JP3291356B2 - 水素吸蔵合金電極 - Google Patents
水素吸蔵合金電極Info
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- storage alloy
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金電極に係
わり、詳しくはサイクル劣化しにくく、化成処理時間が
短く、しかも製造容易な水素吸蔵合金電極を提供するこ
とを目的とした、電極材料の改良に関する。
わり、詳しくはサイクル劣化しにくく、化成処理時間が
短く、しかも製造容易な水素吸蔵合金電極を提供するこ
とを目的とした、電極材料の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
正極に水酸化ニッケルなどの金属化合物を使用し、負極
に新素材の水素吸蔵合金を使用した金属・水素化物二次
電池が、単位重量及び単位体積当たりのエネルギー密度
がニッケル・カドミウム二次電池等の他の系の電池に比
べて高く、高容量化が可能であるなどの理由から、脚光
を浴びつつある。
正極に水酸化ニッケルなどの金属化合物を使用し、負極
に新素材の水素吸蔵合金を使用した金属・水素化物二次
電池が、単位重量及び単位体積当たりのエネルギー密度
がニッケル・カドミウム二次電池等の他の系の電池に比
べて高く、高容量化が可能であるなどの理由から、脚光
を浴びつつある。
【0003】かかる金属・水素化物二次電池の負極材料
として、Ti、Mo及びNiを主たる合金成分とするT
i−Mo−Ni系合金が、高容量化を図る上で特に有利
であることから従前のMm−Ni系合金に代わる材料と
して注目されている。この系の合金を使用した電極は、
Mm−Ni系合金等の従前の他の系の合金を使用した電
極と同様、合金塊を粉砕して得た合金粉末と、導電剤及
び結着剤とを混練し、電極支持体上に塗布し、乾燥する
ことにより作製されている。
として、Ti、Mo及びNiを主たる合金成分とするT
i−Mo−Ni系合金が、高容量化を図る上で特に有利
であることから従前のMm−Ni系合金に代わる材料と
して注目されている。この系の合金を使用した電極は、
Mm−Ni系合金等の従前の他の系の合金を使用した電
極と同様、合金塊を粉砕して得た合金粉末と、導電剤及
び結着剤とを混練し、電極支持体上に塗布し、乾燥する
ことにより作製されている。
【0004】しかしながら、このTi−Mo−Ni系合
金を使用した水素吸蔵合金電極には、次の(1)〜
(3)に示す如き問題があった。
金を使用した水素吸蔵合金電極には、次の(1)〜
(3)に示す如き問題があった。
【0005】(1)従来、Ti−Mo−Ni系合金は、
合金溶湯を10〜100°C/秒程度の比較的遅い冷却
速度(冷却速度は合金種及び製法によって若干異な
る。)で凝固させることにより作製されているが、この
冷却速度では合金組織が不均一であるため、充放電サイ
クルを重ねるうちに表面が腐食されて緻密な不活性被膜
が生成し、サイクル劣化し易い。
合金溶湯を10〜100°C/秒程度の比較的遅い冷却
速度(冷却速度は合金種及び製法によって若干異な
る。)で凝固させることにより作製されているが、この
冷却速度では合金組織が不均一であるため、充放電サイ
クルを重ねるうちに表面が腐食されて緻密な不活性被膜
が生成し、サイクル劣化し易い。
【0006】(2)水素吸蔵合金を電極材料として使用
する場合、合金塊の粉砕時などに表面に生成した酸化膜
を除去して活性化するために電池組立後に予備的に数回
の充放電が行われるが(この操作を一般に「化成処理」
と称する。)、Ti−Mo−Ni系合金は多量の酸化膜
で被覆されているものが多く、このため化成処理に長時
間を要する。
する場合、合金塊の粉砕時などに表面に生成した酸化膜
を除去して活性化するために電池組立後に予備的に数回
の充放電が行われるが(この操作を一般に「化成処理」
と称する。)、Ti−Mo−Ni系合金は多量の酸化膜
で被覆されているものが多く、このため化成処理に長時
間を要する。
【0007】(3)Ti−Mo−Ni系合金は、硬く、
しかも展延性が高いので、合金塊の粉砕が至難である。
