JP2545480B2 - 機能性食品素材 - Google Patents
機能性食品素材Info
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- JP2545480B2 JP2545480B2 JP2057438A JP5743890A JP2545480B2 JP 2545480 B2 JP2545480 B2 JP 2545480B2 JP 2057438 A JP2057438 A JP 2057438A JP 5743890 A JP5743890 A JP 5743890A JP 2545480 B2 JP2545480 B2 JP 2545480B2
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- Japan
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- glyceride
- royal jelly
- fraction
- acid
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は薬理作用を有する機能性食品素材に関するも
のである。
のである。
[従来の技術] 近年、国民の健康意識の高揚とともに、食品に栄養源
としての価値以外の付加価値を見出し、機能性(例え
ば、薬理作用)を持たせたいわゆる機能性食品と呼ばれ
る素材が開発されている。その中でも脂質関連の機能性
食品として、レシチン、アイコサペンタエン酸、リノー
ル酸、γ−リノレン酸、γ−オリザノール、オクタコサ
ノール、植物ステロール等がある。
としての価値以外の付加価値を見出し、機能性(例え
ば、薬理作用)を持たせたいわゆる機能性食品と呼ばれ
る素材が開発されている。その中でも脂質関連の機能性
食品として、レシチン、アイコサペンタエン酸、リノー
ル酸、γ−リノレン酸、γ−オリザノール、オクタコサ
ノール、植物ステロール等がある。
又、働き蜂の分泌物であるローヤルゼリーは旧くから
滋養、強壮、老化抑制等の作用があるものとして注目さ
れている。ローヤルゼリー中には10−ヒドロキシデセン
酸、プテリン誘導体、R物質、ビタミン、ミネラル、ワ
ックス等が成分として含まれており、10−ヒドロキシデ
セン酸はその中でも薬理効果(保存性、殺菌性)のある
物質であることが確認されている。通常ローヤルゼリー
は生の状態のままか、又はローヤルゼリー中に含まれる
蛋白質を除去した脱タンパク型のローヤルゼリー、乾燥
ローヤルゼリー等の形態で使用されている。又、10−ヒ
ドロキシデセン酸成分のみを高度に精製した製品もある
が、限定された用途、例えば試薬用として用いられてい
るのみである。又、10−ヒドロキシデセン酸は何ら修飾
されることなくフリーの酸の状態で提供されているのが
現状である。
滋養、強壮、老化抑制等の作用があるものとして注目さ
れている。ローヤルゼリー中には10−ヒドロキシデセン
酸、プテリン誘導体、R物質、ビタミン、ミネラル、ワ
ックス等が成分として含まれており、10−ヒドロキシデ
セン酸はその中でも薬理効果(保存性、殺菌性)のある
物質であることが確認されている。通常ローヤルゼリー
は生の状態のままか、又はローヤルゼリー中に含まれる
蛋白質を除去した脱タンパク型のローヤルゼリー、乾燥
ローヤルゼリー等の形態で使用されている。又、10−ヒ
ドロキシデセン酸成分のみを高度に精製した製品もある
が、限定された用途、例えば試薬用として用いられてい
るのみである。又、10−ヒドロキシデセン酸は何ら修飾
されることなくフリーの酸の状態で提供されているのが
現状である。
[発明が解決しようとする課題] ところが、生のローヤルゼリーは常温では腐敗し易
く、粘稠で特有の臭いがあるためそのままでは摂取し難
い。又、10−ヒドロキシデセン酸をフリーの状態で摂取
した場合は体内での吸収効率が悪いという問題がある。
さらに、従来のローヤルゼリー及びその加工品はいずれ
も疲労回復などを目的として、薬と同様な感覚でほとん
ど単独で摂取されていた。
く、粘稠で特有の臭いがあるためそのままでは摂取し難
い。又、10−ヒドロキシデセン酸をフリーの状態で摂取
した場合は体内での吸収効率が悪いという問題がある。
さらに、従来のローヤルゼリー及びその加工品はいずれ
も疲労回復などを目的として、薬と同様な感覚でほとん
ど単独で摂取されていた。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は日常摂取する食品に混合した状態で保存
安定性が良く、自然な形態としての食品とともに摂取す
