JP3296137B2 - 薬物吐出装置 - Google Patents
薬物吐出装置Info
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Description
によりリラクゼーション等の処理を行う薬物吐出装置に
関する。
に対する社会の関心が高まっており、日常生活の中で簡
単に利用することができるリラクゼーション手段が望ま
れている。この種のリラクゼーションのための手段とし
て、香料の鎮静作用が従来より利用されてきた。古くか
らある例としては、香を焚いて気を沈める、といった利
用の形態を挙げることができる。また、最近のものとし
ては、香料を空気に混ぜて送風するようにした空調装置
等が挙げられる。
しないようにするためには、適度な頻度でリラクゼーシ
ョンを行うことが好ましいが、多忙な現代人はそのよう
なリラクゼーションをついつい怠ってしまう。そもそも
自己をリラックスさせるために注意を払うというところ
に無理があるのであり、そのような努力を払う必要のな
いリラクゼーションのための手段が望まれている。
適度なリラクゼーションが必要ではあるが、常時、リラ
クゼーションのみを行えばよい訳ではない。すなわち、
真に健康的な生活を営むためには、休むべきときには鎮
静状態、働くべきときには適度な興奮状態という具合
に、鎮静状態と興奮状態とをうまく切り替えてゆくのが
好ましいのである。
るものであり、使用者の手を煩わすことなく、適切なタ
イミングで自動的に香料を吐出し、興奮状態、鎮静状態
といった使用者の内的状態を制御することができる薬物
吐出装置を提供することを目的としている。
に係る発明は、生体の状態を測定する測定手段と、現時
点までに測定された前記生体の状態を記憶する記憶手段
と、過去における前記生体の状態の変動リズムに基づい
て薬物を吐出すべき時期を決定し、その時期において薬
物吐出指令を出力する制御手段と、前記薬物吐出指令に
従って薬物を吐出する吐出手段と、を具備することを特
徴とする薬物吐出装置を要旨とする。また、請求項2に
係る発明は、前記制御手段は、生体の状態が所定の傾向
で変化する時間帯を選択し、該時間帯において前記薬物
吐出指令を出力することを特徴とする請求項1記載の薬
物吐出装置を要旨とする。これらの発明によれば、生体
の状態の変動リズムに基づいて薬物を吐出すべき時期が
決定されるので、薬物吐出による興奮状態の抑制若しく
は促進または鎮静状態の抑制若しくは促進といった操作
を最適なタイミングにて自動的に行うことができる。
する測定手段と、現時点までに測定された前記生体の状
態を記憶する記憶手段と、過去における前記生体の状態
の変動リズムと現時点における生体の状態とに基づいて
薬物吐出指令を出力する制御手段と、前記薬物吐出指令
に従って薬物を吐出する吐出手段と、を具備することを
特徴とする薬物吐出装置を要旨とする。また、請求項4
に係る発明は、前記制御手段は、生体の状態が所定の傾
向で変化する時間帯を選択し、該時間帯において前記生
体の状態が過去におけるものとは異なった傾向で変化し
た場合に前記薬物吐出指令を出力することを特徴とする
請求項3記載の薬物吐出装置を要旨とする。また、請求
項5に係る発明は、前記制御手段は、所定の時間帯を選
択し、該時間帯における生体の状態が、過去所定期間内
における該時間帯の生体の状態の移動平均から一定量以
上離れている場合に前記薬物吐出指令を出力することを
特徴とする請求項3記載の薬物吐出装置を要旨とする。
これらの発明によれば、過去における生体の状態の変動
リズムと現在の生体の状態とに基づいて薬物の吐出が制
御されるので、一定のリズム変動波形に従って生体の状
態をリズム変動させるように薬物の吐出を行うことがで
きる。
は、人体の動脈系の中枢部から末梢部に至る系を模した
電気回路モデルの素子によって表されるものであり、前
記測定手段は前記生体から脈波を測定し、該脈波に基づ
いて該電気回路モデルの素子の値を決定することを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の薬物
吐出装置を要旨とする。請求項7に係る発明は、前記測
定手段は、前記生体から脈波の基本波の振幅および高調
波の振幅、位相を測定し、該測定結果に基づいて前記電
気回路モデルの素子の値を決定することを特徴とする請
求項6記載の薬物吐出装置を要旨とする。請求項8に係
る発明は、前記測定手段は、前記生体から脈波の基本波
の振幅および高調波の振幅、位相を測定し、該測定結果
から脈波の歪率を算出し、該歪率および、該歪率と前記
電気回路モデルの素子の値との回帰式から前記電気回路
モデルの素子の値を決定することを特徴とする請求項7
記載の薬物吐出装置を要旨とする。
ルは、前記動脈系中枢部での血液粘性による血管抵抗に
対応した第1の抵抗、前記動脈系中枢部での血液の慣性
に対応したインダクタンス、前記動脈中枢部での血管の
粘弾性に対応した静電容量および前記末梢部での血管抵
抗に対応した第2の抵抗とを有し、1対の入力端子間に
前記第1の抵抗およびインダクタンスからなる直列回路
と前記静電容量および第2の抵抗からなる並列回路とが
順次直列に介挿されてなる四要素集中定数モデルである
ことを特徴とする請求項6〜8記載の薬物吐出装置を要
旨とする。これらの発明によれば、人体の循環系統を直
接的に表したパラメータを生体の状態を表す情報として
使用しているので、生体の状態を正確に判断し、薬物吐
出の制御を行うことができる。請求項10に係る発明
は、前記生体の状態は、人体の動脈の脈波の高調波成分
の位相または振幅によって表されるものであり、前記測
定手段は前記生体から脈波を測定し、該測定結果から脈
波の高調波成分の振幅または位相を測定することを特徴
とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の薬物
吐出装置を要旨とするものである。
は、人体の動脈の脈波の時間間隔変動から得られる低周
波成分および高周波成分の2つのスペクトル成分の振幅
の比に基づくものであり、前記測定手段は前記生体から
脈波を測定し、隣接する該脈波の時間間隔を算出して、
該時間間隔の変動のスペクトル分析から低周波のスペク
トル成分および高周波のスペクトル成分を求めることを
特徴とする請求項1〜5のいずれか1の項記載の薬物吐
出装置を要旨とする。請求項12に係る発明は、前記生
体の状態は、人体の動脈の脈波の時間間隔変動の変動個
数に基づくものであり、前記測定手段は前記生体から脈
波を測定し、隣接する該脈波の時間間隔を算出して、連
続する該時間間隔の変動量が所定時間を越える個数を前
記変動個数として出力することを特徴とする請求項1〜
5のいずれかの1の項記載の薬物吐出装置を要旨とす
る。これらの発明によれば、人体の循環系統を表した測
定量を生体の状態を表す情報として使用しているので、
生体の状態を正確に判断し、薬物吐出の制御を行うこと
ができる。
量を求め、該吐出量の積算値が所定量に致った場合にそ
の旨を知らせる手段を具備することを特徴とする請求項
1〜12のいずれか1の請求項に記載の薬物吐出装置を
要旨とする。かかる発明によれば、使用者は薬物の補充
時期となったことを知ることができる。請求項14に係
る発明は、前記薬物の吐出が正常に行われているか否か
を監視し、異常がある場合にその旨を知らせる手段を具
備することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1の
請求項に記載の薬物吐出装置を要旨とする。かかる発明
によれば、薬物の吐出が正常に行われなくなった場合に
直ちにその旨が知らさせるので、吐出手段の調整等の処
置を迅速に行うことができる。
され、バッテリから供給される電圧に基づいて稼働する
薬物吐出装置であり、該バッテリの出力電圧を、間欠的
に前記測定手段、前記制御手段および前記吐出手段へ供
給する給電制御手段を有することを特徴とする請求項1
〜14のいずれか1の請求項に記載の薬物吐出装置を要
旨とする。かかる発明によれば、携帯性であるため、日
常生活を営みながら薬物吐出装置を使用することができ
る。また、バッテリの電圧は間欠的に各部に供給される
ので消費電力を低く抑えることができ長時間に亙って使
用することができる。
出力電圧が所定電圧以下になった場合にその旨を知らせ
る手段を具備することを特徴とする請求項15記載の薬
物吐出装置を要旨とする。かかる発明によれば、使用者
はバッテリを交換すべき時期になったことを知ることが
できる。請求項17に係る発明は、人体に装着するセン
サを具備し、該センサにより生体の動きを測定して、該
測定結果をもとに前記生体の状態を補償することを特徴
とする請求項1〜16のいずれか1の項記載の薬物吐出
装置を要旨とする。かかる発明によれば、使用者が運動
しているような場合であっても、生体の状態を正確に把
握して、的確な薬物吐出制御を行うことができる。
は、脈圧を測定することにより前記脈波の測定を行うこ
とを特徴とする請求項6〜17のいずれか1の項記載の
薬物吐出装置を要旨とする。請求項19に係る発明は、
前記測定手段は、皮膚下の血管に光を照射して、該血管
によって反射された反射光を受光することにより前記脈
波の検出を行うことを特徴とする請求項6〜17のいず
れか1の項記載の薬物吐出装置を要旨とする。
び前記制御手段を内蔵し、前記吐出手段が表面に設けら
れたケースを有し、該ケースはネックレスの鎖に取り付
けられ、前記測定手段は、前記ケースが前記ネックレス
の鎖へ取り付けられ、皮膚下の血管に対して光を照射す
る発光素子と、前記光が前記皮膚下の血管によって反射
