JP3271844B2 - 液中放電による金属材料の表面処理方法 - Google Patents
液中放電による金属材料の表面処理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液中放電による金属材料
の処理方法に係り、より詳しくは、鉄鋼、アルミニウム
又はその合金、亜鉛又はその合金、銅又はその合金など
からなる金属材料において所定の形状を成形した表面上
に、WC、TiC等々のファインセラミックスを含む被
覆層を強固な接着力を持つように被覆する表面処理方法
に関するもので、金型、ガスタービンなどの耐摩耗性、
耐熱性等を向上させるのに適している。
の処理方法に係り、より詳しくは、鉄鋼、アルミニウム
又はその合金、亜鉛又はその合金、銅又はその合金など
からなる金属材料において所定の形状を成形した表面上
に、WC、TiC等々のファインセラミックスを含む被
覆層を強固な接着力を持つように被覆する表面処理方法
に関するもので、金型、ガスタービンなどの耐摩耗性、
耐熱性等を向上させるのに適している。
【0002】
【従来の技術】従来、ファインセラミックス等の母材へ
の被覆には、溶射、或いはPVD、CVDなどの物理的
又は化学的表面処理が行われており、またメッキも行わ
れていた。
の被覆には、溶射、或いはPVD、CVDなどの物理的
又は化学的表面処理が行われており、またメッキも行わ
れていた。
【0003】しかし、溶射技術は、成膜速度が高く、厚
膜が容易に得られるが、密着性が弱く、また膜が多孔質
であって、硬度等も被覆素材の本来の硬度まで到着しな
い欠点があった。PVD、CVDは、密着性は良い場合
が多いが、1000℃程度の高い温度まで上昇させて被
覆するので、素材の寸法変化が著しい。更に10μm以
下の薄膜しか生成できない欠点があった。また、メッキ
は、厚膜は不能である上に密着力が弱いという欠点があ
った。
膜が容易に得られるが、密着性が弱く、また膜が多孔質
であって、硬度等も被覆素材の本来の硬度まで到着しな
い欠点があった。PVD、CVDは、密着性は良い場合
が多いが、1000℃程度の高い温度まで上昇させて被
覆するので、素材の寸法変化が著しい。更に10μm以
下の薄膜しか生成できない欠点があった。また、メッキ
は、厚膜は不能である上に密着力が弱いという欠点があ
った。
【0004】更に、これらの技術では、溶射は減圧プラ
ズマのために真空装置を要し、PVD、CVDも真空槽
中で作業が行われ、メッキも電解槽中の作業であり、作
業性が悪く自動化も困難である。
ズマのために真空装置を要し、PVD、CVDも真空槽
中で作業が行われ、メッキも電解槽中の作業であり、作
業性が悪く自動化も困難である。
【0005】そこで、本発明者等は、これらの溶射、P
VD、CVDなどの欠点を解消する技術として、先に特
願平3−329499号にて放電被覆法を提案した。こ
の方法は、金属材料からなる母材表面に金属又は非金属
材料を被覆した後、液中、気体中又は真空中でパルス放
電加工によって堆積物を微小領域ごとに再溶融させるこ
とにより、母材と被覆材料を拡散、混合し、母材表面に
緻密な被覆層を形成する方法である。
VD、CVDなどの欠点を解消する技術として、先に特
願平3−329499号にて放電被覆法を提案した。こ
の方法は、金属材料からなる母材表面に金属又は非金属
材料を被覆した後、液中、気体中又は真空中でパルス放
電加工によって堆積物を微小領域ごとに再溶融させるこ
とにより、母材と被覆材料を拡散、混合し、母材表面に
緻密な被覆層を形成する方法である。
【0006】この放電被覆法は、上記の従来技術に比べ
ると、被覆層の密着性が著しく高く、10〜100μm
程度の厚膜も可能であり、寸法精度や形状精度は放電加
工の加工精度と同等であり、作業性が著しく良く、自動
化も容易である。上記の従来技術と放電被覆法の比較を
図1、表1に示す。
ると、被覆層の密着性が著しく高く、10〜100μm
程度の厚膜も可能であり、寸法精度や形状精度は放電加
工の加工精度と同等であり、作業性が著しく良く、自動
化も容易である。上記の従来技術と放電被覆法の比較を
図1、表1に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の放電被
覆法は、従来の溶射法やPVD、CVD、メッキに比べ
て非常に優れた表面処理技術ではあるが、一方、事前の
被覆法(1次処理)として液中での放電析出法(消耗し易
い電極使用)を行った場合、放電によって加工液の鉱物
油等が分解して生じる炭素分が、そのまま被覆層の中に
炭素単位として残留する場合がある。勿論、2次処理
(パルス放電加工による再溶融)によって被覆層成分中に
大部分固溶するが、それでもなお、微細な塊として被覆
層中に存在する場合があることが判明した。
覆法は、従来の溶射法やPVD、CVD、メッキに比べ
て非常に優れた表面処理技術ではあるが、一方、事前の
被覆法(1次処理)として液中での放電析出法(消耗し易
い電極使用)を行った場合、放電によって加工液の鉱物
油等が分解して生じる炭素分が、そのまま被覆層の中に
炭素単位として残留する場合がある。勿論、2次処理
(パルス放電加工による再溶融)によって被覆層成分中に
大部分固溶するが、それでもなお、微細な塊として被覆
層中に存在する場合があることが判明した。
【0009】本発明は、上記の放電被覆法の欠点を解消
して、放電によって生じる分解炭素が被覆層中に塊とし
て残留するのを減少させ、より高品位の被覆層を金属材
料表面に形成する金属材料の表面処理方法を提供するこ
とを目的とするものである。
して、放電によって生じる分解炭素が被覆層中に塊とし
て残留するのを減少させ、より高品位の被覆層を金属材
料表面に形成する金属材料の表面処理方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、導電性のファインセラミック
スに、炭化物を作り易い金属又は半金属(非金属)と、結
合剤として、被処理金属又は前記ファインセラミックス
を融合し易い金属とを、それぞれ粉末状態で混合し、圧
縮成形を行って所望の形状としたものを放電電極として
用い、加工液として放電の発生により炭素を分解生成す
