JP3119895B2 - 低カロリー油脂 - Google Patents
低カロリー油脂Info
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- JP3119895B2 JP3119895B2 JP03148063A JP14806391A JP3119895B2 JP 3119895 B2 JP3119895 B2 JP 3119895B2 JP 03148063 A JP03148063 A JP 03148063A JP 14806391 A JP14806391 A JP 14806391A JP 3119895 B2 JP3119895 B2 JP 3119895B2
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- Japan
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- fat
- medium
- triglyceride
- fatty acid
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- Confectionery (AREA)
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然の油脂と類似した
構造を有する低カロリー油脂に関するものである。
構造を有する低カロリー油脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】肥満は、好ましくない現象として考えら
れているが、現代社会においてかなり蔓延しており、そ
の原因は消費カロリーよりも摂取されるカロリーが多い
ことによる。そこで食事のカロリー値を適正にすること
が、肥満の防止にとって効果的であると考えられてい
る。
れているが、現代社会においてかなり蔓延しており、そ
の原因は消費カロリーよりも摂取されるカロリーが多い
ことによる。そこで食事のカロリー値を適正にすること
が、肥満の防止にとって効果的であると考えられてい
る。
【0003】洋風の食品は一般に高レベルの脂肪を含ん
でおり、風味と食感に寄与している。しかしながら脂肪
は、炭水化物および蛋白質の2倍以上のカロリー密度を
有する。このため摂取カロリーの適正化のためには、脂
肪の摂取量を低下することが有効である。この洋風の風
味を損なわずに、脂肪から摂取されるカロリーを減らす
という、2つの相反する課題を解決するために種々の試
みがなされてきた。
でおり、風味と食感に寄与している。しかしながら脂肪
は、炭水化物および蛋白質の2倍以上のカロリー密度を
有する。このため摂取カロリーの適正化のためには、脂
肪の摂取量を低下することが有効である。この洋風の風
味を損なわずに、脂肪から摂取されるカロリーを減らす
という、2つの相反する課題を解決するために種々の試
みがなされてきた。
【0004】例えば米国特許第3,600,186号に
おいてMattsonらは、ショ糖などの糖とオレイン酸など
の脂肪酸とのポリエステルが消化吸収されないことを利
用して、脂肪の持つ食感および風味が通常の油脂と変わ
らない低カロリー油脂として使用することを述べてい
る。しかしながら、液状のショ糖ポリエステルには肛門
漏出という好ましくない副作用があった。
おいてMattsonらは、ショ糖などの糖とオレイン酸など
の脂肪酸とのポリエステルが消化吸収されないことを利
用して、脂肪の持つ食感および風味が通常の油脂と変わ
らない低カロリー油脂として使用することを述べてい
る。しかしながら、液状のショ糖ポリエステルには肛門
漏出という好ましくない副作用があった。
【0005】この副作用を防止する方法が、Jandacekに
よって米国特許第4,005,195号として提出され
た。これは、遊離の飽和脂肪酸,飽和脂肪酸を含有する
トリグリセリドまたは飽和脂肪酸を含有するショ糖脂肪
酸エステルを、肛門漏出防止剤としてショ糖ポリエステ
ルに添加することで副作用を防止する方法である。
よって米国特許第4,005,195号として提出され
た。これは、遊離の飽和脂肪酸,飽和脂肪酸を含有する
トリグリセリドまたは飽和脂肪酸を含有するショ糖脂肪
酸エステルを、肛門漏出防止剤としてショ糖ポリエステ