ることが可能で薬理作用を発揮する機能性食品素材を提
供することにある。
て、その目的は日常摂取する食品に混合した状態で保存
安定性が良く、自然な形態としての食品とともに摂取す
ることが可能で薬理作用を発揮する機能性食品素材を提
供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本願発明者らは、機能性食品の機能性とは別に食品加
工、保存にとって高い付加価値を併せもつ食品素材につ
いて研究を重ね、ローヤルゼリーの脂質画分を含む原料
に、グリセリンと酵素としてのリパーゼを加え、ローヤ
ルゼリーの脂質画分とグリセリンを反応させて合成され
たグリセライドを含有する機能性食品素材が前記の目的
を達成するものであることを見出した。
工、保存にとって高い付加価値を併せもつ食品素材につ
いて研究を重ね、ローヤルゼリーの脂質画分を含む原料
に、グリセリンと酵素としてのリパーゼを加え、ローヤ
ルゼリーの脂質画分とグリセリンを反応させて合成され
たグリセライドを含有する機能性食品素材が前記の目的
を達成するものであることを見出した。
本発明の機能性食品素材が食品に添加する保存剤、殺
菌剤、乳化剤等として使用すると、そのもの自体がもつ
血圧及びコレステロール値を下げる薬理作用により、高
血圧症等の成分病の予防、疾病の治療への応用が期待で
きる。
菌剤、乳化剤等として使用すると、そのもの自体がもつ
血圧及びコレステロール値を下げる薬理作用により、高
血圧症等の成分病の予防、疾病の治療への応用が期待で
きる。
原料として用いるローヤルゼリーは生、加工したもの
のいずれであってもよく、産地も限定されない。このロ
ーヤルゼリーをエタノール、クロロホルム、ヘキサン等
の有機溶剤又は水と混和した有機溶剤により処理して脂
質に富んだ画分を抽出し、抽出液をそのままあるいは適
当な濃度に濃縮する。有機溶剤として低級アルコールを
使用した場合は脂質成分の10−ヒドロキシデセン酸はフ
リーの酸の状態ではなく、使用したアルコールのエステ
ルとの混合物として抽出される。ローヤルゼリー1に対
して2倍量のエタノールで処理した後の濃縮物を分析し
たところ、10−ヒドロキシデセン酸2%、デカン酸0.3
%、ブドウ糖2%、ショ糖1.8%、ステロール(ステリ
ン)0.2%、ワックス0.32%(値はいずれも原料に対す
る百分率)等であった。ブドウ糖及びショ糖は脂質では
ないが、エタノールに溶解するため脂質とともに抽出さ
れる。
のいずれであってもよく、産地も限定されない。このロ
ーヤルゼリーをエタノール、クロロホルム、ヘキサン等
の有機溶剤又は水と混和した有機溶剤により処理して脂
質に富んだ画分を抽出し、抽出液をそのままあるいは適
当な濃度に濃縮する。有機溶剤として低級アルコールを
使用した場合は脂質成分の10−ヒドロキシデセン酸はフ
リーの酸の状態ではなく、使用したアルコールのエステ
ルとの混合物として抽出される。ローヤルゼリー1に対
して2倍量のエタノールで処理した後の濃縮物を分析し
たところ、10−ヒドロキシデセン酸2%、デカン酸0.3
%、ブドウ糖2%、ショ糖1.8%、ステロール(ステリ
ン)0.2%、ワックス0.32%(値はいずれも原料に対す
る百分率)等であった。ブドウ糖及びショ糖は脂質では
ないが、エタノールに溶解するため脂質とともに抽出さ
れる。
この濃縮物のままでも機能性食品素材として用いられ
るが、このものを修飾してグリセライドとしたものが特
に機能性食品素材として優れている。前記濃縮物から10
−ヒドロキシデセン酸等の脂質と糖との分離が必要な場
合は、濃縮物を50℃程度に加温すると脂質層と糖層に分
離するのでその状態で容易に分別される。又、10−ヒド
ロキシデセン酸等の炭素鎖10個の脂肪酸を高純度で得た
い場合には、シリカゲルクロマトグラフィーや順相、逆
相、イオン交換等の各液体クロマトグラフィーを利用し
た高速分取液体クロマトグラフィーにより精製すればよ
い。
るが、このものを修飾してグリセライドとしたものが特
に機能性食品素材として優れている。前記濃縮物から10
−ヒドロキシデセン酸等の脂質と糖との分離が必要な場
合は、濃縮物を50℃程度に加温すると脂質層と糖層に分
離するのでその状態で容易に分別される。又、10−ヒド
ロキシデセン酸等の炭素鎖10個の脂肪酸を高純度で得た
い場合には、シリカゲルクロマトグラフィーや順相、逆
相、イオン交換等の各液体クロマトグラフィーを利用し
た高速分取液体クロマトグラフィーにより精製すればよ
い。
グリセライドとするには前記濃縮物又は精製したもの
を水分が0.005〜20%となるように調製し、これにリパ
