JP3122749B2 - 常温流通可能なメン類の製造法 - Google Patents
常温流通可能なメン類の製造法Info
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Description
製造法及びメン類改質用酵素製剤に関するものである。
更に、詳しくは酸溶液等にさらすことによって酸性化し
た後も、メン類独特の粘りのあるコシのある食感を維持
することができる常温流通可能なメン類の製造法に関す
る。
温流通を可能とするには乾燥メンとすることが最も一般
的であり、簡便性と経済性から大市場を築いてきた。し
かしながら該乾燥メンは即席性、簡便性においては非常
に優れているが、品質的に独特のコシを保有せず食感的
にみると満足のいくものではなかった。
や簡便性を維持しながら最大の課題であるメンの食感を
改良しようと生メン類の常温流通化技術の確立に対する
試みがなされている。
かしながらレトルト処理を施すとある程度の食感低下は
さけられない。係る食感低下に対して特開平2ー186
954に記載されているように、レトルト前の食感を極
力維持させるためにF0=3のように比較的マイルドな
レトルト処理を工夫しているがどうしても125℃以上
での加熱の為にコシのある歯ごたえの消失は避けられな
い。
る。この方法は食酢や有機酸の単独もしくは併用の水溶
液にゆでメンを浸漬し、pHを4付近まで低下させるも
のである。 この酸処理について、例えば、特開昭54ー1
54550にみられるように0.1〜0.4重量%酢酸溶液
にゆでメンを60〜95℃で10〜80秒間浸漬してメ
ンのpHを4まで低下させることによって常温流通を可
能とするものである。但し、メン類の中でも中華メンの
場合は独特の粘りのある食感を得る目的でかん水を添加
するため、そのメン生地が約pH10と高く、このもの
をpH4まで低下させると、かん水を加えてメン質を改
質する意味がなくなってしまう。このような背景から、
特開昭50ー025746及び特開昭54ー154551に述べられるよう
に、うどん、そば、スパゲティに対して酸処理効果の範
囲を限定するとともに、かん水を使用するメンである中
華メン等はその範囲から除外している。なぜなら、中華
メンの場合は特にpH低下の食感に及ぼす影響は大きい
からである。つまり、中華メンの場合は酸処理により、
うどんと同じ食感になってしまい、かん水添加の意味が
無くなってしまうからである。また、中華メン程ではな
いがうどんや日本そば等においても酸処理によりpHを
下げることにより、いずれもメン本来の粘りとコシのあ
る食感が一様に低下してしまうという課題が残る。この
ように食品衛生上からみて、酸処理によって常温流通は
可能となったとしても、メンに求められる大切な食感は
軟弱化してしまい本来のメンの持つ粘りとコシのある歯
ごたえは消失してしまうという課題は現時点においても
解決されていない。
ころは、生メン類を酸処理することにより常温流通可能
とする際の酸処理によるメン食感の劣化を改善すること
にある。すなわち、本発明の課題は優れた食感を有する
常温流通可能なメン類の製造法及び優れた食感を有する
常温流通可能なメン類の製造に用いられる酵素製剤の提
供である。
課題を解決すべく鋭意検討した結果、メン類を製造する
工程において酵素トランスグルタミナーゼを添加するこ
とを必須とし、さらに原料小麦粉の一部をグルテン及び
糖類等で置換することによって酸処理による食感の低下
を改善できることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
類からなる穀粉組成物に(1)トランスグルタミナー
ゼ、食塩、水を添加後、(2)混練し、(3)混練され
たメン生地を成型してメン帯とし、(4)次に、ゆで処
理することによりゆで生メンを得、(5)その後、酸処
理することを特徴とする常温流通可能なメン類の製造
法、並びにグルテン1重量部に対して、糖類を0.03
ー4重量部、及びトランスグルタミナーゼをグルテン中
のタンパク質1g当り0.5ー200ユニット含有して
なるメン類改質用酵素製剤である。以下、本発明につい
て具体的に説明する。
どん、そば、及びマカロニ・グラタン等のパスタ等であ
るが、特に酸処理による常温流通化の場合において、中
華メンでは元々の生地pHがかん水の添加により高いた
め、pHの変動が大きく、その結果食感の低下が最も大
