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JP3293120B2 - フレーム車体の部材結合構造 - Google Patents

フレーム車体の部材結合構造

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JP3293120B2
JP3293120B2 JP17435496A JP17435496A JP3293120B2 JP 3293120 B2 JP3293120 B2 JP 3293120B2 JP 17435496 A JP17435496 A JP 17435496A JP 17435496 A JP17435496 A JP 17435496A JP 3293120 B2 JP3293120 B2 JP 3293120B2
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welding
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connecting structure
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plug
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成幸 中川
謙二 金森
哲次 森田
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空部材を主要構
造部材として用い、主に溶融溶接により組み立てられる
フレーム構造車体であって、溶接時の熱歪みによる車体
の変形を大幅に抑制し、良好な車体寸法精度を確保する
のに好適なフレーム車体の部材結合構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車車体は、プレス加工により
成形された中空の開断面形状を有する部品を、抵抗スポ
ット溶接により結合し、組み立てられていた。ところ
が、近年、薄肉化による軽量化や、部品一体化による強
度向上や組立効率化を図るため、中空部材を車体の主要
骨格部材に用いたフレーム車体構造が多くなってきてい
る。図12は、その一例であり、フレーム車体100の
左半分を示している。アルミ押出し材より成る中空部材
であるサイドルーフレール101に、センターピラー1
02が溶融溶接されている。外板パネルであるルーフ1
03は、サイドルーフレール101に抵抗スポット溶接
により、接合されている。
【0003】図13は、図12のA−A断面を示してお
り、同図において結合構造を詳細に説明すると、中空の
長尺部材であるサイドルーフレール101は、センター
ピラー102によって挟み込まれた状態で外側から溶接
されており、センターピラー102は、ピラーアウタ1
04とピラーインナ105により構成されている。即
ち、サイドルーフレール101に、ピラーアウタ104
とピラーインナ105がそれぞれ重ねられ、サイドルー
フレール101のフランジ106とピラーアウタ104
及びピラーインナ105とが抵抗スポット溶接111に
より接合されるとともに、ピラーアウタ104とピラー
インナ105とが抵抗スポット溶接112により接合さ
れている。
【0004】一方、サイドルーフレール101は中空形
状をなしているため、サイドルーフレール101の中空
部とピラーアウタ104及びピラーインナ105の溶接
には抵抗スポット溶接を適用できず、このため、これら
は、例えばプラグ溶接110などの溶融溶接を用いて結
合されている。なお、ルーフ103は、サイドルーフレ
ール101のサイドフランジ107と抵抗スポット溶接
113により結合されている。そして、図14は、図1
3の矢印B方向による側面図であり、ピラーアウタ10
4は、同図に示すように、サイドルーフレール101の
軸方向溶接としての複数個のプラグ溶接110により、
サイドルーフレール101に結合されている。また、ピ
ラーインナ105も、ほぼ同様に複数個のプラグ溶接
(図示せず)によりサイドルーフレール101に結合さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の部材結合構造にあっては、主要構造部材が中
空形状をなしているため、溶接歪みの発生が少ない抵抗
スポット溶接を適用できない。このため、上述のよう
