JP3256179B2 - 透湿防水積層塗膜形成方法 - Google Patents
透湿防水積層塗膜形成方法Info
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Description
ルタル、サイディングボード、ALC、押出成形板、木
質合板等の、透湿性を有する各種基材の、表面仕上げに
適用される透湿防水塗膜形成方法に関するものである。
護、意匠性の付与および、美観性の向上のため塗装仕上
げが行われている。このような塗装仕上げの中で、建築
物、土木構築物等の躯体の保護という観点では、躯体内
部への雨水の浸入を防止する防水性や、躯体に生じた微
細なクラックに追従する塗膜の伸縮性が重要な機能とな
っている。近年このような防水形の塗膜を施すことによ
り、外部からの雨水の浸入は遮蔽することが可能となっ
た。しかしながら、反対に建築物内部や土木構築物内部
で発生する水蒸気の、躯体内部への浸入による水分が、
防水形塗膜の水分遮蔽性能によって躯体内部に留まり、
冬期には躯体内部での凍結による躯体の破壊を生じた
り、防水形塗膜の裏面への局在化による塗膜の膨れの原
因になるという新たな問題を生じることになった。これ
に対して、防水形塗膜の改良によって、従来の防水性能
を維持し、水蒸気の透過のみを許容する、透湿機能を有
した新たな防水形塗料が開発されるようになってきた。
持続することが求められてきた。このため、近年フッ素
樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料、アクリルウレタ
ン樹脂塗料等の高耐久性塗料の出現により、躯体の保護
効果を飛躍的に長期化させることが可能となった。しか
しながら、これらの高耐久性塗料はその耐久性により、
かえって塗膜表面の汚染の問題がクローズアップされる
結果となった。
料によって形成される塗膜は、太陽光の紫外線等によっ
て表面が劣化し、汚染物質の付着が生じたとしても、塗
膜表面の劣化部分とともに剥落除去されていたのである
が、塗膜の耐久性が向上したため、塗膜表面の劣化剥落
の機構が機能できなくなったのである。特に最近は、都
心や都市近郊において、自動車等からの排出ガスによ
り、大気中に油性の汚染物質が浮遊している状況で、そ
れら油性の汚染物質が、高耐久性塗料から形成された塗
膜表面に付着した場合には、著しいすす状あるいはすじ
状の汚染(以下、「雨筋汚れ」という)を生じ、都市景
観の向上のため施したはずの塗装仕上げが意味をなさな
い場合があった。
否めず、さらにその弾性によって、経時的な汚染の程度
は非常に悪く、このような塗膜表面の汚染により透湿効
果の低下を招く場合もあった。
解決しようとする課題は、透湿性と防水性の相反する効
果を有しながら、塗膜表面の耐汚染性、とりわけ汚染物
質の自然除去効果が非常に優れるため、経時的な透湿効
果の低下を生じない積層塗膜形成方法を得ることであ
る。
るために、本発明者らは積層塗膜の各層の塗膜物性を特
定の数値にし、さらに上塗塗膜を親水性にすることによ
って、透湿性と防水性のバランスを維持しながら、汚染
物質の降雨による除去効果を得ることができ、その結
果、長期にわたる防水性、透湿性の両機能の維持が可能
となることを見出した。
2・24H以上の塗膜を形成する下塗材を塗装し、
(2)下塗材塗膜表面に伸び率が20℃雰囲気下で10
0〜300%、PVCが40〜60%の塗膜を形成する
中塗材を塗装し、(3)中塗材塗膜表面に形成塗膜の伸
び率が20℃雰囲気下で60〜200%、透湿度が40
g/m2・24H以上、形成塗膜表面の20℃における
水に対する接触角が70°以下となる塗膜を形成する上
塗材を塗装することを特徴とする透湿防水積層塗膜形成
方法。
て、(B)テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜1
0の縮合物を含有する上塗材を塗装することを特徴とす
る1.に記載の透湿防水積層塗膜形成方法。
12のアルキル基が混在した、テトラアルコキシシラン
の平均縮合度4〜10の縮合物である上塗材を塗装する
ことを特徴とする2.に記載の透湿防水積層塗膜形成方
法。
数が2〜40のポリアルキレンオキサイド鎖を含有す
る、重量平均分子量150〜3500のアルコキシシラ
ン化合物、を含有することを特徴とする2.または3.