ルに添加することで副作用を防止する方法である。
【0006】飽和脂肪酸を含有するショ糖脂肪酸エステ
ルを、肛門漏出防止剤として使用する方法については、
その後多くの改良特許が出願されている(特開昭63−
222671,特開昭64−2533,特開昭64−6
288,特開昭64−34244,特開昭64−342
45,特開昭64−34918)。
ルを、肛門漏出防止剤として使用する方法については、
その後多くの改良特許が出願されている(特開昭63−
222671,特開昭64−2533,特開昭64−6
288,特開昭64−34244,特開昭64−342
45,特開昭64−34918)。
【0007】以上は、いずれも天然には存在しない構造
の低カロリー油脂に関する技術である。
の低カロリー油脂に関する技術である。
【0008】これに対し、天然物を原料とする低カロリ
ー油脂としては、天然の油脂を水素添加して得られるベ
ヘン酸と中鎖脂肪酸をエステル交換し、得られるグリセ
リドを低カロリー油脂として用いる発明が出願されてい
る(特開平2−1799,特開平2−158695)。
ー油脂としては、天然の油脂を水素添加して得られるベ
ヘン酸と中鎖脂肪酸をエステル交換し、得られるグリセ
リドを低カロリー油脂として用いる発明が出願されてい
る(特開平2−1799,特開平2−158695)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】天然に存在しない構造
の物質は、消化されないものが容易に得られるが、反面
イメージ的に消費者に受け入れられ難いという欠点があ
る。このため肛門漏出などの副作用が報告されると、こ
れを防止する方法が提案されても、その有効性および安
全性の証明に時間を要することになる。
の物質は、消化されないものが容易に得られるが、反面
イメージ的に消費者に受け入れられ難いという欠点があ
る。このため肛門漏出などの副作用が報告されると、こ
れを防止する方法が提案されても、その有効性および安
全性の証明に時間を要することになる。
【0010】次にベヘン酸と中鎖脂肪酸とのエステル交
換によるトリグリセリドについてはベヘン酸の精製に複
雑な工程を要し、その結果として原料歩留まりが低く、
製造コストが高くなるという欠点がみられる。以上の欠
点を克服するために、入手が比較的容易な原料を用い
て、天然の油脂と類似した構造を持ち、かつ肛門漏出の
ない低カロリー油脂を提供することが、本発明の目的で
ある。
換によるトリグリセリドについてはベヘン酸の精製に複
雑な工程を要し、その結果として原料歩留まりが低く、
製造コストが高くなるという欠点がみられる。以上の欠
点を克服するために、入手が比較的容易な原料を用い
て、天然の油脂と類似した構造を持ち、かつ肛門漏出の
ない低カロリー油脂を提供することが、本発明の目的で
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、ヒドロキ
シ脂肪酸と中鎖脂肪酸とを構成成分とするグリセリドの
1種または2種以上を含有してなる低カロリー油脂であ
る。
シ脂肪酸と中鎖脂肪酸とを構成成分とするグリセリドの
1種または2種以上を含有してなる低カロリー油脂であ
る。
【0012】ヒドロキシ脂肪酸としては、12−ヒドロ
キシステアリン酸,10−ヒドロキシステアリン酸など
が使用できる。前者は、ヒマシ油を水素添加して得られ
るヒマシ硬化油の主成分(約90%)として得ることが
できる。また後者は、例えばシュードモナス属(Pseudo
monas sp. )やノカルディア属(Nocardia sp.)の菌株
により生産されたものを用いる。
キシステアリン酸,10−ヒドロキシステアリン酸など
が使用できる。前者は、ヒマシ油を水素添加して得られ
るヒマシ硬化油の主成分(約90%)として得ることが
できる。また後者は、例えばシュードモナス属(Pseudo
monas sp. )やノカルディア属(Nocardia sp.)の菌株
により生産されたものを用いる。
【0013】中鎖脂肪酸としては、市販のMCT(例え
ば炭素数が6,8,10,12などの中鎖脂肪酸から構
成されるトリグリセリド)として使用することができ、
市販品としては「ODO」(日清製油(株)製、商品
名)がある。
ば炭素数が6,8,10,12などの中鎖脂肪酸から構
成されるトリグリセリド)として使用することができ、
