JP3274884B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
熱転写受像シートInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写受像シートに関
し、更に詳しくは発色濃度及び鮮明性に優れた記録画像
を形成することが出来る熱転写受像シートを生産性良く
提供することを目的とする。
し、更に詳しくは発色濃度及び鮮明性に優れた記録画像
を形成することが出来る熱転写受像シートを生産性良く
提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これをポリ
エステルフイルム等の基材シートに担持させて熱転写シ
ートとし、昇華性染料で染着可能な被転写材、例えば、
紙やプラスチックフイルム等に染料受容層を形成した熱
転写受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方
法が提案されている。この場合には加熱手段としてプリ
ンターのサーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加
熱によって3色又は4色の多数の色ドットを熱転写受像
シートに転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフル
カラー画像を再現するものである。この様に形成された
画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮明
であり、且つ透明性に優れている為、得られる画像は中
間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷や
グラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラー
写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となってい
る。
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これをポリ
エステルフイルム等の基材シートに担持させて熱転写シ
ートとし、昇華性染料で染着可能な被転写材、例えば、
紙やプラスチックフイルム等に染料受容層を形成した熱
転写受像シート上に各種のフルカラー画像を形成する方
法が提案されている。この場合には加熱手段としてプリ
ンターのサーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加
熱によって3色又は4色の多数の色ドットを熱転写受像
シートに転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフル
カラー画像を再現するものである。この様に形成された
画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮明
であり、且つ透明性に優れている為、得られる画像は中
間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷や
グラビア印刷による画像と同様であり、且つフルカラー
写真画像に匹敵する高品質の画像が形成可能となってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の如き熱転
写方法を有効に実施する為には、熱転写シートの構成は
勿論、画像を形成する為の熱転写受像シートの構成も同
様に重要である。上記熱転写受像シートは、従来は基材
シートの表面に必要に応じてプライマー層(接着剤
層)、気泡含有層(クッション層)及び/又は中間層を
設け、その上に必須の層として染料受容層を形成するこ
とによって製造され、又、別の方法として、基材フイル
ムの表面に染料受容層を剥離可能に形成し、その上に必
要に応じて中間層、気泡含有層及び/又は接着剤層等を
形成した染料受容層転写フイルムを作成し、このフイル
ムの接着剤層を熱転写受像シートの基材シートの面に貼
り合わせ、しかる後に基材フイルムを剥離する所謂転写
方法によっても製造することが出来る。上記いずれの方
法においても、基材シート又は基材フイルム上に樹脂層
を形成する場合には、必要成分を揮発性(乾燥性)のよ
い汎用の有機溶剤に溶解又は分散させた塗工液を夫々調
製し、該塗工液を基材シートや基材フイルムの面に塗工
し、乾燥して必要な樹脂層を形成している。この場合形
成された樹脂層中に有機溶剤が残留するのは望ましいこ
とではなく、可能な限り有機溶剤を乾燥除去せねばなら
ない。しかしながら、有機溶剤を樹脂層から十分に除去
するにはかなりの温度をかけ、且つ比較的長時間を要す
るため、形成される樹脂層の樹脂が劣化するという問題
があり、又、上記乾燥に長時間を要するという点で熱転
写受像シートの生産性を高くすることが出来ないという
問題がある。以上の如き問題は、有機溶剤として非常に
沸点の低い有機溶剤を使用すれば解決されるが、これら
の特殊な溶剤の場合には塗工液の調製が困難であり、
又、形成される層の均一性が阻害され、製品の安定性に
問題があって、印字画像の濃度が変化するという問題が
ある。そのうえ衛生上或は火災等の危険があり、実際に
は使用不可能である。従って本発明の目的は、昇華性染
料を使用する熱転写方法において、十分に濃度のある鮮
明な画像を与える熱転写受像シートを生産性良く提供す
