JP3299909B2 - 酸化物導電体を用いた多層構造電極 - Google Patents
酸化物導電体を用いた多層構造電極Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物導電体を用い
た多層構造電極に関し、より詳細には、酸化物強誘電体
を応用した各種デバイス、例えば強誘電体不揮発性メモ
リ、DRAM、赤外線センサアレイ等における強誘電体
薄膜の下部電極として用いられる多層構造電極に関す
る。
た多層構造電極に関し、より詳細には、酸化物強誘電体
を応用した各種デバイス、例えば強誘電体不揮発性メモ
リ、DRAM、赤外線センサアレイ等における強誘電体
薄膜の下部電極として用いられる多層構造電極に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
DRAM並の高集積化、高速動作、低消費電力、高信頼
性を兼ね備える不揮発性メモリとして強誘電体メモリの
開発が行われている。強誘電体メモリ用のメモリキャパ
シタ材料としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、S
rBi2Ta2O9、Bi4Ti3O12を始めとした酸化物
強誘電体の結晶薄膜が用いられている。
DRAM並の高集積化、高速動作、低消費電力、高信頼
性を兼ね備える不揮発性メモリとして強誘電体メモリの
開発が行われている。強誘電体メモリ用のメモリキャパ
シタ材料としてはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、S
rBi2Ta2O9、Bi4Ti3O12を始めとした酸化物
強誘電体の結晶薄膜が用いられている。
【0003】酸化物強誘電体の結晶薄膜を形成する場
合、通常、酸素を含む雰囲気中で600〜800℃の高
温熱処理を必要とする。そのため、その下方に形成され
る下部電極は、高融点で耐酸化性に優れたPtが多く用
いられてきた。一方、メモリ素子の高集積化のためには
スタックセル(STC)構造の実現が望まれている。S
TC構造では、半導体トランジスタと強誘電体メモリキ
ャパシタとをポリシリコン等のプラグで接続する必要が
ある。しかし、従来のPt電極は耐酸化性には優れる
が、酸素を透過しやすいという問題点がある。このた
め、ポリシリコン上にPt電極を形成した場合には、強
誘電体薄膜を形成する際にプラグに用いられているポリ
シリコンが酸化されてしまい、電気的な接続が得られな
いという問題が起こる。
合、通常、酸素を含む雰囲気中で600〜800℃の高
温熱処理を必要とする。そのため、その下方に形成され
る下部電極は、高融点で耐酸化性に優れたPtが多く用
いられてきた。一方、メモリ素子の高集積化のためには
スタックセル(STC)構造の実現が望まれている。S
TC構造では、半導体トランジスタと強誘電体メモリキ
ャパシタとをポリシリコン等のプラグで接続する必要が
ある。しかし、従来のPt電極は耐酸化性には優れる
が、酸素を透過しやすいという問題点がある。このた
め、ポリシリコン上にPt電極を形成した場合には、強
誘電体薄膜を形成する際にプラグに用いられているポリ
シリコンが酸化されてしまい、電気的な接続が得られな
いという問題が起こる。
【0004】これに対して、酸素透過を防止するための
バリア層としてTiN、プラグと下部電極との間の接着
層としてTiを用いたPt/TiN/Ti等の多層構造
電極が検討されている。しかし、この場合もPtを透過
した酸素によってTiN層が酸化し、その体積膨張のた
めにPt/TiN界面での剥離やヒロック発生という新
たな問題が生じている(1996年春季第43回応用物
理学関係連合講演会講演予稿集28p−V−6、7)。
バリア層としてTiN、プラグと下部電極との間の接着
層としてTiを用いたPt/TiN/Ti等の多層構造
電極が検討されている。しかし、この場合もPtを透過
した酸素によってTiN層が酸化し、その体積膨張のた
めにPt/TiN界面での剥離やヒロック発生という新
たな問題が生じている(1996年春季第43回応用物
理学関係連合講演会講演予稿集28p−V−6、7)。
【0005】また、下部電極として、酸化物導電体材料
を用いることも検討されており、このうち、IrO2、
RuO2、YBa2Cu3O7-X、LaSrCoO3等は優
れたバリヤ性や酸化物強誘電体との整合性等の点から有
望視されている。特に、IrO2は、ポリシリコン上に
直接形成された例が報告されている。例えば、特公平6
−87493号公報には、IrO2/ポリシリコン上に
BaTiO3を作製し良好な誘電特性が得られることが
記載されている。また、Appl.Phys.Lett.vol.65(1994)p
p.1522-1524、Jpn.J.Appl.Phys.vol.33(1994)pp.5207-5
210及び特開平8−51165号公報には、Ir/Ir
O2/ポリシリコン又はPt/IrO2/ポリシリコン上
にPZTを形成した場合、その疲労特性が大幅に改善さ
れていることを記載されており、この理由としてIrO
2膜が、Pb等の強誘電体構成元素に対して良好なバリ
ア性を有していることが挙げられている。