しかも展延性が高いので、合金塊の粉砕が至難である。
【0008】本発明は、上述の問題を解決するべくなさ
れたものであって、その目的とするところは、サイクル
劣化しにくく、化成処理時間が短く、しかも容易に製造
し得る水素吸蔵合金電極を提供するにある。
れたものであって、その目的とするところは、サイクル
劣化しにくく、化成処理時間が短く、しかも容易に製造
し得る水素吸蔵合金電極を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る水素吸蔵合金電極(以下、「本発明電
極」と称する。)は、水素ガスを含有する還元性ガス雰
囲気下で1×103 °C/秒以上の冷却速度で合金溶湯
を急冷凝固させ表面に水素化合金層を生成せしめてな
る、一般式ABx (但し、AはTi又はこれを主成分と
する水素吸収時発熱型元素;BはMo及びNi又はこれ
らを主成分とする水素吸収時吸熱型元素;0.5≦x≦
2である。)で表される水素吸蔵合金が、電極材料とし
て使用されてなる。
の本発明に係る水素吸蔵合金電極(以下、「本発明電
極」と称する。)は、水素ガスを含有する還元性ガス雰
囲気下で1×103 °C/秒以上の冷却速度で合金溶湯
を急冷凝固させ表面に水素化合金層を生成せしめてな
る、一般式ABx (但し、AはTi又はこれを主成分と
する水素吸収時発熱型元素;BはMo及びNi又はこれ
らを主成分とする水素吸収時吸熱型元素;0.5≦x≦
2である。)で表される水素吸蔵合金が、電極材料とし
て使用されてなる。
【0010】水素吸収時発熱型元素Aとしては、Tiの
他、Zr、Hf、V、Nb及びTaが例示され、また水
素吸収時吸熱型元素Bとしては、Mo及びNiの他、C
r、W、Co及びCuが例示される。
他、Zr、Hf、V、Nb及びTaが例示され、また水
素吸収時吸熱型元素Bとしては、Mo及びNiの他、C
r、W、Co及びCuが例示される。
【0011】本発明における水素吸蔵合金が、1×10
3 °C/秒以上の冷却速度で急冷凝固して得た合金に限
定されるのは、これより遅い冷却速度で凝固させたもの
では、合金組織が不均一であるため、合金の安定性が悪
く局部電池の形成などにより合金組織の部分的溶解(腐
食)が進み、サイクル劣化し易いからである。
3 °C/秒以上の冷却速度で急冷凝固して得た合金に限
定されるのは、これより遅い冷却速度で凝固させたもの
では、合金組織が不均一であるため、合金の安定性が悪
く局部電池の形成などにより合金組織の部分的溶解(腐
食)が進み、サイクル劣化し易いからである。
【0012】急冷凝固の方法は特に制限されないが、比
較的均一な大きさの粉末(薄片)が得られ、しかも凝固
後の粉砕が全く或いは殆ど必要とされない点で、ロール
法(単ロール法、双ロール法)が好適である。
較的均一な大きさの粉末(薄片)が得られ、しかも凝固
後の粉砕が全く或いは殆ど必要とされない点で、ロール
法(単ロール法、双ロール法)が好適である。
【0013】このロール法では、ロールの回転数などを
適宜調節することにより冷却速度を所望の速さに設定す
ることができる。本発明で規制する1×103 °C/秒
以上の冷却速度で急冷凝固させると、通常厚み30μm
以下の薄片が得られ、この程度の厚み(大きさ)のもの
は、粉砕することなくそのまま電極材料として使用する
ことも可能であり、また必要に応じて粉砕を行う場合で
も、水素化により合金自体の展延性が低下しているので
比較的容易に粉砕することが可能である。
適宜調節することにより冷却速度を所望の速さに設定す
ることができる。本発明で規制する1×103 °C/秒
以上の冷却速度で急冷凝固させると、通常厚み30μm
以下の薄片が得られ、この程度の厚み(大きさ)のもの
は、粉砕することなくそのまま電極材料として使用する
ことも可能であり、また必要に応じて粉砕を行う場合で
も、水素化により合金自体の展延性が低下しているので
比較的容易に粉砕することが可能である。
【0014】本発明における水素吸蔵合金としては、水
素化合金層の厚みが0.01〜3μmの範囲にあるもの
が好ましい。これは、水素化合金層の厚みが0.01μ
mより薄くなると、酸化膜の生成が充分に防止されない