ることを目的とする。
写方法を有効に実施する為には、熱転写シートの構成は
勿論、画像を形成する為の熱転写受像シートの構成も同
様に重要である。上記熱転写受像シートは、従来は基材
シートの表面に必要に応じてプライマー層(接着剤
層)、気泡含有層(クッション層)及び/又は中間層を
設け、その上に必須の層として染料受容層を形成するこ
とによって製造され、又、別の方法として、基材フイル
ムの表面に染料受容層を剥離可能に形成し、その上に必
要に応じて中間層、気泡含有層及び/又は接着剤層等を
形成した染料受容層転写フイルムを作成し、このフイル
ムの接着剤層を熱転写受像シートの基材シートの面に貼
り合わせ、しかる後に基材フイルムを剥離する所謂転写
方法によっても製造することが出来る。上記いずれの方
法においても、基材シート又は基材フイルム上に樹脂層
を形成する場合には、必要成分を揮発性(乾燥性)のよ
い汎用の有機溶剤に溶解又は分散させた塗工液を夫々調
製し、該塗工液を基材シートや基材フイルムの面に塗工
し、乾燥して必要な樹脂層を形成している。この場合形
成された樹脂層中に有機溶剤が残留するのは望ましいこ
とではなく、可能な限り有機溶剤を乾燥除去せねばなら
ない。しかしながら、有機溶剤を樹脂層から十分に除去
するにはかなりの温度をかけ、且つ比較的長時間を要す
るため、形成される樹脂層の樹脂が劣化するという問題
があり、又、上記乾燥に長時間を要するという点で熱転
写受像シートの生産性を高くすることが出来ないという
問題がある。以上の如き問題は、有機溶剤として非常に
沸点の低い有機溶剤を使用すれば解決されるが、これら
の特殊な溶剤の場合には塗工液の調製が困難であり、
又、形成される層の均一性が阻害され、製品の安定性に
問題があって、印字画像の濃度が変化するという問題が
ある。そのうえ衛生上或は火災等の危険があり、実際に
は使用不可能である。従って本発明の目的は、昇華性染
料を使用する熱転写方法において、十分に濃度のある鮮
明な画像を与える熱転写受像シートを生産性良く提供す
ることを目的とする。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの少
なくとも一方の面に少なくともポリエステル系樹脂から
なる染料受容層を設け、該染料受容層中にエチレングリ
コールジブチルエーテル又はエチレングリコールブチル
エーテルアセテートを3〜20重量%含有することを特
徴とする熱転写受像シートである。
によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの少
なくとも一方の面に少なくともポリエステル系樹脂から
なる染料受容層を設け、該染料受容層中にエチレングリ
コールジブチルエーテル又はエチレングリコールブチル
エーテルアセテートを3〜20重量%含有することを特
徴とする熱転写受像シートである。
【0005】
【作用】少なくとも染料受容層を含む樹脂層を有機溶剤
を含む塗工液から形成する際に、該塗工液中に常温で不
揮発性の特定の高沸点有機溶剤を添加しておくことによ
り、該塗工液を塗工し、乾燥する際に揮発性溶剤の蒸発
速度が著しく促進され、樹脂層の形成が短時間で完了
し、熱転写受像シートを非常に生産性良く提供すること
が出来る。又、形成された樹脂層中には高沸点有機溶剤
がある程度残留するが、この残留量を適度に調整するこ
とによって、染料の転写時における染料の発色濃度が著
しく向上する。
を含む塗工液から形成する際に、該塗工液中に常温で不
揮発性の特定の高沸点有機溶剤を添加しておくことによ
り、該塗工液を塗工し、乾燥する際に揮発性溶剤の蒸発
速度が著しく促進され、樹脂層の形成が短時間で完了
し、熱転写受像シートを非常に生産性良く提供すること
が出来る。又、形成された樹脂層中には高沸点有機溶剤
がある程度残留するが、この残留量を適度に調整するこ
とによって、染料の転写時における染料の発色濃度が著
しく向上する。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の熱転写受像シート
は、基材シートの少なくとも一方の面に少なくとも染料
受容層を含む樹脂層を形成し、該樹脂層に高沸点有機溶
剤を含有させることによって得られる。以下代表例とし
て染料受容層に高沸点有機溶剤を含有させる例で説明す
る。本発明で使用する基材シートとしては、合成紙(ポ
リオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合
成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含
浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート等の各種のプラスチックのフイルム又はシート
等が使用出来、又、これらの合成樹脂に白色顔料や充填
剤を加えて成膜した白色不透明フイルム或いは発泡させ
た発泡シート等も使用することが出来、特に限定されな
い。又、上記基材シートの任意の組み合わせによる積層
体も使用出来る。代表的な積層体の例として、セルロー
ス繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙とプラスチッ
クフイルム又はシートとの合成紙が挙げられる。これら
の基材シートの厚みは任意でよく、例えば、10〜30
0μm程度の厚みが一般的である。上記の如き基材シー
