JP3208051B2 - 熱的安定性に優れた鉄基非晶質合金 - Google Patents
熱的安定性に優れた鉄基非晶質合金Info
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Description
鉄基非晶質合金に関するものである。
ロール法等を用いて 105〜106 ℃/s程度の冷却速度で急
冷凝固させると、板厚が数μm 程度で、原子の配列が無
秩序ないわゆる非晶質合金薄帯が得られる。このような
非晶質合金薄帯は、磁化され易く、鉄損および磁束密度
等のいわゆる磁気特性に優れることから、トランス用鉄
心材料として一部実用化されるに至っている。
非晶質合金薄帯は、ある程度低い鉄損値は得られるもの
の、その改善効果には限度があり、3元系ではそれ以上
低い鉄損は期待できないという問題があった。
成分として種々の元素の添加が試みられている。たとえ
ば、特開昭57−145964号公報では、Fe−B−SiにCを添
加することによって、鉄損特性および熱的安定性の改善
を図っている。また、特開昭61−136660号公報のよう
に、Fe−B−SiにMnを添加することによって、絶縁被膜
特性の改善を図ったものも提案されている。
たような組成の合金でもなお、50〜120 ℃というトラン
スの動作温度においては、十分に満足のいく磁気特性を
得ることは難しかった。この発明は、上記の問題を有利
に解決するもので、室温よりも高い温度で作動する実機
トランスの鉄心に使用した場合であっても磁気特性に優
れる、熱的安定性に優れた鉄基非晶質合金を提案するこ
とを目的とする。
の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、Fe−B−Si
−C系非晶質合金において、高温の動作温度で磁気特性
が劣化する原因すなわち熱的安定性の劣化原因は、磁気
特性の向上のために添加されたCにあることが究明され
た。そこで、発明者らは次に、かかるCの特性改善効果
を損なうことなしに、熱的安定性の劣化を補償し得る第
5成分について検討を重ねた。その結果、Mnを少量複合
添加してやれば、熱的安定性の劣化が有利に解消され
て、実機トランスに適用した場合であっても優れた磁気
特性が得られることの知見を得た。この発明は、上記の
知見に立脚するものである。
けるW13/50 が0.12W/kg以下で、かつB10が1.50T以上
を満足してなる熱安定性に優れた低鉄損鉄基非晶質合金
である。
は、上掲化学式において、添字a〜eで示したFe, B,
Si, CおよびMnの含有量がそれぞれ、 79≦a≦81at% 9≦b≦13at% 7≦c≦11at% 0.2≦d≦1.0 at% 0.2≦e≦1.0 at% を満足する範囲であり、さらに好ましい組成範囲は、 79.5≦a≦80.5at% 10.5≦b≦11.5at% 7.5≦c≦8.5 at% 0.2≦d≦1.0 at% 0.2≦e≦1.0 at% を満足する範囲である。
ついて説明する。Fe−B−Si合金に、CおよびMnを種々
の範囲で添加した合金溶湯を、単ロール法により、およ
そ 106℃/sの冷却速度で急冷することにより、厚み:約
25μm の非晶質合金薄帯を製造した。得られた各薄帯の
100℃におけるW13/50(50Hz, 1.3Tにおける鉄損)お
よびB10(外部磁界1000 A/mにおける磁束密度)につい
て調べた結果を図1(a), (b)に示す。同図より明らかな
ように、C添加による熱安定性の劣化がMnを添加するこ
とによって軽減され、特にMn:0.2 〜1.0 at%の範囲に
おいて良好な結果が得られることが判明した。
囲に限定した理由は次のとおりである。 Fe:78〜82at% Feは、磁性材料としての性質を決定する上で重要な元素
である。このFe量が、78at%未満では磁束密度の低下が
無視できなくなり、トランス等への応用上問題が生じ、
一方82at%を超えると磁気特性のみならず熱的安定性の
劣化を招くのでFe含有量は78〜82at%の範囲に限定し
た。なお、近年では、トランス等の動作磁束密度を高く
することにより小型化が可能なことから高磁束密度が望
まれているが、かような場合にはFe含有量は80〜82at%
とすることが望ましい。また、Fe量が81at%を超えると
鉄損が幾分増加するので、鉄損と磁束密度の両者を満足
するには、79〜81at%より好ましくは79.5〜80.5at%と
することが望ましい。
有量が9at%未満では非晶質化が困難となり、一方15%