を用いることも検討されており、このうち、IrO2、
RuO2、YBa2Cu3O7-X、LaSrCoO3等は優
れたバリヤ性や酸化物強誘電体との整合性等の点から有
望視されている。特に、IrO2は、ポリシリコン上に
直接形成された例が報告されている。例えば、特公平6
−87493号公報には、IrO2/ポリシリコン上に
BaTiO3を作製し良好な誘電特性が得られることが
記載されている。また、Appl.Phys.Lett.vol.65(1994)p
p.1522-1524、Jpn.J.Appl.Phys.vol.33(1994)pp.5207-5
210及び特開平8−51165号公報には、Ir/Ir
O2/ポリシリコン又はPt/IrO2/ポリシリコン上
にPZTを形成した場合、その疲労特性が大幅に改善さ
れていることを記載されており、この理由としてIrO
2膜が、Pb等の強誘電体構成元素に対して良好なバリ
ア性を有していることが挙げられている。
【0006】しかし、これらの構造の様にポリシリコン
上に直接酸化物のIrO2を形成する場合には、ポリシ
リコン表面の酸化によるコンタクト不良の発生が懸念さ
れる。そこで、ポリシリコンとIrO2の間にバリアメ
タルを挿入したIrO2/Ir/TiN/Ti構造の多
層電極の検討が報告されている(1996年春季第43
回応用物理学関係連合講演会講演予稿集28p−V−
4)。この報告によれば、スパッタ法により形成したI
rO2(100nm)/Ir(50nm)/TiN(3
0nm)/Ti(20nm)/Si基板の構造をした電
極上に高誘電体SrTiO3(200nm)を形成し、
Pt(50nm)を上部電極としたキャパシタにおいて
は、比誘電率216以下、リーク電流密度10-7A/c
m2以下の比較的良好な電気特性を得ており、この多層
構造電極がSTC構造の適用に有望であることが示され
いる。
上に直接酸化物のIrO2を形成する場合には、ポリシ
リコン表面の酸化によるコンタクト不良の発生が懸念さ
れる。そこで、ポリシリコンとIrO2の間にバリアメ
タルを挿入したIrO2/Ir/TiN/Ti構造の多
層電極の検討が報告されている(1996年春季第43
回応用物理学関係連合講演会講演予稿集28p−V−
4)。この報告によれば、スパッタ法により形成したI
rO2(100nm)/Ir(50nm)/TiN(3
0nm)/Ti(20nm)/Si基板の構造をした電
極上に高誘電体SrTiO3(200nm)を形成し、
Pt(50nm)を上部電極としたキャパシタにおいて
は、比誘電率216以下、リーク電流密度10-7A/c
m2以下の比較的良好な電気特性を得ており、この多層
構造電極がSTC構造の適用に有望であることが示され
いる。
【0007】しかし、この多層構造電極の酸素バリア
性、反応防止性等については不明である。すなわち、S
rTiO3は、通常500℃以下の比較的低い温度で形
成されるが、この多層構造電極を600℃以上の成膜温
度を必要とする強誘電体薄膜の成膜プロセスに適用した
場合には、そのプロセス耐性が十分にあるか否かは自明
とは言えない。例えば、ゾルーゲル法によりPZT膜を
上記のPt/TiN/Ti電極上に形成する際、400
〜450℃の仮焼成段階ではヒロック発生や剥離は発生
しないが、600℃以上の本焼成でこれらの問題が発生
することが知られているからである。
性、反応防止性等については不明である。すなわち、S
rTiO3は、通常500℃以下の比較的低い温度で形
成されるが、この多層構造電極を600℃以上の成膜温
度を必要とする強誘電体薄膜の成膜プロセスに適用した
場合には、そのプロセス耐性が十分にあるか否かは自明
とは言えない。例えば、ゾルーゲル法によりPZT膜を
上記のPt/TiN/Ti電極上に形成する際、400
〜450℃の仮焼成段階ではヒロック発生や剥離は発生
しないが、600℃以上の本焼成でこれらの問題が発生
することが知られているからである。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、STC構造に適用可能なプロセス耐性に優れた電極
の開発の必要から、電極自体にヒロックや剥離が発生
せず、下部ポリシリコンプラグへの酸素拡散がなく、
電極の表面平坦性、緻密性が確保され、電極として
シート抵抗等の電気特性が確保される、600℃以上の
酸素雰囲気中での熱処理工程に対するプロセス耐性を有
する電極を実現できる多層構造電極を提供することを目
的とする。
り、STC構造に適用可能なプロセス耐性に優れた電極
の開発の必要から、電極自体にヒロックや剥離が発生
せず、下部ポリシリコンプラグへの酸素拡散がなく、
電極の表面平坦性、緻密性が確保され、電極として
シート抵抗等の電気特性が確保される、600℃以上の
酸素雰囲気中での熱処理工程に対するプロセス耐性を有
する電極を実現できる多層構造電極を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
基板上に形成される多層構造電極において、下部にTa
又はHf、およびSi、Nを構成元素とするバリアメタ
ル(以下、「TaSiN又はHfSiN」と記す)を有
し、該バリアメタルの上部に、膜厚36〜82nmのI
rO2/膜厚22〜66nmのIr(上層/下層)の積