トは、その表面に形成する染料受容層との密着力が乏し
い場合にはその表面にプライマー処理やコロナ放電処理
を施すのが好ましい。
発明を更に詳細に説明する。本発明の熱転写受像シート
は、基材シートの少なくとも一方の面に少なくとも染料
受容層を含む樹脂層を形成し、該樹脂層に高沸点有機溶
剤を含有させることによって得られる。以下代表例とし
て染料受容層に高沸点有機溶剤を含有させる例で説明す
る。本発明で使用する基材シートとしては、合成紙(ポ
リオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合
成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含
浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート等の各種のプラスチックのフイルム又はシート
等が使用出来、又、これらの合成樹脂に白色顔料や充填
剤を加えて成膜した白色不透明フイルム或いは発泡させ
た発泡シート等も使用することが出来、特に限定されな
い。又、上記基材シートの任意の組み合わせによる積層
体も使用出来る。代表的な積層体の例として、セルロー
ス繊維紙と合成紙或いはセルロース繊維紙とプラスチッ
クフイルム又はシートとの合成紙が挙げられる。これら
の基材シートの厚みは任意でよく、例えば、10〜30
0μm程度の厚みが一般的である。上記の如き基材シー
トは、その表面に形成する染料受容層との密着力が乏し
い場合にはその表面にプライマー処理やコロナ放電処理
を施すのが好ましい。
【0007】上記基材シートの表面に形成する染料受容
層は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容
し、形成された画像を維持する為のものである。染料受
容層を形成する為の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル系樹脂を挙げることが出来る。
層は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容
し、形成された画像を維持する為のものである。染料受
容層を形成する為の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポ
リエステル系樹脂を挙げることが出来る。
【0008】本発明で使用する高沸点有機溶剤の例とし
ては、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレン
グリコールブチルエーテルアセテートが挙げられる。こ
れらの高沸点有機溶剤の含有量は樹脂層の3〜20重量
%で染料受容層中に残留する割合で使用することが好ま
しい。使用量が少なすぎると染料受容層塗工液の乾燥の
際に揮発性有機溶剤の蒸発速度が十分ではなく、一方、
使用量が多すぎると、染料受容層の強度が低下し、又、
形成された画像に滲み等が発生するので好ましくない。
本発明の熱転写受像シートは、前記の基材シートの少な
くとも一方の面に、前記の如き熱可塑性樹脂に高沸点有
機溶剤、更には他の必要な添加剤、例えば、離型剤、架
橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、光安定剤等を加えたものを、適当な有機溶剤、例
えば、トルエン、メチルエチルケトン、或はそれらの混
合物等の汎用有機溶剤に溶解或は分散した塗工液を、例
えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版
を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段に
より塗布及び乾燥して染料受容層を形成することによっ
て得られる。
ては、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレン
グリコールブチルエーテルアセテートが挙げられる。こ
れらの高沸点有機溶剤の含有量は樹脂層の3〜20重量
%で染料受容層中に残留する割合で使用することが好ま
しい。使用量が少なすぎると染料受容層塗工液の乾燥の
際に揮発性有機溶剤の蒸発速度が十分ではなく、一方、
使用量が多すぎると、染料受容層の強度が低下し、又、
形成された画像に滲み等が発生するので好ましくない。
本発明の熱転写受像シートは、前記の基材シートの少な
くとも一方の面に、前記の如き熱可塑性樹脂に高沸点有
機溶剤、更には他の必要な添加剤、例えば、離型剤、架
橋剤、硬化剤、触媒、熱離型剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、光安定剤等を加えたものを、適当な有機溶剤、例
えば、トルエン、メチルエチルケトン、或はそれらの混
合物等の汎用有機溶剤に溶解或は分散した塗工液を、例
えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版
を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段に
より塗布及び乾燥して染料受容層を形成することによっ
て得られる。
【0009】上記染料受容層の形成に際しては、染料受
容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高め
る目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭
酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加す
ることが出来る。以上の如く形成される染料受容層は任
意の厚さでよいが、一般的には1〜50μmの厚さであ
る。又、この様な染料受容層は連続被覆であるのが好ま
しいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不
連続の被覆として形成してもよい。本発明では転写方法
で前記染料受容層を形成することも出来る。即ち、基材
シートとして、例えば、パルプ紙等を用いる場合には、
該基材は表面平滑性が不足する場合があり、この場合に
は上記塗工方法では形成される染料受容層に凹凸やピン
ホール等が発生する場合があるが、転写方法によれば、
この様な問題は発生しない。
容層の白色度を向上させて転写画像の鮮明度を更に高め
る目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリンクレー、炭
酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加す
ることが出来る。以上の如く形成される染料受容層は任
意の厚さでよいが、一般的には1〜50μmの厚さであ
る。又、この様な染料受容層は連続被覆であるのが好ま
しいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不
連続の被覆として形成してもよい。本発明では転写方法
で前記染料受容層を形成することも出来る。即ち、基材
シートとして、例えば、パルプ紙等を用いる場合には、
該基材は表面平滑性が不足する場合があり、この場合に
は上記塗工方法では形成される染料受容層に凹凸やピン
ホール等が発生する場合があるが、転写方法によれば、
この様な問題は発生しない。
【0010】転写方法は、例えば、ポリエステルフイル
ム等の離型性のよいフイルム面に上記の染料受容層を形
成し、更にその表面に適当な粘着剤層又は接着剤層を形
成しておき、この粘着剤層を前記パルプ紙等の基材シー
ト面に対向させてラミネーター等で貼り合わせ、その後
上記ポリエステルフイルムを剥離する方法である。又、
中間層を形成する場合には予め基材シートの表面に中間
層を形成しておいてもよいし、染料受容層転写シートの
染料受容層表面に設けておいてもよい。以上、高沸点有
機溶剤を染料受容層に添加する例で本発明を説明した
が、本発明の熱転写受像シートが、更にプライマー層
(接着剤層)、クッション層(気泡含有層)、中間層等
の他の層を含む場合には、これらの層にも高沸点有機溶
剤を含有させて同様にこれらの層の乾燥速度を向上させ
ることが出来る。又、本発明の熱転写受像シートは、基
材シートを適宜選択することにより、熱転写記録可能な
枚葉或はロール状の熱転写受像シート、カード類、透過
型原稿作成用シート等の各種用途に適用することも出来
る。更に、本発明の熱転写受像シートは必要に応じて基
材シートと染料受容層との間にクッション層を設けるこ
とが出来、この様なクッション層を設けることによっ
て、印字時にノイズが少なく画像情報に対応した画像を
再現性良く転写記録することが出来る。上記の如き本発
明の熱転写受像シートを使用して熱転写を行う際に使用
する熱転写シートは、紙やポリエステルフイルム上に昇
華性染料を含む染料層を設けたものであり、従来公知の
熱転写シートはいずれも本発明でそのまま使用すること
が出来る。
ム等の離型性のよいフイルム面に上記の染料受容層を形
成し、更にその表面に適当な粘着剤層又は接着剤層を形
成しておき、この粘着剤層を前記パルプ紙等の基材シー
ト面に対向させてラミネーター等で貼り合わせ、その後
上記ポリエステルフイルムを剥離する方法である。又、
中間層を形成する場合には予め基材シートの表面に中間
層を形成しておいてもよいし、染料受容層転写シートの
染料受容層表面に設けておいてもよい。以上、高沸点有
機溶剤を染料受容層に添加する例で本発明を説明した
が、本発明の熱転写受像シートが、更にプライマー層
(接着剤層)、クッション層(気泡含有層)、中間層等
の他の層を含む場合には、これらの層にも高沸点有機溶
剤を含有させて同様にこれらの層の乾燥速度を向上させ
ることが出来る。又、本発明の熱転写受像シートは、基
材シートを適宜選択することにより、熱転写記録可能な
枚葉或はロール状の熱転写受像シート、カード類、透過
型原稿作成用シート等の各種用途に適用することも出来
る。更に、本発明の熱転写受像シートは必要に応じて基
材シートと染料受容層との間にクッション層を設けるこ
とが出来、この様なクッション層を設けることによっ
て、印字時にノイズが少なく画像情報に対応した画像を
再現性良く転写記録することが出来る。上記の如き本発
明の熱転写受像シートを使用して熱転写を行う際に使用
する熱転写シートは、紙やポリエステルフイルム上に昇
華性染料を含む染料層を設けたものであり、従来公知の
熱転写シートはいずれも本発明でそのまま使用すること
が出来る。
【0011】又、熱転写時の熱エネルギーの付与手段
は、従来公知の付与手段がいずれも使用することが出
来、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所
製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によ