を超えると磁束密度が下がり、また熱的安定性も劣化す
るので、B量は9〜15at%の範囲に限定した。より好ま
しい範囲は9〜13at%であり、さらに好ましくは10.5〜
11.5at%の範囲である。
熱的安定化に有用な元素であるが、含有量が5at%に満
たないとキュリー温度が低くなって、良好な熱的安定性
が得られず、一方12at%を超えると磁束密度の低下を招
くので、Si量は5〜12at%の範囲に限定した。より好ま
しい範囲は7〜11at%であり、さらに好ましくは 7.5〜
8.5 at%の範囲である。
あるが、その一方で該特性の熱的安定性の劣化を招く元
素でもある。磁気特性の向上のためには、少なくとも
0.2at%の添加を必要とするが、 1.0at%を超えると後
述するMnの添加によっても熱的安定性の劣化を阻止でき
なくなるので、含有量は 0.2〜1.0 at%の範囲に限定し
た。より好ましくは 0.4〜0.6 at%の範囲である。
添加によって、C添加に起因した熱的安定性の劣化を効
果的に防止することができる。ここに、上記の効果を得
るには少なくとも 0.2at%の添加を必要とするが、 1.0
at%を超えて含有されるとかえって磁束密度の低下を招
くので、Mn量は 0.2〜1.0 at%の範囲に限定した。より
好ましくは 0.3〜0.5 at%の範囲である。
ついて述べたが、最適の成分組成はFe80B11Si8 C0.5M
n0.5で示される組成である。
明する。非晶質化法については、特に限定されるもので
はなく、従来公知の単ロール法や双ロール法等いずれも
が使用でき、かかる方法を用いて所定組成の合金溶湯を
急冷凝固することにより、非晶質合金とすることができ
る。その後、磁気特性の向上のために、通常、磁場中で
歪取り焼鈍を施すが、その際の処理温度は 300〜450 ℃
程度とするのが好ましい。というのは、処理温度が300
℃に満たないと導入された歪を十分に取り去ることがで
きず、一方 450℃を超えると結晶化が生じて磁気特性が
劣化するおそれが大きいからである。
35 m/sの周速度で回転する単ロール上に射出し、急冷凝
固させて厚さ:20〜30μm の非晶質合金薄帯とした後、
350〜400 ℃の温度にて1時間の磁場中焼鈍を施した。
得られた各薄帯の 100℃における、鉄損W13/50 および
磁束密度B10について調べた結果を表1に併記する。
非晶質合金薄帯はいずれも、優れたW13/50 およびB10
が得られた。とくに、Fe含有量が80at%以上のものはB
10値に優れていた。
果を、図2に示す。同図より明らかなように、この発明
に従いCおよびMnを複合添加した場合は、広い温度範囲
にわたって高い磁束密度を維持できたのに対し、比較例
はいずれも、温度上昇に伴う磁束密度の低下が著しく、
100℃において 1.5T以上のB10を得ることはできなか
った。
−C系非晶質合金にMnを適量含有させることによって、
磁気特性の熱的安定性を格段に向上させることができる
ので、C添加による磁気特性向上効果を最大限発揮させ
ることができ、その結果 100℃程度の高温においても、
優れた鉄損および磁束密度を得ることができる。
13/50 および磁束密度B10に及ぼす影響を示したグラフ
である。
温度特性を比較して示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】化学式:Fea Bb Sic Cd Mne ここで 78≦a≦82at% 9≦b≦15at% 5≦c≦12at% 0.2≦d≦1.0 at% 0.2≦e≦1.0 at%で示される組成になり、 100℃にお
けるW13/50 が0.12W/kg以下で、かつB10が1.50T以上
を満足してなる熱安定性に優れた鉄基非晶質合金。 - 【請求項2】 請求項1において、添字a〜eで示した
Fe, B, Si, CおよびMnの含有量がそれぞれ、 79≦a≦81at% 9≦b≦13at% 7≦c≦11at% 0.2≦d≦1.0 at% 0.2≦e≦1.0 at% の範囲を満足する熱安定性に優れた鉄基非晶質合金。 - 【請求項3】 請求項1において、添字a〜eで示した
Fe, B, Si, CおよびMnの含有量がそれぞれ、 79.5≦a≦80.5at% 10.5≦b≦11.5at% 7.5≦c≦8.5 at% 0.2≦d≦1.0 at% 0.2≦e≦1.0 at% の範囲を満足する熱安定性に優れた鉄基非晶質合金。
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