ら、ヒータ伝達関数H2及びカスケード伝達関数の時変
化パラメータを求める。
【0073】以下に、上記のヒータ制御方式とカスケー
ド制御方式について説明する。ヒータ制御方式の説明図
を図22に示す。図22において、図32と同一対象物
には同一符号を付している。ヒータ制御方式は、ヒータ
熱電対の温度のみを制御する方式である(カスケード熱
電対の温度は測定することができるが、制御には使用し
ない)。そして、設定温度Yからヒータ熱電対の温度を
引いた値をPID演算処理し、ヒータへの操作量とす
る。
【0074】ヒータ制御方式でボートロードしたときの
温度変化をCUゾーンのみについて図24に示す。カス
ケード熱電対の温度を制御していないために、カスケー
ド熱電対の温度は大きく低下しているが、時間経過と共
に緩やかに元の温度に回復し、安定している。図24に
おけるヒータ熱電対の温度のみを拡大した図を図25に
示す。ヒータ熱電対はウェーハから遠い位置に設定され
ているために、ボートロードによる温度低下は小さくな
っている。この図25のようなヒータ熱電対の温度変化
から上記の手順(2)により、ヒータ伝達関数H1の時
変化パラメータを求める。
【0075】次に、カスケード制御方式について説明す
る。カスケード制御方式の説明図を図23に示す。図2
3においても、図32と同一対象物には同一符号を付し
ている。カスケード制御方式は、設定温度Yからカスケ
ード熱電対の温度を引いた値をPID演算処理し、更に
この値からヒータ熱電対の温度を引いた値をPID演算
処理し、ヒータへの操作量とする。カスケード制御方式
を使用することにより、炉内の温度を制御することがで
きる。ヒータ制御方式の存在意義としては、カスケード
熱電対に反応ガスが付着するなどの理由で、カスケード
熱電対が使用できず、ヒータ熱電対のみで制御する必要
がある場合などである。
【0076】カスケード制御方式でボートロードしたと
きの温度変化(CUゾーンのみ)を図26に示す。カス
ケード熱電対の温度を制御しているので、ヒータ制御方
式に比べカスケード熱電対の温度低下は小さくなってい
る。また、カスケード熱電対の温度をPID演算処理し
た結果を使用して、ヒータ熱電対の温度も制御している
ので、ヒータ制御方式と比較して、ヒータ熱電対の温度
変化も異なっている。このように、図26のヒータ熱電
対の温度変化から、ヒータ熱電対へのボートロードによ
る影響を推測することは不可能となるため、上記手順
(1)(2)において、ヒータ制御方式によるデータを
使用して、ヒータ系伝達関数H1の時変化パラメータを
求めている。
【0077】図26におけるカスケード熱電対の温度の
みを拡大した図を図27に示す。この温度変化から上記
の手順(4)によりヒータ系伝達関数H2及びカスケー
ド系伝達関数の時変化パラメータを求める。2つの伝達
関数のうち、まず始めにヒータ系伝達関数H2の時定数
を時変化させてパラメータを求める。次に、ヒータ系伝
達関数H2のパラメータはそのまま使用し、カスケード
系伝達関数の時定数を時変化させてパラメータを求め
る。2つの伝達関数の時変化のパラメータの求め方とし
て、ヒータ系伝達関数H2で大まかな温度変化を表現し
た後、カスケード伝達関数で微調整する手順で行う。場
合によっては、再度ヒータ系伝達関数H2を調整しても
よい。時変化パラメータの一例を次に示す。
【0078】時変化パラメータの一例(CUゾーンの
み) (Ta −Tb ),(α,β) (ヒータ系伝達関数H1) HU_cu= 3.5,(3,3.01) HCU_cu= 12,(2.15,2.16) HCL_cu= 6,(2.6,2.61) HL_cu= 4.8,(3.5,3.51)
【0079】(ヒータ系伝達関数H2) HU_cu2= 5,(1,1.01) HCU_cu2= 27,(1.7,1.71) HCL_cu2= 19.5,(1.3,1.31) HL_cu2= 20.5,(1.15,1.16)
【0080】(カスケード系伝達関数) PU_cu= 0.19,(1,1.01) PCU_cu= 0.78,(1.7,1.71) PCL_cu= 0.83,(1.3,1.31) PL_cu= 0.5,(1.15,1.16)
【0081】以上のパラメータの求め方について詳述す
る。図28(a)〜(d)にヒータ制御方式でのボート
ロード時の温度変化(ヒータ熱電対のみ)と、求めた時
変化パラメータを示している。ここで、例えば、「Uゾ
ーン HU_u,cu,cl,l=[(3,3.0
1),3.5,3.4]とあるのは、ヒータ系熱電対の
Uゾーンの出力として加算される伝達関数の時変化パラ
メータが、変化時定数が(3,3.01)で、変化量
(Ta −Tb )が3.5で、変化開始時間が3.4であ
ることを示している。求め方は、温度低下の変化の速さ
