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JP3257749B2 - リードフレームの製造方法 - Google Patents

リードフレームの製造方法

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Publication number
JP3257749B2
JP3257749B2 JP15832794A JP15832794A JP3257749B2 JP 3257749 B2 JP3257749 B2 JP 3257749B2 JP 15832794 A JP15832794 A JP 15832794A JP 15832794 A JP15832794 A JP 15832794A JP 3257749 B2 JP3257749 B2 JP 3257749B2
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JP
Japan
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lead frame
photoconductive layer
toner
photoconductive
etching
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建二 兵頭
和佳奈 井上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集積回路(IC、LS
I)などの半導体装置用のリードフレームの製造方法に
関し、特に多ピン化に対応可能なリードフレームの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気電子機器が小型化、高性能化
し、集積回路は大規模集積や多機能および高密度化が要
求されている。その結果、集積回路のリードフレームの
パターンは複雑化、微細化かつ多ピン化が必要となって
いる。リードフレームの製造方法には、リードフレーム
用基材をプレスで打ち抜くスタンピング法と、不要部分
を溶解するエッチング加工がある。微細かつ複雑なリー
ドフレーム加工にはエッチング加工が適用される。
【0003】エッチング加工によるリードフレーム製造
では、リードフレーム用基材全面にフォトレジストを塗
布し、フォトマスクを使用しての密着露光法後、現像し
てレジスト画像を形成する。レジスト画像で覆われてい
ない部分のリードフレーム用基材をエッチング液を用い
て溶解除去する。
【0004】一般にフォトレジストにはドライフィルム
フォトレジストと液状フォトレジストがある。ドライフ
ィルムフォトレジストは、レジスト膜が支持膜と保護膜
に挟まれた3層構造を成しており、使用に当たってはレ
ジスト膜をローラ等により熱圧着し、支持膜の上から、
または支持膜を剥離して露光を行う。通常ドライフィル
ムフォトレジストの膜厚は20μm以上と厚いために、
露光時に光散乱が起こり解像性が低くなるという欠点が
ある。また、基材の凹凸への追従性も低く、作業中にフ
ォトレジストが基材から剥離することがあった。
【0005】液状フォトレジストは、溶媒中に感光性樹
脂を溶解または分散させたもので、浸漬法、ロールコー
ト法、スプレーコート法等によりリードフレーム基材へ
の塗布を行う。液状フォトレジストではレジスト膜の薄
膜化が可能で、また基材の凹凸への追従性にも優れてい
る。
【0006】フォトレジストの露光は一般に密着露光法
で行われる。しかし、密着露光法はマスク作製に時間が
かかるために納期短縮化、多品種小ロット化に対応でき
ない、フォトレジストとマスクの間のゴミによる画像の
欠陥等の問題があるために、現在レーザー光による直接
描画法への移行が図られている。
【0007】しかしながら、上述した現行のフォトレジ
ストでは光照射部が現像液不溶となるネガ型の場合、光
学感度が50〜300mJ/cm2、 光照射部が現像液
に可溶となるポジ型の場合、 光学感度が200〜30
0mJ/cm2と低いために、レーザー光による露光を
行うためには、高い出力のレーザー光源もしくは長い露
光時間が必要であった。そのために、作業効率が低くな
るという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エッチング
法によるリードフレームの製造方法に関し、高い光感度
を有する感光材料を用いることでレーザー光による走査
露光を行うことができ、多ピン化、高解像性等の要求に
対応することが可能なリードフレームの製造方法に関す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、リードフレーム用
基材の両面に、少なくとも光導電性化合物と結着樹脂か
らなる光導電層を設けた後、該光導電層表面を暗中で一
様に帯電させたあと、走査露光法により静電潜像を形成
し、電子写真法により該光導電層上にリードフレーム用