のいずれかに記載の透湿防水積層塗膜形成方法。であ
る。
ート、モルタル、ALC、石膏ボード、石綿スレート
板、合板、木材、発泡フォーム等の水分をその内部に含
有する気孔を有する基材であり、金属板、ガラス板、プ
ラスチック板等の通気性を全く有さないものは除外す
る。
Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」に基づいて測
定するものである。また、20℃雰囲気下での塗膜の伸
び率は、JISA 6909 「建築用仕上塗材」6.31 伸び試験
に基づいて測定するものである。次に、PVCとは顔料
容積濃度のことであり、乾燥塗膜中に含まれる顔料の容
積百分率を示すものである。
膜、上塗材塗膜を特定の物性値に調整することによっ
て、複合塗膜としては、透湿性および防水性を発揮する
ものである。したがって、各層がこのような物性値を満
たす限り、その組成は限定されるものではない。
問わず、引き続いて積層する、伸び率の比較的大きな、
中塗材塗膜との付着性が良好なシーラーがあげられる
が、場合により塗料業界において一般的に使用されてい
るプライマーやサーフェーサーも使用可能である。
2・24Hよりも低い場合は、引き続き積層する各層の
物性が本発明の規定を満たしていても複合塗膜の透湿性
は不十分なものとなる。すなわち、一般に透湿性基材の
透湿度より低い透湿度を持つ塗膜を、透湿性基材の表面
に形成した場合には、透湿効果がその部分において発揮
されないからである。
透湿性を付与する方法は特に限定されるものではない
が、例えば下塗材に配合する体質顔料として、多孔質構
造を有するゼオライト、焼成クレー、珪藻土、シリカゲ
ルを用いる方法等があげられる。
09 「建築用仕上塗材」に規定される防水形複層塗材E
があげられる。中塗材塗膜は、その伸縮性によって下地
基材にクラックを生じた場合にも、クラック追従性を有
し、防水効果を維持することが可能となる。したがっ
て、その20℃における伸び率が本発明の規定する値よ
り低い場合には、クラックに追従できず、塗膜にクラッ
クを生じることから、複合塗膜としての防水性の効果を
発揮することができなくなる。一方、伸び率が本発明の
規定する値より高い場合は、下塗材塗膜や上塗材塗膜と
の密着性が不安定になると共に、上塗材塗膜が中塗材塗
膜の伸びに追従できず浮きやクラックを生じることにな
る。同様に、PVCが本発明の規定する値より低い場合
には、複合塗膜として十分な透湿効果が発揮できず、P
VCが本発明の規定する値より高い場合には、複合塗膜
として十分な防水効果が発揮できなくなる。
材塗膜を形成する方法は特に限定されるものではない
が、例えば中塗材に配合する樹脂のガラス転移温度を調
整したり、体質顔料として使用する重質炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、珪藻土、珪砂、硫酸バリウム等の
充填材の粒子径を調整する方法等があげられる。
面の20℃における水に対する接触角が70°以下とな
ることが非常に重要である。すなわち、塗膜表面が親水
性であることにより、塗膜表面に汚染物質が付着して
も、降雨によって汚染物質が除去されるため、塗膜外観
が長期にわたり美しく維持されると共に、汚染物質付着
による複合塗膜の透湿性の低下を防止することが可能と
なるためである。したがって、接触角が70°より大き
い場合には、このような透湿性の低下を防止する効果が
得られない。さらに、この上塗塗膜は、特定の伸び率と
透湿度を有しているため、複合塗膜として透湿性、防水
性の両方の効果を生じる。
び率が、本発明の規定する値より低い場合には、中塗塗
膜の伸びに追従できないことから、クラックを生じてし
まう。一方、伸び率が本発明の規定する値より高い場合
は、塗膜表面での汚染物質の除去性が低下し、経時的に
塗膜外観が低下するとともに、透湿効果が発揮されにく
くなる。同様に、PVCが本発明の規定する値より低い
場合には、複合塗膜として十分な透湿効果が発揮でき
ず、PVCが本発明の規定する値より高い場合には、複
合塗膜として十分な防水効果が発揮できなくなる。
る、上塗塗膜を形成する方法は特に限定されるものでは
ないが、例えば上塗材として、弾性を有する合成樹脂に
テトラアルコキシシラン縮合物(以下、「(B)成分」
という)を含有する非汚染形塗料を使用することが望ま
しい。特に(B)成分を含有する上塗塗膜は、塗膜中に
おいて(B)成分中のシロキサン結合が、水蒸気を透過
し、水を透過させない適度な結合距離を有しているため
望ましい。特に透湿、防水効果を期待する場合には、そ
の平均縮合度4〜10程度のものが、上塗塗膜中での分
散状態が適度になるため効果的である。
合成樹脂としては、水系、溶剤系を問わず、アクリル樹
脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系の何れの合成樹
脂でもよく、その形態としては、分散形、溶解形が可能
である。さらに、溶剤系においては、溶媒として芳香族
