JP3214068B2 - クリープ破断強度と延性に優れた高Crフェライト鋼の製造方法 - Google Patents
クリープ破断強度と延性に優れた高Crフェライト鋼の製造方法Info
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Description
度とクリープ破断延性を有し、ボイラ、原子力、化学工
業等の分野で、耐熱耐圧部材(鋼管、鋼板、鍛造材な
ど)として使用される高Crフェライト鋼の製造方法に関
する。
部材として使用される耐熱鋼は、高温強度、耐食・耐酸
化性、靱性が必要とされるが、更に、加工性、溶接性に
も優れ、かつ、安価であることも要求される。
は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系低合
金鋼、9〜12Cr系の高Crフェライト鋼がある。中でも高
Crフェライト鋼は 500〜 650℃の温度域で強度、耐食・
耐酸化性が低合金鋼より優れ、またオーステナイト鋼に
比べて熱伝導度が高く、熱膨張係数が小さいという長所
を有し、かつ、安価であるため、薄肉材から厚さ150mm
程度の厚肉材まで多方面で使われている。
は、9Cr−1Mo鋼(STBA26)、改良9Cr−1Mo鋼(ASTM SA
213 T91)、12Cr−1Mo鋼(DIN X20CrMoV121) などがあ
る。更に、高温強度を高める目的で、W、V、Nb、N等
を複合添加した鋼として特公昭62−8502号、特開平2−
310340号などの各公報に開示されている鋼がある。その
他に、本発明者らは、 600℃以上の高温での耐酸化性を
高めるためCuを添加した高強度高クロム鋼を提案した
(特開平2−232345号公報、同3− 97832号公報)。
に加え、靱性に有害なδ−フェライトの生成を抑制し、
高価なNiの添加を節約することができ、CやNiに比べ A
c1変態点を著しく下げることがないので高温焼もどしが
可能になる。なお、従来からCuの多量添加に伴う加工中
の延性の低下が指摘されていたが、本発明者らは、微量
のMgを複合添加することにより(前述の特開平2−2323
45号公報)、また、δフェライトを所定量含む組織とす
ることにより(同3− 97832号公報)、延性低下の問題
も解決できることを見出した。
ける最終の加工および熱処理の際のヒートパターンを示
す。従来の最終加工は、材料をAc3点以上の比較的高温
の1100〜1250℃の温度域で加熱した後、鍛造もしくは圧
延による熱間加工仕上げを行い、その後、冷却する。最
終加工は、通常は仕上げを目的としているので、10%以
下の軽度の圧下率で行う場合が多い。また、最終加工終
了温度も1000℃以下である場合が多い。冷却は放冷で、
厚肉材では1℃/min未満の徐冷になる。
の所定温度(通常 950〜1100℃)に加熱し、その温度で
保持した後、放冷する。この場合も、厚肉材では冷却時
間が長くなる。最後の焼もどしは、 750〜 800℃で行う
のが通常で、その後は空冷する。
ライト鋼の問題点として、長時間側のクリープ破断延性
およびクリープ破断強度の低下が指摘されている。これ
は組織の不均質性(結晶粒の粗大化、異常粒成長)、加
工時における粗大炭窒化物の凝集粗大化等によるもの
で、V、Nb、N、Mo、Wなどを添加した高強度鋼で起こ
り、特に、Cuを多量に添加した高Crフェライト鋼におい
て、材料のクリープ破断延性(破断絞り、伸び)の低下
が大きい。このような鋼のクリープ破断延性の改善法に
ついては従来ほとんど報告はなされていない。
の原因となるV、Nb、W、N、C、Cuなどの合金元素量
を抑制することが考えられる。しかし、これらの元素を
含有させるのは強度、耐食・耐酸化性などを向上させる
ためであるから、これらの元素を減らすことは鋼の基本
特性を損なうことになる。また、δ−フェライトを多量
に生成させることによってクリープ破断延性を大きくす
ることも考えられるが、この方法では靱性が低下し、特
に厚肉材では組織、靱性、強度の材質異方性が問題とな
る。さらに、δ−フェライト生成のための合金元素の添
加が必要となり、強度の点からも好ましくない場合があ
る。焼ならしを2回繰り返して組織を均質化し、結晶粒
を整粒化する方法が採られることがあるが、コストが嵩
み、かつ工程上の効率も悪くなる。
W、V、Nb、N等を添加して高温強度を高めた高Crフェ
ライト鋼における上記の問題、すなわち、クリープ破断