ーゼを作用させる。リパーゼによるグリセライドの合成
に関しては従来より数多くの文献があり、詳しい説明は
省略する。目的とする生成物がモノグリセライド、ジグ
リセライド、トリグリセライドのいずれであるかによっ
て起源の異なるリパーゼが使用される。
を水分が0.005〜20%となるように調製し、これにリパ
ーゼを作用させる。リパーゼによるグリセライドの合成
に関しては従来より数多くの文献があり、詳しい説明は
省略する。目的とする生成物がモノグリセライド、ジグ
リセライド、トリグリセライドのいずれであるかによっ
て起源の異なるリパーゼが使用される。
例えば、カンジダ(Candida)属、コリネバクテリウ
ム(Corynebacterium)属、スタフィロコッカス(Staph
ylococcus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属のリ
パーゼを用いた場合は特異性を示さないので、1,3位に
特異性をもたせたい場合にはアスペルギルス(Aspergil
lus)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)
属のものが使用される。その他ゲオトリカム(Geotrich
um)属のリパーゼも使用しうる。これらは単独あるいは
任意に組み合わせて使用される。
ム(Corynebacterium)属、スタフィロコッカス(Staph
ylococcus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属のリ
パーゼを用いた場合は特異性を示さないので、1,3位に
特異性をもたせたい場合にはアスペルギルス(Aspergil
lus)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス(Rhizopus)
属のものが使用される。その他ゲオトリカム(Geotrich
um)属のリパーゼも使用しうる。これらは単独あるいは
任意に組み合わせて使用される。
反応は前記リパーゼをそのまま用いてもよいが、固定
化担体に結合させて反応の連続化を行うことがコスト面
からも好ましい。反応温度は通常20〜60℃の範囲で20〜
50時間反応させる。酵素量は500〜50000単位であるが、
基質使用量及び反応時間により適宜選択する。
化担体に結合させて反応の連続化を行うことがコスト面
からも好ましい。反応温度は通常20〜60℃の範囲で20〜
50時間反応させる。酵素量は500〜50000単位であるが、
基質使用量及び反応時間により適宜選択する。
反応基質はローヤルゼリー中の脂肪酸及びそのエステ
ルと、グリセリン又は部分グリセライドとの混合物であ
る。ローヤルゼリーの有機溶剤抽出物を乾固してエキス
とし、そのものに熱を加えることにより脂肪酸を多く含
む画分が得られる。この画分に含まれる脂肪酸としては
10−ヒドロキシデセン酸、カプリン酸、その他少量のス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸等がある。又、ロ
ーヤルゼリーから脂質画分を抽出する際に有機溶剤とし
てメチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコ
ールを使用すると、前記脂肪酸がフリーの有機酸として
ではなく当該低級アルコールのエステルとして抽出され
るので、そのエステルを反応基質として用いる。部分グ
リセライドとしてはモノグリセライド、ジグリセライド
が使用され、化学的合成法によるか、トリグリセライド
を加水分解して得られたものを用いることができる。
ルと、グリセリン又は部分グリセライドとの混合物であ
る。ローヤルゼリーの有機溶剤抽出物を乾固してエキス
とし、そのものに熱を加えることにより脂肪酸を多く含
む画分が得られる。この画分に含まれる脂肪酸としては
10−ヒドロキシデセン酸、カプリン酸、その他少量のス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸等がある。又、ロ
ーヤルゼリーから脂質画分を抽出する際に有機溶剤とし
てメチルアルコール、エチルアルコール等の低級アルコ
ールを使用すると、前記脂肪酸がフリーの有機酸として
ではなく当該低級アルコールのエステルとして抽出され
るので、そのエステルを反応基質として用いる。部分グ
リセライドとしてはモノグリセライド、ジグリセライド
が使用され、化学的合成法によるか、トリグリセライド
を加水分解して得られたものを用いることができる。
反応終了後、有機溶剤層を採る。これをゲル濾過によ
りトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライ
ドに分別できるが、混合物の状態でも何ら問題はない。
又、グリセライド以外にローヤルゼリー中の脂質画分が
入ってもよい。
りトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライ
ドに分別できるが、混合物の状態でも何ら問題はない。
又、グリセライド以外にローヤルゼリー中の脂質画分が
入ってもよい。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
[実施例1] グリセリン1.5g、ヘキサン20gに水分1%を含むロー
ヤルゼリーの脂質画分2gを添加し、これにリパーゼとし
てパンクレアチンF(商品名、天野製薬(株)製)を10
000ユニット加え、30℃で40時間反応させた。その後ヘ
キサン層を分取し、高速液体クロマトグラフLC−8A
((株)島津製作所製)によりグリセライド画分と脂肪
酸画分とを分別した。グリセライド画分について分析し
た結果、全脂肪酸中の35%がグリセライドとなってい
た。
ヤルゼリーの脂質画分2gを添加し、これにリパーゼとし
てパンクレアチンF(商品名、天野製薬(株)製)を10
000ユニット加え、30℃で40時間反応させた。その後ヘ
キサン層を分取し、高速液体クロマトグラフLC−8A
((株)島津製作所製)によりグリセライド画分と脂肪
酸画分とを分別した。グリセライド画分について分析し
た結果、全脂肪酸中の35%がグリセライドとなってい
た。
次にグリセライド画分の溶媒を留去した残留物0.9gに
生理食塩水200mlを加えて懸濁させたものを検液とし
て、以下の薬理試験を行った。
生理食塩水200mlを加えて懸濁させたものを検液とし
て、以下の薬理試験を行った。
高血圧ラット(SHR)を1群20匹ずつに分け、検液を
毎日3回1mlずつ経口投与した。コントロールとしては
生理食塩水のみを投与し、又、比較としてローヤルゼリ
ー中の脂質画分及び10−ヒドロキシデセン酸(10−HDA
と略称)についても試験を行った。各群のラットの血圧
を1週間後、1カ月後、2カ月後に測定した結果を第1
表に示す。
毎日3回1mlずつ経口投与した。コントロールとしては
生理食塩水のみを投与し、又、比較としてローヤルゼリ
ー中の脂質画分及び10−ヒドロキシデセン酸(10−HDA
と略称)についても試験を行った。各群のラットの血圧
を1週間後、1カ月後、2カ月後に測定した結果を第1
表に示す。
第1表から明らかなように、コントロールのラット群
は高血圧ラットに通常みられるように、成長とともに血
圧が上昇した。又、10−ヒドロキシデセン酸を含む検液
を投与されたラット群は投与1週間後の血圧は最初とほ
ぼ同じで、1ヵ月後、2ヵ月後では血圧が若干低下し
た。すなわち、10−ヒドロキシデセン酸では血圧上昇抑
制効果はあるが、血圧を低下させる効果はわずかであっ
た。一方、ローヤルゼリー中の脂質画分及びそのグリセ
ライドを含む検液が投与されたラット群では投与1週間
後で血圧が大幅に低下し、投与1ヵ月後ではさらに大幅
に低下し、その後はほぼ一定の状態に保持された。又、
試験後のラットの生存率も高かった。すなわち、ローヤ
ルゼリー中の脂質画分及びそのグリセライドには速やか
に血圧を低下させる作用があり、グリセライドはローヤ
ルゼリー中の脂質画分よりも効果が大きいことが確認さ
れた。
は高血圧ラットに通常みられるように、成長とともに血
圧が上昇した。又、10−ヒドロキシデセン酸を含む検液
を投与されたラット群は投与1週間後の血圧は最初とほ
ぼ同じで、1ヵ月後、2ヵ月後では血圧が若干低下し
た。すなわち、10−ヒドロキシデセン酸では血圧上昇抑
制効果はあるが、血圧を低下させる効果はわずかであっ
た。一方、ローヤルゼリー中の脂質画分及びそのグリセ
ライドを含む検液が投与されたラット群では投与1週間
後で血圧が大幅に低下し、投与1ヵ月後ではさらに大幅
に低下し、その後はほぼ一定の状態に保持された。又、
試験後のラットの生存率も高かった。すなわち、ローヤ
ルゼリー中の脂質画分及びそのグリセライドには速やか
に血圧を低下させる作用があり、グリセライドはローヤ
ルゼリー中の脂質画分よりも効果が大きいことが確認さ
れた。
[実施例2] グリセリン2g、ヘキサン20gに水分0.5%を含有するロ
ーヤルゼリーの脂質画分2gを加え、これにリパーゼF
(商品名、天野製薬(株)製)及び精製リパーゼ(シグ
マ社製)をそれぞれ5000単位ずつ添加し、30℃で40時間
反応させた。その後ヘキサン層を採り、以下、実施例1
