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JP3101635B2 - データ伝送装置の移動物体検知装置 - Google Patents

データ伝送装置の移動物体検知装置

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Publication number
JP3101635B2
JP3101635B2 JP24781091A JP24781091A JP3101635B2 JP 3101635 B2 JP3101635 B2 JP 3101635B2 JP 24781091 A JP24781091 A JP 24781091A JP 24781091 A JP24781091 A JP 24781091A JP 3101635 B2 JP3101635 B2 JP 3101635B2
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signal
moving object
beam direction
antenna
doppler
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JP24781091A
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孝 鈴木
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Anritsu Corp
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Anritsu Corp
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Publication date
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動物体に対して固定
位置から無線によりデータ伝送を行うデータ伝送装置に
係わり、特に移動物体からの送信電波に対する反射波を
検出して移動物体の有無を検知し、かつ、移動物体の速
度も同時に測定するデータ伝送装置の移動物体検知装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】飛行機,車,電車,船舶等の移動物体に
対して地上の固定基地から、例えば自立航法で生ずる累
積誤差情報等の各種のデ―タを無線を利用して伝送する
機能の他に、移動物体の移動速度を測定する機能が組込
まれたデータ伝送装置が提唱されている(特開平1−2
67486号)。
【0003】このデータ伝送装置は、例えば図6に示す
ように、道路1の脇に立てられた支柱2に高周波電波を
送受信するアンテナ3が規定俯角θでもって道路1を向
くように取付けられている。そして、アンテナ3が送受
信する電波のビーム範囲(指向性範囲)に自動車等の移
動物体4が侵入すると、移動物体4に取付けられたアン
テナ5で電波が受信される。
【0004】例えば、図7のタイムチャートで説明する
と10〜15GHzの周波数fC を有する搬送波信号a
1 を移動物体4に送信すべきデジタルデータ信号b1 で
もって振幅変調する。そして、振幅変調された送信信号
h1 がアンテナ3を介して移動物体4へ向けて放射され
る。移動物体4は搭載されたアンテナ5で送信信号h1
を受信し、受信信号を検波、復調し元のデジタルデータ
信号b1 に対応した復調信号q1 を得る。
【0005】一方、アンテナ3から出力された電波の一
部は電波のビーム範囲に侵入した移動物体4のビーム方
向に直交する表面で反射されて、再度アンテナ3へ入射
される。したがって、この反射電波を用いて移動物体4
の有無を検知できる。すなわち、アンテナ3のビーム方
向は例えば路面に対して俯角で70度等に設定されてい
るので、送信電波のビーム範囲に移動物体4が存在しな
ければ、送信電波は路面で反射されるがアンテナ4方向
に反射されない。
【0006】具体的には、再度アンテナ3へ入射された
受信信号i1 は送信信号h1 に対して、電波がアンテナ
3から移動物体4の間を往復する時間だけ遅れる。この
遅れ時間ΔTの期間においてアンテナ3に出射および入
射される信号は移動物体4から反射された受信信号i1
