JP3207912B2 - コラゲナーゼ活性阻害剤 - Google Patents
コラゲナーゼ活性阻害剤Info
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Description
に有用なコラゲナーゼ活性阻害剤に係り、更に詳細に
は、特にガム,洗口剤,歯磨等の口腔用組成物に好適な
コラゲナーゼ活性阻害剤に関する。
を含む炎症性疾患の総称であるが、一般に炎症が歯肉部
分に限定される歯肉炎と、歯槽骨に達して慢性化する歯
周炎とに大別される。歯周炎は歯槽膿漏とよばれていた
が、慢性化に伴い歯肉及び歯槽骨の破壊をきたし歯の脱
落にいたる。歯を失う原因の50%が歯周病であり、中
高年にかけては約80%の人が罹患している。
ーク中の特定の細菌群、中でも黒色色素産生性のバクテ
ロイデス(Bacteroides)菌群病原説が有力視されている
(例えば、Journal of Clinical Periodontology,13
巻,912 頁,1986年参照)。その歯周組織破壊作用とし
ては、細菌由来の直接作用因子(酵素やエンドトキシン
等)や間接作用因子(宿主の免疫応答を介するもの)が
関与していると考えられているが、何れにせよ結果的に
歯肉および歯槽骨のコラーゲンが分解・吸収される点は
共通である(American Journal of Pathology ,92巻,
509 頁,1978年参照)。
ゲナーゼ)としては、バクテロイデス由来のものと歯肉
の線維芽細胞由来のものが注目されている。前者は最近
部分精製された、金属とチオールを同時に要求する珍し
い酵素であるが、まだ不明な点が多い(Journal of Per
iodontal Research ,23巻,258 頁,1988年参照)。
ゼ(以下断りの無い限りコラゲナーゼと呼ぶ)は詳細に
解明され、1次構造も明らかにされている(The Journa
l ofBiological Chemistry,261 巻,6600頁,1986年参
照) 。
ーゲン(I型,II型,およびIII型コラーゲン)を
分解する際の律速酵素であり、コラーゲンの代謝に重要
な役割を果たしている。炎症の存在する歯肉ではコラゲ
ナーゼ活性が上昇すること(Journal of Periodontal Re
search,16巻,417 頁,1981年参照),またコラーゲン
が歯肉炎の初期の段階から減少していること(Archieves
of Oral Biology,18巻,899 頁,1973年参照) を考慮
すると、歯肉のコラゲナーゼが歯周病の進行に深く関わ
っていると考えられる。
ングやルートプレーニングによる歯周ポケット内のプラ
ークや歯石の除去、歯周ポケットの除去(歯肉切除)等
が用いられていた。
クリンを配合した治療剤が開発された。ミノサイクリン
には、抗菌活性のみならずバクテロイデスおよび好中球
由来コラゲナーゼをイン・ビトロで阻害する活性を有す
ることが報告されている(Journal of the Japanese As
sociation of Periodontology ,30巻,182 頁,1988年
参照)。
理的,外科的,あるいは薬剤による治療に基づくもので
ある。しかし、歯周病は日常的で罹患率の高い疾病であ
り、また、医師による治療に至るまでに病状が悪化し易
いことを考慮すると、ガム,飴,飲料のような食品や、
歯磨剤,洗口剤のような口腔素材に、前記の病因を除去
し歯周病の予防や治療に役立つ安全性の高い食品由来素
材を利用することが望まれる。
するところは、歯周病の予防・治療効果が期待でき、し
かも安全性の高い、コラゲナーゼ活性阻害剤を提供する
ことにある。
酸又はその塩と、アスコルビン酸又はエリソルビン酸も
しくはこれらの塩とを含有することを特徴とするコラゲ
ナーゼ活性阻害剤によって達成される。
コーヒー豆や茶葉など広く高等植物に配糖体,エステル
または遊離型として存在する化合物である。
特に限定されるものではなく、通常用いられている方法
でよい。また、茶葉,コーヒー豆,果実等の植物体から
コーヒー酸含有抽出液として得るか、クロロゲン酸とし
て抽出後加水分解することにより得ることもできる。
能な塩基により中和し、例えばコーヒー酸ナトリウムの
ような塩として用いることもできる。
は、併用してもよい。
含有量は、適用対象物により異なり、一概には規定出来
ないが、適用組成物全体を100重量%として、0.001
〜5.0重量%程度が好ましく、更に好ましくは0.01〜3.