って、記録時間をコントロールすることにより、5〜1
00mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することに
よって所期の目的を十分に達成することが出来る。
は、従来公知の付与手段がいずれも使用することが出
来、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所
製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によ
って、記録時間をコントロールすることにより、5〜1
00mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することに
よって所期の目的を十分に達成することが出来る。
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。参考 例1 基材シートとして合成紙(王子油化製、厚さ110μ
m)を用い、この一方の面に下記の組成の塗工液をワイ
ヤーバーにより乾燥時5.0g/m2になる割合で塗布
及び乾燥させて参考例の熱転写受像シートを得た。塗工液組成; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡製) 100部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部 高沸点有機溶剤(アジピン酸ジオクチル) 15部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 900部
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。参考 例1 基材シートとして合成紙(王子油化製、厚さ110μ
m)を用い、この一方の面に下記の組成の塗工液をワイ
ヤーバーにより乾燥時5.0g/m2になる割合で塗布
及び乾燥させて参考例の熱転写受像シートを得た。塗工液組成; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡製) 100部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部 高沸点有機溶剤(アジピン酸ジオクチル) 15部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 900部
【0012】
【0013】実施例1 参考 例1における高沸点有機溶剤に代えて同量のエチレ
ングリコールジブチルエーテルを使用し、他は参考例1
と同様にして本発明の熱転写受像シートを得た。 実施例2 参考 例1における高沸点有機溶剤に代えて同量のエチレ
ングリコールモノブチルエーテルアセテートを使用し、
他は参考例1と同様にして本発明の熱転写受像シートを
得た。
ングリコールジブチルエーテルを使用し、他は参考例1
と同様にして本発明の熱転写受像シートを得た。 実施例2 参考 例1における高沸点有機溶剤に代えて同量のエチレ
ングリコールモノブチルエーテルアセテートを使用し、
他は参考例1と同様にして本発明の熱転写受像シートを
得た。
【0014】
【0015】比較例1参考 例1における塗工液に代えて下記の塗工液を使用
し、他は参考例1と同様にして比較例の熱転写受像シー
トを得た。塗工液組成; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡製) 100部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 900部 前記の本発明及び比較例の熱転写受像シートを製造する
際の乾燥速度を下記条件で測定し、その結果を下記表1
に示した。乾燥速度試験 ; 1,200Wの市販のドライヤーを用いて20cmの距
離から熱風を5秒間及び冷風を5秒間あてた後、ガスク
ロマトグラフ(GC−14A、島津精機製)により測定
した。測定値はメチルエチルケトンとトルエンとの合計
量である。一方、下記組成の染料担持層形成用インキ組
成物を調製し、背面に耐熱処理を施した6μm厚のポリ
エチレンテレフタレートフイルムに、乾燥塗布量が1.
0g/m2になる様にワイヤーバーにより塗布及び乾燥
して熱転写シートを得た。インキ組成; C.I.ディスパーズブルー24 1.0部 ポリビニルブチラール樹脂 10.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90.0部
し、他は参考例1と同様にして比較例の熱転写受像シー
トを得た。塗工液組成; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡製) 100部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 900部 前記の本発明及び比較例の熱転写受像シートを製造する
際の乾燥速度を下記条件で測定し、その結果を下記表1
に示した。乾燥速度試験 ; 1,200Wの市販のドライヤーを用いて20cmの距
離から熱風を5秒間及び冷風を5秒間あてた後、ガスク
ロマトグラフ(GC−14A、島津精機製)により測定
した。測定値はメチルエチルケトンとトルエンとの合計
量である。一方、下記組成の染料担持層形成用インキ組
成物を調製し、背面に耐熱処理を施した6μm厚のポリ
エチレンテレフタレートフイルムに、乾燥塗布量が1.