市販品としては「ODO」(日清製油(株)製、商品
名)がある。
【0014】本発明の低カロリー油脂を得るには、上記
のヒドロキシ脂肪酸またはそのトリグリセリド(例えば
ヒマシ硬化油)と中鎖脂肪酸またはそのトリグリセリド
とをエステル交換する。エステル交換は、ナトリウムメ
トキシドを触媒として非選択的に行っても、また固定化
リパーゼなどを用いて選択的に行ってもよい。
のヒドロキシ脂肪酸またはそのトリグリセリド(例えば
ヒマシ硬化油)と中鎖脂肪酸またはそのトリグリセリド
とをエステル交換する。エステル交換は、ナトリウムメ
トキシドを触媒として非選択的に行っても、また固定化
リパーゼなどを用いて選択的に行ってもよい。
【0015】非選択的エステル交換の場合は、確率に従
って次の4種類のトリグリセリド、即ちJJJ,JJ
M,JMM,MMM(ここでJ:ヒドロキシ脂肪酸,
M:中鎖脂肪酸)が得られるので、そのうちで本発明に
適合するJJMおよびJMMを分別などの手段により濃
縮する。
って次の4種類のトリグリセリド、即ちJJJ,JJ
M,JMM,MMM(ここでJ:ヒドロキシ脂肪酸,
M:中鎖脂肪酸)が得られるので、そのうちで本発明に
適合するJJMおよびJMMを分別などの手段により濃
縮する。
【0016】選択的にエステル交換を行う場合に、トリ
グリセリド同士を反応させると2位の脂肪酸が2種類あ
るトリグリセリドが生成するので、非選択的なエステル
交換と大差がない。これに対し、ヒドロキシ脂肪酸のト
リグリセリドと中鎖脂肪酸とを反応させたときは2位に
Jが入り、中鎖脂肪酸のトリグリセリドとヒドロキシ脂
肪酸とを反応させたときには2位にMが入ることにな
る。従って、選択的エステル交換の場合は、反応原料を
選択することによって生成するトリグリセリド組成を調
整することができる。
グリセリド同士を反応させると2位の脂肪酸が2種類あ
るトリグリセリドが生成するので、非選択的なエステル
交換と大差がない。これに対し、ヒドロキシ脂肪酸のト
リグリセリドと中鎖脂肪酸とを反応させたときは2位に
Jが入り、中鎖脂肪酸のトリグリセリドとヒドロキシ脂
肪酸とを反応させたときには2位にMが入ることにな
る。従って、選択的エステル交換の場合は、反応原料を
選択することによって生成するトリグリセリド組成を調
整することができる。
【0017】エステル交換,分別などを行ったのちは、
通常の油脂と同様にして精製する。
通常の油脂と同様にして精製する。
【0018】以上のような工程で製造された本発明の低
カロリー油脂は、人間の体温で融解する固形脂であって
通常の固形脂と同様に食用に用いることができる。一例
として、ポテトチップなどのスナックのフライ油として
用いる場合には、低カロリーであると同時に、酸化安定
性の優れたスナックが製造される。またホイップクリー
ムおよびラクトアイス用としても、物性的にも風味的に
も問題のない低カロリーの製品が製造できる。
カロリー油脂は、人間の体温で融解する固形脂であって
通常の固形脂と同様に食用に用いることができる。一例
として、ポテトチップなどのスナックのフライ油として
用いる場合には、低カロリーであると同時に、酸化安定
性の優れたスナックが製造される。またホイップクリー
ムおよびラクトアイス用としても、物性的にも風味的に
も問題のない低カロリーの製品が製造できる。
【0019】
【実施例】実施例1 ヒマシ硬化油100gおよび中鎖脂肪酸のトリグリセリ
ド(日清製油(株)製:商品名「ODO」、以下同じ)
100gを四ツ口フラスコに取り、減圧乾燥してから8
0℃に加温して融解した。触媒としてナトリウムメトキ
シドを0.5gを加えてから、真空下に90℃として1
時間ランダムエステル交換させた後、冷却して75%リ
ン酸水溶液0.4gで中和して反応を停止した。水洗後
減圧乾燥し、さらに珪藻土30gを濾過助剤として加え
てから、珪藻土を敷いたブフナー漏斗で濾過して、反応
生成物150gを得た。
ド(日清製油(株)製:商品名「ODO」、以下同じ)
100gを四ツ口フラスコに取り、減圧乾燥してから8
0℃に加温して融解した。触媒としてナトリウムメトキ
シドを0.5gを加えてから、真空下に90℃として1
時間ランダムエステル交換させた後、冷却して75%リ
ン酸水溶液0.4gで中和して反応を停止した。水洗後
減圧乾燥し、さらに珪藻土30gを濾過助剤として加え