のみとなる。
【0007】アンテナ3から出力された電波はアンテナ
3と移動物体4との間を往復する期間に大きく減衰する
ので、受信信号i1 の信号レベルは送信信号h1 の信号
レベルに比較して50〜60dB以上も低下する。した
がって、たとえアンテナ3の入力端に挿入されたサーキ
ュレータにて受信信号i1を分離してとしても、受信信
号i1 には送信信号h1 の成分が大きく含まれる。
【0008】したがって、受信信号i1 のみを取出すた
めには、受信信号i1 のうちの前述した遅れ時間ΔTの
信号成分のみを検出すればよい。この遅れ時間ΔT内の
受信信号i1 を検出できれば、移動物体4の反射電波を
確実に検出できたことになり、アンテナ3のビーム範囲
内に該当移動物体4が存在することが検知される。
【0009】また、移動物体4の速度Vを簡便に計測す
る手法としてドプラー効果を利用した手法が考えられて
いる。
【0010】この測定原理においては、周知のように、
一定の固定周波数を有した送信波を移動物体へ送出し
て、その移動物体からの反射波を受信する。そして、送
信波の周波数fC と反射波の周波数fR との差の周波数
(fR −fC )、すなわちドップラー周波数fD を検出
する。このドプラー周波数fD と送信波の伝搬速度か
ら、移動物体の速度Vを(1) 式より算出する。
【0011】 V=CfD /(2fC COSθ) …(1) V :速度 C :送信波の伝搬速度 fD :ドプラー周波数 fC :送信波の周波数 θ :アンテナのビーム方向(俯角) すなわち、図6におけるデータ伝送装置において、道路
1を走行する移動物体4の速度Vを正確に測定するため
には、(1) 式からも理解できるように[COSθ]の値が大
きい方がよいので、前記俯角θは小さい方がよい。
【0012】一方、移動物体4の存在を正確に検出する
ためには、移動物体4をデータ伝送装置(送信機)設置
位置に近い位置で検出するのが望ましいので、前記俯角
θは90度近傍値が望ましい。なお、アンテナ3のビー
ム方向を正確に90度に設定すると、移動物体4(車
両)が存在しない場合に、道路1からの反射電波がアン
テナ3に入射する。したがって、90度より多少ずれた
値にする必要がある。
【0013】また、データ伝送においては、混信等を防
止する意味で、アンテナ3と移動物体4のアンテナ5ま
での距離が短い方がよいので、前記俯角θは90度に近
い方がよい。
【0014】したがって、通常、データ伝送装置の道路
1に対する俯角θを一つの最適値である約70度に設定
している。このように、俯角θを70度等の一つの最適
値に設定することによって、移動物体4に搭載した受信
機に対して位置情報等のデータを正確に伝送できるとと
もに、移動物体4の存在検知および速度計測を一定精度
以上に維持している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように、アンテナ3のビーム方向をある一つの特定値
に固定したデータ伝送装置においてもまだ改良すべき次
のような課題があった。
【0016】すなわち、道路1を走行する例えば車両等
の移動物体4の形状は、図6に示す通常の乗用車であっ
たり、箱型のバスであったり、さらに、図8に示すトレ
ーラであったりする。
【0017】移動物体4が一定速度以上で走行している
場合においては、図8(b)に示すように、アンテナ3
の前記俯角θで定まるビーム範囲に移動物体4の表面に
おけるこのビーム方向に直交する面がに侵入した時点
で、アンテナ3から出力された電波が前記直交面で垂直
反射されて同一アンテナ3へ入射される。したがって、
この図8(b)に示すタイミングで速度Vが測定され、
かつ移動物体4が検知される。
【0018】そして、移動物体4が図8(c)に示す位
置に到達すると、アンテナ3から出力された電波は移動
物体4の平らな屋根で反対方向に反射される。その結
果、反射電波はアンテナ3に入射しない。よってこのタ
イミングにおいては、移動物体4の存在検知および速度
測定は実行できない。
【0019】前述したように、移動物体4が一定速度以
上で走行している状態においては、図8(b),図8
(c)に示す状態はごく短いタイミングであるので、図
8(b)におけるデータをこの移動物体4に対する情報
と見なして、それ以降のデータ処理を実施できる。