から変化時定数を、温度低下の大きさから変化量をそれ
ぞれカットアンドトライで求める。
【0082】次に、カスケード制御方式のデータを使用
し、ヒータ系伝達関数H2及びカスケード系伝達関数の
時変化パラメータを求める。図29(a)〜(d)にカ
スケード制御方式でのボートロード時の温度変化(カス
ケード熱電対のみ)と、求めた時変化パラメータを示し
ている。ここで、「Uゾーン HU2_u,cu,cl
= (1,1.01),5,2.4 、PU_u,cu,
cl,l= (1,1.01),0.19,2.4 」と
あるのは、上記のヒータ制御方式の場合と同様に、カス
ケード熱電対のUゾーンの出力として加算されるヒータ
系伝達関数H2の時変化パラメータが、変化時定数が
(1,1.01)で、変化量(Ta −Tb )が5で、変
化開始時間が2.4であることを示し、また、カスケー
ド系伝達関数の時変化パラメータが、変化時定数が
(1,1.01)で、変化量(Ta −Tb )が0.19
で、変化開始時間が2.4であることを示している。
【0083】求める順序は、始めにヒータ系伝達関数H
2の時変化パラメータを上記のヒータ系伝達関数H1と
同様に求める。もし、ヒータ系伝達関数H2の時定数を
時変化するだけで、実測データとシミュレーションデー
タの変化が同等となった場合は、ここで時変化パラメー
タを決定し、カスケード系伝達関数の時定数は時変化さ
せない。ある程度カットアンドトライを繰り返してシミ
ュレーション結果が実測データに近づかない場合は、カ
スケード系伝達関数の時定数の時変化パラメータを求め
る。求め方は、上記ヒータ系伝達関数H1、ヒータ系伝
達関数H2と同様であるが、変化時定数は調整の簡便さ
からヒータ系伝達関数H2と同じ値を使用する(もちろ
ん、別の値を使用してもよい)。もし、未だ実測データ
との違いがある場合は、再度ヒータ系伝達関数H2の時
変化パラメータを調整してもよいが、シミュレーション
結果が完全に実測データと一致することはあり得ないの
で、適当な許容範囲にある値を使用する。
【0084】上述のカットアンドトライ方法において
は、変化時定数は値が小さいときは変化が速く、大きい
ときは遅くなり、変化量は温度低下の大きさを意味して
おり、データとシミュレーション結果を比較しながら調
整していく。変化時定数は実際にボートロードしたとき
のデータから求める。まずゾーンごとにボートロード開
始から温度が低下するまでの時間を求める。これが時変
化の開始時間となる。次に変化時定数(α、β)及び変
化量に初期値を与えシミュレーションを行う。時定数の
時間変化をシミュレーションするには、開始時間からの
経過時間を入力し、そのときの時定数を出力した2次遅
れ関数をプログラム化し、この値を伝達関数で使用す
る。これは上述した市販のソフトウエアにより実現され
る。なお、カットアンドトライ方法において、時定数は
0以下の値を用いることができないため、カットアンド
トライにより調整する際は、0より大きい値を使用す
る。
【0085】具体的には、例えば、図30(図29に対
応)、図31はボートロードのときのカスケード温度を
示す図であり、図30は500°Cでボートロードした
場合のカスケード熱電対の温度であり、図31は0〜1
0分までを拡大した図である。ボートロード開始時間は
0分としている。図31より温度が低下するまでの時間
は[U,CU,CL,L]=[2.4分,2.1分,
1.4分,0.8分]と求められる。以上の時間より次
の処理を行う。
【0086】(1)ボートロード開始からの経過時間が
上記で求めた時間より小さい場合は、ボートロード前の
時定数を使用したシミュレーションを行う。 (2)ボートロード開始からの経過時間が上記で求めた
時間を越えた場合は、ボートロード前の時定数及びボー
トロード後の時定数、変化時定数(α,β)を上述した
2次遅れ関数に代入して算出した値を時定数として使用
する。
【0087】ちなみに、実例データでは、変化時定数
[α、β]および時定数の変化量は既述の図28、図2
9に示している。なお、これら図示された表示におい
て、上記において、U_は、Uゾーンの出力として加算
される伝達関数を意味しており、例えば、U_clはC
LゾーンからUゾーンへの干渉を出力する伝達関数を示
している。上記の例では、U・CU・CL・Lゾーンに
対する変化時定数、変化量はそれぞれ1つの値を用いて
いる。これは、それぞれのゾーンへのボートロードによ
る影響は、そのゾーンの出力として加算される量に平均
して影響するという考えと、調整の簡便さから共通の値
を使用したためである。この方法により、上記の例では
許容誤差範囲内(過度時10°C以内)となる結果だっ
たが、もちろん、すべてのパラメータを定義するように