ため電池組立後の化成処理に要する時間が長くなるとと
もに、充放電サイクルを繰り返すうちにアルカリ電解液
により合金表面が腐食され不活性被膜が生成して、サイ
クル劣化し易くなるからであり、一方3μmより厚くな
ると、充放電時にクラックが多数発生し、アルカリ電解
液に対する耐食性が低下して、サイクル劣化し易くなる
からである。上記した範囲の厚みの水素化合金層は、急
冷凝固を、例えば水素ガス含有率1〜10体積%の還元
性ガス雰囲気下で行うことにより形成される。因みに、
使用する還元性ガスの水素ガス含有率を高くするほど形
成される水素化合金層の厚みは厚くなる。
素化合金層の厚みが0.01〜3μmの範囲にあるもの
が好ましい。これは、水素化合金層の厚みが0.01μ
mより薄くなると、酸化膜の生成が充分に防止されない
ため電池組立後の化成処理に要する時間が長くなるとと
もに、充放電サイクルを繰り返すうちにアルカリ電解液
により合金表面が腐食され不活性被膜が生成して、サイ
クル劣化し易くなるからであり、一方3μmより厚くな
ると、充放電時にクラックが多数発生し、アルカリ電解
液に対する耐食性が低下して、サイクル劣化し易くなる
からである。上記した範囲の厚みの水素化合金層は、急
冷凝固を、例えば水素ガス含有率1〜10体積%の還元
性ガス雰囲気下で行うことにより形成される。因みに、
使用する還元性ガスの水素ガス含有率を高くするほど形
成される水素化合金層の厚みは厚くなる。
【0015】
【作用】急冷凝固させて得た均一な合金組織を有する耐
食性に優れた水素吸蔵合金が電極材料として使用されて
いるので、充放電サイクルを繰り返しても局部的な溶解
が起こりにくい(サイクル特性の向上)。
食性に優れた水素吸蔵合金が電極材料として使用されて
いるので、充放電サイクルを繰り返しても局部的な溶解
が起こりにくい(サイクル特性の向上)。
【0016】水素吸蔵合金の表面に水素化合金層が形成
されているので、酸化膜が生成しにくく、充電初期から
比較的多量の水素が吸蔵放出される(化成処理時間の短
縮)。また、この水素化合金層により合金表面が保護さ
れているため、充放電サイクルを繰り返しても不活性被
膜が生成しにくい(サイクル特性の向上)。
されているので、酸化膜が生成しにくく、充電初期から
比較的多量の水素が吸蔵放出される(化成処理時間の短
縮)。また、この水素化合金層により合金表面が保護さ
れているため、充放電サイクルを繰り返しても不活性被
膜が生成しにくい(サイクル特性の向上)。
【0017】水素化され展延性が低下した水素吸蔵合金
が使用されるので、電極作製時に合金を粉砕する場合で
も、粉砕が容易である(製造容易)。
が使用されるので、電極作製時に合金を粉砕する場合で
も、粉砕が容易である(製造容易)。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
【0019】(実施例1)Ti、Ni及びMoの各合金
成分金属(市販の純度99.9%以上の金属単体)をモ
ル比2:1:1で混合し、アーク炉内の銅製ルツボに入
れ、炉内を不活性ガス(アルゴンガス)雰囲気に置換し
て加熱融解させた後、単ロール法により水素ガス5体積
部とアルゴンガス95体積部とからなる水素ガス含有率
5体積%の還元性ガス雰囲気下で冷却速度1×103 、
1×104 又は1×105 °C/秒で凝固させて、組成
式TiNi0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水素吸蔵合
金を得た。各水素吸蔵合金の表面に形成された水素化合
金層の厚みを求めたところ、いずれも0.4μmであっ
た。また、各水素吸蔵合金の厚みは、順に22μm、1
7μm、15μmであった。なお、これらの各値は10
個のサンプルについての平均値である(以下の各値につ
いても同様である。)。
成分金属(市販の純度99.9%以上の金属単体)をモ
ル比2:1:1で混合し、アーク炉内の銅製ルツボに入
れ、炉内を不活性ガス(アルゴンガス)雰囲気に置換し
て加熱融解させた後、単ロール法により水素ガス5体積
部とアルゴンガス95体積部とからなる水素ガス含有率