【0020】しかし、このデータ伝送装置を道路上に設
置した場合においては、渋滞等が発生すると、例えば時
速1〜2Km/h等の徐行運転が生じたり、全く停止状
態になる場合が生じる。
【0021】例えば、図8(c)に示す状態で移動物体
4が停止すると、データ伝送装置としては移動物体4の
存在を検出していない状態になる。一般に、このデータ
伝送装置は高速道路や高架道路上に設置され、遠く離れ
た道路管理事務所でその存在(通過車両数)および速度
Vを監視している。したがって、図8(c)の状態が長
時間に亘って継続すると、道路管理事務所にいる道路管
理者は、データ伝送装置の設置位置に移動物体4が全く
存在しなくて、渋滞が発生していないと判断する。
【0022】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、アンテナのビーム方向を通常の速度測定に
適した規定方向および移動物体検知に適した方向に切換
えることによって、たとえ移動物体がデータ伝送装置の
設置位置近傍に停止したとしても正確に該当移動物体の
有無を検知でき、かつ高いデータ伝送の正確性および高
い速度測定精度を維持した状態で、物体検知精度を大幅
に向上できるデータ伝送装置の移動物体検知装置を提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明は、高周波の搬送波信号を振幅変調回路におい
てデジタルデータ信号に対応する変調信号でもって振幅
変調して送信信号としてサーキュレータを介してアンテ
ナに印加して、このアンテナから規定ビーム方向に電波
送信するとともに、このビーム方向に侵入した移動物体
にて反射された電波をアンテナを介して受信して、サー
キュレータにて分離された受信信号と送信信号との差信
号からなるドプラー信号を抽出して、このドプラー信号
の周波数から移動物体の速度を計測し、かつ受信信号の
送信信号に対する時間遅れの有無から移動物体の有無を
検知するデータ伝送装置の移動物体検知装置において、
デジタルデータ信号の信号レベル変化に応動してアンテ
ナのビーム方向を、規定ビーム方向に比較して移動物体
側から見て俯角が大きくなる方向へ切換えるビーム方向
制御信号を出力するビーム方向切換制御回路と、サーキ
ュレータとアンテナとの間に介挿され、ビーム方向切換
信号に応動してアンテナのビーム方向を切換えるビーム
方向切換器と、ビーム方向制御信号に応動して規定ビー
ム方向期間におけるドプラー信号を抽出するドプラー信
号選択抽出回路とを備えている。
【0024】
【作用】このような構成のデータ伝送装置の移動物体検
知装置によれば、高周波の搬送波信号はデジタルデータ
信号に対応する変調信号にて変調されて送信信号として
アンテナから規定のビーム方向に電波送信される。そし
て、このビーム方向に移動物体が侵入すると、この移動
物体にて電波か反射され、反射電波がアンテナへ入射さ
れる。そして、アンテナで受信した受信信号と送信信号
とでドプラー信号が生成される。
【0025】この場合、デジタルデータ信号の信号レベ
ル変化に応動して、アンテナのビーム方向が、主に速度
測定に適した規定ビーム方向と、物体検知に適したビー
ム方向とに交互に切換る。したがって、このデータ伝送
装置の近傍を移動する移動物体には非常に早い周期でア
ンテナから出力された送信電波の受ける位置および電波
の入射角度が変化する。すなわち、移動物体側から見て
電波の俯角が変化する。
【0026】一般に移動物体の表面は平な部分が多いの
で、俯角θが大きいと、図8(d)に示すように、この
移動物体で反射された電波は再度同一アンテナに入射す
る確率が高くなる。したがって、たとえ移動物体が停止
していたとしても、この移動物体をその反射波を利用し
て検知できる。
【0027】また、アンテナのビーム方向が前記俯角が
大きい方に切換えられている期間においては、測定誤差
が大きくなるので、アンテナのビーム方向が規定ビーム
方向に切換えられた期間のおけるドプラー信号のみをド
プラー信号選択抽出回路でもって抽出している。したが
って、俯角が少ない方のビーム方向におけるドプラー信
号を用いて速度が求まるので、高い速度測定精度を維持
できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。
【0029】第1図は実施例の移動物体検知装置が組込