に、プラグ溶接110などの溶融溶接を用いて、センタ
ーピラー102をサイドルーフレール101に結合する
構造としているが、溶接歪みが大きく、サイドルーフレ
ール101には、図14に示すような角変形による溶接
歪み(δ)が発生する。この結果、車体の寸法精度が低
下したり、所望の車体寸法精度を確保するためには、溶
接後に変形矯正加工などを行わなくてはならず、非常に
手間がかかり生産効率が低くなるという課題があった。
【0006】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
中空部材を主要構造部材として用い、主に溶融溶接によ
り組み立てられるフレーム構造車体を製造するに際し
て、溶接時の熱歪みによる車体の変形を大幅に抑制し、
良好な車体寸法精度を確保するのに好適なフレーム車体
の部材結合構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、中空部材と接合
すべき部材との溶接位置を適切に制御することにより、
上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明の請求項1に係るフレーム車体
の部材結合構造は、中空長尺の第1部材と、この第1部
材に挟着され、外側からの溶接により該第1部材の軸方
向に対してほぼ直角に結合された第2部材と、を備えた
フレーム車体の部材結合構造において、上記第1部材と
第2部材との溶接位置が、上記第1部材の互いに対向す
る面上で且つ、上記第1部材の軸方向と直交する断面に
おける図心に対して、ほぼ点対称となる位置に配されて
いる、ことを特徴とする。
【0008】また、請求項2に係るフレーム車体の部材
結合構造は、少なくとも1対の上記溶接位置を、上記軸
直交断面における、ほぼ中立軸上に配したことを特徴と
する。更に、請求項3に係るフレーム車体の部材結合構
造は、少なくとも1対の上記溶接位置を、上記軸直交断
面における中立軸に対し、ほぼ軸対称位置に配したこと
を特徴とする。
【0009】また、請求項4に係るフレーム車体の部材
結合構造は、上記第1部材が、アルミニウム合金製押出
し形材から成ることを特徴とする。更に、請求項5に係
るフレーム車体の部材結合構造は、上記第1部材が、鋼
管若しくは鋼板からのバルジ成形品若しくはロール成形
品又はこれらを組み合わせた複合成形品であることを特
徴とする。更にまた、請求項6に係るフレーム車体の部
材結合構造は、複数対の上記溶接位置のうちの少なくと
も1箇所に、部材結合を伴わない捨てビードを配したこ
とを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1のフレーム車体の部材結合構造におい
ては、第1部材と第2部材との溶接位置を、第1部材の
軸直交断面における図心に対して、ほぼ点対称となる位
置に制御した。従って、主に溶融溶接により組み立てら
れるフレーム構造車体の溶接時の熱歪みによる車体の変
形を大幅に抑制でき、溶接後の変形矯正などを行わなく
ても良好な車体寸法精度を確保できることになる。
【0011】請求項2のフレーム車体の部材結合構造で
は、少なくとも1対の上記溶接位置を上記軸直交断面に
おける、ほぼ中立軸上に配した。従って、かかる溶接位
置に施された溶接による溶接線が中立軸上に常時存在す
るため、第1部材に角変形が生じる方向には溶接変形力
が作用しなくなり、溶接時の角変形による歪みを大幅に
抑制できることとなる。請求項3のフレーム車体の部材
結合構造では、少なくとも1対の上記溶接位置を、上記
中立軸に対しほぼ軸対称となる位置に配した。従って、
中空部材である第1部材のアウタ側とインナ側との溶接
変形が相殺されるため、溶接時の角変形による歪みを大
幅に抑制できることとなる。
【0012】請求項4のフレーム車体の部材結合構造で
は、第1部材をアルミ合金押出し形材により形成した。
従って、軽量で且つ複雑な断面形状をもった中空部材を
容易に用いることができ、所望の寸法精度を有する軽量
なアルミフレーム車体を得ることができる。請求項5の
フレーム車体の部材結合構造では、第1部材を鋼管若し
くは鋼板からのバルジ成形品やロール成形品などから形
成した。従って、素材費の安価な鋼管からの成形品を中
空部材として採用できるとともに、従来のモノコック車
体にも部分適用することが可能となり、安価で、強度及
び剛性の高いスチール車体を得られる。