延性ならびにクリープ破断強度の低下を改善し、さらに
は、クリープ破断強度を向上させた高Crフェライト鋼を
製造すること、特に、従来はあまり用いられていないCu
を添加した高Crフェライト鋼の製造方法を提供すること
を目的とする。Cu添加鋼を対象とするのは、前述のCu添
加の効果(耐酸化性の改善、靱性に有害なδ−フェライ
トの生成の抑制、Ni添加量の節約など)により高Crフェ
ライト鋼の耐熱温度を高め、安価な厚肉材への適用な
ど、用途の拡大が期待されるからである。
めに、種々試験を行った結果、以下の新たな知見が得ら
れた。
フェライト鋼に比べて、高温強度に優れ、かつ耐食・耐
酸化性を高めるためにはCuの添加が必須である。
工中の炭窒化物の凝集粗大化の抑制が有効である。その
ために、最終加工温度を1000℃以上、加工終了温度を 9
00℃以上、加工度を15%以上とし、加工後は1℃/min以
上の冷却速度で冷却するのがよい。
出の抑制と、炭窒化物の微細析出による結晶粒の整粒化
の観点から、焼ならしは、 700〜 850℃に予備加熱した
後1000〜1150℃の温度域で保持し、1℃/min以上の冷却
速度で急冷するのがよい。
で少なくとも1回以上行うことにより、前記の高温強度
を高めた高Crフェライト鋼のクリープ破断延性の低下を
防ぎ、さらにはこれを高めることができる。
ので、その要旨は下記の高Crフェライト鋼の製造方法に
ある。
下、Mn: 1.5%以下、Ni:1%以下、Cr:8〜14%、M
o:0.01〜3%、V: 0.1〜 0.3%、Nb:0.01〜0.2
%、N:0.001〜0.1 %、Al: 0.001〜0.05%、Cu:0.0
1〜3.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなり、不純物中のPが 0.025%以下、Sが 0.015%以
下、O(酸素)が 0.015%以下である高Crフェライト鋼
の最終熱間加工において、1100〜1250℃で1分以上加熱
保持した後、1000℃以上で15%以上の加工を行い、1℃
/ min 以上の冷却速度で冷却した後、焼ならしを、 700
〜 850℃に予備加熱して1分以上保持し、続いて1000〜
1150℃に1分以上加熱保持した後1℃/min以上の冷却速
度で冷却することにより行い、最終焼もどしを 650〜 8
50℃の温度で行うことを特徴とするクリープ破断強度と
延性に優れた高Crフェライト鋼の製造方法。
のW、0.0001〜0.02重量%のBのいずれか一方、または
双方を含む高Crフェライト鋼に前記のような加工および
熱処理を施してもよい。
ト鋼の化学組成と製造の際の最終加工および熱処理条件
を上記のように定めた理由を説明する。
それ自身がオーステナイト安定化元素としてマルテンサ
イト組織を安定化する。0.02重量%未満(以下、合金元
素の「%」は「重量%」を意味する)では炭化物の析出
量が少なく、δ−フェライトが多量に生成して強度と靱
性が低下する。また、0.20%を超える場合は、鋼が著し
く硬化して延性、溶接性、加工性が低下する。したがっ
て、Cの含有量は0.02〜0.20%、好ましくは0.06〜0.13
%とする。
ために不可欠な元素である。8%未満では高Crフェライ
ト鋼としての十分な耐酸化性、耐食性が得られず、一
方、14%を超えるとδ−フェライト量の増加により強
度、加工性、靱性が損なわれる。したがって、Cr含有量
は8〜14%、好ましくは 8.5〜12.5%とする。
蒸気酸化性を高める元素であるが、1%を超えると靱性
が著しく低下し、クリープ破断強度に対しても有害であ
る。特に厚肉材ではδ−フェライトの生成の抑制、長時
間加熱脆化の抑制の観点から低く抑える方がよい。靱性
を重視するならば 0.1%以下、耐水蒸気酸化を重視する
ならば0.2 〜 0.4%とするのが好ましい。
化に有効であるが、 1.5%を超えると鋼を硬化させ、加
工性、溶接性、クリープ破断強度を損なう。したがっ
て、Mnの含有量は 1.5%以下とする。好ましくは 0.4〜
0.7%である。
δ−フェライトの生成を抑制し、マルテンサイト組織を
安定にする。しかし、その含有量が1%を超えると、炭
化物の成長粗大化を促進してクリープ破断強度が低下す
る。また、 Ac1変態点を下げ十分な焼もどし処理ができ
なくなるほか、経済的にも不利である。したがって、Ni
含有量は1%以下、好ましくは 0.1〜 0.8%とする。さ