る加工液を用いて、加工液中において被処理金属を一方
の電極として放電加工を行うことにより、前記の炭化物
を作り易い金属又は半金属の一部を炭化物として反応生
成せしめ、被処理金属表面に導電性ファインセラミック
スと炭化物と、一部炭化物にならなかった金属と結合金
属とからなる表面層を形成することを特徴とする液中放
電による金属材料の表面処理方法を要旨としている。
の手段として、本発明は、導電性のファインセラミック
スに、炭化物を作り易い金属又は半金属(非金属)と、結
合剤として、被処理金属又は前記ファインセラミックス
を融合し易い金属とを、それぞれ粉末状態で混合し、圧
縮成形を行って所望の形状としたものを放電電極として
用い、加工液として放電の発生により炭素を分解生成す
る加工液を用いて、加工液中において被処理金属を一方
の電極として放電加工を行うことにより、前記の炭化物
を作り易い金属又は半金属の一部を炭化物として反応生
成せしめ、被処理金属表面に導電性ファインセラミック
スと炭化物と、一部炭化物にならなかった金属と結合金
属とからなる表面層を形成することを特徴とする液中放
電による金属材料の表面処理方法を要旨としている。
【0011】また、他の本発明は、非導電性のファイン
セラミックスに、炭化物を作り易い金属又は半金属と、
結合材として、被処理金属と融合し易い金属とを、それ
ぞれ粉末状態で混合し、圧縮成形を行って所望の形状と
したものを放電電極として用い、加工液として放電の発
生により炭素を分解生成する加工液を用い、加工液中に
おいて被処理金属の一方を電極として放電加工を行うこ
とにより、前記の炭化物を作り易い金属又は半金属の一
部を炭化物として反応生成せしめ、被処理金属表面に非
導電性ファインセラミックスと炭化物と、一部炭化物に
ならなかった金属と結合材金属とからなる表面層を形成
することを特徴とする液中放電による金属材料の表面処
理方法を要旨としている。
セラミックスに、炭化物を作り易い金属又は半金属と、
結合材として、被処理金属と融合し易い金属とを、それ
ぞれ粉末状態で混合し、圧縮成形を行って所望の形状と
したものを放電電極として用い、加工液として放電の発
生により炭素を分解生成する加工液を用い、加工液中に
おいて被処理金属の一方を電極として放電加工を行うこ
とにより、前記の炭化物を作り易い金属又は半金属の一
部を炭化物として反応生成せしめ、被処理金属表面に非
導電性ファインセラミックスと炭化物と、一部炭化物に
ならなかった金属と結合材金属とからなる表面層を形成
することを特徴とする液中放電による金属材料の表面処
理方法を要旨としている。
【0012】更に、他の本発明は、上記の方法により表
面層を形成した後、消耗しにくい電極を一方の電極とし
て液中若しくは気中にて放電加工を行い、表面層を再溶
融・凝固させることを特徴としている。
面層を形成した後、消耗しにくい電極を一方の電極とし
て液中若しくは気中にて放電加工を行い、表面層を再溶
融・凝固させることを特徴としている。
【0013】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0014】本発明は、鉄鋼などの鉄材料、アルミニウ
ム、亜鉛、銅など又はそれらの合金の非鉄材料の表面
に、他の金属やファインセラミックスなどを含む放電電
極を用い、液中放電により、被覆材の溶融、拡散を行っ
て強固で緻密な表面処理層を形成することにより、金属
材料の表面コーティングを行う方法である。つまり、放
電エネルギーを利用して表面に形成した被覆層を再溶融
し、母材中に拡散させて、緻密で密着性の高い被覆層を
形成するものである。
ム、亜鉛、銅など又はそれらの合金の非鉄材料の表面
に、他の金属やファインセラミックスなどを含む放電電
極を用い、液中放電により、被覆材の溶融、拡散を行っ
て強固で緻密な表面処理層を形成することにより、金属
材料の表面コーティングを行う方法である。つまり、放
電エネルギーを利用して表面に形成した被覆層を再溶融
し、母材中に拡散させて、緻密で密着性の高い被覆層を
形成するものである。
【0015】これまで、溶射法などによって形成した被
覆層にレーザ光や電子ビームを照射し、表面を溶融・拡
散させることにより、被覆層の緻密性や密着性を向上さ
せることが試みられている。しかし、表面にビームの条
痕が残る問題や、任意の形状の物体への適用が困難であ
るという問題があり、実用化に至らなかった。
覆層にレーザ光や電子ビームを照射し、表面を溶融・拡
散させることにより、被覆層の緻密性や密着性を向上さ
せることが試みられている。しかし、表面にビームの条
痕が残る問題や、任意の形状の物体への適用が困難であ
るという問題があり、実用化に至らなかった。
【0016】本発明者等は、従来の加工技術として利用
されていたパルス放電に着目し、放電のエネルギーによ
り被覆材の再溶融・拡散を促し、緻密で強固な表面コー
ティングを行うことが可能であることを見出したもので
ある。
されていたパルス放電に着目し、放電のエネルギーによ
り被覆材の再溶融・拡散を促し、緻密で強固な表面コー
ティングを行うことが可能であることを見出したもので
ある。
【0017】本発明による表面処理工程は以下の機構に
よるものである。 圧粉体電極による放電コーティング法により、母材の
表面に金属、炭化物、窒化物などの被覆層を形成する。 次いで、液中又は気中放電により被覆層の再溶融・拡
散を行う。 必要に応じて、その後、消耗しにくい電極を一方の電
極として液中放電加工を行い、所期の寸法及び仕上面粗
さに仕上げる。
よるものである。 圧粉体電極による放電コーティング法により、母材の
表面に金属、炭化物、窒化物などの被覆層を形成する。 次いで、液中又は気中放電により被覆層の再溶融・拡
散を行う。 必要に応じて、その後、消耗しにくい電極を一方の電
極として液中放電加工を行い、所期の寸法及び仕上面粗
さに仕上げる。
【0018】最初の工程で表面に被覆層を形成するに
は、まず、電極として、形成する被覆層の材料の粉末を
圧縮成形したものや焼結体を用い、母材との間で放電を
起こさせる。すると、放電のエネルギーにより電極側の
材料が溶融・飛散し、母材表面に堆積する。次に、と