と同様な操作でグリセリン画分を得た。この画分には全
脂肪酸の38%が含まれていた。
ーヤルゼリーの脂質画分2gを加え、これにリパーゼF
(商品名、天野製薬(株)製)及び精製リパーゼ(シグ
マ社製)をそれぞれ5000単位ずつ添加し、30℃で40時間
反応させた。その後ヘキサン層を採り、以下、実施例1
と同様な操作でグリセリン画分を得た。この画分には全
脂肪酸の38%が含まれていた。
前記のグリセライド画分を市販の清涼飲料水に0.1%
添加して微生物の繁殖試験をしたところ、無添加のもの
は液の濁りが増して沈澱を生じ、且つカビ醗酵臭が生じ
たのに対して、本発明のグリセライド画分を添加したも
のは開封前と全く変化がなく、微生物試験においてもカ
ビ、酵母の繁殖は検出されなかった。
添加して微生物の繁殖試験をしたところ、無添加のもの
は液の濁りが増して沈澱を生じ、且つカビ醗酵臭が生じ
たのに対して、本発明のグリセライド画分を添加したも
のは開封前と全く変化がなく、微生物試験においてもカ
ビ、酵母の繁殖は検出されなかった。
さらに添加量を5%まで増やし、味及び経時変化を調
べたが全く変化はなく、実用に供しうる製品であること
が確認された。
べたが全く変化はなく、実用に供しうる製品であること
が確認された。
[実施例3] 実施例1で得たグリセライド画分、ローヤルゼリー中
の脂質画分及びこれらを1:1で混合したものの3種類の
検液について、検液20%、コレステロール2%、胆汁酸
0.5%を含む餌をそれぞれ調製してラットにあたえ、4
週間後の血清コレステロール値を測定した。比較として
やし油及びとうもろこし油を用いた。なお、ラットは1
群20匹を用いた。結果を第2表に示す。
の脂質画分及びこれらを1:1で混合したものの3種類の
検液について、検液20%、コレステロール2%、胆汁酸
0.5%を含む餌をそれぞれ調製してラットにあたえ、4
週間後の血清コレステロール値を測定した。比較として
やし油及びとうもろこし油を用いた。なお、ラットは1
群20匹を用いた。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように本発明のグリセライド画分
を含む検液を使用した場合は、コレステロール値を大幅
に低下させる顕著な効果が見られた。ラットはすべての
群で試験終了時も生存していた。
を含む検液を使用した場合は、コレステロール値を大幅
に低下させる顕著な効果が見られた。ラットはすべての
群で試験終了時も生存していた。
[実施例4] 実施例2で得たグリセライド画分について以下の試験
を行った。1群20匹のラットを用い、4日間絶食させた
後、グリセライド画分を経口投与し、その後のラットの
行動について1時間毎に観察した。比較としてやし油、
とうもろこし油についてグリセライド画分の脂肪酸と同
量(相当量)を投与したラット群についても調べた。
を行った。1群20匹のラットを用い、4日間絶食させた
後、グリセライド画分を経口投与し、その後のラットの
行動について1時間毎に観察した。比較としてやし油、
とうもろこし油についてグリセライド画分の脂肪酸と同
量(相当量)を投与したラット群についても調べた。
本発明のグリセライド画分を投与されたラットは1時
間後には動きが活発化したが、やし油あるいはとうもろ
こし油を投与されたラットは動きが鈍かった。又、3時
間後には比較例のラットでも動きが見られたが、グリセ
ライド画分のラットと比べると劣っていた。このように
脂質画分のグリセライドは油脂に比べ吸収が速く、栄養
素として優れていることが確認された。
間後には動きが活発化したが、やし油あるいはとうもろ
こし油を投与されたラットは動きが鈍かった。又、3時
間後には比較例のラットでも動きが見られたが、グリセ
ライド画分のラットと比べると劣っていた。このように
脂質画分のグリセライドは油脂に比べ吸収が速く、栄養
素として優れていることが確認された。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の食品素材を食品に添加し
た場合、保存性が増すとともに、血圧及びコレステロー
ル値を下げる効果があるので成分病特に高血圧症の予防
及び治療に有効である。又、吸収が速いので速やかな栄
養源となり、経口栄養剤としても使用できるなど機能性
食品素材としてその効果は特筆に値するものがあり、幅
広い用途に用いられうる。又、使用される原料が天然物
由来のものであり、安全性にも優れている。
た場合、保存性が増すとともに、血圧及びコレステロー
ル値を下げる効果があるので成分病特に高血圧症の予防
及び治療に有効である。又、吸収が速いので速やかな栄
養源となり、経口栄養剤としても使用できるなど機能性