された反射光を受光する光センサとからなる光電式脈波
センサにより前記脈波の測定を行うことを特徴とする請
求項6〜17のいずれか1の項記載の薬物吐出装置を要
旨とする。
び前記制御手段を内蔵し、前記吐出手段が表面に設けら
れたケースを有し、該ケースは眼鏡のフレームの蔓に取
り付けられ、前記測定手段は、皮膚下の血管に対して光
を照射する発光素子と、前記光が前記皮膚下の血管によ
って反射された反射光を受光する光センサとからなる光
電式脈波センサにより前記脈波の測定を行うことを特徴
とする請求項6〜17のいずれか1の項記載の薬物吐出
装置を要旨とする。
るネックレスや眼鏡に薬物吐出装置を組み込むようにし
たので、使用者が薬物吐出装置を格別意識することなし
に装着でき、携帯に便利な薬物吐出装置を提供すること
が可能となる。さらに、発光素子から皮膚の下の血管へ
光を照射して、血管からの反射光を光センサで受光する
ので、人体のどのような部位に対しても脈波を容易に測
定でき、測定部位の選択の幅を広げることができる。
する。なお、以下の実施例においては、薬物の一例とし
て香料を取り上げて説明を行う。
に際し以下の事前検討を行った。
環動態パラメータとの間には密接な関係があり、人体が
鎮静状態から興奮状態へあるいは興奮状態から鎮静状態
に変化することにより、その変化が血管抵抗等の循環動
態パラメータの変化となって現われることが知られてい
る。そこで、本願発明者は、香料を嗅がせたときの人体
の循環動態パラメータの挙動を調べることにより、香料
の効果を確認することとした。
し、ラベンダーと白檀のアロマオイルを嗅がせ、香を嗅
がせる前、嗅がせている期間内、嗅がせた後の各時点に
おいて被験者の1回拍出量、橈骨動脈波等を測定した。
す四要素集中定数モデルを構成するものと想定し、この
四要素集中定数モデルの各素子がどのような時間的変化
をするかを確認することにした。この四要素集中定数モ
デルは、人体の循環系の挙動を決定する循環動態パラメ
ータのうち、動脈系中枢部での血液による慣性、中枢部
での血液粘性による血管抵抗(粘性抵抗)、中枢部での
血管のコンプライアンス(粘弾性)及び末梢部での血管
抵抗(粘性抵抗)の4つのパラメータに着目し、これら
を電気回路としてモデリングしたものである。この四要
素集中定数モデルを構成する各素子と上記各パラメータ
との対応関係を示すと次の通りである。
の慣性 〔dyn・s2/cm5〕 静電容量C:動脈系中枢部での血管のコンプライアンス
(粘弾性)〔cm5/dyn〕 なお、コンプライアンスとは血管の軟度を表わす量であ
り、粘弾性のことである。 電気抵抗Rc:動脈系中枢部での血液粘性による血管抵
抗〔dyn・s/cm5〕 電気抵抗Rp:動脈系末梢部での血液粘性による血管抵
抗〔dyn・s/cm5〕
i,iP,icは、各々対応する各部を流れる血流〔cm3/
s〕に相当する。また、この電気回路に印加される入力
電圧eは大動脈起始部の圧力〔dyn/cm2〕 に相当する。
そして、静電容量Cの端子電圧vP は、橈骨動脈部での
圧力〔dyn/cm2〕に相当するものである。
18のような波形であるが、この圧力波形を図19に示
す三角波で近似することとした。図19においてEo は
最低血圧(拡張期血圧)、Eo+Emは最高血圧(収縮期
血圧)であり、tP は1拍の時間、tP1は大動脈圧の立
ち上がりからその圧力が最低血圧値になるまでの時間で
ある。
された橈骨動脈波および1回拍出量に対応した循環動態
パラメータ、すなわち、図19に示す三角波を四要素集
中定数モデルに与えた場合に当該橈骨動脈波と同一の波
形が静電容量Cの両端に得られるための条件としての四
要素集中定数モデルの各素子Rc,Rp,C,Lの値を求
めた。なお、橈骨動脈波形および1回拍出量から四要素
集中定数モデルの各素子Rc,Rp,C,Lの値を数学的
に求める手法については、既に本願出願人により出願さ
れた特願平5−1431号に開示されている。
化が確認された。今回得られた実験データのうち1回拍
出量SVと血管抵抗RP についてのデータを図20に示
す。なお、同図において、横軸には測定時点を表した表
記があるが、これらのうち“前”は香を嗅がせる前の時
点、“中”は香を嗅がせ始めてから6分経過後の時点、
“直後”は香を止めてから3分経過後の時点、“後”は
香を止めてから6分経過後の時点を各々意味している。
の香を嗅がせることにより有意な血管抵抗RP の増加
(すなわち、鎮静状態への移行)が、白檀の香を嗅がせ
ることにより有意な1回拍出量SVの増加、血管抵抗R
P の低下(すなわち、興奮状態への移行)が認められ
た。以上、今回行った事前検討によりラベンダーには鎮
静作用が、白檀には興奮作用があることが確認された。
て興奮状態、鎮静状態を繰り返すことが知られている。
本発明の目的は香料の吐出により人間の状態を好ましい
状態に制御することにあるが、この目的を達成するため
の手段を検討するに際し、何等操作を行わない場合にお
ける人間の状態の本来的な挙動を把握しておく必要があ
る。そこで、本願発明者は、人間の循環動態パラメータ
の時間的変化を調べることにより、人間の状態のリズム
変動の様子を確認することとした。
日間36時間にわたり同一施設内で同じ行動を取らせ
た。また、気温は24.0〜24.5℃、湿度は40〜
50%に保った。食事は正午および午後6時に与えた。
また、二日間同じメニューとし、1日当たり約1700
Kcalの食事を与えた。就寝は深夜0時、起床は翌朝6時
とし、6時間の睡眠を取らせた。そして、2時間ごとに
橈骨動脈波形および1回拍出量の測定を行った。測定に
際し、被験者には、測定前15分間、安静座位をさせ、
測定中は安静座位にて0.25Hzのメトロノームに合
せた定常呼吸をさせた。そして、測定開始後、20,3
0,40,50秒後からの10心拍から1拍分の平均加
算波形を求め、次項で説明する解析の対象とした。
ら上述した四要素集中定数モデルの各素子Rc,Rp,
C,Lの値を求めた。
C,Lの各々について、被験者13名の平均値と、リズ
ム解析により得られた基本波スペクトルおよび第2調波
スペクトルを合成した日内変動波形とを対比して示した
ものである。今回得られた測定結果によれば、循環動態
パラメータRc,Rp,C,Lの日内変動波形には個人差
があるものの、いずれの被験者のものも共通の特徴を有
することが分った。すなわち、Rc,Rp,Lの値は朝方
が大きく、昼にかけて徐々に減少し、夕方小さなピーク
が生じた後、再び上昇する。また、Cの値は日内の前半
は高めで、後半、減少する傾向がある。
施例に係る薬物吐出装置を設計するに際して考慮すべき
点は次の通りである。 a.香料によってその作用が異なるので、目的とする作
用に基づいて香料の種類を決定する必要がある。 b.日内変動リズムの振幅はかなり大きい。従って、人
間の状態を香料によって制御するにしても、循環動態パ
ラメータの現在値のみに基づいて香料の吐出を制御すべ
きではなく、この日内変動のリズムを考慮に入れて行う
必要がある。 c.循環動態パラメータの値は個人差が大きい。従っ
て、香料の吐出は利用者の循環動態パラメータの日内変
動リズムに基づいて制御する必要がある。
て興奮状態、鎮静状態を繰り返すものであることが確認
された。ここで、興奮状態/鎮静状態の変化のリスムと
して良好なリズムを有している者に関しては、そのよう
なリズムが長期に亙って維持されれば問題がない。しか
し、このリズムが崩れたような場合には、元のリズムに
戻すような操作を行うべきであろう。また、極端な興奮
状態または鎮静状態になることが好ましくない者に対し
ては、そのような状態に陥るのを避けるための操作が必
要であろう。また、鎮静状態になりがちな者については
適度に興奮状態に移行させるような操作が必要であろ
う。また、常時、興奮状態にある者は適度に鎮静状態に
移行させる操作が必要であろう。
使用者の循環動態を測定し、この測定結果に基づき、必
要に応じて香料を吐出するものである。循環動態は、上
述の通り、1日を周期としてリズム変動するものである
ため、特定時点の循環動態のみから香料吐出の是非を決
定することはできない。そこで、循環動態のリズム変動
を考慮に入れ、現在の循環動態の各パラメータ値に基づ
く香料吐出の制御を行う。また、興奮状態/鎮静状態の
変動リズムをどのように操作するのが好ましいかは使用
者によって区々である。従って、如何なる状態のときに
香料の吐出を行うべきかについても、使用者が所望の制
御モードを選択することができるようにした。
能な香料の吐出制御の各モードを示すものである。これ
らの図において、実線は使用者の状態(興奮状態/鎮静
状態)の本来の時間的変化を示すものであり、破線は香
料吐出により制御された使用者の状態の時間的変化を示
すものである。これらの図に示された本実施例における
香料の吐出制御の各モードについて説明すると次の通り
である。
時間帯に興奮作用を有する白檀の香を放ち、鎮静状態へ
の移行を抑制する(図10参照)。極度な鎮静状態にな
ることが好ましくない使用者に好適である。 モード2:使用者が興奮状態へと移行する時間帯に興奮
作用を有する白檀の香を放ち、興奮状態への移行を促進
する(図11参照)。鎮静状態からの回復を速やかに行
う必要のある使用者に好適である。 モード3:使用者が興奮状態へと移行する時間帯に鎮静
作用を有するラベンダーの香を放ち、興奮状態への移行
を抑制する(図12参照)。極度な興奮状態になること
が好ましくない使用者に好適である。 モード4:使用者が鎮静状態へと移行する時間帯に鎮静
作用を有するラベンダーの香を放ち、鎮静状態への移行
を促進する(図13参照)。興奮状態からの回復を速や
