JP3270154B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP3270154B2 JP3270154B2 JP32664792A JP32664792A JP3270154B2 JP 3270154 B2 JP3270154 B2 JP 3270154B2 JP 32664792 A JP32664792 A JP 32664792A JP 32664792 A JP32664792 A JP 32664792A JP 3270154 B2 JP3270154 B2 JP 3270154B2
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Description
面硬度および耐薬品性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
系樹脂は、電気、電子機器部品、OA機器等に幅広く使
用されており耐衝撃性、成形性など種々の特性が要求さ
れている。また、電気冷蔵庫の内箱やスーツケース外装
用には、シート成形したABS樹脂を真空成形して使用
されているが、これら成形品は、衝撃が加えられた場
合、変形に止まらずクラックや破断に到る場合があり、
より高衝撃性および伸びが要求されている。さらに成形
品は、表面の耐傷付性、耐薬品性が要求されている。
るには、ゴム成分の添加量を増加したり、マトリックス
成分であるAS樹脂の分子量を増加する手法が一般にと
られている。しかし、これらの方法では、高衝撃性およ
び伸びは改良されても、成形性、剛性および成形品の表
面硬度の低下が起こり好ましくない。
本発明の目的は、スチレン系樹脂の特性を損ねることな
く、樹脂組成の改良により優れたシート成形性、衝撃
性、耐薬品性および表面硬度の熱可塑性樹脂組成物を提
供することである。
鋭意研究した結果、特定の組成比および重量平均分子量
を有するビニル系グラフト共重合体と特定の組成比およ
び相対粘度を有するビニル系共重合体より得られる樹脂
組成物により上記目的の熱可塑性樹脂組成物が得られる
ことを見出した。
ム重合体10重量部以上60重量部未満の存在下で、芳
香族ビニル単量体50〜70重量%、シアン化ビニル単
量体30〜50重量%および必要に応じてこれらと共重
合可能なビニル単量体0〜20重量%よりなる単量体混
合物40重量部を越え90重量部以下をグラフト重合し
て得られ、かつジエン系ゴム重合体にグラフトされた芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に
応じてこれらと共重合可能なビニル単量体からなる単量
体混合物の共重合体成分および未グラフトで存在するこ
れら単量体混合物の共重合体成分からなる全共重合体成
分の重量平均分子量が120,000より大きく20
0,000以下の範囲であるグラフト共重合体20〜8
0重量%と、(B成分)芳香族ビニル単量体50〜70
重量%、シアン化ビニル単量体30〜50重量%および
必要に応じてこれらと共重合可能なビニル単量体0〜2
0重量%を共重合してなる相対粘度ηrelが1.45
≦ηrel≦1.65の範囲である共重合体20〜80
重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物で
ある。
ン単量体の単独重合体あるいは共重合体、あるいは共役
ジエン単量体と他の共重合可能な単量体の共重合体であ
る。
ジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン、クロロプレ
ンなどである。
α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどでの芳香族ビ
ニル単量体、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル単
量体、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートなど
の(メタ)アクリル酸エステル単量体などである。
は、架橋用単量体として多官能性ビニル単量体を共重合
した共重合体も用いることができる。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、シアヌル酸トリアリル、アリルアクリレート、ビニ
ルアクリレートなどがある。
は、公知のグラフト重合の手法が可能であり、前記ゴム
重合体ラテックスの存在下に、シアン化ビニル単量体お
よび芳香族ビニル単量体、またはこれらの単量体にさら
に必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な単量体を
加えてこれらを共重合することにより得られる。
ン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレ
ン、クロルスチレン等を挙げることが出来る。
て用いることが出来る。
単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミ
ド、メタクリル酸アミド等が挙げられる。
乳化重合に用いられる乳化剤としては、ステアリン酸ナ
トリウム、オレイン酸カリウムのような脂肪酸石鹸、不
均化ロジン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムのような有機スルホン酸等が挙げられる。
は、一括添加、一部分割添加および全グラフト重合用単
量体の連続分割添加等の方法がある。
連続分割添加が好ましい。重合温度は40〜90℃の範囲が
好ましい。
始剤および硫酸第一鉄のような金属塩、ピロリン酸もし
くはエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムのようなキレ
ート剤を併用するレドックス系が好ましい。
部に対して0.05〜 1.0重量部でよい。
は、10〜80重量部であり、10重量部未満では、衝撃強度