層構造電極が形成されてなる酸化物導電体を用いた多層
構造電極が提供される。
基板上に形成される多層構造電極において、下部にTa
又はHf、およびSi、Nを構成元素とするバリアメタ
ル(以下、「TaSiN又はHfSiN」と記す)を有
し、該バリアメタルの上部に、膜厚36〜82nmのI
rO2/膜厚22〜66nmのIr(上層/下層)の積
層構造電極が形成されてなる酸化物導電体を用いた多層
構造電極が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における多層構造電極は、
強誘電体不揮発性メモリ、DRAM、赤外線センサアレ
イ等における強誘電体薄膜の下部電極として用いること
ができるものであり、半導体基板上に形成される。半導
体基板としては、通常上記素子の基板として用いること
ができるものであれば、特に限定されるものではなく、
例えばシリコン基板、GaAs、InGaAs等の化合
物半導体基板等を使用することができる。本発明の多層
構造電極は、半導体基板上に直接形成してもよいし、S
iN、SiO2 等の絶縁膜を介して形成してもよいし、
キャパシタ、トランジスタ又は金属配線等の所望の素子
を形成した上に層間絶縁膜を介して形成してもよい。例
えば、絶縁膜を介して形成する場合には、絶縁膜の膜厚
は500〜2000nm程度が好ましく、所望の素子及
び層間絶縁膜を介して形成する場合には、層間絶縁膜
は、素子と電極との絶縁性を確保することができる十分
な膜厚であることが好ましい。これら絶縁膜等は、公知
の方法、例えばCVD法、スピンコート法等により形成
することができる。この際の成膜温度は、600℃程度
以下であることが好ましい。
強誘電体不揮発性メモリ、DRAM、赤外線センサアレ
イ等における強誘電体薄膜の下部電極として用いること
ができるものであり、半導体基板上に形成される。半導
体基板としては、通常上記素子の基板として用いること
ができるものであれば、特に限定されるものではなく、
例えばシリコン基板、GaAs、InGaAs等の化合
物半導体基板等を使用することができる。本発明の多層
構造電極は、半導体基板上に直接形成してもよいし、S
iN、SiO2 等の絶縁膜を介して形成してもよいし、
キャパシタ、トランジスタ又は金属配線等の所望の素子
を形成した上に層間絶縁膜を介して形成してもよい。例
えば、絶縁膜を介して形成する場合には、絶縁膜の膜厚
は500〜2000nm程度が好ましく、所望の素子及
び層間絶縁膜を介して形成する場合には、層間絶縁膜
は、素子と電極との絶縁性を確保することができる十分
な膜厚であることが好ましい。これら絶縁膜等は、公知
の方法、例えばCVD法、スピンコート法等により形成
することができる。この際の成膜温度は、600℃程度
以下であることが好ましい。
【0011】本発明の多層構造電極は、バリアメタルと
してTaSiN又はHfSiNのいずれかを用いた電極
であり、具体的には、IrO2/Ir/TaSiN又は
IrO2/Ir/HfSiNの多層構造電極である。バ
リアメタルであるTaSiN又はHfSiN膜は、例え
ば100〜500nm程度の膜厚で、公知の方法、例え
ばRFマグネトロンスパッタ法、DCマグネトロンスパ
ッタ法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法等種々の方法で
形成することができる。ここで、TaSiN又はHfS
iN膜をバリアメタルとして用いるには、一般にアモル
ファス構造が望ましいため、その組成比は自由に変更す
ることができる。
してTaSiN又はHfSiNのいずれかを用いた電極
であり、具体的には、IrO2/Ir/TaSiN又は
IrO2/Ir/HfSiNの多層構造電極である。バ
リアメタルであるTaSiN又はHfSiN膜は、例え
ば100〜500nm程度の膜厚で、公知の方法、例え
ばRFマグネトロンスパッタ法、DCマグネトロンスパ
ッタ法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法等種々の方法で
形成することができる。ここで、TaSiN又はHfS
iN膜をバリアメタルとして用いるには、一般にアモル
ファス構造が望ましいため、その組成比は自由に変更す
ることができる。
【0012】また、バリアメタル直上に形成される積層
構造電極を構成するIr膜は、公知の方法、例えば、R
Fマグネトロンスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ
法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法等種々の方法で、後
の工程におけるIrO2 層の形成に際して、下部のバリ
アメタルの酸化を抑止するのに十分な膜厚で形成するこ
とが好ましい。この膜厚は、例えば、22nm以上があ
げられる。また、Ir層は(111)面に配向して形成
されることが好ましい。具体的には、RFマグネトロン
スパッタ法の場合は、RFパワー80〜200W程度、
基板温度を200〜270℃程度に保持しながら、スパ
ッタガスとしてAr、N等の不活性ガスを用いて成膜す
る方法があげられる。