となるので、うどんやそば等の場合よりも該技術の適用
の意義は大きいものである。
知であり、その概要は小麦粉の一部をグルテンと糖類等
で置換する以外は、原料として通常、中華メンでは準強
力小麦粉、うどんでは中力小麦粉、そばではそば粉を用
いる。これらの穀粉中(グルテンも含む)のタンパク含
量は特にこだわらないが通常8ー40%、好ましくは1
4ー30%である。これら穀粉(小麦粉の一部を置換し
たグルテン、糖類も含む)重量に対して食塩約1〜4
%、水30〜50%、所定量のトランスグルタミナー
ゼ、更に中華メンの場合はこれにかん水(市販されてい
るかんすいは通常炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの混合
物である)約0.1〜1.5%等を加えて混練してから
メン生地を成型してメン帯とする。尚、必要によりメン
帯を通常0−30℃で10分−3日間ねかし等の処理を
しても良い。次に、このメン帯を所望の形状のメン線に
成型する。この後、このメン線を沸騰水中で通常1〜3
0分間、好ましくは2〜17分間ゆでることによってゆ
で生メンを得る。これ以後は常温流通化のための特殊な
工程となる。即ち、pHを約4付近まで下げるため酸性
水溶液中に、得られたゆでメンを直接、通常1〜60
分、好ましくは2〜30分間浸漬した後、充填包装して
から表面殺菌のため、通常50〜90℃、好ましくは6
0℃〜70℃の温水中で通常 5分〜2時間、好ましく
は15分〜60分間加熱することによって常温流通可能
なメンを得る。
ゼは、哺乳動物由来のもの(特公平1ー50382参
照)、魚類由来のもの、植物由来のもの、微生物由来の
もの(特開昭64ー27471参照)等が知られている
が、その由来を問わず使用できる。しかし、好ましくは
微生物由来のトランスグルタミナーゼを用いるのがよ
い。
はメン生地中のタンパク質1g当り0.5〜30ユニッ
ト、好ましくは2〜10ユニットである。添加量が0.
5ユニット以下では当該酵素の無添加のものと食感上の
差異はみられず、一方、30ユニット以上ではメンが脆
くなり、かつ酵素反応が速やかに進行し、希望する食感
をコントロールすることが困難となる。
としては原料穀粉に粉粉混合して加えるのが最も一般的
であるが、酵素粉末を水に溶解して水溶液とし、小麦粉
に対しての加水時に酵素水溶液として添加しても差し支
えない。
さを改質する目的で用いられるもので、その由来や加工
法を問わずに使用できる。即ち、その由来としては小
麦、とうもろこし等であって特に限定されるものではな
い。特に、小麦グルテンがよい。加工法によってはグル
テン含有量やタンパク質の変性度が異なる場合がある
が、これらもグルテン量を規準に考えればよく、特に限
定されるものではないが、特に小麦グルテンがよい。グ
ルテン製造時のグルテンの抽出法として、酸処理法もし
くはアルカリ処理法の2つの手段があるが、何れを用い
てもよい。このグルテンの原料小麦粉に対する置換率は
通常3〜30%である。置換率3%以下ではメンの硬さ
に対するグルテン添加の効果が殆どみられず、一方、置
換率30%以上ではメンは硬くはなるが脆さがでてき
て、のどごしが悪くなるからである。
類、ガム類等を指す。澱粉としてはワキシー澱粉や各種
澱粉の酸処理加工品等、多糖類としてはコンニャクマン
ナン等、ガム類としてはキサンタンガム、カラギーナン
等があげられる。その他の糖類としては、デキストリ
ン、もち米粉末等があげられる。これら糖類の中で、特
に酸処理加工澱粉の場合はメンの硬さを低下することな
く、粘りを付与する機能を持つので好ましい。これらの
原料小麦粉に対する糖類の置換率は通常1〜15%であ
る。置換率1%以下では糖類無添加の対照のメンと殆ど
変わりなく、一方、1〜15%の範囲の置換率ではメン
の硬さを低下することなく、粘りを付与することによっ
てなめらかさを持たせることが可能である。置換率15
%以上では硬さが低下して好ましくない。但し、多糖類
及びガム類の場合は小麦粉に対する置換率は1−15%
でも良いが、1〜5%が好ましい。即ち、澱粉の場合に
比べて多糖類及びガム類の場合の添加量の上限は若干低
い方が好ましい結果が得られる。
粉、乳化剤等もまた、メンのなめらかさや喉ごしの改善
のためには添加しても良い。
ら構成される穀粉に対して、一般的には所定量のトラン
スグルタミナーゼ、約1〜6%の食塩、約30〜50%
の水、中華メンの場合にはこれらにさらに約0.1ー1.