かに行う必要のある使用者に好適である。 モード5:使用者が興奮状態へと移行する時間帯にはラ
ベンダーの香を放って興奮状態への移行を抑制し、鎮静
状態へと移行する時間帯には白檀の香を放って鎮静状態
への移行を抑制する(図14参照)。状態を一定に保つ
ことが必要な使用者に好適である。 モード6:使用者が興奮状態へと移行する時間帯には白
檀の香を放って興奮状態への移行を促進し、鎮静状態へ
と移行する時間帯にはラベンダーの香を放って鎮静状態
への移行を促進する(図15参照)。生活のリズムにめ
りはりを付けたい場合に好適である。 モード7:過去の興奮状態/鎮静状態の変動リズムに反
する変化があった場合にはその変化を抑制する香料を吐
出する。すなわち、通常は興奮状態へと移行する時間帯
A,Cにおいて鎮静状態への移行が認められた場合には
白檀の香を放ち、鎮静状態への移行を抑制する。また、
通常は鎮静状態へと移行する時間帯にはB,Dにおいて
興奮状態への移行が認められた場合にはラベンダーの香
を放ち、興奮状態への移行を抑制する(図16参照)。
突発的に生じる興奮、鎮静を抑制するのに効果的であ
る。
ロック図である。同図に示すように、本実施例は、制御
部100に対し、脈波検出部200、第1香料吐出部3
00および第2香料吐出部400を接続してなるもので
ある。脈波検出部200は患者から橈骨動脈波形を測定
するために設けられた手段である。また、第1および第
2香料吐出部300および400はラベンダーおよび白
檀の香を各々放つために設けられた手段である。また、
本実施例に係る薬物吐出装置は、バッテリ500および
間欠給電を行うための給電制御部501を有している。
給電制御部501は、制御部100、脈波検出部20
0、第1香料吐出部300および第2香料吐出部400
の各々が給電を必要とする期間(例えば制御部100に
ついては演算処理等を行う期間、香料吐出部の場合は香
料を吐出する期間)のみバッテリ500の出力電圧を各
部に供給する。このようにバッテリ500の電圧は間欠
的に各部に供給されるので消費電力を低く抑えることが
でき、本装置を長時間に亙って動作させることができ
る。また、バッテリ500の出力電圧は、制御部100
内のマイクロコンピュータ(後述)によって監視されて
おり、これが所定電圧以下になった場合にその旨の告知
がなされるようになっている。
構成を示すものであり、(a)は外観を示す斜視図、
(b)は(a)のA−A’線断面図である。この図に示
すように、この薬物吐出装置は腕時計に組み込まれた携
帯用装置である。図2(a)において、13は圧力セン
サ、12は取り付け具であり、これらにより図1におけ
る脈波検出部200が構成されている。ここで、圧力セ
ンサ13は取り付け具12の表面に取り付けられてお
り、この取り付け具12は時計バンド11に摺動自在に
取り付けられている。そして、腕時計が手首に装着され
ることにより、取り付け具12の表面の圧力センサ13
が適度な圧力で橈骨動脈部に押し当てられるようになっ
ている。圧力センサ12は歪ゲージ等によって構成され
ており、この圧力センサ12の両端から使用者の橈骨動
脈波形を表す脈波信号(アナログ信号)が得られる。こ
の脈波信号は検出時計用バンド11内に埋め込まれた信
号線(図示略)を介して時計本体10に内蔵された制御
部100(図2では図示略。図1参照)に取込まれる。
時計本体10における時計用バンド11の取り付け部の
断面構造は図2(b)に示す通りであり、この部分には
タンク361、マイクロポンプ301等が内蔵されてい
る。これらは図1における第1香料吐出部300を構成
するものである。マイクロポンプ301は制御部100
から送られる駆動指令に従ってタンク361からチュー
ブ305Tを介してラベンダーの香料を汲み上げる。こ
の汲み上げられた香料はチューブ306Tを介すること
により時計本体10の表面に形成された噴射孔16から
外部へ噴射される。なお、時計本体10には、さらに図
1における第2香料吐出部400に相当するものが内蔵
されているが、煩雑化を避けるため図示を省略してい
る。この第2香料吐出部400によって汲み上げられる
白檀の香料は噴射孔17から外部へ噴射される。マイク
ロポンプ301等の構成については後で詳述する。
成について説明する。制御部100は、メモリ1、入力
部2、出力部3、波形抽出記憶部4およびマイクロコン
ピュータ5によって構成されている。メモリ1は、バッ
テリバックアップされたRAM(ランダムアクセスメモ
リ)等によって構成された不揮発性メモリであり、マイ
クロコンピュータ5が他の各部を制御する際の制御デー
タの一時記憶に使用される。また、このメモリ1の所定
の記憶エリアには、複数の異なる時刻において測定され
た循環動態パラメータが記憶される。
れかのモードを設定する命令等、マイクロコンピュータ
5に対し種々のコマンドを入力するために設けられた手
段であり、例えば図2に示す時計本体10に設けられた
リューズ等によって構成されている。出力部3は、時計
本体10に設けられた液晶表示装置、アラーム音発生装
置等(共に図示略)によって構成されている。
タ5による制御の下、脈波検出部200から得られる検
出信号を取り込み、この取り込んだ信号から1波長分
(1拍分)の脈波を抽出して記憶する。ここで、図4を
参照し波形抽出記憶部4の構成を説明する。図3におい
て、101はA/D(アナログ/デジタル)変換器であ
り、脈波検出部200によって出力される脈波信号を一
定周期のサンプリングクロックφに従ってデジタル信号
に変換して出力する。102はローパスフィルタであ
り、A/D変換器101から順次出力されるデジタル信
号に対し、所定のカットオフ周波数以上の成分を除去す
る処理を施し、その結果を波形値Wとして順次出力す
る。103はRAMによって構成される波形メモリであ
り、ローパスフィルタ102を介して供給される波形値
Wを順次記憶する。111は波形値アドレスカウンタで
あり、マイクロコンピュータ5から波形採取指示STA
RTが出力されている期間、サンプリングクロックφを
カウントし、そのカウント結果を波形値Wを書き込むべ
き波形アドレスADR1として波形メモリ103のアド
レス入力端へ供給する。また、この波形アドレスADR
1はマイクロコンピュータ5により監視される。
タ102から順次出力される波形値Wの時間微分を演算
して出力する。122は零クロス検出回路であり、波形
値Wの時間微分が0となった場合に零クロス検出パルス
Zを出力する。さらに詳述すると、零クロス検出回路1
22は、図4に例示する脈波の波形においてピーク点P
1、P2、…を検出するために設けられた回路であり、
これらのピーク点に対応した波形値Wが入力された場合
に零クロス検出パルスZを出力する。123はピークア
ドレスカウンタであり、マイクロコンピュータ5から波
形採取指示STARTが出力されている期間、零クロス
検出パルスZをカウントし、そのカウント結果をピーク
アドレスADR2として出力する。124は移動平均算
出回路であり、現時点までに微分回路121から出力さ
れた過去所定個数分の波形値Wの時間微分値の平均値を
算出し、その結果を現時点に至るまでの脈波の傾斜を表
す傾斜情報SLPとして出力する。125は後述するピ
ーク情報を記憶するために設けられたピーク情報メモリ
である。
して入力されるコマンドに従って制御部100内の各部
の制御を行う。また、マイクロコンピュータ5は、時計
回路を内蔵しており、一定時間が経過する毎に以下のタ
イマ割込み処理を行う。
込み処理および1波長分の脈波の抽出処理の制御 波形抽出記憶部4内の微分回路121および零クロス検
出回路122によって脈波のピーク点が検出される毎に
以下列挙する各情報(以下、ピーク情報と総称する)を
求め、図5に示すテーブル形式に従ってピーク情報メモ
リ125に書き込む。
出力される波形値Wが極大値または極小値となった時点
で波形アドレスカウンタ111から出力されている書き
込みアドレスADR1、すなわち、極大値または極小値
に相当する波形値Wの波形メモリ103における書き込
みアドレスである。 ピーク種別B/T:上記波形値アドレスADR1に書き
込まれた波形値Wが極大値T(Top)であるか極小値
B(Bottom)であるかを示す情報である。 波形値W:上記極大値または極小値に相当する波形値で
ある。 ストロークSTRK:直前のピーク値から当該ピーク値
に至るまでの波形値の変化分である。 傾斜情報SLP:当該ピーク値に至るまでの過去所定個
数分の波形値の時間微分の平均値である。
形メモリ103から1波長分の脈波を読み出し、この脈
波に基づいて使用者の循環動態パラメータ、すなわち、
上述した四要素集中定数モデルの各素子の値を求める。
この場合、まず、波形メモリ103から読み出した脈波
の波形をフーリエ解析することにより、脈波の基本波お
よび高調波の各振幅I,I2,I3,・・・および高調波の基本
波に対する位相P2,P3,P4・・・を求める。次に、求めた
振幅値I,I2,I3,・・・から次式によって脈波の歪率dを
求める。 d=√(I22+I32+・・・+In2)/I 次いで、歪率d、位相P2,P3・・・ と循環動態パラメー
タの各値との回帰式から各循環動態パラメータの値を求
める。次に、回帰式を示す。 Rc(dyn・s/cm5)=-179.00×d+2.275×P5+2.295×P2+7
26.74 (R2=0.86, P<0.00001, n=106) Rp(dyn・s/cm5)=6.90×P5-391.5×d+192.3 (R2=0.49, P<0.00001, n=106) または、Rp(dyn・s/cm5)=0.68×P2-788.10×d+1957.