炭化水素系、脂肪族炭化水素系、もしくはこれらの混合
系においても可能である。
中のアルキル基が、炭素数1〜3と炭素数4〜12のア
ルキル基の混在したもの(以下、「(B’)成分」とい
う)を用いると、上塗塗膜表面における汚染物質の降雨
による除去効果が非常に高まるため、汚染物質付着によ
る透湿効果の低下を防止する点においてより望ましいも
のである。
により製造することが可能であるが、これに限定される
ものではない。 (製造例1) 一般式
数4〜12のアルキル基が混在しているものとする)で
表されるテトラアルコキシシランを平均縮合度4〜1
0、重量平均分子量が500〜2500となるように縮
合させる。縮合方法は、公知の方法による。
〜10の整数とする)で表されるアルキルシリケート低
縮合物(以下、「(a)成分」という)を、 (b)一般式
表されるアルコール(以下、「(b)成分」という)を
用いて、(a)成分のアルキル基部分の約5〜50%を
エステル交換する。
チルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n
−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケー
トなどの低縮合物があげられる。特に、テトラメチルシ
リケートやテトラエチルシリケートが一般的である。平
均縮合度は4〜10が好ましく、縮合度が大きくても小
さくても、取り扱いが不便になるので好ましくない。
(b)成分としては、具体的にはn−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、
n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n
−ノニルアルコール、n−デシルアルコール、n−ウン
デシルアルコール、n−ドデシルアルコールが例示でき
る。
換する際には、(a)成分の全てのアルキル基(R 5 )
を(b)成分のアルキル基(R 6 )にエステル交換して
しまうのではなく、(a)成分のアルキル基全体の約5
〜50%をエステル交換したものを使用する。その交換
比率は、(a)成分1モルに対して、(b)成分を1〜
12モル用いて、エステル交換させるとよい。この交換
比率は、(a)成分の縮合度によって適宜調整するが
(a)成分のアルキル基全体の約5〜50%をエステル
交換することにより、(A)成分との相溶性や、塗膜の
耐汚染性が優れたものとすることができる。
を含有する上塗材に、(C)ポリアルキレンオキサイド
鎖を含有するアルコキシシラン化合物(以下「(C)成
分」という)をさらに加えることにより、塗膜表面をさ
らに初期より親水性にすることが可能になり、初期より
優れた耐汚染性を得ることが可能である。
り返し単位と、少なくとも1個以上のアルコキシシリル
基を有する化合物である。かかる(C)成分のポリアル
キレンオキサイド繰り返し単位は、そのアルキレン部分
の炭素数は2〜4であり、繰り返し単位の数は2〜4
0、重量平均分子量150〜3500が好ましい。
レンオキサイド鎖の両末端がアルコキシシリル基であっ
てもよく、一端がアルコキシシリル基であって、他端が
その他の官能基であってもよい。このような片末端に有
することのできる官能基としては、例えば、ビニル基、
ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネー
ト基、メルカプト基等が挙げられる。特にヒドロキシル
基(水酸基)であるものの使用が好ましい。また、該官
能基は、アルコキシシリル基との間にウレタン結合、尿
素結合、シロキサン結合、アミド結合、エーテル結合等
を介して結合されたものであっても良い。
キレンオキサイド鎖含有化合物と、アルコキシシリル基
含有化合物(以下カップリング剤という。)を反応させ
て合成したものが使用できる。
有化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリエチ
レン−プロピレングリコール、ポリエチレン−テトラメ
チレングリコール、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリオキシエチレンジグリコール酸、ポリエチ
レングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジビニルエーテル、ポリエチレングリコールアリルエ
ーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテルなど
が挙げられる。また、該ポリアルキレンオキサイド鎖含
有化合物は、1種もしくは2種以上の組み合わせから選
択することができる。2種以上のモノマーを使用する場
合は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体で
あっても構わない。
中に、少なくとも1個以上のアルコキシシリル基とその
ほかの置換基を有する化合物である。カップリング剤と