まれたデータ伝送装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【0030】入力端子11から入力された移動物体31
に送信すべきデジタルデータ信号bは、第3図のタイム
チャートに示すように、単位データの継続期間TS が3
1.25μsの16kbps スプリットフェーズ信号である。
入力されたデジタルデータ信号bは入出力ポート12を
介してインバータ13へ入力される。インバータ13は
入出力ポート12の出力信号の信号レベルを反転して変
調信号gとして振幅変調回路14内の変調器15の変調
端子へ送出する。
【0031】また、入力されたデジタルデータ信号bは
入出力ポート12を介してビーム方向切換制御回路とし
てのフリップフロップ16の入力端子へ入力される。こ
のフリップフロップ16は、図3に示すように、入力端
子に印加されているデジタルデータ信号bの信号レベル
がロー(L)レベルからハイ(H)レベルへ立上がるタ
イミングに同期して、出力端子から出力されるビーム方
向制御信号cの信号レベルを反転する。このフリップフ
ロップ16から出力されるビーム方向制御信号cはビー
ム方向切換回路17の制御端子に印加されるとともに、
ドプラー信号選択抽出回路18のサンプルホールド回路
19の制御端子へ印加される。さらに、入力されたデジ
タルデータ信号bは入出力ポート12を介して減衰器制
御信号jとして減衰器20の制御端子へ印加される。
【0032】振幅変調回路14内には、例えば10GHz
の周波数fCを有する搬送波信号aを出力する発振器2
1が組込まれている。この発振器21から出力された搬
送波信号aはアイソレータ22を介して変調器15へ入
力され、第3図に示すように、この変調器15でもって
変調端子へ印加されている前記変調信号gにて振幅変調
される。具体的には、変調信号gがHレベル期間におい
ては減衰が大きくて振幅変調回路14から出力される送
信信号hの振幅は小さくなり、変調信号gがLレベル期
間においては変調度が最小となって送信信号hの振幅は
大きくなる。
【0033】変調器15にて振幅変調された搬送波信号
は送信信号hとしてサーキュレータ23を介してビーム
方向切換器17へ印加される。
【0034】ビーム方向切換器17は、例えば図2に示
すように、大きく分けて同相電力分配器24と2個の9
0°ハイブリッド(双方向)回路25a,25bとで構
成されている。そして、同相電力分配器24はサーキュ
レータ23側の端子26から入力された送信信号hを同
一位相で両方の90°ハイブリッド(双方向)回路25
a,25bへ等しく分岐する。各90°ハイブリッド回
路25a,25bは直流電流が印加されると入力信号を
遅延する機能を有している。そして、制御端子28に印
加されているビーム方向制御信号cがLレベル状態にお
いては各入力信号は遅延されないので、アンテナ30側
の各端子29a,29bから出力される各送信信号の位
相は等しい。
【0035】一方、制御端子28に印加されているビー
ム方向制御信号cがHレベル状態においては、入力され
た送信信号に直流バイアスが印加された状態となり、ダ
イオード27a,27bが接続された一方の90°ハイ
ブリッド回路25bに直流電流が流れるので、この90
°ハイブリッド回路25baの入力信号のみが遅延され
る。したがって、各端子29a,29bからアンテナ3
0へ出力される各信号相互間に位相差が生じる。
【0036】アンテナ30は、2つの入力端子を有した
平面アンテナであり、各入力端子から入力されている送
信信号に位相差が存在しなければ、アンテナ30から出
力される電波のビーム方向はアンテナ30の前面30a
に対して垂直方向となる。しかし、各入力端子から入力
された各送信信号相互間に位相差が存在すれば、その位
相差に対応した方向にビーム方向が変化する。すなわ
ち、アンテナ30の指向性が変かる。
【0037】そして、実施例装置においては、ビーム方
向制御信号cがHレベル状態において、アンテナ30か
ら出力される電波のビーム方向が、例えば車両等の移動
物体31側からみて図6のおける俯角70°の規定ビー
ム方向に向き、ビーム方向制御信号cがLレベル状態に
おいて、前記ビーム方向が俯角83°の方向を向くよう
に、アンテナ30の取付け方向および90°ハイブリッ