3 (R2=0.30, P=0.008, n=106) L(dyn・s2/cm5)=-31.40×d+0.16×P5+11.50 (R2=0.74, P<0.00001, n=106) C(cm5/dyn)=2.34×d-0.007×P5+0.69 (R2=0.74, P<0.00001, n=106) なお、上式において、R2は決定係数、Pは危険率、nはサ
ンプル数である。
橈骨動脈波を測定し、測定した脈波をフーリエ解析する
ことによって基本波、高調波の振幅および位相を求め、
一方、各被験者について1回拍出量および橈骨動脈波形
から前述した図17の四要素集中定数モデルの各素子の
値、すなわち、循環動態パラメータを求め、そして各被
験者について、求めた振幅、位相、パラメータの相関を
求めることによって得られる。次に、このようにして求
められた循環動態パラメータを、脈波の測定時刻を表す
情報と共にメモリ1に蓄積する。以上の処理が一定時間
間隔で繰り返されることにより、各時刻での循環動態パ
ラメータがメモリ1に蓄積される。
1内に蓄積された過去一定期間内の循環動態パラメータ
を参照し、第1香料吐出部300および第2香料吐出部
400の香料吐出の制御を行う。なお、この制御につい
ては、本実施例の動作を説明する際に併せて説明し、こ
こでの重複した説明は避ける。
出部400)の構成を示す。この図に示すように、マイ
クロポンプ301は、入力ポート305がチューブ30
5Tを介しタンク361に挿入されており、出力ポート
306には噴射用のチューブ306Tが接続されてい
る。駆動回路363は、マイクロコンピュータ5から駆
動指令が与えられることにより所定レベル(約100
V)の駆動パルスを発生し、マイクロポンプ301の駆
動手段たる圧電素子326に供給する。発振回路364
は上記駆動パルスのパルス幅よりも周期の短い多数のパ
ルスを発生し、コンデンサCおよび抵抗Rを介しマイク
ロポンプ301の作動検出スイッチ350へ印加する。
ここで、作動検出スイッチ350は、マイクロポンプ3
01の出力ポート306から液が排出される毎に所定の
時間幅だけオン状態となるように構成されている。従っ
て、マイクロポンプ301が正常に作動している場合
は、マイクロポンプ301に駆動パルスが印加され、こ
れによる液の排出が行われる毎に作動検出スイッチ35
0の両端の電圧が低下することとなる。異常検出回路3
65は作動検出スイッチ350の両端の電圧を整流し、
この整流により得られた電圧のレベルが駆動パルスに対
応した時間的変化をしていない場合に異常検出信号を出
力する。
プ301の断面図である。このマイクロポンプ301
は、基板302、薄膜板303および表面板304のサ
ンドイッチ構造によるものである。
ラス基板からなり、入力ポート305および出力ポート
306が設けられている。これらのポートには、チュー
ブ305Tおよび306Tが、液漏れすることがないよ
う接着剤により接合されている。
度のSi基板からなり、エッチング法により入口バルブ
307、出口バルブ308が形成されると共にこれらの
バルブの間にダイヤフラム309が形成されている。そ
して、さらにダイヤフラム309の下方のポンプ室32
2およびこれに通じるポンプ流路系が形成されている。
ダイヤフラム309の上部には、駆動手段として、ピエ
ゾディスクの圧電素子326が接着されている。
うに形成されており、その上平面部ほぼ中央には通孔3
18が形成されると共にこの通孔318を囲むように下
方に突出する弁体316が形成されている。この弁体3
16は先端部が基板302まで致っており、入口バルブ
307の側面とこの弁体316により室317が形成さ
れている。この室317は図示しない流路を介し入力ポ
ート305に通じている。一方、出口バルブ308は出
力ポート306の入口を覆うキャップ状の弁体325に
よって構成されている。
ガラス基板からなる表面板304が陽極接合法により接
着されており、この表面板304により上記のポンプ流
路系の一部の流路の上部壁が構成されている。この表面
板304の上記ダイヤフラム309に対応した箇所には
窓328が形成されている。上記圧電素子326は、こ
の窓328を介して露出した上記ダイヤフラム309の
表面に接着される。表面板304の厚さは約1mmであ
る。
する。この作動検出スイッチ350は、出口バルブ30
8の隔壁の挙動を検出すべく設けられたものであり、該
隔壁の上部に突出した突起部351と、この突起部35
1の表面に接着された電極板352と、この電極板35
2と対向するように表面板304の下部に接着された裏
面電極板353によって構成されている。ここで、電極
板352および353にはコンデンサCおよびRを介し
発振回路364の出力パルスが印加される。電極板35
2および353としては、例えばPt−Ir、W、T
a、Ni、Pt、Pd、Mo、Ti、多結晶Si、WS
i2 、CP1、CP2等の接点材料を使用する。
にタイマ割込みが行われる。この結果、タイマ割込みル
ーチンとして以下の処理がマイクロコンピュータ5によ
り実行される。
ための処理が実行される。この処理について詳述する
と、まず、マイクロコンピュータ5により波形採取指示
STARTが出力され、波形抽出記憶部4内の波形アド
レスカウンタ111およびピークアドレスカウンタ12
3のリセットが解除される。この結果、波形アドレスカ
ウンタ111によりサンプリングクロックφのカウント
が開始され、そのカウント値が波形アドレスADR1と
して波形メモリ103に供給される。そして、脈波検出
部200によって検出された橈骨動脈波形がA/D変換
器101に入力され、サンプリングクロックφに従って
デジタル信号に順次変換され、ローパスフィルタ102
を介し波形値Wとして順次出力される。このようにして
出力された波形値Wは、波形メモリ103に順次供給さ
れ、その時点において波形アドレスADR1によって指
定される記憶領域に書込まれる。以上の動作により図4
に例示する橈骨動脈波形に対応した一連の波形値Wが波
形メモリ103に蓄積される。
出およびピーク情報メモリ125への書込が以下説明す
るようにして行われる。まず、ローパスフィルタ102
から出力される波形値Wの時間微分が微分回路121に
よって演算され、この時間微分が零クロス検出回路12
2および移動平均算出回路124に入力される。移動平
均算出回路は、このようにして波形値Wの時間微分値が
供給される毎に過去所定個数の時間微分値の平均値(す
なわち、移動平均値)を演算し、演算結果を傾斜情報S
LPとして出力する。ここで、波形値Wが上昇中もしく
は上昇を終えて極大状態となっている場合は傾斜情報S
LPとして正の値が出力され、下降中もしくは下降を終
えて極小状態となっている場合は傾斜情報SLPとして
負の値が出力される。
応した波形値Wがローパスフィルタ102から出力され
ると、時間微分として0が微分回路121から出力さ
れ、零クロス検出回路122から零クロス検出パルスZ
が出力される。この結果、マイクロコンピュータ5によ
り、その時点における波形値アドレスカウンタ111の
カウント値たる波形アドレスADR1、波形値W、ピー
クアドレスカウンタのカウント値たるピークアドレスA
DR2(この場合、ADR2=0)および傾斜情報SL
Pが取り込まれる。また、零クロス検出信号Zが出力さ
れることによってピークアドレスカウンタ123のカウ
ント値ADR2が2になる。
込んだ傾斜情報SLPの符号に基づいてピーク種別B/
Tを作成する。この場合のように極大値P1の波形値W
が出力されている時にはその時点において正の傾斜情報
が出力されているので、マイクロコンピュータ5はピー
ク情報B/Tの値を極大値に対応したものとする。そし
て、マイクロコンピュータ1は、ピークアドレスカウン
タ123から取り込んだピークアドレスADR2(この
場合、ADR2=0)をそのまま書込アドレスADR3
として指定し、波形値W、この波形値Wに対応した波形
アドレスADR1、ピーク種別B/T、傾斜情報SLP
を第1回目のピーク情報としてピーク情報メモリ125
に書き込む。なお、第1回目のピーク情報の書き込みの
場合、直前のピーク情報がないためストローク情報の作
成および書き込みは行わない。
波形値Wがローパスフィルタ102から出力されると、
上述と同様に零クロス検出パルスZが出力され、書込ア
ドレスADR1、波形値W、ピークアドレスADR2
(=1)、傾斜情報SLP(<0)がマイクロコンピュ
ータ5により取り込まれる。そして、マイクロコンピュ
ータ1により、上記と同様、傾斜情報SLPに基づいて