して、で被覆層が形成された母材を一方の電極とし
て、銅などの非消耗性電極を用いて、灯油などの液中若
しくは気中でパルス放電を起こさせる。パルス放電のエ
ネルギーにより、被覆層表面近傍の微小な領域が瞬間的
に高温・高圧になるため、被覆層が再溶融し、母材中に
拡散する。この結果、緻密で密着性の高い表面被覆層が
形成される。気中放電の意味は再溶融の目的ならば、気
中の方が液中よりも冷却されにくいために、有効な場合
があるからである。必要に応じて、その後、工程によ
り、電極を銅などの消耗しにくい材料で再度液中放電を
行い、所期の寸法、厚み、仕上粗さに仕上げる。これは
気中放電よりも衝撃力が強いために、鍛造のような効果
を生じ強固な被覆層を形成することになる。
は、まず、電極として、形成する被覆層の材料の粉末を
圧縮成形したものや焼結体を用い、母材との間で放電を
起こさせる。すると、放電のエネルギーにより電極側の
材料が溶融・飛散し、母材表面に堆積する。次に、と
して、で被覆層が形成された母材を一方の電極とし
て、銅などの非消耗性電極を用いて、灯油などの液中若
しくは気中でパルス放電を起こさせる。パルス放電のエ
ネルギーにより、被覆層表面近傍の微小な領域が瞬間的
に高温・高圧になるため、被覆層が再溶融し、母材中に
拡散する。この結果、緻密で密着性の高い表面被覆層が
形成される。気中放電の意味は再溶融の目的ならば、気
中の方が液中よりも冷却されにくいために、有効な場合
があるからである。必要に応じて、その後、工程によ
り、電極を銅などの消耗しにくい材料で再度液中放電を
行い、所期の寸法、厚み、仕上粗さに仕上げる。これは
気中放電よりも衝撃力が強いために、鍛造のような効果
を生じ強固な被覆層を形成することになる。
【0019】但し、従来の放電被覆法では、WCにCo
を単に混合したように、炭化物に結合材を加えたのみで
あるから、加工油の分解炭素を炭化物として吸収結合す
るには不充分であったことに鑑みて、本発明では、放電
電極として用いる圧粉成形体に、その他の成分として炭
化物を作り易い金属を適当量加えて混合して圧粉体とす
るものである。これにより、添加金属は、放電時に加工
油の分解によって生ずる炭素と化合し、炭化物となるた
め、塊としての炭素の介在は殆ど発生しなくなる。更に
工程を加えると、炭素が更に存在しない被覆層とする
ことができる。
を単に混合したように、炭化物に結合材を加えたのみで
あるから、加工油の分解炭素を炭化物として吸収結合す
るには不充分であったことに鑑みて、本発明では、放電
電極として用いる圧粉成形体に、その他の成分として炭
化物を作り易い金属を適当量加えて混合して圧粉体とす
るものである。これにより、添加金属は、放電時に加工
油の分解によって生ずる炭素と化合し、炭化物となるた
め、塊としての炭素の介在は殆ど発生しなくなる。更に
工程を加えると、炭素が更に存在しない被覆層とする
ことができる。
【0020】以下に本発明における製造条件の限定理由
を説明する。
を説明する。
【0021】放電電極:放電電極としては、導電性又は
非導電性のファインセラミックスに、炭化物を作り易い
金属又は半金属(非金属)と、結合剤として、被処理金属
又は前記ファインセラミックスを融合し易い金属とを、
それぞれ粉末状態で混合し、圧縮成形を行って所望の形
状としたものを用いる。
非導電性のファインセラミックスに、炭化物を作り易い
金属又は半金属(非金属)と、結合剤として、被処理金属
又は前記ファインセラミックスを融合し易い金属とを、
それぞれ粉末状態で混合し、圧縮成形を行って所望の形
状としたものを用いる。
【0022】導電性ファインセラミックスとしては、例
えば、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、TiB2、Ti
Nの1種又は2種以上が挙げられる。また、非導電性フ
ァインセラミックスとしては、例えば、Al2O3、Si3
N4、ZrO2の1種又は2種以上が挙げられる。
えば、WC、TiC、TaC、ZrC、VC、TiB2、Ti
Nの1種又は2種以上が挙げられる。また、非導電性フ
ァインセラミックスとしては、例えば、Al2O3、Si3
N4、ZrO2の1種又は2種以上が挙げられる。
【0023】炭化物を作り易い金属としては、例えば、
Ti、Nb、W、V、Zr、Ta、Cr、Mo、Mnの1種又
は2種以上が挙げられる。また、炭化物を作り易い半金
属(非金属)としてはBが挙げられる。特にNbは被覆表
面層の靭性を向上させるために有効な成分であり、1〜
10%添加するのが推奨される。他の成分も概ね、この
添加量を目安として添加される。
Ti、Nb、W、V、Zr、Ta、Cr、Mo、Mnの1種又
は2種以上が挙げられる。また、炭化物を作り易い半金
属(非金属)としてはBが挙げられる。特にNbは被覆表
面層の靭性を向上させるために有効な成分であり、1〜
10%添加するのが推奨される。他の成分も概ね、この
添加量を目安として添加される。
【0024】結合剤としては、被処理金属又は前記ファ
インセラミックスを融合し易い金属であればよく、被処
理金属の材質によって適当なものを選定する。例えば、
被処理金属が鉄鋼の場合はFe、Co又はNiから、アル
ミニウム材の場合はAl、Zn又はCuから、亜鉛材の場
合はCu、Al又はSnから選定する。
インセラミックスを融合し易い金属であればよく、被処
理金属の材質によって適当なものを選定する。例えば、
被処理金属が鉄鋼の場合はFe、Co又はNiから、アル
ミニウム材の場合はAl、Zn又はCuから、亜鉛材の場
合はCu、Al又はSnから選定する。
【0025】放電加工液:放電加工に使用する加工液と
しては、放電の発生により炭素を分解する液を用いる。
例えば、石油、油脂等である。油は炭化水素(CnHm)で
あるから、熱分解すればC、Hと中間帯のCn_x、Hm_y
を生ずる。炭化し易い金属が放電によって高温状態で加
工間隙を通して被処理金属表面に射突する極短時間にお
いて、分解した炭素と化学反応を起こす。高温度のため
著しく活性化されているので、この金属の数10%が炭
化物となる。
しては、放電の発生により炭素を分解する液を用いる。