が低く、80重量部を超えると成形性および剛性が低下し
好ましくない。
重量%であり、50重量%未満では、芳香族ビニル化合物
の特徴である成形性および寸法安定性が損なわれる。
50重量%であり、30重量%未満では、耐薬品性および表
面硬度が不十分で、50重量%を超えると成形性が低下す
る。
ジエン系ゴム重合体にグラフトされた単量体混合物の共
重合体成分および未グラフトで存在するこれら単量体混
合物の共重合体成分の重量平均分子量が、120,000 〜20
0,000 の範囲であり、120,000 未満では、衝撃強度、伸
びが不十分であり、200,000 を越えると成形性が著しく
低下し好ましくない。
ば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、
ジメチルスチレン、クロルスチレン、ビニルナフタレン
等を挙げることが出来る。
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ
る。
としては、アクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカ
ルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミ
ド等が挙げられる。
ル単量体は、50〜70重量%であり、50重量%未満では、
芳香族ビニル化合物の特徴である成形性および寸法安定
性が損なわれる。
ニル単量体は、30〜50重量%であり、30重量%未満で
は、耐薬品性、表面硬度が不十分であり、50重量%超え
ると成形性が低下し好ましくない。
rel ≦ 1.65 の範囲であり、ηrel が1.45 未満では、
強度が低下し、 1.65 を越えると成形性が低下し好まし
くない。
品を得るには、前記A成分とB成分を所望の割合で混合
を行うことが必要であるが、混合は公知の方法を適用
し、乳化状態、粒子状態または溶融状態の両成分を配合
し、溶融混練することにより容易に熱可塑性樹脂組成物
を得ることが出来る。
分)ビニル系グラフト共重合体と(B成分)ビニル系共
重合体との混合を行うことが必要であるが、混合は公知
の方法を適用し、乳化状態、粒子状態または溶融状態の
両成分を配合し、溶融混練することにより容易に組成物
を得ることが出来る。
サーなどの混合機で混合したドライブレンド物を押出機
で溶融、混練押出して得ることが出来る。
要に応じて安定剤、可塑剤、滑剤および着色剤などを添
加することが出来る。
説明するが、本発明の範囲は、その主旨を越えない限り
これらの実施例によって限定されるものではない。な
お、以下「%」および「部」は、特記しない限り重量基
準である。
%、重量平均粒子径 0.35 μm) 333部を仕込み、つい
で純水 234部、硫酸第一鉄 0.005部、エチレンジアミン
4酢酸2ナトリウム0.01部およびナトリウムアルデヒド
スルホキシレート 0.3部を加え、窒素雰囲気下にて攪拌
した内容物を50℃に保ち、アクリロニトリル33部、スチ
レン67部、α−メチルスチレンダイマー 0.5部および過
酸化ベンゾイル 0.2部からなる単量体混合物を5時間か
けて上記ラテックス中に連続添加した。単量体混合物の
添加終了後、過酸化ベンゾイル 0.1部を添加し、さらに
70℃にて2時間攪拌して重合を完了した。
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イル
ガノックス1076) 1.0部を添加後、塩化カルシウム
8部を含む水溶液を注加し95℃にて3分間攪拌すること
により乳化破壊してスラリーを得た。このスラリーを脱
水、水洗、乾燥してグラフト共重合体(A成分)を得
た。
は、140,000 であった。ここでいう重量平均分子量と
は、ジエン系ゴム重合体にグラフトされた芳香族ビニル
単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じてこれ
らと共重合可能なビニル単量体からなる単量体混合物の
共重合体成分および未グラフトで存在するこれら単量体
混合物の共重合体成分の重量平均分子量であり、具体的
には、グラフト共重合体をテトラヒドロフラン(以下T
HFという)中に投入して一晩放置したものを、30分
間超音波洗浄器にかけて、グラフトされていない共重合
体を完全に溶離させた後、遠心分離機を用いて12,000rp
m で1時間遠心分離して、可溶分を得、これを蒸発乾燥
して、THFに溶解しTHF溶液(a)を調整した。一
方THF不溶分については、クロロホルム中に分散さ
せ、オゾン分解によりゴムを分解し、グラフト鎖を回収
し、蒸発乾固し、これをTHFに溶解した溶液(b)を
得た。それから溶液(a)と溶液(b)を混合した溶液
(c)をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)で測定したスチレン換算の分子量である。また、ア
クリロニトリルとスチレンの比は、熱分解ガスクロマト
グラフィ(PGC)を用いて測定し、32/68であった。
0.5部にかえてターピノーレン 0.5部を使用した以外
は、同様にしてグラフト共重合体(A−2)を作製し
た。このグラフト共重合体中のアクリロニトリルとスチ
レンの比は、31/69であり、重量平均分子量は、180,00
0 であった。
溶液 2.5部、第三リン酸カルシウム0.07部、スチレン24
部、アクリロニトリル35部、t −ドデシルメルカプタン
0.6部および過酸化ベンゾイル 0.1部を加え窒素雰囲気
下にて攪拌した内容物を 100℃に保ち、その後スチレン
41部を 100℃で2時間、 103℃で2時間、 107℃で3時
間の計7時間かけて連続添加した。
して重合を完了させて、冷却後重合液に塩酸を加え中
和、脱水、乾燥して共重合体(B成分)のビーズを得
た。
47であり、アクリロニトリルとスチレンの比は、34
/66であった。なお、相対粘度ηrel は、ウベロ
ーデ型の毛細管粘度計を用いて、一定体積の試料溶液が