食品素材としてその効果は特筆に値するものがあり、幅
広い用途に用いられうる。又、使用される原料が天然物
由来のものであり、安全性にも優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】ローヤルゼリーの脂質画分を含む原料に、
グリセリンと酵素としてのリパーゼを加え、ローヤルゼ
リーの脂質画分とグリセリンを反応させて合成されたグ
リセライドを含有する機能性食品素材。 - 【請求項2】前記グリセライドは、10−ヒドロキシデセ
ン酸のグリセライドを含有するものである特許請求の範
囲第1項に記載の機能性食品素材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2057438A JP2545480B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 機能性食品素材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2057438A JP2545480B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 機能性食品素材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03259049A JPH03259049A (ja) | 1991-11-19 |
JP2545480B2 true JP2545480B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=13055661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2057438A Expired - Fee Related JP2545480B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 機能性食品素材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2545480B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0967252A (ja) * | 1995-09-05 | 1997-03-11 | Zenkoku Royal Jelly Kosei Torihiki Kiyougikai | ローヤルゼリーに含まれるトランス−10−ヒドロキシ−デセン酸を有効成分とするアンジオテンシン転換酵素阻害剤及びインスリン様作用剤 |
JP3693754B2 (ja) * | 1996-05-28 | 2005-09-07 | アピ株式会社 | チロシナーゼ活性阻害剤 |
JP2001172190A (ja) * | 1999-12-15 | 2001-06-26 | Pola Chem Ind Inc | 乳酸蓄積抑制剤 |
JP2005139150A (ja) * | 2003-11-10 | 2005-06-02 | Api Co Ltd | エストロゲン様作用剤及びその製造方法、並びに骨粗しょう症予防剤及び飲食品 |
JP5329064B2 (ja) * | 2007-09-03 | 2013-10-30 | 株式会社クヰンビーガーデン | 抗コレステロール剤 |
JP2013091606A (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-16 | Akitaya Honten:Kk | 血清コレステロール量低下剤、及び血清コレステロール量を低下させる方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS584905B2 (ja) * | 1980-08-07 | 1983-01-28 | 小牧 久時 | ロ−ヤル・ゼリ−を主原料とする保健食品原料の製造法 |
JPH01215268A (ja) * | 1988-02-22 | 1989-08-29 | Morinaga & Co Ltd | 透明なローヤルゼリー飲料の製造法 |
-
1990
- 1990-03-08 JP JP2057438A patent/JP2545480B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03259049A (ja) | 1991-11-19 |
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