してもよい。
【0088】また、上記、変化時定数の設定において
は、変化時定数(α、β)はなるべく互いに近い値、例
えば(2.9,3.0)などを設定する。近い値の方
が、変化が等速となり、実際に近くなる。また(β−
α)が分母にあるため、全く等しい場合は採用すること
ができない。調整方法については、値が小さいほど温度
低下が急になるので、実際のデータと比較し変化が遅い
ときには小さく、速いときには大きく調整する。初期値
は温度が低下し始めてから上昇に転じるまでの時間とす
る(例えば、低下してから上昇し始めるまでが3分なら
ば2.9と3.0とする。)変化量は温度低下の大きさ
を表しており、実際のデータと比較し、温度低下が小さ
いときには大きく、大きいときには小さく調整する。初
期値は時定数の10%程度とする(時定数が50なら5
とする)。
【0089】これらのパラメータは制御温度・ボートス
ピードごとに異なるので、条件を明確にしておく。以上
の手順により、温度安定時及びランプアップ時のみなら
ず、ボートロード時の温度変化も計算機上でシミュレー
ションすることができる。ここでは時変化のパターンを
2次遅れ曲線で表現したが、ボートの動きに応じて異な
る変化パターンを使用できる。
【0090】以上の手順により、図32に示した縦型拡
散装置(4ゾーン)の温度変化と同等の応答を示す温度
系シミュレーションモデルを計算機上に作成し、温度制
御を計算機上でシミュレーションすることができる。こ
こに記述した手順は、縦型拡散装置(4ゾーン)の場合
を例にしているが、すべての電気炉及びガス炉・蒸気炉
に応用可能である。
【0091】なお、図12〜図19は各ゾーンにおける
開ループの取得データ(操作量+1%とした場合)およ
びそこから求められた全ての伝達関数パラメータを示し
ている。図12,14,16,18はヒータ温度とヒー
タ系伝達関数パラメータを、図13,15,17,19
はカスケード温度とカスケード系(炉内系)伝達関数パ
ラメータを示している。各ゾーンごとにヒータ(ヒータ
系)温度とカスケード(炉内系)温度があり、グラフの
下に伝達関数パラメータ(U〜Lゾーン)が表示されて
いる。データが不規則となっているのは、電源変動が毎
回一定でなく、電源変動をキャンセルできないことによ
る。なお、各図に示された各パラメータK(ゲイン),
T(時定数),L(むだ時間)の値において、例えば図
14において示される*は乗算を意味しており、184
*3における「184」は開ループで取得したデータ、
「3」は閉ループのパラメータに調整すべく開ループデ
ータに乗算した値を示している。
【0092】次に、上記の温度系模擬装置を使用した、
温度制御シミュレーションシステム(シミュレーション
装置)について説明する。システムの構成を図11に示
す。図11は、上記の温度系模擬装置1003と、実際
の炉1001の温度を制御するために設備される温度コ
ントローラ1002とを相互に接続することで、上記温
度コントローラ1002の実際の制御対象である炉10
01に替えて上記計算機に実装された温度系模擬装置1
003を仮想上の炉として制御対象とすることを可能に
した温度制御シミュレーションシステムの構成図であ
る。すなわち、温度系模擬装置1003には、炉100
1の使用範囲温度全域にわたって、上述のように、各温
度帯、例えば一例として100℃毎に複数求められた各
ゾーンにおけるヒータ系伝達関数と炉内系伝達関数とが
実装(計算式として記憶)されている。以下に動作内容
を説明する。
【0093】温度系模擬装置1003と温度コントロー
ラ1002を通信ケーブル1004で接続し、温度系模
擬装置1003からは、温度コントローラ1002から
受信した操作量Xをヒータ系及び炉内系伝達関数100
6で変換した結果である温度Wを送信し、温度コントロ
ーラ1002からは、通常の温度制御と同様に、受信し
た温度Wと目標温度との差からPID演算などにより操
作量Vを算出して温度系模擬装置1003へ送信する。
通信は数ミリ秒〜数秒間隔ごとに行う。ヒータ系及び炉
内系伝達関数1006においては、シミュレーション開
始時には、炉内温度が既知であるとして所定の温度帯
(例えば、300℃を含む温度帯)における伝達関数が
使用されるが、その伝達関数によって算出される(操作
量を変換した結果)温度Wが変動(例えば上昇)し、そ
の温度Wが属する温度帯が異なるものとなった場合に
は、その時点より当該異なるものとなった温度帯に対応
する伝達関数が切り替えられて使用される。この伝達関
数の切り替えは、例えば、温度系模擬装置の中に備えら
れ、算出温度Wに基づいて区画された所定の温度帯を判
断し、この温度帯に従って伝達関数を切替え選択する伝
達関数切替手段により行われる。なお、上述した温度帯