5体積%の還元性ガス雰囲気下で冷却速度1×103 、
1×104 又は1×105 °C/秒で凝固させて、組成
式TiNi0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水素吸蔵合
金を得た。各水素吸蔵合金の表面に形成された水素化合
金層の厚みを求めたところ、いずれも0.4μmであっ
た。また、各水素吸蔵合金の厚みは、順に22μm、1
7μm、15μmであった。なお、これらの各値は10
個のサンプルについての平均値である(以下の各値につ
いても同様である。)。
【0020】各水素吸蔵合金1gに、それぞれ結着剤と
してのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.2
g及び導電剤としてのカルボニルニッケル1.2gを混
合し、圧延して合金ペーストを得た。
してのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)0.2
g及び導電剤としてのカルボニルニッケル1.2gを混
合し、圧延して合金ペーストを得た。
【0021】各合金ペーストの所定量をニッケルメッシ
ュで包み、プレス加工して、直径20mmの円板状のペ
ースト電極PE1〜PE3を作製した。
ュで包み、プレス加工して、直径20mmの円板状のペ
ースト電極PE1〜PE3を作製した。
【0022】(実施例2)冷却速度を1×103 °C/
秒とし、水素ガス含有率を1体積%、2体積%、10体
積%、15体積%と変えたこと以外は実施例1と同様に
して組成式TiNi0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水
素吸蔵合金を得、その後実施例1と同様にしてペースト
電極PE4〜PE7を作製した。各水素吸蔵合金の厚み
は、順に23μm、22μm、24μm、22μmであ
り、水素化合金層の厚みは順に0.005μm、0.2
μm、3.2μm、5.6μmであった。
秒とし、水素ガス含有率を1体積%、2体積%、10体
積%、15体積%と変えたこと以外は実施例1と同様に
して組成式TiNi0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水
素吸蔵合金を得、その後実施例1と同様にしてペースト
電極PE4〜PE7を作製した。各水素吸蔵合金の厚み
は、順に23μm、22μm、24μm、22μmであ
り、水素化合金層の厚みは順に0.005μm、0.2
μm、3.2μm、5.6μmであった。
【0023】(比較例1)冷却速度を1×102 °C/
秒としたこと以外は実施例1と同様にして組成式TiN
i0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水素吸蔵合金を得、
その後実施例1と同様にして比較ペースト電極CPE1
を作製した。水素吸蔵合金の厚み及び水素化合金相の厚
みは、それぞれ630μm、0.4μmであった。
秒としたこと以外は実施例1と同様にして組成式TiN
i0.5 Mo0.5 で表される薄片状の水素吸蔵合金を得、
その後実施例1と同様にして比較ペースト電極CPE1
を作製した。水素吸蔵合金の厚み及び水素化合金相の厚
みは、それぞれ630μm、0.4μmであった。
【0024】(比較例2)アルゴンガス雰囲気下で冷却
速度1×102 、1×103 、1×104 又は1×10
5 °C/秒で凝固させたこと以外は実施例1と同様にし
て、組成式TiNi0.5 Mo0.5 で表される4種の薄片
状の水素吸蔵合金を得、その後実施例1と同様にして比
較ペースト電極CPE2〜CPE5を作製した。各水素
吸蔵合金の厚みは、順に628μm、23μm、17μ
m、14μmであった。
速度1×102 、1×103 、1×104 又は1×10
5 °C/秒で凝固させたこと以外は実施例1と同様にし
て、組成式TiNi0.5 Mo0.5 で表される4種の薄片
状の水素吸蔵合金を得、その後実施例1と同様にして比
較ペースト電極CPE2〜CPE5を作製した。各水素
吸蔵合金の厚みは、順に628μm、23μm、17μ
m、14μmであった。
【0025】〔試験セルの組立〕ペースト電極PE1〜