ド回路25bに流れる直流電流値が設定されている。
【0038】そして、このアンテナ30から自動車等の
移動物体31に向けて電波放射される。移動物体31は
送信電波を自己のアンテナ32で受信して、受信信号を
自己内に搭載された受信機で検波して、元のデジタルデ
ータ信号に対応する復調信号を取出して例えば表示器に
表示する。
【0039】一方、アンテナ30から出力された送信電
波の一部は移動物体31の表面で反射されて反射電波と
して再度アンテナ30へ入射する。アンテナ30に入射
した受信信号iはサーキュレータ23で分離されて減衰
器20へ入力する。なお、このサーキュレータ23にお
ける送信信号hと受信信号iとを分離する能力は15d
B程度である。また、受信信号iの信号レベルは送信信
号hの信号レベルに比較して50〜60dB以上も低
い。したがって、この減衰器20に入力される受信信号
iにはサーキュレータ23を経由した送信信号hの成分
が高い信号レベルで含まれる。
【0040】前記減衰器20は制御端子に印加されてい
る減衰器制御信号jの信号レベルに応じて入力信号の減
衰量を制御する機能を有している。したがって、減衰器
制御信号iがHレベル期間においては、入力された受信
信号iの信号レベルは大きく減衰され、減衰器制御信号
jがLレベル期間においては、入力された受信信号iは
減衰されずにそのまま通過する。
【0041】なお、実際の装置においては、この減衰器
20と前記変調器15とは同一仕様の回路部品を用いて
おり、一方を変調器15として用い、他方を減衰器20
として使用している。そして、共に、変調信号gおよび
減衰器制御信号jがHレベル期間において、入力された
各信号a,iの信号レベルを60dB低減させる。
【0042】減衰器20の出力信号kは、検波回路33
に入力される。検波回路33へ入力された出力信号kは
高周波増幅器34で増幅された後、検波器35でパルス
状の波形に検波される。検波された信号は再度増幅器3
6で増幅された後、この検波回路33から出力される。
検波回路33の出力信号mはピークホールド回路37へ
入力される。このピークホールド回路37は、図3に示
すように、入力された出力信号mのピークレベルを検出
して次のデジタルデータ信号bの立下り時刻まで保持し
て出力信号nとして出力する。ピークホールド回路37
の出力信号nは次の出力回路38へ入力される。出力回
路38は、ローパスフィルタ39と増幅器40とで構成
されており、入力された出力信号nを平均化して、物体
検知信号oとして出力端子41から出力する。
【0043】一方、混合器42は、振幅変調回路14か
ら出力された送信信号hとサーキュレータ23で分離さ
れた受信信号iとを信号合成する。受信信号iの周波数
R はドプラー効果により、送信信号hの周波数fC
移動物体30の速度Vに対応した値だけずれているの
で、その差の周波数fD (=fR −fC )を有するドプ
ラー信号を次のドプラー信号選択抽出回路18のサンプ
ルホールド回路19へ送出する。
【0044】このサンプルホールド回路19の制御端子
にはフリップフロップ16から出力されたビーム方向制
御信号cが入力されており、このビーム方向制御信号c
がHレベル期間のみ、すなわち、アンテナ30のビーム
方向が俯角70度に設定された期間内に入力したドプラ
ー信号の波形をサンプルする。そして、次のLレベル期
間、すなわちアンテナ30のビーム方向が俯角83度に
設定された期間には前記ドプラー信号をホールドし、俯
角70度のドプラー信号波形を出力する。したがって、
このサンプルホールド回路19から連続したドプラー信
号が出力される。サンプルホールド回路19から出力さ
れたドプラー信号はローパスフィルタ43で不要な高周
波成分が除去された後、増幅器44で増幅されて、出力
端子から正規のドプラー信号pとして出力される。
【0045】このドプラー信号選択抽出回路18から出
力されるドプラー信号pは、アンテナ30のビーム方向
が移動物体31側から見た俯角70度(θ=70)に設
定されている期間の信号である。したがって、このデー
タ伝送装置にデータ回線を介して接続された監視用のコ
ンピュータによって、前述した(1) 式を用いて、この移
動物体31の速度Vが算出される。
【0046】なお、混合器42の出力信号の一部はロー
パスフィルタ45を介して比較器46で基準信号と比較