パターンに相当するトナー層を形成した後、トナー被覆
部以外の光導電層を溶出除去し、かつ残存する光導電層
とトナー層をエッチングレジストとして、露出したリー
ドフレーム基材をエッチング除去し、さらに残存する光
導電層とトナー層を除去すれば良いことを見い出した。
本発明によれば、感光材料として、数μJ/cm2とい
う高い光感度を有する電子写真感光体を用いることで低
出力の安価なレーザー光源を用いて、短時間で露光を行
うことができる。また、電子写真感光体を液状レジスト
として用いることで、レジスト用基材との密着性に優れ
ており、かつ薄膜で耐エッチング性を有しているため
に、作業中のレジスト剥離等の問題が起こりにくく、欠
陥の少ない高い解像性を有するリードフレームを製造す
ることができる。
【0010】本発明を詳細に説明する。本発明に係わる
リードフレーム用基材としては、例えば「電気・電子材
料ハンドブック」(家田正之、高橋清、成田賢仁、柳原
光太郎編、1987年刊行、朝倉書店発刊)記載の鉄合
金系、銅合金系等、一般にリードフレームに使用されて
いる金属を用いることができる。
【0011】本発明では、上記リードフレーム用基材の
両面に、少なくとも光導電性化合物と結着樹脂からなる
光導電層を設ける。本発明に係わる光導電性化合物とし
ては有機または無機の光導電性化合物が使用できる。無
機光導電性化合物としては、セレンおよびセレン合金、
アモルファスシリコン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、硫
化亜鉛、酸化チタン等を挙げることができる。また、有
機光導電性化合物としては、 a)米国特許第3112197号明細書等に記載のトリ
アゾール誘導体、 b)米国特許第3189447号明細書等に記載のオキ
サジアゾール誘導体、 c)特公昭37−16096号公報等に記載のイミダゾ
ール誘導体、 d)米国特許第3542544号、同3615402
号、同3820989号明細書、特公昭45−555
号、同51−10983号、特開昭51−93224
号、同55−108667号、同55−156953
号、同56−36656号公報等に記載のポリアリール
アルカン誘導体、 e)米国特許第3180729号、同4278746号
明細書、特開昭55−88064号、同55−8806
5号、同49−105537号、同55−51086
号、同56−80051号、同56−88141号、同
57−45545号、同54−112637号、同55
−74546号公報等に記載のピラゾリン誘導体及びピ
ラゾロン誘導体、 f)米国特許第3615404号明細書、特公昭51−
10105号、同46−3712号、同47−2833
6号、特開昭54−83435号、同54−11083
6号、同54−119925号公報等に記載のフェニレ
ンジアミン誘導体、 g)米国特許第3567450号、同3180703
号、同3240597号、同3658520号、同42
32103号、同4175961号、同4012376
号明細書、西独国特許(DAS)1110518号、特
公昭49−35702号、同39−27577号、特開
昭55−144250号、同56−119132号、同
56−22437号公報等に記載のアリールアミン誘導
体、 h)米国特許第3526501号明細書記載のアミノ置
換カルコン誘導体、 i)米国特許第3542546号明細書等に記載のN,
N-ビカルバジル誘導体、 j)米国特許第3257203号明細書等に記載のオキ
サゾール誘導体、 k)特開昭56−46234号公報等に記載のスチリル
アントラセン誘導体、 l)特開昭54−110837号公報等に記載のフルオ
レノン誘導体、 m)米国特許第3717462号明細書、特開昭54−
59143号(米国特許第4150987号に対応)、
同55−52063号、同55−52064号、同55
−46760号、同55−85495号、同57−11
350号、同57−148749号、同57−1041
44号公報等に記載のヒドラゾン誘導体、 n)米国特許第4047948号、同4047949
号、同4265990号、同4273846号、同42
99897号、同4306008号明細書等に記載のベ
ンジジン誘導体、 o)特開昭58−190953号、同59−95540
号、同59−97148号、同59−195658号、
同62−36674号公報等に記載のスチルベン誘導
体、 p)特公昭34−10966号公報に記載のポリビニル
カルバゾール及びその誘導体、 q)特公昭43−18674号、同43−19192号
公報に記載のポリビニルビレン、ポリビニルアントラセ
ン、ポリ-2-ビニル-4-(4´-ジメチルアミノフェニル)
-5-フェニルオキサゾール、ポリ-3-ビニル-N-エチルカ
ルバゾール等のビニル重合体、 r)特公昭43−19193号公報に記載のポリアセナ
フチレン、ポリインデン、アセナフチレン/スチレン共
重合体等の重合体、 s)特公昭56−13940号公報等に記載のピレン/
ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール/ホルムア
ルデヒド樹脂等の縮合樹脂、 t)特開昭56−90883号、同56−161550
号公報等に記載の各種トリフェニルメタン重合体、 u)米国特許第3397086号、同4666802
号、特開昭51−90827号、同52−655643
号、特開昭64−2061号、同64−4389号等に
記載の無金属或は金属(酸化物)フタロシアニン及びナ
フタロシアニン、及びその誘導体等がある。本発明に係
わる有機光導電性化合物は、a)〜u)に挙げられた化
合物に限定されず、他の有機光導電性化合物を用いるこ
とが出来る。これらの有機光導電性化合物は、所望によ
り2種類以上を併用することが可能である。
【0012】また本発明においては、光導電層の感度の
向上や所望の波長域に感度を持たせるためなどの目的
で、各種の顔料、染料等を併用することが出来る。これ
らの例としては、 1)米国特許第4436800号、同4439506号
明細書、特開昭47−37543号、同58−1235
41号、同58−192042号、同58−21926
3号、同59−78356号、同60−179746
号、同61−148453号、同61−238063
号、特公昭60−5941号、同60−45664号公
報等に記載のモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料、 2)米国特許第3371884号明細書等に記載のペリ
レン系顔料、 3)英国特許第2237680号明細書等に記載のイン
ジゴ、チオインジゴ誘導体、 4)英国特許第2237679号明細書等に記載のキナ
クリドン系顔料、 5)英国特許第2237678号明細書、特開昭59−
184348号、同62−28738号公報等に記載の
多環キノン系顔料、 6)特開昭47−30331号公報等に記載のビスベン
ズイミダゾール系顔料、 7)米国特許第4396610号、同4644082号
明細書等に記載のスクアリウム塩系顔料、 8)特開昭59−53850号、同61−212542
号公報等に記載のアズレニウム塩系顔料。 また、増感染料としては、「電子写真」129 (19
73)、「有機合成化学」24 No.11 1010
(1966)等に記載の公知の化合物を使用することが
出来る。その例としては、 9)米国特許第3141770号、同4283475号
明細書、特公昭48−25658号、特開昭61−71
965号公報等に記載のピリリウム系染料、 10)Applied Optics Supplement 3 50 (196
9)、特開昭50−39548号公報等に記載のトリア
リールメタン系染料、 11)米国特許第3597196号明細書等に記載のシ
アニン系染料、 12)特開昭59−164588号、同60−1630
47号、同60−252517号公報等に記載のスチリ
ル系染料等である。 これらの増感色素は1種でも、また2種以上を併用して
も良い。
【0013】本発明に係わる光導電層には感度向上等の
ため、トリニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシ
アノエチレン等の化合物、特開昭58−65439号、
同58−102239号、同58−129439号、同
60−71965号公報等に記載の化合物等を併用する
ことが出来る。
【0014】本発明に係わる光導電層の結着樹脂は帯電
性等を含む電子写真特性を満足し、アルカリ溶出液によ
る溶解性を有するものでなければならない。また、リー
ドフレーム用基材をエッチングする際のエッチング液に
対して耐性を有する必要がある。したがって結着樹脂と
してはアニオン性官能基を有する樹脂が特に使用され
る。形成された光導電層中の結着樹脂におけるアニオン
性単量体の構成比が高いと樹脂皮膜が脆弱になり、さら
にイオン電導性が高くなって暗中帯電性等の電子写真特
性が悪化するので、本発明に用いられる結着樹脂はアニ
オン性単量体に非イオン性単量体を共重合させて樹脂組
成を適宜調整する。
【0015】アニオン性官能基を有する樹脂の中で、特
にカルボン酸基を有する単量体含有共重合体およびフェ
ノール樹脂は、電荷保持性が高く有利に使用できる。カ
ルボン酸基を有する単量体含有共重合体としては、スチ
レンとマレイン酸モノエステルとの共重合体、アクリル
酸あるいはメタクリル酸とそれらのアルキルエステル、
アリールエステルまたはアラルキルエステルとの二元以
上の共重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン
酸との共重合体も良い。フェノール樹脂中特に好ましい
ものは、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、
あるいはp-クレゾールとホルムアルデヒドまたはアセ
トアルデヒドとを酸性条件下で縮合させたノボラック樹
脂を挙げることができる。
【0016】本発明に係わる光導電層の結着樹脂の具体