の設定の仕方、伝達関数切替手段の構成は、一例であ
り、かかる構成によりこの発明が限定されないことは明
らかである。また、シミュレーションによる(炉の)温
度変化の範囲が小さいために、炉の温度特性が一定とみ
なされるような場合には、その全域において一つの伝達
関数を使用することもでき、このような場合は伝達関数
切替手段も不要となることは言うまでもない。
【0094】温度コントローラ1002は熱電対で検出
した起電力を入力する構造になっているので、この場
合、温度系模擬装置1003から送信された温度Wに対
応した電圧を発生させる入出力装置1005を、温度系
模擬装置1003と温度コントローラ1002との間に
設置する必要がある。このような構成にすることによ
り、実際の炉1001から送信される温度Uと温度系模
擬装置1003から送信される温度Wを同様に扱えるの
で、実際の温度コントローラ1002は、制御対象が実
際の炉1001なのか温度系模擬装置1003なのかを
意識する必要が無くなる。また、実際の温度コントロー
ラ1002を使用しているので、本シミュレーションシ
ステムによる温度制御の操作は、実際の製造現場などで
もそのまま利用できる。
【0095】以上の手順により、実際の炉を使用せずと
も、実際の温度コントローラを使用した温度制御の実行
及び操作方法などの教育が実行できる温度制御シミュレ
ーションシステムが構築できる。なお、以上において説
明された温度範囲は、一つの例であって、この発明は、
使用される温度制御の温度範囲に応じた任意の温度範囲
に適用できることは明らかである。また、実施の形態に
おいては、伝達関数のパラメータであるゲイン、時定数
をステップ応答により求めるようにしたが、この発明
は、例えば、システム同定理論による方法、すなわち、
あるパラメータを有する伝達関数モデルを用い、このモ
デルの入出力データが実測データに一致するようコンピ
ュータ上でパラメータを調整しつつ求めていく方法等も
適用することができる。
【0096】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、従来実際の装置を使用してのみ行っていた温度
制御方式開発及び操作方法などの教育の一部分を、計算
機上でのシミュレーションに置き換えることができるの
で、高温・有毒ガスなどの危険性を無くし、高価な装置
・設置面積などのコストを低減し、実際の装置を使用し
た場合に3〜6時間以上必要としていたプロセス実行時
間を5分〜1時間程度に短縮してプロセス処理の温度変
化をシミュレーションできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度系シミュレーションモデルの概略図であ
る。
【図2】ヒータ系伝達関数と炉内系伝達関数の直列型伝
達関数を示すブロック図である。
【図3】図2に示されるモデルの入出力関係をマトリク
スで示す図である。
【図4】各伝達関数の内容を示す図である。
【図5】操作量一定時の温度変化を表すグラフである。
【図6】補正前のステップ応答データを示す図である。
【図7】補正後のステップ応答データを示す図である。
【図8】補正後のステップ応答データ(1ゾーンのみ)
を示す図である。
【図9】ボートロード時の炉内の温度変化を表す図であ
る。
【図10】時定数の時変化パターンを表す図である。
【図11】温度制御シミュレーションシステムの構成図
である。
【図12】Uゾーンのヒータ系伝達関数を示すデータで
ある。
【図13】Uゾーンのヒータ系および炉内系の直列伝達
関数を示すデータである。
【図14】CUゾーンのヒータ系伝達関数を示すデータ
である。
【図15】CUゾーンのヒータ系および炉内系の直列伝
達関数を示すデータである。
【図16】CLゾーンのヒータ系伝達関数を示すデータ
である。
【図17】CLゾーンのヒータ系および炉内系の直列伝
達関数を示すデータである。
【図18】Lゾーンのヒータ系伝達関数を示すデータで
ある。
【図19】Lゾーンのヒータ系および炉内系の直列伝達
関数を示すデータである。
【図20】モデル構成の変形例を示すブロック図であ
る。
【図21】モデル構成の他の変形例を示すブロック図で
ある。
【図22】ヒータ制御方式の説明図である。
【図23】カスケード制御方式の説明図である。
【図24】ヒータ制御方式によりボートロードした時の
温度変化を示す図である。
【図25】ヒータ制御方式でボートロードした時の温度
変化を示す図である。
【図26】カスケード制御方式でボートロードした時の
温度変化を示す図である。
【図27】カスケード制御方式でボートロードした時の
温度変化を示す図である。
【図28】各ゾーンにおけるヒータ制御方式におけるボ
ートロード時の温度変化と時変化パラメータを示す図で