らに好ましくは、Cu添加鋼の熱間加工性を改善するため
に、Cu含有量に見合ったNiを、具体的には、Cu/Ni=
2.5〜 4.5(重量%比)を満たすNiを含有させるとよ
い。
強化元素としてクリープ破断強度の向上に有効な元素で
ある。しかし、0.01%未満では上記効果は得られず、一
方、3%を超えて含有させるとδ−フェライトが多量に
生成して鋼が硬化し、靱性、延性、加工性が低下する。
よって、Mo含有量は0.01〜3%、好ましくは 0.8〜 2.2
%とする。
あるが、この場合は、Moの含有量は0.1〜 1.2%でもよ
く、Mo+ 1/2W=1.2 〜 1.8%とする。
微細析出物を形成し、高温、長時間側のクリープ破断強
度の向上に大きく寄与する。 0.1%未満では十分な効果
が得られず、 0.3%を超える場合には固溶Vが増加して
かえって強度は損なわれる。したがって、V含有量は
0.1〜 0.3%とする。
(C、N)の微細析出物を形成し、クリープ破断強度の
向上に大きく寄与する。さらに、結晶粒を微細化し、靱
性改善にも有効である。0.01%未満では上記効果は得ら
れず、 0.2%を超える場合は焼ならし処理で未固溶NbC
が増え、強度、延性、溶接性が損なわれる。したがっ
て、Nb含有量は0.01〜 0.2%、好ましくは0.02〜0.08%
とする。
し、クリープ破断強度の向上に寄与するが、 0.001%未
満ではその効果が認められない。一方、 0.1%を超える
場合はクリープ破断延性、溶接性、加工性が著しく損な
われる。したがって、N含有量は0.001〜 0.1%、好ま
しくは0.02〜0.06%とする。
加されるが、その含有量が 0.001%未満では脱酸が十分
行われず、靱性、延性、強度が損なわれる。また、0.05
%を超えるとクリープ破断強度が低下するので、Al含有
量は 0.001〜0.05%とする。
れる高Crフェライト鋼の基本成分の一つで、次のような
作用効果を有する。即ち、(a) δ−フェライトの生成を
抑制し、靱性を改善する。(b) 600℃以上での耐酸化性
を高める。(c) 溶接部の軟化層の形成を抑制し、溶接継
手のクリープ破断強度を改善する。しかし、0.01%未満
では上記の効果は得られず、 3.5%を超えると熱間加工
性が著しく劣化するばかりか、クリープ破断延性も低下
し、クリープ破断強度の低下が大きくなる。したがっ
て、Cuの含有量は0.01〜 3.5%とする。好ましくは 0.3
〜 2.2%である。
一方、または双方を必要に応じて添加することができ
る。
化物析出強化元素としてクリープ破断強度の向上に有効
であり、特に高温側のクリープ破断強度の改善にはWの
多量添加が好ましい。通常、Moの一部もしくは大部分と
置換して添加する場合、Moの2倍(重量%比)の添加が
必要である。しかし、その含有量が3%を超えるとクリ
ープ破断延性や靱性の低下が著しい。また、0.01%未満
では上記の効果が得られない。したがって、W含有量は
0.01〜3%とする。強度を重視するなら 0.8〜 2.2%含
有させ、かつ、Mo+ 1/2W= 1.2〜 1.8%とするのが好
ましい。
定化させる効果がある。0.0001%未満では上記効果は小
さく、0.02%を超えるとクリープ破断延性、加工性、溶
接性を著しく損なうので、Bを添加する場合はその含有
量は0.0001〜0.02%とする。好ましくは 0.001〜 0.004
%である。
て、La、Ce、Ca、Zr、Ti、Y、TaおよびMgを各々 0.2%
まで含有させてもよい。これらの元素は鋼中のP、S、
Oなどの不純物元素と結合してこれらを安定化し、延
性、靱性、強度を向上させる働きがある。
ト鋼は、前述の成分のほか、残部はFeと不可避的不純物
からなる鋼である。不純物として代表的なものはP、S
およびO(酸素)である。これらはクリープ破断延性、
靱性、加工性、溶接性の点からできる限り低減させるこ
とが望ましく、Pは 0.025%以下、Sは 0.015%以下、
Oは 0.015%以下とする。
規定する範囲で含有する鋼を対象として、下記の最終加
工および熱処理を行うことを特徴とする。
って行えばよく、何らの制限もされない。すなわち、鋳
塊もしくは鋳片を分塊圧延あるいは鍛造等の熱間加工に
よって所定形状寸法の素材とし、この素材を、例えば、
エルハルト・プッシュベンチ法に代表される押抜き製管
法、ユジーン・セジュルネ法に代表される押出し製管
法、マンネスマン・プラグミル法に代表される斜傾ロー