0重量%である。
ビン酸又はこれらの塩と併用する際には、0.0001〜5.0
重量%が好ましく、更に好ましくは0.002 〜3.0重量%
である。
ビン酸,及びこれらの塩は、公知の化合物であり、その
製造方法は、特に限定されるものではなく、通常用いら
れている方法でよい。
ソルビン酸又はこれらの塩を併用することもできる。
れらの塩の、適用組成物中における含有量は、適用対象
物により異なり、一概には規定できないが、適用組成物
全体を100重量%として、0.001〜5.0重量%
程度が好ましく、更に好ましくは0.01〜1.0重量
%である。
コルビン酸,エリソルビン酸,又はこれらの塩との併用
によって、相乗的に効果を奏するものである。
る対象は、液剤,固形剤,半固形剤のいずれであっても
よく、好ましい組成物として歯磨剤,洗口剤,チューイ
ンガム,トローチ剤,塗布液剤等の口腔用組成物,或い
は飴類,飲料等の食品等が挙げられる。
賦形剤または補助剤は、通常同目的に使用されるものか
ら剤形に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるも
のではないが、例えば乳糖,ステアリン酸マグネシウ
ム,ソルビット,マンニット,カルボキシメチルセルロ
ース,ハイドロキシプロピルセルロース,ハイドロキシ
プロピルメチルセルロース,サッカリン,ラウリル硫酸
ナトリウム,ラウロイルサルコシンナトリウム,グリセ
リン,ポリエチレングリコール,ポリビニルアルコー
ル,カラギナン,アラビアゴム,エタノール,メントー
ル,脂肪酸,クエン酸,無水ケイ酸,第二リン酸カルシ
ウム,ハイドロキシアパタイト,炭酸カルシウム,二酸
化チタン等が使用される。
料,香料,保存料などを適宜使用することもできるし、
歯周病原因菌の増殖を抑制するビャクダン,カッシャ,
シンナモン,グアヤック,パチュリ等精油成分(特願平
2−126331号),クロルヘキシジンなどの殺菌
剤,アンピシリンなどの抗生物質を配合し、歯周病の予
防や改善効果を高めることもできる。
周病における歯肉および歯槽骨のコラーゲン吸収の原因
であるコラゲナーゼに対し優れた阻害活性を有し、歯周
病の予防および治療に有用で、且つ配合量の多少に関わ
らず使用上の安全性も極めて高いものである。
用
依存性細胞に、無血清無蛋白質培地中で産生させたヒト
プロコラゲナーゼを、CMセファロースTM(ファルマシ
ア社製)および亜鉛キレーティングセファロースTM(フ
ァルマシア社製)により精製して緩衝液に溶解し、これ
に活性化剤としてトリプシン(シグマ社製、Type1
2)を添加して、35℃にて5分間インキュベートした
後、ダイズトリプシン・インヒビター(メルク社製)を
添加してトリプシンを失活させたものを用いた(特願平
1-238941号公報参照)。
以下の通り行った。先ず、試験薬をジメチルスルホキシ
ドにて溶解して8重量%溶液を得、ついで測定用緩衝液
〔0.2M食塩,5mM 塩化カルシウム,0.05容量%Brij-35
(ICI社製ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテ
ル),および0.02容量%アジ化ナトリウムを含有する50
mMトリス塩酸緩衝液,pH7.5 〕にて200〜20000
倍希釈する。
位は、35℃で1分間に1μgのI型コラーゲンを分解
する酵素量を示す)の上記コラゲナーゼ溶液とを等量混
合し、フルオレッセインイソチオシアネートで標識され
たI型コラーゲン(コスモバイオ社製)を基質として、
永井らの方法(Japanese Journal of Inflamation,4
巻,123 頁,1984年参照)に準じコラゲナーゼ活性を測
定することにより、阻害曲線を求め、それより50%阻
害するに必要な試験薬量をIC50値として読み取った。
ーゼ阻害活性がみられ、IC50値は約50μg/mlで
あった。
ソルビン酸のヒトコラゲナーゼ阻害作用
同じ。
ゼ阻害活性がみられ、コーヒー酸IC50値とほぼ同じ活
性を示した。
ナーゼ阻害作用に対する、アスコルビン酸およびエリソ
ルビン酸の増強効果。
の相乗効果を見るために、終濃度0. 01重量%のアス
コルビン酸またはエリソルビン酸の存在下で、コーヒー
酸のコラゲナーゼ阻害活性(IC50値)を調べた。な
お、用いた精製コラゲナーゼ量を試験例−1の約2倍量
(1. 2単位)とし、0. 01重量%のアスコルビン酸
またはエリソルビン酸の存在下で、活性を有するコラゲ
ナーゼ量が、実質0.7単位となるように調製した。
酸の存在下では、コーヒー酸のコラゲナーゼ阻害のIC
50値の低下(阻害活性の増加)が見られた。
は、重量%を表す。
リン,カラギナン,サッカリン,パラオキシ安息香酸ブ
チル,クロルヘキシジンジグルコネート,香料,コーヒ
ー酸,エリソルビン酸ナトリウムの処方量を計量し、混
合して粘結剤を膨潤させたのち、第2リン酸カルシウ
ム,ラウリル硫酸ナトリウムを加え、更によく混合,脱
泡したのちチューブに充填して練歯磨き剤を得た。
た。
スおよび全量の水飴を、ニーダーに投入して10分間混練
し、粉糖の1/3 量および全量のブドウ糖を投入して5分
間、次いで粉糖の1/3 量を投入して5分間混練した。次
に、コーヒー酸,アスコルビン酸及び香料を残りの1/3
量の粉糖に混合したものを投入し、5分間混練してガム
ミックスを得た。
詰める。にを少しづつ加え、更に泡立てる。これ
に、を加え混合しながら90℃まで冷却後、を加え
て良く混合したのち冷却盤上に広げ成型してヌガーを得
た。
0%オン,中炒り)100kgをドリップ式抽出機に入
れた。水200kgをプレートヒーターで80℃迄加熱
した後、上記抽出機の上部から流下させて熱水抽出し、
150kgのコーヒー抽出液(Bx18)を得た。この
抽出液に、上記組成で液糖,水,コーヒー酸及び重炭酸
水素ナトリウムを加え、調合液をBx27.9,pH
5.65に調整した。
℃で25分殺菌し、コーヒー飲料を得、本飲料中のコー
ヒー酸量を、高速液体クロマトグラフィー〔山村化学
(株)製YMC−A312逆相C18カラムを使用し、溶
離液として0.1容量%トリフルオロ酢酸を含む15容
量%アセトニトリルを用いた。検知は350nm〕で測
定した。
Claims (1)
- 【請求項1】 コーヒー酸又はその塩と、アスコルビン
酸又はエリソルビン酸もしくはこれらの塩とを含有する
ことを特徴とするコラゲナーゼ活性阻害剤。
Priority Applications (1)
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JP3-76711 | 1991-03-15 | ||
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Ciba Found.Symp.(1988)141(Metastasis)pp.193−210 |
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