JP3115434B2 - パーフルオロ化合物の製造方法 - Google Patents
パーフルオロ化合物の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気絶縁液体として好
適に使用できるパーフルオロ化合物を電解フッ素化法で
製造する方法に関する。
適に使用できるパーフルオロ化合物を電解フッ素化法で
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N,N−ジメチルアニリンを電解フッ素
化することにより、パーフルオロ(N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチ
ルヘキシルアミン)とが混合物として得られることが知
られている。両者は沸点等の物性が類似しているために
分離が困難であり、それぞれ高純度のものを得ようとす
るとかなりの量の損失を避けることができない。したが
って、例えば、変圧器の絶縁液体として使用するような
場合、電気物性等において両者にあまり差がみられない
ので、両者を分離することなく混合物のままで用いるこ
とが経済的に有利である。
化することにより、パーフルオロ(N,N−ジメチルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチ
ルヘキシルアミン)とが混合物として得られることが知
られている。両者は沸点等の物性が類似しているために
分離が困難であり、それぞれ高純度のものを得ようとす
るとかなりの量の損失を避けることができない。したが
って、例えば、変圧器の絶縁液体として使用するような
場合、電気物性等において両者にあまり差がみられない
ので、両者を分離することなく混合物のままで用いるこ
とが経済的に有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、特に大型変圧器
などに用いられる絶縁液体では、化学的に安定であると
ともに、何らかの異常で高温に曝された場合でも有害な
分解生成物などを発生しにくいことが要求される。とこ
ろが、N,N−ジメチルアニリンを原料としてバッチ式
で電解フッ素化法により得られるパーフルオロ(N,N
−ジメチルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ
(N,N−ジメチルヘキシルアミン)との混合物は、熱
安定性の面で十分なものではなかった。
などに用いられる絶縁液体では、化学的に安定であると
ともに、何らかの異常で高温に曝された場合でも有害な
分解生成物などを発生しにくいことが要求される。とこ
ろが、N,N−ジメチルアニリンを原料としてバッチ式
で電解フッ素化法により得られるパーフルオロ(N,N
−ジメチルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ
(N,N−ジメチルヘキシルアミン)との混合物は、熱
安定性の面で十分なものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題点に鑑み、有害な分解生成物などを発生しにくい熱
安定性の良好なパーフルオロ(N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘ
キシルアミン)との混合物を得るために、電解フッ素化
方法の検討を行なってきた。その結果、フッ素化生成物
に含まれるパーフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘキシ
ルアミン)との混合組成が、電解フッ素化の条件によっ
て大きく変化すること、および、この組成がある特定の
範囲内にあるときに混合物の熱安定性が極めて優れてい
ることを見いだし、本発明を提案するに至った。
問題点に鑑み、有害な分解生成物などを発生しにくい熱
安定性の良好なパーフルオロ(N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘ
キシルアミン)との混合物を得るために、電解フッ素化
方法の検討を行なってきた。その結果、フッ素化生成物
に含まれるパーフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキ
シルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘキシ
ルアミン)との混合組成が、電解フッ素化の条件によっ
て大きく変化すること、および、この組成がある特定の
範囲内にあるときに混合物の熱安定性が極めて優れてい
ることを見いだし、本発明を提案するに至った。
【0005】即ち、本発明は、下記式
【0006】
【化2】
【0007】(但し、Aは、フッ素原子で置換されてい
てもよいフェニル基またはシクロヘキシル基であり、R
1およびR2は、同種または異種のアルキル基である。)
で示されるアミンと無水フッ化水素酸とを循環させなが
ら、電解槽中において連続的に電解フッ素化することを
特徴とするパーフルオロ化合物の製造方法である。
てもよいフェニル基またはシクロヘキシル基であり、R
