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JP2545480B2 - 機能性食品素材 - Google Patents

機能性食品素材

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JP2545480B2
JP2545480B2 JP2057438A JP5743890A JP2545480B2 JP 2545480 B2 JP2545480 B2 JP 2545480B2 JP 2057438 A JP2057438 A JP 2057438A JP 5743890 A JP5743890 A JP 5743890A JP 2545480 B2 JP2545480 B2 JP 2545480B2
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glyceride
royal jelly
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acid
rats
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  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は薬理作用を有する機能性食品素材に関するも
のである。
[従来の技術] 近年、国民の健康意識の高揚とともに、食品に栄養源
としての価値以外の付加価値を見出し、機能性(例え
ば、薬理作用)を持たせたいわゆる機能性食品と呼ばれ
る素材が開発されている。その中でも脂質関連の機能性
食品として、レシチン、アイコサペンタエン酸、リノー
ル酸、γ−リノレン酸、γ−オリザノール、オクタコサ
ノール、植物ステロール等がある。
又、働き蜂の分泌物であるローヤルゼリーは旧くから
滋養、強壮、老化抑制等の作用があるものとして注目さ
れている。ローヤルゼリー中には10−ヒドロキシデセン
酸、プテリン誘導体、R物質、ビタミン、ミネラル、ワ
ックス等が成分として含まれており、10−ヒドロキシデ
セン酸はその中でも薬理効果(保存性、殺菌性)のある
物質であることが確認されている。通常ローヤルゼリー
は生の状態のままか、又はローヤルゼリー中に含まれる
蛋白質を除去した脱タンパク型のローヤルゼリー、乾燥
ローヤルゼリー等の形態で使用されている。又、10−ヒ
ドロキシデセン酸成分のみを高度に精製した製品もある
が、限定された用途、例えば試薬用として用いられてい
るのみである。又、10−ヒドロキシデセン酸は何ら修飾
されることなくフリーの酸の状態で提供されているのが
現状である。
[発明が解決しようとする課題] ところが、生のローヤルゼリーは常温では腐敗し易
く、粘稠で特有の臭いがあるためそのままでは摂取し難
い。又、10−ヒドロキシデセン酸をフリーの状態で摂取
した場合は体内での吸収効率が悪いという問題がある。
さらに、従来のローヤルゼリー及びその加工品はいずれ
も疲労回復などを目的として、薬と同様な感覚でほとん
ど単独で摂取されていた。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は日常摂取する食品に混合した状態で保存
安定性が良く、自然な形態としての食品とともに摂取す
ることが可能で薬理作用を発揮する機能性食品素材を提
供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本願発明者らは、機能性食品の機能性とは別に食品加
工、保存にとって高い付加価値を併せもつ食品素材につ
いて研究を重ね、ローヤルゼリーの脂質画分を含む原料
に、グリセリンと酵素としてのリパーゼを加え、ローヤ
ルゼリーの脂質画分とグリセリンを反応させて合成され
たグリセライドを含有する機能性食品素材が前記の目的
を達成するものであることを見出した。
本発明の機能性食品素材が食品に添加する保存剤、殺
菌剤、乳化剤等として使用すると、そのもの自体がもつ
血圧及びコレステロール値を下げる薬理作用により、高
血圧症等の成分病の予防、疾病の治療への応用が期待で
きる。
原料として用いるローヤルゼリーは生、加工したもの
のいずれであってもよく、産地も限定されない。このロ
ーヤルゼリーをエタノール、クロロホルム、ヘキサン等
の有機溶剤又は水と混和した有機溶剤により処理して脂
質に富んだ画分を抽出し、抽出液をそのままあるいは適
当な濃度に濃縮する。有機溶剤として低級アルコールを
使用した場合は脂質成分の10−ヒドロキシデセン酸はフ
リーの酸の状態ではなく、使用したアルコールのエステ
ルとの混合物として抽出される。ローヤルゼリー1に対