構造電極を構成するIr膜は、公知の方法、例えば、R
Fマグネトロンスパッタ法、DCマグネトロンスパッタ
法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法等種々の方法で、後
の工程におけるIrO2 層の形成に際して、下部のバリ
アメタルの酸化を抑止するのに十分な膜厚で形成するこ
とが好ましい。この膜厚は、例えば、22nm以上があ
げられる。また、Ir層は(111)面に配向して形成
されることが好ましい。具体的には、RFマグネトロン
スパッタ法の場合は、RFパワー80〜200W程度、
基板温度を200〜270℃程度に保持しながら、スパ
ッタガスとしてAr、N等の不活性ガスを用いて成膜す
る方法があげられる。
【0013】また、Ir膜上に形成されるIrO2 膜
は、公知の方法、例えば、上述と同様の方法で、後述す
る積層構造電極の高温アニールに際して下部のバリアメ
タルの酸化を抑止するに十分な膜厚で形成することが好
ましい。この膜厚は、例えば、36nm以上があげられ
る。但し、IrO2 /Ir膜の総膜厚が150nm以
下、さらに60nm以上で形成されることが好ましい。
また、IrO2 層は(100)面に配向して形成される
ことが好ましい。具体的には、RFマグネトロンスパッ
タ法の場合は、RFパワー80〜200W程度、基板温
度を200〜270℃程度に保持しながら、スパッタガ
スとしてAr、N等の不活性ガスに酸素ガスを1:10
〜10:1程度の割合で混合したガスを用いて成膜する
方法があげられる。
は、公知の方法、例えば、上述と同様の方法で、後述す
る積層構造電極の高温アニールに際して下部のバリアメ
タルの酸化を抑止するに十分な膜厚で形成することが好
ましい。この膜厚は、例えば、36nm以上があげられ
る。但し、IrO2 /Ir膜の総膜厚が150nm以
下、さらに60nm以上で形成されることが好ましい。
また、IrO2 層は(100)面に配向して形成される
ことが好ましい。具体的には、RFマグネトロンスパッ
タ法の場合は、RFパワー80〜200W程度、基板温
度を200〜270℃程度に保持しながら、スパッタガ
スとしてAr、N等の不活性ガスに酸素ガスを1:10
〜10:1程度の割合で混合したガスを用いて成膜する
方法があげられる。
【0014】このような多層積層電極により、600℃
以上の酸素雰囲気中での熱処理プロセスに十分な耐性を
有する電極構造を実現できる。また、IrO2では(1
00)面、Irでは(111)面に配向した結晶薄膜を
用いることにより、微結晶粒からなる緻密な表面平坦性
に優れた積層電極構造を実現することができる。このよ
うな表面平坦性、緻密性を備えた配向性の多層積層電極
は、強誘電体薄膜の下地電極として適するだけでなく、
電極自体のシート抵抗までも制御できることとなり、種
々の素子の電極として使用することができる。以下に、
本発明の酸化物導電体を用いた多層構造電極について説
明する。
以上の酸素雰囲気中での熱処理プロセスに十分な耐性を
有する電極構造を実現できる。また、IrO2では(1
00)面、Irでは(111)面に配向した結晶薄膜を
用いることにより、微結晶粒からなる緻密な表面平坦性
に優れた積層電極構造を実現することができる。このよ
うな表面平坦性、緻密性を備えた配向性の多層積層電極
は、強誘電体薄膜の下地電極として適するだけでなく、
電極自体のシート抵抗までも制御できることとなり、種
々の素子の電極として使用することができる。以下に、
本発明の酸化物導電体を用いた多層構造電極について説
明する。
【0015】実施例1 本発明の多層構造電極は、図1に示したように、単結晶
Si(100)ウエハ1の表面に600nmの厚さのS
iO2膜2、その上にバリアメタル3としてTaSiN
(100nm)、さらにその上に電極層4としてIrO
2(230nm)、Ir(130nm)、IrO2(82
nm)/Ir(66nm)のいずれかが形成されて構成
されている。なお、本実施例のTaSiNの組成はTa
5 SiN4 であった。
Si(100)ウエハ1の表面に600nmの厚さのS
iO2膜2、その上にバリアメタル3としてTaSiN
(100nm)、さらにその上に電極層4としてIrO
2(230nm)、Ir(130nm)、IrO2(82
nm)/Ir(66nm)のいずれかが形成されて構成
されている。なお、本実施例のTaSiNの組成はTa
5 SiN4 であった。
【0016】上記多層構造電極は、以下のように形成す
る。まず、Siウェハ1表面に、熱酸化法によりSiO
2 膜2を形成した。次いでこのSiO2 膜2上にTaS
iN膜をスパッタ法により形成した。さらに、このTa
SiN膜上に、3種類の内のいずれかの電極層4をRF
マグネトロンスパッタ法により形成した。成膜条件とし
ては、RFパワー100W、基板温度250℃、ガス圧
1Paとして、Ir成膜はArガス、IrO2はAr/
O2=1/1混合ガスをスパッタガスとした。また、I
rO2/Ir積層構造は、上記の条件でIrを成膜した
後に引き続きIrO2を成膜して形成した。各電極表面
のモフォロジーはSEM観察の結果、緻密で平滑な表面
性を有していた。これは成膜温度が250℃と比較的低