【0013】請求項6のフレーム車体の部材結合構造で
は、複数対の溶接位置のうちの少なくとも1箇所に、部
材結合に関与しない捨てビードを配した。従って、溶接
すべき部材が存在しない側においても、所定位置に捨て
ビードを配することにより上記同様の歪み抑制効果が得
られ、これにより、結合部構造の設計自由度を飛躍的に
向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して実
施形態により説明する。 (実施形態1) 図1は、本発明の一実施形態を示すフレーム車体の部材
結合構造の断面図である。同図において、サイドルーフ
レール1は、アルミ押出し材によりフランジ2及びサイ
ドフランジ3と一体に成型され、中空状をなしている。
また、ピラーアウタ4とピラーインナ5は、従来例と同
様に、サイドルーフレール1に挟着された形式で重ねら
れ、プラグ溶接7、8及びフランジ2を介する抵抗スポ
ット溶接(図示せず)にて結合されている。更に、ルー
フ6も従来例と同様、サイドルーフレール1のサイドフ
ランジ3において抵抗スポット溶接により結合されてい
る。
【0015】そして、本実施形態においては、サイドル
ーフレール1の軸方向溶接である、アウタ側のプラグ溶
接7とインナ側のプラグ溶接8の位置は、サイドルーフ
レール1の軸と直交する断面における上下方向の中立
軸、即ち、図14に示すような曲げ応力に対する中立軸
10上にあり、それぞれサイドレール1の図心9に対し
て、一対の溶接が対向する形式でほぼ点対称位置に配さ
れている。
【0016】ところで、従来例(図13)のように、プ
ラグ溶接位置が、中空部材の中立軸より下側にある場合
は、中空部材の角変形は上に凸となり、逆にプラグ溶接
位置が中立軸より上にある場合は、角変形は下に凸とな
る。これに対し、本実施形態では、上述のように、軸方
向のプラグ溶接7、8の位置を中空部材の中立軸上に配
しているため、角変形方向に変形力が作用するのを回避
でき、溶接歪みによる角変形をほぼ完全に防止すること
ができる。
【0017】本実施形態の部材結合構造においては、従
来例と同様、上板側に複数個の所定の直径の下穴を加工
し、点状のアーク溶接を行うプラグ溶接を溶接法の一例
として適用したが、下穴加工が不要なアーク溶接である
MIGスポット溶接を用いても同様の効果が得られ、且
つMIGスポット溶接の場合には、プラグ溶接のような
下穴加工を必要としないため、生産性をより向上させる
ことができる。また、例えば、図2に示したように、上
板(本実施形態では、ピラーアウタ13又はピラーイン
ナ14)の板端に、サイドルーフレール1の軸方向につ
いて連続的又は断続的に隅肉アーク溶接11、12を施
しても同様の効果が得られる。
【0018】(実施形態2)図2に、他の実施形態を示
す。図2において、中空部材であるアルミ押出し材より
成るサイドルーフレール1には、ピラーアウタ13とピ
ラーインナ14が、それぞれの板端がサイドルーフレー
ル1の中立軸10の近傍に位置するように重ねられてお
り、それぞれの隅肉アーク溶接11、12の位置は、中
立軸10上にあり、且つ一対の溶接が図心9に対して対
向するように、ほぼ点対称位置に配されている。
【0019】一般に、隅肉アーク溶接は、特に連続溶接
を行った場合は、点状溶接であるプラグ溶接と比較し
て、部材の結合強度は高くなるが、溶接線の長さが長く
なるため、溶接変形も大きくなる。しかしながら、本実
施形態では、上述のように、隅肉アーク溶接の溶接線の
位置がサイドルーフレール1の上下方向の中立軸10上
にあり、且つ一対の溶接が対向する形式で、図心9に対
してほぼ点対称位置に配されているため、実施形態1と
同様に角変形方向に変形力が作用せず、溶接歪みによる
角変形をほぼ完全に防止することができ、且つ高い結合
強度が得られるという効果がある。また、隅肉アーク溶
接の場合は、プラグ溶接のような下穴加工を必要としな
いため、生産性が向上するという利点もある。
【0020】さて、図3は、図2に示した結合構造にお
いて、サイドルーフレール1の素材としてJIS−A6
N01−T5材、ピラーアウタ13及びピラーインナ1
4の素材としてJIS−A5182材を用い、隅肉アー
ク溶接の位置を種々変化させて、溶接歪みによる角変形
量を測定した結果を示す。溶接位置は、図13に示すよ
うに中空部材の中立軸と溶接部との距離(α)を変化さ
せ、変形量は、図14に示すように中空部材の全長Lの
中央にその軸方向に溶接線長さ290mmの連続隅肉ア