して2倍量のエタノールで処理した後の濃縮物を分析し
たところ、10−ヒドロキシデセン酸2%、デカン酸0.3
%、ブドウ糖2%、ショ糖1.8%、ステロール(ステリ
ン)0.2%、ワックス0.32%(値はいずれも原料に対す
る百分率)等であった。ブドウ糖及びショ糖は脂質では
ないが、エタノールに溶解するため脂質とともに抽出さ
れる。
この濃縮物のままでも機能性食品素材として用いられ
るが、このものを修飾してグリセライドとしたものが特
に機能性食品素材として優れている。前記濃縮物から10
−ヒドロキシデセン酸等の脂質と糖との分離が必要な場
合は、濃縮物を50℃程度に加温すると脂質層と糖層に分
離するのでその状態で容易に分別される。又、10−ヒド
ロキシデセン酸等の炭素鎖10個の脂肪酸を高純度で得た
い場合には、シリカゲルクロマトグラフィーや順相、逆
相、イオン交換等の各液体クロマトグラフィーを利用し
た高速分取液体クロマトグラフィーにより精製すればよ
い。
グリセライドとするには前記濃縮物又は精製したもの
を水分が0.005〜20%となるように調製し、これにリパ
ーゼを作用させる。リパーゼによるグリセライドの合成
に関しては従来より数多くの文献があり、詳しい説明は
省略する。目的とする生成物がモノグリセライド、ジグ
リセライド、トリグリセライドのいずれであるかによっ
て起源の異なるリパーゼが使用される。
例えば、カンジダ(Candida)属、コリネバクテリウ
ム(Corynebacterium)属、スタフィロコッカス(Staph
ylococcus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属のリ
パーゼを用いた場合は特異性を示さないので、1,3位に
特異性をもたせたい場合にはアスペルギルス(Aspergil
lus)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)
属のものが使用される。その他ゲオトリカム(Geotrich
um)属のリパーゼも使用しうる。これらは単独あるいは
任意に組み合わせて使用される。
反応は前記リパーゼをそのまま用いてもよいが、固定
化担体に結合させて反応の連続化を行うことがコスト面
からも好ましい。反応温度は通常20〜60℃の範囲で20〜
50時間反応させる。酵素量は500〜50000単位であるが、
基質使用量及び反応時間により適宜選択する。
反応基質はローヤルゼリー中の脂肪酸及びそのエステ
ルと、グリセリン又は部分グリセライドとの混合物であ
る。ローヤルゼリーの有機溶剤抽出物を乾固してエキス
とし、そのものに熱を加えることにより脂肪酸を多く含
む画分が得られる。この画分に含まれる脂肪酸としては
10−ヒドロキシデセン酸、カプリン酸、その他少量のス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸等がある。又、ロ
ーヤルゼリーから脂質画分を抽出する際に有機溶剤とし
てメチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコ
ールを使用すると、前記脂肪酸がフリーの有機酸として
ではなく当該低級アルコールのエステルとして抽出され
るので、そのエステルを反応基質として用いる。部分グ
リセライドとしてはモノグリセライド、ジグリセライド
が使用され、化学的合成法によるか、トリグリセライド
を加水分解して得られたものを用いることができる。
反応終了後、有機溶剤層を採る。これをゲル濾過によ
りトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライ
ドに分別できるが、混合物の状態でも何ら問題はない。
又、グリセライド以外にローヤルゼリー中の脂質画分が
入ってもよい。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
[実施例1] グリセリン1.5g、ヘキサン20gに水分1%を含むロー
ヤルゼリーの脂質画分2gを添加し、これにリパーゼとし
てパンクレアチンF(商品名、天野製薬(株)製)を10
000ユニット加え、30℃で40時間反応させた。その後ヘ
キサン層を分取し、高速液体クロマトグラフLC−8A
((株)島津製作所製)によりグリセライド画分と脂肪
酸画分とを分別した。グリセライド画分について分析し
た結果、全脂肪酸中の35%がグリセライドとなってい
た。
次にグリセライド画分の溶媒を留去した残留物0.9gに
生理食塩水200mlを加えて懸濁させたものを検液とし
て、以下の薬理試験を行った。
高血圧ラット(SHR)を1群20匹ずつに分け、検液を
毎日3回1mlずつ経口投与した。コントロールとしては