例えば、石油、油脂等である。油は炭化水素(CnHm)で
あるから、熱分解すればC、Hと中間帯のCn_x、Hm_y
を生ずる。炭化し易い金属が放電によって高温状態で加
工間隙を通して被処理金属表面に射突する極短時間にお
いて、分解した炭素と化学反応を起こす。高温度のため
著しく活性化されているので、この金属の数10%が炭
化物となる。
【0026】M1+M2+M3→M1+M2C+M2+M3 ここで、M1:ファインセラミックス M2:炭化物を作り易い金属又は半金属 M3:結合材金属 M2C:炭化物を作り易い金属又は半金属の炭化物
【0027】他の放電加工条件:液中放電の他の条件
は、先に提案した放電被覆法と同様でよく、パルス放電
加工が望ましい。例えば、放電は、1秒間に数百回から
数万回程度で発生させると、加工面は小さい微視的な放
電痕の累積した表面であり、放電痕電流密度は微小な面
積であるが、数万A/cm2と高く、高温高圧を数10μs
〜1000μs程度の短時間で生じる。放電点の表面温
度は、その材料の沸点温度となり、その点の圧力は数1
000kgf/cm2となり、溶解した一部分は飛散するもの
があるが、残った部分は再溶融し、母材に拡散する。放
電時間が短時間のため、放電点が直ちに冷却され、母材
の平均温度は上昇することはない。
は、先に提案した放電被覆法と同様でよく、パルス放電
加工が望ましい。例えば、放電は、1秒間に数百回から
数万回程度で発生させると、加工面は小さい微視的な放
電痕の累積した表面であり、放電痕電流密度は微小な面
積であるが、数万A/cm2と高く、高温高圧を数10μs
〜1000μs程度の短時間で生じる。放電点の表面温
度は、その材料の沸点温度となり、その点の圧力は数1
000kgf/cm2となり、溶解した一部分は飛散するもの
があるが、残った部分は再溶融し、母材に拡散する。放
電時間が短時間のため、放電点が直ちに冷却され、母材
の平均温度は上昇することはない。
【0028】パルス放電加工の好ましい条件は、電源電
圧:60〜100V、パルス放電電流値(Ip):1〜1
00A、パルス幅(τp):5〜2000μs、休止時間
(τr):5〜2000μsである。一般的に、パルス放電
電流値Ipが小さい時、例えば、Ip=3Aなどではτp
=16μs、Ipが大きい時、Ip=50Aなどではτp=
2000τsのように、Ipの小さい時はτpも短かく、
Ipの大きい時はτpを長くとる。
圧:60〜100V、パルス放電電流値(Ip):1〜1
00A、パルス幅(τp):5〜2000μs、休止時間
(τr):5〜2000μsである。一般的に、パルス放電
電流値Ipが小さい時、例えば、Ip=3Aなどではτp
=16μs、Ipが大きい時、Ip=50Aなどではτp=
2000τsのように、Ipの小さい時はτpも短かく、
Ipの大きい時はτpを長くとる。
【0029】なお、工程にて消耗しにくい電極を一方
の電極として液中放電加工を行う場合は、電極として銅
などの消耗しにくい材質のものを用いるだけで、他の放
電加工条件は前記の液中放電条件と殆ど同じでよい。
しかし、の工程は、基本的に被覆層厚み及び仕上面粗
さを所期の値に加工するのが目的なので、加工は必ず液
中で加工することになる。また電気条件も所期の仕上面
粗さにより定まるものもあることに関し留意する。
の電極として液中放電加工を行う場合は、電極として銅
などの消耗しにくい材質のものを用いるだけで、他の放
電加工条件は前記の液中放電条件と殆ど同じでよい。
しかし、の工程は、基本的に被覆層厚み及び仕上面粗
さを所期の値に加工するのが目的なので、加工は必ず液
中で加工することになる。また電気条件も所期の仕上面
粗さにより定まるものもあることに関し留意する。
【0030】本発明の実施に用いられる装置の一例を図
2に示す。放電の発生により炭素を分解生成する加工液
を収容した加工槽の中に、所定の形状にされた表面を持
った被処理金属(母材)を置き、一方、粉末を圧縮成形し
た放電電極を数10〜100μm程度の微小間隙で母材
上方に保持する。母材及び放電電極はそれぞれ移動機構
によって上下左右に移動可能となっている。放電電極を
マイナス極として放電加工が行われる。この放電電極を
消耗しにくい電極に交換するために電極交換機構が設け
られている。
2に示す。放電の発生により炭素を分解生成する加工液
を収容した加工槽の中に、所定の形状にされた表面を持
った被処理金属(母材)を置き、一方、粉末を圧縮成形し
た放電電極を数10〜100μm程度の微小間隙で母材
上方に保持する。母材及び放電電極はそれぞれ移動機構
によって上下左右に移動可能となっている。放電電極を
マイナス極として放電加工が行われる。この放電電極を
消耗しにくい電極に交換するために電極交換機構が設け
られている。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。
【0032】
【試験例1】WC粉(平均粒径3μm)と純鉄からなるFe
粉(平均粒径9.8μm)を1:1の重量比に混合し、圧縮
圧力4ton/cm2で圧縮したものを粉体電極とし、一方、
被処理金属を炭素鋼として、放電加工油(灯油)の中で放
電処理(1次加工)を行った。この時の放電条件は、放電
電流Ip=20A、放電電流パルス幅τp=16μsと
し、粉体電極をマイナス極とした。
粉(平均粒径9.8μm)を1:1の重量比に混合し、圧縮
圧力4ton/cm2で圧縮したものを粉体電極とし、一方、
被処理金属を炭素鋼として、放電加工油(灯油)の中で放
電処理(1次加工)を行った。この時の放電条件は、放電
電流Ip=20A、放電電流パルス幅τp=16μsと
し、粉体電極をマイナス極とした。
【0033】この1次加工の後、粉体電極を非消耗性電
極(銅)に換えて、同じ放電加工液中で放電処理(2次処
理)を行った。この時の放電条件は、放電電流Ip=10
A、τp=1024μsとした。
極(銅)に換えて、同じ放電加工液中で放電処理(2次処
理)を行った。この時の放電条件は、放電電流Ip=10
A、τp=1024μsとした。
【0034】図3に、1次加工及び2次加工を行った被
覆層のEPMAによる面分析結果の断面を示す。(1)
は2次電子像で、(2)はW、(3)はC、(4)はF