ーク溶接を行ったときの最大角変形量(δ)を測定し
た。図3の「○」で示すように、溶接位置が0、即ち本
発明のように溶接位置が中空部材の中立軸上にあるとき
には、角変形が殆ど発生しないのに対し、溶接位置が中
立軸から離れれば離れるほど角変形量(δ)が大きくな
っていくことが、本試験結果より明らかになった。
【0021】(実施形態3)図4に、他の実施形態を示
す。図4では、アルミ押出し材より成るサイドルーフレ
ール1に、ピラーアウタ15とピラーインナ16が重ね
られており、それぞれの板端はピラーアウタ15のが中
立軸10より下側で止められ、ピラーインナ16のは中
立軸10より上側まで延設されている。そして、それぞ
れプラグ溶接17、18されている。本実施形態におい
ては、プラグ溶接17、18の位置は、サイドルーフレ
ール1の上下方向の中立軸10に対して、プラグ溶接1
7は下、プラグ溶接18は上にあり、且つ図心9に対し
て、それぞれ対向する位置、即ちほぼ点対称位置に配さ
れている。
【0022】図4において、ピラーアウタ15側のプラ
グ溶接17は、その位置が中立軸10より下にあるた
め、上述したように、サイドルーフレール1を上に凸と
するような方向に角変形を生じさせる。一方、ピラーイ
ンナ16側のプラグ溶接18は、逆に溶接位置が中立軸
10より上にあるため、サイドルーフレール1を下に凸
とするような方向に角変形させる。従って、このピラー
アウタ15側のプラグ溶接17と、ピラーインナ16側
のプラグ溶接18との、それぞれの溶接による変形が互
いに相殺されるため、サイドルーフレール1には最終的
に殆ど永久変形が残らないことになり、溶接歪みを大幅
に低減できるという効果が得られる。
【0023】図4において、プラグ溶接に変え、実施形
態2と同様に隅肉アーク溶接を施し、ピラーアウタ15
側の溶接位置を、中立軸10からの距離(β)を25m
mとして、実施形態2と同様の条件で角変形量(δ)を
測定した結果を図3の「●」で示す。本試験結果から、
ピラーアウタ15側の溶接と、ピラーインナ16側の溶
接とによる変形が互いに相殺され、サイドルーフレール
1の角変形を大幅に低減できるという効果が確認でき
た。なお、望ましくは、図心に対して、アウタ側とイン
ナ側のそれぞれの部分について、断面二次モーメントが
異なる線対称形状でない断面の場合は、それぞれの溶接
変形量が等価となるような位置に溶接位置を配すること
が理想であるが、実用上は図心に対してほぼ点対称位置
とすることで殆ど問題はない。
【0024】(実施形態4)図5に、更に他の実施形態
を示す。図5においては、アルミ押出し材よりなるサイ
ドルーフレール1に、ピラーアウタ15とピラーインナ
16が重ねられ、それぞれの板端は、ピラーアウタ15
のが中立軸10より下側で止められ、ピラーインナ16
のは中立軸10より上側まで延設されており、ピラーア
ウタ15側のプラグ溶接17と、ピラーインナ側のプラ
グ溶接18とが図心9に対して対向する位置に配されて
いるところは上記実施形態と同様である。
【0025】本実施形態は、以上の構成に加え、ピラー
インナ16側にもう一列のプラグ溶接19が追加され、
プラグ溶接18、19の二列の溶接により、ピラーイン
ナ16がサイドルーフレール1に結合されている。一
方、ピラーインナ16側におけるプラグ溶接19の図心
9に対して対向する位置、つまり点対称位置には、部材
結合を伴わない、いわゆる捨てビード20が配されてい
る。この捨てビード20は、サイドルーフレール1の外
壁上に溶接ビードを配置したものであり、部材結合の機
能は果たしていない。ルーフ6は、従来例と同様に、抵
抗スポット溶接113によりサイドルーフレール1に結
合されている。本実施形態においては、プラグ溶接17
と18の位置、及びプラグ溶接19と捨てビード20の
位置が、それぞれサイドルーフレール1の図心9に対し
て対向する位置、即ちほぼ点対称位置に配されている。
【0026】本実施形態の場合は、ピラーアウタ15側
のプラグ溶接17と、これと図心9に対して対向する位
置にあるピラーインナ16側のプラグ溶接18とはサイ
ドルーフレール1の角変形方向が逆になるため、変形が
相殺されるのに加え、ピラーインナ16側のプラグ溶接
19と、これと図心9に対して対向する位置にある捨て
ビード20とにより発生する変形も同様に相殺される。
従って、結果的に、サイドルーフレール1には最終的に
殆ど永久歪みが残らないため、上述の実施形態と同様、