例は、スチレン/マレイン酸モノアルキルエステル共重
合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル/アクリル酸エステル
共重合体、スチレン/メタクリル酸/アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エス
テル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸
ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体、
安息香酸ビニル/アクリル酸/メタクリル酸エステル共
重合体等のスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等と上記カル
ボン酸含有単量体との共重合体や、メタクリル酸アミ
ド、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミ
ド基、スルホンイミド基、ホスホン酸基を有する単量体
を含有する共重合体、フェノール樹脂、キシレン樹脂等
が挙げられる。これらの結着樹脂は単独でも、あるいは
2種以上を混合して用いても良い。
【0017】本発明に係わる光導電層における光導電性
化合物の結着樹脂に対する混合比は、光導電性化合物が
有する電子写真特性によって異なるが、トナー現像に必
要な帯電性が確保される最低膜厚に結着樹脂を設定し、
しかる後に所望の感度および残留電位が得られるように
光導電性化合物との混合比を決定する。本発明に係わる
光導電層においては、光導電性化合物は概ね樹脂量の1
〜100重量%程度の範囲が好ましく、さらには5〜4
0重量%が好適である。
【0018】光導電層のリードフレーム用基材上への作
製は、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート
法、スプレーコート法、電着法等により行う。塗布液は
光導電層を構成する成分を適当な溶媒に溶解分散して作
製する。光導電性化合物がフタロシアニン等の様に溶媒
に不溶な成分を用いる場合は、分散機により平均粒径
0.4μm以下、より好ましくは0.2μm以下に分散
して用いる。また、塗布液には必要に応じ、光導電性化
合物および結着樹脂のほかに光導電層の膜物性、塗布液
の粘度、分散性等を改良する目的で、可塑剤、界面活性
剤、その他の添加剤を加えることができる。塗布液の固
形分(光導電性化合物および結着樹脂)濃度および使用
する溶媒は塗布方法および乾燥条件等によって適当なも
のを選択する。
【0019】光導電層は、厚いと非回路部の光導電層の
溶出除去において溶出液の劣化を促進するばかりかサイ
ドエッチングにより回路画像の線が太り、ファインパタ
ーンが得られず、再現性の良好な画像を得ることができ
ない。また、逆に薄いと電子写真トナー現像で必要な電
荷が帯電できない。光導電層は厚さ0.5〜10μmが
好ましく、さらには1〜7μmが好適である。
【0020】本発明では、上記光導電層に電子写真法に
よってトナー画像を形成する。すなわち、暗所にて本発
明で用いられる光導電層を実質的に一様に帯電し、画像
露光により露光部の電荷を消失させて静電潜像を形成
し、その後トナー現像を行う。本発明に用いられる帯電
方法としては、ロール帯電、コロナ帯電等を挙げること
ができる。
【0021】本発明に係わる用いられる走査露光方法と
してはレーザー光、発光ダイオード等による走査露光が
好ましい。走査露光を行なう場合は、He−Neレーザ
ー、He−Cdレーザー、アルゴンイオンレーザー、ク
リプトンイオンレーザー、ルビーレーザー、YAGレー
ザー、窒素レーザー、色素レーザー、エキサイマーレー
ザー、GaAs/GaAlAs、InGaAsPの様な
半導体レーザーや、アレキサンドライトレーザー、銅蒸
気レーザー等のレーザー光源による走査露光、あるいは
発光ダイオード、液晶シャッタを利用した走査露光(発
光ダイオードアレイ、液晶シャッタアレイ等を用いたラ
インプリンタ型の光源も含む)によって露光することが
できる。
【0022】帯電された光導電層の露光に使用する光源
等は用いる光導電性化合物の種類等により異なる。例え
ばχ型無金属フタロシアニンを用いると半導体レーザー
を使用することができ、ε型銅フタロシアニン、および
500nm前後に分光吸収を持つアンザンスロン化合物
を用いるとアルゴンレーザーを使用することができる。
【0023】露光後、静電潜像をトナーによって現像す
る。トナー現像方法としては、乾式現像法(カスケード
現像、磁気ブラシ現像、パウダクラウド現像)や、トナ
ー粒子を適当な絶縁性液体中に分散させた湿式トナーに
よる湿式現像法を用いることができる。これらのうち、
湿式現像法は乾式現像法に比してトナーのポリマー粒子
を安定的に小粒径にでき、それにより微細な層を形成で
きるので、本発明においては湿式現像法が好適に用いら
れる。
【0024】本発明で用いられるトナーは、電子写真印