ある。
【図29】各ゾーンにおけるカスケード制御方式におけ
るボートロード時の温度変化と時変化パラメータを示す
図である。
【図30】ボートロード時のカスケード熱電対温度を示
す図である。
【図31】図20の拡大図である。
【図32】縦型拡散装置(4ゾーン)の構造例を示す図
である。
【図33】縦型装置で行われるプロセス処理の1例を表
す図である。
【符号の説明】
190−1〜193−4 ヒータ系伝達関数、194−
1〜197−4 カスケード系(炉内系)伝達関数、2
01−1〜201−16 直列型伝達関数、1002
温度コントローラ、1001 炉、1005 入出力装
置、1006ヒータ系及び炉内系伝達関数。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−198148(JP,A) 特開 平10−133705(JP,A) 特開 平7−219646(JP,A) 特開 平10−39728(JP,A) 特開 平9−44072(JP,A) 特開 平7−49650(JP,A) 富士総合研究所編「半導体素子設計シ ミュレータ」,丸善,平成3年8月25 日,p1,10 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/22 G06F 17/00 - 17/60 H01L 21/00 G05D 23/00 - 23/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータ入力に対する炉内温度出力の関係
    を表す伝達関数を、温度系模擬装置として使用すること
    により、加熱炉の温度制御シミュレーションを行う温度
    制御シミュレーション方法であって、 前記伝達関数の時定数がボートロード時における温度制
    御プロセスに対応して経時変化するようにした温度制御
    シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の温度制御シミュレーショ
    ン方法において、 前記経時変化は2次遅れ曲線で与えられる温度制御シミ
    ュレーション方法。
  3. 【請求項3】 ヒータ入力に対する炉内温度出力の関係
    を表す伝達関数を、温度系模擬装置として使用すること
    により、加熱炉の温度制御シミュレーションを行う温度
    制御シミュレーション方法であって、 前記ヒータは複数の加熱ゾーンに対応して複数設けら
    れ、前記伝達関数は加熱ゾーン間の干渉を含む温度制御
    シミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の温度制御シミュレーショ
    ン方法において、 前記伝達関数を求める際に、前記複数のヒータの一つに
    ステップ入力を加えた場合の出力を、前記複数のヒータ
    の全てにわたって求め、これら求められた出力に基づい
    て、前記伝達関数を求めるようにした温度制御シミュレ
    ーション方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の温度制御シミュレーショ
    ン方法において、 前記伝達関数を各ヒータのステップ応答から求めるに際
    し、各ヒータにステップ入力を加えた場合の温度出力応
    答値を求めるとともに、前記ステップ入力を加えるのと
    同時刻における入力一定とした場合の各ヒータの温度出
    力の経時変化を求め、前記温度出力応答値から前記経時
    変化を差し引いて電源変動をキャンセルした値に基づい
    て前記伝達関数を求めるようにした温度制御シミュレー
    ション方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の温度制御シミュレーション方法において、 前記伝達関数は、複数の異なる温度帯に対応して求めら
    れ、温度制御シミュレーションに際しては、前記温度帯
    に対応して切替えて用いられる温度制御シミュレーショ
    ン方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の温度制御シミュレーション方法に用いられる温度系模
    擬装置と該温度系模擬装置からの出力に基づき、該模擬
    装置への入力を定める温度コントローラとを備えた温度
    制御シミュレーション装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の温度制御シミュレーシ
    ョン装置を有する半導体製造装置。
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