0g/m2になる様にワイヤーバーにより塗布及び乾燥
して熱転写シートを得た。インキ組成; C.I.ディスパーズブルー24 1.0部 ポリビニルブチラール樹脂 10.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90.0部
【0016】熱転写試験; 上記の熱転写シートと前記の本発明及び比較例の熱転写
受像シートとを、夫々の染料層と染料受容面とを対向さ
せて重ね合せ、熱転写シートの裏面からサーマルヘッド
を用いて、ヘッド印加電圧11.0V、印加パルス幅1
6msec./lineから1msec.毎に順次減少
させるステップパターン、副走査方向6line/mm
(33.3msec./line)の条件でサーマルヘ
ッドで記録を行ってシアン画像を形成した後の両者の発
色濃度及び鮮明性を調べ、下記表1の結果を得た。 (1)発色濃度評価方法; 熱転写試験における印加パルス幅8msのステップにお
ける印字濃度(マクベスRD918によるO.D.測定
値)の相対比較を行い、比較例を100%とした。
受像シートとを、夫々の染料層と染料受容面とを対向さ
せて重ね合せ、熱転写シートの裏面からサーマルヘッド
を用いて、ヘッド印加電圧11.0V、印加パルス幅1
6msec./lineから1msec.毎に順次減少
させるステップパターン、副走査方向6line/mm
(33.3msec./line)の条件でサーマルヘ
ッドで記録を行ってシアン画像を形成した後の両者の発
色濃度及び鮮明性を調べ、下記表1の結果を得た。 (1)発色濃度評価方法; 熱転写試験における印加パルス幅8msのステップにお
ける印字濃度(マクベスRD918によるO.D.測定
値)の相対比較を行い、比較例を100%とした。
【0017】
【表1】
【0018】
【効果】以上の如き本発明によれば、少なくとも染料受
容層を含む樹脂層を有機溶剤を含む塗工液から形成する
際に、該塗工液中に常温で不揮発性の特定の高沸点有機
溶剤を添加しておくことにより、塗工液を塗工し、乾燥
する際に揮発性溶剤の蒸発速度が著しく促進され、樹脂
層の形成が短時間で完了し、熱転写受像シートを非常に
生産性良く提供することが出来る。又、形成された樹脂
層中には高沸点有機溶剤が残留するが、この残留量を適
度に調整することによって、染料の転写時における染料
の発色濃度が著しく向上する。
容層を含む樹脂層を有機溶剤を含む塗工液から形成する
際に、該塗工液中に常温で不揮発性の特定の高沸点有機
溶剤を添加しておくことにより、塗工液を塗工し、乾燥
する際に揮発性溶剤の蒸発速度が著しく促進され、樹脂
層の形成が短時間で完了し、熱転写受像シートを非常に
生産性良く提供することが出来る。又、形成された樹脂
層中には高沸点有機溶剤が残留するが、この残留量を適
度に調整することによって、染料の転写時における染料
の発色濃度が著しく向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高尾 志乃 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−25793(JP,A) 特開 平4−122693(JP,A) 特開 平3−224794(JP,A) 特開 平3−13389(JP,A) 特開 昭61−274990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40
Claims (1)
- 【請求項1】 基材シートの少なくとも一方の面に少な
くともポリエステル系樹脂からなる染料受容層を設け、
該染料受容層中にエチレングリコールジブチルエーテル
又はエチレングリコールブチルエーテルアセテートを3
〜20重量%含有することを特徴とする熱転写受像シー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16188992A JP3274884B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 熱転写受像シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16188992A JP3274884B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 熱転写受像シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05330249A JPH05330249A (ja) | 1993-12-14 |
JP3274884B2 true JP3274884B2 (ja) | 2002-04-15 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3274884B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4587945B2 (ja) * | 2005-11-30 | 2010-11-24 | 富士フイルム株式会社 | 感熱転写受像シートおよびその製造方法 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP16188992A patent/JP3274884B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05330249A (ja) | 1993-12-14 |
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