てから、珪藻土を敷いたブフナー漏斗で濾過して、反応
生成物150gを得た。
【0020】反応生成物150gにヘキサン600mlを
加えてから50℃に加温して完全に溶解し、20℃に冷
却して20時間静置して高融点のトリグリセリド(JJ
JおよびJJMの一部)を結晶化させ、濾過で除去し
た。次に濾液を5℃に冷却して20時間静置して中融点
のトリグリセリド(JMMおよびJJMの一部)を結晶
化させ濾過によって分別した。中融点区分を脱溶剤して
から油脂の精製法に従って脱色,脱臭したところ、精製
トリグリセリドが50g得られた。
加えてから50℃に加温して完全に溶解し、20℃に冷
却して20時間静置して高融点のトリグリセリド(JJ
JおよびJJMの一部)を結晶化させ、濾過で除去し
た。次に濾液を5℃に冷却して20時間静置して中融点
のトリグリセリド(JMMおよびJJMの一部)を結晶
化させ濾過によって分別した。中融点区分を脱溶剤して
から油脂の精製法に従って脱色,脱臭したところ、精製
トリグリセリドが50g得られた。
【0021】実施例2 ヒマシ硬化油10kgおよび中鎖脂肪酸トリグリセリド1
2kgを原料として実施例1と同様の工程で処理し、精製
トリグリセリド5kgを得た。このトリグリセリドをGL
Cで分析したところJMMが85%でありJJMが10
%であった。
2kgを原料として実施例1と同様の工程で処理し、精製
トリグリセリド5kgを得た。このトリグリセリドをGL
Cで分析したところJMMが85%でありJJMが10
%であった。
【0022】実験動物用無脂肪配合飼料85部に、この
精製トリグリセリド15部を加え、ラットに1週間投与
した。投与3日後から糞を集めて、塩酸を加えて酸性と
してから脂質を抽出したところ、脂質中の60%は12
−ヒドロキシステアリン酸であり、30%は12−ヒド
ロキシステアリン酸のモノグリセリドであった。次にラ
ットの摂取量と排泄量を比較したところ、摂取脂肪の5
5%が排泄されていた。この結果から、低カロリー油脂
であることが確認された。
精製トリグリセリド15部を加え、ラットに1週間投与
した。投与3日後から糞を集めて、塩酸を加えて酸性と
してから脂質を抽出したところ、脂質中の60%は12
−ヒドロキシステアリン酸であり、30%は12−ヒド
ロキシステアリン酸のモノグリセリドであった。次にラ
ットの摂取量と排泄量を比較したところ、摂取脂肪の5
5%が排泄されていた。この結果から、低カロリー油脂
であることが確認された。
【0023】実施例3 12−ヒドロキシステアリン酸600g(2モル)を中
鎖脂肪酸のトリグリセリド500g(1モル)に60℃
に加温して融解してから、リパーゼ(ノボノルディスク
社製:「LIPOZYME」)5リットルを充填したカ
ラムに供し60℃で選択的エステル交換を行った。
鎖脂肪酸のトリグリセリド500g(1モル)に60℃
に加温して融解してから、リパーゼ(ノボノルディスク
社製:「LIPOZYME」)5リットルを充填したカ
ラムに供し60℃で選択的エステル交換を行った。
【0024】反応生成物1kgをヘキサン5リットルと混
合し25℃に20時間静置して、高融点成分(12−ヒ
ドロキシステアリン酸,JJJおよびJJMの一部)を
結晶化させ濾過によって除去した。次に濾液を5℃に冷
却して20時間静置して中融点のトリグリセリド(JM
MおよびJJMの一部)を結晶化させ濾過によって分別
した。中融点区分を活性白土で脱色してから、減圧下2
00℃で水蒸気蒸留して遊離の中鎖脂肪酸および臭成分
を除去し、精製トリグリセリドを300g得た。
合し25℃に20時間静置して、高融点成分(12−ヒ
ドロキシステアリン酸,JJJおよびJJMの一部)を
結晶化させ濾過によって除去した。次に濾液を5℃に冷
却して20時間静置して中融点のトリグリセリド(JM
MおよびJJMの一部)を結晶化させ濾過によって分別
した。中融点区分を活性白土で脱色してから、減圧下2
00℃で水蒸気蒸留して遊離の中鎖脂肪酸および臭成分
を除去し、精製トリグリセリドを300g得た。
【0025】実験動物用無脂肪配合飼料85部にこの精
製トリグリセリド15部を加えて、ラットに1週間投与
した。投与3日後から糞を集めて、塩酸を加えて酸性と
してから脂質を抽出したところ、脂質中の90%は12
−ヒドロキシステアリン酸であった。次にラットの摂取