溶接歪みを大幅に低減できるという効果が得られる。
【0027】なお、本実施形態では、上述したように、
図心9に対して、プラグ溶接17とプラグ溶接18と
を、また、プラグ溶接19と捨てビード20とを、それ
ぞれ点対称位置に配した構成としたが、例えば、サイド
ルーフレール1の中立軸10に対して、プラグ溶接17
と捨てビード20とを、また、プラグ溶接18とプラグ
溶接19とを、それぞれ軸対称位置に配する構成として
も同様の効果が得られることは、これまでの実施形態か
ら言うまでもない。捨てビードを用いた本実施形態にお
いては、溶接される部品の有無に拘らず、変形を相殺で
きる任意の位置に捨てビード20を単列又は複数列設け
ることが可能であり、フレーム車体の部材結合部の設計
自由度を飛躍的に向上させることができ、実用性が高い
という効果がある。
【0028】(実施形態5)図6は、本発明の部材結合
構造の更に他の実施形態を示す。本実施形態は、実施形
態1(図1)とほぼ同様の構成を有するが、素材として
は鉄鋼を用い、鋼板車への適用例を示したものである。
図6において、フレーム車体のサイドルーフレール21
は、構造用鋼管や高張力鋼管などの鋼管チューブから若
しくは圧延鋼板から、液圧バルジ成形やロール成形又は
これらを組み合わせた複合的な加工手段により、フラン
ジ26と一体に成形され、中空形状を形成している。
【0029】ピラーアウタ22とピラーインナ23も圧
延鋼板からの成形品であり、サイドルーフレール21に
重ねられ、プラグ溶接24、25にて接合されている。
また、ルーフ27もサイドルーフレール21のフランジ
26において、抵抗スポット溶接28などにより結合さ
れている。本実施形態においても、ピラーアウタ22側
のプラグ溶接24とピラーインナ23側のプラグ溶接2
5の位置は、サイドルーフレール21の軸直交方向の断
面における上下方向の中立軸10上にあり、それぞれサ
イドルーフレール21の図心9に対してほぼ点対称位置
に配されているため、実施形態1と同様、角変形方向に
変形力が作用せず、溶接歪みによる角変形をほぼ完全に
防止することができる。
【0030】本実施形態では、素材として鋼管や圧延鋼
板などの鉄鋼を用い、構造用鋼管や高張力鋼管などの鋼
管チューブから又は圧延鋼板から、液圧バルジ成形やロ
ール成形又はこれらを組み合わせた複合的な加工手段に
より、中空部材を形成したため、上述の実施形態におけ
るアルミニウム合金使用の場合よりも、軽量化効果は少
ないが、素材費が安価であり、また、フレーム車体だけ
ではなく、従来のモノコック鋼板車体にも容易に部分適
用できるという効果が得られる。
【0031】また、素材が鉄鋼であるため、溶接方法も
プラグ溶接だけでなく、隅肉アーク溶接は勿論、プラズ
マ溶接やプラズマスポット溶接、レーザー溶接など、溶
接工法の選択幅が拡大できるという効果もある。なお、
本実施形態のような鉄鋼製のサイドルーフレールを用い
た場合にも、上述したような、アルミ押出し材より成る
サイドルーフレールの場合を例にした種々の実施形態と
同様の構成を採用してもよいことは言うまでもない。
【0032】(実施形態6)更に他の実施形態について
説明する。まず、他の従来例として、図7に示したよう
に、中空形状をなしたフレームメンバ30にブラケット
31が隅肉アーク溶接32にて結合されているフレーム
車体の部材結合構造を挙げ、矢印C方向から見た平面図
を図8に示す。このような従来の結合構造の場合、隅肉
アーク溶接32の位置が、フレームメンバの中立軸33
より、図8において下側にあるため、溶接によりフレー
ムメンバ30には角変形(γ)が生じる。そこで、他の
実施形態として、ブラケット結合部分のフレームメンバ
30の軸直交方向の断面図を図9に示す。
【0033】図9において、中空の矩形状をなしたフレ
ームメンバ30の外壁部には、ブラケット50が嵌挿さ
れており、フレームメンバ30の軸方向溶接として、隅
肉アーク35、36が施され、フレームメンバ30とブ
ラケット31とが結合されている。フレームメンバ30
の上面側の隅肉アーク溶接35と、下面側の隅肉アーク
36との位置は、フレームメンバ30の軸直交方向の断
面における左右方向の中立軸33上にあり、それぞれフ
レームメンバ30の図心34に対して点対称位置に配さ
れているため、上述してきた実施形態と同様、角変形方
向に変形力が作用せず、溶接歪みによる角変形を防止す
ることができる。