温であるため、成膜中の粒成長が抑制されたからである
と考えられる。
る。まず、Siウェハ1表面に、熱酸化法によりSiO
2 膜2を形成した。次いでこのSiO2 膜2上にTaS
iN膜をスパッタ法により形成した。さらに、このTa
SiN膜上に、3種類の内のいずれかの電極層4をRF
マグネトロンスパッタ法により形成した。成膜条件とし
ては、RFパワー100W、基板温度250℃、ガス圧
1Paとして、Ir成膜はArガス、IrO2はAr/
O2=1/1混合ガスをスパッタガスとした。また、I
rO2/Ir積層構造は、上記の条件でIrを成膜した
後に引き続きIrO2を成膜して形成した。各電極表面
のモフォロジーはSEM観察の結果、緻密で平滑な表面
性を有していた。これは成膜温度が250℃と比較的低
温であるため、成膜中の粒成長が抑制されたからである
と考えられる。
【0017】続いて、酸素中での高温熱処理耐性を調べ
るために、上記の3種類の電極を1気圧の酸素中で62
5℃、10分間のアニールを施した。その結果、IrO
2/TaSiN構造ではIrO2の剥離が認められた。こ
れはIrO2成膜時のO2プラズマ及びその後に酸素中で
の高温アニールによりTaSiN表面が酸化された結
果、その界面でのストレスを解放するために剥離が発生
したと考えられる。
るために、上記の3種類の電極を1気圧の酸素中で62
5℃、10分間のアニールを施した。その結果、IrO
2/TaSiN構造ではIrO2の剥離が認められた。こ
れはIrO2成膜時のO2プラズマ及びその後に酸素中で
の高温アニールによりTaSiN表面が酸化された結
果、その界面でのストレスを解放するために剥離が発生
したと考えられる。
【0018】一方、成膜時にO2プラズマを用いないI
r/TaSiN構造では、成膜直後に平坦であった電極
表面が酸素中での高温アニール後では凹凸が発生し表面
平坦性が損なわれた。この原因を調べるためにアニール
前後でのXRDパターンの変化を測定した。成膜直後に
は(111)配向したIr膜であるが、アニールによっ
て酸化物IrO2が発生している。また、Ir(11
1)反射のピーク強度が約40%増加しており結晶化も
促進されていることが分かった。これらの酸化及び結晶
化(粒成長)の結果、Ir電極表面の凹凸が発生したも
のと考えられる。
r/TaSiN構造では、成膜直後に平坦であった電極
表面が酸素中での高温アニール後では凹凸が発生し表面
平坦性が損なわれた。この原因を調べるためにアニール
前後でのXRDパターンの変化を測定した。成膜直後に
は(111)配向したIr膜であるが、アニールによっ
て酸化物IrO2が発生している。また、Ir(11
1)反射のピーク強度が約40%増加しており結晶化も
促進されていることが分かった。これらの酸化及び結晶
化(粒成長)の結果、Ir電極表面の凹凸が発生したも
のと考えられる。
【0019】以上の結果、IrO2/TaSiN構造及
びIr/TaSiN構造では、いずれも膜形成時あるい
は形成後の酸素中高温アニール処理での酸化反応等によ
り膜の剥離あるいは電極表面の凹凸が発生し、酸化物強
誘電体薄膜を形成するために下部電極としては不適であ
る。次に、IrO2/Ir/TaSiN構造について見
ると、図2に示す様に酸素中高温アニール後も剥離やヒ
ロック等の発生は認められず、更に電極表面の平坦性も
アニール前と同等に保たれた緻密な膜となっている。ま
た、XRD測定からもアニール前後で回折パターンの変
化は見られず、IrO2(100)/Ir(111)の
配向膜構造が得られていることが分かった。
びIr/TaSiN構造では、いずれも膜形成時あるい
は形成後の酸素中高温アニール処理での酸化反応等によ
り膜の剥離あるいは電極表面の凹凸が発生し、酸化物強
誘電体薄膜を形成するために下部電極としては不適であ
る。次に、IrO2/Ir/TaSiN構造について見
ると、図2に示す様に酸素中高温アニール後も剥離やヒ
ロック等の発生は認められず、更に電極表面の平坦性も
アニール前と同等に保たれた緻密な膜となっている。ま
た、XRD測定からもアニール前後で回折パターンの変
化は見られず、IrO2(100)/Ir(111)の
配向膜構造が得られていることが分かった。
【0020】これらの結果は、TaSiN上にIr膜を
形成することで、その上にIrO2層の成膜時に直接T
aSiN表面を酸素プラズマにさらさずにすむこと、さ
らにはIr表面がわずかに酸化しその酸化層IrO2が
TiSiN界面の酸化を抑制しかつ成膜温度が250℃
と低いためにIr表面の平坦性が損なわれないこと、最
上部に形成したIrO2層がアニール時の酸素拡散によ
る下部のIr/TaSiNの酸化を抑制していること等
によって得られたものと考えられる。
形成することで、その上にIrO2層の成膜時に直接T
aSiN表面を酸素プラズマにさらさずにすむこと、さ
らにはIr表面がわずかに酸化しその酸化層IrO2が
TiSiN界面の酸化を抑制しかつ成膜温度が250℃
と低いためにIr表面の平坦性が損なわれないこと、最
上部に形成したIrO2層がアニール時の酸素拡散によ
る下部のIr/TaSiNの酸化を抑制していること等
によって得られたものと考えられる。
【0021】このIrO2/Ir/TaSiN構造での