され、異常信号の場合はスイッチ回路47を介して出力
端子へ異常信号として出力される。
【0047】次に、このように構成されたデータ伝送装
置の移動物体検知装置の動作を図3及び図4のタイムチ
ャート用いて説明する。
【0048】例えば時刻t1 にてデジタルデータ信号b
が立下ると、変調信号gが立上がる。よって、この時刻
1 にて振幅変調回路14から出力される送信信号hの
振幅が小さくなる。同時に、減衰器制御信号jが立下が
るので、減衰器20は入力信号をそのまま通過させる。
また、この状態においては、ビーム方向制御信号cはL
レベルを維持したままである。したがって、アンテナ3
0のビーム方向は移動物体30の有無を検知するのに最
適な俯角83度に維持されている。
【0049】そして、移動物体31がアンテナ30のビ
ーム範囲に存在すれば、移動物体31で反射されてアン
テナ30へ入射してサーキュレータ23で分離された受
信信号iはアンテナ30から移動物体31までの距離に
対応した例えば13〜20nsのΔT時間だけ遅れた時
刻t2 にて立下る。前記減衰器20は時刻t1 以前に入
力した信号は通過させずに、時刻t1 以降に入力した信
号を通過させるので、サーキュレータ23で分離された
受信信号iのうち、時刻t1 から時刻t2 までの遅れ時
間ΔTに相当する信号成分のみがこの減衰器20を通過
する。すなわち、送信信号hの成分を含む受信信号iは
減衰器20を通過しない。
【0050】この減衰器20を通過した受信信号iの一
部である出力信号kは検波回路33で検波されて、前記
遅れ時間ΔTの時間幅のパルス状波形を有した出力信号
mとなる。そしてピークホールド回路37にて、その出
力信号mのピークレベルが検出される。しかして、出力
回路38からHレベルの物体検知信号oが出力される。
【0051】次に、時刻t3 にてデジタルデータ信号b
が立上がると、フリップフロップ20がセットされ、ビ
ーム方向制御信号cがHレベルに変化する。その結果、
アンテナ30のビーム方向は移動物体1の速度Vを測定
するのに最適な俯角70度に変化する。
【0052】そして、ドプラー信号選択抽出回路18の
サンプルホールド回路19は混合器42から出力される
ドプラー信号の取込みを開始する。よって、このドプラ
ー信号選択抽出回路18からアンテナ30のビーム方向
が70度に設定された状態のドプラー信号pが継続して
出力される。
【0053】また、例えば時刻t6 以降に移動物体31
が移動して、アンテナ30の両方の指向性範囲から外れ
ると、移動物体31からの反射電波が途絶えるので、サ
ーキュレータ23にて分離された受信信号には移動物体
31からの受信信号iは含まれなくて、サーキュレータ
23から回り込んだ送信信号hの成分のみとなる。した
がって、この受信信号iの立下り時刻t6 は送信信号h
の立下り時刻と一致する。よって遅れ時間ΔTが存在し
ないので、減衰器20からなにも出力されない。よっ
て、検波回路33の出力信号mにもピーク波形は出力さ
れない。その結果、物体検知信号oはLレベルへ変化す
る。
【0054】このように構成されたデータ伝送装置の移
動物体検知装置によれば、デジタルデータ信号bにおけ
るLレベルからHレベルへの立上がりに同期して、アン
テナ30のビーム方向が速度測定に最適な70度と物体
検知に最適な83度に交互に切換る。
【0055】そして、速度測定はビーム方向が70度の
期間に抽出されたドプラー信号oを用いて実行されるの
で、図6に示したアンテナのビーム方向が70度に固定
された従来装置とほぼ同様な測定精度を維持できる。ま
た、移動物体31の存在の有無検知はアンテナ30のビ
ーム方向が通常の70度と物体検知に最適な83度の両
方において実行される。
【0056】ここで、例えば、渋滞中の道路1におい
て、図5(a)に示すように、トレーラー等の大型の移
動物体31がデータ伝送装置の設置位置に停止した場合
を想定する。従来の70度のビーム方向のみであると、
反射電波がアンテナ30に入射しないが、実施例装置に
よると、83度に切換った時点で反射電波がアンテナ3
0に入射する。その結果、たとえ移動物体31が停止し
ていたとしても、確実に移動物体31の存在を検知でき
る。よって、装置全体の物体検知精度を向上できる。
【0057】また、データ伝送装置から出力される物体
検知信号oを、ビーム方向制御信号cを用いて、70度