ピーク種別B/T(この場合、ボトムB)が決定され
る。また、マイクロコンピュータ5によりピークアドレ
スADR2よりも1だけ小さいアドレスが読み出しアド
レスADR3としてピーク情報メモリ125に供給さ
れ、第1回目に書き込まれた波形値Wが読み出される。
そして、マイクロコンピュータ5により、ローパスフィ
ルタ102から今回取り込んだ波形値Wとピーク情報メ
モリ125から読み出した第1回目の波形値Wとの差分
が演算され、ストローク情報STRKが求められる。そ
して、このようにして求められたピーク種別B/T、ス
トローク情報STRKが他の情報ADR1、W、SLP
と共に第2回目のピーク情報としてピーク情報メモリ1
25のピークアドレスADR3=1に対応した記憶領域
に書き込まれる。以後、ピーク点P3、P4、…が検出
された場合も同様の動作が行われる。そして、所定時間
が経過すると、マイクロコンピュータ5により波形採取
指示STARTの出力が停止され、波形値Wおよびピー
ク情報の採取が終了する。
理および循環動態パラメータの算出処理を実行する。ま
ず、マイクロコンピュータ5により、ピーク情報メモリ
125から各ピーク点P1、P2、…に対応した傾斜情
報SLPおよびストローク情報STRKが順次読み出さ
れる。次いで、各ストローク情報STRKの中から正の
傾斜に対応したストローク情報(すなわち、対応する傾
斜情報SLPが正の値となっているもの)が選択され、
これらのストローク情報の中から値の大きなもの上位所
定個数がさらに選択される。そして、選択されたストロ
ーク情報STRKの中から中央値に相当するものが選択
され、波形パラメータの抽出を行うべき1波長分の脈波
の立ち上がり部、例えば図4において符号STRKMに
よって示した立ち上がり部のストローク情報が求められ
る。そして、当該ストローク情報に対応したピークアド
レスよりも1だけ前のピークアドレス、すなわち、波形
パラメータの抽出を行うべき1波長分の脈波の開始点P
6のピークアドレスが求められる。
開始点のピークアドレスから始まる1波長分の脈波の波
形値が波形メモリ103から読み出され、FFT処理に
より、脈波のスペクトル(振幅情報および位相情報)が
求められる。そして、このスペクトルに基づいて四要素
集中定数モデルの1つのパラメータ、例えばインダクタ
ンスLの値が算出され、このLの値と1波長分の脈波の
波形に基づいて四要素集中定数モデルの他のパラメータ
の値が算出される。そして、マイクロコンピュータ5
は、このようにして求めた循環動態パラメータを現在の
日時分を表す情報と共にメモリ1に書き込む。
のいずれかが選択されている場合とモード7が選択され
ている場合とでその内容が異なる。以下、各場合に分け
て動作を説明する。
いる場合 これらのモードが選択された場合、マイクロコンピュー
タ5は、深夜の時間帯の所定の時刻になると、香料吐出
を行う時期を決定する処理を行う。すなわちメモリ1内
に記憶された過去一定期間内(所定日数分)の循環動態
パラメータを読み出し、特定のパラメータ(例えば抵抗
RP) が極大となる時刻および極小となる時刻の各々の
移動平均を算出する。そして、この算出結果に従って、
鎮静状態から興奮状態へと移行する時間帯(図16に例
示する期間A, C)と、興奮状態から鎮静状態へと移行
する時間帯(図16に例示する期間B,D)とを求め
る。
ける所定の時刻(例えば当該時間帯の中央の時刻)にお
いて、各モードに対応した香料の吐出がなされるように
香料吐出命令の設定を行う。例えば、モード5が設定さ
れている場合には、以下の4種類の香料吐出の時限設定
を行う。 時間帯A内の所定の時刻において第2香料吐出部400
を駆動 時間帯B内の所定の時刻において第1香料吐出部300
を駆動 時間帯C内の所定の時刻において第2香料吐出部400
を駆動 時間帯D内の所定の時刻において第1香料吐出部300
を駆動 そして、日中において上記のようにして設定された時刻
になると、マイクロコンピュータ5は、該当する香料吐
出部へ駆動指令を送る。
発生されると、これを受け取った第1香料吐出部300
または第2香料吐出部400では次の動作が行われる。
まず、駆動回路363は、マイクロコンピュータ5から
駆動指令が与えられることにより所定レベル(約100
V)の駆動パルスを発生し、マイクロポンプ301の圧
電素子326に供給する。この駆動パルスが印加される
と、図8に示すように圧電素子326が変形し、ダイヤ
フラム309がへこんだ形にたわむ。この結果、ポンプ
室322内の圧力が上昇し、出力バルブ308の隔壁が
持ち上げられ、弁体325が基板302から離れる。そ
して、ポンプ室322内の香料が、この弁体325と基
板302との隙間を介し出力ポート306へ流出し、チ
ューブ306Tおよび噴射孔16(または噴射孔17)
介し外部へ噴射される。そして、駆動パルスが立ち下が
ると、図9に示すようにダイヤフラム309が内側にへ
こんだ状態から元に戻ろうとするため、ポンプ室322
に負圧が生じる。このため、出口バルブ308の弁体3
25が基板302に押し付けられることによって出力ポ
ート306が塞がれ、逆に入力バルブ307は隔壁が上
方に持ち上がり、これに伴って弁体316が基板302
から離れる。この結果、入力ポート305から香料が流
入し、弁体316と基板302との隙間および通孔31
8を介しポンプ室322へと吸取られる。以後、駆動パ
ルスが印加される毎に上記と同様な香料の排出および吸
入が繰り返される。
その作動検出スイッチ350の両端の電圧が異常検出回
路365により監視される。チューブ詰り等により、香
料が円滑に排出されないと、駆動パルスの発生タイミン
グと、作動検出スイッチ350がオン状態となるタイミ
ングとの関係が正常時のものからずれてくる。異常検出
回路365は、このずれを検知した場合に異常検出信号
をマイクロコンピュータ5へ出力する。マイクロコンピ
ュータ5はこの異常検出信号を受信することにより出力
部3にアラーム表示を行わせる。
回数に基づいて今回の吐出量を演算し、この吐出量と、
今回吐出した香料の種類とを吐出記録情報としてメモリ
1に書き込む。また、各香料毎にこれまでの吐出量の累
算値を求め、その結果をメモリ1に書き込む。ここで、
累算値が所定値を越えた場合、マイクロコンピュータ5
は出力部3へ警告出力指令を送る。出力部3は、警告ラ
ンプの点灯等のアラーム表示により使用者に薬液タンク
の交換を促す。なお、警告の出力は音を出すことによっ
て行ってもよい。
夜の時間帯の所定の時刻においてメモリ1内に記憶され
た循環動態パラメータを読み出し、これに基づいて鎮静
状態から興奮状態へと移行する時間帯(期間A,C)
と、興奮状態から鎮静状態へと移行する時間帯(期間
B,D)とを求める(図16参照)。そして、本モード
ではこのようにして求めた時間帯において、循環動態の
時間的変化の監視およびこの監視結果に基づく香料の吐
出制御を行う。
ータ5は、上記期間A,B,C,Dのいずれかの期間内
において循環動態パラメータの定期的測定を行うと、そ
の際に得られた循環動態パラメータが前回得られた循環
動態パラメータからみて増加しているか減少しているか
を判断する。次いでマイクロコンピュータ5は、この循
環動態パラメータの時間的変化が、その時間帯における
循環動態パラメータの通常の時間的変化に反していない
かを判断する。そして、循環動態パラメータの通常の時
間的変化に反する変化が認められた場合には、そのよう
な異常な変化を抑制するための香料を吐出させる。
のうち抵抗RP が減少し、使用者が鎮静状態から興奮状
態に移行する時間帯である。この期間Aにおいて、抵抗
RPが減少していれば、通常通りの変化なので問題はな
い。しかし、抵抗RP が増加したとすると、これは抵抗
RP の通常の時間的変化に反していることになる。そこ
で、マイクロコンピュータ5は、第2香料吐出部400
に駆動指令を送って白檀の香料を吐出させ、抵抗RP の
増加、すなわち、鎮静状態への移行を抑制する。また、
期間Bにおいては、抵抗RP が増加するのが通常の時間
的変化であるので、抵抗RP が減少した場合に第1香料
吐出部300に駆動指令を送り、ラベンダーの香料を吐
出して抵抗RPの減少を食い止める。
パラメータの時間的変化に基づいて香料吐出の制御が行
われ、この香料吐出により使用者の状態が所望の変動リ
ズムに従った時間的変化をするような制御がなされる。
ラメータに基づいて香料吐出制御が行われるが、これに
代えて、脈波の高調波の振幅あるいは高調波の位相(基
本波に対する位相差)に基づいて香料吐出制御を行って