シート抵抗を測定したところ、成膜直後では約1.2Ω
/□が得られ、アニール後も有意な変化はなかった。従
来用いられているPt(100nm)/TiN/Ti構
造でのシート抵抗は約1Ω/□であり、ほぼ同程度のシ
ート抵抗が得られていることから、十分に電極として使
用できることが確認された。
シート抵抗を測定したところ、成膜直後では約1.2Ω
/□が得られ、アニール後も有意な変化はなかった。従
来用いられているPt(100nm)/TiN/Ti構
造でのシート抵抗は約1Ω/□であり、ほぼ同程度のシ
ート抵抗が得られていることから、十分に電極として使
用できることが確認された。
【0022】また、バリアメタルにHfSiNを用いた
IrO2/Ir/HfSiN構造においても同様に剥離
やヒロックのない表面平坦で緻密な電極を作製でき、酸
素中での高温アニール耐性があることが確認された。
IrO2/Ir/HfSiN構造においても同様に剥離
やヒロックのない表面平坦で緻密な電極を作製でき、酸
素中での高温アニール耐性があることが確認された。
【0023】以上述べたように、半導体基板上に形成さ
れる電極構造において、その下部構造がTaSiN、H
fSiNのいずれか一つから選択された構造であり、そ
の上部に結晶性の(100)配向のIrO2と(11
1)配向のIrからなるIrO2/Ir積層構造を有す
る多層電極は、600℃以上の酸素雰囲気中でのアニー
ルプロセス耐性を有する。すなわち、Ir層がIrO2
層の形成に際して下部構造であるTaSiN、HfSi
Nの酸化を抑止する厚さ以上の膜厚を有し、またIrO
2層が酸素中での高温アニールプロセスによる下部構造
であるバリアメタルTaSiN、HfSiNの酸化を抑
止する厚さ以上の膜厚を有することにより、上記プロセ
ス耐性を有する電極となることが示された。また、この
電極は表面平坦性、緻密性を備えており、シート抵抗も
Pt/TiN/Ti構造のそれと同程度の優れた電気的
特性を持つ。
れる電極構造において、その下部構造がTaSiN、H
fSiNのいずれか一つから選択された構造であり、そ
の上部に結晶性の(100)配向のIrO2と(11
1)配向のIrからなるIrO2/Ir積層構造を有す
る多層電極は、600℃以上の酸素雰囲気中でのアニー
ルプロセス耐性を有する。すなわち、Ir層がIrO2
層の形成に際して下部構造であるTaSiN、HfSi
Nの酸化を抑止する厚さ以上の膜厚を有し、またIrO
2層が酸素中での高温アニールプロセスによる下部構造
であるバリアメタルTaSiN、HfSiNの酸化を抑
止する厚さ以上の膜厚を有することにより、上記プロセ
ス耐性を有する電極となることが示された。また、この
電極は表面平坦性、緻密性を備えており、シート抵抗も
Pt/TiN/Ti構造のそれと同程度の優れた電気的
特性を持つ。
【0024】実施例2 基板及び成膜条件は実施例1と同様のものを用いて、各
層厚の異なるIrO2/Ir/TaSiN構造のサンプ
ルを作製した。ただし、(100)配向のIrO2層の
膜厚を36〜82nm、(111)配向のIr層の膜厚
を15〜66nmの範囲で作製した。ここで、膜厚はス
パッタ成膜時間を変化させることで制御した。各々膜厚
の異なる電極構造について、実施例1と同様のアニール
を行った。
層厚の異なるIrO2/Ir/TaSiN構造のサンプ
ルを作製した。ただし、(100)配向のIrO2層の
膜厚を36〜82nm、(111)配向のIr層の膜厚
を15〜66nmの範囲で作製した。ここで、膜厚はス
パッタ成膜時間を変化させることで制御した。各々膜厚
の異なる電極構造について、実施例1と同様のアニール
を行った。
【0025】Ir層の膜厚が15nmと最も薄いIrO
2(82nm)/Ir(15nm)/TaSiN構造で
はアニール後にヒロックが観察された。これは、実施例
1で示したIrO2/TaSiN構造でIrO2が剥離し
たのと同じ原因であると考えられる。すなわち、Ir層
の膜厚が非常に薄いために完全にTaSiN表面を覆い
きれていない、あるいはその後のIrO2形成時の酸素
プラズマによる酸化を抑止できない程度に膜厚が薄いた
めにTaSiNが酸化される箇所が存在し、そこでのス
トレスがヒロックを発生させたと考えられる。
2(82nm)/Ir(15nm)/TaSiN構造で
はアニール後にヒロックが観察された。これは、実施例
1で示したIrO2/TaSiN構造でIrO2が剥離し
たのと同じ原因であると考えられる。すなわち、Ir層
の膜厚が非常に薄いために完全にTaSiN表面を覆い
きれていない、あるいはその後のIrO2形成時の酸素
プラズマによる酸化を抑止できない程度に膜厚が薄いた
めにTaSiNが酸化される箇所が存在し、そこでのス
トレスがヒロックを発生させたと考えられる。
【0026】その他のサンプルについては全てアニール
後においても剥離、ヒロック等は見られず、アニール耐
性のあることが確認できた。作製したサンプルの中で最
も膜厚の薄いIrO2(36nm)/Ir(22nm)
/TaSiN構造のアニール後の断面をSEM観察した
ところ、IrO2/Irの膜厚が60nm程度と薄い場
合においても平坦性が保たれており、TaSiN部分も
反応や拡散等は見られなかった。