5%のかん水を加えた後、内容物全体に水が均一に分散
し、かつ、小さなダマ状になるまで約10分間ミキサー
にて混合する。この混合工程によりグルテンは吸水し、
粘着性、弾力性が生じると同時に小麦粉粒子間に浸透し
結合力が大きくなって、メン帯としての形成を可能とさ
せる機能を持つ。一般には、この混合次第で生地形成の
適否が生じてくる。
る。すなわち、一般には0.1〜5mmのクリアランス
をもつ圧延ローラー式の製メン機や、もしくは延べ棒を
用いて手で生地を延ばして得たシートを2枚ずつ複合圧
延することにより行う。この複合処理は回数が多いほど
メンとしてのコシは強くなるが、通常は2〜3回程度行
えばよい。この複合の効果はメン帯水分の分布の均一化
とグルテンの網目組織とその方向性の形成作用があり、
基本的にはできるだけ組織をメン帯全体に均一に分布さ
せることにある。
の熟成、即ち、ねかし処理をおこなう。但し、このねか
し工程は圧延や複合という成型処理の途中に行っても良
いが、一般には成型後に行われるのが最も一般的であ
る。ねかしの方法としてはメン帯からの水分の乾燥を防
ぎながら所定の温度に放置する。この処理によってメン
帯の均質化が進むと同時に組織の構造緩和がおこり加工
しやすくなると同時に、グルテン組織の形成も進行する
利点があり、熟成を経過したものは連続的に製造された
メンよりも食味が良くなる。この条件は高温短時間より
も、むしろ低温長時間の方が好ましい。その条件は0〜
30℃が好ましく、0〜10℃であると12時間〜3日
位が最適であり、20〜30℃であればり30分〜5時
間である。30℃以上であると10〜20分で十分であ
る。なお、30℃以上の高温でねかし処理をとトランス
グルタミナーゼの反応速度が早すぎるため緻密な組織を
持ったメンとはならず、脆い食感となって粘りが消失し
てしまうので注意を要する。
することによりメン線を製造する。このメン線を沸騰水
中に直接投入し、メン線の大きさにより異なるが通常1
〜60分間、好ましくは2〜30分間程度ボイルして、
ゆでメンを製造する。
付近まで下げるため酸溶液中に浸漬する。酸処理時の酸
の種類は、特に限定されるものではない。例えば、食
酢、クエン酸、酢酸、リンゴ酸等の有機酸を単独叉は組
み合わせて用いればよい。処理時間は、通常1〜60
分、好ましくは2〜30分である。
面殺菌を目的として、通常50ー90℃、好ましくは6
0℃〜70℃の温水中で通常5分〜2時間、好ましくは
15分〜60分間加熱することによって、本技術による
最終的な常温流通可能な各種のメンを得ることができ
る。。
の活性単位は、次のようにして測定され、かつ定義され
る。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニ
ルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行
い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在下で
鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、
ヒドロキサム酸の量を検量線より求め、活性を算出する
(特開昭64ー27471公報参照)。
類の製造に供せられるメン類改質用酵素製剤の提供でも
ある。すなわち、グルテン1重量部に対して、糖類を
0.03ー4重量部、及びトランスグルタミナーゼをグ
ルテン中のタンパク質1g当り0.5ー200ユニット
含有してなるメン類改質用酵素製剤を用いて、上述した
方法に従ってメン類を製造すれば、メン独特の粘りとコ
シのある食感を保持した常温流通可能なメン類を得るこ
とができる。