しては具体的には、例えば、β−(3、4エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート官能
性シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロオピルメチルジエトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ンなどが挙げられる。
が、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物とカップリ
ング剤とを別々に用意し、例えば重合性二重結合を有す
る各化合物についてはラジカル重合開始剤を用いて共重
合させる他、アミノ基/エポキシ基、イソシアネート基
/水酸基またはイソシアネート基/アミノ基等の付加反
応など公知の方法によって合成することができる。ま
た、第1級、第2級アミノ基等の活性水素基を有するア
ルコキシシリル化合物にエチレンオキサイドを開環付加
せしめる方法によっても合成可能である。
場合は、重合性二重結合を有するポリアルキレンオキサ
イド鎖含有化合物の少なくとも1種以上と、カップリン
グ剤の少なくとも1種以上を非反応性の適当な溶媒中で
反応させて得ることができる。この際、使用されるラジ
カル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、2,5−
ジ(パーオキシベンゾエート)ヘキシン−3,1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
t−ブチルパーベンゾエートなどのパーエステル化合
物、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメチルアゾブ
チレートなどのアゾ化合物、および有機過酸化物などが
挙げられる。
キサイド鎖含有化合物としては、例えば、ポリエチレン
グリコールビニルエーテルを用いることができ、カップ
リング剤には、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランなどを単独もしくは2種以上の組み合わせで使
用できる。
より合成する場合、例えばポリアルキレンオキサイド鎖
含有化合物には、ポリエチレングリコールなどの末端に
ヒドロキシル基を有する化合物と、カップリング剤には
イソシアネート含有カップリング剤などのイソシアネー
ト基を有する化合物を混合し合成させる。この合成方法
においては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズ
ジマレートまたはジオクチルスズジマレートなどの、ポ
リウレタン合成の分野において周知の有機金属系反応触
媒を使用することも可能である。
としては、ポリアルキレンオキサイド鎖含有化合物の両
末端又は片末端にカップリング剤を付加したものが得ら
れるが、これらは、それぞれ単独で使用してもよく、ま
た混合物として使用してもよい。
サイド鎖がエチレンオキサイド鎖であり片末端が水酸基
であるものが、本発明の汚染防止効果、すなわち耐汚染
性ならびに染み込み抵抗性等が高いため最も好ましい。
配合比率は、物性値を満足する限り、限定されるもので
はないが、例えば(A)の固形分100重量部に対し、
(B)を1〜40重量部、さらに必要に応じ(C)を
0.1〜20重量部程度配合してもよい。
を配合して、着色(エナメル)塗膜とする。このような
着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブ
ラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロム酸鉛(モリブ
デートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群
青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフト
ール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン
系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン
系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフ
タロン系等の有機顔料が使用できる。
リン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホ
ワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を使用することも
可能である。特に、艶消し塗膜を形成する場合には、塗
膜表面における非汚染効果を損なうことの最も少ないホ
ワイトカーボン、珪藻土を使用することが最適である。
なお、これらの無機物質を塗料に添加する際に、粉体表