もよい。すなわち、発明者等の実験によれば、人間にス
トレスが加わると、脈波の第2高調波、第3高調波、第
4高調波の各位相、あるいは第3高調波の振幅が変化す
ることが確認されている。例えば、4℃の水に片手を漬
けたとき受ける肉体的ストレスに対し、8人の試験者の
脈波を調べたところ、95%の確率で第2高調波、第3
高調波、第4高調波の各位相、あるいは第3高調波の振
幅が変化することが確認された。また、[1000−
9]なる計算を繰り返し行う精神的ストレスに対し、8
人の試験者の脈波を調べたところ、やはり95%の確率
で第4高調波の位相が変化することが確認された。そこ
で、脈波をスペクトル分析することによって例えば第4
高調波の位相を検出し、この位相の値に基づいて香料吐
出制御を行ってもよい。また、脈波の位相(例えば第4
高調波の位相)は興奮状態に応じて変化することが知ら
れている。そこで、興奮状態の検出を脈波の位相に基づ
いて行っても良よい。
御を実施していたのに対して、本実施例に係る薬物吐出
装置は、脈波の「ゆらぎ」の情報に基づいて香料の吐出
を制御するものである。心電図において、ある心拍のR
波と次の心拍のR波との時間間隔はRR間隔と呼ばれて
いる。このRR間隔は人体における自律神経機能の指標
となる数値である。図22は、心電図における心拍およ
び、これら心拍から得られるRR間隔を図示したもので
ある。実際に被験者の体表面心電図を測定すると、同図
に示したように、RR間隔は時間の推移とともに変動す
ることが知られている。
変動は、収縮期血圧および拡張期血圧の一拍毎の変動と
して定義され、心電図におけるRR間隔の変動に対応し
ている。図23は、心電図と血圧との関係を示してい
る。同図からもわかるように、一拍毎の収縮期および拡
張期の血圧は、各RR間隔における動脈圧の最大値、お
よび該最大値の直前に見られる極小値として測定され
る。これら心拍変動あるいは血圧変動のスペクトル分析
結果をグラフ化すると、複数の周波数の波から構成され
ていることがわかる。これらの波は以下に示す3種類の
変動成分に区分される。 ・呼吸に一致した変動であるHF(High Frequency)成
分 ・10秒前後の周期で変動するLF(Low Frequency)
成分 ・測定限界よりも低い周波数で変動するトレンド(Tren
d)
の間でRR間隔をそれぞれ求め、得られたRR間隔の離
散値の間を補間する。そして、第1の実施例と同様にし
て、補間した曲線にFFT処理を施してスペクトル分析
することにより、上記の変動成分を周波数軸上のピーク
として取り出すことが可能となる。図24(a)は、測
定した脈波のRR間隔の変動と、該RR間隔変動を上記
3つの成分に分解した場合の各変動成分の一例を示した
ものである。また、図24(b)は同図(a)に示した
RR間隔変動波形に対して、FFT処理を行ったスペク
トル分析の結果であり、横軸は各周波数成分の振幅を、
また縦軸は周波数を表している。この図からわかるよう
に、0.07Hz付近、0.25Hz付近の2つの周波
数においてピークが見られ、前者がLF成分であり後者
がHF成分である。
しており、本成分の値が大きいほど緊張度が増すことと
なる。一方、HF成分は副交感神経の緊張度の度合いを
表しており、本成分の値が大きいほどリラックスしてい
ることを意味する。本実施例では、HF成分およびLF
成分の振幅の絶対値に個人差が見られることを考慮し、
HF成分とLF成分の振幅の比である「LF/HF」を
もとに被験者の緊張度を推定して、当該被験者のリズム
変動の調整に供するものである。上述したLF成分とH
F成分の特質から、「LF/HF」の値が大きいほど緊
張の度合いが高く、LF/HFの値が小さいほど緊張の
度合いは低い(すなわちリラックスしている)ことにな
る。従って、「LF/HF」の値から被験者の内的状態
を把握でき、これをもとにして香料吐出制御を行い該被
験者の状態を調節するのである。
その説明を省略する。 (3)実施例の動作 以下、本実施例の動作を説明する。 脈波の定期的測定およびスペクトル分析 上述したように、マイクロコンピュータ5に対して、定
期的に(たとえば2時間間隔で)タイマ割込みが発生す
る。これを契機に、マイクロコンピュータ5はタイマ割
込みルーチンとして以下の処理を実行する。
形および該波形のピーク情報の採取がなされる。これに
より、図1の脈波検出部200から出力された橈骨動脈
波形が、図3のA/D変換器101ならびにLPF10
2を介して波形メモリ103へ書き込まれてゆく。本実
施例では、この取り込み処理を一回の測定当たり、たと
えば30秒間実施する。また、この波形の採取処理と並
行して、微分回路121、零クロス検出回路122、ピ
ークアドレスカウンタ123、移動平均算出回路124
が動作して、波形値アドレスADR1、波形値W、ピー
クアドレスADR3、ピーク種別B/T、ストロークS
TRK、傾斜情報SLPがピーク情報メモリ125へ書
き込まれてゆく。
ピュータ5は各脈波のピーク検出を行う。マイクロコン
ピュータ5は、ピーク情報メモリ125に格納された情
報をもとにして、正の傾斜を持つストローク情報を選択
する。そして、これらストロークに対する極大・極小
(たとえば、図4のストロークSTRKMではピーク点
P7およびピーク点P6)の差の絶対値が所定値以上で
あった場合に、その極大点(図4におけるP7)をその
拍のピークとし、同時にこのピークの時刻を算出する。
このピーク検出処理を、上記の測定期間内で得られた全
ての脈波に対して行う。
に、(心電図のRR間隔に対応する)ピークの間隔を順
次計算してゆく。ここで、得られたピーク間隔の値は時
間軸上で離散的であるため、隣接するピーク間隔の間を
適当な補間方法(たとえば直線補間等)によって補間す
る。これにより、図24(a)に示すようなRR間隔の
曲線と同様のグラフが得られる。そこで、補間後の曲線
に対してFFT処理を施して、図24(b)に示すよう
なスペクトルを得る。次に、脈波に対して行った極大・
極小の判別と同様の手法により、このスペクトルにおけ
る極大値、および該極大値に対応した周波数を求める。
そして、低い周波数領域で得られる極大値をLF成分と
し、高い周波数で得られる極大値をHF成分とする。そ
して各成分の振幅を求めて「LF/HF」を算出し、脈
波の測定を実施したときの時刻とともに、「LF/H
F」をメモリ1へ格納する。以上説明した脈波の定期測
定とスペクトル分析を、2時間おきに毎日繰り返す。
は、モード1〜6のいずれかが選択されている場合と、
モード7が選択されている場合とで異なる。以下、それ
ぞれの場合について、その動作を略述する。 a.モード1〜6のいずれかが選択されている場合 マイクロコンピュータ5は、深夜の時間帯の所定時刻に
おいて香料吐出の時期を決定する。すなわち、所定日数
(たとえば過去一週間)分の「LF/HF」の値をメモ
リ1から読み出して、各時刻における「LF/HF」の
平均を求める。次に、この「LF/HF」の平均値が極
大・極小となる時刻を算出する。
ら興奮状態へ移行する時間帯および興奮状態から鎮静状
態へ移行する時間帯を求める。そして、求めた時間帯の
所定時刻(たとえば中心時刻)で各モードに対応した香
料の吐出がなされるように、香料吐出命令の設定を行
う。その後、上記で設定した時刻になると、マイクロコ
ンピュータ5は、該当する香料吐出部300または40
0を駆動して香料の吐出を行わせる。香料の吐出が終了
すると、第1の実施例と同様にして、香料の吐出量を算
出し、香料の種類とともに吐出記録情報としてメモリ1
へ格納する。また、香料毎の吐出量の累積値を求めてメ
モリ1へ格納する。
時間帯の所定の時刻において、メモリ1内の「LF/H
F」をもとに一週間分の平均値を求める。次いで、該
「LF/HF」の平均値が極大または極小となる時刻を
求める。そして、求めた時刻をもとに、鎮静状態から興
奮状態へ移行する時間帯、および興奮状態から鎮静状態
へ移行する時間帯を求める。次に、翌日の日中に、求め
た時間帯における「LF/HF」の時間的変化の監視お
よびこの監視結果に基づいた香料の吐出制御を行う。
「LF/HF」の値の定期測定を行った際に、現時点の
「LF/HF」が前回の値からみて増加しているのか減
少しているのかを判別する。次いで、この時間的変化
が、該定期測定の時刻が属する時間帯における通常の時
間的変化に反していないかどうかを調べる。もし、これ
に反することが認められた場合、この異常な時間的変化
を抑制するような香料の吐出を行う。たとえば、被験者
の内的状態が鎮静状態から興奮状態へ移行すべき時間帯
に「LF/HF」が減少している場合、これは通常の時