1およびR2は、同種または異種のアルキル基である。)
で示されるアミンと無水フッ化水素酸とを循環させなが
ら、電解槽中において連続的に電解フッ素化することを
特徴とするパーフルオロ化合物の製造方法である。
【0008】本発明で用いられる原料のアミンは上記式
で示されるものである。上記式中、Aは、フェニル基お
よびシクロヘキシル基のいづれでもよいが、フェニル基
の方がより安定なフッ素化生成物を得ることができる。
また、R1およびR2で示されるアルキル基の炭素数は特
に制限されないが、通常、1〜3の範囲であることが好
ましい。なお、Aで示されるフェニル基およびクロヘキ
シル基の水素原子の一部はあらかじめフッ素原子により
置換されていてもよい。
で示されるものである。上記式中、Aは、フェニル基お
よびシクロヘキシル基のいづれでもよいが、フェニル基
の方がより安定なフッ素化生成物を得ることができる。
また、R1およびR2で示されるアルキル基の炭素数は特
に制限されないが、通常、1〜3の範囲であることが好
ましい。なお、Aで示されるフェニル基およびクロヘキ
シル基の水素原子の一部はあらかじめフッ素原子により
置換されていてもよい。
【0009】本発明において使用される無水フッ化水素
酸は、市販されている無水フッ化水素酸をそのまま、あ
るいは必要に応じて微量含まれる水分を予め低電流密度
での電解等の公知の方法で除去した後に用いられる。
酸は、市販されている無水フッ化水素酸をそのまま、あ
るいは必要に応じて微量含まれる水分を予め低電流密度
での電解等の公知の方法で除去した後に用いられる。
【0010】本発明者らは、前記式で示されるN,N−
ジアルキルアニリン或いはN,N−ジアルキルシクロヘ
キシルアミンの電解フッ素化において、電解フッ素化の
条件と、得られるパーフルオロ(N,N−ジアルキルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアル
キルヘキシルアミン)からなる混合物の熱安定性との関
係について詳しく調べた。熱安定性の指標としては、両
成分の混合物の加熱により発生する熱分解生成物中に含
まれるパーフルオロイソブチレン(以下、PFIBと略
す。)の量を採用した。この結果、パーフルオロ(N,
N−ジアルキルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ
(N,N−ジアルキルヘキシルアミン)との混合物にお
ける前者の含量が75〜95重量%、更に好ましくは8
0〜90重量%の場合に、両成分の混合物の高温下にお
ける熱安定性が特に優れていることが明らかになった。
両者の組成は、ガスクロマトグラフィの測定条件を選択
することにより、ガスクロマトグラムでの両成分の面積
比から求めることができる。
ジアルキルアニリン或いはN,N−ジアルキルシクロヘ
キシルアミンの電解フッ素化において、電解フッ素化の
条件と、得られるパーフルオロ(N,N−ジアルキルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアル
キルヘキシルアミン)からなる混合物の熱安定性との関
係について詳しく調べた。熱安定性の指標としては、両
成分の混合物の加熱により発生する熱分解生成物中に含
まれるパーフルオロイソブチレン(以下、PFIBと略
す。)の量を採用した。この結果、パーフルオロ(N,
N−ジアルキルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ
(N,N−ジアルキルヘキシルアミン)との混合物にお
ける前者の含量が75〜95重量%、更に好ましくは8
0〜90重量%の場合に、両成分の混合物の高温下にお
ける熱安定性が特に優れていることが明らかになった。
両者の組成は、ガスクロマトグラフィの測定条件を選択
することにより、ガスクロマトグラムでの両成分の面積
比から求めることができる。
【0011】そして、上記した特定の組成の混合物は、
前記式で示されるアミンと無水フッ化水素酸とを循環さ
せながら、電解槽中において連続的に電解フッ素化する
ことによって得られることが明らかとなった。
前記式で示されるアミンと無水フッ化水素酸とを循環さ
せながら、電解槽中において連続的に電解フッ素化する
ことによって得られることが明らかとなった。
【0012】原料のアミンと無水フッ化水素酸との循環
は、電解槽の中でのみ行ってもよく、また、電解槽とは
別に循環槽を設け、電解槽と循環槽とを互いに管で接続
してこれらの間で閉回路を形成し、その閉回路中を循環
させることにより行っても良い。循環させる手段は通常
のポンプを使用すればよく、これらの循環量は電解槽内
の電極面上での電解浴液の線速度が1.5〜30cm/
秒、好ましくは2.5〜20cm/秒になるようにする
ことが、長期に連続して電解フッ素化を行って本発明の
効果を得るために好ましい。
は、電解槽の中でのみ行ってもよく、また、電解槽とは
別に循環槽を設け、電解槽と循環槽とを互いに管で接続
してこれらの間で閉回路を形成し、その閉回路中を循環
させることにより行っても良い。循環させる手段は通常