ル穿孔圧延製管法等の熱間加工手段によって所定寸法の
素管に仕上げる等、所定の中間製品とし、この中間製品
を次に述べる最終加工に供すればよい。
性を改善するためには、組織を均一にし結晶粒の成長を
抑制して整粒化するととに、Cuの析出および偏析等を防
止しなければならない。そのためには最終熱間加工にお
いて従来より高めの温度で比較的強圧下加工を施し、合
金元素の拡散を促すとともに炭窒化物の粗大化を抑制す
る必要がある。1100℃未満の加熱では合金元素の凝固偏
析、粗大析出物の固溶が十分でなく、強度および延性低
下の原因となる。一方、1250℃を超える温度域で加熱す
るとδ−フェライトが多量に生成し、靱性、強度が低下
する。したがって、最終熱間加工前の加熱温度は1100〜
1250℃とする。
散させて組織を均質化するために、比較的強圧下の15%
以上とする。15%未満の軽圧下では十分な強度、延性が
得られない。また、加工終了温度は1000℃以上とする。
1000℃未満で加工を行うと変形組織が残存し、炭窒化物
の析出が起こって強度、延性を損なうからである。
合、冷却中に炭窒化物やCu相が析出し、延性が著しく損
なわれるので、1℃/min以上とする。なお、冷却速度と
は、材料の肉厚中央部が 800℃から 500℃まで冷却され
る際の平均の冷却速度を目安とする。
により行い、次いで、焼きもどしを行う。
熱してCu相の析出を抑制し、かつV、Nb炭窒化物の微細
析出を起こさせ、続く1000〜1150℃での加熱により、異
常結晶粒の成長を抑制して、整粒化することにより、ク
リープ破断延性ならびにクリープ破断強度を改善するこ
とができる。
の析出が不十分で上記の効果が得られないばかりか、Cu
相の析出によりクリープ破断延性は低下する。一方、 8
50℃を超える場合は炭窒化物の析出が減少し、やはり効
果は期待できない。予備加熱時の保持時間は1分以上と
する。1分未満では析出が不十分で、上記の効果は得ら
れない。
は、予備加熱で析出させた炭窒化物が粗大化してしま
い、次の焼もどし中の微細分散析出量が減少して強度が
著しく損なわれる。一方、1250℃を超えるとδ−フェラ
イト量の増加、結晶粒粗大化により靱性、延性が損なわ
れる。よって焼きならし時の加熱温度は1000〜1150℃と
する。加熱時の保持時間は1分以上とする。好ましく
は、例えば25mmの板厚に対して 0.5時間とする。
物、Cu相の析出を抑制するために1℃/min以上とする。
よく、 650〜 850℃とする。 650℃未満では十分焼もど
しされず、長時間側でのクリープ破断強度の低下原因と
なる。一方、上限は Ac1点以下とすべきで、 850℃を超
えるともはや微細炭窒化物が析出しない。Cu相の析出を
抑制するため、 770〜 820℃とするのが好ましい。
Gを 150kg真空溶解炉で溶解し、インゴットを1150〜 9
50℃で熱間鍛造して厚さ60mm、幅 100mm、長さ 500mmの
圧延ブロックに加工した。A〜F鋼が本発明対象鋼、G
鋼は比較鋼である。
〜 (ニ) にそれぞれ例示するヒートパターンで熱間圧延
と焼ならしおよび焼もどし処理を実施した。 (イ) が従
来法、 (ロ) と (ハ) が本発明例で、それぞれ本発明法
1、本発明法2とする。 (ニ) が比較法である。
板材の肉厚中央部から、長手方向に6mmφ×30mmGLの引
張試験片を採取して、クリープ破断試験に供した。クリ
ープ破断試験条件は 600℃×16kgf/mm2 、 650℃×7kg
f/mm2 で、最長 30000時間を超える長時間試験を行い、
クリープ破断延性(伸び、絞り)と強度(破断時間)を
測定した。
クリープ条件でのクリープ破断時間と破断絞りを方法別
および鋼種別に比較して図3、図4に示す。
成が異なるため比較できないが、同一鋼の中でみると従
来法、比較法に比べ本発明方法を適用した場合、強度の
向上が明白である。特に、図2の本発明法2を適用した
場合、強度が高くなっている。これは最終熱間加工温度
と加工度(圧下率)を高め、かつ急冷した効果によるも
のと考えられる。また、本発明対象外のG鋼は元来強度
が低く、本発明の効果は認められない。
Cu添加量の高い材料で低い値を示している。また 600℃
に比べ 650℃の方が絞り、伸びとも値が低い。しかし、
A〜F鋼いずれについても、本発明方法の適用により、
延性、特に絞りが向上している。
場合は、従来法に比べ延性が若干改善されてはいるが、