【0034】(実施形態7)図10は、実施形態6の変
形例を示し、上記同様に中空矩形状をなしたフレームメ
ンバ30の外壁部にブラケット37が嵌挿され、フレー
ムメンバ30の軸方向に施された隅肉アーク溶接38と
39により、結合構造が形成されている。本実施形態に
おいて、フレームメンバ30の上面側の隅肉アーク溶接
38と下面側の隅肉アーク溶接39の位置は、フレーム
メンバ30の軸直交方向の断面における図心34に対し
て点対称位置に配されているため、上述してきた実施形
態と同様に、この上面側の隅肉アーク溶接38により生
じる変形と、下面側の隅肉アーク溶接39により生じる
変形とが、お互いに相殺され、フレームメンバ30には
最終的に殆ど永久変形が残らず、溶接歪みを大幅に低減
できるという効果が得られる。
【0035】(実施形態8) 図11に、更に他の実施形態を示す。図11において、
中空部材であるフレームメンバ40の両面には、クロス
メンバ41とアウトリガー42のそれぞれのフランジ
が、フレームメンバ40の上下の外壁に嵌挿されてお
り、フレームメンバ40の軸方向に4箇所の隅肉アーク
溶接43、44、45及び46が施され、3個の部材が
結合されている。本実施形態において、クロスメンバ4
1の上側の隅肉アーク溶接43と、アウトリガー42の
下側の隅肉アーク溶接44とは、フレームメンバ40の
図心48に対して対向する位置に配されており、また、
クロスメンバ41の下側の隅肉アーク溶接45と、アウ
トリガー42の上側の隅肉アーク溶接46とも、フレー
ムメンバ40の図心48に対して対向する位置、即ち図
心48に対してそれぞれ点対称位置に配されている。
【0036】従って、本実施形態の場合も、クロスメン
バ41の上側の隅肉アーク溶接43と、図心48に対し
て点対称位置に存在するアウトリガー42の下側の隅肉
アーク溶接溶接44とが、またこれと同時に、クロスメ
ンバ41の下側の隅肉アーク溶接45と、やはり図心4
8に対して点対称位置にあるアウトリガー42の上側の
隅肉アーク溶接46とが、それぞれの変形に対して相殺
作用を奏することになる。この結果、フレームメンバ4
0には最終的に永久変形が殆ど残らないため、上述した
実施形態と同様、溶接歪みを大幅に低減できるという効
果が得られる。
【0037】以上、本発明を若干の実施形態により説明
したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が
可能である。例えば、上記実施形態は、本発明を適用し
得る一例として、フレーム車体のサイドルーフレール部
やフレームメンバ部により説明したが、本発明の適用は
これらの部位や材質及び形状に限定されるものではな
く、種々の部材結合構造に適用することが可能である。
また、本発明に係る溶接位置の制御は、第1部材の軸直
交断面の全てにおいて満足されている必要はなく、第2
部材が第1部材に挟着されている範囲内(第1部材の軸
方向に対する長さ)において、溶接が施された部位に係
る軸直交断面で満足されていれば十分である。
【0038】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、中空部材と接合すべき部材との溶接位置を適切に制
御することとしたため、中空部材を主要構造部材として
用い、主に溶融溶接により組み立てられるフレーム構造
車体を製造するに際して、溶接時の熱歪みによる車体の
変形を大幅に抑制し、良好な車体寸法精度を確保するの
に好適なフレーム車体の部材結合構造を提供することが
できる。即ち、請求項1に係るフレーム車体の部材結合
構造によれば、軽量で、強度及び剛性の高い中空部材を
主要構造部材として用いることができ、且つ溶接時の熱
歪みによる変形に対して、寸法矯正などを行わなくても
所望の車体寸法精度を確保することができるため、軽量
且つ高強度のフレーム構造車体が容易に得られるという
優れた効果がもたらされる。
【0039】また、請求項2又は3の構成とすれば、請
求項1と同様の効果が得られ、請求項4の構成とすれ
ば、より軽量で、且つ複雑な断面形状をもった中空部材
を容易に用いることができ、所望の寸法精度を有する極
めて軽量なアルミニウムフレーム車体が得られることと
なる。更に、請求項5の構成とすれば、中空材として、
素材費の安い鋼管や圧延鋼板からの成形品を使用でき、
また、従来のモノコック車体に部分適用することも可能
となるので、安価で、強度及び剛性の高いスチール車体