のポンプを使用すればよく、これらの循環量は電解槽内
の電極面上での電解浴液の線速度が1.5〜30cm/
秒、好ましくは2.5〜20cm/秒になるようにする
ことが、長期に連続して電解フッ素化を行って本発明の
効果を得るために好ましい。
【0013】本発明で使用される電解槽の電極の材質と
しては、公知のものが何ら制限されず使用し得る。陽極
としては、通常、ニッケル又はニッケル合金が用いら
れ、陰極としては、ニッケル又はその合金の他に鉄、ス
テンレススチール、銅等が用いられる。陰陽極間距離
は、一般に0.5〜5mm程度とすることが好ましい。
電解槽の材質としては、前記した陰極の材質がそのまま
使用し得る他、フッ素樹脂も用いることができる。
しては、公知のものが何ら制限されず使用し得る。陽極
としては、通常、ニッケル又はニッケル合金が用いら
れ、陰極としては、ニッケル又はその合金の他に鉄、ス
テンレススチール、銅等が用いられる。陰陽極間距離
は、一般に0.5〜5mm程度とすることが好ましい。
電解槽の材質としては、前記した陰極の材質がそのまま
使用し得る他、フッ素樹脂も用いることができる。
【0014】循環槽は、電解フッ素化において生成する
目的とするパーフルオロ化合物を含むフッ素化生成物を
効果的に電解浴液から沈降分離させるため、および原料
のアミンと無水フッ化水素酸との循環を効率的に行うこ
とができるために好適に使用できる。循環槽の材質とし
ては、電解槽の場合と同様なものを用いることができ
る。
目的とするパーフルオロ化合物を含むフッ素化生成物を
効果的に電解浴液から沈降分離させるため、および原料
のアミンと無水フッ化水素酸との循環を効率的に行うこ
とができるために好適に使用できる。循環槽の材質とし
ては、電解槽の場合と同様なものを用いることができ
る。
【0015】また、本発明においては、原料のアミンと
無水フッ化水素酸とを連続的にあるいは間欠的に供給し
ながら、電解フッ素化を連続的に行なう必要がある。無
水フッ化水素酸と原料アミンを電解フッ素化中に供給す
ることなく、バッチ式で電解フッ素化を行った場合に
は、フッ素化生成物の組成は時間の経過と共に変化し、
種々条件を変えても、電解開始時から原料アミンが無く
なって電解を終了するまでの一回のバッチ反応で得られ
るパーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘキシルア
ミン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルア
ミン)の混合物中における前者の割合は75重量%未満
であり、熱安定性に問題のある組成の混合物しか得られ
ない。
無水フッ化水素酸とを連続的にあるいは間欠的に供給し
ながら、電解フッ素化を連続的に行なう必要がある。無
水フッ化水素酸と原料アミンを電解フッ素化中に供給す
ることなく、バッチ式で電解フッ素化を行った場合に
は、フッ素化生成物の組成は時間の経過と共に変化し、
種々条件を変えても、電解開始時から原料アミンが無く
なって電解を終了するまでの一回のバッチ反応で得られ
るパーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘキシルア
ミン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルア
ミン)の混合物中における前者の割合は75重量%未満
であり、熱安定性に問題のある組成の混合物しか得られ
ない。
【0016】原料アミンと無水フッ化水素酸とは、電解
浴液中における原料アミンとそのフッ素化中間体の合計
濃度が5〜40重量%の範囲内でほぼ一定値になるよう
に連続的にあるいは間欠的に供給することが、熱安定性
の良好なフッ素化生成物を得ることができ、且つ安定し
た電解フッ素化を行うことができるために好ましい。
浴液中における原料アミンとそのフッ素化中間体の合計
濃度が5〜40重量%の範囲内でほぼ一定値になるよう
に連続的にあるいは間欠的に供給することが、熱安定性
の良好なフッ素化生成物を得ることができ、且つ安定し
た電解フッ素化を行うことができるために好ましい。
【0017】電解フッ素化の条件は、電流密度は1A/
dm2以上、さらには1.5A/dm2以上を採用するこ
とができ、陰陽極間電圧は通常4.5〜6.5Vの範囲
から採用できる。電解温度は−15〜20℃の範囲から
選択することが好ましい。
dm2以上、さらには1.5A/dm2以上を採用するこ
とができ、陰陽極間電圧は通常4.5〜6.5Vの範囲
から採用できる。電解温度は−15〜20℃の範囲から
選択することが好ましい。
【0018】電解フッ素化で電解槽または循環槽を使用
するときは循環槽の下部から得られるパーフルオロ
(N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミン)とパーフ
ルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルアミン)との混合
物は、種々のフッ素化副生物や一部混入するフッ化水素
などを公知の方法で分離除去して精製することができ