eの面分析結果であり、(1)の2次電子像の中に小孔
が見られ、これは(3)のCの面分析結果からカーボン
の塊であることが判る。上記の1次加工条件に示すよう
に、純鉄のFe粉を混入しているにも拘らずカーボンの
塊が存在している。鉄鋼は含有炭素が多くなると黒鉛を
析出して黒鉛鋳鉄となるように、炭化物を作りにくい性
質がある。勿論、一部はセメンタイトとなるが、それで
もなお、炭素を塊として残している。
覆層のEPMAによる面分析結果の断面を示す。(1)
は2次電子像で、(2)はW、(3)はC、(4)はF
eの面分析結果であり、(1)の2次電子像の中に小孔
が見られ、これは(3)のCの面分析結果からカーボン
の塊であることが判る。上記の1次加工条件に示すよう
に、純鉄のFe粉を混入しているにも拘らずカーボンの
塊が存在している。鉄鋼は含有炭素が多くなると黒鉛を
析出して黒鉛鋳鉄となるように、炭化物を作りにくい性
質がある。勿論、一部はセメンタイトとなるが、それで
もなお、炭素を塊として残している。
【0035】炭素塊が残留する理由は以下のように考え
られる。純鉄のFe粉と同様、Coも炭化物を作りにく
い。したがって、WC+Coの混合物の圧粉体において
も同様である。一般的に炭化物を作り易い傾向を示すと
次のようになり、左側の元素ほど炭化物を作り易い。特
にFeよりも右側に有るNi、Co、Siは固有の炭化物を
形成せず、むしろ黒鉛化を促進する。 Nb>Ti>V>W>Mo>Cr>Mn>Fe>Ni>Co>S
i
られる。純鉄のFe粉と同様、Coも炭化物を作りにく
い。したがって、WC+Coの混合物の圧粉体において
も同様である。一般的に炭化物を作り易い傾向を示すと
次のようになり、左側の元素ほど炭化物を作り易い。特
にFeよりも右側に有るNi、Co、Siは固有の炭化物を
形成せず、むしろ黒鉛化を促進する。 Nb>Ti>V>W>Mo>Cr>Mn>Fe>Ni>Co>S
i
【0036】炭化物を作り易い元素を周期表で示すと、
以下のとおり。 IVB族:Ti、Zr、Hf VB族:V、Nb、Ta、 VIB族:Cr、Mo、W VIIB族:Mn、Tc、Re 実用的には、このうちHf、Tc、Reを除いたものが入
手し易い材料である。
以下のとおり。 IVB族:Ti、Zr、Hf VB族:V、Nb、Ta、 VIB族:Cr、Mo、W VIIB族:Mn、Tc、Re 実用的には、このうちHf、Tc、Reを除いたものが入
手し易い材料である。
【0037】
【試験例2】そこで、試験例1の結果に基づいて、炭化
物を作り易い元素を粉体電極の構成成分要素として加
え、この粉体電極を用いて液中放電を行った。すなわ
ち、炭化物を作り易い元素としてTiを選び、Tiが炭化
したかどうかを明確に示すため、炭化することの可能性
のないAlも併用し、TiとAlからなる圧粉体電極を作
り、被処理金属(母材)もAl材(アルミダイカスト材AD
C12)とした。その際、鉱物油分解による炭素の化合
体がTiの炭化物以外には存在しないようにし、分析が
明確になるように配慮した実験を行った。また、TiC
の表面における存在割合を定量的に分析できるようにし
た。この時のTiとAlの混合比、放電加工条件等は次の
とおりである。
物を作り易い元素を粉体電極の構成成分要素として加
え、この粉体電極を用いて液中放電を行った。すなわ
ち、炭化物を作り易い元素としてTiを選び、Tiが炭化
したかどうかを明確に示すため、炭化することの可能性
のないAlも併用し、TiとAlからなる圧粉体電極を作
り、被処理金属(母材)もAl材(アルミダイカスト材AD
C12)とした。その際、鉱物油分解による炭素の化合
体がTiの炭化物以外には存在しないようにし、分析が
明確になるように配慮した実験を行った。また、TiC
の表面における存在割合を定量的に分析できるようにし
た。この時のTiとAlの混合比、放電加工条件等は次の
とおりである。
【0038】電極材料: Ti:Al=36:64(重量%) 但し、Tiの純度を99.5%、Alの純度を99.7%と
し、Ti及びAlとも粉末粒度44μm以下で、成形圧力
は441MPaとした。 加工油:放電加工用灯油 放電加工条件:放電電流Ip=20A、 放電電流パルス幅τp=512μs 有効パルス幅Rp(デューティファクター)=33% ここで、休止時間をτrとすると、 Rp=D={τp/(τp+τr)}×100(%)
し、Ti及びAlとも粉末粒度44μm以下で、成形圧力
は441MPaとした。 加工油:放電加工用灯油 放電加工条件:放電電流Ip=20A、 放電電流パルス幅τp=512μs 有効パルス幅Rp(デューティファクター)=33% ここで、休止時間をτrとすると、 Rp=D={τp/(τp+τr)}×100(%)
【0039】図4は得られた母材表面被覆層のX線回折
図形であり、母材のAl材の表面に生成されたものはTi
CとTiAl3であることがわかる。
図形であり、母材のAl材の表面に生成されたものはTi
CとTiAl3であることがわかる。
【0040】更に、放電加工条件のうち、放電電流パル
ス幅τpを変えて被覆層の厚み及びTiCの体積比を調べ
た結果を図5に示す。また、加工時間twを変えて被覆
層の厚み及びTiCの体積比を調べた結果を図6に示
す。これらの試験結果より、被覆層中のTiCの体積割
合は50%以上で、70%程度にも達していることがわ
かる。
ス幅τpを変えて被覆層の厚み及びTiCの体積比を調べ
た結果を図5に示す。また、加工時間twを変えて被覆
層の厚み及びTiCの体積比を調べた結果を図6に示
す。これらの試験結果より、被覆層中のTiCの体積割
合は50%以上で、70%程度にも達していることがわ
かる。
【0041】このように、大部分のTiがTiCになって
いることは、被覆層組織中の炭素が充分炭化物となり、
遊離の炭素を生じさせない強力な作用を有していること
を示している。かくして生じた炭化物は、硬度も充分に
高く、マイクロビッカース硬度が500〜1000以上
を示す。既に実用化されているバイト材料においても、
WCとCoの他にTiCを加えると高温耐摩耗性の優れた
特性を示すと同様に、この被覆層も優れた特性を有して
いる。
いることは、被覆層組織中の炭素が充分炭化物となり、