本発明方法の場合ほど向上はしない。それは焼きならし
の予備加熱温度が 650℃と低いために炭窒化物の析出が
不十分だからである。また、比較のG鋼の場合は、本発
明法によっても延性の向上は認められない。
明方法を適用すれば、クリープ破断延性ならびにクリー
プ破断強度の低下を改善することができる。特に、Cuを
含む鋼に関して、合金成分を追加し、あるいは増減させ
ることなく、長時間高温クリープ破断延性および強度を
著しく向上させることができる。
は、ボイラ、原子力、化学工業用の耐熱耐圧部材(鋼
管、板、鍛造品など)として好適で、これら部材の耐久
性と信頼性の向上に大きく寄与することができる。
工および熱処理の際のヒートパターンの一例を示す図で
ある。
おける加工および熱処理の際のヒートパターンの一例を
示す図で、 (イ) は従来法、 (ロ) は本発明法1、
(ハ) は本発明法2、 (ニ) は比較法による場合であ
る。
m2 )によるクリープ破断時間の比較図である。
m2 )によるクリープ破断絞りの比較図である。
m2 )によるクリープ破断時間の比較図である。
m2 )によるクリープ破断絞りの比較図である。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で、C:0.02〜0.20%、Si:1%以
下、Mn: 1.5%以下、Ni:1%以下、Cr:8〜14%、M
o:0.01〜3%、V: 0.1〜 0.3%、Nb:0.01〜0.2
%、N:0.001〜0.1 %、Al: 0.001〜0.05%、Cu:0.0
1〜3.5 %を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物か
らなり、不純物中のPが 0.025%以下、Sが 0.015%以
下、O(酸素)が 0.015%以下である高Crフェライト鋼
の最終熱間加工において、1100〜1250℃で1分以上加熱
保持した後、1000℃以上で15%以上の加工を行い、1℃
/ min 以上の冷却速度で冷却した後、焼ならしを、 700
〜 850℃に予備加熱して1分以上保持し、続いて1000〜
1150℃に1分以上加熱保持した後1℃/min以上の冷却速
度で冷却することにより行い、最終焼もどしを 650〜 8
50℃の温度で行うことを特徴とするクリープ破断強度と
延性に優れた高Crフェライト鋼の製造方法。 - 【請求項2】請求項1の成分に加えて更に、0.01〜3重
量%のWを含有する高Crフェライト鋼の最終熱間加工に
おいて、1100〜1250℃で1分以上加熱保持した後、1000
℃以上で15%以上の加工を行い、1℃/ min 以上の冷却
速度で冷却した後、焼ならしを、 700〜 850℃に予備加
熱して1分以上保持し、続いて1000〜1150℃に1分以上
加熱保持した後1℃/min以上の冷却速度で冷却すること
により行い、最終焼もどしを 650〜 850℃の温度で行う
ことを特徴とするクリープ破断強度と延性に優れた高Cr
フェライト鋼の製造方法。 - 【請求項3】請求項1の成分に加えて更に、0.0001〜0.
02重量%のBを含有する高Crフェライト鋼の最終熱間加
工において、1100〜1250℃で1分以上加熱保持した後、
1000℃以上で15%以上の加工を行い、1℃/ min 以上の
冷却速度で冷却した後、焼ならしを、 700〜 850℃に予
備加熱して1分以上保持し、続いて1000〜1150℃に1分
以上加熱保持した後1℃/min以上の冷却速度で冷却する
ことにより行い、最終焼もどしを 650〜 850℃の温度で
行うことを特徴とするクリープ破断強度と延性に優れた
高Crフェライト鋼の製造方法。 - 【請求項4】請求項1の成分に加えて更に、0.01〜3重
量%のWおよび0.0001〜0.02重量%のBを含有する高Cr
フェライト鋼の最終熱間加工において、1100〜1250℃で
1分以上加熱保持した後、1000℃以上で15%以上の加工
を行い、1℃/ min 以上の冷却速度で冷却した後、焼な
らしを、 700〜 850℃に予備加熱して1分以上保持し、
続いて1000〜1150℃に1分以上加熱保持した後1℃/min
以上の冷却速度で冷却することにより行い、最終焼もど
しを 650〜 850℃の温度で行うことを特徴とするクリー
プ破断強度と延性に優れた高Crフェライト鋼の製造方
法。
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