間変化に反するものである。従って、マイクロコンピュ
ータ5は、第2香料吐出部400を駆動して白檀の香料
を吐出させ、被験者を興奮状態へ移行させる。また、被
験者の内的状態が興奮状態から鎮静状態へ移行すべき時
間帯に「LF/HF」が増加していれば、第1香料吐出
部300を駆動してラベンダーの香料を吐出させ、被験
者を鎮静状態へと導く。
報に基づいて香料の吐出を行う点で第2の実施例に近似
している。しかし、本実施例においては制御のための測
定値としてRR50を用いる点が相違している。ここ
で、RR50とは、所定時間(たとえば上記と同様の3
0秒間)の脈波の測定において、連続する2心拍のRR
間隔の絶対値が50ミリ秒以上変動した個数をいう。R
R50の値が大きいほど被験者は鎮静状態にあり、一
方、RR50の値が小さいほど興奮状態にあることが従
来から知られている。本実施例はこの性質を利用して香
料吐出の制御を行うものである。 (2)実施例の構成 本実施例の構成は第1ないし第2の実施例と同じであ
り、ここではその説明を省略する。
期的に(たとえば2時間間隔で)タイマ割込みが発生す
る。これを契機に、マイクロコンピュータ5はタイマ割
込みルーチンとして以下の処理を実行する。第2の実施
例と同様にして、橈骨動脈の波形および該波形のピーク
情報の採取がなされ、波形メモリ103およびピーク情
報メモリ125へ各種情報の書き込みがなされる。
ピュータ5は各脈波のピーク検出を測定期間に得られた
全脈波について行う。次に、連続する2つのピークの時
刻からピーク間隔をすべての脈波について順次計算す
る。その後、隣接するピーク間隔の時間差を順に求めて
時間差が50ミリ秒以上の個数を数え、この個数を該測
定点におけるRR50とする。そして、この値を該測定
時点の時刻とともにメモリ1へ格納する。以上説明した
脈波の定期測定を2時間おきに毎日繰り返す。
F」の代わりにRR50を使用することを除いて、第2
の実施例の動作と同じである。上述したように、「LF
/HF」はその値が大きいほど興奮状態にあり、その値
が小さいほど鎮静状態にある。一方、RR50はその値
が大きいほど鎮静状態にあり、その値が小さいほど興奮
状態にある。従って、香料の吐出制御における吐出香料
の選択基準が第2の実施例とは正反対となる。
0の代わりとして心拍数を用いるようにしても良い。周
知のように、RR50と心拍数との間には負の相関が見
られる。従って、香料の選択を第3の実施例と正反対
(または第2の実施例と同じ)として香料の吐出制御を
行うことにより、上述した実施例と同様な効果が得られ
るものである。
と組み合わせた場合について説明する。ここでは、アク
セサリーの一例として図25に示すネックレスを取り上
げるが、その他のアクセサリーであっても何ら問題な
い。この図において、31はセンサパッドであって、た
とえばスポンジ状の緩衝材で構成される。センサパッド
31の中には、図1の脈波検出部200に相当する光電
式脈波センサ32が皮膚面に接触するように取り付けら
れている。これにより、このネックレスを首にかける
と、光電式脈波センサ32が首の後ろ側の皮膚に接触し
て脈波を測定することができる。
図1の各部(制御部100、給電制御部501など)が
組み込まれている。この本体33はブローチ様の形状を
しており、その前面には図2に示したのと同じ噴射孔1
6及び噴射孔17が設けられている。なお、噴射孔16
及び噴射孔17を本体33の裏側に取り付けて皮膚に吐
出するように構成しても良い。また、光電式脈波センサ
32と本体33はそれぞれ鎖34に取り付けられてお
り、この鎖34の中に埋め込まれたリード線(図示略)
を介して電気的に接続されている。
を図26に示す。この図において、35は波長940n
mの赤外線発光ダイオードなどから構成される発光素
子、36はフォトトランジスタなどから構成される光セ
ンサである。赤外線発光ダイオード35から放射された
光は、光電式脈波センサ32が接触する皮膚直下を通る
血管で反射される。この反射光は光センサ36によって
受光され、光電変換された結果として脈波検出信号Mが
得られる。この脈波検出信号Mは図1の波形抽出記憶部
4へ送出される。本実施例では、脈波が図2の圧力セン
サ13でなく光電式脈波センサ32によって取り込ま
れ、橈骨動脈部脈波ではなく首の部分の脈波が測定され
ることが相違するのみである。従って、本実施例による
薬物吐出装置の動作は、上述した第1〜第3の実施例と
同じであり、ここではその説明を省略する。
について説明する。図27は眼鏡の蔓の部分の拡大図で
ある。この図の例によれば、薬物吐出装置が眼鏡のフレ
ームの蔓(つる)41に取り付けられている。薬物吐出
装置の本体42には、脈波検出部200を除いた図1の
各部(制御部100、給電制御部501など)が組み込
まれている。また、本体42には図2と同じ噴射孔16
及び噴射孔17が設けられている。なお、図27ではこ
れら噴射孔は本体42の上面に設けられているようにし
たが、薬物を皮膚に吐出できるように側面へ取り付ける
ように構成しても良い。
4の実施例と同じであって、図26に示すものである。
ここで、赤外線発光ダイオード35および光センサ36
はそれぞれ図27に示すパッド45および46に内蔵さ
れており、パッド45及びパッド46で耳朶を挟むこと
により耳へ固定するようになっている。また、これらの
パッド45及びパッド46は、本体42から引き出され
たリード線47,47によって図26に示すように電気
的に接続されている。本実施例では、脈波が図2の圧力
センサ13でなく光電式脈波センサ32によって取り込
まれ、橈骨動脈部脈波ではなく耳朶の脈波が測定される
ことが相違するのみである。従って、本実施例による薬
物吐出装置の動作は、上述した第1〜第4の実施例と同
じであり、ここではその説明を省略する。
個使用したが、これを1個とし、1種類の香料しか吐出
しない薬物吐出装置を構成してもよい。また、上記の実
施例のモード7においては、特定の時間帯において、循
環動態パラメータが過去における当該時間帯での変化
(上昇傾向/下降傾向)に反する変化をした場合に香料
を吐出するようにしたが、このモードを変形してもよ
い。すなわち、上記モード7に代え、あるいは上記モー
ド7に加えて、特定の時間帯において過去数日間の当該
時間帯での循環動態パラメータの値のばらつきの範囲
(例えば平均値±3σの範囲)から外れる循環動態パラ
メータが測定された場合に、このばらつきの範囲内に戻
す効果を奏する香料を吐出するモードを設けてもよい。
ダーと白檀を使用したが、如何なる種類の香料が適切で
あるかにある程度の個人差があり、使用者によっては鎮
静作用または興奮作用を発生させるのに適切な香料がこ
れらと異なる場合がある。従って、これら実施例に係る
装置を使用するにあたっては、いずれの香料を用いるの
が適切かを確認した上で適切な香料を第1香料吐出部3
00または第2香料吐出部400にセットして使用する
ことが好ましい。また、上記の実施例において、2個の
手動スイッチを追加し、第1のスイッチが操作される
と、ラベンダーが、第2のスイッチが操作されると、百
檀が各々吐出されるようにしてもよい。また、上記の第
1〜第3の実施例においては、図2に示す時計本体10
の表示面に現在の興奮・鎮静の状態、すなわち現在のパ
ラメータRp 等の値を表示するようにしてもよい。
速度センサ等を装着させて、被験者の動作状態を定量的
に把握し、上述した測定値(循環動態パラメータ、「L
F/HF」、RR50等)を補正するようにしても良
い。すなわち、被験者が動いている場合には「LF/H
F」の値が通常時より大きくなってしまうので、これを
補正して通常時と同様の値にすることが考えられる。ま
た、上記の実施例においては、生体の状態を、脈波の波
形から得られるLF,HF,「LF/HF」,RR50
として健康状態の解析に供することとした。しかし、生
体の状態は、これに限られるものではなく、心電図の波
形から得られるこれらLF等の諸量や、心拍数、体温、
脈拍数などとしても良い。さらに、上記の実施例におい
て、薬物としてラベンダーおよび白檀の香料を例にとっ
て説明した。しかし、生体の状態との間に上述したよう
な相関関係を有するものであれば、これら以外の香料で
あっても、さらに香料以外の薬物であっても良い。
ば、使用者の生体としての状態を定期的に測定し、かか
る状態の時間的変化に基づいて自動的に薬物の吐出制御
を行うようにしたので、使用者の手を煩わすことなく、
興奮状態、鎮静状態といった使用者の内的状態を制御す
ることができるという効果が得られる。