流れるために要する時間を、温度23℃で測定し、次式
により相対粘度ηrelを求めた。ηrel=t/t 0 t:メチルエチルケトン(MEK)を溶媒とする樹脂試
料1重量%溶液が流下した時間 t 0 :溶媒MEKが流下した時間
ン24部を22部に変え、アクリロニトリル35部を42部に変
え、そしてt −ドデシルメルカプタン 0.6部を0.3部に
それぞれ変えて仕込み、そして重合途中に加えたスチレ
ン41部を38部に変えて重合した以外は、B−1と同様に
して共重合体(B−2)を作製した。
であり、アクリロニトリルとスチレンの比は、40/60で
あった。
0.5部にかえてt −ドデシルメルカプタン 0.5部を使用
した以外は、同様にしてグラフト共重合体(A−3)を
作製した。このグラフト共重合体中のアクリロニトリル
とスチレンの比は、31/69であり、重量平均分子量は、
80,000 であった。
ン24部を27部に変え、アクリロニトリル35部を25部に変
えて仕込み、重合途中に加えたスチレン41部を48部に変
えて重合した以外は、B−1と同様にして共重合体(B
−3)を作製した。
であり、アクリロニトリルとスチレンの比は、25/75で
あった。
部に変えて仕込み重合した以外は、B−3と同様にして
共重合体(B−4)を作製した。
であり、アクリロニトリルとスチレンの比は、25/75で
あった。
合体、B成分共重合体を表1に示す配合処方にてヘンシ
ェルミキサーで混合した後、40mm押出機を用いて 230℃
で溶融、混練してペレットを作製した。得られたペレッ
トを用いて表1の評価を行った。
いて、試料ペレットを220℃で成形し、テストピースを
作製した。このテストピースについて、ASTM D−
256に準じてアイゾット衝撃強度を測定した。
いて、試料ペレットを220℃で成形し、テストピースを
作製した。このテストピースについて、ASTM D−
638に準じて引張試験を行い伸びを測定した。
ルトフローレートを測定した。
いて、試料ペレットを230 ℃で成形し、2mmt×90mm
×90mmの角板を作製した。この角板を用いてJIS
K−7211に準じて落錘衝撃強度を測定した。
表面硬度を測定した。
与えて治具に固定後、ジオクチルフタレート(DOP)
を塗布し、温度23℃に放置したときの破断に至までの
時間を分で表した。
成物は、衝撃強度、成形性、剛性、表面硬度および耐薬
品性に優れた樹脂組成物で、旅行鞄、アタッシュケー
ス、また、電気、電子およびOAなどの機器ケース並び
に電気冷蔵庫内箱等のシート用材料として幅広く使用で
きる特徴を有する。
Claims (1)
- 【請求項1】(A成分)ジエン系ゴム重合体10重量部
以上60重量部未満の存在下で、芳香族ビニル単量体5
0〜70重量%、シアン化ビニル単量体30〜50重量
%および必要に応じてこれらと共重合可能なビニル単量
体0〜20重量%よりなる単量体混合物40重量部を越
え90重量部以下をグラフト重合して得られ、かつジエ
ン系ゴム重合体にグラフトされた芳香族ビニル単量体、
シアン化ビニル単量体および必要に応じてこれらと共重
合可能なビニル単量体からなる単量体混合物の共重合体
成分および未グラフトで存在するこれら単量体混合物の
共重合体成分からなる全共重合体成分の重量平均分子量
が120,000より大きく200,000以下の範囲
であるグラフト共重合体20〜80重量%と、 (B成分)芳香族ビニル単量体50〜70重量%、シア
ン化ビニル単量体30〜50重量%および必要に応じて
これらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量%を共
重合してなる相対粘度ηrelが1.45≦ηrel≦
1.65の範囲である共重合体20〜80重量%からな
ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32664792A JP3270154B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32664792A JP3270154B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172610A JPH06172610A (ja) | 1994-06-21 |
JP3270154B2 true JP3270154B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18190118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32664792A Expired - Lifetime JP3270154B2 (ja) | 1992-12-07 | 1992-12-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270154B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07144386A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-06-06 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 合成樹脂複合体 |
JP5998299B1 (ja) | 2016-03-10 | 2016-09-28 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形品 |
-
1992
- 1992-12-07 JP JP32664792A patent/JP3270154B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06172610A (ja) | 1994-06-21 |
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