が得られる。更にまた、請求項6の構成とすることによ
り、溶接すべき部品の有無や形状に、その適用を制限さ
れることがなくなるため、フレーム車体の部材結合部の
設計自由度を飛躍的に向上させることができ、実用性を
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレーム車体の部材結合構造の一実施
形態を示す断面図である。
【図2】本発明のフレーム車体の部材結合構造の他の実
施形態を示す断面図である。
【図3】溶接位置と溶接歪みとの関係を示す特性図であ
る。
【図4】本発明のフレーム車体の部材結合構造の他の実
施形態を示す断面図である。
【図5】本発明のフレーム車体の部材結合構造の他の実
施形態を示す断面図である。
【図6】本発明のフレーム車体の部材結合構造の他の実
施形態を示す断面図である。
【図7】従来の部材結合構造の他の例を示す斜視図であ
る。
【図8】図7の矢印C方向における平面図である。
【図9】本発明の部材結合構造の更に他の実施形態を示
す断面図である。
【図10】本発明の部材結合構造の他の実施形態を示す
断面図である。
【図11】本発明の部材結合構造の他の実施形態を示す
断面図である。
【図12】従来の自動車車体構造の一例を示す斜視図で
ある。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【図14】図13の矢印B方向における側面図である。
【符号の説明】
1 サイドルーフレール 4 ピラーアウタ 5 ピラーインナ 7、8 プラグ溶接 9 図心 10 中立軸 11、12 隅肉アーク溶接 20 捨てビード 21 鋼製サイドルーフレール 30 フレームメンバ 31 ブラケット 41 クロスメンバ 42 アウトリガー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−220881(JP,A) 特開 昭49−37841(JP,A) 実開 昭62−80761(JP,U) 実開 昭61−124475(JP,U) 実開 平5−22271(JP,U) 実開 昭63−89384(JP,U) 実開 昭58−44270(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/06 B62D 25/04 B62D 65/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空長尺の第1部材と、 この第1部材に着され、外側からの溶接により該第1
    部材の軸方向に対してほぼ直角に結合された第2部材
    と、 を備えたフレーム車体の部材結合構造において、 上記第1部材と第2部材との溶接位置が、上記第1部材の互いに対向する面上で且つ、 上記第1部材の軸方向と直交する断面における図心に対
    して、ほぼ点対称となる位置に配されている、 ことを特徴とするフレーム車体の部材結合構造。
  2. 【請求項2】 少なくとも1対の上記溶接位置を、上記
    軸直交断面における、ほぼ中立軸上に配したことを特徴
    とする請求項1記載のフレーム車体の部材結合構造。
  3. 【請求項3】 少なくとも1対の上記溶接位置を、上記
    軸直交断面における中立軸上に対し、ほぼ軸対称位置に
    配したことを特徴とする請求項1記載のフレーム車体の
    部材結合構造。
  4. 【請求項4】 上記第1部材が、アルミニウム合金製押
    出し形材から成ることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1つの項に記載のフレーム車体の部材結合構造。
  5. 【請求項5】 上記第1部材が、鋼管若しくは鋼板から
    のバルジ成形品若しくはロール成形品又はこれらを組み
    合わせた複合成形品であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1つの項に記載のフレーム車体の部材結合
    構造。
  6. 【請求項6】 複数対の上記溶接位置のうちの少なくと
    も1箇所に、部材結合を伴わない捨てビードを配したこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載
    のフレーム車体の部材結合構造。
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