量と排泄量を比較したところ、摂取脂肪の60%が排泄
されていたので低カロリー油脂であることが確認され
た。
製トリグリセリド15部を加えて、ラットに1週間投与
した。投与3日後から糞を集めて、塩酸を加えて酸性と
してから脂質を抽出したところ、脂質中の90%は12
−ヒドロキシステアリン酸であった。次にラットの摂取
量と排泄量を比較したところ、摂取脂肪の60%が排泄
されていたので低カロリー油脂であることが確認され
た。
【0026】実施例4 12−ヒドロキシステアリン酸450g(1.5モル)
と中鎖脂肪酸のトリグリセリド500g(1モル)をあ
らかじめ40℃でヘキサン2リットルに溶解してから、
実施例3記載のリパーゼ5リットルを充填したカラムに
供し、40℃で選択的エステル交換を行った。
と中鎖脂肪酸のトリグリセリド500g(1モル)をあ
らかじめ40℃でヘキサン2リットルに溶解してから、
実施例3記載のリパーゼ5リットルを充填したカラムに
供し、40℃で選択的エステル交換を行った。
【0027】反応生成物を30℃に20時間静置して、
高融点成分(12−ヒドロキシステアリン酸,JJJお
よびJJMの一部)を結晶化させ濾過によって除去し
た。以下、実施例3と同様に分別および精製を行って精
製トリグリセリドを得た。
高融点成分(12−ヒドロキシステアリン酸,JJJお
よびJJMの一部)を結晶化させ濾過によって除去し
た。以下、実施例3と同様に分別および精製を行って精
製トリグリセリドを得た。
【0028】実施例5 ノカルディア属の微生物、ノカルディア エスピー(No
cardia sp.、NRRL#5635)を、酵母エキス
(0.4重量%),麦芽エキス(1重量%)およびグル
コース(0.4重量%)を含む培地5リットルで培養
(25℃,34時間,150rpm で振とう)し、遠心分
離して得た湿菌体約30gを0.1モルリン酸緩衝液
(100ml,pH6.5)に加え、さらにオレイン酸1
3.5gを添加して、25℃,48時間,150rpm で
振とうした。生成した脂質をヘキサンで抽出し、脱溶剤
後、その脂肪酸組成をGLCで分析したところ95%が
10−ヒドロキシステアリン酸であった(収量:11
g)。
cardia sp.、NRRL#5635)を、酵母エキス
(0.4重量%),麦芽エキス(1重量%)およびグル
コース(0.4重量%)を含む培地5リットルで培養
(25℃,34時間,150rpm で振とう)し、遠心分
離して得た湿菌体約30gを0.1モルリン酸緩衝液
(100ml,pH6.5)に加え、さらにオレイン酸1
3.5gを添加して、25℃,48時間,150rpm で
振とうした。生成した脂質をヘキサンで抽出し、脱溶剤
後、その脂肪酸組成をGLCで分析したところ95%が
10−ヒドロキシステアリン酸であった(収量:11
g)。
【0029】次に、該10−ヒドロキシステアリン酸:
中鎖脂肪酸トリグリセリド=1:1(モル比)の比率で
原料を混合(26g)し、実施例4と同様の方法でリパ
ーゼ(キャンディダ リポリティカ(Candida lypolyti
ca)由来、天野製薬(株)製:商品名「Lipase
L」)を用いたランダムエステル交換(40−50℃)
を行い、常法によって中鎖脂肪酸および未反応の中鎖脂
肪酸グリセリドを減圧留去して本発明のグリセリド(1
0g)を得た。
中鎖脂肪酸トリグリセリド=1:1(モル比)の比率で
原料を混合(26g)し、実施例4と同様の方法でリパ
ーゼ(キャンディダ リポリティカ(Candida lypolyti
ca)由来、天野製薬(株)製:商品名「Lipase
L」)を用いたランダムエステル交換(40−50℃)
を行い、常法によって中鎖脂肪酸および未反応の中鎖脂
肪酸グリセリドを減圧留去して本発明のグリセリド(1
0g)を得た。
【0030】
【発明の効果】本発明の油脂は、体内で消化作用を受け
るが、その構成脂肪酸であるヒドロキシ脂肪酸が高融点
であるので、小腸で吸収されず糞中に排泄される。しか
も、他の構成脂肪酸が中鎖脂肪酸であるので、トリグリ
セリド中のヒドロキシ脂肪酸の重量比が、トリグリセリ
ド中に1個の場合でも50%以上になるため、全体とし
てエネルギーの低下効果が大きい。以上の点から、本発
明の油脂は、低カロリー油脂として優れたものになる。
また、消化作用により生ずる分解生成物は分子中に水酸
基を含むので、乳化作用があり糞と混じりやすく、また