後においても剥離、ヒロック等は見られず、アニール耐
性のあることが確認できた。作製したサンプルの中で最
も膜厚の薄いIrO2(36nm)/Ir(22nm)
/TaSiN構造のアニール後の断面をSEM観察した
ところ、IrO2/Irの膜厚が60nm程度と薄い場
合においても平坦性が保たれており、TaSiN部分も
反応や拡散等は見られなかった。
【0027】すなわち、(100)に配向したIrO2
及び(111)配向したIrからなるIrO2/Ir積
層電極構造を用いることで、非常に緻密で60nm程度
の薄い薄膜で酸化物強誘電体薄膜の成膜プロセス耐性を
実現できた。更に、作製したサンプルについてシート抵
抗を測定したところ、図3に示すようにIrO2/Ir
積層電極におけるIr層及びIrO2層の膜厚を変える
ことで電極全体のシート抵抗を1.2〜2.8Ω/□の
範囲で制御できることが分かった。
及び(111)配向したIrからなるIrO2/Ir積
層電極構造を用いることで、非常に緻密で60nm程度
の薄い薄膜で酸化物強誘電体薄膜の成膜プロセス耐性を
実現できた。更に、作製したサンプルについてシート抵
抗を測定したところ、図3に示すようにIrO2/Ir
積層電極におけるIr層及びIrO2層の膜厚を変える
ことで電極全体のシート抵抗を1.2〜2.8Ω/□の
範囲で制御できることが分かった。
【0028】また、バリアメタルとしてHfSiNを用
いたIrO2/Ir/HfSiN構造においても、少な
くともIrO2/Ir電極の膜厚が約60nm〜150
nmの範囲で同様に剥離、ヒロックのない平坦で緻密な
電極構造を作製でき、かつ酸素中での高温アニール耐性
が得られることを確認できた。以上で述べたように、本
発明のIrO2/Ir電極構造を用いることで平坦性、
緻密性に優れた電極を作製できる。その結果、Ir層の
膜厚が22nm以上でかつIrO2層の膜厚が36nm
以上の条件においてIrO2/Ir電極の膜厚が約60
〜150nmと薄いプロセス耐性に優れた電極が作製で
きた。さらに、シート抵抗が各層の膜厚を変えることに
より1.1〜2.8Ω/□まで制御できた。
いたIrO2/Ir/HfSiN構造においても、少な
くともIrO2/Ir電極の膜厚が約60nm〜150
nmの範囲で同様に剥離、ヒロックのない平坦で緻密な
電極構造を作製でき、かつ酸素中での高温アニール耐性
が得られることを確認できた。以上で述べたように、本
発明のIrO2/Ir電極構造を用いることで平坦性、
緻密性に優れた電極を作製できる。その結果、Ir層の
膜厚が22nm以上でかつIrO2層の膜厚が36nm
以上の条件においてIrO2/Ir電極の膜厚が約60
〜150nmと薄いプロセス耐性に優れた電極が作製で
きた。さらに、シート抵抗が各層の膜厚を変えることに
より1.1〜2.8Ω/□まで制御できた。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、STC構造を用いた強
誘電体メモリやDRAMの実用化に不可欠なプロセス耐
性に優れた下部電極が再現性良く作成することができ
る。特に、IrO2層及びIr層が結晶薄膜であり、I
rO2層は(100)面に配向し、Ir層は(111)
面に配向してなる場合には、その電極は平坦性、緻密性
にも優れるため、微細加工プロセス等への適用性も高く
なる。
誘電体メモリやDRAMの実用化に不可欠なプロセス耐
性に優れた下部電極が再現性良く作成することができ
る。特に、IrO2層及びIr層が結晶薄膜であり、I
rO2層は(100)面に配向し、Ir層は(111)
面に配向してなる場合には、その電極は平坦性、緻密性
にも優れるため、微細加工プロセス等への適用性も高く
なる。
【0030】さらに、IrO2/Ir層の膜厚が150
nm以下である場合には、積層構造電極の各層の膜厚を
変えることでシート抵抗等の電気特性の制御も可能とな
る。このように、本発明の多層構造電極においては、例
えば、強誘電体膜の形成プロセスにおいて、下部の半導
体との反応、相互拡散を防止することができ、信頼性の
高い、良好な特性を有する素子を得ることが可能とな
る。
nm以下である場合には、積層構造電極の各層の膜厚を
変えることでシート抵抗等の電気特性の制御も可能とな
る。このように、本発明の多層構造電極においては、例
えば、強誘電体膜の形成プロセスにおいて、下部の半導
体との反応、相互拡散を防止することができ、信頼性の
高い、良好な特性を有する素子を得ることが可能とな
る。
【図1】本発明の酸化物導電体を用いた多層構造電極の
実施例を示す概略断面図である。
実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の多層構造電極のIrO2/Ir/Ta
SiN構造のアニール後の表面及び断面のSEM写真で
ある。
SiN構造のアニール後の表面及び断面のSEM写真で
ある。
【図3】本発明の多層構造電極のIrO2/Ir/Ta
SiN構造のシート抵抗を示すグラフである。
SiN構造のシート抵抗を示すグラフである。