面をカップリング剤で処理したり、塗料にカップリング
剤を添加することは好ましい手段である。
に配合することが可能な各種添加剤を本発明の効果に影
響しない程度に配合することが可能である。このような
添加剤としては、可塑剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消
泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防
止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤等があげられる。
徴をより明確にする。 (合成例1)アルキルシリケート低縮合物1合成例 重量平均分子量1000、縮合度約8、不揮発分100
%のメチルシリケート(以下、「メチルシリケートA」
という)100重量部に対して、n−ヘキシルアルコー
ル71.4重量部と、触媒としてジブチル錫ジラウレー
ト0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱
メタノール反応を行い、アルキルシリケート低縮合物1
を合成した。このアルキルシリケート低縮合物1のエス
テル交換率は39%であり、900℃にて焼成して得ら
れたシリカ残量比率は37.6重量%であった。
2合成例 メチルシリケートAを100重量部、n−アミルアルコ
ール17.6重量部、ジブチル錫ジラウレート0.03
重量部を混合し、合成例1と同様にしてアルキルシリケ
ート低縮合物2を合成した。このアルキルシリケート低
縮合物2のエステル交換率は11%であり、シリカ残量
比率は50.3重量%であった。
シシラン化合物合成例 加熱装置、撹拌器、還流装置、脱水装置、温度計を備え
た反応槽に、ポリエチレングリコール200(平均分子
量200;和光純薬株式会社製)20重量部と、イソシ
アネート含有シランであるY−9030(日本ユニカー
株式会社製)54.3重量部と、ジブチルスズジラウレ
ート0.05重量部とを仕込み、50℃にて8時間反応
させ、淡黄色のポリエチレンオキサイド鎖含有アルコキ
シシラン化合物を得た。このポリエチレンオキサイド鎖
含有アルコキシシラン化合物の重量平均分子量は、ゲル
浸透クロマトグラフィー(以下GPCという)のポリス
チレン換算により測定した結果800であった。
塗材として表2に示した原料を使用して、表3に示した
配合にて各中塗材塗料組成物を作製し、上塗材として表
4に示した原料を使用して、表5に示した配合にて各上
塗材塗料組成物を作製した。これらの下塗材、中塗材、
上塗材を表6のように組み合わせて、各実施例、比較例
の複合塗膜を形成した。この複合塗膜について以下の試
験方法に基づいて評価を行った。
ガラス板に離型紙を敷き、その上に下塗材塗料組成物を
表1に示す塗付量(下塗材1及び2は0.2kg/
m 2 、下塗材3は0.1kg/m 2 。)にて刷毛塗り
し、2時間乾燥養生した。その後、中塗材塗料組成物を
マスチックローラーにて、塗付量1.5kg/m2で均
一に塗装し、24時間乾燥養生した。その後、さらに上
塗材塗料組成物を乾燥膜厚が約30μmとなるようにス
プレー塗装し、標準状態で7日間乾燥させ、離型紙から
塗膜を剥がして遊離塗膜を作った。遊離塗膜を直径約7
0mmの円形に6枚切り取り試験体と した。3枚は初期値とし、JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」に準じて透湿性
試験を行った。残りの3枚は、JIS K 5400 8.10 耐
汚染性試験に準じ、塗膜全面に15重量%カーボンブラ
ック水分散ペーストを均一に噴霧し、50℃の恒温室中
に2時間放置した。その後、ソニケーターを用いて、1
0分間超音波洗浄を行い標準状態で3日間放置後、前述
同様に透湿性試験を行い評価した。評価基準は以下の通
りである。 透湿度 40g/m2 ・24h以上:○ 20g/m2 ・24h以上40g/m2 ・24h未
満:△ 20g/m2 ・24h未満:× なお、結果を表6に示した。
成物を表1に示す塗付量(下塗材1及び2は0.2kg
/m 2 、下塗材3は0.1kg/m 2 。)にて刷毛塗り
し、2時間乾燥養生した。その後、中塗材塗料組成物を
マスチックローラーにて、塗付量1.5kg/m2で均
一に塗装し、24時間乾燥養生した。その後、さらに上
塗材塗料組成物を乾燥膜厚が約30μmとなるようにス
プレー塗装し、標準状態で7日間乾燥させたものを試験
体とした。その後、JIS A69096.13 透水量に準じて試
験を行った。なお、結果を表6に示した。
物を表1に示す塗付量(下塗材1及び2は0.2kg/
m 2 、下塗材3は0.1kg/m 2 。)にて刷毛塗り
し、2時間乾燥養生した。その後、中塗材塗料組成物を
マスチックローラーにて、塗付量1.5kg/m2で均
一に塗装し、24時間乾燥養生した。その後、さらに上
塗材塗料組成物を乾燥膜厚が約30μmとなるようにス
プレー塗装し、標準状態で14日間乾燥させたものを試