刷版に使用する湿式トナーを使用することができるが、
後工程である非画像部の光導電層の除去、およびそれに
より露出するリードフレーム用基材のエッチング等に対
してレジスト性を有したものでなければならない。この
ために樹脂成分としては、例えばメタクリル酸、メタク
リル酸エステル等から成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重
合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等と
の共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその
塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイ
ソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカプラミドや
ポリヘキサメチレンアジポアミド等のポリアミド樹脂、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニ
ル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセ
ルロース等のセルロースエステル誘導体、その他ワック
ス、蝋等を含有することが好ましい。また、トナーには
現像あるいは定着等に悪影響を及ぼさない範囲で、色素
や電荷制御剤を含有させることもできる。さらに、その
荷電は使用する光導電性化合物およびコロナ帯電の際の
帯電極性に応じて正、負を使い分ける必要がある。
【0025】現像法としては、静電潜像と反対の極性の
荷電を有するトナーを用いて非露光部を現像する正現像
法、静電潜像と同じ極性を有するトナーを用いて適当な
バイアス電圧の印加の下で露光部を現像する反転現像法
とがある。形成されたトナー画像は、例えば加熱定着、
圧力定着、溶剤定着等の公知の方法により定着できる。
この様に形成したトナー画像をレジストとして、非画像
部光導電層を溶出液により除去して、リードフレーム基
材上に光導電層とトナーとからなるエッチングレジスト
が形成される。
【0026】トナー層により被覆されていない光導電層
を溶出除去するための方法としては、基本的にはアルカ
リ溶出液を使用した非画像部溶出型印刷版用の溶出処理
器を使用することができる。本発明で用いられるアルカ
リ溶出液は塩基性化合物を含有する。塩基性化合物とし
ては、例えばけい酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸
化物、リン酸および炭酸アルカリ金属およびアンモニウ
ム塩等の無機塩基性化合物、エタノールアミン類、エチ
レンジアミン、プロパンジアミン類、トリエチレンテト
ラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物等を用いるこ
とができる。上記塩基性化合物は単独または混合物とし
て使用できる。また、アルカリ溶出液の溶媒としては水
を有利に用いることができる。
【0027】本発明では、上記形成されたエッチングレ
ジストを用いて、露出したリードフレーム用基材をエッ
チング除去する。エッチング方法としては、「プリント
回路技術便覧」(社団法人日本プリント回路工業会編、
1987年刊行、日刊工業新聞社発行)記載の方法等を
使用することができる。また、エッチング液はリードフ
レーム用基材を溶解除去できるもので、また光導電層が
耐性を有している酸性であれば良く、塩化第二鉄液、塩
化第二銅液等を使用することができる。
【0028】エッチング工程後、リードフレーム用基材
のエッチングされなかった部分には光導電層およびトナ
ー層が存在している。これらは集積回路形成の際に不要
となる。この場合、一般のフォトレジストを利用したリ
ードフレーム製造時と同様にアルカリ溶出液よりさらに
アルカリ度の強い溶液で処理することにより、これらを
除去することができる。また必要によってはメチルエチ
ルケトン、ジオキサン、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールの様な光導電層やトナー層が溶解
可能な有機溶剤を使用することもできる。
【0029】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明す
る。本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されるものではない。
【0030】実施例1光導電層の作製 リードフレーム用基材(鉄−42ニッケル合金、100
×300×0.1mm;ジャパン エナジー(株)製)
の両面に下記組成の塗液を用いて、バーコート法により
光導電層を作製し、90℃で30分間熱風乾燥を行っ
た。
【0031】
【表1】
【0032】得られた光導電層は厚さ5μmの均一な膜
であった。光導電層の電子写真特性を静電場測定器(S
P−428;川口電気(株)製)で測定した。印加電圧