生理食塩水のみを投与し、又、比較としてローヤルゼリ
ー中の脂質画分及び10−ヒドロキシデセン酸(10−HDA
と略称)についても試験を行った。各群のラットの血圧
を1週間後、1カ月後、2カ月後に測定した結果を第1
表に示す。
第1表から明らかなように、コントロールのラット群
は高血圧ラットに通常みられるように、成長とともに血
圧が上昇した。又、10−ヒドロキシデセン酸を含む検液
を投与されたラット群は投与1週間後の血圧は最初とほ
ぼ同じで、1ヵ月後、2ヵ月後では血圧が若干低下し
た。すなわち、10−ヒドロキシデセン酸では血圧上昇抑
制効果はあるが、血圧を低下させる効果はわずかであっ
た。一方、ローヤルゼリー中の脂質画分及びそのグリセ
ライドを含む検液が投与されたラット群では投与1週間
後で血圧が大幅に低下し、投与1ヵ月後ではさらに大幅
に低下し、その後はほぼ一定の状態に保持された。又、
試験後のラットの生存率も高かった。すなわち、ローヤ
ルゼリー中の脂質画分及びそのグリセライドには速やか
に血圧を低下させる作用があり、グリセライドはローヤ
ルゼリー中の脂質画分よりも効果が大きいことが確認さ
れた。
[実施例2] グリセリン2g、ヘキサン20gに水分0.5%を含有するロ
ーヤルゼリーの脂質画分2gを加え、これにリパーゼF
(商品名、天野製薬(株)製)及び精製リパーゼ(シグ
マ社製)をそれぞれ5000単位ずつ添加し、30℃で40時間
反応させた。その後ヘキサン層を採り、以下、実施例1
と同様な操作でグリセリン画分を得た。この画分には全
脂肪酸の38%が含まれていた。
前記のグリセライド画分を市販の清涼飲料水に0.1%
添加して微生物の繁殖試験をしたところ、無添加のもの
は液の濁りが増して沈澱を生じ、且つカビ醗酵臭が生じ
たのに対して、本発明のグリセライド画分を添加したも
のは開封前と全く変化がなく、微生物試験においてもカ
ビ、酵母の繁殖は検出されなかった。
さらに添加量を5%まで増やし、味及び経時変化を調
べたが全く変化はなく、実用に供しうる製品であること
が確認された。
[実施例3] 実施例1で得たグリセライド画分、ローヤルゼリー中
の脂質画分及びこれらを1:1で混合したものの3種類の
検液について、検液20%、コレステロール2%、胆汁酸
0.5%を含む餌をそれぞれ調製してラットにあたえ、4
週間後の血清コレステロール値を測定した。比較として
やし油及びとうもろこし油を用いた。なお、ラットは1
群20匹を用いた。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように本発明のグリセライド画分
を含む検液を使用した場合は、コレステロール値を大幅
に低下させる顕著な効果が見られた。ラットはすべての
群で試験終了時も生存していた。
[実施例4] 実施例2で得たグリセライド画分について以下の試験
を行った。1群20匹のラットを用い、4日間絶食させた
後、グリセライド画分を経口投与し、その後のラットの
行動について1時間毎に観察した。比較としてやし油、
とうもろこし油についてグリセライド画分の脂肪酸と同
量(相当量)を投与したラット群についても調べた。
本発明のグリセライド画分を投与されたラットは1時
間後には動きが活発化したが、やし油あるいはとうもろ
こし油を投与されたラットは動きが鈍かった。又、3時
間後には比較例のラットでも動きが見られたが、グリセ
ライド画分のラットと比べると劣っていた。このように
脂質画分のグリセライドは油脂に比べ吸収が速く、栄養
素として優れていることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の食品素材を食品に添加し
た場合、保存性が増すとともに、血圧及びコレステロー
ル値を下げる効果があるので成分病特に高血圧症の予防
及び治療に有効である。又、吸収が速いので速やかな栄
養源となり、経口栄養剤としても使用できるなど機能性
食品素材としてその効果は特筆に値するものがあり、幅
広い用途に用いられうる。又、使用される原料が天然物
由来のものであり、安全性にも優れている。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ローヤルゼリーの脂質画分を含む原料に、
    グリセリンと酵素としてのリパーゼを加え、ローヤルゼ
    リーの脂質画分とグリセリンを反応させて合成されたグ
    リセライドを含有する機能性食品素材。
  2. 【請求項2】前記グリセライドは、10−ヒドロキシデセ
    ン酸のグリセライドを含有するものである特許請求の範
    囲第1項に記載の機能性食品素材。
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