を用いることができる。澱粉としてはワキシー澱粉や各
種澱粉の酸処理加工品等、多糖類としてはコンニャクマ
ンナン等、ガム類としてはキサンタンガム、カラギーナ
ン等があげられる。その他の糖類としては、デキストリ
ン、もち米粉末等があげられる。これら糖類の中で、特
に酸処理加工澱粉が好ましい。また、グルテンとしては
小麦、とうもろこし等由来のグルテンを用いることがで
きる。しかし、好ましくは小麦グルテンを用いるのが良
い。トランスグルタミナーゼとしては哺乳動物由来のも
の、魚類由来のもの、植物由来のもの、微生物由来のも
のを、その由来を問わず使用できる。しかし、好ましく
は微生物由来のトランスグルタミナーゼ(特開昭64ー
27471参照)を用いるのがよい。もちろん、本酵素
製剤には必要に応じて、大豆タンパク、卵白、乳化剤等
の副原料、マンニトール等の安定化剤等を含有させても
良い。本発明のメン類改質用酵素製剤は中華メン、うど
ん、そば、及びマカロニ・グラタン等のパスタ等のいわ
ゆるメン類に広く用いることができるが、中華メンに用
いるのが好ましい。
が酸変性をうけ、メン独特の粘りとコシのある食感が消
失してしまう課題に対して、原料小麦粉の一部を、グル
テンと糖質に置換した組成物に対してトランスグルタミ
ナーゼを加えることによって、タンパク質間及びタンパ
ク質内の緻密なネットワーク構造をメン帯の中に形成さ
せ、酸処理によるメンの軟弱化を防止するものである。
もちろん、本発明はこれによって規定されるものではな
い。
麦グルテン(味の素社製「アジプロンG2」)300
g、酸処理加工澱粉(日本食品加工社製「マプス」)1
50g、放線菌ストレプトベルチィシリウムに属する微
生物(Streptoverticillium mobaraense IFO 1
3819 )起源のトランスグルタミナーゼ(比活性
1.04ユニット/mgのものを0g、0.57g(1ユニ
ット/g蛋白に相当)、2.85g(5ユニット/g蛋白)、
5.7g(10ユニット/g蛋白)、17.1g(30ユ
ニット/g蛋白)及び28.5g(50ユニット/g蛋白)の
各レベルで添加し、パウダーブレンダーで混合した。こ
の混合原料(タンパク質含量は約17%)に対して、食
塩30g、かん水30gを添加し、ついで水1200m
lを加えてからミキサーを用いて混合後、品川メン機社
製メン帯機にて成型しメン帯を調製した。これらのメン
帯を常温(25℃)で1時間サランラップでカバーして
放置後、同製メン機にてメン切りして生メンを得た。つ
いで沸騰水中で2.5分間ボイルしてゆでた後、軽く水
切りした。これを3倍に希釈した醸造酢に5分間浸漬し
てから、ビニール袋に充填包装した。ついで、70℃の
温浴中で30分間加熱することによって、トランスグル
タミナーゼ添加量の異なる6種類の中華メン試料を得
た。得られた試料を官能評価によって品質評価した。評
価パネルは5名で、評価項目はコシの強さとし、基準は
1〜5点の5段階評価で高スコアーほどコシが強いもの
とし、トランスグルタミナーゼ無添加試料を1点とし
て評価した。
点に対して、試料は1.8点、試料は4.5点、試
料は4.0点、試料はの2.5点、試料は1.2
点であった。試料、、、が食感的に優れていた
が、特に、及びがかたさと粘りにおいてより優れた
食感を有していた。
ンG2」(B)の配合比、A:B=3000(g):0(g)(タ
ンパク質約11%)、A:B=2800(g):200(g)(タン
パク質約16%)、A:B=2600(g):400(g)(タンパ
ク質約20%)、A:B=2400(g):600(g)(タンパク
質約25%)の4種類の各配合組成(合計3000g)に対
して、酸処理加工澱粉「マプス」100gを加え、パウ