1 単結晶Si基板 2 SiO2膜 3 バリアメタル 4 電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/788 29/792 (72)発明者 松永 宏典 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−116032(JP,A) 特開 平8−236479(JP,A) 特開 平10−173154(JP,A) 特開 平10−150155(JP,A) 特開 平9−82666(JP,A) 特開 平9−8253(JP,A) 特開 平8−330513(JP,A) 特開 平8−306722(JP,A) 特開 平8−277196(JP,A) 特開 平8−264665(JP,A) 特開 平8−107153(JP,A) 特開 平8−51165(JP,A) 特開 平7−302888(JP,A) 特開 平7−245237(JP,A) 特開 平7−99290(JP,A) 特開 平7−74177(JP,A) 特開 平6−338502(JP,A) 特開 平6−326249(JP,A) 特開 昭62−89355(JP,A) 特開 平8−260148(JP,A) 特表 平11−510317(JP,A) Gbit−DRAM用電極,半導体・ 集積回路技術第51回シンポジウム講演論 文集,日本,電気化学会電子材料委員 会,1996年12月5日,54−59 Jpn.J.Appl.Phys., Vol.33,Part1,No.9B, 5207−5210 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/28 301 H01L 21/822 H01L 21/8247 H01L 27/04 H01L 27/105 H01L 29/788 H01L 29/792
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体基板上に形成される多層構造電極
において、下部にTa又はHf、およびSi、Nを構成
元素とするバリアメタルを有し、該バリアメタルの上部
に、膜厚36〜82nmのIrO2/膜厚22〜66n
mのIr(上層/下層)の積層構造電極が形成されてな
ることを特徴とする酸化物導電体を用いた多層構造電
極。 - 【請求項2】 IrO2層及びIr層が結晶薄膜であ
り、IrO2層は(100)面に配向し、Ir層は(1
11)面に配向してなる請求項1記載の多層構造電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05848097A JP3299909B2 (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 酸化物導電体を用いた多層構造電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05848097A JP3299909B2 (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 酸化物導電体を用いた多層構造電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10242078A JPH10242078A (ja) | 1998-09-11 |
JP3299909B2 true JP3299909B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=13085608
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05848097A Expired - Fee Related JP3299909B2 (ja) | 1997-02-25 | 1997-02-25 | 酸化物導電体を用いた多層構造電極 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3299909B2 (ja) |
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US8405188B2 (en) | 2007-02-28 | 2013-03-26 | Fujitsu Semiconductor Limited | Semiconductor device and method of manufacturing the semiconductor device |
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KR100709033B1 (ko) | 2005-08-06 | 2007-04-18 | 주식회사 아이피에스 | HfSiN 박막증착방법 |
KR100748309B1 (ko) | 2006-02-10 | 2007-08-09 | 삼성에스디아이 주식회사 | 유기전계발광 표시장치 및 그 제조방법 |
JP4983172B2 (ja) | 2006-09-12 | 2012-07-25 | 富士通セミコンダクター株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
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