験体とした。その後、JIS A6909 6.11 温冷繰返し試
験に準じて試験を行った。評価は目視にて塗膜の剥が
れ、ひび割れ、膨れがないものを○、それらがあるもの
を×とした。なお、結果を表6に示した。
示すように上方から3分の1の長さで角度αが135度
になるようにおりまげたもの(以下、「暴露用板」とい
う)に、SK#1000プライマー(エスケー化研株式
会社製、エポキシ樹脂系プライマー)を、乾燥膜厚が約
30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で8時
間乾燥させた。(暴露用板は凸面を表面とする)次に、
作製した上塗材塗料組成物を前述のプライマーを塗装し
た暴露用板に乾燥膜厚が約30μmとなるようにスプレ
ー塗装し、標準状態で7日間乾燥し試験体とした。作製
した試験体を、大阪府茨木市で南面を向き、面積が広い
面(a面)を垂直にし、さらに面積の狭い面(b面)が
上部になるように設置して、屋外暴露を実施し、1ヶ月
後、3ヶ月後、6ヶ月後の雨筋汚れの有無を目視にて評
価した。評価基準は以下の通りである。 ○:垂直面に雨筋汚染無し ×:垂直面に雨筋汚染有り なお、結果を表6に示した。
0プライマーを乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー
塗装し、標準状態で8時間乾燥を行った。次に、作製し
た上塗材塗料組成物を乾燥膜厚が30μmとなるように
スプレー塗装し試験体を作製した。作製した試験体を、
標準状態で7日間乾燥養生した後、JISK5400 8.10 耐
汚染性試験に準じ、塗膜面に15重量%カーボンブラッ
ク水分散ペーストを、直径20mm、高さ5mmとなる
ように滴下し、50℃の恒温室中に2時間放置した。そ
の後流水中にて洗浄し、塗膜表面の汚染の程度を目視に
より評価した。評価基準は以下の通り。 ◎:染み込みなし ○:ごくわずかに染み込み有り △:わずかに染み込み有り ×:染み込み有り なお、結果を表6に示した。
に、透湿性試験では初期状態においても非常に透湿性が
高く、その後汚染処理を行ったにも関わらず、超音波洗
浄により汚染物質が剥離するため、透湿度の値が低下し
なかった。また、実際の雨筋汚染性や染み込み抵抗性に
おいても耐汚染性が非常に高く、塗膜表面の汚染物質除
去性能に優れ、塗膜の内部構造が水蒸気を透過しやすい
ものになっているものと思われる。また、透湿性の高さ
に対して透水性が低く、温冷繰返しによる下地の収縮に
も追従するため、透湿・防水機能を有し、特に透湿性が
汚染物質の付着により低下しない優れた複合塗膜を形成
していると言える。
本発明の規定する範囲より非常に大きく、PVCの低い
ものを用いたため、透湿性が充分得られなかった。
の規定する範囲より大きいものを用いたため、初期にお
ける透湿性は充分であったが、処理後における汚染物質
の除去作用がはたらかず、透湿性が低下してしまった。
が、本発明の規定する範囲より非常に低いものを用い、
中塗材として本発明規定範囲のものを使用した。したが
って透湿性は処理後であっても低下することはなかった
が、温冷繰り返しによって伸び率の低い上塗材塗膜にひ
び割れを生じてしまった。
る効果を有しながら、塗膜表面の耐汚染性、とりわけ汚
染物質の自然除去効果が非常に優れるため、経時的な透
湿効果の低下を生じない積層塗膜形成方法であり、積層
塗膜構造によって、温冷繰り返しによる下地の収縮にも
追従して、塗膜表面にひび割れ等の欠陥を生じることが
ない。
Claims (4)
- 【請求項1】透湿性基材の表面に、(1)透湿度が10
0g/m2・24H以上の塗膜を形成する下塗材を塗装
し、(2)下塗材塗膜表面に伸び率が20℃雰囲気下で
100〜300%、顔料容積濃度(以下、「PVC」と
いう。)が40〜60%の塗膜を形成する中塗材を塗装
し、(3)中塗材塗膜表面に、形成塗膜の伸び率が20
℃雰囲気下で60〜200%、透湿度が40g/m2・
24H以上、形成塗膜表面の20℃における水に対する
接触角が70°以下となる塗膜を形成する上塗材を塗装
することを特徴とする透湿防水積層塗膜形成方法。 - 【請求項2】(A)弾性を有する合成樹脂に対して、
(B)テトラアルコキシシランの平均縮合度4〜10の
縮合物を含有する上塗材を塗装することを特徴とする請
求項1に記載の透湿防水積層塗膜形成方法。 - 【請求項3】(B)が、炭素数1〜3と炭素数4〜12
のアルキル基が混在した、テトラアルコキシシランの平
均縮合度4〜10の縮合物である上塗材を塗装すること
を特徴とする請求項2に記載の透湿防水積層塗膜形成方
法。 - 【請求項4】上塗材がさらに(C)繰り返し単位の数が
2〜40のポリアルキレンオキサイド鎖を含有する、重
量平均分子量150〜3500のアルコキシシラン化合
物、を含有することを特徴とする請求項2または請求項
3のいずれかに記載の透湿防水積層塗膜形成方法。
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