る。フッ素化生成物中には、水素原子が一部残存したフ
ッ素化物がかなりの割合で含まれている。したがって、
フッ素ガスを用いる直接フッ素化等を行って水素原子が
一部残存したフッ素化物を更にフッ素化することは、パ
ーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミ
ン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルアミ
ン)の混合物の収率が向上するのみならず、混合物の熱
安定性がさらに優れたものとなるために本発明において
好適に採用される態様である。直接フッ素化により新た
に生成するパーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘ
キシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘ
キシルアミン)の混合物は、電解フッ素化で生成するも
のとは組成もやや異なり、このことも熱安定性の向上に
寄与していると考えられる。なお、当然ながら、直接フ
ッ素化等のフッ素化を行った後、必要な精製処理を実施
することができる。
するときは循環槽の下部から得られるパーフルオロ
(N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミン)とパーフ
ルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルアミン)との混合
物は、種々のフッ素化副生物や一部混入するフッ化水素
などを公知の方法で分離除去して精製することができ
る。フッ素化生成物中には、水素原子が一部残存したフ
ッ素化物がかなりの割合で含まれている。したがって、
フッ素ガスを用いる直接フッ素化等を行って水素原子が
一部残存したフッ素化物を更にフッ素化することは、パ
ーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミ
ン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘキシルアミ
ン)の混合物の収率が向上するのみならず、混合物の熱
安定性がさらに優れたものとなるために本発明において
好適に採用される態様である。直接フッ素化により新た
に生成するパーフルオロ(N,N−ジアルキルシクロヘ
キシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアルキルヘ
キシルアミン)の混合物は、電解フッ素化で生成するも
のとは組成もやや異なり、このことも熱安定性の向上に
寄与していると考えられる。なお、当然ながら、直接フ
ッ素化等のフッ素化を行った後、必要な精製処理を実施
することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法に基づいて前記した原料ア
ミンを電解フッ素化することにより、極めて熱安定性に
優れた安全性の高いパーフルオロ(N,N−ジアルキル
シクロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジア
ルキルヘキシルアミン)との混合物を得ることができ
る。得られる混合物は、例えば、250℃以上の高温に
曝されてもPFIBを実質的に発生しないために、大型
変圧器用の絶縁液体等の用途に好適に用いることができ
る。
ミンを電解フッ素化することにより、極めて熱安定性に
優れた安全性の高いパーフルオロ(N,N−ジアルキル
シクロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジア
ルキルヘキシルアミン)との混合物を得ることができ
る。得られる混合物は、例えば、250℃以上の高温に
曝されてもPFIBを実質的に発生しないために、大型
変圧器用の絶縁液体等の用途に好適に用いることができ
る。
【0020】本発明の実施により大きな効果が得られる
理由については、詳細は不明であるが、高温下における
熱安定性に関してパーフルオロ(N,N−ジアルキルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアル
キルヘキシルアミン)との間で何らかの差があるのでは
ないかと推測している。
理由については、詳細は不明であるが、高温下における
熱安定性に関してパーフルオロ(N,N−ジアルキルシ
クロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジアル
キルヘキシルアミン)との間で何らかの差があるのでは
ないかと推測している。
【0021】
【実施例】以下に、本発明をさらに詳細に説明するため
に実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
に実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0022】実施例 面積5.6dm2(巾8.0cm、高さ70cm)、厚
さ2mmの一対のニッケル製陰陽極を2mmの間隔で配