PE7及び比較ペースト電極CPE1〜CPE5を使用
して順に試験セルC1〜C7及び比較試験セルCC1〜
CC5を組み立てた。
PE7及び比較ペースト電極CPE1〜CPE5を使用
して順に試験セルC1〜C7及び比較試験セルCC1〜
CC5を組み立てた。
【0026】図1は、組み立てた試験セルC1(他のセ
ルも同様の構造である。)の模式的斜視図であり、図示
の試験セルC1は、円板状のペースト電極(PE1)
2、円筒状の焼結式ニッケル極3、絶縁性の密閉容器4
などからなる。
ルも同様の構造である。)の模式的斜視図であり、図示
の試験セルC1は、円板状のペースト電極(PE1)
2、円筒状の焼結式ニッケル極3、絶縁性の密閉容器4
などからなる。
【0027】焼結式ニッケル極3は、密閉容器4の上面
6に接続された正極リード5により保持されており、ま
たペースト電極2は焼結式ニッケル極3の円筒内略中央
に垂直に位置するように、密閉容器4の上面6に接続さ
れた負極リード7により保持されている。
6に接続された正極リード5により保持されており、ま
たペースト電極2は焼結式ニッケル極3の円筒内略中央
に垂直に位置するように、密閉容器4の上面6に接続さ
れた負極リード7により保持されている。
【0028】正極リード5及び負極リード7の各端部
は、密閉容器4の上面6を貫通して外部に露出し、それ
ぞれ正極端子5a及び負極端子7aに接続されている。
は、密閉容器4の上面6を貫通して外部に露出し、それ
ぞれ正極端子5a及び負極端子7aに接続されている。
【0029】ペースト電極2及び焼結式ニッケル極3は
密閉容器4に入れられたアルカリ電解液(30重量%水
酸化カリウム水溶液;図示せず)中に浸漬されており、
アルカリ電解液の上方空間部にはチッ素ガスが充填され
てペースト電極2に所定の圧力がかかるようにされてい
る。
密閉容器4に入れられたアルカリ電解液(30重量%水
酸化カリウム水溶液;図示せず)中に浸漬されており、
アルカリ電解液の上方空間部にはチッ素ガスが充填され
てペースト電極2に所定の圧力がかかるようにされてい
る。
【0030】また、密閉容器4の上面6の中央部には、
密閉容器4の内圧が所定圧以上に上昇するのを防止する
ために、ブルドン管(圧力計)8及びリリーフバルブ
(逃し弁)9を備えるリリーフ管10が装着されてい
る。
密閉容器4の内圧が所定圧以上に上昇するのを防止する
ために、ブルドン管(圧力計)8及びリリーフバルブ
(逃し弁)9を備えるリリーフ管10が装着されてい
る。
【0031】各セルに使用した水素吸蔵合金について、
水素ガス含有率、冷却速度、合金の厚み及び水素化合金
層の厚みを表1に示す。
水素ガス含有率、冷却速度、合金の厚み及び水素化合金
層の厚みを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】〔凝固時の冷却速度及び雰囲気とサイクル
寿命との関係〕試験セルC1〜C3及び比較試験セルC
C1〜CC5の各サイクル寿命を測定し、冷却速度及び
凝固時の雰囲気とサイクル寿命との関係を調べた。サイ
クル寿命は、常温(25°C)下、30mA/gで8時
間充電して1時間休止した後、30mA/gで放電終止
電圧1.0Vまで放電して1時間休止する工程を1サイ
クルとする充放電サイクル試験を行い、初期容量の50
%に容量低下するまでのサイクル数(回)で評価した。
寿命との関係〕試験セルC1〜C3及び比較試験セルC
C1〜CC5の各サイクル寿命を測定し、冷却速度及び
凝固時の雰囲気とサイクル寿命との関係を調べた。サイ
クル寿命は、常温(25°C)下、30mA/gで8時
間充電して1時間休止した後、30mA/gで放電終止
電圧1.0Vまで放電して1時間休止する工程を1サイ
クルとする充放電サイクル試験を行い、初期容量の50
%に容量低下するまでのサイクル数(回)で評価した。
【0034】図2は、冷却速度及び凝固時の雰囲気とサ
イクル寿命との関係を、縦軸にサイクル数(回)を、ま
た横軸に各セルに使用した水素吸蔵合金の冷却速度(°
C/秒)をとって示したグラフであり、同図より合金溶
湯を還元性雰囲気下で凝固させた試験セルC1〜C3及