のビーム方向の検知信号と83度のビーム方向の検知信
号とに分離することが可能である。このように2種類の
検知信号波形を比較対照したり、または合成することに
よって、移動物体31の種類や形状をある程度特定でき
る。したがって、例えば1〜2Km/hで徐行運転して
いる状態においても、1台の車両を2台の車両と誤って
計数することはない。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明のデータ伝送
装置の移動物体検知装置によれば、送信すべきデジタル
データ信号の信号レベル変化に応じてアンテナのビーム
方向を通常の速度測定に適した規定方向および物体検知
に適した方向に交互に切換えている。そして、速度はビ
ーム方向が規定方向に設定された期間のドプラー信号を
用いて測定し、物体検知は両方のビーム方向において実
行している。
【0059】したがって、たとえ移動物体がデータ伝送
装置の設置位置近傍に停止したとしても正確に該当移動
物体の有無を検知でき、高いデータ伝送の正確性および
高い速度測定精度を維持した状態で、物体検知精度を大
幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる移動物体検知装置
が組込まれたデータ伝送装置全体の概略構成を示すブロ
ック図、
【図2】 同実施例装置のビーム方向切換器を示すブロ
ック図、
【図3】 同実施例装置の動作を示すタイムチャート、
【図4】 同タイムチャートの時間軸を縮小して示す
図、
【図5】 同実施例装置の効果を説明するための図、
【図6】 従来のデータ伝送装置の取付状態を示す模式
図、
【図7】 同従来装置の動作を示すタイムチャート、
【図8】 同従来装置の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
1…道路、14…振幅変調回路、15…変調器、16…
フリップフロップ(ビーム方向切換制御回路)、17…
ビーム方向切換器、18…ドブラー信号選択抽出回路、
20…減衰器、23…サーキュレータ、30…アンテ
ナ、31…移動物体、33…検波回路、37…ピークホ
ールド回路、38…出力回路、a…搬送波信号、b…デ
ジタルデータ信号、c…ビーム方向制信号、h…送信信
号、i…受信信号、o…物体検知信号、p…ドプラー信
号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 13/00 G01S 13/04,13/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波の搬送波信号(a) を振幅変調回路
    (14)においてデジタルデータ信号(b) に対応する変調信
    号(g) でもって振幅変調して送信信号(h) としてサーキ
    ュレータ(23)を介してアンテナ(30)に印加して、このア
    ンテナから規定ビーム方向に電波送信するとともに、こ
    のビーム方向に侵入した移動物体(31)にて反射された電
    波を前記アンテナを介して受信して、前記サーキュレー
    タにて分離された受信信号(i) と前記送信信号との差信
    号からなるドプラー信号(p) を抽出して、このドプラー
    信号の周波数から前記移動物体の速度を計測し、かつ前
    記受信信号の前記送信信号に対する時間遅れの有無から
    前記移動物体の有無を検知するデータ伝送装置の移動物
    体検知装置において、 前記デジタルデータ信号の信号レベル変化に応動して前
    記アンテナのビーム方向を、前記規定ビーム方向に比較
    して前記移動物体側から見て俯角が大きくなる方向へ切
    換えるビーム方向制御信号(c) を出力するビーム方向切
    換制御回路(16)と、前記サーキュレータと前記アンテナ
    との間に介挿され、前記ビーム方向切換信号に応動して
    前記アンテナのビーム方向を切換えるビーム方向切換器
    (17)と、前記ビーム方向制御信号に応動して前記規定ビ
    ーム方向期間におけるドプラー信号を抽出するドプラー
    信号選択抽出回路(18)とを備えたデータ伝送装置の移動
    物体検知装置。
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