置し、電解浴液が必ず陰陽極間を通過するように陰陽極
の周囲を閉塞させたステンレススチール製の電解槽と、
同じくステンレススチール製の循環槽(容量3L)を管
で接続して閉回路を形成した電解装置を使用し、N,N
−ジメチルアニリンの電解フッ素化を行なった。定常状
態における電解浴液中の全アミン濃度が10重量%を維
持するように無水フッ化水素酸とN,N−ジメチルアニ
リンを循環槽に連続的に供給し、循環槽からの電解浴液
を電解槽の下部より流速4cm/秒で電極間に流し、電
極上部よりオーバーフローで再び循環槽に戻すようにし
た。電流値は16.8A(電流密度3A/dm2)で、
陰陽極間電圧は約5.75Vであった。電解温度は電解
槽と循環槽を外部から冷却することにより約12℃に保
った。発生する水素ガスは電解槽の上部に設けられた−
40℃の還流冷却器を通して排出した。
さ2mmの一対のニッケル製陰陽極を2mmの間隔で配
置し、電解浴液が必ず陰陽極間を通過するように陰陽極
の周囲を閉塞させたステンレススチール製の電解槽と、
同じくステンレススチール製の循環槽(容量3L)を管
で接続して閉回路を形成した電解装置を使用し、N,N
−ジメチルアニリンの電解フッ素化を行なった。定常状
態における電解浴液中の全アミン濃度が10重量%を維
持するように無水フッ化水素酸とN,N−ジメチルアニ
リンを循環槽に連続的に供給し、循環槽からの電解浴液
を電解槽の下部より流速4cm/秒で電極間に流し、電
極上部よりオーバーフローで再び循環槽に戻すようにし
た。電流値は16.8A(電流密度3A/dm2)で、
陰陽極間電圧は約5.75Vであった。電解温度は電解
槽と循環槽を外部から冷却することにより約12℃に保
った。発生する水素ガスは電解槽の上部に設けられた−
40℃の還流冷却器を通して排出した。
【0023】循環槽の下部より得られたフッ素化生成物
は、過剰量のフッ素ガスを15時間流通させることによ
りさらにフッ素化した。フッ化水素を除去した後に蒸留
を行い、パーフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘキシル
アミン)との混合物を得た。
は、過剰量のフッ素ガスを15時間流通させることによ
りさらにフッ素化した。フッ化水素を除去した後に蒸留
を行い、パーフルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジメチルヘキシル
アミン)との混合物を得た。
【0024】得られた混合物のガスクロマトグラフィに
よる分析結果から求めたパーフルオロ(N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン)の含量は83重量%であっ
た。この混合物10mLを100mLのステンレススチ
ール製の容器に封入し270℃で15分間加熱した。そ
の後、容器中のガスをサンプラーで採取しガスクロマト
グラフィによる分析を行なった。この結果、PFIBの
生成は認められなかった(検出限界0.1ppb)。
よる分析結果から求めたパーフルオロ(N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン)の含量は83重量%であっ
た。この混合物10mLを100mLのステンレススチ
ール製の容器に封入し270℃で15分間加熱した。そ
の後、容器中のガスをサンプラーで採取しガスクロマト
グラフィによる分析を行なった。この結果、PFIBの
生成は認められなかった(検出限界0.1ppb)。
【0025】比較例 実施例に示したものと同じ一対の陰陽極(相対する電極
面の裏面はフッ素樹脂により被覆)を容量3Lのステン
レススチール製の電解槽に陰陽極の周囲を閉塞させずに
配置し、電解浴液を循環せずにN,N−ジメチルアニリ
ンの電解フッ素化をバッチ式で行なった。電解開始時に
おけるN,N−ジメチルアニリンの濃度は10重量%と
し、電流値16.8A(陰陽極間電圧5.87V)で電
解を開始した。原料がなくなり電圧が急上昇した時点で
電解を停止した。
面の裏面はフッ素樹脂により被覆)を容量3Lのステン
レススチール製の電解槽に陰陽極の周囲を閉塞させずに
配置し、電解浴液を循環せずにN,N−ジメチルアニリ
ンの電解フッ素化をバッチ式で行なった。電解開始時に
おけるN,N−ジメチルアニリンの濃度は10重量%と
し、電流値16.8A(陰陽極間電圧5.87V)で電
解を開始した。原料がなくなり電圧が急上昇した時点で
電解を停止した。
【0026】電解槽下部にたまったフッ素化生成物は、
まず40重量%の水酸化ナトリウム水溶液とジイソブチ
ルアミンの等容量混合物中で120時間還流下で処理
し、続いて水洗を行なった。これはフッ素化生成物に含
まれる水素原子が一部残存したフッ素化物を除去するた
めである。その後、実施例の場合と同様にフッ化水素を
除いた後に蒸留を行い、パーフルオロ(N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジ
メチルヘキシルアミン)との混合物を得た。これを用い
て、実施例の場合と同様に組成を分析すると共に高温下
における分解性を調べた。その結果、混合物中のパーフ
ルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)の含
量は43重量%であった。また、270℃で加熱後の気
相部には2.0ppbのPFIBが検出された。
まず40重量%の水酸化ナトリウム水溶液とジイソブチ
ルアミンの等容量混合物中で120時間還流下で処理
し、続いて水洗を行なった。これはフッ素化生成物に含
まれる水素原子が一部残存したフッ素化物を除去するた
めである。その後、実施例の場合と同様にフッ化水素を
除いた後に蒸留を行い、パーフルオロ(N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン)とパーフルオロ(N,N−ジ
メチルヘキシルアミン)との混合物を得た。これを用い
て、実施例の場合と同様に組成を分析すると共に高温下
における分解性を調べた。その結果、混合物中のパーフ
ルオロ(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)の含
量は43重量%であった。また、270℃で加熱後の気
相部には2.0ppbのPFIBが検出された。
【0027】次に、上記と全く同じように電解フッ素化
を実施して得られたフッ素化生成物を、実施例の場合と
同様にフッ素ガスを流通させることによりフッ素化し、
次いでフッ化水素を除去した後に蒸留を行い、パーフル
オロ(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)とパー
フルオロ(N,N−ジメチルヘキシルアミン)との混合
物を得た。この混合物中のパーフルオロ(N,N−ジメ
チルシクロヘキシルアミン)の含量は52重量%であっ
た。また、270℃で加熱後の気相部には1.1ppb
のPFIBが検出された。
を実施して得られたフッ素化生成物を、実施例の場合と
同様にフッ素ガスを流通させることによりフッ素化し、
次いでフッ化水素を除去した後に蒸留を行い、パーフル
オロ(N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン)とパー
フルオロ(N,N−ジメチルヘキシルアミン)との混合
物を得た。この混合物中のパーフルオロ(N,N−ジメ
チルシクロヘキシルアミン)の含量は52重量%であっ
た。また、270℃で加熱後の気相部には1.1ppb
のPFIBが検出された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−25671(JP,A) 特開 平2−30785(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08
Claims (1)
- 【請求項1】下記式 【化1】 (但し、Aは、フッ素原子で置換されていてもよいフェ
ニル基またはシクロヘキシル基であり、R1およびR
2は、同種または異種のアルキル基である。)で示され
るアミンと無水フッ化水素酸とを循環させながら、電解
槽中において連続的に電解フッ素化することを特徴とす
るパーフルオロ化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04292951A JP3115434B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | パーフルオロ化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04292951A JP3115434B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | パーフルオロ化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06146043A JPH06146043A (ja) | 1994-05-27 |
JP3115434B2 true JP3115434B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=17788538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04292951A Expired - Fee Related JP3115434B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | パーフルオロ化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3115434B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP04292951A patent/JP3115434B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06146043A (ja) | 1994-05-27 |
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