び比較試験セルCC1は、それぞれ同じ冷却速度で合金
溶湯をアルゴンガス雰囲気下で凝固させた比較試験セル
CC2〜CC5に比べて、サイクル寿命が長いことが分
かる。このことから、水素化合金層の形成がサイクル寿
命の長期化に大きく寄与していることが分かる。
イクル寿命との関係を、縦軸にサイクル数(回)を、ま
た横軸に各セルに使用した水素吸蔵合金の冷却速度(°
C/秒)をとって示したグラフであり、同図より合金溶
湯を還元性雰囲気下で凝固させた試験セルC1〜C3及
び比較試験セルCC1は、それぞれ同じ冷却速度で合金
溶湯をアルゴンガス雰囲気下で凝固させた比較試験セル
CC2〜CC5に比べて、サイクル寿命が長いことが分
かる。このことから、水素化合金層の形成がサイクル寿
命の長期化に大きく寄与していることが分かる。
【0035】また、試験セルC1〜C3と比較試験セル
CC1との比較から、200サイクル以上の寿命の長い
電池を得るためには、冷却速度を1×103 °C/秒以
上にする必要があることが分かる。
CC1との比較から、200サイクル以上の寿命の長い
電池を得るためには、冷却速度を1×103 °C/秒以
上にする必要があることが分かる。
【0036】〔還元性ガスの水素ガス含有率とサイクル
寿命との関係〕試験セルC4〜C7の各サイクル寿命を
上記と同様にして測定し、還元性ガスの水素ガス含有率
とサイクル寿命との関係を調べた。
寿命との関係〕試験セルC4〜C7の各サイクル寿命を
上記と同様にして測定し、還元性ガスの水素ガス含有率
とサイクル寿命との関係を調べた。
【0037】図3は、還元性ガスの水素ガス含有率とサ
イクル寿命との関係を、縦軸にサイクル数(回)を、ま
た横軸に水素ガス含有率(%)をとって示したグラフで
ある。なお、図中には、先に測定した試験セルC1及び
比較試験セルCC3のサイクル寿命も併示してある。同
図よりサイクル劣化しにくい水素吸蔵合金電極を得るた
めには水素化合金層の厚みを0.01〜3μmの範囲に
することが好ましいことが分かる。
イクル寿命との関係を、縦軸にサイクル数(回)を、ま
た横軸に水素ガス含有率(%)をとって示したグラフで
ある。なお、図中には、先に測定した試験セルC1及び
比較試験セルCC3のサイクル寿命も併示してある。同
図よりサイクル劣化しにくい水素吸蔵合金電極を得るた
めには水素化合金層の厚みを0.01〜3μmの範囲に
することが好ましいことが分かる。
【0038】上記実施例では、本発明電極をニッケル・
水素化物二次電池の負極に使用する場合について説明し
たが、本発明電極は広く金属・水素化物二次電池の負極
に使用し得るものである。
水素化物二次電池の負極に使用する場合について説明し
たが、本発明電極は広く金属・水素化物二次電池の負極
に使用し得るものである。
【0039】また、実施例では、本発明における水素吸
蔵合金として、Ti−Mo−Ni系の3元合金を一例に
挙げて説明したが、本発明は、これらの金属を主成分と
する合金を電極材料とする水素吸蔵合金電極にも適用可
能なものである。
蔵合金として、Ti−Mo−Ni系の3元合金を一例に
挙げて説明したが、本発明は、これらの金属を主成分と
する合金を電極材料とする水素吸蔵合金電極にも適用可
能なものである。
【0040】さらに、実施例では、合金溶湯を得るため
の加熱手段としてアーク溶解炉を用いたが、高周波誘導
加熱炉を用いることも可能である。
の加熱手段としてアーク溶解炉を用いたが、高周波誘導
加熱炉を用いることも可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明電極は、サイクル劣化しにくく、
化成処理時間が短く、しかも製造が容易であるなど、本
発明は優れた特有の効果を奏する。
化成処理時間が短く、しかも製造が容易であるなど、本
発明は優れた特有の効果を奏する。
【図1】実施例で組み立てた試験セルの模式的斜視図で
ある。
ある。
【図2】凝固時の冷却速度及び雰囲気とサイクル寿命と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図3】還元性ガスの水素ガス含有率とサイクル寿命と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