ダーブレンダーにて混合した。この混合穀粉に対して、
食塩30g、かん水30gを水1000mlに溶解した
水溶液、さらに実施例1と同一のトランスグルタミナー
ゼを各混合穀粉のタンパク質1g当り5ユニット相当量
を水100mlに溶解した酵素溶液を加えてからミキサ
ーを用いて混合、ついで品川メン機社製製メン機にて成
型してメン帯を調製した。これらの生メンを常温(25
℃)で3時間サランラップでカバーして放置した。この
後、同製メン機でメン切りしてメン線とした。 ついで
沸騰水中で2.5分間ボイルしてゆでた後、軽く水切り
した。これを3倍に希釈した醸造酢に5分間浸漬してか
ら、ビニール袋に充填包装した。ついで、70℃の温浴
中で30分間加熱することによって、タンパク含量の異
なる4種類の中華メン試料を得た。得られた試料は実施
例1と同様の方法にて官能評価した。
0点に対して、試料は4.4点、試料は4.2点、
試料は3.0点であった。試料及びは非常にコシ
があり好ましい食感であった。試料は、にくらべ
て若干スコアーが低下したが、それでも対照と比較する
と食感は好ましかった。。
グルテン「アジプロンG2」200g、酸処理タピオカ
澱粉(東海澱粉社製「葵」)100gの混合穀粉(タン
パク質約17%)に対して、水700gに食塩60gを
溶解した食塩水、及び実施例1と同一のトランスグルタ
ミナーゼ1gを水200gに溶解した酵素溶液を加えた
後、パウダーブレンダーにて約10分間混合した(トラ
ンスグルタミナーゼの添加量は約3ユニット/g蛋白に
相当)。この生地を製メン機にて荒延べ、複合、圧延処
理を行った後、25℃で1時間ねかしてから最終メン帯
厚さ2.5mmにメン切りし、生うどんを得た。この生
うどんを沸騰水中で16分間ゆでて、ゆでメンを得た。
ついで、3倍に希釈した醸造酢に5分間浸漬してから、
ビニール袋に充填包装してから、70℃の温浴中で30
分間加熱することによって、うどん試料を得た。尚、
対照として中力小麦粉の一部を小麦グルテンと加工澱粉
で置換せず、かつトランスグルタミナーゼを添加しない
系、即ち中力小麦粉2000gに食塩60g、水900
gからなる組成物を、他は上述と同様の工程で処理した
うどん試料を調製した。得られた2種類の試料を実施
例1と同様の方法にて官能評価した。
点に対して、試料は4.8点であり、明らかにコシと
なめらかさの点で対照のものと比べて差別化され好まし
かった。
麦グルテン「アジプロンG2」200g、酸処理加工澱
粉「マプス」200gに対して、水740gに食塩12
0gを溶解した食塩水、及び実施例1と同一のトランス
グルタミナーゼ2gを水200gに溶解した酵素溶液を
加えた後、パウダーブレンダーにて約10分間混合し
た。尚、トランスグルタミナーゼの添加量は10ユニッ
ト/g蛋白に該当する。次に、この生地を製メン機にて
荒延べ、複合、圧延処理を行った後、10℃で16時間
ねかしてから最終メン帯厚さ2.5mmにメン切りし、
日本そばを得た。この生そばを沸騰水中で16分間ゆで
て、ゆでメンを得た。ついで、3倍に希釈した醸造酢に
5分間浸漬してから、ビニール袋に充填包装してから、
70℃の温浴中で30分間加熱することによって、日本
そば試料を得た。尚、対照として小麦粉の一部を小麦
グルテンと加工澱粉で置換せず、かつトランスグルタミ
ナーゼを添加しない系、即ち中力小麦粉2000gに食
塩120g、水940gからなる組成物を、他は上述と
同様の工程で処理した日本そば試料を調製した。得ら
れた2種類の試料を実施例1と同様の方法にて官能評価
した。
点に対して、試料は4.5点であり、対照のものと比
べて明らかに硬くなめらかで好ましかった。