構成を示すブロック図である。
示すブロック図である。
記憶内容を示す図である。
0)の構成を示すブロック図である。
成を示す断面図である。
である。
である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
ある。
図である。
ある。
周波数成分の関係を示す図である。また、(b)はRR
間隔変動のスペクトル分析を行った結果を示した図であ
る。
の構成を示す図である。
電式脈波センサ32の回路図である。
の構成を示す図である。
第1香料吐出部、400……第2香料吐出部。
Claims (21)
- 【請求項1】 生体の状態を測定する測定手段と、 現時点までに測定された前記生体の状態を記憶する記憶
手段と、 過去における前記生体の状態の変動リズムに基づいて薬
物を吐出すべき時期を決定し、その時期において薬物吐
出指令を出力する制御手段と、 前記薬物吐出指令に従って薬物を吐出する吐出手段と、 を具備することを特徴とする薬物吐出装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、生体の状態が所定の傾
向で変化する時間帯を選択し、該時間帯において前記薬
物吐出指令を出力することを特徴とする請求項1記載の
薬物吐出装置。 - 【請求項3】 生体の状態を測定する測定手段と、 現時点までに測定された前記生体の状態を記憶する記憶
手段と、 過去における前記生体の状態の変動リズムと現時点にお
ける生体の状態とに基づいて薬物吐出指令を出力する制
御手段と、 前記薬物吐出指令に従って薬物を吐出する吐出手段と、 を具備することを特徴とする薬物吐出装置。 - 【請求項4】 前記制御手段は、生体の状態が所定の傾
向で変化する時間帯を選択し、該時間帯において前記生
体の状態が過去におけるものとは異なった傾向で変化し
た場合に前記薬物吐出指令を出力することを特徴とする
請求項3記載の薬物吐出装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、所定の時間帯を選択
し、該時間帯における生体の状態が、過去所定期間内に
おける該時間帯の生体の状態の移動平均から一定量以上
離れている場合に前記薬物吐出指令を出力することを特
徴とする請求項3記載の薬物吐出装置。 - 【請求項6】 前記生体の状態は、人体の動脈系の中枢
部から末梢部に至る系を模した電気回路モデルの素子に
よって表されるものであり、前記測定手段は前記生体か
ら脈波を測定し、該脈波に基づいて該電気回路モデルの
素子の値を決定することを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか1の請求項に記載の薬物吐出装置。 - 【請求項7】 前記測定手段は、前記生体から脈波の基
本波の振幅および高調波の振幅、位相を測定し、該測定
結果に基づいて前記電気回路モデルの素子の値を決定す
ることを特徴とする請求項6記載の薬物吐出装置。 - 【請求項8】 前記測定手段は、前記生体から脈波の基
本波の振幅および高調波の振幅、位相を測定し、該測定
結果から脈波の歪率を算出し、該歪率および、該歪率と
前記電気回路モデルの素子の値との回帰式から前記電気
回路モデルの素子の値を決定することを特徴とする請求
項7記載の薬物吐出装置。 - 【請求項9】 前記電気回路モデルは、前記動脈系中枢
部での血液粘性による血管抵抗に対応した第1の抵抗、
前記動脈系中枢部での血液の慣性に対応したインダクタ
ンス、前記動脈中枢部での血管の粘弾性に対応した静電
容量および前記末梢部での血管抵抗に対応した第2の抵
抗とを有し、1対の入力端子間に前記第1の抵抗および
インダクタンスからなる直列回路と前記静電容量および
第2の抵抗からなる並列回路とが順次直列に介挿されて
なる四要素集中定数モデルであることを特徴とする請求
項6〜8のいずれか1の項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項10】 前記生体の状態は、人体の動脈の脈波
の高調波成分の位相または振幅によって表されるもので
あり、前記測定手段は前記生体から脈波を測定し、該測
定結果から脈波の高調波成分の振幅または位相を測定す
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項
に記載の薬物吐出装置。 - 【請求項11】 前記生体の状態は、人体の動脈の脈波
の時間間隔変動から得られる低周波成分および高周波成
分の2つのスペクトル成分の振幅の比に基づくものであ
り、前記測定手段は前記生体から脈波を測定し、隣接す
る該脈波の時間間隔を算出して、該時間間隔の変動のス
ペクトル分析から低周波のスペクトル成分および高周波
のスペクトル成分を求めることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1の項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項12】 前記生体の状態は、人体の動脈の脈波
の時間間隔変動の変動個数に基づくものであり、前記測
定手段は前記生体から脈波を測定し、隣接する該脈波の
時間間隔を算出して、連続する該時間間隔の変動量が所
定時間を越える個数を前記変動個数として出力すること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかの1の項記載の薬
物吐出装置。 - 【請求項13】 前記薬物の吐出量を求め、該吐出量の
積算値が所定量に致った場合にその旨を知らせる手段を
具備することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1
の請求項に記載の薬物吐出装置。 - 【請求項14】 前記薬物の吐出が正常に行われている
か否かを監視し、異常がある場合にその旨を知らせる手
段を具備することを特徴とする請求項1〜13のいずれ
か1の請求項に記載の薬物吐出装置。 - 【請求項15】 携帯されて使用され、バッテリから供
給される電圧に基づいて稼働する薬物吐出装置であり、
該バッテリの出力電圧を、間欠的に前記測定手段、前記
制御手段および前記吐出手段へ供給する給電制御手段を
有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1の
請求項に記載の薬物吐出装置。 - 【請求項16】 前記バッテリの出力電圧が所定電圧以
下になった場合にその旨を知らせる手段を具備すること
を特徴とする請求項15記載の薬物吐出装置。 - 【請求項17】 人体に装着するセンサを具備し、該セ
ンサにより生体の動きを測定して、該測定結果をもとに
前記生体の状態を補償することを特徴とする請求項1〜
16のいずれか1の項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項18】 前記測定手段は、脈圧を測定すること
により前記脈波の検出を行うことを特徴とする請求項6
ないし17のいずれかの項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項19】 前記測定手段は、皮膚下の血管に光を
照射して、該血管によって反射された反射光を受光する
ことにより前記脈波の測定を行うことを特徴とする請求
項6ないし17のいずれかの項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項20】 前記記憶手段及び前記制御手段を内蔵
し、前記吐出手段が表面に設けられたケースを有し、 該ケースはネックレスの鎖に取り付けられ、 前記測定手段は、前記ケースが前記ネックレスの鎖へ取
り付けられ、皮膚下の血管に対して光を照射する発光素
子と、前記光が前記皮膚下の血管によって反射された反
射光を受光する光センサとからなる光電式脈波センサに
より前記脈波の測定を行うことを特徴とする請求項6〜
17のいずれか1の項記載の薬物吐出装置。 - 【請求項21】 前記記憶手段及び前記制御手段を内蔵
し、前記吐出手段が表面に設けられたケースを有し、 該ケースは眼鏡のフレームの蔓に取り付けられ、 前記測定手段は、皮膚下の血管に対して光を照射する発
光素子と、前記光が前記皮膚下の血管によって反射され
た反射光を受光する光センサとからなる光電式脈波セン
サにより前記脈波の測定を行うことを特徴とする請求項
6〜17のいずれか1の項記載の薬物吐出装置。
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