1 試験セル 2 ペースト電極(水素吸蔵合金電極) 3 焼結式ニッケル極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 礒野 隆博 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−78908(JP,A) 特開 昭61−288372(JP,A) 特許3054477(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/24 - 4/26 C22C 14/00 H01M 4/38
Claims (3)
- 【請求項1】水素ガスを含有する還元性ガス雰囲気下で
1×103 °C/秒以上の冷却速度で合金溶湯を急冷凝
固させ表面に水素化合金層を生成せしめてなる、一般式
ABx (但し、AはTi又はこれを主成分とする水素吸
収時発熱型元素;BはMo及びNi又はこれらを主成分
とする水素吸収時吸熱型元素;0.5≦x≦2であ
る。)で表される水素吸蔵合金が、電極材料として使用
されていることを特徴とする水素吸蔵合金電極。 - 【請求項2】前記水素化合金層の厚みが0.01〜3μ
mの範囲にある請求項1記載の水素吸蔵合金電極。 - 【請求項3】前記水素吸蔵合金がロール法により急冷凝
固して得た厚み30μm以下の薄片である請求項1又は
2記載の水素吸蔵合金電極。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12516793A JP3291356B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 水素吸蔵合金電極 |
US08/189,172 US5441826A (en) | 1993-04-28 | 1994-01-31 | Hydrogen-absorbing alloy electrode |
EP94106597A EP0622860B1 (en) | 1993-04-28 | 1994-04-27 | Hydrogen-absorbing alloy electrode |
DE69434444T DE69434444T2 (de) | 1993-04-28 | 1994-04-27 | Elektrode aus einer wasserstoffabsorbierenden Legierung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12516793A JP3291356B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 水素吸蔵合金電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06310137A JPH06310137A (ja) | 1994-11-04 |
JP3291356B2 true JP3291356B2 (ja) | 2002-06-10 |
Family
ID=14903547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12516793A Expired - Fee Related JP3291356B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 水素吸蔵合金電極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3291356B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-28 JP JP12516793A patent/JP3291356B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06310137A (ja) | 1994-11-04 |
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