麦グルテン(味の素社製「アジプロンG2」)300
g、酸処理加工澱粉(日本食品加工社製「マプス」)1
50g、実施例1記載のトランスグルタミナーゼを、各
々0g(0ユニット/g蛋白)2.85g(5ユニット/g蛋
白)添加し、パウダーブレンダーで混合する。この混合
原料に対して、食塩30g、かん水9gを添加し、つい
で水1200mlを加えてからミキサーを用いて混合
後、品川メン機社製メン帯機にて成型しメン帯を調製し
た。これらのメン帯を常温(25℃)で1時間サランラ
ップでカバーして放置後、同製メン機にてメン切りして
生メンを得た。ついで沸騰水中で2.5分間ボイルして
ゆでた後、軽く水切りした。これを3倍に希釈した醸造
酢に3分間浸漬後、レトルト用包材に充填した。これを
レトルト装置により、121℃で5分(F0=6以上)
の高温加熱処理を行い、2種類の試料を得た。これらの
試料を実施例1と同様の官能評価によって品質評価し
た。
点に対して、試料は4.7点を示し、試料はコシ、
粘りにおいてより優れた食感を有していた。
と粘りの低下に伴うコシの消失が防止されたメン類の提
供を可能とするものである。また、本発明により得られ
るメン類は従来からの常温流通化のためにとられている
レトルト処理にくらべて品質的に優れている。さらに本
発明の技術は安価な加工費で製造できるという経済的に
も優位なものである。以上の点から、本発明は将来の食
生活に対応して、メン類の流通形態をより多様化する際
の品質、簡便性及び経済性の観点から大いにに貢献でき
るものであると考える。尚、本発明者らは本発明の効果
はトランスグルタミナーゼにより、タンパク質間及びタ
ンパク質内のネットワーク構造をメン帯中に形成させる
ことによって、ゆでメンの酸処理時のメン帯の低pH化
によるメン食感の軟弱化が防止できるからと考えてい
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 小麦粉、グルテン、並びに澱粉、多糖
類、ガム類、デキストリン及びもち米粉末からなる群よ
り選ばれる糖類からなる穀類組成物に(1)トランスグ
ルタミナーゼ、食塩、水を添加後、(2)混練し、
(3)混練されたメン生地を成型してメン帯とし、
(4)次に、ゆで処理することによりゆで生メンを得、
(5)その後、酸処理することを特徴とする常温流通可
能なメン類の製造法。 - 【請求項2】 グルテンが小麦グルテンである請求項1
記載の製造法。 - 【請求項3】 糖類が酸処理加工澱粉である請求項1記
載の製造法。 - 【請求項4】 トランスグルタミナーゼを穀類組成物中
のタンパク質1g当り1ー30ユニット添加するもので
ある請求項1記載の製造法。 - 【請求項5】 かんすいをトランスグルタミナーゼ、食
塩、水と共に添加することを特徴とする請求項1記載の
製造法。 - 【請求項6】 メン帯を作製した後0ー30℃でねかせ
ることを特徴とする請求項1記載の製造法。 - 【請求項7】 メン類が中華メンである請求項1記載の
製造法。 - 【請求項8】 グルテン1重量部に対して、澱粉、多糖
類、ガム類、デキストリン及びもち米粉末からなる群よ
り選ばれる糖類を0.03ー4重量部、及びトランスグ
ルタミナーゼをグルテン中のタンパク質1g当り0.5
ー200ユニット含有してなるメン類改質用酵素製剤。 - 【請求項9】 糖類が酸処理加工澱粉である請求項8記
載のメン類改質用酵素製剤。 - 【請求項10】 グルテンが小麦グルテンである請求項
8記載のメン類改質用酵素製剤。 - 【請求項11】 メン類が中華メンである請求項8記載
のメン類改質用酵素製剤。
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