遊離の炭素を生じさせない強力な作用を有していること
を示している。かくして生じた炭化物は、硬度も充分に
高く、マイクロビッカース硬度が500〜1000以上
を示す。既に実用化されているバイト材料においても、
WCとCoの他にTiCを加えると高温耐摩耗性の優れた
特性を示すと同様に、この被覆層も優れた特性を有して
いる。
【0042】
【試験例3】WCとCoとTiの各粉末をそれぞれWC:
Co:Ti=60:20:20(重量%)の割合で混合した
圧粉体電極を作り、これを放電電極とし、加工油(灯油)
中にて放電加工(1次加工)を行った。被処理金属には炭
素鋼(S55C)を用いた。この時の放電加工条件は、放
電電流Ip=20A、放電電流パルス幅τp=16μsと
し、粉体電極をマイナス極とした。
Co:Ti=60:20:20(重量%)の割合で混合した
圧粉体電極を作り、これを放電電極とし、加工油(灯油)
中にて放電加工(1次加工)を行った。被処理金属には炭
素鋼(S55C)を用いた。この時の放電加工条件は、放
電電流Ip=20A、放電電流パルス幅τp=16μsと
し、粉体電極をマイナス極とした。
【0043】この1次加工の後、粉体電極を非消耗性電
極(銅)に換えて、同じ放電加工液中で放電処理(2次処
理)を行った。この時の放電条件は、放電電流Ip=10
A、τp=1024μsとした。
極(銅)に換えて、同じ放電加工液中で放電処理(2次処
理)を行った。この時の放電条件は、放電電流Ip=10
A、τp=1024μsとした。
【0044】1次及び2次加工で得られた母材表面被覆
層のX線回折結果により、試験例2と同様、TiCが生
成されていた。また、断面のSEM像(電子顕微鏡写真)
では空洞が見られず、残留炭素が存在していないことが
確認された。この被覆層は、Tiを添加せずにWC:Co
=80:20の割合で形成した被覆層よりも、切削工具
としての耐摩耗性が10倍程度も高い結果が得られた。
この時の切削試験条件は、相手材として炭素鋼(S55
C)の丸棒を用い、切り込み0.5mm、送り0.1mm/mi
n、切削速度100m/minとした。
層のX線回折結果により、試験例2と同様、TiCが生
成されていた。また、断面のSEM像(電子顕微鏡写真)
では空洞が見られず、残留炭素が存在していないことが
確認された。この被覆層は、Tiを添加せずにWC:Co
=80:20の割合で形成した被覆層よりも、切削工具
としての耐摩耗性が10倍程度も高い結果が得られた。
この時の切削試験条件は、相手材として炭素鋼(S55
C)の丸棒を用い、切り込み0.5mm、送り0.1mm/mi
n、切削速度100m/minとした。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
放電によって生じる分解炭素が被覆層中に塊として残留
するのを減少させることができるので、より高品位の被
覆層を金属材料表面に形成することができる。金型、ガ
スタービンなどの耐摩耗性、耐熱性等を向上させるのに
適している。
放電によって生じる分解炭素が被覆層中に塊として残留
するのを減少させることができるので、より高品位の被
覆層を金属材料表面に形成することができる。金型、ガ
スタービンなどの耐摩耗性、耐熱性等を向上させるのに
適している。
【図1】放電被覆法と他の被覆法の膜厚及び密着力を比
較して示す図である。
較して示す図である。
【図2】本発明の実施に用いる装置の一例を説明する図
である。
である。
【図3】試験例1で得られた被覆層のEPMAによる面
分析結果の断面(粒子構造)を示す写真で、(1)は2次
電子像で、(2)はW、(3)はC、(4)はFeの面
分析結果である。
分析結果の断面(粒子構造)を示す写真で、(1)は2次
電子像で、(2)はW、(3)はC、(4)はFeの面
分析結果である。
【図4】試験例2で得られたアルミダイカスト材表面の
X線回折図形である。
X線回折図形である。
【図5】試験例2でパルス幅の変化と被覆層の平均厚み
及びTiCの体積比の関係を示す図である。
及びTiCの体積比の関係を示す図である。
【図6】試験例2で加工時間の変化と被覆層の平均厚み
及びTiCの体積比の関係を示す図である。
及びTiCの体積比の関係を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 導電性のファインセラミックスに、炭化
物を作り易い金属又は半金属(非金属)と、結合剤とし
て、被処理金属又は前記ファインセラミックスを融合し
易い金属とを、それぞれ粉末状態で混合し、圧縮成形を
行って所望の形状としたものを放電電極として用い、加
工液として放電の発生により炭素を分解生成する加工液
を用いて、加工液中において被処理金属を一方の電極と
して放電加工を行うことにより、前記の炭化物を作り易
い金属又は半金属の一部を炭化物として反応生成せし
め、被処理金属表面に導電性ファインセラミックスと炭
化物と、一部炭化物にならなかった金属と結合金属とか
らなる表面層を形成することを特徴とする液中放電によ
る金属材料の表面処理方法。 - 【請求項2】 導電性ファインセラミックスが、WC、
TiC、TaC、ZrC、VC、TiB2、TiN、Ti2Nの
1種又は2種以上からなる請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 非導電性のファインセラミックスに、炭
化物を作り易い金属又は半金属と、結合材として、被処
理金属と融合し易い金属とを、それぞれ粉末状態で混合
し、圧縮成形を行って所望の形状としたものを放電電極
として用い、加工液として放電の発生により炭素を分解
生成する加工液を用い、加工液中において被処理金属の
一方を電極として放電加工を行うことにより、前記の炭
化物を作り易い金属又は半金属の一部を炭化物として反
応生成せしめ、被処理金属表面に非導電性ファインセラ
ミックスと炭化物と、一部炭化物にならなかった金属と
結合材金属とからなる表面層を形成することを特徴とす
る液中放電による金属材料の表面処理方法。 - 【請求項4】 非導電性ファインセラミックスが、Al2
O3、Si3N4、ZrO2の1種又は2種以上からなる請求