+5.3kVを印加したところ、 V0(コロナ帯電直後
の表面電位、初期電位)+300V、DD10(帯電10
秒後の電位保持率)96%であった。また帯電10秒後
に白色(タングステン)光2luxを当てたところ、感
度E1/2(表面電位がV0の半分になるまでに必要な露光
量)は2.9lux・sec.となり、良好な帯電性と
光導電性を有していることが確認された。
【0033】トナー層の形成 得られた光導電層を有するリードフレーム用基材を暗所
にて表面電位が約+280Vになるように帯電させた
後、半導体レーザー(波長780nm)を用いて走査露
光(露光時間25秒)を行い、湿式トナーとして正電荷
トナー(「ODP−TW」;三菱製紙(株)製)を用
い、反転現像法(バイアス電圧:+120V)によりリ
ードフレームパターン(ピン数:160本)に相当する
トナー層を作製した。得られたトナー画像を70℃で3
分間熱定着した。トナー層は鮮明で、顕微鏡で観察した
ところ、ピンホール等の欠陥は無かった。次に、三菱O
PCプリンティングシステム用溶出液「ODP−D
II」(三菱製紙(株)製)を用いて、不要な光導電層
を溶出除去することによりトナー層および光導電層から
なるエッチングレジストを形成した。得られたエッチン
グレジストにはパターンの欠落、線幅の増加、減少等は
確認されなかった。
【0034】金属エッチングとエッチングレジストの除
上記エッチングレジストを形成したリードフレーム用基
材に、40℃に加熱されたボーメ42゜の塩化第二鉄エ
ッチング液をスプレー圧力2.5kg/ cm2で8分間
スプレーすることにより露出している銅層を除去した。
その後、30℃の3%水酸化ナトリウム溶液をスプレ−
圧力2.5kg/ cm2で3分間スプレーすることでエ
ッチングレジストを除去したところ、リードフレームが
形成された。得られたリードフレームにはパターンの欠
落、断線、エッチング不良によるリード間の接続不良等
の欠陥は確認されなかった。
【0035】比較例 1エッチングレジストの作製 実施例1と同様のリードフレーム用基材の両面にドライ
フィルムフォトレジスト(日合ALPHO 371Y4
0、厚さ40μm;日本合成化学工業(株)製)を熱圧
着した。フォトマスクを用いて密着露光を行った後、3
0℃に加熱した1%炭酸ナトリウム溶液を用いて現像を
行った。得られたエッチングレジストには、数カ所の膜
剥離とフォトマスクとフォトレジスト間のゴミが原因で
ある画像の乱れが確認された。また、レジストの膜厚が
大きいために露光時に光散乱が起こり、リード部の線幅
の増加が確認された。
【0036】金属エッチングとエッチングレジストの除
上記ドライフィルムフォトレジストによるエッチングレ
ジストを形成したリードフレーム用基材を実施例1と同
様に塩化第二鉄溶液で処理し、露出したリードフレーム
用基材をエッチング除去した。その後、3%水酸化ナト
リウム溶液でエッチングレジストを除去した。エッチン
グ工程でドライフィルムフォトレジストの一部が剥離
し、リード部で断線が確認された。
【0037】比較例2 比較例1と同様の方法でリードフレーム用基材にドライ
フィルムフォトレジストを熱圧着したあと、アルゴンイ
オンレーザー(波長488nm)を用いて、露光を行っ
た。露光時間には約2分もの時間を要した。比較例1と
同様の方法でアルカリ現像、エッチング、レジスト剥離
を行ったところ、比較例1においてフォトマスクが原因
で起きていた欠陥は無くなったものの、アルカリ現像、
エッチング工程でレジスト剥離が生じ、一部リード部の
欠落が見られた。また、線幅の増加も確認された。
【0038】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明によってリ
ードフレームの製造を行えば、電子写真法によりエッチ
ングレジストを作製することで、高い解像性を有する画
像を得ることができ、リードフレームの多ピン化、高密
度化に対応する事ができる。また、電子写真感光体の光
感度が高いのでレーザー走査露光に充分対応する事がで
き、短期納期化、多品種小ロット化等の実現が可能にな
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リードフレーム用基材の両面に、少なく
    とも光導電性化合物と結着樹脂からなる光導電層を設け
    た後、該光導電層表面を暗中で一様に帯電させたあと、
    走査露光法により静電潜像を形成し、電子写真法により
    該光導電層上にリードフレーム用パターンに相当するト
    ナー層を形成した後、トナー被覆部以外の光導電層を溶
    出除去し、かつ残存する光導電層とトナー層をエッチン
    グレジストとして、露出したリードフレーム基材をエッ
    チング除去し、さらに残存する光導電層とトナー層を除
    去することを特徴とするリードフレームの製造方法。
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