高融点なので、あたかも不溶性の食物繊維のように排泄
され、肛門漏出の問題が起こらない。
るが、その構成脂肪酸であるヒドロキシ脂肪酸が高融点
であるので、小腸で吸収されず糞中に排泄される。しか
も、他の構成脂肪酸が中鎖脂肪酸であるので、トリグリ
セリド中のヒドロキシ脂肪酸の重量比が、トリグリセリ
ド中に1個の場合でも50%以上になるため、全体とし
てエネルギーの低下効果が大きい。以上の点から、本発
明の油脂は、低カロリー油脂として優れたものになる。
また、消化作用により生ずる分解生成物は分子中に水酸
基を含むので、乳化作用があり糞と混じりやすく、また
高融点なので、あたかも不溶性の食物繊維のように排泄
され、肛門漏出の問題が起こらない。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 9/007 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)
Claims (2)
- 【請求項1】 ヒドロキシ脂肪酸と中鎖脂肪酸とを構成
成分とするグリセリドの1種または2種以上を含有して
なる低カロリー油脂。 - 【請求項2】 請求項1において、ヒドロキシ脂肪酸が
12−ヒドロキシステアリン酸である低カロリー油脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03148063A JP3119895B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 低カロリー油脂 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03148063A JP3119895B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 低カロリー油脂 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04346751A JPH04346751A (ja) | 1992-12-02 |
JP3119895B2 true JP3119895B2 (ja) | 2000-12-25 |
Family
ID=15444365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03148063A Expired - Fee Related JP3119895B2 (ja) | 1991-05-24 | 1991-05-24 | 低カロリー油脂 |
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---|---|
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---|---|---|---|---|
US20020001661A1 (en) * | 2000-02-17 | 2002-01-03 | Damodara Gopal | Low calorie fat compositions |
JP2009051732A (ja) * | 2005-12-13 | 2009-03-12 | Meiji Seika Kaisha Ltd | Pparリガンド活性を有する組成物 |
WO2009081916A1 (ja) | 2007-12-20 | 2009-07-02 | Fuji Oil Company, Limited | 油性食品並びにその製造法 |
JPWO2023063175A1 (ja) * | 2021-10-13 | 2023-04-20 |
-
1991
- 1991-05-24 JP JP03148063A patent/JP3119895B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
---|
J.Pharmacol.Exp.Ther.225(2)p.269−274 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04346751A (ja) | 1992-12-02 |
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