項3に記載の方法。 - 【請求項5】 炭化物を作り易い金属が、Ti、Nb、
W、V、Zr、Ta、Cr、Mo、Mnの1種又は2種以上
からなり、半金属(非金属)がBからなる請求項1又は3
に記載の方法。 - 【請求項6】 被処理金属又は前記ファインセラミック
スを融合し易い金属が、被処理金属が鉄鋼の場合はF
e、Co又はNiからなり、アルミニウム材の場合はAl、
Zn又はCuからなり、亜鉛材の場合はCu、Al又はSn
からなる請求項1又は3に記載の方法。 - 【請求項7】 炭化物を作り易い金属としてNbを1〜
10%添加する請求項1又は3に記載の方法。 - 【請求項8】 請求項1又は3に記載の方法により表面
層を形成した後、消耗しにくい電極を一方の電極として
液中若しくは気中にて放電加工を行い、表面層を再溶融
・凝固させることを特徴とする放電による金属材料の表
面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35422793A JP3271844B2 (ja) | 1993-12-31 | 1993-12-31 | 液中放電による金属材料の表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35422793A JP3271844B2 (ja) | 1993-12-31 | 1993-12-31 | 液中放電による金属材料の表面処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07197275A JPH07197275A (ja) | 1995-08-01 |
JP3271844B2 true JP3271844B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=18436137
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JP35422793A Expired - Fee Related JP3271844B2 (ja) | 1993-12-31 | 1993-12-31 | 液中放電による金属材料の表面処理方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3271844B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7537808B2 (en) | 2002-07-30 | 2009-05-26 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electrode for electric discharge surface treatment, electric discharge surface treatment method and electric discharge surface treatment apparatus |
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KR100398764B1 (ko) * | 1998-03-11 | 2003-09-19 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 방전 표면 처리용 압분체 전극 및 방전 표면 처리용압분체 전극의 제조 방법 |
CN1196811C (zh) | 1998-05-08 | 2005-04-13 | 三菱电机株式会社 | 放电表面处理装置 |
CH695188A5 (de) * | 1998-05-13 | 2006-01-13 | Mitsubishi Electric Corp | Elektrode fur Funkenerosionsoberflochenbehanlung, Verfahren zur Herstellung derselben, Verfahren zur Funkenerosionsoberflochenbehandlung und Vorrichtung hierfur. |
DE19882576B4 (de) | 1998-05-13 | 2007-09-27 | Mitsubishi Denki K.K. | Grünling-Elektrode zur Funkenentladungsbehandlung, zugehöriges Herstellungsverfahren, und Verfahren zum Recyceln einer Grünling-Elektrode |
CN1271302A (zh) * | 1998-09-18 | 2000-10-25 | 三菱电机株式会社 | 轧辊、轧辊的表面处理方法及轧辊用表面处理装置 |
DE19983980B3 (de) * | 1999-09-30 | 2013-09-05 | Mitsubishi Denki K.K. | Verfahren zur Herstellung einer Entladungs-Oberflächenbehandlungs-Elektrode, hiernach erhaltene Entladungs-Oberflächenbehandlungs-Elektrode und deren Verwendung |
WO2001023641A1 (fr) * | 1999-09-30 | 2001-04-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electrode de traitement de surface par decharge electrique, son procede de production et procede de traitement de surface par decharge electrique |
US9284647B2 (en) | 2002-09-24 | 2016-03-15 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method for coating sliding surface of high-temperature member, high-temperature member and electrode for electro-discharge surface treatment |
KR101063575B1 (ko) | 2002-09-24 | 2011-09-07 | 미츠비시덴키 가부시키가이샤 | 고온부재의 슬라이딩면 코팅 방법 및 고온부재와 방전표면 처리용 전극 |
TWI272993B (en) | 2002-10-09 | 2007-02-11 | Ishikawajima Harima Heavy Ind | Method for coating rotary member, rotary member, labyrinth seal structure and method for manufacturing rotary member |
JP4554516B2 (ja) * | 2003-05-29 | 2010-09-29 | 三菱電機株式会社 | 放電表面処理用電極および放電表面処理方法並びに放電表面処理装置 |
EP1630255B1 (en) | 2003-06-04 | 2013-07-03 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electrode for discharge surface treatment, and method for manufacturing and storing the same |
JP4519772B2 (ja) | 2003-06-10 | 2010-08-04 | 三菱電機株式会社 | 放電表面処理用電極とその評価方法、および放電表面処理方法 |
TWI286955B (en) * | 2003-06-11 | 2007-09-21 | Ishikawajima Harima Heavy Ind | Method for repairing machine part, method for forming restored machine part, method for manufacturing machine part, gas turbine engine, electric discharge machine, method for repairing turbine component, and method for forming restored turbine component |
EP1659196B1 (en) * | 2003-06-11 | 2011-08-10 | IHI Corporation | Metal product producing method, metal product, metal component connecting method, and connection structure |
CA2525597A1 (en) * | 2003-06-11 | 2004-12-23 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Device for electrical discharge coating and method for electrical discharge coating |
WO2004111305A1 (ja) | 2003-06-11 | 2004-12-23 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | 放電表面処理方法 |
JP2005201079A (ja) * | 2004-01-13 | 2005-07-28 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | タービン翼及びその製造方法 |
JP4895477B2 (ja) * | 2004-01-29 | 2012-03-14 | 三菱電機株式会社 | 放電表面処理方法および放電表面処理装置。 |
JP4504691B2 (ja) * | 2004-01-29 | 2010-07-14 | 三菱電機株式会社 | タービン部品およびガスタービン |
JP4608220B2 (ja) * | 2004-01-29 | 2011-01-12 | 三菱電機株式会社 | 放電表面処理用電極および放電表面処理方法 |
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WO2008081520A1 (ja) | 2006-12-27 | 2008-07-10 | Mitsubishi Electric Corporation | 放電表面処理用電極およびその製造方法 |
WO2009099239A1 (ja) | 2008-02-05 | 2009-08-13 | Suzuki Motor Corporation | 放電被覆方法およびそれに用いる圧粉体電極 |
JP2009226439A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Ihi Corp | 鍛造用金型ユニット及び鍛造成形方法 |
-
1993
- 1993-12-31 JP JP35422793A patent/JP3271844B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8377339B2 (en) | 2002-07-30 | 2013-02-19 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Electrode for electric discharge surface treatment, method of electric discharge surface treatment, and apparatus for electric discharge surface treatment |
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